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Photo byair_mezzanine

【ふーちゃんたーちゃん】

    gentle_daphne389

    私の従妹に、ふーちゃんとたーちゃんがいる。
    二人は同い歳。
    ふーちゃんはぶうわの長女で、たーちゃんはこうおじちゃんの長男だ。
    こうおじちゃんとぶうわは兄妹で、末の妹が私の母たつ子だ。

    ふーちゃんとたーちゃんが生まれた頃は、こうおじちゃんの住んでいる赤松台の家のとなりがちょうど借家(しゃくや)に出て、ぶうわとやすしのおっちゃんはそこで暮らしていた。
    家の台所の窓がちょうどピッタリ隣同士に位置しており、夕飯時には、窓からぶうわが、「さとちゃんいてる?お醤油ある?」とこうおじちゃんの妻、さとおばちゃんに声をかけ「あるで~、はいよ」と調味料等のやりとりをしていたくらいで、ふーちゃんとたーちゃんは二家族の中で一緒に大きくなったようなものだ。

    食欲もそっくりで、二人は哺乳瓶のミルクをジュジュゥゥゥゥジュッジュゥゥゥゥーーーーーーーーーーーと、けたたましい音をたてて飲み干し、ミルクが無くなると、大きな泣き声を上げ、『早くミルクをよこせ』と言わんばかりに哺乳瓶を放り投げた。
    青木家の私も弟のえいすけも食が細く、ミルクを飲む量もごくわずかだったので、牛頭町のおばあちゃんや私の母は、あまりの違いに目を丸くした。
    おばあちゃんなどは「きゃ~、ちょっと、早よミルク、ミルク作って持ってきて、もうミルク無くなる!放り投げて怒るわ、怖い~」と二人にミルクを飲ませる時は戦々恐々としていた。
    「はな子ちゃんら全然飲めへんかったのに、ふーちゃんとたーちゃんときたら、ミルク無くなったらすごい勢いで泣いて怒って、哺乳瓶放り投げるやろ、私、も~怖て怖て」と、おばあちゃんは胸に手をあて肩をすぼめた。

    ハイハイが出来るようになると、こうおじちゃんは面白がって、二人を互いに少し離して座らせると、その間に二人が大好きなバナナを1本置く。
    置かれたバナナをほぼ同時に目視した二人は、バナナを目掛けハイハイをスタートし、僅差でふーちゃんが勝利した。
    バナナが取れなかったたーちゃんがグスグスと泣きべそになると、こうおじちゃんはまた、二人から少し離れたところに、バナナをもう1本そっと置く。と、両者一斉にそのバナナを目視し再びハイハイをスタート。
    第二レースの開幕だ。
    二人ほぼ同時にバナナに手を伸ばしたが、ふーちゃんが力づくでバナナを奪い取った。
    泣き始めたたーちゃんに、こうおじちゃんはまた、二人から少し離れたところにバナナを一本置く。と、ふーちゃんは両の手にバナナを握ったままのハイハイのため、今度はたーちゃんが一足早く、そのバナナをつかんだ。がその瞬間、ふーちゃんがバナナを持っている自分の手を一瞥し、すぐさま右手にもっているバナナを口に銜え、空いたその手でたーちゃんが掴んだバナナをとり上げた!
    牛頭町のおばあちゃんは、「こうちゃん、も~そんなことして」と自分の息子を嗜めていたが、こうおじちゃんは意に介さず、いつもの引き笑いをして楽しそうに笑っていた。

    たーちゃんは言葉を話し出すのも遅く、さとおばちゃんは心配したらしいが、おっとりした優しい性格は今もかわらない。
    ふーちゃんは勝気な性格はそのままだが、こちらが驚く程周りに気を遣っている繊細な一面を持ち合わせ、色白の可愛い女の子に成長した。

    【おばあちゃんのベランダ】|gentle_daphne389 (note.com)


     
     
     
    和田(みきた)市 牛頭(ごず)町に暮らす大好きなおじいちゃんとおばあちゃんを中心に描いています。

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