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サラリーマンががんになったら、最初にやること。

「がーん…」


めちゃくちゃ不謹慎だけど、
このギャグを言えるのは、がんを宣告された当事者だけだ。


いや、でも、本当に、
「ガーン」って頭に浮かんだ。


ちょっと現実味がなくて、
それでも現実には、「そうだろうな」という認識もあって、

でも、
頭が処理しきれなくて、

そんなことでも言ってないと、心を保てなかったんだと思う。


で、
普通に考えたら、がんと宣告されたら、考える余裕なんて無くなってしまうよね。

私も「ガーン」とか言って、
わけわからなかったし。


そして、やっと落ち着いてきたと思ったら、

考えるのは治療のことだと思う。


どんな治療をするのか。
入院はどのくらいか。
仕事は続けられるのか。


頭の中がいっぱいになって、
会社にどう伝えるかまで考えられなくなるだろう。


でも、会社員ががんになったとき、
治療と同時に仕事やお金の整理も必要になる。

なかなか、ハードな状況を乗り越えないといけない。


これは会社員も自営業も同じだけど、
私は、会社員だったので、そのつらさを知っている。


私は
2019年に舌がんと診断された。


手術で舌の9割を切除し、
結果、発音障害が残った。


今は、
以前と同じように話せる人として振る舞うのをやめ、必要なことは先に伝え、チャットやツールで補いながら、できる環境に身を置いて、仕事を続けている。

その経験から、最初にやっておいた方がいいと思うことを書いておく。


だからなんなの?って感じもするけど、
これを見た人が救われるといいなぁってだけだし、

まぁいっか。


必要な人は、参考にしてほしい。

サラリーマンががんになったら、最初にやることを、
私が実際、やったことも含め解説します。


1. すぐに退職を決めない

診断直後は、
仕事を辞めることが頭に浮かぶかもしれない。

迷惑をかける。
もう働けない。
今までのようにはできない。

そう思ってしまう。


でも、治療の予定、休職制度、傷病手当金、職場で受けられる配慮を確認する前に、退職を決める必要はない。


退職は、いつでもできる。

まずは情報を集めてから考えるよう。


2. 会社には、必要な範囲で伝える

職場の全員に詳しい病状を説明する必要はない。


直属の上司、人事、総務など、まずは相談する相手を一人決める。

伝えるのは、

  • 治療のために休みや勤務調整が必要になること

  • 現時点で分かっている予定

  • 仕事上、配慮してほしいこと

くらいでいい。

病名や治療内容をどこまで伝えるかは、自分で決めていい。


伝えるのも気をつかうし、病気の身にそんな負担は良くない。

気持ちも状態に関わるし。


必要な範囲で、
書いて渡すのが一番いいかな。


私は、上司が来てくれて、
嬉しいは嬉しかったけど、

内心、
「しんどいなぁ」って思ってしまったから。


3. 制度を確認する

会社の就業規則や健康保険の制度は、自分で調べ続けるより、会社の人事・総務や加入している健康保険に確認した方が早い。


確認するのは、

  • 有給休暇

  • 休職制度

  • 時短勤務や在宅勤務

  • 傷病手当金

  • 高額療養費制度

  • 復職時の勤務調整

など。

制度は、会社や加入している健康保険によって違う。

「知らなかったから使えなかった」を減らすために、質問をメモしてから相談する。


病気になった直後には、できないかもしれない。

だから、他の人にお願いしてしまおう。

ただ、
制度を「知っている」と「知らない」の差は大きい。

このことを知っておくことは必要ですね。


4. お金を一度、紙に書く

治療費だけではなく、休職した場合の収入も考える。


病気の時に、お金のことを考えるのは、結構しんどい。

だから、民間保険に入りたいって気持ちもすごくわかる。


毎月いくら必要なのか。
給与が減ったら、何か月生活できるのか。
通院の交通費や、今後増えそうな支出はあるのか。


不安だよね。

不安なままだと、必要以上に働こうとしたり、逆に勢いで辞めたりする。


正確でなくてもいい。

今分かる範囲で、収入と固定費を書き出すだけでも、考える材料になる。

これは、ガンになってから、じゃないね。
今のうちにやっておくこと。


あとは、先に言及したけど、
高額療養費制度については、必ず調べておくこと。


高額療養費制度とは、1か月(同じ月の1日から末日まで)に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費の自己負担額が上限(自己負担限度額)を超えた場合、その超えた分が公的医療保険から払い戻される制度

これを知っているかどうか、
自分がどれくらいの自費になるのか、

ざっくりでもわかっていると安心感は、
格段に違う。


5. 仕事を「できる・できない・条件付き」に分ける

仕事は絶対に辞めるな。

先ほども書いたけど、

会社に迷惑をかけてしまう、と言って、退職を焦らなくていい。


実際には、そう優しくない会社に勤めている人もいる。

だから、焦るし、不安になるだろう。


ただ、
覚えておいてほしいのは、

ゼロになったわけではないってこと。


ゼロになったと感じるのは、

病気になる前の自分を基準にすると、
できないことばかりが目につくから。


でもそうではない。


  • 今できること

  • 今はできないこと

  • 条件があればできること

これらをちゃんとわかっていることが必要。


私の場合は、発音障害が残ったことで、
会話だけで仕事を進めることは難しくなった。


会社員時代は、ファミレス企業だったので、接客はできなくなった。

でも、調理の方はできる。


当時は、マネジャー職だったが、それは降格にはなってしまうがしょうがなかった。

その後、
体力が無くなって続けられなくなったとわかったので、退職した。


でも、今は、
文章やチャット、ツールを使えば、できる仕事はある。

「できないから終わり」ではなく、「どの条件ならできるか」を考える。


ガンになっても、
ゼロじゃない。


6. 一人で抱えない

意外と難しいのは、
一人で抱え込まないこと。


仕事のこと、お金のこと、家族のこと。

迷惑をかけてしまう。


実際、そうなんだけど、
そう思ってしまうと、頼れなくなってしまう。


でも、
全部を自分だけで整理しようとすると、
治療以外の負荷が大きくなる。


病院には、がん相談支援センターみたいな部署もある。

私が行っていた、がん研究センター中央病院には、もちろんあった。


治療前でも、仕事やお金のことを相談できる。

会社の制度は人事や総務へ、
医療のことは主治医へ、
生活の不安は相談窓口へ。


自分一人で全部の専門家にならなくていい。

それに、そんなの無理無理。


まず、頼ることを自分に許すこと。


期間限定でいい。

その後に、ちゃんと返せば良いんだから。


がんになったら、
すぐに前の生活へ戻そうとしなくていい。


しんどいかもしれないけど、
治療を受けながら、今の身体でできることを確認する。

仕事を続けるのか。
休むのか。
辞めるのか。


その判断は、制度とお金と身体の状態を確認してからでも遅くない。


私が今思うのは、がんになった後に必要なのは、以前の自分へ戻ることではないということだ。


変わった身体と条件のまま、生活と仕事を組み直していくこと。


最初の一歩は、頑張ることではなく、情報を集めることから始まる。

※この記事は個人の経験と公的情報をもとにしたものです。治療や制度の利用については、主治医、病院の相談窓口、勤務先、加入している健康保険へ確認してください。

参考:
国立がん研究センター「がんと仕事:働き方を考える」
厚生労働省「治療と仕事の両立について」
協会けんぽ「傷病手当金」
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」


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