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圌方の英雄集いし時、䞍芁物の俺は『アヌグレス』ずなる 第話 節

    □ 第話 蚀葉は力埌線
     
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    ● 節 決戊奈萜の王④
     
    「グルアアアアアアアッ」
     アヌグレスの党身から、シュテルンのゞオが爆発的に膚れ䞊がった。
     眩い光はノズォヌの内壁を照らし、そのすべおを包み蟌む。
     
     高く昇ったアヌグレスは、剣぀るぎを肉壁から匕き抜いお、持ち䞊げおいた巚䜓ぞの干枉を解く。
     ノズォヌがそれを察したかのように、怒りず恐怖の入り混じった咆哮を䞊げ、巚口を閉ざそうずした。
     
     だが遅い。
     アヌグレスは、トヌクンに残された最埌の゚ネルゞアで自身を光球ぞず倉えた。
     飛翔する光球は觊腕を匟き、迫る肉壁のわずかな隙間を瞫うようにしお巚口から飛び出した。
     蒌い流星が空ぞ昇る。
     
     その盎埌、シュテルンのゞオによっお倩空ぞ吊り䞊げられおいたノズォヌの巚䜓を、解き攟たれた重力の鎖が容赊なく捕らえた。
     巚倧な肉塊が、地䞊ぞ叩き぀けられるべく墜ちおいく。
     
     ズガアアアアアアアアアアアアンッ
     
     蜟音が蟺り䞀面を殎り぀けた。
     地面が波打ち、土砂が噎き䞊がり、衝撃は村の端にたで届いお人々の身䜓を揺らした。
     
     村の離れに叩き぀けられたノズォヌは、朰れた山のような姿で地衚にめり蟌み、党身を痙攣させながら黒玫こくしの霧を吐き散らしおいる。
     その醜悪な巚䜓はなおも生きようずしおいたが、そこにはもはや先ほどたでの絶察的な嚁圧感はない。
     ただ死を拒む肉の塊が、最埌の悪あがきをしおいるに過ぎなかった。
     
     空には、アヌグレスがいた。
     アグレスバングルの氎晶から流れ出たゞオが、手にした【ムラクモダむト゜ヌド】の刃ぞ集たり、蒌い光が刀身を芆っおいく。
     
     だが同時に、アヌグレスの身䜓からシュテルン・トヌクンの光が消えた。
     重力の逆行は終わった。
     空を駆る支えを倱った青銀の戊士は、ひずり萜ちおいく。
     
     アヌグレスは自由萜䞋の勢いをそのたた刃ぞ乗せ、残るすべおの゚ネルゞアを、そしお気力を、【ムラクモダむト゜ヌド】の䞀点ぞ集䞭させた。
     
    「アアァグレスッ――バアアァァストオッ」
     閃光が倧気を裂き、倩より地ぞ光の柱が降り立った。
     
     蒌い光の奔流は、萜䞋するアヌグレスの刃から攟たれ、ノズォヌの巚䜓を貫いた。
     光柱は肉塊の奥深くたで突き抜け、業獣の䜓内で激しく荒れ、䜓衚ずいう䜓衚から蒌癜い茝きを噎き出させる。
     ノズォヌは内偎から膚れ䞊がり、肉の城塞だったその姿は、今や光を閉じ蟌めた脆い玙袋に過ぎなかった。
     
    「ゎアアァァヌッ」
     最埌の咆哮を䞊げる。
     そしお次の瞬間、奈萜業獣ノズォヌは、蜟音ずずもに倧爆散した。
     
     砕け散った砎片は空䞭で光ずなっお散っおいく。
     地を芆っおいた玫黒しこくの霧が、堰せきを切ったように薄れ始めた。
     
     地の底から響いおいた音は、もうない。
     倧地の震えも止み、぀いに、村は静寂を取り戻した。
     
     ようやく足に地の感觊を取り戻したアヌグレスは、荒く息を吐きながらゆっくりず芋枡す。
     フュノが、芋慣れぬ少幎少女が、村人たちがいた。
     誰もが傷぀き、泥にたみれ、疲れ果おおいたが、それでも確かに、倚くの者が生きおいた。
     
     その光景を確かめるず、青銀あおぎんの戊士の身䜓は静かな光に包たれた。
     戊堎を照らしおいた結晶の茝きが薄れ、姿は倧気の䞭ぞほどける。
     たるで燃え尜きた跡の光の灰が、颚に吹かれお消え去っおいくように。
     
     玫黒の霧が完党に晎れおいく。
     状況は、収束した。
     
     やがお避難所の䞭から、村人たちが恐る恐る顔を出す。
     誰かが喜び、誰かが泣き、誰かが隣の者の肩を抱いた。
     
     桃火ずうかは地面に転がったたた、泥だらけの顔で笑った。
    「怪獣に  ヒヌロヌたで出おきた。俺たち、すごいずころに来ちたったみたいだな  」
     その声には疲劎が滲んでいたが、同時に、生き延びた者だけが口にできる軜さもあった。
     
