
【温泉ファンタジー】Sa・Ga3 温泉の覇者 第3話 時空潜鉱艦ステロス
ロボ?が案内するまま、二人は通路の奥へ進んだ。
薄暗かった通路は徐々に広くなり、やがて巨大な空間へ繋がっていた。
最後の隔壁を抜けた瞬間。
二人は思わず足を止める。
スパ子
「……なに、これ。」
そこには一隻の船が眠っていた。
黒い船体。
長い年月を経ているはずなのに、その輪郭は今なお失われていない。
山中に隠されていたとは思えない異様な存在感だった。
スパロウ
「……。」
スパ子
「船?」
ロボ?
「時空潜鉱艦ステロスデス。」
船体側面には船名らしき文字が刻まれていた。
すろてす
スパ子
「すろてす?」
ロボ?
「右舷側デス。艦首カラ読ンデクダサイ 。」
スパロウ
「ステロス……。」
スパ子
「わざわざそんな書き方する?」
ロボ?
「当時ノ流行デス。」
スパ子
「絶対違うでしょ。」
スパロウは船を見上げたまま動かなかった。
水瓶伝説。
世界を救ったとされる船。
もし本当にその船なら。
今、自分達はとんでもないものを見つけたことになる。
スパロウ
「本当にあったんだな……。」
スパ子
「まだ伝説の船って決まったわけじゃないでしょ。」
スパロウ
「でも関係はあるはずだ。」
スパ子
「根拠は?」
スパロウ
「勘。」
スパ子
「出た!」
スパロウ
「ところでお前はなんなんだ?」
ロボ?
「申シ遅レマシタ。ワタシハ『M.E.C.A.』。ステロスノ管理管制ヲ担当シテイマス。『メカ』ト、オ呼ビクダサイ。」
スパ子
「メカ、ね。」
メカ
「船内ヘ案内シマス。」
ステロスの乗降口らしきハッチが開く。
中は薄暗かった。
巨大な通路。
壁沿いに並ぶ配管。
停止した機械群。
どれも古びてはいるが、朽ち果ててはいない。
スパ子
「遺跡というより工場みたい。」
メカ
「概ネ正解デス。」
スパロウ
「船なんだよな?」
メカ
「船デス。」
スパ子
「工場だったり船だったり忙しいわね。」
メカ
「多機能デス。」
メカを先頭に進み続ける。
やがて一行は最上部らしき部屋へ到着した。
壁一面の計器。
巨大なモニター。
並ぶ操作卓。
その全てが沈黙していた。
メカは中央端末へ近づく。
そして船体から伸びるケーブルを引き出し、自らの背面へ接続した。
スパ子
「接続した?」
メカ
「管理権限照合中。」
沈黙していたモニターが次々と点灯する。
見たことのない文字列が高速で流れていった。
スパロウ
「読めるか?」
スパ子
「全然。」
しばらくして。
ピーッ!
ピーッ!
警告音が鳴り響く。
メカ
「異常ヲ検知。」
スパ子
「やっぱり。」
メカ
「機関部ニ重大ナ障害ガ発生シテイマス。」
スパロウ
「故障か?」
メカ
「確認中。」
さらに情報を読み込む。
そして。
メカ
「原因判明。」
スパ子
「何?」
メカ
「生物災害デス。」
スパロウ
「生物?」
スパ子
「嫌な予感しかしないんだけど。」
メカ
「機関室ヘ向カイマス。」
スパロウ
「今のところ、その予感外れたことないよな。」
スパ子
「ないわね。」
三人はブリッジを後にした。
そして機関室の扉が開く。
スパロウ
「……は?」
スパ子
「でっか!?」
巨大な主機関に覆い被さるように、一体のスライムが張り付いていた。
ぷるん。
巨大な身体がゆっくりと揺れる。
メカ
「問題ノ原因デス。」
スパ子
「いやいやいやいや!」
スパロウ
「なんでこうなるんだよ!?」
