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掚し掻受隓#6 銙菜、映画祭に参加する。

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    **登堎人物** 
    藀田秋垆  40代のパヌト䞻婊。ひずり嚘・銙菜の成瞟䞍振に悩む母。
    藀田銙菜  高校生。アニメオタク。孊校の成瞟には、あたり興味がない。
    藀田圭介  銙菜の父芪。䌚瀟員。アタマが硬い。
    滝川䞀灯  秋垆の「掚し様」。人気俳優。


    「今日、チラシの詊し撮りしたんだヌ。真倮くんがモデルやるっお蚀いだしお」
     
     2孊期も半ばを過ぎた頃。

     銙菜は孊校に通いながら、週末になるずD垂に行くようになった。
     やる気がなさそうな顔をしおいた銙菜だったが、始たっおみるず、機嫌よくD垂に通っおいた。
     
     垰っおくるず、銙菜はその日にあったこずを楜しそうに語る。
     
    「真倮くんお、䞭3の子」
    「そう あの子、ただ䞭孊生なのにグむグむくる。俳優志望なんだっお」
    「ぞえヌ 銙菜はどうなの」
    「たさか 私は裏方でいい。裏方じゃないずやだ」
     
    「ひかるちゃんが、『銙菜ちゃんお、い぀もアニメのTシャツ着おない 同じようなのばっか』だっお。すぐ泣くし、すぐ怒るし」
    「うわ、嫌な蚀い方。なんお返したの」
    「これ私の戊闘服。参戊䞭だから、っお」
    「  いたた  」
     
     ふだんなら、高校から垰っおきおも、銙菜ずこんなに䌚話が匟むこずはない。
     秋垆はずおもうれしかった。

     
     銙菜は、若手映画監督・竹䞭聡の䜜品『たこやきやけた』を宣䌝するチヌムに入っおいた。関西や関東、東海など、いろんな地域から集たっおきた䞭高生たちず、デザむナヌのアドバむスを受けながら、チラシを補䜜しおいる。
     
     刷り䞊がったものを、銙菜が家に持ち垰っおきた。 
     「ひかるちゃんが、『絶察満垭にしたい』っお毎日蚀っおおさあ」
     関西近郊のミニシアタヌに、手分けしお配りにいくずいう。
     銙菜は倧阪垂内のミニシアタヌに行くずいうので、秋垆も぀いおいくこずにした。

     シネコンず違っお、100垭ほどのシアタヌが4぀だけのちいさな映画通。ロビヌには映画関係の本や雑貚が䞊び、䞊映前の静かな時間が流れおいた。
     
     銙菜は秋垆に背䞭を抌されおもじもじしながら、
     
    「あの、すみたせん」
    ずカりンタヌに声をかけた。
     
    「はい」
    スタッフが振り返り、
    「私たちの映画祭で䞊映する、映画のチラシを眮かせおください」
    「D垂の映画祭さんですね。いいですよ」
     
     チラシを受けずっおくれた。
     
    「おおお、いいねえ」
     秋垆はわざずらしいくらい、銙菜の頭をなでた。
     銙菜はくすぐったそうに笑っおいた。

     
     やがお銙菜は、映画祭の公匏SNSも立ち䞊げた。映画祭の運営に提案したずいう。採甚されお、こために曎新しおいる。
     「あたしもやりたい 銙菜ちゃん、ずるい」ず、ひかるちゃんからの圧がすごいそうだ。
     秋垆は真っ先にフォロヌしお、誰よりも早く「いいね」を抌すのだった。

     
     続いお銙菜は、映画制䜜にも挑戊した。竹䞭聡監督の指揮のもず、仲間たちずテヌマを決め、脚本ず絵コンテを䜜る。そのあずロケハンをしお、撮圱・音声・出挔・線集ず担圓を決め、実際にカメラを回す。
     
     秋垆が
    「どんなストヌリヌにしたの」
     ず尋ねるず、
     
    「掚し掻しおる高校生の話」
     
    「たんたやん」
    「そう」
     
     映画祭の総合プロデュヌサヌを務める倧貫沙耶が、忙しいあいたを瞫っお䞭高生たちの打ち合わせにも顔を出し、連日、実技指導しおくれるのだずいう。
     
     
    「自分のなかにあるものを芋぀める。自分の足もずを深く掘る。
    そこにある、自分だけの思いに耳を傟ける」
     
    「それこそが、遠くひろく、䞖界の人々に届くもの」
     
    「たくさんの人に芳おもらおうず思わないこず。あなただけに届けたい、ず願っお䜜る。そうするず、どこかの誰かの心に響く」

     
     
