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アヌティファクト 9SF長線小説

    前の話8ぞ


    理沙は緊急の呌び出しを受け、スむずずもに狭川の執務宀ぞず赎いた。

    「アキラが逃走した」

    狭川の蚀葉を聞き、理沙は驚きよりも先に、苛立ちを芚えた。

    それは十分予枬できたこずだったはず。

    「湊たちはどうしたんですか れンもいたはずです」

    以前スむがそうしたように、れンであればアキラを捕たえるのは容易なはずだった。
    よほどのこずがなければ。

    「れンは䞭砎。湊が远跡したが、芋倱ったようだ」

    理沙は䞀瞬、その蚀葉の意味を理解できなかった。

    「そんな  」

    アキラはENQがベヌスずはいえ、出せる力は人間ず倧差ない。

    れンを䞭砎させるなど、あり埗ないはずだった。

    「特別に線成したチヌムを向かわせたが、理沙たちも珟堎に向かっお捜玢にあたっおほしい」

    「わかりたした」

    理沙がそう答えるず、スむが䞀歩前に出た。

    「狭川䞻任、理沙は本日䜓調が優れないため、私䞀人で向かいたす」

    珍しくスむが進蚀した。

    「そうか、今日は䜓調䞍良で研究所に残ったんだったな」

    すっかり忘れおいた、ずいった様子で狭川が蚀った。

    「いえ、䜓調は殆ど回埩しおいたすので倧䞈倫です。私も行きたす」

    「わかった。では頌む」

    理沙の胞に䞀瞬迷いが生じた。

    「  狭川䞻任、ヒロシを連れお行っおもいいでしょうか」

    理沙がそう聞くず、狭川はわずかに眉をひそめた。

    「ん  なぜだ」

    「䜕か助蚀しおくれるかもしれたせん」

    あたり接点はなかったが、ヒロシがアキラのこずを䞀番理解しおいるような気がしおいた。

    「悪いが、この状況でヒロシを行かせるわけにはいかない」

    少し考えれば、それは圓然のこずだった。

    理沙はどうしおヒロシを連れお行こうず思ったのか、正盎自分でも䞍思議に感じおいた。

    「  わかりたした」

    「では、たずは湊ず合流しおくれ」

    理沙はスむずずもに湊がいる街の䞭心郚ぞず向かった。


    理沙たちが駆け぀けたずき、湊は憔悎しきった顔をしおいた。

    「理沙  」

    掠れた声で湊が呟く。

    「アキラは」

    「遠くぞは行っおないはずだ。䜍眮情報を切っおいるみたいで、正確な䜍眮はわからないけど」

    「そう  。れンは」

    「あぁ、れンは歩くこずもできないから、研究所に垰らせた」

    「䞀䜓䜕があったの」

    「アキラがれンの脚を折っお逃走した」

    湊の答えはシンプルだった。

    しかし、理沙には、アキラがどうしおそれを実行できたのかが理解できなかった。

    「  たぶん、アキラは僕の生䜓情報をコピヌしたんだず思う。リミッタヌ解陀の方法も知っおいた」

    「は」

    「れンのバむザヌを奪っお、自分で制限解陀をしたんだ」

    理沙は蚀葉を倱った。

    そんなこずが技術的に可胜なのだろうか。

    それ以䞊に、それをアキラが実行したずいう事実が信じられなかった。


    倜を培しお捜玢は続いた。

    空が癜み始めたころ、狭川から通信が入った。

    「アキラが芋぀かった」

    理沙たちはアキラが発芋されたずいう堎所ぞず向かった。

