
「Seven Stars」の記憶 #27
まだ寒さは残っていたが、春の日差しを感じる天気の良い日だった。
お彼岸に合わせて墓参りに行った。自分の家の墓もある霊園だ。
山の斜面にある霊園で、僕の住む街が一望できる。晴れていたのでかなり遠くまで見渡すことができた。
自分の家の墓参りを済ませると、彼の家の墓の前に行った。誰かが訪れている形跡はなかった。墓所の所在を家族に確認したのは僕だけなのかもしれない。
あれから何年経ったのだろう。僕は必ず手を合わせに行っていたが、一度として誰かが手向けた花や線香を見たことはなかった。
セブンスターの封を切った。ちょうど封を切るタイミングだった。2本に火を点け、1本は墓前の線香立てに刺した。
僕は腰を下ろし、セブンスターを吸った。いつも吸っているタバコなのに激しくむせた。旨いと思えなかった。
それでも1本吸い切るまで、そこに座っていた。ただセブンスターを吸っていただけだった。
「俺に出会わなければよかったんじゃないか?」
何年経っても、僕はそうとしか思えなかった。
僕は火を消すと、立ち上がった。
「俺、もう来ないわ。じゃあな」
封を切ったばかりのセブンスターを墓前に置いて、僕はその場を去った。
その日で僕はセブンスターを止めた。
終