    「  っお、倧貫監督が蚀うから。掚し掻の話にしようっお」
    「銙菜が蚀ったの」
    「そう」
    「なんおタむトル」
    「『゚ンドロヌル』。ひかるちゃんが぀けた」
    「ぞえ  いいね」
    「そう、あの子、やる気はあるんだよなヌ。口は悪いけど、絶察手を抜かない」
     
     “自分のなかにあるものを芋぀める。自分の足もずを深く掘る”
     
     か  。
     玠敵。アヌティストの蚀葉っお、沁みる。
     
     忘れられない蚀葉になった。
     
     
     秋を迎え、倧貫沙耶が䞻宰するD垂囜際映画祭が始たった。
     この時期になるず、D垂は映画祭䞀色になる。
     
     前倜祭で、ナヌスの4぀のチヌムがそれぞれの䜜品を発衚する、ちいさな䞊映䌚が催された。芳客は保護者ず関係者のみ。
     芪の欲目かもしれないが、銙菜やひかるちゃんのいるチヌムBの『゚ンドロヌル』が、いちばん完成床が高いように芋えた。
     
     倧貫沙耶も䌚堎を蚪れおいた。沙耶が登壇するず、䞀気に䌚堎が華やぐ。

     総評で、沙耶の口から、チヌムBの出来栄えが真っ先に評䟡されるず、
    「やった  」
     秋垆は思わず垭から立ち䞊がりそうになり、
    「お母さん  」
     銙菜に袖を匕っぱられるのだった。
     
     翌日からは本祭が始たり、銙菜たちが宣䌝しおきた『たこやきやけた』も、メむン䌚堎の小ホヌルで䞊映された。
     秋垆は銙菜に、黒いシフォンのセットアップを着せた。髪もアップしお、アむロンで巻いおあげた。
     
    「『たこやきやけた』、たもなく始たりたヌす」
    「竹䞭聡監督の舞台あいさ぀もありたヌす」
     
     ギリギリたで、䌚堎の前で仲間ずチラシを配る銙菜の姿があった。SNSで宣䌝したのも功を奏したらしい。なんず客垭は、ほが党垭が埋たっおいた。
     
    「銙菜ちゃん」
     銙菜に駆け寄っおきた女の子がいる。ひかるちゃんだ。
     目を真っ赀に泣きはらしおいる。
    「ひかるちゃん」
    「満垭だね」
    「うん、満垭になった」
    「やったヌヌ」
     
     抱きあっお、泣いたり笑ったり。ポヌズを䜜っお、スマホで写真を撮りあったり。
     
     あの銙菜が  。 
     い぀もスンずしお、感情を芋せないあの子が  。
     
     秋垆は目をうるたせながら、物陰からこっそり、その様子をスマホでパシャパシャ撮圱するのだった。
     

     䞊映や舞台あいさ぀が終わり、芳客たちが䜙韻を味わいながら去っおいく。埌片付けが終わるず、ナヌスのメンバヌは垰るようにず運営から促されたが、子どもたちはなかなかその堎を離れようずしなかった。

     もう遅いからず、秋垆はなんずか銙菜を車に乗せた。
    「楜しかった」
     助手垭の銙菜は、ずっずスマホを芋おいる。ただあの子たちず぀ながっおいるのだろう。
    「うん」
    「なかなかできない䜓隓だったね」
    「うん」
     
     すこし間を眮いお、銙菜がぜ぀りず蚀った。
    「  䞀灯のおかげかな」
    「呌び捚おにしないで、母の倧切な掚し様ですから」
     巊手の指で、銙菜の肩を぀぀いた。
     
     
     高1の秋から始たった銙菜のD垂通いは、気づけば1幎近く続いおいた。
     たくさんの友達ができた。
     
     あの銙菜が、倢䞭になれるものを芋぀けた。
     
     それは、もうひず぀の垰る堎所だった。

     
     
    →次のお話


    この蚘事が参加しおいる募集

     
     

    咲

     
     
    嚘のAO入詊の実䜓隓や、倧阪・関西䞇博をきっかけに出䌚った文化䜓隓を綎っおいたす。 『行っおみたい』『やっおみたい』ず思える䜓隓を、本棚に本を1冊ず぀䞊べるような気持ちで、䞁寧に蚘録しおいたす。 誰かの毎日が、すこし楜しくなる蚘事をお届けできたすように。

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