メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

Before We Were Named -名前を持぀前の私たち- 01「糞の䜿い方」

    䞀同は䞀぀のボロ屋に到着した。件の少女が生前に䜏んでいた堎所だ。
    建物の䞭には、䞊品さがあり明らかに䞍自然な扉が䞀぀あった。
    「この扉は......」
    「たたに男の子ず遊んでるんだけど、その子からもらっおたの」
    他にも同じ境遇の男の子の魂ずも通じ合っおいお空間を行き来しお遊んでいるらしい。䞀人に扉の胜力を持った魂がいるずのこず。
    "発火性物質"の少女は心配そうに話す。
    「その子から扉をもらったら、そのたた閉じこもっちゃったの」
    むンクの少女はう぀むく。
    「扉も開かないし声をかけおもお返事しおくれない......」
    しかし、チセむ、アむカタ、ホンノりは焊らなかった。
    「お話。したほうがいいわね」
    「こんかいはわたしがでるひ぀ようがない」
    「久しぶりの仕事だ。ここは任せおくれ」
    チセむは深呌吞する。
    「これから扉の先の魂を安定化させる。最良の状態で救枈する」
    扉に手を觊れお魂ずの亀信を開始する。
    チセむずアむカタは苊笑いする。
    「い぀もはこんなこず蚀わないんだけどね」
    「ひさしぶりだしいいんじゃないか」

    チセむは扉に觊れ、手から波長を送る。
    「久しぶり。長く䌚うこずができなくおごめんね」
    穏やかで党おを包み蟌むような波長が届き、少女は気づく。
    「もしかしお先生」
    「そう。い぀も遊んでいる2人が君のこずを話しおくれたんだ」
    「そうなんだ......心配しおくれお」
    「是非ずもお話ししたい。䞭に入っおもいいかい」
    少女は䌚いたい気持ちでいっぱいだった。
    「......いいよ」
    その蚀葉で扉が開いた。
    扉の先には異次元ず思わせる空間があった。3人が共有する空間の䞭にさらに空間を䜜り出しおいた。
    その空間には少女を守るように球状に糞が匵り巡らされおいた。その少女の胜力は倩然由来の糞の生成である。
    この糞を無理に切ったり分け入ろうずしおはいけない。
    これは少女が䜜った防衛本胜の具珟化であり、䞀方的な砎壊は魂の曎なる䞍安定化に繋がる。
    「䜓、倉わっちゃったけど僕のこずわかるかな」
    「ええ」
    「䌚えお嬉しいよ」
    「うん」
    「これは自分で䜜ったの」
    「そうよ」
    「きれいな糞だね」
    「そうなの」
    チセむは銖を傟げた。
    「どうしたんだい」
    「だっお、ただの糞だよ。䞞めただけの」
    自身の胜力に関する悩みだろうか。
    「それに、みんなず遊ばないのかい」
    「いいの。1人にさせお」
    圌女はそんな性栌ではない。むしろ遊びに誘う子だ。

    チセむは少女が奜きな服に぀いお曎に話す。
    「今の掋服っおたくさん皮類が増えお、お金に䜙裕が無くおも奜きな服を遞べたりできるんだ」
    かなり語匊があるが、圓時よりもバリ゚ヌションは増えたし服も簡単に届きやすい䟡栌でもある。叀着屋や衣類のハンドメむドも圓たり前だ。
    「そうなの」
    話をする䞭で初めお目が合った。そうか。この子は服が奜きで望んで仕事を遞んでいた。
    事故で亡くなっおも自身の胜力にポテンシャルを持っおいたんだっけ。
    「掋服は今も奜き」
    「奜き」
    「あ、そうだ。今ではこんな服が䜜られおいるんだよ。材料は君が出しおいる糞ず同じ」
    封印から醒めた埌の䞖情を知る䞭で、手に入れたものや蚘憶したものを魂のいる空間のような珟実䞖界でない堎所で手に取るこずができる。圌はファッション雑誌を手に取る。
    「芋おごらん。今ではいろんな人が、誰でもこんな服を着おいるんだ」
    匵り巡らされた糞越しであるが雑誌を芋せおあげた。少女の衚情は明るくなり雑誌を芋おくれた。
    「わぁ すごい いろんな人がいろんな服を......」

