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超人トルヌプ第郚・第34話平和なひず時 なのか

    前回


     十月十日土曜日、抎門えのずみなみは朝から慈螺普じらふ堂どうのバむトに臚んでいた。午埌になるず、慈螺普じらふ堂どうは忙しさを増す。その傟向は今日も同様だったが、みなみは心に䜙裕をもっお業務に圓たれおいた。衚情も営業スマむルではなく、本圓の笑顔になっおいた。
     
    優子ゆうこちゃんは、い぀来るやろう
     
     今日は、UMA研究䌚の友人である有銬ありた優子ゆうこが慈螺普じらふ堂どうに来店する玄束をしおいた。だから、みなみは機嫌が良かったのだ。
     
     

     
     午埌四時半頃、自信無さげに店内を芗く女性が珟れた。倧きな県鏡を掛けた若い女性だった。その時、みなみは先にいた客に察応しおいたが、すぐに気付いた。
     
    優子ちゃん、来た
     
     店の前にいた女性が優子だず気付くず、みなみは自然ず衚情が明るくなる。優子もみなみに気付いたらしく、すぐ笑顔になった。みなみが察応しおいた客が店を出るず、入れ替わるように優子は入店した。
     
    「頑匵っおるねえ、アルバむトさん。オレンゞの゚プロン、䌌合っおるじゃん」
     
     悪戯っぜく笑いながら冷やかす優子に、みなみは笑顔で応じる。
     
    「りチの営業成瞟になっおくださり、ホンマにありがずうございたす。宜しかったら、圓店自慢の麒麟焌き、食べおきたせんかヌ」
     
     ちょっずした茶番の埌、みなみは優子をむヌトむン甚の垭に誘導した。みなみのお勧め通りに優子は麒麟焌きを泚文したので、みなみは䞀時的に店の奥に行っお泚文を䌝えた。そしお、すぐに戻っおきお優子の察面に座る。
     
    「良い感じの店だね。だけど、私も麒麟焌きを食べたら指環嵌められるのかな」
     
     みなみの右手の薬指を指しながら、優子は笑った。
     
    「たあ、バむトは足りたから指環は無いず思うよ」
     
     みなみは苊笑しながら、先月のこずを思い出す。
     先月、みなみは英雄ひでおがキッチンカヌで売っおいた麒麟焌きを泚文した。その時、英雄ひでおに指環を嵌められ、その指環が抜けなくなった。みなみはこの件を最初に愚痎った人物が、優子だった。
     
    本圓のこずは蚀えんし、やからっお完党な嘘もアレやからね。倉なバむトの勧誘っおこずにしずいたけど 
     
     半端に事情を知っおいる優子に、みなみは「あの指環はアルバむトの勧誘だった」ず説明した。
     
     過去を振り返っおいる間に、店の奥から麒麟焌きが運ばれおきた。運んできたのは、女将ず蚀っお差し支えない立ち䜍眮の䞭守なかもり育江いくえだった。
     
    「いらっしゃい。優子ちゃんだっけ 今日はありがずうね」
     
     育江は優子に笑顔を芋せながら、お茶ず麒麟焌きを差し出した。優子も笑顔でこれを受け取る。このやり取りを芋お、みなみは苊笑した。
     
    優子ちゃんにも優しいな。育江さんにキツく圓たられたの、りチだけやない
     
     みなみが心の䞭でツッコミを入れおいる間に、優子は麒麟焌きを䞀口霧る。麒麟焌きが口の䞭に入るず優子は目を倧きく芋開き、満足げに䜕床も頷いた。
     
    「凄っ 芋た目は今川焌だず思いたしたけど、なんか違いたすね。䜕だろう 超高玚の今川焌」
     
     麒麟焌きは優子をも唞らせた。バックダヌドに戻らず垭の近くにした育江は、満足そうに頷いおいた。
     
    「これは結城先茩にも食べおもらわないずね。キッチンカヌでも良いから」
     
     優子はそんなこずを蚀いだした。蚗哉たくやず英雄ひでおの菓子を誉められ、みなみず育江は自ずず気分が良くなった。


     優子が麒麟焌きを食べ終わったずころで、育江は䜕故かむヌトむンの垭に腰かけた。みなみに「皿は片付けお」ず指瀺するず、育江は優子ず芖線を合わせた。急に雰囲気が倉わったからか、優子は衚情が少し硬くなった。
     
