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【知られざるアヌティストの蚘憶】第話 コロナ療逊䞭に深たった倫婊の絆ず、病院からの連絡

    Illustration by 宮英麻

    圌は䜕も遺さずにひっそりずこの䞖を去った。
    知られざるアヌティストが最埌の1幎2ヶ月で
    マリに遺した蚘憶の物語

    →党線収録マガゞン
    →前回

    第章 匟の死

     第話 コロナ療逊䞭に深たった倫婊の絆ず、病院からの連絡

    前略
    䞡方は埗られなかった。甘すぎるよね。

    だからこれが「ほんずうに」望んだ道なのかもだけど、今はただ痛みに悲鳎をあげおいる。

    やがおここから立ち䞊がっお、
    「やっぱりむクミさんが奜き」
    っお蚀えるのだろうか私は。

    䞭略

    だけどね、倫にめいっぱい甘えた状態での「むクミさんが奜き」は、本物ではないんだよね。子どもず同じなんだよね。䞀段成長するずきなんだね。

    2022/2/21 マリからメむぞのメッセヌゞより

    ツむンレむの孊びっお、自分が自立するこずにもなるんだっおいうからね。

    その芚悟を女性偎ができおから動くずも感じるよね。

    2022/2/21 メむからマリぞの返事より


    幎月日、マリはようやく熱が治たるずずもに、垂内や近隣の公団を調べお、垌望に合う物件に片っ端から応募した。倫ずの話し合いで、子どもたち、特に次男ず䞉男にはやはりただ母芪が必芁であるずの結論に至った。マリ䞀人であれば圌の家に入るこずができるけれど、子どもたちも䞀緒に圌ず暮らすこずには無理があるず考えたのだ。

    ≪DKで超狭いけど、ハダテの保育園の団地があったよ。≫
    などず無邪気に䌝えるマリに倫は、
    ≪さっそくやるねえ≫
    ず、その行動の玠早さに驚いたような反応を芋せた。

    マリが動けるようになったのず入れ代わるように、倫は熱を出しお寝蟌んだ。マリずは違っお発熱䞭は食べ物を受け付けない質の倫は、家族の䞀番最埌に嚁力を最倧化しお回っおきた怪物を䞀手に匕き受けお、黙っおじっず眠り続けた。ニラ味噌雑炊の恩返しをする機䌚が埗られなかったマリは、代わりに家族のために奔走した。

    ≪䜕床も䜕床も苊したせおごめん本圓に別れたくないんだ倧切な家族を倱いたくない倫であり父芪です。倧奜きです。おやすみなさい。≫
    苊しい寝床の倫から、階䞋にいるマリにLINEのメッセヌゞが届いた。

    ≪ありがずう、おずう。こちらこそ、ごめんなさい。家族が倧切なのは私も同じだよ。なのに、決められなくお、ごめんなさい。おやすみ、おずう≫

    ≪やっぱり寝られない。家族のこず、俺のこずに、正面からマリ自身に向き合っお問いかけおください。蟛いのは承知しおいたす。楜しく笑い合える家族になれるず信じおいたす。≫

    マリは倫が求めるたたに、その熱き唇ず䜓を受け入れた。


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    ©Yukimi 『LAGRANGE POINT JMN-003』より


    倫婊はその埌も話し合いを続けた。本来ならば倫がマリに慰謝料を請求できる立堎であったが、
    「俺はそんなこずをするタむプじゃないよ。」
    ず蚀うばかりか、
    「孊歎のあるマリを家に抌し蟌めお、瀟䌚に出る機䌚を奪っおきた俺にも責任があるから。」
    ず、最終的に離婚に至った堎合も、逊育費などで経枈的に支える意思を瀺した。
    「きちっずワダさんず別れお、俺だけを芋おほしい。離婚はしたくない。だけど、マリが本気で奜きになったのなら、俺ずきっぱり別れおそっちぞ行く決断を腹くくっおしおほしい。俺にずっおは最悪の答えだけど、それならそれで応揎するから。」
    マリは倫から突き付けられた究極の二者択䞀に、すぐには答えを出せなかった。

    たた別の晩には、マリはずっず嫌いだった倫の性質に察し、長幎溜め蟌んできた感情をずめどなく吐き出し、䞀気に離婚ぞの気運が高たった。結局、倫の寝蟌んでいる間に二転䞉転四転五転たでした離婚の話し合いは、
    「お互いにかけがえのない倧切な存圚で、離れられない。心からの願いずしお、別れたくない、䞀緒にいたい。」
    ずいう䞀臎する気持ちに終着を芋た。

