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十二星座物語゚ピ゜ヌド⑧

    普段は決しお明かされない、第番目の秘密の郚屋。突然のアクシデントに芋舞われた、䞻人公、蠍座の迊浮華カフカの前に、ぞんおこりんで陜気なものたちが話しかけおくる。迊浮華はいったい䜕を信じお、䜕を受け入れおいくのか神秘のベヌルに包たれた蠍座の女の物語。

    あらすじ⑧

    レッドカヌペットに浮かぶ


     ギラギラず光る銀色の䞞い球䜓の䞭で、台のオヌトバむが、蜟音ず共にアクロバティックに䞊ぞ䞋ぞずクロスする。真っ赀なラむトがぐるぐるず䌚堎内を行き来し、芳客は満員埡瀌、堎内が䞀気にヒヌトアップする。それにしおも、あのスタントマン。凄い遠心力を幟床ずなく济びおいる。倧䞈倫かそれを芋おいた芳客の䞭に、たるで挫画のひずコマのごずく、目が回りだす者がいた。

    「うわ目が回る。誰か、誰か助けお 」

    はっずしお、迊浮華カフカは飛び起きた。今日もたた倉な倢を芋おしたった。最近、どうも倜眠れず、ナヌチュヌブをボヌっず眺めながら、倜䞭時を過ぎたあたりから眠りに぀くず、決たっお難解な倢を芋おしたう。自分の䞭の朜圚意識が、䜕か悪いものを排出できずに、゚ンストでも起こしおいるのか。頭の䞭が芋事にカオスな䞀日の始たりだ。

    よし䞀旊リセットしよう。今日はアヌシングだ。そうず決たれば、善は急げ。迊浮華は歯磚きをしながら、窓越しに空を芋た。雲は芋圓たらずいいお倩気だ。欠け始めた癜い月がただ空に残っおいる。月が隠れおしたう前に、頭の䞭をスッキリ空っぜにしお、䞀日のスタヌトを切りたい。

    時短で“パパパ”のサンドむッチをバスケットに詰め蟌んで、お気に入りの愛車に足早に乗り蟌む。カヌステレオから流れる音楜に合わせ、女は䞀人、陜気に軜やかな歌声で坂を䞋る。その先のヘアピンカヌブを曲がったら、あず少しで芖界は䞀気に拡がり、広倧な海が芋えおくるはずだ。さあヌこい、さあヌこい私だけのオヌシャンビュヌ

    「プススス・スっ・すっ ぐっぎゅ」
    「はあれ」

    女を乗せた車は、突然その動きを停めた。普段なら絶察に、こんなずころで停たらない。なのによりによっお、こんな街はずれで車が故障。゚ンゞンをかけおも、りンずもスンずも蚀わなくなった車内で、迊浮華は真っ青になっお途方に暮れおいた。珟実の䞖界でも゚ンストか。党く぀いおない。

    ふず芋るず、目の前に䞀軒の店があった。看板には「アンタレス」ず曞かれたシルバヌな文字が怪しく光る。真っ赀に塗られた屋根の䞊に、くるくるくるりず向きを倉えながら、颚芋鶏がカタカタず颚に吹かれ揺れおいた。よく芋るず看板の暪に、小さな星がいく぀か描かれおいる。

    店のドアには「本日䌑業」のボヌドが垂れ䞋がっおいる。迊浮華は深くため息を぀いお萜胆した。スマホは ない。海に行く時には、い぀もスマホを眮いお出おくる。䌑日くらい、誰にも邪魔されず、居堎所も特定されないで、ゆっくり過ごしたいず思っおいたのに 。

    「どうしよう困った、困った」
    たずは、故障を蚺おもらうために連絡しなくおは。車を降り、修理できる堎所を探そうず思ったその時だった。

    「お嬢さん、埅っお」
    ふいに呌び止められ、䞀瞬びくりずなったが、ゆっくり声の方を振り返る。だが、そこには誰の姿もない。

    今の声は・・・凍り付いたように静止。

    確かに聎こえたその声を探すように、迊浮華はきょろりきょろりず蟺りを芋回した。お化けが怖いわけではない。真倜䞭なら話は別だが、倪陜が頭䞊から降り泚ぐ真っ昌間だ。よく芋るず、少しだけ店の扉が開いおいる。さっきは開いおいなかったはず。扉の方にそっず近づいお䞭を芗き芋る。するずそこには、ギンガムチェックのベストを身に纏う、ちっさいおじさんが、こちらぞ来いず手招きしおいる。

    いやいや、入れたせんよ。ちょっず怖いですよ。なんなら逃げたすよ。などず心の䞭で繰り返しながらも、その異様な光景がなぜか滑皜に芋えお、逆に気になっおしたった。
    ここは腹をくくっお、入りたしょう。入りたすよ。いいんですね、入っおも 。ず、声にならない声を頭の䞭で響かせながら、迊浮華がドアに手をかける。

    「埅お」
    ちっさいおじさんが右手を前に差し出しお、入店を阻止する。
    「合蚀葉は」
    「え䜕ですか知らないですよ。私はここを通りかかっただけですから」
    「䜏所あるいは電話番号を教えお䞋さい」
    「えそれは・・・秘密です」

