幻なのにはワケがあるんだな、と|||シン小説 no.124
こちらのお話の続きになります。未読の方は、この作品をできるだけスクロールせずに、こちらから先にお読みくださいますことを。そうでないと少しだけ残念なことになります👇️
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目の前に、あの『ツチノコ』がいる。
縁あって、世話をしつつ研究することになった。
よくしゃべる。
よく食べる。
たまたま、クマ用のドラム缶型の罠に引っかかっていた。
結局、わかったことより、わからないことのほうが圧倒的に多い。
こないだ監視カメラの映像を観ていて、あらたにスゴイことがわかった。
跳躍能力。
その図体からは想像もできないほどの高さまで跳ぶ。
檻に屋根があってよかった。
しかも、しばらく地面に降りてこない。
お腹を平たく羽のように膨らませ、ムササビのように浮遊しているのだ。
こんなに膨らむのか。
カタチだけなら、円盤のよう。
浮遊する円盤……ね。
さらに、かなりの興味をかきたてられた。
さらに研究したいが、無理なことはできない。
なにせ、一匹しかいない。
しかも、いまのところ、他の個体は見つかっていない。
だから、まずは生存させることが、なにより最優先。
なんとかならないか、と、最新の遠隔型のCTとレントゲンを持ち込んだ。
これで、檻の中に入れたままで撮影可能。
無事、撮影完了。
画像を見た技師が、黙っている。
「どうした?」
黙って、モニターを拡大してみせた。
俺も黙ってしまった。
腹に、もうひとつ、口があった。
口というか、お腹がタテに大きく開く感じの。
外から観ていても、まったくわからなかった。
「……これ、口だよな」
「たぶんな」
さらに画像を視た。
「クマ……だよな……」
「たぶんな」
かなり消化され、原型をとどめていなかったが。
噂されてから、百年以上。
見つからなかった。
見つからなかったのは……
ツチノコではないのでは……。
跳ぶ。
お腹が大きく開く。
神隠し。
いや。
この場合。
ツチノコ隠し…か。

