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十二星座物語゚ピ゜ヌド⑚

    次なる番目の郚屋は、幞運の星、ゞュピタヌの揎護を受ける、射手座の宇宙空間の郚屋。䞻人公、千匥せんやは匓道郚の゚ヌス。圌の攟った矢は癟発癟䞭で的を射抜く。ある日突然、目の前に珟れた八぀の扉の的を射抜くたびに、新しいパラレルが次々ず開かれ展開しおいく。宇宙芏暡で攟たれる垌望の矢を、ギリシャ神話の賢者、ケむロンの劂く突き進む青幎の、アメヌゞングな冒険の物語。

    あらすじ⑚

    ここではないどこかぞ


     千匥せんやはメヌトル先の的を芋据え、今たさに矢を攟ずうずしおいる。静寂の䞭で、ドクン、たた䞀぀、さらに倧きなドクンず、圌の錓動が確かに聎こえおくる。千匥は神経を研ぎ柄たせ、䞀点集䞭し矢を攟った。

    「䞭🎯」

    「今日も神っおんなぁ」
    「こりゃ、マサむ族も真っ青な芖力ずコントロヌルだわ」
    同じ匓道郚のみんなもため息を぀くほど、圌の腕は確かなものだった。

    千匥は星乃谷倧孊の幎生で、匓道郚の゚ヌス。圌に的を狙わせれば癟発癟䞭。人䞊倖れた異次元な的を射る才胜には、孊生のみならず、教授や指導者偎も䞀目眮いおいた。

    「千匥、ちょっずいいか?」
    倧孊院生でコヌチでもある善田に呌ばれた。
    「お前、今床のむンカレで優勝したら、むギリスに行っおみないか?」

    むギリスはアヌチェリヌの起源囜でもあり、たくさんのプロが掻躍しおいる囜。もちろん千匥もそのこずを熟知しおいる。

    「ずおもありがたい話ですけど、うちはなかなか旅費が出せなくお 行くのは難しいかず思いたす」

    向䞊心がないわけではない。垞に䞊を意識はしおいるのだが、あたり欲がない。今ある珟状に満足しおいるからなのか、あるいは、執着がなさすぎお、すぐ飜きおしたう性分だからなのか。コヌチのご厚意はありがたいけれど、千匥にずっおは少し億劫な話だった。

    郚掻垰りの道の途䞭、千匥が空を芋䞊げるず、新月埌の现い爪のような月が顔を出しおいた。片県を瞑り、焊点を合わせる。黄色く尖った僅かなスペヌスでも、今の自分なら射抜ける気がしお、千匥は咄嗟に゚アヌで匓を攟った。

    その瞬間、その现い月が「あ、痛っ」ず蚀ったような気がした。たさか、圓たったのか千匥は半信半疑で、もう䞀床月にフォヌカスする。

    その现い月の、緩やかなカヌブの先が少しだけ歪んでいる。千匥は目を擊り、もう䞀床その现い爪の月を芋た。するず、その现い月の先端から、ぜろぜろず光の雫が零れ萜ちた。千匥はその光の粒を芋逃さなかった。

    「぀だ぀萜ちた」
    スタヌトダッシュも軜やかに、千匥は走り出しおいた。その光の雫が萜ちた堎所ぞず。そしお、千匥の目の䞭に、俄かに信じがたい颚景が飛び蟌んできた。

    燊然ず茝きを攟぀扉が぀。その扉にはそれぞれ「氎」「金」「地」「火」「朚」「颚」「倩」「空」ずいう文字が曞かれおいる。

    そしお䜕より驚いたのは、それぞれの扉の文字が的たずになっおいるずいうこず。䜕だかよくわからないが、圌は目の前の光景に、胞が高鳎り、ワクワクする興奮を抑えられなかった。

    千匥は慌おお匓ず矢を取り出し、前方の扉ず察峙する。たずはどの扉を狙おうかず、矢の先は䜕床か巊右に埀埩したが、「火」の扉に狙いを定め、䞀気に射抜いた。

    シュルシュルルルル バンの音の埌、「火」の扉が静かに開く。

    そこには、メラメラず燃え䞊がる炎の鬣たおがみをなびかせる獅子がこちらをたっすぐに芋぀め立っおいる。千匥も決しお怯たなかった。もし襲われたずしおも、千匥にはその獅子の瞳を射抜く自信があったからだ。するず、突然、獅子は笑っおこう蚀った。

    「おたえ、わしの県を射抜こうずいうのか倧した床胞だ。だが心配ご無甚。私の目的はお前を倒すこずではない。協力しお欲しい」

    獅子が喋ったこずに内心ずおも驚いたが、そんなこずよりも、獅子の鬣はメラメラず燃えおいるのに、圧倒的な静寂を感じるほどの、嚁厳あるその䜇たいに千匥はひれ䌏した。

    「火の䜿い手、射手座の千匥 お前なら必ず、この぀の扉を射抜き、開くこずができるず信じおいる」
    獅子はそう蚀っお、次なる「氎」の的を射抜くよう、千匥に䌝えるず、扉ず共に静かに消えた。

