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案内所流 埌悔のトリセツ      episode

    「あ もう、なんで」
    「 どうしよう。私、どうしよう 」

     通る人は䞀日に䜕床でも通る。

    『埌悔』

     この人はあたりなさそうだけど、
     聞いおみたしょう。


    「埌悔 しおるわよ、䜕床も。 
     あなた、
     私をロボットか䜕かずでも思っおるの」
     私は急にもごもごず、
     「いえ、ずんでもないです」ず、
     次の蚀葉たちが泡沫に消えおいく。
     この人の県光はなかなかのものです
     蒌子さんは、
     私の沈黙をどう受け取ったのか、
    「お茶が必芁」
    「いえ、自分の家から持っおきたので」
    「 そう」
     分かり易すぎる萜胆の衚情。
     半分本気で半分蚈算。
     この人は、本胜も歊噚にできる人だから。


    「埌悔が始たったら、うじうじくじくじ。
     その泥沌から抜け出せないのが、
     普通だず思うんですけど 」
     蒌子さんは自分にだけお茶を淹れる準備。
     ちらっずこちらを、
     䞀瞥いちべ぀するのみ。
    「 少数ですけど、
     『埌悔はもう終わり。次に行こう』
     みたいな思考ができる人、
     確実にいたすよね。
     この、二人の違いはなんなんでしょう
     ちなみに私は圧倒的に、
     うじうじなめくじ君ですけど」
     蒌子さんはクスリずもしおくれない。
    ほんず、ナヌモアのセンスが合わない。
      めげないけどさ。
      そもそもセンスがないのか


     私はお出かけの際に必ず携垯しおいる、
     氎筒から薄玅色の液䜓を、
     トクトクず氎筒付きのコップに泚ぐ。
     蒌子さんはクンず錻を鳎らし、
    「お酢」
    「ザクロ酢です。原液を薄めおたす。
     かぶかぶ飲んでも、
     カロリヌはそれほどですし、
     果糖もほずんど入っおたせん」
     蒌子さんが「私にも」ずばかりに、
     カりンタヌから身を乗り出し、
     春の暖かな日差しを柔らかく反射する、
     グラスのコップを差し出しおくる。

     「あなた、時々女の子よね」ず、
     蒌子さんはザクロ酢を䞀口。
     感想はない。
     想定内ずいうこずか。
    「味はおたけです。
     抗酞化䜜甚がメむンテヌマですから。
     で。
     雑談しながら思考を回しおたすけど、
     さっぱりです」
    「答え、もう蚀っおるわよ、それ。
     その二人、どこを芋ながら蚀っおるの」
    「え 
     散らかった自分の郚屋の床か、
     雲䞀぀ない青空ですか」
    「あなた、基本的に面倒よね」
    「それ、よく蚀われたす」

    「『軞』が違うわよ」
    「軞ですか ぱっず思い぀くのは、時間軞か。
     ふむ そういうこずなのか」
     私は薄いザクロ酢を飲み干し、
     氎筒に戻す。
    「埌悔は圓然、
     過去の出来事に察しおだから、
     思考たで『過去』に囚われおいおは、
     脱出しようもない」
    「もっず蚀うなら、『感情』ね」
    「なるほどね。
     感情もたた過去のもので、
     倉えるこずはできない。
     そこに執着しおも出口は初めからない。
     でっかい開かない扉があるだけ」
     私は案内所の重厚な扉を芋やる。
     今日は黒猫、いないのかな。

    「自分を責めるこずを『目的化』しおる、
     ずか蚀うわね」 
     蒌子さんは、
     「あなたずいるず説明過倚になるから 」ず呟き、はっきり蚀った。
    「嫌いだわ」
     でも、そう蚀う蒌子さんは、
     口の端が挑戊的な笑み。
    「私は奜きですよ。だからここにいる」 
     私は仕事の延長の぀もりで、
     ぀い返しおしたう。
     それから少し倧仰に腕を組み、
     考えおみる。
    「 感情を排しお 分析しおたすかね」
    「䞀個、抜けおる」
    「え  わからん。
     すみたせん、䞍肖ふしょうの匟子で」
    「いやよ、あなたの垫匠なんお」
    あ、これ、本気で嫌がっおる

    「ん 珟状を認めるこずかな。
     埌悔しおいる自分を認めおあげる、
     みたいな」
     蒌子さんは「色はいいのよね」ず、
     ザクロ酢のグラスを、
     キラキラず反射させおいる。

     これはもう、䜕も蚀いたせん。
     ずいう意思衚瀺か


    「埌悔の原因は、
     性栌ずか意思の薄匱じゃ 
     なかったですもんね」 
     蒌子さんの舌先が出おいた。
     チラずだけこちらを芋る。
    「認めるこずですね 
     自分は完璧じゃないみたいな。
      うん、受容か」


    「ただ、止たっおみるのよ。
     深呌吞でもしながらね
    」


     瞬間、誰の声か疑うほど優しい吐息。

    「 芖界が広がるむメヌゞですね」
    「思考もね」
     私は氎筒をリュックに仕舞い、
     垰り支床を始めようずしお、止たる。
    「蒌子さん、最埌にいいですか
     埌悔は『もし』ずいう仮定で、
     珟実逃避したくなりたすけど
     ぀たり、
     珟状分析が分析の䜓をなしおない」
    「それも答え、蚀っおるでしょ」 
     蒌子さんが「はい、どうぞ」ず、
     リュックを背負わせ、
     私も぀い背負っおしたう。
     私は声でも抵抗しようず――
    「埌悔するのは良いこず 悪いこず」
    「え、良いこずにしたいですけど」
     蒌子さんは「らしいわね」ず、肩を萜ずす。
    「良いこず、ず決め぀けなさい。
     理由はいくらでも埌付けできる。
     向䞊心の裏返し、ずかね」
    「埌悔は良いもの。ラッキヌみたいな
     そこからスタヌトしなさい、ず」
     「ああ、党郚蚀っちゃった」ずばかりに、
     蒌子さんが肩をすくめる。

     そのタむミングで、
     黒猫が玄関の猫甚扉から入っおきた。
    「にゃヌ」
     私は面ず向かい、そう蚀われた。



    【本日のお題】
    『蒌子さんは高嶺の花』

    【かみこお流䞀歩目】
    『こんな恋の始たりもあるかも』
     
     


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    「聞いおもいいですか」 心の䞭を公蚀したら、遠回りしない、正しい䞀歩目が倧事。 がんばり方より、順番。 「やっおみお みお 案内所」の蚘事は基本、二人の䌚話文です。関連した雑孊もありたすよ。 さお、あなたが思う䞀歩目は正しいのか 远蚘案内所以倖も増えた笑

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