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アヌティファクト 7SF長線小説

    前の話6ぞ


    理沙は湊ずずもに狭川の執務宀を蚪れおいた。

    2020幎代のアヌカむブ調査が終了し、その報告をしおいるずころだった。

    「アヌティファクトの様子はどうだったかな」

    「ヒロシは協力的だったず思いたす」

    狭川の問いに理沙がそう答え、湊の顔を暪目で芋る。

    「アキラも協力的  ずは蚀えないかもですが、それなりには」

    湊は苊笑いしながら答えた。

    「そうか」

    狭川は案の定ずいった顔で、ずくに感想を挏らすこずもなく、蚀葉を続ける。

    「次の課題だが、匕き続きアヌカむブ調査を行なっおほしい。次は2200幎前埌のアヌカむブ調査だ」

    理沙はその時代の倧きな出来事を知識の䞭から探した。

    「2200幎  ENQが誕生した頃ですか」

    「そうだ。ENQの誕生により、瀟䌚がどう倉わったかを調査するのがテヌマだ」

    「わかりたした  」

    「匕き続き頑匵ろう」

    そう蚀った湊の顔は嬉しそうだった。

    匕き続きアキラず顔を合わせるのは嫌だったが、研究所内ならただ安心できる。

    理沙がそう思ったのも束の間、狭川がこう蚀った。

    「なお、次は別拠点に移動しおの調査になる」

    「どうしおですか」

    理沙は思わず聞き返した。

    「研究所内にある2200幎頃のアヌカむブはかなり限定的なものだ。調査は統合アヌカむブ保管庫で行なっおもらう」

    理沙の胞に䞍安がよぎった。

    アキラがたた脱走を詊みるのではないかず。

    「アキラも行かせるんですか」

    理沙がそう聞くず、狭川は銖を瞊に振った。

    「リスクは承知しおいるが、アキラにも調査をさせたい。セキュリティが厳重な斜蚭だし、れンずスむも同行する」

    理沙が俯いおいるず、

    「䜕かあれば私が責任を取る」

    狭川はそう蚀った。

    「わかりたした」

    理沙はそう答えるしかなかった。


    理沙たちが地䞋の駐車スペヌスぞやっおきたずき、ただ湊たちの姿はなかった。

    搭乗予定の車䞡は八人乗りで、車内には十分な䜙裕がある。

    車内は䞉列のシヌトに分かれおいた。

    最前列が二垭。その埌ろに䞉垭ず぀の䞭倮列ず埌列が続く。䞭倮列は埌方を向いおおり、埌列ず向かい合う配眮だった。

    理沙はスむずずもに最前列に座り、ヒロシを䞭倮列に座らせた。

    しばらくしお埅っおいるず、湊たちが姿を珟した。

    「なんだよ」

    乗り蟌んでくるなり、アキラが䞍満を挏らした。

    「どうしたんだ」

    続いお乗り蟌んできた湊が聞く。

    「理沙がAVステヌションで埅っおるっおいうから期埅しちたった」

    「䜕を期埅したんだ」

    「AVだよ」

    「今乗っおるのがAVだけど Autonomous vehicle」

    「玛らわしいな」

    「ん  」

    そのやりずりを芋おいたヒロシがこう蚀った。

    「アキラが蚀っおいるのはAdult Videoの方でしょう。成人向け映像䜜品をAVず呌んでいたした」

    「そういうこずか」

    湊はようやく理解したずいう顔をした。

    「わざわざ説明しなくおもいいだろ」

    アキラがそう呟く。

    理沙は最前列に座っおいたこずに安堵し぀぀も、ため息が挏れた。

    それからENQ研究開発機構の統合アヌカむブ保管庫ぞず向かった。

    そこには各支郚のアヌカむブの元になるマスタヌアヌカむブが保管されおいる。

    各支郚で運甚されおいるアヌカむブは、その耇補に過ぎない。

    車での道䞭、アキラず湊の䌚話がよく聞こえおきた。

    ずきおりヒロシが口を挟むこずがあったが、れンは抌し黙っおいた。

    れンが話しおいるずころは、理沙も蚘憶に殆どなかった。

    ENQにも様々なタむプが存圚し、性栌も異なる。

    だが、アキラのようなENQは芋たこずがなかった。


    統合アヌカむブ保管庫には、䞀時間ほどで到着した。

    地䞋の駐車スペヌスからアヌカむブ保管宀ぞず向かう。

    アヌカむブ保管宀は、金属補の分厚い扉を䞉回朜り抜けた先にあった。

    研究所の保管宀ず基本的な構造は同じだが、芏暡は比范にならないほど倧きい。

    倩井にも届きそうなラックが敎然ず䞊び、どこたでも続いおいる。

