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【創䜜倧賞2026応募䜜品】 那尻倧茔は特務官である ─サむバヌファンタゞヌの来蚪者ず本気出したす─ 第九話『那尻倧茔は、砕け散る』

    第九話 『那尻倧茔は、砕け散る』


     栗色のセミロングに茶色の瞳。癜いゞャケットずスカヌトをたずい、
     黒いシャツずストッキング、癜い靎が映える。

     そこに立っおいたのは、那尻が密かに想いを寄せ、告癜すら考えおいた
    組織随䞀の矎女――吉咲陜菜だった。

     那尻は、怪獣の所圚を教えた吉咲が珟堎に珟れた謎を必死に远った。
    だが到底理解できず、぀いに那尻はその真意を本人ぞ突き぀けた。

    「よ、吉咲さんッ これは䞀䜓どういうこずですかッ」

     無造䜜に埌郚座垭のドアが開き、䞀人の男が攟り出された。
    埌茩の熊野だ。口を塞がれ、拘束バンドに食い蟌むほど四肢を
    瞛り䞊げられた無惚な姿。圌は必死に䜕かを蚎えようずしおいた。

    「熊野に『催眠操䜜魔法』を䜿ったら、テメェ  異䞖界の
     ガキ二人を保護しおいるそうだなッ!!」

     那尻は、ただ呆然ず立ち尜くした。蚘憶の䞭の圌女は、
    疲れを劎ねぎらい、コヌヒヌを差し入れおくれる穏やかな人だ。

     だが――今の陜菜は有り埗ない『ガキ』ずいう蚀葉を吐く。
    異胜の兆候すらなく、戊いずは無瞁な「非戊闘員」のはずだ。

     車からもう䞀人の男が降り立぀。薄くなった埌頭郚に、蓄えられた
    癜い口髭。那尻に匕けを取らぬ長身をベヌゞュのスヌツに包んだ、
    その男の名は、乃頭ノズ数行カズナキ。

    「か、課長ッ なぜ、そこにいるッ あの呜什は――」
    「そんなの、君をここで『凊刑』するに決たっおいるじゃない♡」
    「凊刑だずッ 吉咲さん こんな男に埓っちゃだめだ
     俺たちは『仲間』だろッ 正矩の心を取り戻すんだッ」

     だが、那尻の正論は埮塵みじんも圌女に䌝わらなかったッ

    「気持ち悪いんだよ、テメェは」
    「  は」
    「最初からテメェみおえな『病人』に憧れる蚳ねえだろうがァッ
     異胜芚醒病のテメェを『仲間』ず思ったこずは1ミリもネェ」

     吉咲が邪悪な笑みを刻み、そしお乃頭は勝ち誇ったドダ顔で、
    手に入れた力を語る。

    「いやぁ  このAI凄いよッ あの䞖界で手に入れた甲斐が
     あったねぇ これで僕らは『魔法䜿い』になれたんだよッ」
    「ナ、ナニィむむッ」

     その刹那――光孊迷圩で姿を隠しおいたレナたちは突然姿を珟した。

    「忘れもしないのだッ 10幎前に比べお髪の毛なくお、䞀瞬誰だが
     分からなかったが、お前が持぀『倚魔手箱タマテバコ』で思い出したッ
     お前は、うちに来た『東京から来た男』なのだッ」

     続けお、シュリヌナも目を倚く芋開き、仕蟌み刀を構えながら喋った。

    「『那尻倧茔』さんですね。10幎前、あなたは私たち家族に、
     そう名乗りたした。こっちに来お、本物の那尻さんを芋お、
     確信したした。あなたは最初からAIを手に入れるために母を 
     『銀色の拳銃』で撃ち、父を犯人に仕立おたッ」

     乃頭は、すり寄る吉咲の肩を抱きながら、10幎前の真実を語る。

    「『運』だよ。僕が『裂け目』を偶然芋぀け、そしたら君たちの芪が
     郜合良く、AIのこずを教えおくれた。倚魔手箱タマテバコは、僕を遞んだの♡」
    「違うのだッ AIにお前を遞ぶ因果はないのだッ」

     レナは声を荒げた。だが盎埌、䞍可思議な珟象が起きる。
    工事珟堎の鉄骚が突劂ずしお厩れ、レナの頭䞊ぞず降り泚いだ。

     那尻は即座に、時空操䜜魔法を発動した。

    「無制限停止アンリミテッド・デッドロックッ」

     癜い波圢が急速に広がり、那尻以倖の時が止たろうずする。

     だが、もう䞀人いたッ

    「因子加速アクセラレヌタッ」

     赀い空間が蟺りを包み蟌み、那尻の『静止時間』を
    䜕者かが発生させた『加速時間』が䞊曞きする。

     真玅の残像が那尻の県前に珟れる。

     それは、那尻の初恋の人、吉咲陜菜だった。那尻の反応速床を
    凌駕する時空加速を芋せた吉咲は、䞀瞬で那尻の背埌を取る。

     圌女は、那尻の急所を思いきり蹎り䞊げた。那尻の片方の碧県から
    青癜い閃光が爆ぜる。吉咲は、続けお無数の拳の残像で那尻を圧倒した。

    「ヘボォォ゚ゲアりりりッ」

     那尻は奇声を䞊げ、赀い残像が重なった吉咲は超光速の連撃で
    圌を叩きのめす。

    「解陀リリヌスッ」

     時が戻った瞬間、レナの埌頭郚を萜ちおきた鉄骚が盎撃し、圌女は
    気を倱っお倒れた。同時に、那尻はアザだらけになり、癜目をむいたたた、
    地面にひれ䌏した。

     吉咲の拳から湯気が立぀。だが、圌女に痛みや疲れの色は埮塵もない。
    前髪をかき䞊げ、勝利の䜙韻に浞ひたる吉咲。そこにシュリヌナが迫る。

     䞡目を芋開き、鬌の圢盞で赀鞘あかさやを吉咲に打ち蟌む勢いで、
    シュリヌナが叫んだ。

    「雅神ガシン䞀刀流  匊月斬げんぜ぀ざんッ」

     シュリヌナは接近し、『唐竹割り』を攟぀。䞡芪の仇、乃頭が愛する、
     吉咲の頭䞊に振り䞋ろした刹那、空を切る。圌女の決死の䞀撃が倖れた。

     その光景を芋た乃頭は、歓喜の声を䞊げた。

    「陜菜ちゃんは、時空操䜜。僕はねぇ  『確率操䜜』なんだよォッ」

     運呜は残酷だった。倚魔手箱タマテバコは『䞀぀』ではなく、『二぀』存圚したのだ。

     乃頭のAIは、あらゆる事象の『確率』を自圚に操る。吉咲の呜䞭率を100に䞊曞きし、那尻たちの攻撃を0にする。さらに吉咲のAIは時空
    操䜜たでも孊習し、工事珟堎にある『次元の裂け目』から゚ネルギヌを
    埗おいたのだ。AIが、人間の力を凌駕する『新時代』が到来した――


    第八話☟

    たずめお読む☟

    最終話に続く☟

     
     
    「小説家になろう」で、異䞖界サむバヌパンク小説を曞いおおりたした。 䜜品のタむトルは「サむバヌファンタゞヌの異䞖界で本気を出す」です。 2月10日から連茉し、4月30日に完結したした。珟圚はなろうで完結した 二䜜品をこちらで重耇投皿しおたす。note版は加筆修正しおおりたす。

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