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【温泉ファンタジー】Sa・Ga3 温泉の覇者 第22話 白い大陸

    灰色の海を越えた先に、白い大陸が見えてきた。

    空も白い。地面も白い。遠くの山も、吹き上がる雪煙に半分隠れている。窓の外に広がる景色は静かで、きれいで、そして明らかに人間を歓迎していなかった。

    スパ子
    「……本当に来ちゃったわね。」

    スパロウ
    「来たな、南極。」

    パー美
    「白〜い。何もな〜い。」

    ぺーすけ
    「気温、風速ともに危険域です。長時間の徒歩移動は避けるべきでしょう。」

    メカ
    「温泉羅針盤ノ反応ヲ確認。現在位置ヨリ北西方向、距離アリ。」

    スパ子
    「歩いて行ける距離?」

    メカ
    「推奨シマセン。」

    スパロウ
    「じゃあ、ステロスで近くまで行けばいいだろ。」

    メカ
    「地形条件ニヨリ、接近可能範囲ニ制限アリ。氷床下ニ不安定層ヲ確認。」

    スパ子
    「無理に降りたら?」

    メカ
    「沈下、破損、最悪ノ場合ハ氷中ニ埋没シマス。」

    パー美
    「それはやだ〜。」

    スパロウ
    「じゃあ、ここから地上移動だな。」

    ステロスは、比較的安定した氷原の上に静かに降りた。

    外へ出た瞬間、冷たい風が一行を叩いた。

    スパ子
    「寒っ!」

    パー美
    「うわ、風つよ〜。」

    ぺーすけ
    「顔を長時間出さない方がいいですね。」

    スパロウ
    「いい風だな!」

    スパ子
    「強がり方が雑なのよ。」

    スパロウ
    「強がってねぇよ。」

    スパ子
    「じゃあなんでちょっと震えてるの。」

    スパロウ
    「武者震いだ。」

    スパ子
    「便利な言葉ね。」

    メカはいつものように履帯を鳴らし、雪面へ進み出た。

    メカ
    「本機ハ履帯走行デ雪原移動ガ可能デス。」

    スパ子
    「本当に?」

    メカ
    「履帯走行デス。」

    スパ子
    「それは見ればわかるけど、雪よ?」

    メカ
    「問題アリマセン。」

    メカは自信満々に前進した。

    一メートル。

    二メートル。

    三メートル。

    止まった。

    メカ
    「……。」

    スパロウ
    「どうした?」

    メカ
    「報告シマス。」

    スパ子
    「はい。」

    メカ
    「履帯ニ雪ガ絡マリマシタ。」

    スパ子
    「早すぎない?」

    メカ
    「雪質ガ想定外デス。」

    スパ子
    「南極の雪が想定外って、何を想定してたのよ。」

    メカ
    「平坦ナ床面デス。」

    スパ子
    「屋内じゃないのよ!」

    パー美
    「浮かせる?」

    メカ
    「水平維持ヲ要求シマス。」

    パー美
    「はいはい〜。」

    パー美が指先を軽く持ち上げると、メカの身体が雪面からふわりと浮いた。

    メカ
    「高度ガ不安定デス。」

    パー美
    「細か〜い。」

    メカ
    「精密機械デス。」

    スパロウ
    「メカ、他に移動手段ないのか?」

    メカ
    「外部作業ユニットノ使用ヲ提案シマス。」

    スパ子
    「あるの?」

    メカ
    「アリマス。」

    スパ子
    「なら最初から出しなさいよ。」

    メカ
    「履帯走行デ可能ト判断シマシタ。」

    ぺーすけ
    「判断ミスですね。」

    メカ
    「雪質ガ想定外デス。」

    スパ子
    「そこから離れなさい。」

    一行はいったんステロスの格納庫へ戻った。

    格納庫の奥で、古い作業機械が低い音を立てて目を覚ます。大きなキャタピラ、前面の除雪ブレード、片側に伸びるドリルアーム、反対側の発電機、背面の小さなタンクとサーチライト。見た目は完全に雪原で何かを掘るための機械だった。

    その上部中央に、メカが接続された。

    メカ
    「寒冷地作業ユニット、接続完了。」

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    スパ子
    「……大きくない?」

    メカ
    「作業効率ヲ優先シテイマス。」

    パー美
    「乗れる?」

    メカ
    「乗車設備ハ存在シマセン。」

    スパロウ
    「でも乗れそうだな。」

    メカ
    「推奨シマセン。」

    スパ子
    「推奨しないだけで、禁止ではないのね。」

    メカ
    「推奨シマセン。」

    ぺーすけ
    「二回言いましたね。」

    結局、歩くよりはましだった。

    スパロウは前方の装甲に片足をかけ、スパ子は側面の手すりらしき部分を見つけ、パー美は勝手に座りやすそうな場所を確保し、ぺーすけは一番安全そうな足場を選んだ。

    メカ
    「不適切ナ使用デス。」

    スパロウ
    「動けばいいんだよ。」

    スパ子
    「落ちたら止まりなさいよ。」

    メカ
    「停止条件ヲ追加シマス。」

    寒冷地作業ユニットは雪原へ出た。

    除雪ブレードが雪を左右に押し分け、キャタピラが白い地面を踏み固めていく。普通に歩けば何時間もかかりそうな距離を、機械は不満そうな音を立てながら進んだ。

    パー美
    「これ、けっこう楽〜。」

    スパ子
    「乗り心地は最悪だけど、歩くよりはいいわね。」

    スパロウ
    「いいじゃねぇか。冒険って感じだ。」

    ぺーすけ
    「私は作業現場に無断で便乗している気分です。」

    メカ
    「正確ナ表現デス。」

    しばらく進むと、雪原の向こうに黒い岩山のようなものが見えてきた。

    メカ
    「温泉羅針盤ノ反応、接近中。」

    スパロウ
    「近いのか?」

    メカ
    「距離ハ短縮中。ただシ、前方ニ生命反応アリ。」

    スパ子
    「生命反応?」

    パー美
    「こんなところに?」

    風が強くなった。

    吹雪の向こう、白い地面の上に、さらに白い影が立っていた。

    巨大な肩。長い腕。厚い白い毛に覆われた大きな影。頭には角のようなものが見える。

    スパロウ
    「……あれか?」

    ぺーすけ
    「人間ではありませんね。」

    メカ
    「生体反応ヲ確認。警戒ヲ推奨シマス。」

    パー美
    「でか〜。」

    スパ子は麦わら帽子を押さえながら、その影を見つめた。

    スパ子
    「……雪男?」

    白い影は、ゆっくりとこちらを向いた。

    そして、低い声を出そうとしているような、くぐもった声で鳴いた。

    「ウ……ウゴ……。」

    スパロウ
    「よし、捕まえようぜ。」

    スパ子
    「まず様子を見なさい。」

    しかしスパロウは、すでに雪の上へ飛び降りていた。

    スパ子
    「早いのよ!」

    白い大陸に、スパ子の声だけが冷たい風に流されていった。

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    DERAです。 ガンダムやMSについて、好きな機体や勝手な仮説を書いていきます。 走る前から何かがズレるマラソン日記、普通なら流すところに引っかかる雑談、温泉に3分入ると強くなる男の創作ファンタジーを書いています。

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