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第2回「飲酒後の遊泳は、なぜ危険なのか――医師が知ってほしい<溺れるまでのプロセス>」

夏になると、
海や川での水難事故が報じられます。

その中でも、毎年繰り返されているのが、
飲酒後の遊泳事故(酔泳事故)。

「少しくらいなら飲酒しても大丈夫」
「泳ぎには自信があるから」

そう考えて海へ入り、
命を落としたり、事故に遭う方々は
少なくありません。

海上保安庁などによる海の安全啓発協力、
遊泳事故に関する医学学会発表や研究を行なう1人の医師としてお伝えしたいと思います。


🏖️海洋安全医学は、
「海で起こる事故や健康障害を、
医学的な視点から予防し、
安全に海を楽しむための知識と行動を考える
医学」


酔泳(飲酒後遊泳)はいつ名付けられた⁉️


 「酔泳(飲酒後の遊泳) 」の名称は、
2013年「海上保安庁 第八管区海上保安本部(福井県、京都府、兵庫県北部、鳥取県、島根県などを管轄) 」にて、飲酒後の遊泳事故が頻発したことを受け、複数の新聞に掲載された
ことがきっかけで、名付けられました。


海外の研究では、
致死的な溺水事故のおよそ半数にアルコールが関与しているとの報告もあります。
 血中アルコール濃度が高くなるほど
死亡リスクは大きく上昇し、一定以上では通常の約16倍にもなるともされています。


なぜ飲酒後の遊泳が危険なのでしょう⁉️

答えは「泳げなくなる」だけではありません。


まず、判断力が低下します。

危険を過小評価し、
「もう少し沖まで行こう」
「ライフジャケットはいらない」
「一人でも大丈夫」
といった行動を選びやすくなります。
 ⭐️『判断力の低下』


次に、身体の動きが鈍くなります。

アルコールはバランス感覚や協調運動を低下させるため、普段なら問題なく泳げる人でも、
泳力が大きく低下します。

さらに、
水中では方向感覚も失われやすくなります。

 海では波や流れや視界の悪さが加わるため、自分の位置が分からなくなることも。
 ⭐️『泳力低下』


アルコールには血管を拡張させる作用があり、体温が奪われやすくなるため、疲労や低体温も進行しやすくなります。


飲酒後遊泳は
『飲酒
➡️判断力低下 ➡️危険な行動 ➡️➡️
泳力低下
➡️混乱やパニック ➡️ 溺れる』

という流れが生まれやすくなるのです。


 実は危険なのは、
泳ぐ人だけではありません。

保護者や友人が飲酒していると、
溺れかけなどの異変への気付きや救助開始が遅れ、小さなアクシデントが重大事故へ発展する危険性も高くなります。

 世界各国のガイドライン等では、
『水に入るなら、お酒は飲まない』
ことが重要な予防策として、
推奨されています。


 飲酒後遊泳事故は自己責任では⁉️⁉️
飲酒後遊泳事故に関する一般的なイメージや
疑問点について


飲酒後遊泳と聞いた時、
「自分達で飲酒して、好き放題騒ぎ、
海に入り、事故に遭う」イメージを持たれる方がいます。
 何となく「自己責任では⁉️」と
思ってしまいそうですね。
確かにこうした方もいらっしゃるでしょう。

では、、
 『元々、泳ぐつもりはなかったけど、
人を助ける為に泳がざるを得ないかも』。。
こういう場面はどうでしょうか⁉️

 ⭐️もし皆さんの家族や友人が
溺れたり、溺れかけている、
助けを求めている時、
『飲酒をしているから助けない』という選択を
迷わず出来ますか⁉️

 『酔っていても飛び込んで助けに行きたい』
と考える想い、
救助行動を自己責任と断定してしまうのは
酷だと私自身は思います。

<<実際には前述の様に
『飲酒による泳力低下』が起き、
『救助者の救助力が低下』し、
助けられない若しくは
自らも危険な状態に陥りかねません。
よって、
まず周囲の人に助けを求めることが重要>>

救助を呼ぶことも人を助けることです。


お酒🍺と海⛱️


 世界では
ビーチなどでお酒を所持しているだけで
処罰の対象となる国もありますが、
勿論日本は異なります。

『綺麗な海を見ながら、お酒を楽しむこと』は
気分が良いし、気持ち良いですよね。

 お酒が悪い訳でも、
お酒を飲むことが悪い訳でもありません。


現実にどうすれば良いか⁉️


海の楽しさを悲しい事故に繋げない為にも、

『飲んだら泳がない、泳ぐなら飲まない、
飲酒後遊泳(酔泳)しない』


このことを
一人でも多くの方に知っていただきたいです。

関連記事


※本記事は、私自身の調査研究、
国内外の溺水予防ガイドライン
および医学論文などを参考にしています。


海上保安庁ホームページで
『酔泳(飲酒後遊泳)の危険性』に関し、
記事執筆でご協力させて頂きました。

•海上保安庁HP<酔泳危険>
https://www6.kaiho.mlit.go.jp/info/marinesafety/jikotaisaku/leisure/suiei.html

•セコム株式会社 子どもの安全ブログ
<水の事故を防ぐために>に取材協力しました


倉田大輔
•日本水難救済会 2号正会員
日本水難救済会HP
https://www.mrj.or.jp
•池袋さくらクリニック 院長
•日本旅行医学会 認定医
•日本温泉気候物理医学会 評議員•
温泉療法専門医
•日本抗加齢医学会 専門医
•健康経営エキスパートアドバイザー
•東京商工会議所 文化•健康づくり推進委員会
委員
•東京商工会議所 豊島支部 観光分科会
副分科会長
•経営学修士
(明治大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。研究テーマ:ヘルスツーリズムと地域振興)

🌸池袋さくらクリニック公式note🌸
https://note.com/ikesakuraclinic

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