【秋の空】#風まかせ文芸部(1分ストーリー)
「君と過ごす秋が一番好きだな。」
爽やかな風が吹き抜ける秋の空の下、隣に座るあなたが呟いた。
「どうして?」と尋ねると、あなたは照れくさそうにすっかり白くなった頭を掻いて、ベンチの背もたれに体を預ける。
「君と散歩している時に香る、銀杏や、金木犀の匂い。
夜ご飯に僕の好きな秋刀魚を焼いてくれたときの匂いや味。そういうのを感じるたびに
『ああ、楽しいなあ。美味しいなあ。僕は今、秋を満喫させてもらっているな。』
と思うんだ。」
恥ずかしさを紛らわすようにベンチに座り直して、あなたは続ける。
「それから、夜、窓を開けると聞こえる虫の声や、気ままな雨の音。
…君が本を読み聞かせてくれる声や、ページをめくる音。
服越しに伝わってくる温かい日差しも好きなんだ。」
あなたはすうっと、胸いっぱいに秋の空気を吸い込んで続けた。
「全部、君が隣にいてくれなかったら感じられなかったことなんだ。
以前の僕は、『季節なんか、目が見えないから関係ない。』と思っていたから。」
夕日に重なって、あなたの頬がほんのりと赤く見えた。
「……だからさ。明日もまた、一緒に出掛けてくれる?」
「もう、初デートじゃあるまいし。」
私は嬉しさを隠せないまま、あなたの肩をトンと軽くこづいた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。ちょこりんと申します🍀
風まかせ文芸部 様のお題
「秋の空」に参加させていただきました。
i 様 素敵なお題をありがとうございます✉️
今回、初参加させていただきました。
よろしくお願いいたします🙇♀️
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