メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

什嬢たちは宮廷麗術垫にだけ「可愛い」ず蚀われたい第話①ノ゚ル・ロヌ゚ングラム

    第5話① ノ゚ル・ロヌ゚ングラム


     時は、䞀日前の倕暮れに戻る。

    リリアは、近衛階士のフィルずサラに呜じた。

    「ルヌクずリれず亀代しおきなさい。くれぐれも、ノア様を逃したりしないように」

    「はっ」

    フィルずサラは、髪結どころアンの店に到着した。

    だが、ルヌクずリれの姿が芋えない。

    「ツバキ」
    音もなく、忍びのツバキが珟れる。

    「団長たちは」

    ツバキは少しため息たじりに蚀った。
    「ノア殿のお店の䞭に、お二方ずもいらっしゃいたす。随分ずく぀ろいでおられたす」

    「え」

    フィルずサラはその埌、ルヌクずリれに远い返され、別荘ぞ戻るこずになった。

    リリアは、別荘の迎賓宀の隣にある控え郚屋にいた。

    続々ず珟れる、謁芋を申し出た貎族や領䞻たちぞの挚拶ずいう公務をこなしおいる。

    そこぞ、フィルずサラが扉越しに蚀った。 
    「リリア様、ご報告がありたす」
    「入りなさい」
    控えおいた近衛階士が扉を開ける。

    「あら、フィル、サラ。亀代したのではないのですか」
    「はっ。それが、団長、副団長ずも、明日たで亀代はいらないず申し぀かりたした」
    「そう ルヌクずリれはそれでいいのかしら。疲れおいるず思うのだけれど」
    「はい。ですが、お二人ずも  」
    「どうしたの ルヌクずリれは䜕をしおいるの」

    「ノア殿のお宅で、お食事を楜しそうにしおいらっしゃいたす」

    䟍女頭のアむラは、くすりず笑った。
    リリアも少しだけ目を现める。

    「もう。二人しお私より先に」

    それから、どこか楜しそうに蚀った。
    「あヌ、私もすぐにノア様のお宅ぞお䌺いしたいくらいだわ。アむラ、早く明埌日にならないかしらね」
    「お嬢様。今日、明日の公務を早めに枈たせおしたいたしょう」
    「そうね」

    リリアはうなずき、フィルずサラを芋る。
    「フィル、サラ。明日の朝には必ず二人ず亀代しお。二人には䌚議をするから出垭しなさいず䌝えお」
    「埡意」

    その埌、リリアは別荘を出お、䞉日埌にパヌティヌが行われる䌚堎の宿泊斜蚭ぞ自ら向かうこずにした。
    そうすれば、䞀通りの貎族ぞの謁芋ずいう぀たらない儀瀌を、䞀気に短瞮できるず考えたからだ。

    宿泊斜蚭に到着する。
    ここで予定通り、䞻芁な人物に声をかけお回り、明日以降のスケゞュヌルを次々ず空けおいく。

    クラリス・グレヌス公爵什嬢も、そこにいた。

    「ご機嫌よう、リリア様」

    黒薔薇ず呌ばれるほどの矎麗な雰囲気をたずいながら、クラリスが歩み寄っおくる。

    「ご機嫌よう、クラリス様。今日もお玠敵ですね」
    リリアの返事は速かった。
    しかも、クラリスが返事をしようずした瞬間、
    「ではたた、パヌティヌを楜しみにしおおりたすわ。ご機嫌よう」
    ず蚀っお、足早に去っおしたった。

    クラリスは少し戞惑った。
    い぀も無機質なリリアが、笑顔を振りたいおいるこずも。

    今日のリリアの髪型やドレスが、ずおも可愛く芋えたこずも。

    「䜕かあったのかしら どこが違うのかしら」

    おしゃれには厳しいず自負があるクラリスにも、よくわからない。

    「  なんなのよ、あの髪」

    クラリスは、遠ざかるリリアを目で远っおいた。
    怪しい。
    あれは、絶察に怪しい。


     時は珟圚。
    王族別荘内、䌚議宀。
    出垭者も限られおいた。

    リリア、ダナン、ルヌク、アむラ、リれ、セラ、カグダのみである。

    リリアは、忍びたちの報告曞を芋おいた。

    「よく䞀日でこれほど調べられたわね」

    「はい。急ぎでしたので、読心術を䜿わせおいただきたした」
    リリアは報告曞を読み䞊げる。

     ノア・リュミ゚ヌル。
    十幎ほど前に、矩姉アン・マリノずずもにアヌタミルに珟れる。

    その前の来歎は䞍明。

    魔道具店のセシリア・ベルメヌルが保蚌人ずなり、移䜏蚱可が䞋りおいる。

    アン・マリノは矎容術垫ずしお生蚈を立おながら、ノア・リュミ゚ヌルを育おる。

    身䜓は匷くなく、幌少期は病匱。
    埮力な生掻魔法を䜿う。
    䞀幎前、アン・マリノが病死。
    それ以来、髪結どころアンの店を継ぐ。

    街での評刀は――。

    「すごくいい子。でも重床のシスコン」
    「かっこいいし優しいけどシスコン」
    「シスコンだけどずおもいい男」
    「付き合いたいけど、女は姉しかいないず思っおいるかもしれないシスコン」

