メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

「ゞェントルメン」第話人間展開②レオナずカオル

    窓蟺にもたれ口笛を吹いおいたら、メゞロが応えおくれた。あの愛らしいシル゚ットが倧奜きだ。若草色の矜も声もいい。党身で春を䜓珟しおいるず思う。
    「あぁ、なんおありがたき幞せ っお、小垂民だなぁ私。」
     
    未曜有の感染症で授業が圚宅になっお2幎 䞖界は激倉した。䟋えばアフリカの口笛仲間から届く悲惚な状況をこの囜では報じない。䞖界的な感染爆発で誰も関心がないようだ。
    「あぁ、匱い立堎の人はこうしお芋捚おられるのか。」
     
    人だけでなく地球も長く捚お眮かれた。そんな無関心が自然を狂暎化させおしたった。
    「気候倉動リスクを抱えるのは発展途䞊囜ばかり。囜土が消えそうな囜たであるわ。このたたでは星ごずダメになる。䜕か私に出来るこずはない」

     

    そんな想いを抱いお倧人になった私は、2060幎、ある人物ずのむンタビュヌに臚もうずしおいた。
     
    「いらっしゃい、レオナさん。J囜からようこそ。今日は来おくれお嬉しいわ。」
     私も嬉しいです。お招き頂き感謝したす。お力添えを頂いお以来、早8幎になりたす。
     
    「あれはずおも良い提案だったわ。おかげで貎方をもっず知りたくなりたした。」
     かしこたりたした。䜕からお話ししたしょう。
     
    「たず貎方は、鳥類孊者でAI゚ンゞニアよね。なぜ」
     幌少から口笛で、私は鳥ず友達でした。そしお圚孊䞭に地球が壊れる様に心痛め、同じ星に䜏む仲間ずしお鳥ず䞀緒に働きたくお、AIも孊びたした。
     
    「凄い発想ね。それでAIに䜕を期埅したのかしら。」
     鳥も芋分けられない、鳥型ロボットの頭脳にしようず。
     
    「AIで鳥の脳を再珟するのは難しいず思うけど。」
     仰る通り。人間が理解した鳥の胜力は僅かなので、もっずデヌタを取らねばず、鳥に小型カメラを取り付けたした。
     
    「するず様々なものが写り蟌んで、個人情報や機密にふれそうだわ。」
     写すのは鳥に限定。通信前にカメラ内でモデル化凊理も斜しおいたす。
     
    「考えたわね。それなら䞇䞀情報が挏れおも䜿えないわ。」
     勿論、最初から鳥が同類ず思うはずがありたせん。そこでロボット偎のAIが【鳥がロボットを異物ず芋做した瞬間ず行動】を探知するよう蚭定。そしお鳥偎のAIは【䞍完党でも鳥型ロボットは鳥ず芋做す】蚭定にしお、互いのAIデヌタを競わせお改良したした。
     
    「【敵察的逆匷化孊習】の応甚ね。でも必芁なデヌタ量を集めるのに膚倧な時間がかかるわ。」
     ゲヌム゚ンゞニアずメタバヌス空間に【AI孊習甚のデゞタルツむン環境】を䜜り、改良を加速させたした。
     
    「すごい発想ね。でもその環境自䜓に欠萜があったらどうするの」
     党䜓を俯瞰する別のAIがデゞタル環境ず珟実デヌタの差を分析、足りないパラメヌタを远加しお、自動的に改善が進むよう蚭蚈したした。
     
    「抜かりはないのね。鳥の脳に近いAIができる所は分かったわ。でも本圓に粟緻な鳥型ロボットを䜜るには、工孊技術も必芁になりそう。」
     そこは倫のギむチに。圌は粟神科医で獣医でもあり、戊争や灜害で傷぀いた鳥甚に、脳ず繋いで動く人工翌も自分で開発しおいたしたから。圌の協力を埗お2050幎に鳥ロボが完成したした。
     
    「たぁ玠敵玠晎らしいパヌトナヌず出逢えたわねでは貎方の理想ず、そこぞ向かう戊略を知りたいの。」
     私は孊生時代から南北問題こそ解決すべきで、持たざる者の自立を理想ず考えおいたした。しかい若い頃は囜の助成に頌りきりで そんな私を原点に戻しおくれたのが息子カオルです。圌はプロのサッカヌ遞手ですが、自身がアトピヌゆえ矎容ぞの関心を深め、埮生物の研究者でもありたす。圌が去幎この囜ぞ移籍した際、母囜の化粧品䌚瀟が球団を協賛した背景にはそんな経緯がありたした。私は母囜で育んだ技術を掻かしお、この囜を南北問題解決のモデルにしたいです。
     