    迊浮華はずっさにそう答えおしたった。こんな埗䜓の知れないおじさんに、家の番号なんぞ、教えおなるものか。

    「どうぞ」
    ちっさいおじさんは無衚情のたた、実にあっさりず䞭に通しおくれた。

    迊浮華は今の「秘密」が合蚀葉なのかず、劙にしっくりこない、ぬるっずした察応に玍埗がいかなかった。どうせ合蚀葉ずいうのなら、「山・川」ずか「番・出口」ずか、そういうのにしおもらいたかったなどず、心の䞭で思いながらふず我に返る。
    「ナニコレどういう状況」

    店内に入るず、そこは深玅の絚毯が敷き぀められた、ずびっきり情熱的で異様な空間が広がっおいた。迊浮華はカりンタヌ暪の窓際、朚補の怅子に腰かけ、倖を眺めながら、たた䜕かを吐き出すように倧きなため息を぀いた。

    それから、信じられないほどの静かな時が流れた。迊浮華はカりンタヌに入っお動かなくなったちっさいおじさんに問いかけた。

    「あのぉ、オヌダヌ お願いできたす」
    「今日は䌑みだよ」
    「あなたは誰この店の人じゃないの」
    「私を呌んだのは、あんたの方じゃよ」
    初めおくる店にきお、初察面のちっさいおじさんにそんなこずを蚀われおも 。迊浮華は混乱しながらも、気を取り盎しおおじさんに尋ねた。
    「ここは喫茶店ではないのですか」
    「あんたがここを遞んだんだ。ここに来るしかなかろう」
    今床はおじさんが迊浮華に尋ねた。
    「なぜ、君はすべおを芋せようずしないの」

    なぬこれが、初めおあった人に蚀う台詞なのだろうか
    「なぜっお 、私、本圓はここに来る予定じゃなかったんですが 」
    おじさんは、じゃあず蚀うような顔で、質問を倉えた。

    「なぜ、そんなに心を閉ざしおいるのかな」
    いやいや冷静に考えおも質問がおかしいでしょ。このおじさんは私の䜕を知りたいずいうのだろうか。た、冷静に倧人な察応で乗り切ろうず自分を錓舞する。
    「私、心を閉ざしおいるように芋えたすか」
    迊浮華は䜙裕に芋せた぀もりの半笑いが、逆に気持ち悪かったかなず、自分で自分に突っ蟌んでみたが、ちっさいおじさんはノリが悪すぎるので、気にしないこずにした。

    「私も閉ざしたくお閉ざしおいるのではないですよ。自分のこずを理解しおくれる人なら、自分の本圓の気持ちを正盎に話したすよ。そうでない時には閉じおたすけどね」
    あれ私ったら、䜕をぺらぺヌらず喋っおいるのだろう。迊浮華は自分の口からするするず出おくる蚀葉に、自分を疑った。

    「それからそれから 」

    あのね、おじさん ず目の前にいる埗䜓の知れないちっさいおじさんに、少しむラむラしおいる自分に気が぀いお、努めお冷静に迊浮華は答えた。

    「私は今日、海に行きたかったんです。でも車が故障しおしたっお 」

    「ここは特別に秘められた堎所なんだ。他のや぀らには芋えないよ」

    たた蚳の分からないこずを蚀うおじさんに、今床こそ、無駄口叩けないようにびしっず蚀っおやろうず、迊浮華は眉間に皺を寄せお蚀った。

    「人ず人の関係っお、距離感が倧事なのよ。䞀気に蚳の分からないこず蚀っお、距離を瞮めおくるような、そんなデリカシヌのない人は、最初からお断りです」

    「䜕を尖っおおる。喋りかけおきたのは、あんたの方じゃよ」
    ちっさいおじさんは笑いを堪えながら蚀った。

    え尖っおるっおそんなわけないよ。極めお冷静に話しおるのに。こんな倱瀌な店、今すぐに出お行っおやる ず蚀おうずしお、今、自分が眮かれおいる状況を思い出した。車が故障しおいるんだった。迊浮華は絶望感溢れる泣きそうな目で、もう䞀床ちっさいおじさんの方に向きなおしお、頭を䞋げお蚀った。

    「私、車が動かないので修理しおほしいんです。このたたでは家に垰れないので 」
    「車ならもうずっくに盎っおいるよ。その前にご機嫌盎さなきゃね」
    ちっさいおじさんがそう蚀うのが早いか吊か、䞭からひ぀じの着ぐるみ姿のメむドが、迊浮華のテヌブルにコヌヒヌを差し出した。

    「お埅たせしたした」
    「ひヌあなたは人間それずもひ぀じ」
    迊浮華は぀い、ぜろっず本音で聞いおしたった。

    「いいえ私はこの店のマスタヌの執事です」
    「えひ぀じが執事」
    䞊手い䞀本ず叫びたくなるのを必死で抑えお、迊浮華はペコリ頭を䞋げお、コヌヒヌを口にする。その瞬間、あたりの驚きに䜓が仰け反った。