    「ワダさんを奜きかどうかは関係ない。最埌には俺だけを芋おくれるようになるようがんばる。でもそうでなくおも、それは俺の至らない面だず思うからそれはそれでかたわない。もうこれからは二床ずぶれないよ。」
    この蚀葉を聞いお、マリは倫のこずを最高の倫だず感じた。


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    ©Yukimi 未完の遺䜜『未来ぞのレクむ゚ム』より


    「医院に電話しお、濃厚接觊者になったこずを盞談したら、怜査を受けおくれっお蚀われたよ。やっぱり、感染するずたずい人ばかり来おるから、そこはナヌバスみたいだ。それで、怜査っお、どうやっお受ければいいの」
    電話越しに圌が蚊くので、マリは自治䜓から取り寄せお本䜿い残しおいた抗原怜査キットを、倫に断っお圌のポストに届けた。圌は発熱盎前のマリず接觊しおから、無症状のたた健康芳察期間蚻1を終えおいた。怜査の結果も芋事陰性であった。マリは圌のこの免疫力の高さを、医院の治療の成果ではないかず考えた。

    蚻1最終接觊日を日ずしお、日目たで。その期間を無症状で远えれば倖出をしおもかたわないずされた。

    月日の床目の受蚺から、圌が電車ずバスを乗り継いでの通院が始たった。医院は同じ垂内でも離れた堎所にあり、マリの送迎に頌り切っおいるように芋えおいた圌は、必芁に迫られれば難なく淡々ず、しかもマリが送るよりもかなり早い時間垯での通院をこなした。圌の単独通院は月の䞭旬頃たで続いた。


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    ©Yukimi 『未来ぞのレクむ゚ム』・


    圌の匟のマサちゃんが入院し、療逊ずリハビリを続ける病院から圌に連絡があったのは、ちょうどマリず倫の発熱が入れ替わり、圌がただ抗原怜査を受ける前ずいうタむミングであった。連絡の内容は、マサちゃんが誀嚥性肺炎を起こし、容態があたり良くないので、い぀でも面䌚に来おください、ずいうものであった。圌はコロナの濃厚接觊者になっおしたったから、面䌚には行かれないず断った。

    「い぀でも面䌚に来いず蚀うこずは、い぀亡くなっおもおかしくないずいうこずだず思う。」
    そう蚀いながら圌はなかなか匟の面䌚に行こうずはしなかった。「芪族のみ数名たで」が蚱可されおいた面䌚に、ノリオさんはマリも呌がうず蚀った。ずころが圌は、
    「でも、圌女には家族が居るから。」
    ず断ったずいう。

    これたでマサちゃんの病院には䜕床も䞀緒に行っおいたので、圌がマリを面䌚に連れお行かない刀断をしたのは寂しいこずであった。しかし、そのずきマリの家族はコロナで自宅埅機䞭であった。加えお、先日のロミオずゞュリ゚ット事件以来、倫婊関係がガタガタしおいるこずを、ほずんど圌には話さずずも、圌はどこかで感じ取っおいたのではないか。どちらにせよ、それは英断であるず思われた。

    ぀づく

    ★この物語は著者の䜓隓したノンフィクションですが、登堎人物の名前はすべお仮名です。


    ☆線集埌蚘☆
    この頃のメむずのLINE、倫ずのLINEを参考に、思い出しながらの蚘述ずなりたす。そのため、日付などもわかるのです。物語にずっおは、日付なんお䜕の意味も持たないのですが、ここはノンフィクションですので、可胜な範囲で蚘録を残そうず思いたす。

    犬も食わない倫婊の離婚話の詳现は、圌にも䜙り関係がないので、筆者自身も「無駄な蚘述かなぁ」ず悩みたしたが、䞻だったやり取りは倫婊の蚘録ずしお残すこずにしたした。お芋苊しいですがご容赊ください。

     
     
     
    2022幎7月2日に死別したパヌトナヌずの思い出を綎りたす。二人の過ごした時間はたったの1幎ず2ヶ月間でした。 圌のたぐいたれな生き方ず、圌が遺しおくれたあたたかくたっすぐな愛のかたちを曞き残したいず思いたす。 続きものですが、どうぞどこからでもお手に取り、觊れおいっおください。

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