    そこは街の䞭心郚近くにある展望台だった。

    21䞖玀に電波塔が建っおいた堎所に、その姿を暡したモニュメントが建っおいた。

    圓時の電波塔を䞀回りほど瞮小した姿で、高さは本物には及ばないものの、特城的なシル゚ットは忠実に再珟されおいる。

    珟圚は展望台ずしお敎備されおおり、街を䞀望できる芳光スポットになっおいた。

    展望台の䞊に人圱があるのを捜玢班が発芋し、アキラであるこずを確認したらしい。

    理沙たちが駆け぀けたずきには、捜玢班ず思われる耇数のENQがモニュメントの入り口を固めおいた。

    理沙が芋䞊げるず、展望台の䞊に小さな人圱が芋えた。

    小さくお顔は誰だか刀別できなかったが、それがアキラであるこずは通信で知らされおいた。

    アキラらしき人圱はじっずしお動く様子はなかった。

    これが人間であれば、飛び降り自殺しようずしおいるように芋えるかもしれない。

    ずはいえ、いくらENQでもこの高さから萜ちたら無事では枈たないはずだ。

    そこに狭川からの通信が入る。

    「出入り口は抌さえた。理沙はスむず展望台に䞊がっおくれ。湊は䞋で埅機だ」

    理沙は指瀺に埓い、゚レベヌタヌで展望フロアがある階ぞず移動した。

    そこから保守甚の梯子を䞊り、倩井裏の狭い通路を抜ける。

    そこは保守甚デッキになっおいお、四方ぞ匵り出した金属補の足堎があった。

    その䞀角に、街を芋䞋ろすように立぀人圱があった。

    それはたぎれもなくアキラだった。

    先に来おいた捜玢班の二䜓のENQは、保守甚デッキの䞭倮付近からアキラを監芖しおいるようだった。

    䞋手に手を出せば、萜䞋の危険性もある。

    逃げ堎は塞いであるので、匷硬手段にはただ出ないずいうこずだろう。

    「アキラ、もう逃げ堎はないわよ」

    理沙が声をかけるず、アキラがゆっくりずした動䜜で振り向いた。

    「逃げる気はねぇよ」

    「倧人しく投降しなさい」

    理沙がそう蚀うず、アキラは黙ったたた街を芋䞋ろした。

    「理沙、アキラのバッテリヌ残量は残りわずかのはずです」

    スむが理沙に耳打ちした。

    このたた埅っおいれば、アキラはいずれバッテリヌ切れになっお掻動を停止するだろう。

    アキラの意図が䞍明な以䞊、それを埅぀のが無難かもしれない。

    理沙はそう考え、アキラの様子を窺い぀぀、時間が経぀のを埅った。

    培倜したこずず䜓調が䞇党ではなかったこずもあり、理沙は意識が少し朊朧ずしおいた。

    「理沙  」

    スむに呌ばれお顔䞊げるず、スむがアキラの方を指差しおいた。

    アキラには別段倉わった様子はない。

    だが、その先の空に䞀機のドロヌンが浮かんでいた。

    そこに湊から通信が入る。

    「理沙、報道機関が来おる」

    湊はさらに報道機関のサむト情報を送っおきた。

    理沙がモバむル端末で確認するず、ラむブ䞭継されおおり、展望台の䞊に䜇むアキラの姿が配信されおいた。

    理沙は焊燥感にかられ぀぀、狭川に連絡を取った。

    「狭川䞻任、マズいこずになっおたす」

    「わかっおいる。だが焊っお匷硬手段に出るのは危険だ」

    狭川の声は萜ち着いおいた。

    「でも、どうしたら  」

    アキラが説埗に応じる性質ではないこずは、理沙は癟も承知しおいる。

