
ハワイと東南アジア、同じ緯度なのに景色が違う理由は「風」にあった
シナモンの話の時に、商人たちが季節風(モンスーン)を使ってうまく航海していた話が出てきた
その近辺は季節によって風の向きが変わると言う話だった
(その記事はこちらから↓)
私たちが普段何気なく感じている風
今でこそ天気予報では風の強さを「何m/s」で確認し、その日の予定に合わせて準備をする
お洗濯物が飛ばないかな?
窓開けてると砂が入ってくるかもな
寒かったら上着がいるな
いい波が来てサーフ日和かも
今日のゴルフは球が流されるな…
私は、その日その場所の風しか気にしていなかったけれど、地球規模で見ると
風向きって何か法則があるのかな…
気象予報士だったら当たり前に知ってる事かもしれないけれど、
興味本位でまた深掘る私は、専門的にまで行かずとも、そこにまた興味深い話が広がっていることを知る
今回の栞のセンサーは「風」にたちました
さて、風の始まりをたどると、
すべては太陽に行き着きます
太陽は地球全体を均一には照らさない
海と陸では温まり方が違い、さらに赤道と極でも受ける日射量が違う
だから地球には、あちこちで「温度差」が生まれる
温められた空気は軽くなって上昇する
その空いた場所へ、周囲の冷たく重い空気が流れ込む
その空気の流れこそが、
風
つまり風は、ただ気まぐれに吹いているわけではない
太陽が生み出した熱の偏りを、地球全体へ運ぶための巨大な循環システムなのです
もし風がなければ、赤道は今よりもっと灼熱になり、極地はさらに凍てつく世界になっていたかもしれない
風は、地球の熱の偏りを少しでも和らげようと働く、見えない「熱の運び屋」なのです
まずはその最初に登場するのが「貿易風」
赤道付近で温められた空気は上空へ昇り、やがて南北へ流れ、およそ北緯・南緯30度付近(*)で冷えて下降するという
そして地上では、その空気が再び赤道へ向かって流れ始める
地球は自転しているため、風はまっすぐには吹かない
北半球では北東から南西へ
南半球では南東から北西へ
これが一年を通してほぼ一定方向に吹く「貿易風」の仕組み
ここで気になったのが、同じ赤道付近にある地域同士でも景色がまったく違うこと
片や、
暑いながらも島の風上では雨を降らせながら、風下では乾燥した空気をもたらすハワイ
と
ジメジメした湿気を含んだ東南アジアなどの地域
この違いはなんなのか…
まずハワイのようなポツンとした島の周りは…
360度ほぼ太平洋、どこを見ても海
だから、
「海は暖かいけど大陸は熱い!」
という大きな温度差が生まれない
ハワイの周囲には、夏になると極端に熱くなるような大きな大陸がないから
だから一年を通して、
北東から吹く貿易風が安定して吹き続ける
ただ面白いのが、その風は海から来るので
水蒸気をたくさん含んでいる
北東から南西向きに風が吹いているから
北東側が「風上」
風が海から湿った空気を運んできて山にぶつかると、
空気は山を登り気温が下がる
すると雲ができて雨が降る
だから東側は緑がとても豊か
山を越えた空気は、水分をほとんど失っている
その空気は山を下るにつれて自然に暖かくなり、湿度がさらに下がるため乾燥する
例えば
オアフ島西側
ハワイ島西側(コナ)
は晴天が多く、リゾート地が多い
実は同じ島なのに景色がまるで違うのです
興味深い!
では、同じくらいの緯度にあるインドや東南アジアはどうだろう
ハワイと同じように貿易風が吹く地域なのに、あちらは一年を通して蒸し暑く、雨の多いイメージ
この違いを生み出しているのが、
広大なアジア大陸の存在
ハワイは四方を海に囲まれているため、海と陸の大きな温度差が生まれにくい
そのため、一年を通して貿易風が安定して吹き、島ごとに風上と風下の景色が分かれていく
一方、インドや東南アジアの北には、世界最大級の大陸であるユーラシア大陸が広がっている
夏になると、この広大な大陸は海よりもはるかに強く熱せられる
すると、大陸の上では暖められた空気が勢いよく上昇し、海の上にある湿った空気を大量に引き寄せるようになる
こうして海から運ばれてきた湿った風が、インドや東南アジア一帯に高温多湿な空気と大量の雨をもたらす
つまり、この地域の気候は貿易風だけでは語れないのです
そこには、巨大な大陸が生み出す「もうひとつの風」の存在があるのだ
その風こそが、シナモンを運んだ船(別記事あり)を支えた
「季節風(モンスーン)」
どちらも太陽による温度差が生み出す大気の流れですが、大きな違いは
「一年を通して同じ方向に吹くか」
「季節によって向きを変えるか」
という点にある
季節によって地球規模で風向きまで変えてしまうこの壮大な仕組みは、また別記事でじっくり追いかけてみたいと思う
ちなみにこの対比は気象学でもよく使われる考え方だそうで、「風が一定か、季節で変わるか」という違いが、景観の違いにも表れているという
以前出した記事でヨーロッパの石について書いたけど、その時は石が街の色を決めたことを知った
(記事はこちら↓)
ということは、
石が街の色を決め、
風が雨を運び、その雨が緑の景観を育てる
地球の景色は、目に見えない自然の仕組みによって少しずつ形づくられているのだと感じました
知るとほんとに面白い🤭
栞
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