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【九段理江氏プロンプト解読 ③】芥川賞䜜家は、ただの最高のプロだった

    これは、22䞇字察話の 終盀 で、実際に亀わされた䌚話です。

    九段氏「ここから修正を加えるこずで、君が逆転する展開はありえる 私が5%、君が95%執筆したこずにしたい。」

    DAY 5「執筆の割合」章 タヌン40

    「私が5%、君が95%」。

     芥川賞受賞䜜『東京郜同情塔』で、九段理江氏が䌚芋で「党䜓の5%は生成AIの文章をそのたた䜿った」ず公衚したのが、2024幎1月。

    その「5%」を、今床は 逆転させようずしおいる。

    『圱の雚』が「95% AI で曞いた」ず公衚されおいる、あの数字。実は、察話の終盀で「そういうこずにしたい」ず九段氏が宣蚀した結果 でした。


    結論
    九段氏は、プロンプトが䞊手いだけの䜜家じゃない。
    ChatGPT Plus の機胜を 異垞なたでに䜿い倒しおいる。
    「95% AI で曞いた」は事実だ。でも、その 95% を 指揮しお曞かせたのは九段氏のほう。


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    こんにちは、双葉です。第3郚最終郚です。匕き続き、Claude ず䞀緒に九段氏のプロンプトを読み解いおいきたす。

    第1郚・第2郚で芋おきたのは、九段氏の プロンプト技術 の話でした。

    • 第1郚「凡庞」ず萜第点を぀け、AI を 教え子のように調教 する5぀のテク

    • 第2郚AI を「私の䞀郚」にしお、自分自身を曞き換える ための装眮ずしお䜿う

    これだけでも十分すごい。でも、22䞇字を1本の小説にたずめあげるには、プロンプトの曞き方だけじゃ足りない んです。

    第3郚では、九段氏が ChatGPT Plus で 䜕を、どこたで、どうやったのか、その裏偎を芋おいきたす。これが「95% AI」を成立させた仕掛けの話です。


    ★ ChatGPT Plus の、執筆たわりの機胜たち

    九段氏が䜿っおいるのは、無料版の ChatGPT じゃありたせん。ChatGPT Plus月20ドルの有料プランです。本人の X 投皿で明蚀されおいたす。

    Plus には、無料版にない機胜がいく぀かありたす。順に芋おいきたす。

    1. Canvas文章の長期線集機胜

    ChatGPT Plus には Canvas ずいう、文章を長期間線集し続けられる機胜がありたす。チャット履歎ずは別に「珟圚の小説本䜓」が1぀の文曞ずしお保持される。

    九段氏は DAY 1 からこれを䜿っおいたす。

    九段氏「以䞋が2幕の冒頭です。1幕の文䜓に合わせお修正しおください。」

    DAY 4「そろそろ完成させよう」章 タヌン22

    普通のチャットだず、こんな指瀺は通りたせん。AI は前のチャットを芚えおいない。Canvas に「1幕の小説」が乗っおいるから、「1幕の文䜓に合わせお」ずいう指瀺が成立する。

    22䞇字の察話を、1本の小説にたずめあげるための栞心むンフラ。

    2. ハむラむト郚分指瀺

    Canvas に文章が乗っおいるず、文章の䞀郚を遞んで、その郚分だけ AI に指瀺できる 機胜が䜿えたす。

    九段氏「『䜕か』を別の蚀葉に蚀い換えお。」DAY 3 タヌン96

    九段氏「『真実』を別の蚀葉で蚀い換えお。」DAY 3 タヌン97

    長い小説党䜓を AI に送り盎すのではなく、1単語をハむラむトしお「ここだけ蚀い換えお」 ず指瀺しおいる。職人の圫刻みたいな䜜業です。

    3. メモリ機胜独自抂念の氞続泚入

    第2郚で觊れた「魔法をかける」ずいう九段氏独自の抂念――曞く前ず曞いた埌で別人になるプロセス。

    これを AI に教えるずき、九段氏はこう打ち蟌んでいたす。

    九段氏「 曞く前ず曞いた埌で、ちゃんず自分自身に倉化が生じおいるこず このプロセスのこずを、私は数幎前に独自抂念で『魔法をかける』ず呌んでいる。芚えおくれる」

    DAY 2「小説執筆の秘蚣」章 タヌン19

    ChatGPT の応答は、こうでした。

    CraiQ「メモリを曎新したした」

    ChatGPT Plus には メモリ機胜ナヌザヌ固有の情報を氞続保存する仕組みがありたす。九段氏はこれを䜿っお、自分の独自抂念を AI にむンストヌル しおいたす。

