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Episode 5 異星からの邂逅🛸


    午後のCafé Solas。

    窓からやわらかな陽射しが差し込み、
    店内にはコーヒーを挽く音だけが流れていた。

    ケンタがスマホを置く。

    「なあ」

    アキラは豆を量りながら答える。

    「なんだ」

    「宇宙人に会ったらどうする?」

    少しだけ沈黙。

    タクヤが顔を上げる。

    「今日はそこから始まるのか」

    「昨日さ、宇宙人に遭遇したらって動画見ちゃって」

    「また変なの見たな」

    「でも気になるだろ」

    アキラは静かにお湯を落としながら言う。

    「まず、本当に宇宙人か確認する」

    「ほら出た」

    ケンタが笑う。

    「絶対そこから入ると思った」

    タクヤも苦笑する。

    「アキラは未知の生命体より定義が気になるタイプだからな」

    「断定は早い」

    「めんどくさい」

    少し笑いが広がる。

    ケンタは身を乗り出した。

    「俺なら逃げる」

    「普通だな」

    「でもさ、逃げても追ってきそうじゃない?」

    タクヤが腕を組む。

    「たしかに。
    宇宙まで来られる技術あるなら足速そう」

    「足あるの?」

    「知らん」

    「ないかもしれない」

    「浮いてるかもしれない」

    三人とも少し考える。

    アキラがぽつり。

    「そもそも歩く必要がない」

    「また始まった」

    「全部否定する」

    「可能性の話だ」

    ケンタは笑いながらタクヤを見る。

    「じゃあお前は?」

    タクヤは少し考えてから答えた。

    「……とりあえずコーヒー出す」

    「なんでだよ」

    「ここカフェだし」

    「宇宙人にも?」

    「初対面だからこそ」

    アキラが頷く。

    「悪くない」

    ケンタは呆れたように笑う。

    「歓迎ムードかよ」

    タクヤは続ける。

    「コーヒー飲めたら仲良くなれるかもしれない」

    「飲めなかったら?」

    「紅茶」

    「そこじゃない」

    また笑いが起きる。

    ケンタが言う。

    「宇宙人が
    『カフェラテ、フォーム多めで』
    とか言ったら?」

    「常連決定だな」

    「ポイントカード作る?」

    「銀河共通なら」

    「遠すぎる」

    店内に笑い声が広がる。

    しばらくしてアキラがコーヒーを三人の前へ置いた。

    湯気が静かに立ちのぼる。

    ケンタはカップを持ちながら言う。

    「結局さ。
    三人でいたら、一番冷静なのアキラだよな」

    タクヤが首を振る。

    「いや。

    俺がコーヒー出して、
    ケンタが逃げて、
    アキラが
    『それは宇宙人とは断定できない』
    って言ってる間に帰る」

    ケンタは吹き出した。

    「二度と来ねえな」

    誰かが小さく笑う。

    窓の外では白い雲がゆっくり流れていた。

    宇宙は遠い。

    けれど、こんな他愛もない話で笑える午後も、
    案外、悪くない。

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    ── Café Solas
    今日も、答えのない会話にコーヒーがよく似合う。


    次回予告

    Episode 6:もしも超能力が使えるようになったら

    • 突然テレキネシスに目覚めたケンタ!その力がカフェに思わぬ混乱を…!?

    • アキラが冷静に探る、超能力と脳科学の意外な関係とは?

    • タクヤが能力を駆使して挑む、ちょっとしたイタズラ計画の行方は——?

    次回も、ありえない日常の続きにご期待ください。

     
     

    和人

     
     
    和人 52歳。 放送大学で学びながら、 小説『Café Solas』を執筆中。 就職氷河期世代として、 仕事・学び直し・健康・老後について考えています。 50代のリアルな日常と、 学び直しの記録を発信しています。 小説とエッセイを中心に更新中。

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