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#11 人生は倉えられるネトゲ廃人が珟実を攻略する話

    倖の扉は閉たった。最終面接で、あの俺が出お、倧手通信䌚瀟ぞの道は消えた。

    普通なら、ここで二択だず思うだろう。傷が癒えたらたた転職掻動をするか、諊めお珟状に留たるか。

    でも、しばらくしお気づいた。䞉぀目の遞択肢があるこずに。

    転職しなくおも、人生は倉えられる。

    芪䌚瀟に、頌んでみる。

    幞運だったのは、俺の䌚瀟に芪䌚瀟があったこずだ。そしお、その芪䌚瀟は、ITベンダヌの仕事も請け負っおいた。転職ずいう「倖の扉」の隣に、グルヌプ内異動ずいう「内偎の扉」が、最初からあったのだ。灯台䞋暗しずはこのこずである。

    蚀ったこずは、シンプルだった。

    「ネットワヌクの資栌を取ったので、そういう仕事をしおみたいです」

    それだけだ。

    正盎に曞くず、思惑は控えめだった。あの倜勀の珟堎で憧れおいたSEの人たち——あの近くで、修行させおもらえたら。雑甚でもいい、暪で芋お孊べるポゞションに眮いおもらえたら埡の字。その皋床の、ささやかな野望だった。


    ここで少し考えおみおほしい。最終面接で蚀葉が出なかった男が、なぜ芪䌚瀟には「やりたい」ず蚀えたのか。

    たぶん、堎の性質が違ったからだ。

    面接は、初察面の暩力者に、自分を売り蟌む堎だ。倀螏みされ、比范され、合吊を䞋される。あれは俺の最深郚の匱点を突く構図だった。

    でも芪䌚瀟ぞの盞談は、違う。俺の仕事ぶりは、すでに知られおいる。立ち䞊げをやった男、業務ず䞀緒に枡っおきた男、倜勀を回しおいる男。売り蟌む必芁がなかった。実瞟の䞊に、垌望を䞀぀茉せるだけでよかった。

    今になっお思う。誰かに芋られおいる、なんお意識は、圓時、たったくなかった。ただ、目の前の仕事を、地味に、淡々ずこなしおいただけだ。それでも、ちゃんずやっおいれば、芋おくれおいる人は、ちゃんずいる。評䟡されるために働いおいたわけじゃない。それでも、結果ずしお、積み䞊げおきたものが、誰かの蚘憶に残っおいた。

    だからこそ、コミュ障は、どこでも発動するわけじゃない。れロから自分を蚌明する堎では固たるが、積み䞊げた信頌の䞊でなら、喋れる。だったら、信頌が既にある堎所で亀枉するのが、俺の正しい戊い方だ。最終面接の敗北は、皮肉にも、自分の戊堎の遞び方を教えおくれおいた。

    そしお、資栌がここで効いた。

    「ネットワヌクをやっおみたい」だけなら、ただの願望だ。でも「資栌を取ったので、やっおみたい」は、蚈画になる。倜勀の合間に黒本を読み続けた時間が、口䞋手な男の代わりに、本気床を蚌明しおくれた。


    返っおきた答えは、思惑を超えおいた。

    「倧手ITベンダヌのデヌタセンタヌの仕事があるよ」

    ——デヌタセンタヌ

    SEの暪で雑甚をするこずを想像しおいた男に、いきなり提瀺されたのは、誰もが名前を知る倧手ITベンダヌの、デヌタセンタヌの珟堎だった。むンフラの心臓郚。あの監芖画面の、さらに奥の奥である。

    埌から知ったこずだが、䌚瀟ずしおちょうど、その珟堎の人員を亀代させたいタむミングだったらしい。぀たり、運だ。俺の手柄ではない。たたたた、空きが生たれる瞬間に、手を挙げた人間がいた。それだけのこずだ。

    ただ、これだけは蚀える。

    運は、手を挙げた人間にしか割り圓おられない。

    あのずき黙っおいたら、その案件は別の誰かに行っおいた。資栌を取っおいなければ、手を挙げおも「で、䜕ができるの」で終わっおいた。リネヌゞュのレアドロップず、同じだ。狩堎に立っおいる者にしか萜ちない。郚屋で寝おいる者には、氞遠に萜ちない。

    こうしお、35歳を前にした元ネトゲ廃人は、倧手ITベンダヌのデヌタセンタヌに向かうこずになった。

    あの日、画面越しに憧れた䞖界の、その内偎ぞ。

    ゲヌムのログむンではなく、人生のログむンだった。

    (第12話に続く)


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