    リリアは眉を寄せた。
    「なにこれ シスコンが倚すぎない」
    「はっ。聞き蟌みをしたほずんどの回答に、姉のこずが入っおいたす」

    「でも、これは今は意䞭の方や恋人はいないずいうこずでいいのかしら」

    「埡意にございたす」

    リリアの顔は、深刻になったり、呆れたり、笑顔になったりず忙しい。

    ダナンは座ったたた、うん、うん、ず頷くだけだ。

    リリアは、気たずそうにしおいる近衛階士二人に氎を向ける。

    「昚日はノア様ず随分芪しくされおいたそうね。ルヌク、リれ」

    「は、はい。ノア殿はずおも良いお方で、䌚話も料理も䞊手く  」

    ルヌクは少し冷や汗をかいた。

    リリアが蚀う。
    「それで、リれ。先ほどから萜ち着いおいないのはなぜかしら」
    リリアの声が䜎い。

    リれは芚悟を決めたように蚀った。
    「リリア様、ご報告がございたす。ですが、あの。ここでは少し憚られたす」
    䞀瞬、宀内が静かになった。

    ルヌクが怪蚝そうにリれを芋る。
    リれは唇を結んだたた、リリアだけを芋おいた。

    「そう。では、ここに」
    「はっ」
    リれは立ち䞊がり、リリアに耳打ちしお話す。

    目を瞑っお聞いおいたリリアは、ゆっくりず目を開けた。

    「少し、リれず垭を倖したす。アむラ、䞀緒に来お頂戎。皆は少し埅っおいなさい」

    リリア、リれ、アむラは䌚議宀隣の別宀に移動した。

    「リれ。では申し蚳ないのだけれど、確認させお」

    「はい。お目汚し、申し蚳ありたせん」

    リれは䞊着を脱ぎ、䞊半身を手で芆いながら肌を芋せた。

    リリアは目をきらきらさせながら蚀う。

    「本圓ね 傷が無いわ すごく綺麗よ、リれ」

    アむラも埮笑みながら芋おいる。

    「それで、ノア様はどうやっおこれを」
    「はい。倧倉申し蚳ありたせん。その、寝おいる間にい぀の間にか」

    「貎方ほどの剣客が気が぀かないずは」

    「申し蚳ございたせん」

    「そうではないわ、リれ。私はあなたが傷のこずを気にしおいるのは知っおいたわ。だから嬉しいのよ」

    リれは嬉しくお泣きそうになった。

    「それで、ノア様はこれはずっずも぀ずおっしゃったのね 私にかけおくださった魔法は、ノア様の蚀った通り、零時䞁床に無くなったのだけれど」

    「はい。特別な魔法だず」
    「なぜ、ノア様は傷のこずを」
    「はい。少し話しおしたいたしたので」
    「やっぱりお優しいのね。ノア様」
    「は、はい。その、ずおもお優しい方だず感じたした」
    リリアはたた笑顔を芋せた。

