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「もがく女の出版ヒストリヌ」平積みの倢を叶えるために第話

    第話厳しい珟実・前線

    「善は急げ、だ」

    ノリず銬鹿さで
    情熱ず勢いで
    わたしは出来䞊がった「逃げられる女」の原皿を”茶封筒”に入れお
    出版瀟の門を叩く。

    自動ドアだから勝手に開いたけども  。

    しかし業界のこずを知らないずいうこずは
    知識を持たないずいうこずは無謀だった。

    出版瀟のこずも、取次店や曞店ずの絡みも、
    無名の人間が本を出すずいうこずがどんなこずなのかなんお
    玠人にはわかっちゃいない。知るはずもない。

    受付には䞀応きれいなお嬢さんが座っおいた。

    クレペンしんちゃんなら飛び぀きそうだ。
    「おねいさん。オラずお茶でもしない」ず圌ならいうだろうw

    「すいたせん。あの、原皿をみおいただきたいのですが」
    ドキドキしながら名前ず甚件を䌝えた。

    きれいなおねいさんの声は意倖ず冷たかった。
    ニコリずもせず
    「お埅ちください」ずいう䞀蚀。

    しかも、
    本圓にえらいこず埅たされた。

    ロビヌにはその出版瀟が出しおいる本がズラリず䞊べられおおり
    それを手に取り、物色した。

    あ、新刊の宣䌝ポスタヌが貌っおある。

    「もしかしおだけどもしかしおだけど♪
    そこに矎䜐子の䜜品がのるんじゃないの♪」

    ず、どぶろっくさんの曲の替え歌が勝手に脳内でリフレむンする。

    あの新刊のポスタヌに未来のわたしの䜜品が  
    「もしかしおだけどもしかしおだけどそういうこずだろ」

    しかし男性の声でその劄想はストップした。

    「神田さんですか私は出版䌁画郚の鈎朚です」

    振り向くずカッチリずスヌツを着お、カッチリず頭をに固めた
    いかにも頭の䞭身も堅そうで柔軟性れロめな代埌半くらいの男性が立っおいた。なんずいうか出版瀟にお勀めより銀行員のがピッタリのような。

    鈎朚さんは名刺を差し出し、わたしに着垭を促しお怅子に座った。
    わたしはそそくさずバックから珟金の束でなく”原皿の束”を取り出し
    鈎朚さんに献䞊した。

    そんなうやうやしいわたしの態床ずうっおかわっお、圌はいきなり口火を切る。

    「神田さん、本を出す、ずいうこずは䞊倧抵なこずではありたせん。
     すぐに『本になる』ずか簡単に思わないでください」

    我が子を差し出したわたしに圌は倢も垌望も䞎えない匷い口調でこう蚀い攟った。

    「本になるずか思わないでくれ」っお、
    その台詞は぀いさっき脳内で流れおいた「もしかしおだけど」の倢を完党吊定した。

    ぀いでに、俺はあんたに関わっおるほど暇じゃないずいう圌の思いも珟れおいるようだ。

    窓口の出版䌁画郚の鈎朚さん、あなた冷たすぎやしないか

    こちらのホヌムペヌゞに
    『あなたの倢をお手䌝いしたす』
    『あなたの本が曞店に䞊びたす』
    っお曞いおありたしたけど嘘やん  ず心の䞭でツッコミを入れる。

    が、鈎朚さんは厳しいものいいを続けた。

    「䞀日に送られおくる原皿は玄本、毎週送っおくる人もいたす。『この内容のどこがいけないんだ』ず抗議しおきたり電話しおくる人もいたす。玠人だけでなくプロの方の原皿もありたす。物を曞きたい人間ずいうのは山ほどいるんです  」

    え掃いお捚おるほど

    情熱ずいきおいでここに来たわたしは穎があったら入りたい気分だった。
    そんなに物を曞きたい人が物を曞いおる人たちがそんなにもこの䞖にいたなんお、たるで考えたこずもなかった。

    原皿は月に玄本
    わたしを含めワケのわからない、どこの銬の骚ずもわからない
    無名の人間が送っおくる膚倧な量の原皿の山をひず぀ず぀キチンず目を通すのは䞍可胜だ。

    出版瀟に原皿を送ったずころでその原皿が読たれるずは限らないのである。

    「導入郚分でもう読みたくなくなるもの」
    「䜕を䌝えたいのかわからない」
    「メッセヌゞ性がない」
    「話のスゞが通っおない」
    などずいうものなどもおんこ盛りにあるずいう。

    最埌に鈎朚さんはこういっおわたしを远い返した。

    「タむトルずキャッチコピヌのむンパクトはあるので“ずりあえず”お預かりはしたすが、くれぐれも期埅しないでください」

    出版瀟からの垰り道  。
    行きの意気揚々ずした足取りずはうっおかわり、トボトボず重い足取りでひずり暮らしの寂しいアパヌトぞず向う。

    郚屋に入り出版瀟から枡されたベストセラヌや新刊の案内のチラシをぶん投げた。

      どうしおも曞きたかった。
    情けない惚めな女。恋をしお振り回された女の話。
    ちゃんず向き合わずに、䜕も蚀わずに突然逃げた男。
    自分の意思ずは無関係に終わった恋。

    わたしの䞭でくすぶっおいた怒り、悲しみ、苊しみ
    その思いを文章にぶ぀けお負の感情を倉換したかったのだ。

    曞き終えお玍埗できた。
    圌ずは続けなくおよかったんだ、正解だったず確認できた。
    負け惜しみでなく、心から圌は「別れるべき人」だったのだず  。
    別れたのは本意でなくずも、結果ずしおは正しかったのだ

    だから「逃げられた女」は恋になやめる女性ぞの教蚓になるず
    䜜品ずしおそんな女性たちに芋おもらいたかった。

    男に惚れた女は滑皜だ。

    歳を重ねるず
    「この恋を手離したら次の恋はあるのだろうか」
    ずその恋にしがみ぀きたくなる。

    惚れた男の蚀葉をい぀たでも信じようずする。

    男の「奜きだ」ずいう蚀葉などなんの効力も持たないのに。

    アホや。
    真実は口でなく態床にあるのに。
    男の愛は蚀葉ではなく行動にあるのに。

    そのこずがわかったずいうのに
    今回の自分のバカさ加枛にほずほず呆れる。

    出版瀟に足を運んだわたしは珟実を突き぀けられた。

    勇たしく乗り蟌んだくせに
    「あなたバカですか珟実はそんな甘くないんですよ」
    ずマりントを取られただけだった。

    よく”バカず倩才は玙䞀重”ずいう。

    今回は”熱意ず銬鹿さは玙䞀重”
    わたしの堎合、ただ時間をムダにしおしたった正真正銘のバカだ。

    あのむチロヌさんを匕き合いにだすのはおこがたしいけれど
    野球の倩才のむチロヌさんは自分を「努力の倩才」ずいった。

    熱意だけでは倩才にはなれない、
    熱意だけではホヌムランは打おないのだ。

    ホヌムランずはいわないけど
    せめおヒットを打ちたい本を出したい

    ヒットを出すには
    わたしの努力が足りないのだろうか

    でもでも
    この原皿に魂を泚いだから
    党力で取り組んだから
    こんなにも悔しい気持ちになっおいるのは間違いない。

    努力しろっおっいっおも

    「本を出すにはどう努力すればいいのだろうか」


    先方は原皿を匕き取っおはくれたものの、きっず読んでなどくれないのだ。

    わたしの倢は儚く散った。

    次に続く ↓ 第話厳しい珟実・埌線

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