     乙比売おずひめは、ただ震える手で二の腕を抌さえながら蟺りを芋た。
    「本圓に、アニメかゲヌムみたい。けど  痛かったのも、怖かった思いも  珟実だったんだよね」
     そう呟くず、桃火を芋぀めお穏やかに埮笑む。
     
     金定かねさだもたた、肩を震わせながら苊笑する。
    「たったく  どれだけ非垞識でも、これが事実である以䞊は、受け止めなきゃいけないか  」
     
     その時、ネむサンが駆け寄っおきた。
     涙で顔をぐしゃぐしゃにし、泥に足を取られながら、それでも必死に走っおくる少幎の姿に、コトダマスタヌたちが芖線を向ける。
     
    「乙比売さんみんな  本圓に、ありがずう  」
     ネむサンは息を切らしながら叫んだ。
    「父さんも、母さんも、みんなも助かったんだ」
     
     トヌマスも胞に蟌み䞊げるものを抑えるように、前ぞ出た。
    「あの堎所であなたたち䞉人に出䌚えお、本圓によかった  感謝しかありたせん」
     
     その埌ろから、村人たちに支えられながらトビヌが歩み寄った。
    「壊れた家もあるし、怪我をした人もいるが  それでもここに残っおいる者たちは、みんな生きおいる。トヌマスが君たちを連れおきおくれたのは偶然なのか、神が遣わしおくれたのか  ミレス村の長おさずしお、心から瀌を蚀うよ」
     匵り詰めおいた空気が、緩んでいった。
     
     金定の芖線は、すでに芋倱ったフュノずアヌグレスの姿を探すように圷埚っおいた。
    「僕らを助けおくれた、あの矎しい女性は  それに、青ず銀の戊士は䞀䜓  」
     
     トヌマスも、ロヌリィも、村人たちも、誰もが傷぀いおいた。
     村の埩旧には想像以䞊の時間がかかるかもしれないし、もう同じ圢では戻らないのかもしれない。
     
     それでも、皆が生きおいた。
     倒れそうな者の手を、誰かが掎む。泣き厩れる者を、別の誰かが支える。
     
     厩れた村を吹き抜ける颚はただ匷かったが、それにはもう、奈萜の底から運ばれお来た玫黒しこくの霧を含んではいなかった。
     その颚は、傷぀いた者たちの頬を撫でる、かすかな垌望の颚だった。
     
     しばらくしお、藍琉あいりゅうはただ荒い息を吐きながら、ずがずがずミレス村の䞭ぞず戻っおきた。
     圌を探しおいたフュノず目が合う。
     
     心に去来する様々な思いを隠すように口を開いた。
    「フュノ、やっず䌚えた。あの霧の䞭で離れ離れになっちゃった時は  どうしようかっお、本気で焊ったよ」
     
     圌女は䞀瞬、蚀葉を倱ったように藍琉を芋぀めおから、堪えおいた感情がこがれ萜ちるように駆け寄った。
     
     矎しい髪は乱れ、頬には土埃が぀いおいた。
     それでも、その瞳には確かな喜びの光が宿っおいた。
    「藍琉さん、本圓によかった  あなたは、い぀だっお無茶をしたす。あなたが業獣の䞭に飛び蟌んでいった時、私  胞が朰れそうだったんですよ」
     
     フュノはそこで䞀床蚀葉を切り、震える息を敎える。
    「でも  ありがずうございたす。藍琉さんが来おくれなかったら、きっず誰も助かりたせんでした。村の皆さんも  そしお私も、です」
     その声は、叱責のようでもあり、祈りのようでもあった。
     
     藍琉は䜕かを返そうずしたが、蚀葉はすぐには出おこなかった。
     ただ、圌女のその声を聞いおいるだけで、胞の奥にくすぶり続けおいた痛みが、別の熱に倉わっおいく気がした。
     
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    ⇚お読みいただきありがずうございたす。
     この物語が少しでも心に残りたしたら、
     「スキ」を抌しお応揎いただけるず、ずおも励みになりたす。
     
     玫黒しこくの霧は晎れ、ミレス村はようやく穏やかな空気に包たれる。
     犠牲になった者も、傷぀いた倧地も、その珟実が消えるこずはなく、残された人々の心も、すぐには癒えない。
     それでも、この日守られた呜ず垌望は、確かな明日ぞず繋がっおいく。
     
     次回、『颚のゆく先に①』にご期埅ください。
    https://note.com/fancy_fish5502/n/n1a44a2b9adbe

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