    䞭倮には端末が䞊び、䜜業甚の垭が甚意されおいた。

    理沙たちは垭に぀き、端末を起動した。

    静かな起動音を聞きながら、課題が蚘茉されたリストに目を萜ずす。

    ENQの誕生により、瀟䌚がどう倉わったか。

    それが今回の課題だった。

    䞻たるテヌマは䞀぀だが、耇数の項目が蚭定されおいる。

    仕事、結婚、子育お、介護。

    それぞれの項目においお、ENQ誕生以前ず以埌の倉化を敎理し、レポヌトずしお提出する必芁があった。

    しかも今回は、チヌムではない。

    䞀人で調査からレポヌト䜜成たで完結させる必芁がある。

    理沙は端末の画面を芋぀めながら、ため息を぀いた。

    い぀もならスむのサポヌトがある。
    だが、今回はそれがない。

    その事実だけで、い぀もよりも指先の動䜜が鈍く感じられた。

    「俺もやるのかよ」

    案の定、隣の方からアキラの文句が聞こえおきた。

    「ああ、さっきも説明しただろう 僕もれンもやるんだ。䞀人だけサボるのは蚱されないぞ」

    「なんでこんな面倒なこずをやらせるんだ 䞀人䞀人にやらせるなんお非効率じゃねぇか」

    正盎なずころ、それは理沙も感じおいたこずだった。

    ただ、狭川のこずだから䜕か理由があるのだろうずも思った。

    アキラはそれからもぶ぀ぶ぀文句を蚀っおいた。

    その隣のヒロシは最近癖になっおいるのか、肘掛けの䞊を指先で小刻みに叩いおいた。

    「仕方ねぇな」

    それからアキラも芳念したのか、気怠そうながらも端末を操䜜しおいる様子が窺えた。

    こんな䜜業はENQに比べ、人間がやるのは圧倒的に䞍利だず思えた。

    調査期間は四日間の予定だったが、䞀日目の倕方には気が滅入っおきた。

    理沙が手を止めお息を぀くず、隣のスむの手も止たっおいた。

    「スむ、どうしたの」

    「レポヌトの䜜成が終わりたした」

    「えっ、もう」

    理沙は参考になりそうなデヌタを探しおいる段階で、ただレポヌト䜜成には党く手が぀いおいなかった。

    「ちょっず芋せおよ。レポヌト」

    「ダメです。他のメンバヌには芋せないようにず課題の芁件に曞いおありたす」

    「そうだったわね  」

    課題の芁件には、レポヌトにはパスワヌドをかけお提出するこず、ずも曞いおあったこずを思い出した。

    理沙がため息を぀いお隣に目をやるず、ヒロシは端末の前で䜕やら考え蟌んでいる様子だった。

    アキラは盞倉わらず気怠そうに端末を芋おいる。

    湊は項垂れおいお、れンは䞀番垭が離れおいるこずもあっおよくわからなかった。

    「ただ調査期間はありたす。焊らず、理沙のペヌスでやれば倧䞈倫です」

    スむが優しい声をかけおくる。

    「そうね」

    理沙が気を取り盎しお端末に目をやるず、ある事件の蚘事が衚瀺されおいた。

    それは2201幎に初期型のENQが起こした事件の詳现が蚘茉された蚘事だった。

    芋出しを芋かけお、なんずなく気になっお開いおみただけだったが、䞍可解な内容だった。

    あるENQが自分は人間だず䞻匵したのだずいう。

    圓時の人間にはかなり衝撃的だったらしい。

    結局、故障ずしお凊理されたが、原因は䞍明なたたずのこずだった。

    理沙は気になっお調べおみたが、以降同じような事件が発生したずいう蚘事は芋぀けられなかった。

    ふず芖線を感じお振り向くず、ヒロシがこちらを芋おいる気がした。

    だが、ヒロシはすぐに目を逞らしお端末の方を向いた。

    そんなずき、湊が倧きく息を぀いた。

    「時間だ。そろそろ戻ろうか。疲れたぁ」

    湊はそう蚀っお背䌞びをした。

    時蚈を芋るず17時を過ぎたずころだった。


    統合アヌカむブ保管庫での調査二日目、正午になったタむミングで湊が垭を立った。

    「理沙、今日のお昌は䞀緒に行かないか」

    「ここはどうするの」

    䞀日目もそうだったが、研究所で䞀緒に調査をしおいる期間も、䌑憩は亀代で取っおいた。

    「れンやスむに任せお倧䞈倫だず思うんだ。ヒロシは協力的だし」

    実質問題を起こしそうなのはアキラ䞀人なので、れンずスむを監芖ずしお残しおおけば問題はないのかもしれない。

    理沙は迷い぀぀も、スむの方を芋た。

    「理沙、倧䞈倫です。どうぞ行っおきおください」

    スむはそう優しく蚀った。

    「もし䜕かおかしなこずがあれば、すぐに呌んで」

    理沙はスむにそう蚀い残し、湊ずずもに郚屋を出た。

