
六畳半ポツリ(3/3 最終話)
現在午後5時。
夕方なっても雨はあがらず、
気持ちも晴れない天気が続いている。
バスケ3人組もさすが観念したのか、
30分ほど遊んだのち、
髪をびっしょり濡らして帰っていった。
しかし、彼らにとっては30分も遊べたのか、
それとも30分しか遊べなかったのかは
聞いてみたい気がした。
今年のゴールデンウィークは
平日を挟むため、前後半4連休という変則的なカレンダーになっていた。
本日は、その後半3日目。
ショッピングモールや飲食店と同様に、
私がいるこの場所も繁忙期ピークを過ぎたと思われる。
初日からシフト入りした私もついに最終日を迎え、
明日からのことを考え始めていた。
退勤時間が迫る。
「佐藤さん、お先に失礼します。短い間でしたがお世話になりました。」
本当に短い間だったため「お世話になる」
という言葉すら不適切ではないかと悩んだが、
他に言葉が出てこなかった。
「お疲れ様だね、いつでも遊びにおいで。」
「ありがとうございます。ではまた来ますね。」
仕方の無いことてはあるが
この淡白なやり取りが、
共に過ごした時間の短さを物語っていた。
しかし、佐藤さんは終始穏やかで
時よりおどろくほど毒舌で、面白い人だった。
利用客が来るたびに、その人たちに対する独断と偏見な推理を私に披露してくれた。
この場を借りても言えないものもあったが
それもご愛嬌ということで、私が墓まで持っていくことにしよう。
六畳半のポツリと立つこの場所は、
約6年ぶりのアルバイト生活を送った私にとっての小さな第一歩、そしてきっかけになった。
いや、しなければいけいない。
なぜだかわからないが
この時間が終わるのは怖かった。
次に行かなければ。
その場所にはポツリでも良いから、
長く居たいと思った。
ご愛読いただきありがとうございます。
洞窟
(あとがき)
3話にわたって『六畳半ポツリ』を
ご愛読いただきありがとうございます。
さて、この物語はわたくし洞窟の体験談を元にした実話になっており、「公園施設」の短期アルバイトをする様子でした。
読みながら、この人は何をしているの?なんの話?と疑問に思ったのでは無いでしょうか。
それは、あえて詳細に触れないことで、皆さんの想像力を掻き立てたいと思ったからです。
モヤモヤさせて申し訳なかったです(笑)
引き続き宜しくお願い申し上げます。
よかったら下の記事も併せて読んでいただくと、
この六畳半ポツリがより楽しめると思います、ぜひ。