メインコンテンツへスキップ
見出し画像

#72 【警告】看護師がいなくなるかもしれない!


    こんにちは。猫大好き精神科ナースcocomiです。

    タイトルは少し大袈裟ですが、このままいけば将来その可能性はあります。

    ここ数年、うちの病院では新人ナース(新卒)が入ってきていません。

    数年前まで毎年7~10人くらいは4月になると入職していました。

    ところが一昨年の入職は1人、去年は0人、今年も0人でした。(中途採用は若干いますが…)

    作業療法士とか他部署はやはり少ないのですが、まだ数人の入職がありました。


    本当に看護師が足りなくてわたし自身も、日々の業務のなかで痛感しているのです。

    一般の看護専門学校も定員割れと聞いています。

    「なんで看護師になりたい人が減っているんだろう?」

    そう思って調べてみたら、現場の肌感覚だけじゃなく、データにもしっかりその深刻さが出ていました。

    しかも、表立ってあまり語られない「制度の問題」が大きく関わっていることがわかりました。

    今日は、その現実をみなさんにも知ってもらえたら、とnoteに書いてみました。


    数字で見る「看護師不足」の現実

    厚生労働省のデータによると、2025年11月時点での看護職員の有効求人倍率は2.14倍。

    これはつまり、「求人が2件あるのに、応募者が1人しかいない」という状態です。

    全産業の平均が1.12倍ですから、いかに看護師の奪い合いが起きているかがわかります。

    しかも、2025年は27万人の看護師が不足していると言われており、この先さらに状況は厳しくなると予想されます。

    なぜ、看護師になる人が減っているのか?

    理由はいくつか、複雑に重なり合っています。

    ① 少子化による「担い手」の減少

    そもそも若い人の数自体が減っています。医療の需要は高齢化でどんどん増えているのに、支え手となる若者は逆に減り続けているという、構造的な問題があります。

    ② 現場が過酷すぎて「なりたい」と思われない

    夜勤、不規則なシフト、膨大な記録業務(これが何より大変です)、クレーム対応…。

    日本看護協会の調査では「過労死につながりかねない長時間労働がある」という現実も明らかになっています。

    これがSNSで拡散され、若い世代に「看護師=しんどい仕事」というイメージが定着してしまっています。

    コロナ禍での看護師の過酷さは世にも知らされる羽目になりました。

    ③ 責任の重さに給与が見合っていない

    命をあずかる緊迫した仕事であるにもかかわらず、時間外勤務が正しく手当として払われていないケースも少なくないようです。

    「リスクや労働量に対して、割に合わない」と感じて離れていく人は後を絶たないということです。

    ④ 出産・育児からの復職ハードルが高い

    女性看護師の30代の潜在率(資格はあるけれど働いていない割合)は約36%。その最大の理由が「出産・育児」です。

    夜勤のある不規則な働き方と子育ての両立は、今の日本ではまだまだ難しく、一度現場を離れると戻りにくいのが現実です。

    全国に、資格を持っているのに働いていない「潜在看護師」が約80万人もいると言われているのは、まさにこの問題と直結しています。

    医療は進歩し続けいるので戻ってもついていかれるか心配でもあるでしょう。

    実はもう一つある、あまり語られない「大きな理由」

    ここからが、メディアなどではあまりクローズアップされない本質的な部分です。

    それは、「准看護師の学校が激減していること」にあります。

    准看護師は、都道府県知事が認定する資格で、正看護師より短い期間(2年程度)で取得できます。

    学費も比較的安く、働きながら通える学校も多いため、社会人から看護師を目指す人や、経済的に4年制大学への進学が難しい人にとって、長年、「看護師への大切な入口」として機能してきました。

    私も准看護師制度があったからこそ子育てをしながらも働いて学校に通うことができ資格が取れました。

    ところが、この数年で准看護師の養成所は激減しています。

    私の通っていた学校も准看護師養成所から正看護師の学校に変わり、今だったらもう看護師になる道はありませんでした。

    年齢からも学費面からも遠い学校には通えません。


    准看護師の学校数の推移
    :2004年(312校) ➔ 2024年(182校)
    入学者数の推移:14,210人 ➔ 2024年(4,207人)※約4分の1以下に

    すでに福井・沖縄・秋田・新潟・岡山・山形などの県では、学生募集自体が停止されています。地域によっては「看護師になりたくても、そのルートがない」という状況が生まれているのです。


    一方で、看護大学は2倍以上に急増し、准看護師の学校が減ったのと入れ替わるように、4年制の看護大学はどんどん増えています。

    看護大学・短大の数:2000年(151校) ➔ 2024年(310校)※2倍以上

    日本看護協会は「医療の高度化に対応するために4年制教育が必要」として、看護師教育の大学化をさらに推進しようとしています。

    確かに、医療が複雑化するなかで、看護師に求められる知識や判断力が増しているのは事実ですし、この方向性自体は理解できます。

    でも、ここに大きな矛盾があります。

    大学に4年間通うには、莫大な時間とお金がかかります。

    看護大学の学費等の目安(ざっくりですが)

    国立大学
    約240万〜260万円
    (ここら辺だと普通の専門学校と変わりません)

    公立大学
    約250万〜300万円
    (ここも許容範囲ではあります)

    私立大学
    約500万〜800万円前後
    (ここになるとかなり高額になります)

    一人暮らし込み
    上記にさらに約400万円前後

    ※国立や公立は受験倍率が高いと考えられます。


    家庭の事情で大学進学が難しい方、社会人になってから一念発起して看護師を目指したい方、人生をやり直したい方-

    そうした人たちにとっての貴重な入口が、どんどん閉じられているのです。


    「なり手が減る」のは、ある意味で当然のこと

    これだけの悪条件が重なれば、看護師を目指す人が減るのは、ある意味で当然のことかもしれません。

    * 過酷な労働環境
    * 見合わない給与
    * 子育てとの両立の難しさ
    * さらに「なるための経済的・時間的ハードル」の引き上げ

    現場で働く看護師たちは、今日も患者さんのそばで懸命に動いています。

    でも、その足元の土台がじわじわと崩れてきている気がして、わたしは一人のナースとして怖いなと感じています。

    そして、わたしが思うこと

    看護師不足の問題は、現場の「個人の頑張り」だけで解決できる範囲を既に超えています。

    これは制度や環境、社会全体の問題です。

    教育を高度化して質を高めることはもちろん大切です。

    でも同時に、「多様な入口」を守ることも同じくらい大切ではないでしょうか?

    経済的に恵まれていなくても、人生の途中からでも、志があれば看護師を目指せる道が必要です。

    そして、せっかく育てた人材が「働き続けられる環境」を整えなければ、穴の開いたバケツで水を汲むようなものです。

    この現実が、医療従事者だけでなく、もっと多くの人に届いてほしい…

    そう願いを込めて、今日は書かせていただきました。

    このままいくと困るのは患者さんでもあります。看護の基本は高度な知識だけではありません。

    必要な看護が受けられなくなる現状に目を向けてほしいです。


    最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。


    ご意見などあればどんどんコメントしてくださいね。

    精神科ナース cocomi


    初めましての方⬇️




     
     
    猫好きの精神科ナースです。病院でのこと、病気のこと、猫のこと、日常や思うことなどいろんなジャンルで発信しています。保護猫を2匹飼っています。うちの猫写真もupしていくので遊びに来てね!宜しくお願いします🤗

    あなたへのおすすめ