
夏のおしゃべり|あの日のわたしに会いに行く
そんなこと書いていいの?
怒られない?
恥ずかしい。
夏休みの作文につきあっていたとき、
次男が言った言葉だ。
いいよ、いいよ。大丈夫。
そっちの方が面白いよ。
担任の先生しか見ないよ。
と、そそのかした。
結果として、その作文は、多くの人の目に触れることとなった。
ごめんよ、次男。
でも、それはれっきとした君の作文であり、勲章だ。
じいちゃんちに行きました。
〇〇しました。
楽しかったです。
と定型文のような作文を書くつもりだったらしい。
でも、出来上がった作文は、じいちゃんちに到着する前に、いや家を出発する前で終わった。
じいちゃんのことだけで完結したのだ。
見事だった。
その作文は、わたしと長男と次男の三人で、じいちゃんのことをおしゃべりしながら、書いた。
本人は、自分のものではないと自信なさげに言う。
でも、誰かが過剰に添削したものでもない。
選ばれたあとも、先生の添削はほとんどなく、清書を丸投げされた。
子どもの作文は、そういうのがいい。
夏になると思い出すあの日のおしゃべり。
「そんなこと書いていいの?」
あのとき次男に言った言葉を、今、自分自身で繰り返している。