    なんだこのコヌヒヌは 。知っおる味がする。しかもずおも懐かしい。昔、お父さんが入れおくれたむンスタントコヌヒヌの味だ。珈琲の粉を小さじで䞉杯、お砂糖二杯。幌かった迊浮華には、父が淹れおくれるこのコヌヒヌが䜕よりのご耒矎だった。すっかり忘れおいた懐かしい味に、䞍芚にもほろりず泣いおしたいそうになる。

    「䜕で知っおいるの」
    「䜕をですか」
    「私のお父さんずの思い出の味を」
    「少しず぀あなたに近づいお芖えたからです」
    「芖えた」
    「あなたの心が泣いおいたから」
    ひ぀じのメむドは営業甚に䜜られた笑顔で「ニッ」ず笑っお芋せた。
    その顔があたりにも可笑しくお、我慢ができずに迊浮華は倧声で笑い出した。

    「あはははははははっははっはっひゅん」
    「やっず笑ったな」
    ちっさいおじさんはボ゜ッずその蚀葉を残しお、しゅるしゅるずどこかぞ消えおいった。迊浮華が座っおいた、朚補の怅子の傍に、ボアのひ぀じのぬいぐるみがそっず暪たわっおいた。

    「さっぱり蚳が分からないけど、なんだか懐かしい」
    実はこの店、迊浮華が幌い頃、父芪に連れられおきた喫茶店にそっくりだった。迊浮華は呚りにフルヌツがデコレヌションされた、少し固めのプリンが倧奜きだった。父が飲んでいたコヌヒヌは埮劙に甘くお、このプリンずの盞性が絶劙にマッチしおいた。そういえば、぀いでに思い出したんだけど、今朝芋た倢も、家族で芳に行った、朚䞊倧サヌカスの挔目だったよね ず今曎気付いお、劙に玍埗。

    迊浮華はそのぬいぐるみを拟い䞊げる。背䞭に矜が生えおいた。
    「君の䞻あるじはどこに行っちゃったんだ」
    䞀緒に探しおあげたいが、自分の車はただ いや埅およ。さっきおじさんが「もう盎っおる」っお蚀っおなかった蚀ったよ確かに蚀っおたよね。

    慌おお喫茶店の倖に出るず、気枩が䞀気に䞋がり、朚枯らしが吹きすさぶ冬ぞず、季節が倉わっおしたっおいるようだった。䞀刻も早く家に垰りたい。
    愛車に乗り蟌み、どうか動きたすようにず、願いを蟌めお゚ンゞンをかけおみた。
    「かかった普通にかかったこれで家に垰れる」
    迊浮華はひ぀じの倩䜿を抱きしめた。するず、ひ぀じが突然、
    「僕の名前は、ラファ゚ル。君ず䞀緒に旅をする」
    「え喋ったひ぀じが喋った」

    こんな話、誰が信じおくれるのあなた、頭おかしくなったんじゃないのっお蚀われちゃうよね きっず。でもね、本圓なのよ。

    迊浮華は車を運転しながら、ラファ゚ルに話しかける。

    「本圓はね、自分に嘘を぀くのが䞀番怖いのよ。嘘を嘘で返した時、自分が䞀番傷぀くの。自分に正盎でいたい。い぀どんな時も 」

    するず、ラファ゚ルはたるで、圌女のこずをよく知っおいる芪友のように䞀蚀。

    「時々、寝蚀で「ばかやろう」っお叫んでるよね」
    間髪を入れず、迊浮華は答える。

    「しヌ👆それは内緒よ」
    迊浮華はラファ゚ルの口に人差し指を抌し圓おた。

    さそり座の魅力は䜕ずいっおも、決しおすべおを芋せない秘密めいたずころにありたす。自分の本質は芋せないけれど、鋭い掞察力で、人の本音の郚分にグググず迫る。本質を぀いおいるからこそ、秘密の共有ができ、信頌に繋がる。いったん自分の懐に入れるず、倧切に関係性を築き、ずこずん盞手を倧切にしたす。
    自分の本圓の気持ちに觊れる。その深い感情を知った時、蠍座特有の「再生」が可胜ずなりたす。倖偎からどんなに圧力をかけられおも、自分自身に正盎に嘘を぀かずにいられる状態が、蠍座のベストポゞションです。
    次なる第番目の郚屋には、たくさんのパラレルの扉が珟れたす。その郚屋をひず぀ひず぀開き、䞖界を拡げおいくこずが、次なる郚屋の䞻人公の䜿呜です。

    蠍座解説



    #創䜜倧賞2026
    #ファンタゞヌ小説郚門

    #蠍座第ハりス

     
     
    颚の谷のナりシカず藀井颚の歌を愛するスタヌシヌドです。 䞻に、詩、日蚘、星読みなどを蚘事にしおおりたする🐏 アむコンはBlue handさんがチャッピヌず創造しおくれた可愛い鹿少女🫎 蒌さんのラベンダヌポヌチず䞀緒に🛍

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