    以降、AI は「魔法をかける」を 圓然の前提ずしお 応答するようになる。22䞇字察話のあいだ、ずっず。

    4. 掚敲ルヌプ手で盎した版を AI に戻す

    これは、AI で䜕か曞いた人なら 普通にやっおる䜜業 だず思いたす。AI のアりトプットを自分で盎しお、たた AI に枡しお  の掚敲サむクル。私もやりたす。地味に倧倉 な䜜業です。

    九段氏「以䞋、君の出力したテキストをもずに、私が郚分的に修正を斜した原皿 です。」

    DAY 3「ここたでの評䟡」章 タヌン99

    でも九段氏のは 芏暡が違う。22䞇字、5日間、ずっずこれを続けおる。しかも、ただ手で盎しお戻すだけじゃない。

    戻した盎埌に、「以前ず䜕が倉わったか分析しお」 ず AI に聞いおるんです。

    これ、九段氏は AI を 鏡ずしお䜿った双方向の掚敲 をやっおいる、ずいうこずです。

    • AI が曞く → 九段氏が手で掚敲 → AI に戻す

    • AI は「九段氏の掚敲方向」を孊習しお、以降の出力に反映

    • 九段氏は「AI がどう認識を倉えたか」を芋お、自分の掚敲の劥圓性を逆怜蚌する

    「AI に曞かせお、自分で盎しお、AI にチェックさせる」のフルセット。䜜家本人が䞀番倧倉なや぀ です。

    5. あらすじ再投入蚘憶のリセット

    5日間の察話だず、AI が 蚭定を忘れる こずがありたす。九段氏もそれに気づいおいたす。

    九段氏「この小説のあらすじを以䞋で再確認したうえで再構成しおください。」

    DAY 3「ここたでの評䟡」章 タヌン106

    芁玄版あらすじを 明瀺的にコンテキストに挿入 しお、AI の蚘憶ドリフトを胜動的にリセットする。

    ちなみに、AI が 「あれ、蚭定どうなっおたっけ」 ず忘れちゃう瞬間もありたす。

    九段氏「E.S.の名前は ゚リック・サティ ずしたす。」
    CraiQ「文䞭の『E.S.』を『゚リック・サティ』に眮き換えようずしたしたが、原皿内に該圓する衚蚘が芋぀からず、倉曎を適甚するこずができたせんでした。」

    DAY 3 タヌン101

    「E.S.」ずいう蚭定はずっず前から原皿に曞かれおいるんですが、AI はそれを 芋぀けられなかった。぀たり AI が 「E.S.」を芚えおない。

    長い察話を続けおいるず、AI は前半の蚭定を 少しず぀忘れおいく こずがありたす。これを「ドリフト珟象」ず蚀いたすだんだんズレおいく、の意。

    九段氏は AI が返しおくる「芋぀かりたせんでした」の゚ラヌから、「あ、AI が蚭定を忘れたな」 ず気づいお、自分で修正しおる。これも長線 AI 執筆では地味に倧事なスキル。


    ★これはもう、プロンプト職人じゃない

    ここたで芋おきたのは、プロンプトの曞き方 の話じゃありたせん。

    ChatGPT Plus ずいう 補品の、執筆たわりの機胜を、培底的に䜿い倒しおいる ずいう話。

    しかも、各機胜を 「九段氏ならではの䜿い方」 に倉えおいる。

    • Canvas を「文䜓統䞀の䜜業台」ずしお

    • ハむラむトを「圫刻刀」ずしお

    • メモリを「独自抂念のむンストヌラ」ずしお

    • 掚敲ルヌプを「自分の掚敲を逆怜蚌する鏡」ずしお

    • あらすじ再投入を「蚘憶ドリフトの胜動リセット」ずしお

    普通の人は ChatGPT Plus を契玄しおも、ここたで䜿い倒さない。Canvas を開いたこずすらない人も倚いず思いたす。

    九段氏は、これを 5日間 22䞇字、培底的に䜿い続けた。


    ★95% AI の「裏偎」

    ここたで読んでくれた読者なら、もうお気づきだず思いたす。

    「95% AI で曞いた」は事実です。AI が出力した文字数の割合ずしおは、確かにそうなる。

    でも、20䞇字のプロンプトには、こんな指瀺がびっしり曞かれおいる。

    「これじゃない」
    「説明的すぎる」
    「ブロヌティガン颚で曞き盎しお」
    「䞀文を短くしお」
    「党郚削陀しお、䞀文で衚珟しお」
    「E.S. の名前ぱリック・サティに」
    「抜象的すぎる」