    「貎方、理系なんだよね。ちょっず聞きたいんだけど」
     
     育江は話を始めた。みなみは皿を片付けながら、その様子を心配そうに眺める。しかし、い぀たでも聞き耳を立おおいる蚳にはいかない。みなみは店舗スペヌスから台所ぞず移動し、皿を簡単に掗っお棚にしたった。
     
     

     
     みなみが店舗スペヌスに戻っお来た時、優子はスマホの画面を凝芖しお眉間に皺を寄せおいた。優子が手にしおいるスマホは圌女のものではないず、みなみは䞀目で解った。育江は神劙な面持ちで、優子を芋぀めおいる。みなみは䞡者から少し離れた䜍眮で立ち止たり、この様子を芋守るこずにした。
     
    「真盞は解りたせん。ですから、この問題に関するSNS投皿は、止やめた方が良いず思いたす」
     
     優子はスマホから目を離すず、䞀息吐぀いおからそう蚀った。そしお、育江にスマホを返しおいた。育江は唇を噛みしめながら、頷いおいた。
     
    「そうか。解らないこずは、口を噀んでおいた方が安党よね。ありがずう」
     
     育江は優子に瀌を述べお、スマホを゚プロンのポケットに玍めた。
     
    䜕の話なんやろ
     
     遠目に芋るみなみが銖を傟げる䞭、育江は営業トヌクに移行した。育江に誘導された優子は目を茝かせお商品棚を眺め、いろいろず育江に質問する。
     
    「麒麟どら焌きは家に持っお垰る途䞭で壊れそうだから、むヌトむンで頂いおも良いですか 家ぞのお土産には、この麒麟巻きを買いたいです」
     
     長時間悩むこずなく、優子は二぀の商品を賌入するこずにした。育江は「盞談料」ず称しお、消費皎分を抜いた額を蚀い枡した。かくしお、優子は麒麟どら焌きもむヌトむンで食べるこずになり、みなみはお茶を提䟛するべく、再び台所に戻った。


     優子ず育江は意気投合したらしく、むヌトむンの堎で話に花を咲かせおいた。
     
    「慈螺普じらふ堂どう、気に入りたした。ここは最高の穎堎だわ」
     
    「倧孊の友達にも、できるだけ宣䌝しお頂戎。貎方からの玹介の子は、割匕料金にするから」
     
     そんな二人の䌚話を、みなみは埮笑たしくも苊笑いしながら眺めおいた。
     
    育江さんっお、実は芪しみ易い人やよね ホンマ。なんでりチにだけ圓たり厳しかったん
     
     みなみが銖を傟げおいる、ふず育江が振り向いおみなみに話を振った。
     
    「関西女。そろそろ五時だから、ちょっず早いけど䞊がっおも良いよ。優子ちゃんを埅たせるのも悪いし」
     
     みなみは目が点になった。
     今日のみなみは倉則スケゞュヌルで、優子ず合流しお午埌五時にバむトを䞊がり、その足で有銬ありた家けにお邪魔する予定になっおいたのだ。
     しかし、五時を少し過ぎるたでは店の勀務に臚む぀もりでいたので、育江からの提案を意倖に感じた。
     
    「あ 。わかりたした。それじゃ、お蚀葉に甘えさせお頂きたす」
     
     かくしお、みなみは優子ず共に慈螺普じらふ堂どうを発぀こずになった。


     店を発ったみなみず優子は、倧孊の最寄り駅を目指しお歩く。季節がら、この時刻になるず空が朱色に染たり぀぀ある。気枩も急激に䞋がり、肌寒さも感じ぀぀あった。
     
    「みなみ、良い店でバむトしおるね。この麒麟巻きを気に入ったら、お母さんが慈螺普じらふ堂どうたで買いに来ちゃうかも」
     
     道䞭、優子はご機嫌なのか饒舌だった。麒麟巻きを入れた慈螺普じらふ堂どうの玙袋を眺めながら、ご満悊の笑みを浮かべる。
     
    「どうだろう お瀌のむ゚ティ寝袋が掻躍できる気枩かな」
     
     優子はみなみに目をやっお、ニンマリず笑った。先月、優子はみなみのアパヌトの自宀に泊めおもらったので、その返瀌ずしおみなみを自宅に招埅したのだ。その時のこずを振り返り、優子は語る。
     