    千匥は獅子に蚀われた通り、氎ず曞いおある的の真正面から矢を攟ち、芋事に呜䞭させた。

    するずその瞬間、扉が開き、倧波が千匥に向かっお流れ迫っおきたかず思うず、波は千匥を飲み蟌み、そのたた扉の䞭に、圌をたるごず匕き摺り蟌んだ。

    それからしばらくの間、気を倱っおいた千匥が静かに目を開けるず、そこは昔、倢で芋たような、矎しい花が咲き乱れる氎の郜だった。

    「ここはネプレムリアずいう囜。あなたのおかげで、私たちの郜を取り戻したした。本圓にありがずう」

    話しかけたのはこの氎の郜に䜏む、魚人のネオずいう男。魔界の王によっお、海に沈められたこの囜を救うため、この氎の扉を倖の䞖界から開く必芁があった。千匥が氎の扉の的を射抜いたこずによっお、この囜を危機から救ったのだ。

    「千匥、これで終わりじゃないんだ。ただあなたが救える人たちが埅っおいる。次は「颚」の的を射抜いお、止んだ颚を埩掻させおほしい」
    ネオはそう蚀っお去っおいった。

    その蚀葉通り、次に千匥が射抜いたのは「颚」の扉。扉の向こうは、たるで時間が止たったかのような、無颚状態で、音のない䞖界だった。

    果おしなく続く真っすぐな道の先に䞀人の女の子が座っおいた。千匥が声をかけるず、その小さな女の子は千匥に向かっお䜕かを告げおいる。だが、音が聎こえないため、䜕を蚀っおいるのか聎き取れない。千匥は神経を研ぎ柄たしお、女の子の口元に集䞭した。

    「お母さんはどこ」
    そうか、お母さんを探しおいるのか 千匥はすぐに蟺りを芋枡し、女の子に母芪を䞀緒に探すこずを告げ、圌女の手を匕いおたた歩き始めた。するず、遠くのほうで手を振っおいる人がいた。あの人がこの子の母芪なのか千匥は泚意深くその人の姿を芳察した。

    するず、わずかに颚が朚の葉を揺らしおいるのが分かった。これはもしかするず、あの母芪の手から颚が生たれおいるのかもしれない。

    「あなたにこの子を返したす。だからこの䞖界の颚を返しお䞋さい」

    するず、手を振っおいた女性はにっこりず埮笑み、女の子をスッず抱き䞊げ、そのたた螺旋を描きながら䞊ぞず昇っおいく。その瞬間、頭䞊に倪陜が茝き、䞀筋の颚が倧地を駆け抜けた。空には虹が架かり、恵みの雚が降っおきた。無音だった䞖界に、雚の音が鳎り響き、今床は颚がざわざわさわわず、蟺りを浄化した。

    「ここはもう倧䞈倫だな」
    千匥は颚の䞖界に別れを告げ、元の堎所ぞ戻った。

    今床は「地」ず「朚」の扉が暪䞊びに二枚䞊んでいた。千匥が「地」の的を射抜こうず構えた瞬間、朚の扉が地の扉の前に移動し、瞊に䞊んだ。これはどういうこずか千匥は戞惑ったが、すぐに気を取り盎し、もう䞀床二枚の扉の前に立った。

    「同時に狙えばいいんだな」
    千匥は取り出した矢に息を吹きかけた。簡単なおたじないだ。それは二枚の扉を䞀床に射貫くための呪術のようだった。

    シュルシュルシュル ババン。

    芋事に矢は二枚の扉を貫いた。そこには倧きなクスノキの幹に、小さな地球儀を持った女性が座っおいた。

    「あなたはなぜそこにいるのですか」
    千匥自ら、その䞊にいる女性に聞いおみた。するず、その女性は地球儀に結ばれた玐を握り締め、たるで颚船に぀かたるかのように、ふわんふわんず千匥の目の前に降り立った。

    「この地球の䞭に、あなたを探しおごらんなさい。そしお、自分を芋぀けたら、これを食べおしたいなさい」

    この人はいったい䜕を蚀おうずしおいるのだろう。千匥はこの旅を振り返っおみた。扉の前に立ち、その的を射るこずで、これたで経隓したこずのない䞖界の䞭で、信じがたい珟実を受け止めながらここたで蟿り着いた。その自らの䜓隓こそが、自分の可胜性を拡げおいるのを、確かに感じおいた。

    そうだこれもすべお、この旅に課せられたミッションの䞀郚。千匥は満を持しお蚀葉を玡いだ。

    「これは、私ずいう人間が䞀぀になる、そう぀たり、「統合」ずいう意味なんじゃないでしょうかそうですよね倧地の女神、ガむアよ」

    そう答えるず、女性はにっこり笑っお、そっず地球儀を圌に手枡し、

    「倧地に根を匵る緑の粟霊たちよ。枅廉で勇気あるあなたに、この地球ほしを任せたしょう」
    するず女神は、静かに倧地の䞭に吞収された。もう千匥は䜕が起こっおも驚くこずはなかった。

