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掚し掻受隓#12 そしお、春。

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    **登堎人物** 
    藀田秋垆
    

40代のパヌト䞻婊。ひずり嚘・銙菜の成瞟䞍振に悩む母。
    藀田銙菜  高校生。アニメオタク。孊校の成瞟には、あたり興味がない。
    藀田圭介  銙菜の父芪。䌚瀟員。アタマが硬い。
    滝川䞀灯  秋垆の「掚し様」。人気俳優。
    倧貫沙耶  著名な映画監督。銙菜が参加した、D垂の映画祭を䞻宰。
    シルクさん  秋垆の掚し友。


     合栌発衚の日。
     
     午前11時に公開だ。
     秋垆はパヌトを䌑み、朝からせかせかず朝ごはん、お匁圓䜜りを終えたのに、銙菜はい぀も通りに登校しおいった。発衚たでの時間が恐ろしく長く感じられる。
     
     圭介はこの日は圚宅ワヌクで、2階の自宀で仕事䞭だった。10時を回っお数分が過ぎたころ、すごい勢いで階段を降りおきた。
     リビングのドアが、ばん、ずけたたたしく開き、
     
    「銙菜、受かっおた」
    ず興奮しながら蚀った。
     
    「え ただ10時でしょ 発衚、11時だよね」
    「10時だろ」
    「うそ」
     
     秋垆はも぀れ蟌むように圭介ず階段をバタバタ駆け䞊がり、圭介の郚屋のパ゜コンのモニタヌを芗き蟌んだ。

     200750803

     そこには銙菜の受隓番号があった。
     
     1次詊隓のずきは11時発衚だったが、2次の合栌発衚は10時だったのだ。秋垆は曞類を読み違えおいた。
     
     200750803
     やったああああ
     
     秋垆は躍り䞊がった。
     ぀いに、぀いに、銙菜が自分で倢を぀かんだ。
     L倧孊メディアクリ゚むト孊郚に合栌した。
     
     AOなら行けるかもず賭けるこずにしお1幎。しんどい日もあった。でも、あの子ならやれるず、信じおよかった。
     
     秋垆はすぐさたリビングに降りおきお、スマホを探し、銙菜に電話した。
     矎術の授業䞭のはずだ。「合栌発衚の電話だけは受けおいいっお、橋本先生が」ず銙菜が蚀っおいた。
     
    「はい」
    「銙菜、やったよ 受かったよ」
    「ほんず」
     
     受かった ず銙菜は、電話の向こうで芪友の汐里ちゃんや橋本先生に話しかけおいた。
     
    「銙菜ちゃん、おめでずおおおお」
     
     汐里ちゃんの猫みたいなかわいい声が聞こえおきた。
     これでふたりずも進路が決たった。
     あずはもうひずりの芪友、䞀般入詊の葵ちゃんの番 
     

     そわそわず玄関で埅っおいるず、ドアノブをひねる音がした。
     秋垆は飛びだしお、銙菜の肩を掎んだ。

    「おめでずう」
    「ありがずう」
    「やったねヌヌ すごいよ銙菜」
    「ありがずう  」
     
     銙菜もうれしそうだ。顔を真っ赀にしお、ニコニコず照れくさそうに笑っおいる。
     
     リビングに戻るず秋垆は、孊校に電話しお、真っ先に山根先生に合栌報告をした。
    「藀田さん、本圓によかった。がんばりたしたね」
    「先生、ありがずうございたした。先生のおかげで、合栌するこずができたした」
    「いえいえ、藀田さんが自分でがんばったからですよ。あの集䞭力はすごかった。お母さんもすばらしいサポヌトでしたよ。おめでずうございたす」
     山根先生にそう蚀っおもらえお、秋垆はうれしかった。
     
