
リハビリはゲーム感覚で!16:突破《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》
第一話はこちらからご覧ください
はじめに
ある朝、突然倒れた和泉大輝(45歳・会社員)。
診断は、脳幹部の梗塞。
体は動かず、声も出ず、世界は一変した。
不安と絶望のなか、支えてくれたのは、
最愛の妻・花菜と3人の娘たちだった。
「家族のために、絶対に立ち上がる」
そう誓った男が始めたのは、“ゲーム感覚”のリハビリ生活だった。
本作は、実際の経験をもとにしています。
※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。
🧠この話には、別記事で医学的見地からの解説があります。物語とあわせて読むことで、脳梗塞の理解がより深まります。ぜひご確認ください。
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脳卒中の経験や知識を分かち合う場を広げています
それでは、本編をどうぞ。
第二部 声か鼓動か ― 言葉を超えて、届いたぬくもり
第16話 突破
2025年3月9日
看護師さんにヨダレを吸引してもらったら、スッと息が通るようになった。
試しに、いつもより大きな声を出してみる。
「あいうえおー!」
思ったよりも通った声が出て、自分でも驚いた。
(おお・・・今の、録っとけばよかったな)
今度はスマホに向かって、同じように声を出して動画を撮る。
花菜に送ると、『大きな声この動画にある?』と返事が来た。
再生してみると、思ったより声が小さく、ちょっとがっかり。
それでも、
『最初のほう、大きいわ!!』とフォローしてもらい、『せやろ!』とテンションが上がる。
その流れのまま、花菜とテレビ電話。
これまでで一番、会話らしい会話ができた。
「昨日よりもさらに聞き取りやすくなったかも」
花菜のその言葉が嬉しかった。
午後は、LINEでやりとり。
これまで10分かかっていた文字入力も、
今日はなんと、1分で打てるようになった。
10倍のスピードだ。
右手の動きがここ数日で明らかに滑らかになっている。