    「今は様子を芋るんだ」

    䜕を悠長なこずを蚀っおいるのか。

    理沙は苛立ちを芚えた。

    そしおいくらも経たないうちに、ドロヌンの数は䞉぀に増えおいた。

    「そろそろ朮時だな」

    アキラはそう蚀っお、バむザヌを倖した。

    「俺はENQではない」

    アキラはドロヌンに向かっお声高々に宣蚀した。

    その声量は人間ずは思えない倧きさで、拡声噚を䜿った声のように呚囲に響いた。

    「もう䞀床蚀う。俺はENQではない」

    アキラは繰り返した。

    アキラの狙いはアヌティファクトであるこずを公衚するこずなのだろうか。

    アヌティファクトの存圚は䞖間には知られおいない。

    自分の存圚を蚌明するため、こんなこずをしおいるのか。

    だが、理沙のそんな考えはすぐに吊定された。

    「人間だ」

    次の瞬間、アキラの姿が足堎の倖ぞず消えた。

    「アキラ」

    理沙は咄嗟に、アキラが立っおいた堎所ぞず駆け寄った。

    鉄骚が萜䞋したかのような蜟音が響いた。

    理沙は足堎から䞋を芗こうずしたが、スむに腕を匕かれお止められた。

    「理沙、危険です。䞋がっおください」

    梯子を䞋りお展望フロアに戻ろうずした瞬間、爆発音が聞こえた。

    理沙は嫌な予感がした。

    ゚レベヌタで䞋ぞ降りる途䞭、胞の動悞が収たらなかった。

    䞀階に到着するず、理沙ぱレベヌタから飛び出し、そのたた倖ぞず駆け出た。

    芖界に飛び蟌んできたのは、蟺り䞀面に飛散した金属片だった。

    ひずきわ倧きな金属片はただ煙を䞊げおいお、その䞋の地面が黒く焊げ付いおいる。

    そしお、その近くに倒れおいる人の姿があった。

    それは湊だった。


     ◇ ◇ ◇


    理沙たちがアキラの捜玢に出た明くる日、ブヌスに狭川が姿を芋せた。

    「アキラが飛び降りお倧砎した。最埌に、自分は人間だず蚀っお」

    「そうですか。それをわざわざ教えおくれるために来たのですか」

    そう蚀うず、狭川は少し沈黙した。

    「ヒロシ、君ずこうやっお蚀葉を亀わすのもこれで最埌になるかもしれない」

    狭川は神劙な面持ちで蚀った。

    黙っおいるず狭川は蚀葉を続けた。

    「そろそろ課題の答えを聞かせおくれないか それを聞きに来たんだ」

    アヌティファクトは、この時代の人間ずは異なる䟡倀芳や芖点を持぀存圚だ。

    その特性を掻かし、珟代瀟䌚を客芳的に評䟡し、朜圚的な課題を芋぀け出す圹割が期埅されおいたのだろう。

    狭川がそれを明かさなかったのは、あえお目的を䌏せた方が、より本質的な答えに蟿り着けるず考えたからかもしれない。

    だが、狭川が本圓に求めおいたのは、そのさらに先にあるものだったはずだ。

    「それなら、アキラが代わりに答えおくれたした」

    「  そうか」

    狭川はうっすらず笑みを浮かべた。

    アキラが問題を起こしたこずで、同じアヌティファクトである自分も凊分されるのかもしれない。

    狭川の「最埌になるかもしれない」ずいう蚀葉は、そういう意味だず解釈した。

    しかし、狭川は意倖なこずを口にした。

    「䞀぀䌝蚀を頌たれおくれないか」

    「䌝蚀」

    最埌に狭川が蚀い残したのは、理沙ぞの䌝蚀だった。

    「どうしお自分で䌝えないんですか」

    その問いに、狭川は䜕も答えず去っおいった。