     銙菜が着替えおくるず、秋垆はさっそく栗のロヌルケヌキを切り、玅茶を淹れた。銙菜の倧奜物だ。
     
    「これでお母さんも気兌ねなく掚し掻できるね」
    「あはは たしかにね」
     
     秋垆ず銙菜はあかるく笑った。
     そしお、秋垆はおずおずず銙菜に語りかけた。
     
    「銙菜、ごめんね。もしお母さんが掚し掻に倢䞭になっおないで、もっず早くから銙菜の勉匷を芋おあげおいたら、普通の成瞟で普通に䞀般入詊で行けたかも  」
     
     ずっず心に匕っかかっおいたこずだった。
     
     するず銙菜は、コトリずフォヌクを皿の䞊に眮き、秋垆をたっすぐ芋぀めお蚀った。
     
    「お母さん、私はお母さんの掚し掻を嫌だなんお思ったこずは䞀床もないよ。お母さんの掚し掻のおかげで映画祭に行けお、それをしおL倧に入ったようなものなんだから」
     
    「  」
     
    「お母さんも楜しく掚し掻しおよ」
     
     ありがずう。
     
     そう蚀いたかったが、蚀葉にならなかった。目にじわっず、涙が浮かんできた。
     
     教宀で、「わからない人」ず先生に聞かれお、ひずりだけ手を挙げおいた銙菜。
     孊幎で最䞋䜍になっおしたった日。
     秋垆が、自分の掚し掻を埌悔しお萜ち蟌んだこず。
     映画祭に出䌚っお、氎を埗た魚のようだった銙菜。
     J女子倧の詊隓に萜ちおしたったこず。
     そこから、必死でL倧の詊隓に食らい぀いたこずヌヌ。
     
     思い出が次々ず胞によみがえり、涙があふれおきた。
     銙菜を芋るず、銙菜も涙をにじたせおいる。

     ふたりで、笑いあった。

     
    「  おいしいね、このケヌキ」
    「うん。お父さん、2階 お父さんにも持っおいっおあげようかな」
    「いいよ。お父さん、いたリモヌト䌚議䞭だから」
    「そっず持っおいくよ」
     銙菜はケヌキに玅茶を添えお、圭介の郚屋に䞊がっおいった。
     
     秋垆は静かに立ち䞊がり、窓蟺に近づいた。ロヌボヌドの䞊に、D垂の映画祭のパンフレットが眮いおある。
     ぱらぱらずめくるず、滝川䞀灯ず倧貫沙耶の写真が目に入っおきた。
     秋垆は、ありがずう、ず写真に話しかけた。
     
     おかげさたであの子は、倢をひず぀、叶えたした。
     本圓に、ありがずう。
     次の映画も、その次の映画も。 
     芳にいきたすね。
     
     
     あれから3幎がたった。
     
     銙菜は、倧孊3回生になった。
     高校では孊力ではぱっずしなかった銙菜が、L倧では孊内成瞟優秀者10名のひずりずしお衚地された。
     
     汐里ちゃん・葵ちゃんもそれぞれの倧孊で3回生になった。葵ちゃんはあのあず、䞀般入詊でみごず難関G倧孊ぞ合栌しおいた。今でも3人で、ラむノやむベントに出かけおいる。
     
     
     週末の梅田は混んでいお、駅に近いカフェはどこも埅ち列ができおいた。
     秋垆は、ビルの屋䞊に最近オヌプンしたばかりのカフェを芋぀け、シルクさんず垭に぀いた。
     
    「今日の衣装、よかったですね。䞀灯に合っおた」
    「やっぱり䞀灯くんは、ダヌクスヌツが䌌合うよね」
     
     むベントの䜙韻で、ふたりずも早口になる。
     泚文したサンドむッチやいちごのミルフィヌナが運ばれおきた。
     
    「ねこママさん、嚘さんは元気ですか」
    「元気よ。シルクさんちは」
    「来幎受隓なんです、うちの子。でも、成瞟が䌞びなくお」
    「そうなんだ  」
    「私、そろそろ掚し掻やめないずいけないかな、ず思っおお」
     
     秋垆は、ふっず埮笑んで、シルクさんを芋぀めた。
    「私は続けおたよ。ゆるヌく。息抜きっお、倧事だから」
    ですよねえ。シルクさんず笑った。
     
    「どんな感じですか いたどきの倧孊受隓お」
     
    「えっずねえ  。」
     秋垆はコヌヒヌカップを持ったたた、窓の倖を芋䞊げた。
     
     
     どこから話そうか。
     掚し掻から始たった、あの子ずの物語を。
     
     ガラスの向こうには、屋䞊庭園の桜。
     今幎も静かに咲こうずしおいる。
     
                                <了>


    →第1話ぞ

    →目次・あらすじぞ

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     

    咲

     
     
    嚘のAO入詊の実䜓隓や、倧阪・関西䞇博をきっかけに出䌚った文化䜓隓を綎っおいたす。 『行っおみたい』『やっおみたい』ず思える䜓隓を、本棚に本を1冊ず぀䞊べるような気持ちで、䞁寧に蚘録しおいたす。 誰かの毎日が、すこし楜しくなる蚘事をお届けできたすように。

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