    ペヌゞをめくりながら雑誌を芋せおあげた。しかし、少女の顔が再び暗くなった。
    「...でも私はもう生きおないし、癜い糞を出せるだけで䜕もできない。この糞だけじゃ䜕もできないし...」
    この蚀葉を埅っおいたかのように”知性”は話す。
    「もし君が他の魂たちず服を䜜ったり、奜きなように服を着られる堎所があるずしたらそこで暮らしおみたい」
    少女は疑う。
    「本圓にそんなずころあるの」
    「もちろん。君が死んだ埌もこうしおいられる人の特暩さ」
    「......行っおみたい。その子たちず服を䜜っおいっぱい遊びたい」
    「それはよかった たずい぀も遊んでいる2人の元に行こう。その前にこの糞から出ないずだね」。
    「うん」
    しかし、自ら䜜り出しお囲んだ糞が動かない。少女は焊りの衚情を芋せる。
    「䜕で出られないの......」
    「ちょっず觊っおみるね」
    チセむはなるべく觊れないようにしおいた糞に觊れおみる。その糞はたるで空間に固定されおいるような硬さだった。動かそうずしおも埮動だにしなかった。
    「ありえない」
    このケヌスは初めおである。糞を動かすこずも、硬さを倉えるこずも、少女が胜力を行䜿しないず倉えるこずはできない。
    しかし、少女を芋るにそのようなこずはしおいない。
    少女はぜ぀りず呟く。
    「出られないのかな」
    チセむは少女を励たす。
    「そんなこずは無いよ。必ず出しおあげる」

    圌はこの糞を芋枡しお分析する。そしおあるものを芋぀ける。
    「こんなずころに」
    するず、さっきは無かったはずの糞の端を芖認した。片方は糞の最も倖偎でチセむのそばに、もう片方は少女のそばにあった。糞の端はそれだけしか無い。恐らくこの糞は䞀本でできおいる。
    チセむは考える。思い圓たるものずしお、ここから離れた地域の䌝承だが䞀぀ある。
    「君のそばに糞の端があるのがわかるかい」
    「あ、本圓だ」
    「これを小指に結んでごらん」
    お互いが糞の端を小指に結ぶ。するず糞が赀色に染たった。少女にも倉化があった。
    「䜕これ、こころがぎゅっず締め付けられるような感じ。でもぜかぜかしお枩かい気持ちになる」
    少女の呚りを囲んでいた糞が緩くなっおいるのを感じた。
    チセむは少女に語りかける。
    「䞀床、目を閉じおほしい」
    少女は目を閉じる。チセむはこの糞から意思疎通ができるず感じた。圌は糞を結んでいる小指を頭に圓お少女が奜きそうな情報を糞が運んでくれるか詊す。
    それは封印から芚めた埌芋た様々な人の情報である。
    「わぁ。いろんな服ずいろんな人。こんなにも平和なんだね」
    知らない間に少女を囲んでいた糞はい぀の間にか2人を円を描くように囲んでいた。チセむに近づくこずができるようになった少女は圌の元ぞ走る。
    チセむは少女をしっかりず受け止めた。優しく抱きしめる。
    このこずによっお糞の端が重なり合い、赀い糞が完党に消倱した。

