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リハビリはゲーム感覚で!20:フルパワー《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》

    第一話はこちらからご覧ください

    はじめに

    ある朝、突然倒れた和泉大輝(45歳・会社員)。
    診断は、脳幹部の梗塞。
    体は動かず、声も出ず、世界は一変した。

    時は刻一刻と進み、容赦なく迫るタイムリミット。
    動かない体に問いかけ、挑み続ける日々が始まった。

    「果たして、自分はどこまで取り戻せるのか」

    家族の想いが、彼を支え続ける。

    次々と立ちはだかる試練。
    そして、その先に待ち受ける“新たな現実”。

    希望と絶望が交錯する、その瞬間をご覧ください。



    本作は、実際の経験をもとにしています。

    ※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
    心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。

    🧠この話には、別記事で医学的見地からの解説をご用意しています。物語とあわせて読むことで、脳梗塞の理解がより深まります。ぜひご確認ください。



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    脳卒中の経験や知識を分かち合う場を広げています


    それでは、本編をどうぞ。




    第三部 希望か終焉か ― 七日間の挑戦と門出の春

    第20話 「フルパワー」

    2025年3月13日

    午前のリハビリ。
    笹木さんに支えられて起き上がろうとすると、突然右膝に鋭い痛みが走った。
    「いっ!」思わず声が出る。

    その後は慎重に動かしてもらいながら、2人がかりで1メートル、2メートルと歩かせてもらう。

    すると、ある角度までは痛まずに膝を動かせることが分かってきた。

    スピードによっても痛みの出方が違う。
    (なるほど・・・これは“状態異常”やもんな。攻略はできへん。
    けれど、法則さえ分かれば付き合っていけるで)

    これからはリハビリや看護師による体勢変えなど、膝を曲げられる機会は全部検証の機会にしていくことを決意する。
    (痛みの条件を読み解いたる)


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    午後は左手に全力を注いだ。
    (右膝に道が見えたんや。ほんなら左手も・・・回数や。数さえ重ねれば必ず応えてくれるはずや)
    指先に意識を集中させ、力を込める。
    10回、20回、30回・・・。


    100回を超えても、左手は沈黙を続けた。
    (まだや、まだ足りん。やれるだけやったる!)

    額に汗がにじむ。
    動いていないのに、全身がこわばって熱を持っていく。
    力を込めすぎて、体中がカチカチになっていく。

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    けれど左手は、ピクリとも動かないままだった。
    (・・・なんでや。数さえやれば必ず結果が出るはずやろ・・・)

    心の奥で信じていた、“努力は報われる”というルールが崩れた。
    枕元に沈み込み、動かない左手を見つめることしかできなかった。


    夜、花菜と電話をした。
    「大輝、鼻からご飯してないと、ほんとに普通に話せるようになってきたね」
    「よだれ減ってきたからかもな。最近は逆に口の中パッサパサや」
    「あはははは!でも声がちゃんと届いてる」
    その言葉に、思わず笑みがこぼれる。


    確かにここ1〜2日で、よだれが減って、調子がいいときは会話がスムーズだった。
    今日は、自分でも“かなり話せてるつもり”だったけれど、花菜からもそう言ってもらえたのは、やっぱり嬉しい。


    でも、電話を切ったあと・・・
    その喜びを、左手の重たい現実が塗りつぶす。
    (けど、なんでやねん・・・なんで左手だけは動かんねん・・・)


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    2日目が終わり、残り――5ターン・・・

    (いやいや、なんだかんだで、なんとかなるやろ)


    不安な気持ちを無理やり押し殺して、その日を終えた。


    【ステータス:2025年3月13日】
    • 首:LV4→5(左右には動く/上下は少し動く)
    • 右手:LV3(指のグーパーが可能。肩の高さまで持ち上がる)
    • 左手:LV0(反応なし)
    • 右足:LV2(体重を少し支えられる)
    • 左足:LV0(反応なし)
    【スキル】
    • 見る:LV7(LINEを苦も無く読めている。疲れやすい)
    • 聞く:LV10(正常)
    • 話す:LV5→6(何を話しているか、聞き取りやすくなってきている)
    • メール:LV3(スマホ固定時、短文なら1分で返信できる)
    • 車いす:LV1(30分座れる)
    【その他状態】
    • ヨダレ:かなり減ってきた


    その頃の花菜

    鼻からご飯をいれてないと
    ほんとに普通に話せるね

    大輝と会話が出来なくなったら嫌だと
    泣いたこともあったけど

    最近は毎日電話できて
    鼻からご飯中が多いから
    声ガラガラで
    聞き取るのも大変な時もあるけど

    前みたいにわたしが泣くことも少なくなったよ


    安心させてくれてありがとう

    声は違うけど
    雰囲気や話し方が大輝のままだから
    嬉しいよ

    毎日
    毎時間
    毎分

    頑張ってくれててありがとう



    📖 次回はこちら


    👉 シリーズの全話目次はこちら

    脳梗塞後の歩行リハで「膝が痛い・怖い」と感じたときに、どこまでやっていいか・安全な角度と速さの決め方を具体的にまとめた実践ガイド



     
     
     
    45歳で脳幹梗塞になり、重度の両麻痺を負うという超激レア症例。現在はリハビリにゲーム感覚で挑戦し、悪戦苦闘中 闘病の中で試される、自身の覚悟、夫婦の愛、そして家族の絆・・ 実際にリハビリをしながら描く、ほぼ実話、涙あり笑いありの小説風闘病記をご覧下さい

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