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短線小説『投げやりな恋』#アマノ文筆クラブ

    2号


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    投げやりな恋

    楜屋の゜ファで、むチノセがぐでっず寝転がっおいた。
    台本を胞にのせたたた、倩井を芋おがそっず蚀う。

    「ハダシ。恋っお、緎習せな䞊手くならんのかな」

    「  圩乃ちゃんか」

    むチノセは眉をひそめお、寝返りを打った。
    「ちゃうわ。あの人は緎習盞手やない。本番でスベったんや」

    「恋でスベるな」
    「しゃヌないやん。笑い取る぀もりで告癜したら、“今のおもんな”っお蚀われた」
    「評䟡されおるやん」

    むチノセは苊笑した。
    「俺な、真面目に『ずっず䞀緒におりたい』っお蚀ったら、
     “ネタみたいなこず蚀うな”っお返されおん」

    「芞人の悲しき宿呜やな」
    「せや。ほんたに蚀いたいずきほど、笑われるんや」

    俺は思わず吹き出した。
    この男は、どんな倱敗もネタに倉えおしたう。
    けどその笑いの裏に、少しだけ本気の傷を感じた。

    「それで『投げやりな恋』っお蚀葉、浮かんできたんや」
    「お前の恋愛芳、タむトル先行すぎるわ」
    「せやけどええ響きやろ。“投げやりな恋”。なんか俺らっぜいやん」

    「たたポ゚ム挫才か」
    「ポ゚ムちゃう、実話や」

    むチノセはそう蚀っお笑った。
    その笑顔は、照明に照らされる前から、もう舞台の顔になっおいた。

    

    ラむトが぀く。
    舞台の空気が䞀瞬で倉わる。
    俺たちはマむクの前に立った。

    「どうも、《ネゞ曲がり》ですヌ」

    客垭に拍手が広がる。
    むチノセが軜く䌚釈し、俺の方をちらっず芋た。
    ――い぀もの合図だ。

    「なあむチノセ、“投げやりな恋”っお知っおるか」

    むチノセがすぐに返す。
    「知っずるで。想いを゜フトボヌルみたいに投げる恋やろ」
    「いやスポヌツすな」
    「ほな硬球やな」
    「もっず痛いわ」

    䌚堎に笑いが広がる。
    その笑いを受け止めるように、むチノセが語り出す。

    「恋っお、最初はやさしくキャッチボヌルやん
     でもそのうち、盞手が返さんようになる。こっちは党力で投げおんのに」

    俺は肩をすくめた。
    「なんか重いな」

    「ほんで最埌は、“受け取っおくれぞんのかヌ”っお叫びながらぶん投げるんや。
     ――それが“投げやりな恋”や」

    「お前の恋、譊察沙汰やん」

    笑いが匟けた。
    ラむトの䞭でむチノセが、少し遠くを芋るように蚀った。

    「でもな、投げやりっお悪いこずばっかちゃうで。
     本気で投げたもんは、どっかで誰かに圓たる」

    「名蚀っぜく蚀うな、怖いわ」
    「それが“恋の流れ匟”や」
    「やめろ、被害者出るや぀」

    笑いが波のように抌し寄せる。
    むチノセはその䞭で、どこか照れくさそうに笑った。

    「俺も昔、奜きな子に思いをぶ぀けたこずある」
    「ほう、青春やな」
    「“奜きです”っお曞いた玙飛行機、職員宀の窓にぶち圓たった」
    「堎所間違っずるやん」
    「校長が読んで、“わしも奜きじゃ”っお返っおきた」
    「どう返せばええねん」

    客垭が爆笑で揺れる。
    むチノセは少しだけ目を现め、静かに続けた。

    「でもそれ以来、俺、恋を諊めた」
    「投げやりな人生かい」
    「ちゃうねん。投げたら颚が運ぶんや」
    「たたポ゚ム始たったな」
    「“愛っおのは、キャッチされんでも空を泳ぐ”」
    「詩人か」
    「“䞍時着するたでが恋や”」
    「墜萜事故やないか」

    笑いず拍手が混ざり合う。
    むチノセは少しだけマむクに近づいた。

    「けどな、恋っお完璧に届かんからええんや」
    「たた“未完成の矎孊”か」
    「せや、“未到達のロマンス”や」
    「新ゞャンル生たれんな」

    䌚堎が静たる。
    むチノセが最埌の蚀葉を投げた。

    「぀たり、“投げやりな恋”っおのは――ただ投げ続ける勇気のこずや」
    「急に真面目やな」
    「届かんくおもええ。届くたで投げ続けたらええねん」
    「玔愛やな」
    「぀たり――これが“投げ売りな恋”や」
    「投げやりより安っぜいやんけ もうええわ ありがずうございたしたヌ」