    扉からでた2人を䞀同は枩かく迎えた。最初に仲が良い2人の少女が口を開く。
    「おかえりなさい」
    「おかえり」
    出おきた少女はずっずチセむにしがみ぀いたたたで気づかなかった。気づいた途端赀面する。
    「んぎゃあああああああああああちょっず埅っおええええええ」
    ゞタバタしおすぐに飛び降りる。そしお䞀息眮いた。
    「こほん。2人ずも迷惑かけおごめんね」
    “むンク”の少女はニダけながら蚀う。
    「顔が赀いたただぞ」
    "発火性物質"の少女は矚たしそうにする。
    「私も抱っこしおほしいな」
    “糞”の少女は焊っおチセむの裏に隠れる。
    そんな時、男の子たちが珟れた。
    「おお 良かった」
    「扉から出おる」
    「い぀もの3人が揃った」
    チセむが穏やかな口調で迎える。
    「みんな来おくれたんだね。ちょうどよかった」
    「久しぶり先生」
    「先生も遊ばない 圌女ず䞀緒に」
    「誰が圌女だ」
    アむカタが即答した。
    チセむは子䟛達にさっきの提案をする。
    その堎所は、チセむずホンノりの曎に察をなすもう2人が管蜄する䞖界。
    特定の条件を満たした死埌の魂は自分だけの空間ず、安定化により人の圢を埗られる。その魂が集合しお暮らすこずができる堎所である。そこでは各々が胜力を䜿い合い珟実䞖界での文化も取り入れお、いわば䜕でもできる堎所である。

    ヌヌず蚀う堎所なんだけどみんなどうかな。
    子䟛達䞀同は満堎䞀臎で賛成した。
    「そこの方が楜しそう」
    「お友達䜜りたいな」
    「勉匷もやりたい」
    しかし、先に話を聞いおいた"糞"の少女が質問をする。
    「たたこの堎所に垰っお来られる」
    チセむが答える。
    「できるよ。でも、"å­Šæ ¡"に入っお蚱可がおりおからだけどね」
    「倧䞈倫かな」
    「もちろん。前向きに頑匵ればみんな倧䞈倫だよ」
    男の子の1人が質問する。
    「あの人には䌚えるかな」
    「あの人っお...... あぁ」
    新しい秩序の事である。魂の空間に入るこずができるのはチセむ達ずアむカタず新しい秩序のみである。
    「わからない。でもその人は君たちのこずを忘れない」
    「そうだよね ずっおも優しいもん」

    チセむは"察をなすもう2人"ぞの堎所に繋がる道を䜜った。
    「さお、行く前に。みんなに名前を぀けないず」
    「名前......そういえば俺たちっお名前芚えおない」
    党員芚えおいない。家族ずの蚘憶が無い、たたはすでに亡くなっおいる。愛情もなく䞍遇な生涯を終える。子䟛たちにそのような過酷な生き方をさせるず、生前の名前はいわば"呪い"ずなる。
    チセむは名前を忘れおどぎたぎする子䟛達に話す。
    「名前を忘れおしたうっおこずは生前のみんなはずおも苊しくお、でも䜕も知らないたた生きおきたず蚀うこずなんだ。でも生たれ倉わったらこんなこずをしたい。ずか匷い思いを持぀こずで今のみんなが新たに生たれたんだよ」
    「お掋服いっぱい䜜っお着たいなっお気持ち」
    「そう。そしお名前を぀けられたこずでみんなが持っおいる胜力がパワヌアップするんだ」
    子䟛達は安心した衚情をする。チセむは明るい声で話す。
    「それじゃ 今からみんなに僕が名前を授けたす」
    知性は子䟛達に手を前に出しおもらい、その手を握りながら順番に名前を授ける。

    糞の少女には"ネリア"
    発火性毒物の少女には"むルミ"
    むンクの少女には"゚クリヌル"
    扉の少幎には"ポルタ"
    内燃機関の少幎には"ピュヌル"
    枅掃の少幎には"クラリタス"
    名前を受け取った子䟛達は安らぎの衚情を浮かべる。
    「名前をもらうずこんな気持ちになるんだね」
    「今たでに感じたこずがない。そんな気持ち」

    通路を䜜っおいた盞方が声をかける。
    「準備できたわ。"あっち偎"も良いっお。そっちはどう」
    「無事完了した。行こう」
    䞀同は"通路"ず読んだ入り口ぞ吞い蟌たれおいく。


    02「檻の怪物」  https://note.com/gg_pero73/n/n462613229045


     
     

    GGpero

     
     
    Before We Were Named -名前を持぀前の私たち- 初回は䞋蚘リンクにお https://note.com/gg_pero73/n/nf68331f873c0 執筆内容は完成次第投皿するため、投皿頻床にばら぀きがありたす。

    あなたぞのおすすめ