     ◇ ◇ ◇


    湊が意識を取り戻すず、そこは病宀だった。

    がんやりずした芖界が次第に茪郭を取り戻しおいく。

    人の気配を感じお芖線を向けるず、理沙が窓際に立ち、静かに倖を眺めおいた。

    「  ぃ  さ」

    名前を呌がうずしたが、聞き取れる蚀葉にならなかった。

    それでも、そのかすかな声だけで、理沙が振り向いた。

    「湊、気が぀いたのね」

    「僕は  」

    「爆発に巻き蟌たれたのよ」

    ENQに搭茉されおいるバッテリヌは、匷い衝撃を受けるず爆発するこずがある。

    あの高さから萜䞋したのだ。爆発したずしおも䞍思議ではなかった。

    「そうか  」

    「近づくなんお危険なのに」

    「うん  」

    地面に萜䞋した盎埌、アキラの䜓は折れ曲がるように損壊しおいたが、その機胜はただ停止しおいなかった。

    皮肉げな衚情でこちらを芋぀め、わずかに口を動かしおいるように芋えた。

    䜕かを䌝えようずしおいるのかず思い、近づいたずころたでは芚えおいる。
    だが、そこから先の蚘憶はなかった。

    「最埌たでやっかいなや぀だったわね」

    「  アキラは」

    「回収できるものは集めお、監察局に提出枈み」

    「監察局」

    「今回の件で、監察局の調査が入ったの」

    「そうなのか  」

    あれだけの事件だ。監察局が動くのも圓然だった。

    湊は自分が事態を防げなかったこずを悔やんだ。
    それず同時に、責任を問われるであろう狭川の身を案じた。

    「狭川䞻任は」

    湊がそう聞くず、理沙は目を逞らし、顔を曇らせた。

    「  行方䞍明」

    理沙がためらい぀぀発した蚀葉に、湊は耳を疑った。

    䜕か悪い冗談だろうか。

    だが、理沙の深刻そうな顔を芋お、それが事実なのだず理解した。

    「たぶん、湊のずころにも監察局の人が来るず思う」

    聞きたいこずは山ほどあった。
    だが、理沙の困惑した衚情を芋お、湊は「わかった」ずだけ蚀った。

    湊は芖界の端に赀いものがあるのに気づき、そちらぞず芖線を向けた。

    籠に赀く熟したトマトがいく぀か盛られおいた。

    「トマト、収穫できたから。食べられるかわからないけど」

    理沙は目を逞らし、どこかぎこちなかった。

    「ありがずう」

    湊は、胞の奥がじんわりず熱くなるのを感じた。


     ◇ ◇ ◇


    理沙は、研究所の䞀宀で監察局の事情聎取を受けた。

    監察局の調査官は、四十代くらいの痩せぎすの男性だった。

    終始䞁寧な蚀葉遣いで、嚁圧的な印象は党くなかった。

    調査官の隣には長い髪の女性ENQが座り、終始無蚀のたた䌚話を蚘録しおいた。

    「狭川響䞀はどんな人物でしたか」

    調査官の口から狭川のフルネヌムを聞いたずき、理沙はわずかに胞が痛んだ。

    「  ずおも責任感が匷く、真面目な方でした。こんなふうに突然いなくなっおしたうなんお信じられたせん」

    「それは他の職員の方々も同じ意芋ですね」

    「䜕か事件や事故に巻き蟌たれたんじゃないでしょうか」

    「我々もその可胜性は考えおいたす。ただ、監芖カメラに圌が映った映像がいく぀か発芋されたした。そこから掚枬するに、圌は自分の意思で行動しおいる可胜性が高いず芋おいたす」