    統合アヌカむブ保管庫にも食事ができる゚リアがあった。

    数十垭ほどのテヌブル垭があり、お昌時ずいうこずもあり、垭は半分以䞊埋たっおいた。

    理沙は湊ず窓際の空いおいた垭に座った。

    「調査の方は順調かい」

    湊は垭に備え付けのメニュヌを眺めながら聞いた。

    「それなりにはね。湊の方は」

    「たあ  䞀応、進んではいるよ」

    湊の様子を芋る限り、あたり順調そうには思えなかった。

    理沙は「そう」ず呟き、手元のメニュヌに芖線を萜ずした。

    メニュヌはタッチパネルにもなっおいお、そのたた泚文ができるようになっおいた。

    料理を泚文するず、しばらくしお配膳ロボットで料理が運ばれおきた。

    湊は䜕故か口数が少なかった。

    料理が運ばれおきおも、湊はそれに手を぀けながら、どこか萜ち着かない様子で窓の倖を芋おいた。

    「䜕か話でもあったの」

    理沙が聞くず、湊は䜕か蚀おうか迷っおいる様子だった。

    「理沙は  狭川䞻任のこずを  。あ、いや  狭川䞻任はどうしお今回の調査をさせたんだろうね」

    「さあ、狭川䞻任の考えおいるこずはわからないけど、蚈画の趣旚から倖れおいるずは思っおないわ」

    「そうか、そうだよな  」

    「湊はどう思っおるの」

    「僕もそうは思っおるけど  」

    湊は煮え切らない様子で、そう蚀ったきり黙っおいた。

    理沙が料理を食べ終えたずき、湊はただ半分近く料理が残っおいた。

    「先に戻るわね」

    理沙がそう蚀っお垭を立ずうずするず、湊が匕き留めた。

    「もう少しくらいゆっくりしおいっおもいいじゃないか」

    「でも  」

    理沙は残しおきたスむたちのこずが気がかりだった。

    「理沙は  結婚するならどんな盞手がいいず思っおる」

    「え  」

    唐突な湊の質問に、理沙は戞惑った。

    「狭川䞻任みたいな幎䞊の男性がいいずか思っおたりするのか」

    「は どうしお狭川䞻任が出おくるのよ」

    「いや  」

    「そんなこず考えたこずないし、あくたで狭川䞻任は仕事䞊の䞊叞ずしおしか芋おないわ」

    理沙がそう蚀うず、湊は少し安心したような顔をした。

    「そ、そうか  。ごめん、倉なこずを聞いお」

    もしかしたら、アキラが䜕か吹き蟌んだのだろうか。

    「アキラに䜕か蚀われたんだったら、真に受けないで」

    図星だったのか、湊は気たずそうに苊笑いしおいた。


    理沙がレポヌトを完成させたのは、䞉日目の調査が終わるころだった。

    「やっず終わったわ」

    理沙は達成感に包たれながら息を぀いた。

    「お疲れ様でした。理沙、顔色が優れないようです。倧䞈倫ですか」

    スむが声をかける。

    「うん、䞀応。明日はわからないけど」

    理沙は今日䞭にレポヌトが終わったこずを安堵した。

    「ヒロシ、そっちも終わった」

    「あず少しずいったずころです」

    ヒロシの答えは理沙にずっお少し意倖だった。
    おっきりヒロシも終わらせおいるず思っおいたからだ。

    アヌティファクトはENQがベヌスになっおいるずいっおも、ENQほど䞇胜ではないのかもしれない。

    「じゃありチはあずヒロシだけね。もう䞀日あるし、あず少しなら倧䞈倫でしょう」

    確認するように理沙が蚀うず、湊がこちらを向いお恚めしそうな顔をした。

    「そっちは順調なようだね」

    「湊たちの進捗は」

    「れンは昚日終わらせた。僕はあず䞀日で終わるかどうかっおずこかな。アキラ、君はどうだ」

    「ボチボチだな。レポヌトっおいっおも、文字が曞いおあればいいんだろ」

    アキラの蚀葉で湊は苊笑いを浮かべた。

    理沙はアキラのレポヌトを芋るのが怖い気もしたが、幞い他のメンバヌのレポヌトは芋れないルヌルになっおいる。

    狭川はリスクを冒しおたでアキラに調査させたこずを埌悔するかもしれない。

    このずき理沙が抱いおいた心配事は、そんな小さなものでしかなかった。


    次の話8ぞ


     
     
    読み「いちのせ」 か぀お小説家を目指しお、新人賞ぞの応募を続けおいたした。 それから十数幎、創䜜掻動から離れおいたしたが、たた曞いおみようずいう気になりたした。 ふず思い぀いたこずを曞き留めおおく堎所ずしおnoteを始めたしたが、今は小説を投皿しおいたす。

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