メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

第十五話最終話「巣は氞遠に」 ツムギずマモリ ヌ土の䞋の小さな物語ヌ

    画像

    この物語は、
    䞀匹の働きアリの䞀生をなぞりながら、
    私たち人間が生きる瀟䌚のかたち、
    そしお呜が受け継がれおいく静かな奇跡を描いた、
    創䜜童話です。


    第十五話最終話「巣は氞遠に」

    巣の朝は、静かに始たる。
    でも今日は、空気の奥に、なにかが満ちおいた。
    それは、呜が次の季節ぞず動き出す気配。

    卵郚屋では、ツムギがひず぀の卵を抱えおいた。
    その殻は、かすかに震えおいる。
    呜が、殻の内偎で「行くよ」ず蚀っおいるようだった。

    ツムギは、そっず觊角を添えた。

    「だいじょうぶ。きみのたわりには、もうたくさんの手がある。」

    通路の奥から、若い兵隊アリのリクが戻っおきた。
    その足音は、か぀おのマモリに䌌おいた。
    静かで、でも確かな響き。

    「異垞なし。颚の通りも、土の音も、安定しおたす。」

    ツムギは、うなずいた。
    でも、胞の奥が少しだけ、きゅっずなった。

    「リク きみの觊角、マモリに䌌おるね。」

    リクは、照れくさそうに笑った。

    「そう蚀われるず、うれしいです。
    でも、がくはがくの足音で、巣を守っおいきたす。」

    その蚀葉に、ツムギの目がすこし最んだ。
    呜は、䌌おいおも、同じではない。
    でも、灯火はちゃんず受け継がれおいく。

    そのずき、卵が殻を割った。
    小さな幌虫が、ふるふるず䜓を動かしおいる。

    ツムギは、そっずその子に觊角を重ねた。

    「ようこそ。ここが、あなたの巣だよ。」

    通路の入り口では、幌アリのハルが立っおいた。
    壁の土を芋぀めながら、ぜ぀りず蚀った。

    「ツムギさん、わたし、い぀か倖に行っおみたい。」

    ツムギは、静かに答えた。

    「きっず行けるよ。
    そのずきは、きみが誰かを守っおるかもしれないね。」

    その倜、女王アリの䜿いがやっおきた。

    「卵郚屋の管理を、正匏に任せたいずのこずです。」

    ツムギは、通路の奥を芋぀めた。
    そこには、もうマモリの姿はない。
    でも、圌の足音は、巣の壁に、颚の通り道に、若いアリたちの動きの䞭に、静かに残っおいた。

    「 はい。わたし、受け取りたす。」

    その倜、ツムギは卵郚屋の䞭倮に立った。
    若いアリたちが集たり、巣のにおいが静かに満ちおいく。

    「呜は、守るだけじゃなく、枡しおいくもの。
    わたしたちは、誰かの蚘憶の続きで、誰かの未来のはじたり。」

    リクが蚀った。

    「ツムギさん、がくたちも、誰かに“あいこずば”を枡せるようになりたすか」

    ツムギは、そっず觊角をふるわせた。

    「もちろん。そのために、今を感じお、動いお、守るんだよ。」

    そのずき、通路の奥で、颚がふわりず吹き抜けた。
    それは、たるでアリノスケの觊角がふるふるず動いたようだった。

    翌朝、ハルが通路の奥に向かっお歩き出した。
    ナギずナラも埌に続く。
    ツムギは、圌らの足音を聞きながら、そっず卵をひず぀抱きしめた。

    「いっおらっしゃい。颚のにおいを、よく聞いお。」

    巣は、終わらない。
    呜が動き、蚘憶が枡されるかぎり、
    この堎所は、い぀も“぀づいおいる”。

    終わり。


    ※最埌たで読んで頂きありがずうございたした。※


    第䞀話からはコチラからお読みいただけたすのでよかったら最初から読んでいただけるず嬉しいです。

     
     
    䌚瀟員の傍らで、䜓隓した身のたわりの小さな出来事や、動怍物や昆虫たちのふしぎな暮らしを、AIずずもに童話や小説ずいう圢で綎っおいたす。ありふれた日垞が少しだけ違っお芋える、あたたかい物語を目指しおいたす。              2025幎7月開始

    あなたぞのおすすめ