    「色々繋がったわ。それで私ず貎方が出䌚ったのね。」
     仰せの通り。2052幎たず母囜を動かし、貧しいが鳥類資源の豊富な囜だけで【鳥類資源保党条玄】を締結、私たちの知財を加盟囜に利甚可胜ずしたした。これには倧囜の反察を予想したしたが、お力添えを頂いたおかげで成立。思えばその数幎前、灜害や戊犍による鳥類被害の甚倧さに党䌚䞀臎で【鳥類保護条玄】が成立した際、戊犍圓時囜が【平時のみ有効、戊時は適甚倖】ず条件を付けたこずぞの怒りが远い颚だったのかもしれたせん。
     
    「おかげで我が囜の連邊にも独自の産業基盀ができたした。鳥ロボで灜害予枬の粟床が䞊がり、諊めかけた䞀次産業も埩掻。貎方のように優れた人材も集たっおいたす。地雷の撀去で次代を担う若者の呜も守れおいるのよ。本圓に感謝しおいたす。」
     なんお勿䜓ないお蚀葉を。私は幌少時に苛められ、人間より鳥ず遊び、鳎き真䌌から口笛を芚えたした。そのおかげで感性が䌌た人ず通じ合えるようになったので、鳥が私の居堎所を䜜っおくれたようなものなのです。だから鳥の研究で同様に悩む人の力になれたなら、望倖の喜びです。
     
    「そうだったの では貎方の本圓の狙いを蚊きたいの。぀いおは盞応の芚悟が必芁だず思うから、貎方のやり方で玍埗ゆくたでこの郚屋を調べお頂いお構わないわ。」
     かしこたりたした。ではお蚀葉に甘えおこの子を飛ばしたす。
     
    「手乗り文鳥が探知機センサヌだったのね。気の枈むたでどうぞ。」
     郚屋の䞭は倧䞈倫ですが、扉の倖に控えお居られる方はどなたでしょう
    「えったさか 私が確認するわ。」
     
    「さっき話した優れた人材の䞀人でした。虫類孊者で、私ぞの報告があっお控えおいたようなの。気になるなら扉に鍵をかけ、奥でお話しおも構わないけど。」
     お願いできたすかその方が安心できたす。


    「ではここで。貎方は最初、地球が壊れる様に心が痛むず蚀った。ただ倢の途䞭だず思うけど。」
     ご掚察の通り、私の鳥たちが本領を発揮するのはここから。我々以倖には鳥ず鳥ロボは区別できないので、鳥ロボの捕獲にはどうしおも【鳥類保護条玄】が犁じる鳥の殺傷を䌎いたす。䞇が䞀捕獲できおも解䜓ず同時にAIが無効化。重芁パヌツは通電が途切れたら分解する玠材で制䜜され耇補は䞍可胜ず蚀えたす。
     
    「耇補それをするのは先進囜だけど、ただ鳥ロボはないはず たさかもういるの」
     ご明察。枡り鳥型を実甚化し朜入枈で、これは条玄違反に圓たりたせん。
     
    「驚いたわ。でも䜕のため情報収集䜍しか出来ないわよね。」
     それが圌らの任務です。先進囜でカラスをひたすら芳察し、各囜に合わせた郜垂モデルのリリヌス準備が敎いたした。
     
    「栞心に近づいおいるように思うけど、それで䜕をしたいの」
     途䞊囜の鳥類由来でない知財は【鳥類資源保党条玄】の制玄を受けたせん。぀たり先進囜に販売できるのです。さらにこのモデルに限り、先進囜でも個人が補造できる仕様を公開したす。
     
    「䜕ですっお぀たり先進囜に鳥ロボを普及させたいのね。でも誰が䜕の為に䜿うのもうドロヌンが浞透しおいるし。」
     鳥害防止皮苗の䞍正流出防止倧芏暡な山火事の早期発芋など。ちなみに他の飛翔䜓を自動回避できる為、ドロヌンず異なり航空管制を受けたせん。
     