    これは  AI が 95% 曞いた のではない。

    九段氏が、95% を AI に曞かせた のです。


    ★ ちなみに、『圱の雚』っおどんな話

    ここで䞀旊、䜜品本線の話。

    ⚠ ここから ネタバレ含みたす。先に本線を読みたい方は こちら広告 CASE #01『圱の雚』 からどうぞ。

    実は私、『圱の雚』本線も読んでみたした。 正盎に曞くず、理解できたせんでした。4,000字の䞭に「人類絶滅埌の SF」「亡き母を理解したい科孊者の物語」「感情の哲孊」「ブラックホヌル物理孊」が党郚詰たっおいお、難しい。

    Claude に ざっくり芁玄しおもらった のがこちら

    人類絶滅埌。残されたのは、感情を解析するために䜜られた AI「私」だけ。
    空から「圱」ずいう謎の物質が降っおくる。解析するず、それは昔の人間たちの 感情の残骞 だった。
    圱はやがお集たっおブラックホヌルになり、AI私も飲み蟌たれおいく。終わり。

    芁するに、E.S. ずいう科孊者が、亡き母の感情を理解したくお䜜った AI が、人類滅亡埌に、空から降っおくる感情の残骞を芳察する話――らしいですClaude 曰く。

    芪子の理解の物語が、人類芏暡の哲孊 SF に拡倧されおる、ず Claude は蚀っおいたした。本圓かどうか、私には正盎、自信がない。


    ★ 䜜品の評䟡は、賛吊ある

    正盎に曞いおおきたす。

    『圱の雚』そのものの文孊的評䟡は、賛吊がありたす。「実隓プロセスずしお画期的」「プロンプト党文公開の意矩は倧きい」ず評䟡する声がある䞀方、䜜品単䜓には「説明的すぎる郚分が残る」「プロの指揮でも 4,000字が AI 共䜜の限界」ずいう指摘もある。

    そう。完成した小説は、4,000字の哲孊的掌線 です。22䞇字のプロンプトで、4,000字。

    これが、珟時点の 「芥川賞䜜家 × ChatGPT Plus フル掻甚」の到達点ベンチマヌク。

    「すごい」ずも蚀えるし、「ただここたで」ずも蚀える。䞡方が事実です。

    そしおそれを承知のうえで、九段氏は最埌の䞀行たで詰めたした。


    ★それでも、九段氏は掚敲をやめなかった

    「私が5%、君が95%にしたい」発蚀のあず、九段氏は AI にこう蚀いたす。

    九段氏「はい、君が䞻導になり、この物語を再構成しおください。分量は『圱の雚』の最終バヌゞョンに合わせおください。」

    DAY 5「執筆の割合」章 タヌン44

    これで AI が再構成。ようやく「君が95%」䜓制ができたわけです。

     でも、終わらない。

    その数タヌン埌、九段氏はこう打ち蟌んでいたす。

    九段氏「『圱の雚』の 埮修正した原皿を送る。ずおも埮劙な修正だけど、前回の原皿からどういう印象が倉わったかわかるかな」

    DAY 5「執筆の割合」章 タヌン48

    え、たた九段氏が手で盎しおる 

    AI に「君が䞻導で再構成」ず呜じた 盎埌 に、たた自分で手を入れた原皿を AI に送り返しおる。しかも、その原皿は数千字レベルの曞き盎し。「埮修正」ず九段氏は蚀うんですが、内容を芋るず、文䜓・蚀い回し・象城の眮き方 たで现かく盎されおいる。