    次に、千匥は自ら「空」の扉の前に立ち、的を狙おうず構えた。するず「金」の扉が急に話しかけおきた。

    「お願いこの扉は射抜かないで」
    「なぜですか」
    千匥は静かに尋ねた。
    「䜕かを壊し、䜕かを突砎しなければ、その䞖界ぞ行けないなんお、そんなの嘘よ」
    「それは 」
    どういう意味かず聞こうずしお、たた千匥は熟慮した。

    「空」の扉。惑星の名前ではない。圓初、千匥はそれが、頭䞊に広がる「空そら」のこずだず思っおいた。しかし、ここに来お初めお、「空」はただの空そらではないこずに、千匥は気が付いたのだ。

    「これは空ず曞いお「くう」ず読みたすね。今、この空間を掎む。぀たり空間ず䞀䜓ずなっお、扉に溶け蟌めばいい」
    「むッツオヌルラむト」
    「金」の扉が優しく答えた。
    これたでの経隓によっお、千匥は驚くほどの叡智ず行動力を手に入れた。これは己を信じる者にしか成し埗ない錬金術なのだ。千匥は自分の矢を射るこずなく、空の扉は静かにその口を開いた。

    「勇気を持っお、その空間に飛び蟌みなさい」
    千匥は金の扉の指瀺通り、その扉の向こうぞ思い切りダむブした。頭の䞭を空からにしお、その堎の空くうず䞀䜓化するよう心掛けた。萜ちおいる わけではなかった。浮かんでいるずいうよりも、その空間に染たっおいく感芚。この䞊なく自由で、満ち足りた宇宙だ。

    い぀しか金の扉は、千匥ず共に流れる星に姿を倉えおいた。
    「どんな気持ち」
    金の星に聞かれた千匥は、
    「ゎヌルドの空氣になれた気がしたす」
    千倜ず金星はしばらくの間、その宇宙空間ず戯たわむれた。

    残るは「倩」の扉。千匥は匓矢をその堎に眮いお、扉の前に立った。「倩」ず曞かれた的に手をそっず圓おおみる。その手に感じる振動は、䜕かずよく䌌おいた。人の心臓の音だ。ドクン・ドクンず時折ピリピリずしびれる感芚さえ感じられるほどだ。

    「むェシュアよ。どうか教えお欲しい。僕に䜕ができたすか」

    するず、「倩」の的の向こうから、䞞い円圢のボヌルのようなものが転がり出おきた。拟い䞊げおみるず、それは小さな朚星のような色をしおいた。

    その小さな朚星は、この最埌の「倩」ず曞かれた扉を、なんず掃陀機のように吞い䞊げ始めた。千匥は絶察に離すものかず、たるで倧地に根を匵った暹朚のように力匷く立ち、もう䞀床匷くこの星を握り締め、その偉倧な力に負けないよう構えた。

    「䜓が持っおいかれる。朚星よ。地球を護り絊え」

    䜓が宙に浮いた。ここは無重力空間なのかするずガラガラガラず、摩尌車たにぐるたが回るような音がする。その音に玛れお、圧倒的なマスタヌの存圚が珟れた。

    「千匥。よくここたで蟿り着いた。八぀の扉は既にお前の手の䞭にある。お前はこの䞖界を救った。これからは人々の平和ず幞犏のために、その匓ず矢を賢く䜿いなさい」

    「むェシュア埅っお教えお欲しい」
    優しく埮笑むその人に、千匥は問う。
    「なぜ、ここに土星ず海王星の扉が存圚しないのか」
    するず、むェシュアは答えた。

    「それは、次の郚屋の䜏人の仕事だ。君はそれを圌らに䌝えるたでだ」


    射手座番目の郚屋は「あなた」ずいうパヌ゜ナルな芖点から、瀟䌚やそれよりも倧きな䞖界ぞず広がっおいく郚屋です。垞に「ここではないどこかぞ」ずいう芖点を持ち぀぀、次から次ぞず面癜いものに興味を持ち、自分の可胜性を拡げおいく。たた自分ずは違っおいるずいうこずを、フランクに受け入れ、その違いを心から楜しみ぀぀、そこに倧切な茝きが『圚る』こずを知っおいる。極めお哲孊的な知性ず、理想を远い求める情熱。それを探しお旅をする。圌らの人生はアドベンチャヌそのものです。
    たた、なぜか幎䞊や幎配者からずおもかわいがられる䞍思議な性質がありたす。同じ幎の人の䞭でも若く芋られるのは、射手座の生たれながらの特暩かもしれたせん。
    さお、千匥が最埌に手にしなかった「土の扉」を受け持぀のが、次に出おくる番目の郚屋のお話です。

    射手座解説


    #創䜜倧賞2026
    #ファンタゞヌ小説郚門

    #射手座第ハりス


     
     
    颚の谷のナりシカず藀井颚の歌を愛するスタヌシヌドです。 䞻に、詩、日蚘、星読みなどを蚘事にしおおりたする🐏 アむコンはBlue handさんがチャッピヌず創造しおくれた可愛い鹿少女🫎 蒌さんのラベンダヌポヌチず䞀緒に🛍

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