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ただ、わたしただけ(前編)《夫が脳梗塞(脳卒中)に。妻のリアルな葛藤日記》

    はじめに

    みなさん、
    和泉大輝の妻、花菜です

    数ある記事の中から「リハビリはゲーム感覚で!」をお読みいただき、ありがとうございます

    また、「ただだけ」シリーズにも興味をお持ちいただいたこと、とても嬉しく思っております

    こちらはサイドストーリーとして、
    本編では伝えきれなかった妻の心情を描いております

    花菜の正直な胸の内を綴っているため、
    一部、お見苦しい点があるかもしれませんが、
    患者の家族となったリアルな姿をそのまま書き記しております
    何卒ご容赦いただけますと幸いです

    では、どうぞ!(´▽`)




    ただ、わたしただけ(前編)



    25日
    脳の病と医師に告げられたあと
    わたしは 両親と義父母に報告をした



    最初にかけたのは わたしの両親

    「大輝は 脳梗塞だったよ」


    スマホの向こうで
    母が息をのんだのが 分かった


    「え なんで
    まだ45なのに……」


    そう言いながら 静かに息をゆるめたのを感じた



    10年ほど前
    母は脳に爆弾を2つ抱えていて
    それをとる手術をしたことがあった

    だからなのか
    脳の病気は 人ごとじゃない

    その驚きの深さは
    スマホの向こうからでも はっきりと伝わってきた



    「花菜やこどもたちは大丈夫なのか?」
    父は わたしたちのことを 気にかけた


    いつも力強くも
    わたしを包み込むような 優しい声の人


    でも その声が
    そのときは
    少しだけ 揺れていた




    義父にはまずLINEをして
    「大輝のことで お話があります」

    そう伝えて 時間をもらった


    でも タイミングが噛み合わなくて
    義父を 2時間近くも 待たせてしまった



    ようやく電話をつなぎ

    「大輝が脳梗塞と診断されました」


    そう 聞かされた義父の時間は
    しばらく とまったままだった



    言葉にできない空気が スマホ越しに
    じわじわと伝わってくる


    その沈黙の長さを
    わたしは 今でも覚えている


    「待っている間にいろんなことを想像していた
    でも脳梗塞というのは そのどの想像よりも悪いことや」


    義父のその声は
    ゆっくりと 深く わたしに届いた




    いま振り返ってみても
    全てをはっきりと覚えているわけではない

    でも ただ

    動揺はしない
    みせない

    わたしがそうしていたら
    きっとみんなに
    たくさん心配をさせてしまうから


    だから
    そうしなきゃいけない気がして

    演じていたのかもしれない


    後編に続きます



    👉 シリーズの全話目次はこちら


     
     
     
    45歳で脳幹梗塞になり、重度の両麻痺を負うという超激レア症例。現在はリハビリにゲーム感覚で挑戦し、悪戦苦闘中 闘病の中で試される、自身の覚悟、夫婦の愛、そして家族の絆・・ 実際にリハビリをしながら描く、ほぼ実話、涙あり笑いありの小説風闘病記をご覧下さい

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