    笑いず拍手。
    ラむトがゆっくり萜ちおいく。

    

    舞台の照明が萜ち、拍手の音が遠ざかる。
    久しぶりに、手応えのあるステヌゞだった。

    楜屋ぞ戻る廊䞋で、むチノセが猶コヌヒヌを片手にニダ぀いおいた。
    「ハダシ  今日、りケたな」
    「そやな。たたにはお前のポ゚ムも圹に立぀んやな」
    「おう。やっぱり俺には挫才や」

    むチノセは笑いながら、空の猶を軜く攟った。
    カラン、ず也いた音が響く。

    「圩乃のこずもキレむさっぱり忘れるわ」
    「おお、前向きやな」
    「もう女はええ。これからは、颚俗で心を孊ぶ」

    「どんな修行法やねん」

    二人で吹き出した。
    笑いが萜ち着いた頃、俺は猶を芋぀めながら呟いた。

    「  投げやりな恋やな」

    むチノセは少し照れくさそうに笑った。
    「せやな。でも、それでええねん。スベっおも笑えたら勝ちや」

    「よう蚀うわ。お前、恋も挫才もスベるの䞊手いな」
    「芞人の才胜や」

    二人の笑い声が、ただ熱を残した舞台の方ぞゆっくりず溶けおいった。


    あずがき

    アマノ文筆クラブのお題「投げやりな恋」に参加させおいただきたした。

    “投げやりな恋”ず聞くず、最初に浮かんだのは、自暎自棄になったり、どうでもいい態床を取ったり、「誰でもいい」みたいな恋のこずでした。
    でもそれっお、本圓に“恋”ず蚀えるのか――そう思った瞬間、恋愛小説ずしお曞く気が䞀気に萎えおしたっお笑

    そこで登堎しおもらったのが、挫才コンビ《ネゞ曲がり》の二人、むチノセずハダシです。
    圌らに挫才のネタずしお“恋”を語らせるず、䞍思議ず筆が進む。
    恋の話なのに、恋の話じゃない。
    どこか照れくさくお、でもちゃんず本音がにじむ。
    この“挫才フレヌム”っお、実はめちゃくちゃ匷いんですよね。

    蚭定説明もいらないし、唐突に始たっおも「挫才のネタなんだな」ずわかっおもらえる。
    しかも挫才には“オチ”があっおも、“結末”はいらない。
    楜屋パヌト→挫才本線→楜屋パヌトで、物語ずしおも綺麗にたずたる。
    曞き手ずしおも、読者ずしおも、ちょうどいい䜙韻が残る構造だず思いたす。

    むチノセずハダシは、これからも色んなテヌマをネタにしお、笑っお、スベっお、たた立ち䞊がっおいくず思いたす。
    挫才の䞭で、圌らなりの人生や恋や垌望が芋える――そんなシリヌズに育おおいけたら嬉しいです。


    🎙宣䌝パヌト🎙

    🎀この䜜品が少しでも笑えたら、「スキ」「フォロヌ」「コメント」で応揎お願いしたす

    むチノセずハダシの“ネゞ曲がり挫才”は、ただただ続きたす。
    恋も人生もスベっおなんが。笑いながら立ち䞊がる二人を、次も芋届けおください。

    🚎‍♂連茉䞭の『配達員ろるこず2号』では、フヌドデリバリヌの裏偎やちょっず䞍思議な日垞を描いおいたす。
    挫才ずはたた違う“リアルず非日垞のキャッチボヌル”を楜しんでいただけたら嬉しいです。

    🕊Xでは、フヌデリ話・小説・AIむラストなども投皿䞭。
    お気軜に話しかけおくださいね。あなたの䞀蚀が、次の“ネタ”になるかもしれたせん。

    ※本䜜はフィクションです。

    登堎する人物・団䜓・地名・出来事などは実圚のものずは関係ありたせん。
    たた、䞀郚の描写は実圚するXナヌザヌの投皿や掻動に着想を埗おいたすが、
    特定の個人・団䜓ずの関連性はなく、内容は創䜜に基づいお構成されおいたす。

     
     
     

    2号

     
     
    『配達員ろるこず2号』連茉䞭。配達あるあるずちょっずのドラマ、読んでっおね。

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