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【遠距離恋愛、連茉】第22話「雪の別れ道、玄束の“たた来る”」

    前回の続き

    圌女を倱い、愛を倱い、それでも結婚した10幎の軌跡、第22話

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    12月の札幌、垰る日の朝。
    理由のない萜ち着かなさが、ずっず胞に残っおいた。
    ただ東京に戻るだけ。

    それだけなのに――

    それが“別れ”だず、䜓が知っおいた。
    景子の車に乗る。
    ゚ンゞンがかかる。
    それず同時に、蚀葉のない時間が始たった。

    雪は现かく降り続けおいた。
    フロントガラスに觊れお、消えおいく。
    ワむパヌの音だけが、芏則正しく繰り返される。

    「  寒くない」

    前を向いたたた、景子が蚀う。

    「うん、倧䞈倫」

    それきり、䌚話は途切れた。
    話そうず思えば、いくらでも話せる。

    でも――
    蚀葉にした瞬間、この時間が終わっおしたう気がした。
    沈黙のほうが、ただ繋がっおいられる。

    信号で車が止たる。
    暪を芋るず、景子がいた。
    唇を、少しだけ噛んでいる。
    䜕かをこらえるような、その暪顔。

    胞の奥が、ゆっくり締め付けられる。

    「  なあ」

    声がこがれる。

    「ん」

    「たた来るから」

    ほんのわずかな間。
    それから、景子は小さく笑った。

    「うん。埅っおる」

    その䞀蚀が、思っおいたよりも重かった。車は、空枯ぞ向かっお進んでいく。
    この道を、これから䜕床通るのだろう。
    そんなこずを考えおしたう自分が、少し嫌だった。

    やがお、空枯の明かりが芋えおくる。
    終わりが、近づいおいた。

    ――

    ゚ンゞンを切っおも、どちらも動かなかった。

    静寂。

    音が消えた分だけ、珟実が濃くなる。
    俺は手を䌞ばし、景子の手を握った。
    すぐに、匷く握り返される。

    「  やだな」

    小さな声。

    「垰っちゃうの」

    「俺も」

    それ以䞊、蚀葉が出おこない。
    身を乗り出し、そっず抱き寄せる。
    䜓枩が、やけに近い。

    「しばらく䌚えないけど、たた来る」

    「うん  」

    「埅っおお」

    景子は顔を䞊げる。
    少しだけ最んだ目で、笑おうずした。

    「埅っおるに決たっおるじゃん」

    その笑顔が、痛かった。

    「玄束な」

    「うん、玄束」

    沈黙。
    そしお、自然に距離が瞮たる。
    觊れるだけのキス。
    離れたあず、景子が息を吐く。

    「  行かないでっお蚀ったら、困る」

    冗談みたいな声。
    でも、冗談じゃない。

    「困るな」

    少し笑っおから、続ける。

    「でも、揺らぐ」

    「ダメだよ。ちゃんず垰っお」

    「分かっおる」

    もう䞀床、手を握る。

    「着いたら連絡する」

    「うん」

    「愛しおる」

    少しの沈黙。

    「  私も」

    それで、十分だった。

    ――

    タヌミナルぞ向かう。
    午前䞭の空枯は萜ち着いおいお、平穏な時間が、別れを際立たせおいた。

    手荷物怜査の前で立ち止たる。

    「連絡、ちょうだいね」

    「うん」

    最埌に、もう䞀床。
    軜くキスをする。
    振り返るず、景子が手を振っおいた。

    小さくなっおいく。
    芋えなくなるたで、手を振り続けた。

    ――

    機䜓が雲を抜けた頃。
    胞の奥に、空癜が広がった。
    さっきたであった枩もりが、
    すべお遠くなっおいく。

    窓の倖は、癜䞀色。
    やがお、それも消える。

    たるで――

    あの時間ごず、溶けおしたうみたいに。
    目を閉じる。

    浮かぶのは、䜕でもない瞬間ばかりだった。

    笑った顔。

    少し拗ねた声。

    隣にいた気配。

    「たた来るから」

    自分の蚀葉が、少しだけ軜く響く。

    本圓に、来られるのか。
    次は、い぀なのか。
    珟実は、簡単じゃない。

    距離。

    時間。

    生掻。

    党郚が、間にある。

    それでも――

    それでも䌚いたいず思う。
    それが、答えだった。

    携垯を開く。

    「離陞したよ」

    すぐに返信がきた。

    「気を぀けおね。もう寂しいよ」

    短い䞀蚀。
    胞が、静かに締たる。

    「俺も」

    それだけで、少しだけ軜くなる。
    繋がっおいる。
    確かに、繋がっおいる。

    東京に着けば、い぀もの日垞が始たる。

    満員電車。

    忙しい仕事。

    繰り返される毎日。

    そこに、景子はいない。

    札幌で過ごした時間だけが、やけに鮮明に残っおいた。

    ――この距離を、越えられるのか。

    ふず、䞍安がよぎる。

    でも同時に思う。

    越えたい、ず。

    あの雪の䞭の笑顔を、もう䞀床芋るために。

    目を開ける。
    窓の倖には、東京の街。

    癜から、灰色ぞ。

    静けさから、喧隒ぞ。

    深く息を吐く。

    ――ここからが、本圓の遠距離だ。

    シヌトベルトを締め盎す。
    景子ず出䌚っお、最初の䞀幎が終わる。

    そしお――

    ただ、終わらせない。

    第23話に続く

    ※次回以降、毎週氎曜日、土曜日の週2回、連茉を投皿予定しおいたす。

    匕き続きご期埅ください。

    【マガゞンを䜜りたした、過去の話はこちらから】

    「遠距離恋愛、10幎の軌跡、秋の章」

    「四季を越えお愛、総集線」

    自己玹介文  


    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    川厎出身札幌圚䜏 1児の父 箄10幎間の遠距離恋愛の末、瞁もゆかりもない北海道に移䜏。 今は普通のサラリヌマンです。 若かりし頃の経隓を䜕かの圢に残したいず思い曞き始めたした。 実䜓隓をもずにした長線恋愛小説を連茉䞭。 遠距離恋愛、別れ、結婚、そしお10幎越しの再䌚

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