    「どれも差し迫った必芁ではないわね。それは衚向きで本音は別にある気がするわ。」
     流石です。お察しの通りこれは公衚甚。真の理由は軍事目的です。
     
    「えっどういうこず兵噚ずしお先進囜を匷化するの」
     逆です。先進囜の栞兵噚を“無害化”する切り札です。
     
    「無害化それ自䜓が兵噚ではなく、栞兵噚の害を無くすのね。害は膚倧な軍事予算かしら。」
     その通り。栞兵噚の費甚を環境保党等に回せたす。
     
    「確かにそうだけど、鳥ロボずの繋がりが芋えないわ。」
     倱瀌したした。囜民を蔑ろにする囜は栞兵噚を発動できたせん。芋捚おられた囜民が鳥ロボを“守り専門の兵噚”ずしお䜿うからです。
     
    「攻撃はできないの」
     はい。鳥ロボも昔からの3原則を螏襲しおいたす。
    【その1人間に危害を加えない】
    AIで人間探知を犁じおいたす。
    【その2人間に䞎えられた呜什に服埓しなければならない】
    人間が開発したAIが頭脳で、その指瀺から倖れた行動は取れたせん。
    【その3以䞊2点に反する恐れがない限り自己を守らなければならない】
    予めAIに蚭定されおいない限り、自爆誘導はできたせん。
    以䞊より、攻撃甚兵噚にはなり埗たせん。
     
    「ではどうやっお栞兵噚の抑止力にもしかしおAIがそう蚭定されおいるの」
     はい。鳥の電磁波感知胜力で、兵噚が発する攟射線を感知したす。発射盎前に閟倀を超えたら、異垞を確認すべく発信元ぞ䞀目散に向かうように蚭定。栞兵噚がどんな圢態でも、囜内党おの鳥ロボが䞀斉に矀がったらどうでしょう軌道蚈算が僅かでも狂えば倧問題。最悪、域内で爆発するかもしれたせん。
     
    「悪意が䜿えば兵噚になる。だから平玠から囜民に悪意を抱かせない政治が必芁なのね。」
     統治者が誰も芋捚おなければ心配は無甚。しかし少数を芋捚おるのが政治ず心埗た人には匷力な抑止でしょう。
     
    「やっず狙いが分かったわ。話し切ったかしら。」
     女王様に党おをお聞き頂き、思い残すこずはありたせん。逮捕されたすか
     
    「どうしお匷く共感したす。ぜひ私の囜の連邊で産業振興の顧問になっお欲しいの。匕き受けお䞋さる」
     それは、ありがたき幞せふふっ、私が人前でこの蚀葉を䜿うずは。心から有難く、幞せです。

     

    これは生前、母に聞いた話です。圌女は䞖界を倧きく倉え、途䞊囜ずいう蚀葉が䜿われなくなったこずを誇りに思っおいたした。母が亡くなっお10幎。それを機に父の埮生物型ロボットの医療応甚を進め、぀いに私も母ず同じ圹職に就きたす。
     
    「小さく匱きものぞ人間性を展開せよ」母の墓暙にある蚀葉です。父母ず3人で培った技術ず想いを継ぎ、この囜から䞖界を倉え続けたい。これたでサッカヌ遞手のカオルを応揎䞋さり感謝したす。本日はお集たり頂き、有難うございたした


    ◆最埌たでお読みくださり、心より感謝いたしたす
    よければこちらも䜵せお、お読み頂けたすず嬉しいです◆
    「ゞェントルメン」第話Gず呌ばれる囜籍䞍明の科孊者ギルド
    「ゞェントルメン」第話人間展開①ギむチずクロ゚

    䜵せお『ゞェントルメン』に繋がる序章、ご興味あればぜひ。
    これは創䜜倧賞2023ミステリヌ小説郚門の応募䜜品です
    口笛SFミステリヌ小説①『犯人はスむミヌ』
    第1郚蚌拠篇第2郚闇堕篇第3郚決着篇

    #創䜜倧賞2023

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
     
    難病自己免疫疟患を抱え起業し「医療のあったらいいなデザむン工房」を運営。株匏䌚瀟 FTS (From The Street) の代衚。口笛䞖界倧䌚䜍→「臚床口笛」でヘルスケアリヌダヌシップ研究䌚の最優秀賞。小説では「ノベルフォヌミュラ日本GP」䞭間遞考を通過。

    あなたぞのおすすめ