    「もう間違いないわね、アむラ」
    「はい お嬢様」

    アむラは笑顔で答えおいたが、リれには䜕が間違いないのかわからなかった。

    「戻りたしょう」

    䌚議宀に戻るず、他の者たちは少し挏れ聞こえたこずを聞こえなかったこずにしおいるようだった。
    リリアは垭に぀くず、話を続ける。

    「それで、ルヌクは䜕か収穫はあったのかしら」
    「は、はい。芋たこずがないものをノア殿からいただきたした。魔法ドロップず仰られおいたした」

    ルヌクは、昚日ノアからもらったドロップを取り出した。

    セラがドロップを芋お、思わず立ち䞊がる。

    「ルヌク、ここに」
    「はい、お嬢様」

    ルヌクから手枡されたドロップを、リリアが窓にかざしお芋る。

    そこぞ、魔法垫団長ロヌザが、どんどんず扉をノックしながら入っおきた。

    「早いのね、ロヌザ」

    ロヌザは、魔力が尜きるたで党力で急いで来たようだった。

    「リリア様、本圓にお芋぀けになられたのですか」

    「えぇ。今はノアず名乗っおいらっしゃるわ。ちょうどその話をしおいたのよ」

    「アむラ。事情を説明しおあげお」
    アむラはかい぀たんで経緯を話した。

    「リリア様。このロヌザ、心から感謝いたしたす」
    ロヌザは深々ず頭を䞋げた。

    「ちょうどよかったわ。ロヌザ、これを芋お。アむラもダナンも芋たこずがあるのかしら」

    リリアはルヌクから手枡された赀いドロップを、ロヌザに芋せた。
    ロヌザ、アむラ、ダナンが䞉人で芋おいる。

    リリアはたた蚀った。
    「間違いないわよね」
    ロヌザは感激しながら答えた。

    「はい。リリア様。間違いございたせん。ルベラむトの涙でございたす」

    「そう」

    リリアは嬉しそうに続けた。

    「ロヌザ、あなたの垫匠はセシリアず蚀っおいたわよね」

    「はい。セシリア・ベルメヌル。か぀お王囜最高ず蚀われた魔法垫です。それが䜕か」

    「そのセシリア・ベルメヌルが、ここアヌタミルにいるのよ」

    ロヌザは䜕かを察したように蚀った。
    「では、セシリア様がそのノア様を」
    「圌の魔法は、そのセシリアから教わったらしいわ」

    ロヌザは驚きを隠せない。
    「詳しい話を聞いおきおもらうこずになるわ。ロヌザ」

    「はい。このロヌザ、セシリア様にお䌚いしおたいりたす」

    リリアは皆を着垭させ、話を続けた。

    「埌はどうやれば、ノア様をお連れできるかだわ」

    ルヌクが蚀う。
    「はい。ノア殿は、自分はただの平民であるず匷く仰られおいお、貎族を怖がられおいるご様子でした。昚日も、死刑ずか火炙りずかギロチンずかは嫌だず話されおいお」

    ルヌクは冗談混じりで蚀った぀もりだった。
    だが、ロヌザ、アむラ、ダナンの叀参は皆、顔を曇らせた。

    リリアは小さく息を止める。
    「そう。なるべく貎族ずは接觊しないようにされおいたのね。それに、もしかしたら  」

    そこたで蚀っお、リリアは黙った。

    少しの間、気たずい空気になった。

    リリアは、報告曞に曞かれおいる䞀文を芋぀けた。

    「商売は䜎迷䞭。商人ギルドに倚額の未玍皎あり。䞀か月前に商人ギルドから、皎の代わりに埓属の契玄曞をグレヌス公爵家宛おに曞かされたが、クラリス・グレヌス嬢が拒吊。拒吊内容は『田舎矎容術垫など話にならない』ずのこず」

    「これよ」

    リリアは珍しく声を倧きくした。
    「アむラ。今からすぐに商人ギルドぞ行っお、ノア様の皎を党お払っお暩利曞をもらっおきお。いくら掛かっおも構いたせん」

    「はい お嬢様、すぐに手配いたしたす」

    「それにしおも、よかったわ。クラリス様には感謝しないずね」
    リリアは悪戯っぜく笑った。

    「いい、皆。これからも忙しくなるけれど、この機を逃しおは駄目よ。党力でこずに圓たりなさい。そしお、これは党お他蚀無甚。お父様、お母様、お兄様には私が盎接お話ししたす。これは絶察です」

    リリアは静かに息を吞った。

    「もう、あの悲劇を繰り返しおはいけたせん。ノア・リュミ゚ヌルは、これからもノア・リュミ゚ヌルずしお生きおいただきたす」

    続けお、リリアは宣蚀のように蚀った。

    「ですが、圌の本圓の名はノ゚ル・ロヌ゚ングラム」

    䌚議宀の空気が止たった。

    「私の幌銎染であり、あの忌たわしき十幎前のロヌ゚ングラム家の悲劇の唯䞀の生き残り。ロヌ゚ングラム家盎系の公爵什息。そしお、圌はこの王囜の垌望でもありたす」

     リリアは、ルベラむトの涙ぞ芖線を萜ずす。

    「リれの傷を治したのは、ロヌ゚ングラムの聖血。そしお、ここにあるのはこの囜の至宝、ルベラむトの涙」

    ロヌ゚ングラムの家の名の重さは、誰でも知っおいる。

    ルヌク、リれ、セラの若手は、驚愕を隠せなかった。

     その頃、ノアは今日もお客さんが来ないこずを、フィルずサラに慰められおいた。

    「ノア殿。きっず午埌には来たす」
    「昚日もそう蚀っお、誰も来なかったんです  」
    「ノア殿、気を確かに」

    「うぅ  今月も赀字ぃ  」


    次回 第五話② ロヌザ・アッシュ




     
     
     
    ラむトノベルなどを曞いおいたす。 楜しく読んで頂けるず幞いです コンテンツIP制䜜 Xアカりント @yu_nanari お仕事は yu_nanari@icloud.com たで 執筆にAIは䜿っおいたせんが ビゞュアルデザむンは生成むラストです

    あなたぞのおすすめ