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そろそろ、何か新しいものを見せてくれませんか。


    なぜだか、急に日常が
    つまらなくなることがある。

    そんなこと、ありませんか?

    何が不満なのか、自分でもよく分からない。
    平和だし、困っているわけでもない。

    なのに、ある日ふと、そう思う。
    「なんだか、つまらないな」


    若い頃、
    僕はこの感覚がもっと多かった。

    そして今になって思う。
    あの頃、僕はもっと
    刺激を欲しがっていたのだと思う。

    バイクに乗って、少し遠くへ行く。
    知らない場所へ行って、
    初めてのことをやってみる。
    少しスリルがあるくらいが、
    ちょうどよかった。

    今より刺激の多い
    毎日だったはずなのに、
    それでも足りなかった。

    もっと何か起きてほしい。
    もっと違う景色を見たい。
    もっと自分を揺さぶってほしい。

    そんな欲求が、たぶんあった。


    でも、今は少し違う。

    歳を重ねて、
    「足るを知る」ということが、
    少し分かるようになった。

    朝起きて、当たり前のように仕事へ行く。
    家に帰って、当たり前のようにご飯を食べる。
    そして、当たり前のように眠る。

    そんな何気ない日々が、
    実はかけがえのないものだったりする。

    何も起きない。
    大きな事件もない。

    でも、それでいい。

    むしろ、何も起きない一日を、
    ありがたいと思えるようになった。

    だから今、「つまらない」と
    感じるときも、昔とは少し違う。

    今の暮らしを壊したいわけではない。
    刺激が足りないわけでもない。

    ただ、
    「そろそろ、何か
    新しいものを見せてくれませんか」
    と思う。


    たぶん、これは僕だけではない。
    人は、同じ景色を見続けると、
    それを当たり前にしてしまう。

    昨日まで新鮮だったものが、
    いつの間にか背景になる。

    緊張しながら始めた新しい仕事も、
    どう進めようかと迷った人間関係も、
    いつしか日常になっていく。

    それは悪いことではない。

    人間には、慣れる力がある。
    だからこそ、安心して暮らせる。
    でも、その「慣れる力」が、
    ときどき僕たちを退屈にさせる。

    そんなとき、心のどこかで小さな声がする。
    「そろそろ、何か
    新しいものを見せてくれませんか」

    僕は最近、
    それを「好奇心の呼び鈴」みたいなものだ
    と思っている。


    では、その呼び鈴が鳴ったら、
    どうすればいいのだろう。

    人生を変えたり、
    仕事を辞めたり、
    遠くへ引っ越す必要もない。

    僕は、旅がいいと思う。

    ただし、旅というと、
    どうしても遠くを考えてしまう。

    三日なら何とかなる。

    でも十日となれば、仕事の調整がいる。
    一緒に行く人がいれば、その人の都合もある。
    お金だって必要だ。

    だから、
    旅は少しハードルが高い。

    でも、考えてみれば、
    旅に必要なのは距離ではないのかもしれない。

    初めて訪れる場所。
    それだけでいい。
    いつも通り過ぎている駅で降りてみる。

    知らない町を歩き、
    波長の合った
    初めて入る店でご飯を食べる。

    見たことのない景色を見て歩く。
    その風に吹かれてみる。
    それだけで、少し世界が広がる。


    旅は、遠くへ行くことではない。

    見慣れた世界から、
    一歩だけ外へ出ることなのかもしれない。

    そして、それなら今の生活を
    壊さなくてもできる。

    平和な日常を大切にしながら、
    その中に小さな窓を開ける。

    それでいい。

    むしろ、今の僕には、
    それくらいがちょうどいい。


    僕も、「なつ」も
    そろそろ旅に出たいと思っている。

    ただ、二人の休みがなかなか合わない。
    だから、本格的な旅は、
    まだ少し先になるだろう。

    でも、先日ふと思った。
    別に、そこまで待たなくてもいいんじゃないか。

    遠くへ行けなくてもいい。
    泊まれなくても、日帰りでもいい。
    二人で初めての場所へ行き、
    知らないものをひとつ見つけてみる。
    それだけでいい。

    そうやって、
    小さな「初めて」を
    日常に混ぜていけばいい。


    「つまらない」という感覚を、
    僕は以前、悪いものだと思っていた。

    何かが足りない。
    何かを変えなければいけない。
    そんなふうに考えていた。

    でも、今は少し違う。

    もしかすると、
    「つまらない」は、人生への不満では
    ないのかもしれない。

    慣れ親しんだ毎日を、
    もう一度、新鮮に見るための
    サインなのかもしれない。

    だから、そんな日が来たら、
    焦らなくてもいい。

    今あるものを捨てなくていい。
    大きな変化もいらない。
    ほんの少しだけ、窓を開けてみる。

    いままで、やってこなかった
    ほんの小さなことでいい。

    時間やお金をかけなくても、
    できること。

    その小さな1歩を味わってみる。
    そして、心の中でこう呟く。

    「そろそろ、何か
    新しいものを見せてくれませんか」

    きっと人生は、
    まだ知らない景色を、
    いくつも隠し持っている。

    僕たちが、窓を開けるのを
    待っているだけなのだ。




     
     
     
    🎈妻との死別を二度経験し、三度目の結婚。「幸せとは何か」を問い続けています。苦しかった日々も何気ない毎日も人生の1ページ。そこで見つけた小さな気づきを綴ります。これからの人生を自分らしく歩む人へ、エールを贈ります。 🟢フォロバ100%│note実験室📖│言葉でつながる仲間募集中😊

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