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おひとりさまの老後|介護するとき 介護されるとき|日めくりカレンダー

    夏至を過ぎた。
    日めくりカレンダーは春分の日で止まっていた。

    日めくりカレンダーをめくることが、日課だった彼女。
    止まったカレンダーに言葉を失った。

    ベッドに腰かけていた彼女は、だんだんと後ろに倒れていく。
    隣に座っていたわたしは、しばらく背中を支えていたけれど、横になることをすすめた。

    すると、そのまま倒れるように横になってしまう。
    ぎりぎり壁に頭をぶつけなくてよかったが、ベッドに体が垂直だ。

    このままではまずかろう。

    靴を脱がせて、足をベッドにあげる。
    体の向きをなんとかベッドの向きに合わせたけれど、枕の位置が合わない。
    上に引き上げてやることもできない。

    子どもなら抱きかかえることもできるが、高齢者は子どもよりも壊れてしまいそうだ。
    介助の知識も経験もないことが悔やまれた。

    彼女はわたしの手を握ったまま、眠りにつきそうだった。

    うとうとしながら、大丈夫だと手で合図をする。
    「オッケー、オッケー」
    彼女の口癖は、声にはならなかった。

    居室での面会が、許可された。
    今まで見えなかったものが、見えるようになった。
    そのことがありがたい。

    でも、その部屋は今までとは何か違う。
    止まってしまったものたちが
    静かに彼女を見守っているようだった。

    彼女の時間は、どんな風に流れているのだろう。

    日めくりカレンダーを破りながら、今できることを探した。


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    50代おひとりさま。ポンコツ街道まっしぐら。 小さなおうちで、シンプルな暮らしと庭時間を楽しんでいます。 過去の自分に会いに行くエッセイ「あの日のわたしに会いに行く」、人生の後半戦を綴る「おひとりさまの老後」を中心に、暮らしや心の記録、くすっと笑える短編エッセイを綴っています。

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