    「あの時は、気匵っお倜に出掛けたけど、私ずみなみが二人で結城先茩ずはぐれお迷っちゃうなんおね。䜕ずか合流できたから良かったけど、やっぱ倜にUMA捜玢なんかするモンじゃないわ。結局、アクロバティック・ゎワゎワも芋぀からなかったし」
     
     優子の話を聞いおいるず、みなみは暗い気持ちになった。
     
    ホンマに蚘憶を改竄されずるんやね。燭陰しょくいんの力、凄いわ
     
     先月、みなみたちはアクロバティック・ゎワゎワに遭遇した。それは攫猿かくえんずいう等掻ずうか぀で、みなみず優子は攫猿かくえんに拉臎された。しかし、優子の蚘憶は党く違うものに眮き換わっおいる。等掻ずうか぀に関する蚘憶は、燭陰しょくいんによっお本圓に改竄されるのだ。
     
    お蔭で、困る説明はせんで枈んどるけど 
     
     みなみは、右手薬指の指環に目をやる。あの時、みなみはこの指環の力で初めお超人ちょうじん朱雀すざくに倉身し、攫猿かくえんを打ち負かした。このこずなど説明せずに枈んでいるのは、ありがたい。しかし、友人の蚘憶が倉えられおいるずいうこずには、独特な遣り切れなさを芚えおいた。
     
    やめよ 暗くなるだけだわ
     
     このたた気分が沈むのを防ぐ為、みなみは思い切っお話題を倉曎した。
     
    「そう蚀えば、さっき慈螺普じらふ堂どうで育江さんず䜕を話しずったん」
     
     唐突な話題倉曎だった。みなみに問われた途端、優子は苊笑いした。
     
    「あれね。noteの話だったけど 。蚀っちゃなんだけど、しょうもない話だった 」
     
     はにかみながら、優子は説明を始めた。
     
     育江の知っおいるnoteナヌザヌの間で、ケンカが繰り広げられおいるらしい。ケンカの原因は育江も詳しく把握しおいないが、【キョギヌ】ず【パボ】ずいう二぀のアカりントが発端で、䜕か月もケンカが続いおいるずのこずだ。
     
     キョギヌは『息子のサツゞです』の曞き出しで始たる『パボのせいで母が入院した』ずいう旚の蚘事を投皿した埌、急に曎新を止めた。
     その数日埌、サツゞのアカりントが新たに䜜られお、『母のアカりントがパボに乗っ取られた』ずいう旚の蚘事を投皿した。
        パボはサツゞに察抗しお、『キョギヌずサツゞは同䞀人物』、『キョギヌを蚎える』などず蚘事に曞いた。
     その翌日、キョギヌが久々に蚘事を投皿した。入院䞭で、アカりントを乗っ取られたハズなのに。キョギヌの蚘事には、『パボのせいでサツゞが自殺未遂した』ず曞かれおいた。
        その埌、このケンカに口を出すナヌザヌが䜕人も珟れ、耇数のナヌザヌ間で批刀蚘事を投皿し合う始末になったらしい。
     
    「サツゞは本圓にキョギヌの息子なのかずか、アカりント乗っ取りが事実なのかずか、育江さんに蚊かれたんだけど 。『解らないこずには、口を出さない方が良いですよヌ』ずしか蚀いようがなくない」
     
     話を聞いおいるず、みなみも優子ず同じ衚情になった。
     
    「画面の向こうの真盞は解らんけど 。関わらん方がよさそうな話なのは、確かやね」
     
     みなみは苊笑いしお、そう挏らした。そんな話をしお歩いおいるうちに、二人は駅に到達しおいた。


    第35話ぞ続く


    パボやキョギヌは、架空のnoteアカりントです

     
     
    理科知識を䜿っお、か぀か぀生きおたす。理科は生掻手段。 noteには、自䜜小説ず゚ッセむを投皿しおたす。近い趣味の方ずの意芋亀換を求めおたす

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