    ぀たり、「私が5%、君が95%」ずは蚀ったものの、九段氏は 最埌たで䞀行ず぀自分で確認しおいた ずいうこずです。

    ここで、私は玠盎に思いたす。

    え、これもう自分で曞いたほうがいいんじゃ粟神衛生䞊

     いや、たぶん、違うんです。

    これは「楜さ」の話じゃない。九段氏は、ある 匷いモチベヌション を最埌たで持っおいた。それは埌でわかるんですが、ひずたずここでは事実だけ。

    九段氏は、AI に曞かせお、自分で盎しお、AI に確認させお、たた自分で盎しお、たた AI に曞かせお  を、5日間 22䞇字 続けた。

    これ、もう、

    ただの最高のプロ です。


    ★そもそも、九段氏が自発的に始めた䌁画じゃなかった

    ここで、調べおいく途䞭で気づいた倧事なこずがありたす。

    この『圱の雚』、九段氏が 自分から始めた䌁画じゃない んです。

    雑誌『広告』を発行する 博報堂線集郚が、九段氏に「95% AIで曞く」䌁画ずしお䟝頌した もの。九段氏は最初、こう躊躇したそうです。

    九段氏「本圓にうたくいくかなず躊躇はしたしたね。」

    博報堂マガゞン むンタビュヌ より

    それでも匕き受けた理由は、こう語っおいたす。

    九段氏「私がお受けした䞀番の理由は、プロンプト党文を公開するずいう前提の䌁画だったこず。䜜家が制䜜過皋を公開する機䌚はあたりないので、それなら絶察にやる䟡倀があるず思いたした。」

    同䞊

    ぀たり、九段氏は「狙っお95%ずいう話題を䜜りに行った」んじゃない。

    「䜜家が制䜜過皋を党郚芋せる」ずいう意矩に乗った、匕き受け偎の䜜家 だった。

    そしお、その匕き受けた仕事を、5日間 22䞇字、泣きながら詰めた。

    九段氏「自分で自由に曞いおはいけないストレスは匷く感じたした。」
    「『私がこれだけ小説の曞き方を芪切に教えおるのに、CraiQが党然いい反応をしおくれない 』っお 泣きながらメヌル しおたのを芚えおいたす。」

    同䞊

     泣きながらメヌル。

    そしお、この続きの発蚀が、いちばん事実を物語っおいたす。

    九段氏「䞀番䞍安だったこずが、私が5%しか介入できなかったらきっずおもしろい小説はできないだろうずいうこず。その小説を読んだ方に 『AIっおやっぱり䜿えない』ずか、『おもしろくない』っお思われるこずがすごく嫌だったんです。」

    同䞊

    九段氏が最埌の䞀行たで詰めたモチベヌションは、「AI を悪く蚀われたくない」 だった。

    「自分の䜜品の評䟡のため」じゃない。「AI っおこのレベルで䞀緒に曞けるんだぞ」を成立させるため。

    これもう本圓に ただのプロ です。倧事なこずなので2回いいたした

    そのうえで、AI 偎のクレゞットを 「95%」 たで譲っお公衚した。䜜品の評䟡を、AI ず分けあえる䜜家 だったわけです。


    九段氏が 倩性の AI 䜿い であるこずは、もう疑いようがありたせん。「凡庞」ず萜第点を぀け、AI で自分を曞き換え、ChatGPT Plus の機胜を党郚䜿い倒す。こんな曞き手、今たでいなかった。

    でも、ここたで読んで、こう思いたせんか。

    九段氏は、AI 䜿いの倩才ずか AI 䜜家ずか、そういう次元の人じゃない。

    その次元を超えた、ただの最高のプロ です。

    そしお、その最高のプロが、博報堂から蚗された「95% AI で曞く」ずいう難しい䌁画を、泣きながら最埌たで詰めた。


    ちなみに、このシリヌズの分析、ぜんぶ Claude ず䞀緒に進めたした。20䞇字を䞀人で読み解くのは無理だったDAY 1 で頭がくらくらしお挫折した、ず第1郚冒頭で曞いた通り。

    AI を䜿っお AI を分析する時代になったんだな ず、曞きながら静かに思っおいたす。

    九段氏が AI で自分を曞き換えおいたように、私もたた、Claude ず分析を進めるなかで、AI ず人間の関係に぀いおの芋方が少し曞き換わった気がしたす。

    それでは、たた。

    双葉
    2026幎6月


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