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告白|あの日のわたしに会いに行く

    ほうこ

    椅子から滑り落ちるかと思った。
    開いた口がふさがらない。
    その開いた口からは、ぽわ~んと魂が抜けるようだった。

    先日、行われた同窓会で
    隣に座ったのは、おとなしかった男子。

    小・中・高と同じ学び舎で過ごした。

    「あまり声を聞いたことなかったな」
    っていうと、
    「あなたのこと、怖かったから」
    と。

    衝撃の告白。

    な・な・なんと!
    怖かった…と?

    わたし、いじわるしていませんけど?

    もう一人怖かったと名指しされた女子は、
    わたしから見ても、気が強くて、怒りをもろに外にぶつけるタイプ。

    「わたし同類?」

    もう、そこまでは聞けなかった。


    そのあとの食事はのどを通らない。
    わたしの存在が、「怖い」と感じさせる何かがある。

    ねえ、誰か違うと言って。
    キョロキョロとまわりを見回しても、
    おそらく笑い話のネタにしかならない気配。

    ここは、潔く受け入れるしかないのか!

    同席していなかった友達にLINEで報告したら、ウケて終わった。

    フォローなし。

    ……これは事実承認なのか、それともただのネタなのか。

    まだ、わからない。


    わたしの人生を検索してみる。

    「なんでもお見通しされているみたいで、怖い」、「ズバリいいすぎる」と言われた。
    「みてたの?」「なんでわかるの」と言われることは多い。
    という出来事がヒットする。

    いじわるした、しないの問題ではない。
    もちろん暴力的ではない。
    やさしいかどうかの問題でもない。

    見透かされる感じが怖いのかな、と思った。

    え?わたし霊能力がある?

    残念ながら、霊能力ではない。
    観察眼と分析力だと思う。

    でも、深く稼働しなくても、初期設定がその状態だ。
    あまりにもアタリマエで普通のこと。
    どこまで口にして、どこから飲み込めばいいのかかわからない。

    息子が小学生の頃、算数の途中式を書くことがわからないといっていた。
    問題をみたら、答えがわかるらしい。
    わたしからみたら、羨ましい能力だ。
    でも、本人は困っている。

    その困り感をみて、「それに困るのは今だけだよ」って言ってあげたけれど、わたしの場合は、幼いころからずっとだったと気づいた。

    そして、これからも。

    彼がいう「怖かった」のは、子どもの頃の話だ。
    今では、彼もその告白ができるようになったと思うことにして、じたばたする心をなだめた。

    はあっと深いため息がひとつ。

    でも、やっぱり悶えている。



     
     
     
    50代おひとりさま。ポンコツ街道まっしぐら。 小さなおうちで、シンプルな暮らしと庭時間を楽しんでいます。 過去の自分に会いに行くエッセイ「あの日のわたしに会いに行く」、人生の後半戦を綴る「おひとりさまの老後」を中心に、暮らしや心の記録、くすっと笑える短編エッセイを綴っています。

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