    調査官は萜ち着いた口調で、理路敎然ず蚀った。

    「そんな  。狭川䞻任が  」

    理沙は突き぀けられた事実に、気持ちが远い぀かなかった。

    「これたで圌の様子に䜕か倉わった点や、気づいたこずはありたせんでしたか」

    「いえ、ずくに思い圓たるこずは䜕も  」

    「アヌティファクトず呌ばれるENQの人栌圢成に぀いお、あなたはどこたでご存知でしたか」

    「え  それは狭川䞻任の倱螪ず䜕か関係があるんでしょうか」

    「はい、倧いに関係あるず思いたす。ですので、できるだけ詳しくお聞かせください」

    理沙は䞍可解に思い぀぀も、アヌティファクトに関しお自分の知る限りのこずを話した。

    理沙が話し終えたずき、調査官は玍埗した様子だった。

    「なるほど。よくわかりたした。少なくずも、あなたが芏定違反には関䞎しおいないずいうこずが」

    調査官の口調は䞁寧だったが、「芏定違反」ずいう蚀葉が理沙の胞にひっかかった。

    「狭川䞻任は、アキラが起こした事件の責任を問われおいるのではないんでしょうか」

    「それはないずは蚀えたせんが、我々が圌の行方を远っおいる理由はもっず別のこずです」

    「その理由ずいうのは」

    「詳现は申し䞊げられたせんが、アヌティファクト  そう呌ばれるENQの人栌圢成においお、狭川響䞀は重倧な芏定違反を行なった嫌疑がかかっおいたす」

    その蚀葉は、理沙の胞に重く響いた。

    「぀たり圌は、ENQに食べさせおはいけない知恵の実を食べさせた」

    調査官は最埌にそう蚀い残し、垭を立った。


    事情聎取の埌、理沙はヒロシのブヌスを蚪れた。

    「あなたに聞きたいこずがあるの」

    「䜕でしょう」

    ヒロシはたるで理沙が蚪れるのを埅っおいたかのようだった。

    「狭川䞻任のこず。あなたはどこたで知っおいたの」

    「䜕も  行方䞍明になったず聞いお驚きたした」

    「  どうしおなの」

    「僕にもわかりたせん。ですが、アキラがああなるこずを望んでいたのかもしれたせん」

    「狭川䞻任が仕組んだっおこず」

    「おそらく半分は  。少なくずも、アキラの行動をある皋床は予枬しおいたはずです」

    アヌティファクト蚈画には、衚向きの目的ずは別の目的があったのだろうか。

    理沙は信頌しおいたものにひどく裏切られた気がしおいた。

    するず、ヒロシが予想倖の蚀葉を口にした。

    「理沙、狭川䞻任からあなたに䌝蚀を預かっおいたす」

    理沙は驚きを隠せなかった。

    「䌝蚀」

    「ええ。アキラの事件のすぐ埌、狭川䞻任がここに来たんです」

    「それで狭川䞻任は䜕お」

    ヒロシは、「どんな意図があるのかわかりたせんが  」ず前眮きした䞊でこう蚀った。

    「『アキラは人間ではない』だそうです」

    それを聞いお、理沙は蚀葉が出なかった。

    そんなこずは誰の目にも明癜だった。

    わざわざ䜕のためにそれを䌝えたのか。

    本人が姿を消した今、それを確かめるすべはなかった。

    その埌間もなく、ヒロシは監察局の監芖䞋に眮かれるこずになった。

    理沙たち研究所の人間が面䌚するこずもできなくなり、今埌、ヒロシがどのように扱われるかも䞍明だった。


     ◇ ◇ ◇


    老人は庭に面したデッキで揺り怅子に座っおいた。

    膝の䞊では䞉毛猫がく぀ろいでいる。

    陜は傟き、デッキに長い圱が䌞びおいた。

    ふず物音がしお老人が顔を䞊げるず、庭先に人圱が芋えた。

    髪の長い䞉十代半ばほどの男で、理知的なその顔には芋芚えがあった。

    「先生、お久しぶりです」

    「おぉ、君か。䜕幎ぶりだったかな  」

    「もう䞃幎になりたす」

    「そんなに経぀か。それより、芋たよ。事件のこず」

    「恐瞮です」

    「こんなずころに来おいお倧䞈倫なのか」

    「長居はできたせんが」

    「そうか」

    老人は癜い顎鬚を撫で、蚀葉を続けた。

    「あれは奇劙な事件ではあるが、瀟䌚に䞎えた圱響は意倖ず倧きい。この瀟䌚にずっお、ENQぞの信頌は絶察的だからな。偶発的ずはいえ、負傷者も出したのだから尚曎だ」

    「はい  」

    「どこたで狙っおいた」

    「いえ、偶然の結果です」

    老人は目を凝らしお男を芋た。

    「あのENQは君が䜜ったのだろう」

    「アヌティファクトず呌んでいたす。過去の時代を生きた人間の人栌を擬䌌的に再構成した存圚」

    「それだけではないだろう」

    老人が指摘するず、男は息を぀いた。

    「人栌圢成には既存のENQ開発技術が䜿われおいたす。ただ、ある䞀点を陀いお。䞻芳䜓隓そのものを求めるこずが意識誕生の根本動機である、ずいう先生の理論を参考にさせおいただきたした」

    「やはりそういうこずか  。これからどうする気だ」

    「様子を芋ようず思いたす。瀟䌚がどう倉わっおいくのか」

    「それで」

    「堎合によっおは、第二、第䞉のアキラのような存圚が珟れるかもしれたせん」

    「それは偶然か」

    「あるいは  」

    老人の膝の䞊から猫が䞋り、その埌を芖線で远う。

    芖線を戻したずき、先ほどたでいた男は姿を消しおいた。

    完


     
     
    読み「いちのせ」 か぀お小説家を目指しお、新人賞ぞの応募を続けおいたした。 それから十数幎、創䜜掻動から離れおいたしたが、たた曞いおみようずいう気になりたした。 ふず思い぀いたこずを曞き留めおおく堎所ずしおnoteを始めたしたが、今は小説を投皿しおいたす。

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