
灼光へ
第5回ソルヴェイ会議の写真にインスパイアされて小説風の短い物語を作りました。
目次(本文は順次公開します。内容はフィクションです。)
黄昏
黎明
静夜
灼光
黄昏 冒頭
神殿の円柱が琥珀色に染まっていく。海から吹き抜ける風は、大理石の熱を奪い砂粒や埃を巻き上げて神殿の奥へと運んでいく。その舞い散る塵に絡み、光の波がきらめいている。
少年が神殿の奥から駆けてきて、立ち止まった。空を見上げ息をのんだ。少年は陽に焼けた浅黒い肌をしていた。手はざらざらとして、治りかけの傷と赤みの残る傷があった。
海は白く溶けるように輝いていた。雲は赤みを帯び、空はその上で色を失っていく。西陽を海が跳ね返し、光の粒が舞い散って、瞬く間に消えていった。
黄昏——続く