
六畳半ポツリ(2/3)
予報通りの雨が降ってきた。
長時間続きそうな安定感のある雨だ。
「さあて、降ってきた。
これでも来るのは物好きだけだよな。」
「流石にもう来ないでしょ」
ドームや体育館ならどんな天気でも遊べるが、
ここは屋外なのだ。
走る、濡れた地面で滑る、そして怪我をするという流れがお決まりの雨模様であれば、家の中でくつろいでいた方がーーーーー。
「きたきたきた」
なんと男の子3人組が傘も刺さずに歩いてきた。
「何か持ってるな、あれで遊ぶ気だな。ほら危ないよ。持ってきても遊べないよ今日はさ」
佐藤さんがひそひそと私につぶやいた。
私のいる事務所は受付場所なので、
利用客は、こちらで手続きを済ませる必要がある。
「ウォーキング、ではないよな」
彼らの1人がバスケットボールを持っていた。
”遊び”にきたということで間違いなかろう。
「受付お願いします」
「こんちには、どこ使います?」
「バスケやります、ボールは持ってきたので大丈夫です」
まじか、を呑み込んで
「かしこまりました、では行ってらっしゃい」
そして彼らは、バスケットコートに向かった。
「お気をつけてね」
「佐藤さん、怖い言い方しないでください」
「教えてあげたのさ、だって危ねぇもん」
念の為、私たちは彼らを見守ることにした。
事務所の部屋続きに用具倉庫があり、
その窓から彼らの様子が観える。
バシャ、ベシャ、バシャバシャ。
雨などお構いなしに走る彼らと、水が跳ねる音がする。ドリブルするたびに飛沫をあげるバスケットボールは、貸し出し用のボールなら私たちが拭いてから片付ける決まりになっている。
「私物でよかった」
心の声が漏れた。
続く↓↓↓↓