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瀟員戊隊ホりセキ V 第郚第12話十二月十二日

    前回


     ある幎の十二月十二日、寿埗じゅえる神瀟のむマヌゞュ゚ルを介しお、新杜あらず愛䜜あいさくに連絡があった。圓時のゞュ゚ランドの王であるマ・スラオンからだった。

     嚘が誕生したずの知らせだった。
     その嚘はリペモず名付けられた。正匏な名前はマ・カ・リペモだ。

     地球では、リペモの誕生日は十二月十二日ずいうこずになった。

     昚幎の十二月十二日、地球に亡呜したリペモは、寿埗神瀟で誕生日を祝われた。新杜家の者や、地球で結成されたシャむン戊隊の戊士たちによっお。



     今幎の十二月十二日の日曜日。
     もう、リペモはこの䞖にいない。
     それでもリペモず出䌚った地球人たちは、今幎も圌女の誕生日を祝おうずしおいた。


     その日の朝、光里ひかりは早めに起きお、身支床を進めおいた。黒い喪服に身を包み、机に眮いた化粧台ず向き合った埌、郚屋に眮いた小さな朚の棚から数珠や黒いゞェットのネックレスを取り出す。
     このアパヌトはバリアフリヌで段差が少ないので、光里が車怅子で忙しなく移動するのに、目立った障壁は無い。棚などの家具も背が䜎く、座ったたたの光里が扱うのに支障が無い。

    前たでは䜕 cmなんお段差、あっおも無くおも同じだったけど、今は違うからね。本圓に、この家はありがたい。瀟長、副瀟長、先代。迷惑したしちゃ

     凹凞などが皆無の氎平な板を眺め、光里は思う。この家に慣れお来おも、謝意が勝手に湧いお来る。心の䞭で新杜家に瀌を蚀うのが、光里の日課になっおいた。

     光里はふず、巊手の腕時蚈を芋る。ホりセキブレスが擬態したものではなく、普通の腕時蚈を。

    そろそろ十分前だけど、ゲゞョヌはただ来ないの

     今日はゲゞョヌにワヌプで寿埗神瀟たで連れお行っお貰うこずにしおいる光里。誕生䌚の開始時刻が近づいおきお、気が逞り぀぀あった。そんな時、むンタヌホンが鳎った。光里は顔を茝かせ、むンタヌホンが備え付けられた壁の元ぞ車怅子で移動する。小さなモニタヌには、黒い喪服に身を包んだゲゞョヌが芋えた。髪を埌ろでたずめお、黒い぀ばの無いフェルトの垜子を被っおいる。もちろん、耳には花を暡ったタンザナむトのピアスを付けおいお、胞元にぱメラルドのペンダントが茝いおいた。

    『おはようございたす。倏城な぀しろです』

     光里が【応答】のボタンを抌すず、モニタヌ越しのゲゞョヌはそう蚀った。声は普段より高めで、愛想の良く振る舞おうずしおいるのが䌝わっお来お、光里は思わず笑っおしたった。

    本名は【倏城な぀しろきよみ】っおいうこずにしおるんだっけ さすがに、【小曜化おそばけ浄きよし】が本名じゃね 。【䞋条しもじょうクシミ】を䜿い続けるのも厳しいし

     ゲゞョヌの名前の倚さに光里は苊笑いしながら、ボタンを抌しおアパヌトの出入口を開錠した。それから、自分は玄関ぞず車怅子を転がす。玄関も高さの差が無く、靎眮き堎ず廊䞋は色で区分けされおいるだけだった。
     光里が玄関に来るず、䜙り埅぀こずなくドアが叩かれた。光里は手で鍵を開けお、「どうぞ」ず蚀う。するずドアが開き、喪服姿のゲゞョヌが珟れた。

    「ギリギリ䞻矩なの もうすぐ始たるよ」

     ゲゞョヌが入宀するや、光里はたずそう蚀った。ゲゞョヌは眉間に皺を寄せながら、巊手に付けた金色の腕時蚈で時刻を確認する。

    「ただ五分以䞊前だぞ。䞀瞬で行けるんだから、充分だろう」

     ず蚀うゲゞョヌに、光里は「瀟員戊隊は十分前が基本だった」ず述べ、ゲゞョヌを苊笑させた。

    「お前らのルヌルなど知らん。定刻に間に合えば文句ないだろう」

     愚痎を返しながら、ゲゞョヌは黒いハむヒヌルを脱ぐ。色で区分けされおいるだけの靎眮き堎ず廊䞋に、少し戞惑っおいる様子だった。光里は車怅子の方向を倉え、居間の方ぞずゲゞョヌを誘導した。

    「でも、今日は迷惑しちゃね。気を遣っおくれお」

     そう蚀っお光里が笑いかけるず、ゲゞョヌは少し芖線を萜ずした。

    「圓然だ。戊いが無ければ、お前がこうなるこずは無かったんだから」

     今のゲゞョヌの䞭には匷い眪悪感があるらしく、衚情に出おいた。光里も぀られお同じ衚情になりそうになるが、思い盎しお笑顔になった。

    「そんな顔しない 今日は四十九しじゅうく日にちみたいな日だけど、誕生日䌚だから。明るくしおお」

     ゲゞョヌは少し頷いたが、衚情には倉化が無い。光里は唞った。そしお少し悩んで、こんな提案をした。

    「そうだ。今も早替わりができるなら、ニクシムの頃に来おたゎスロリのドレスになっおよ やっぱゲゞョヌず蚀えば、あのドレスでしょう」

     いきなり蚀われおゲゞョヌは目が点になったが、すぐ錻で笑っお頷いた。

    「そうだな。今日は倏城きよみでも小曜化浄でもなく、久々にゲゞョヌだからな。それに 。あれはマダムがくださった、私の正装だからな」

     ゲゞョヌがそう呟いたら、次の瞬間にはゲゞョヌの姿が揺らぎ、姿が䞀瞬で倉わった。ピアスやペンダントはそのたたで、服は黒地に癜いフリルが特城的なゎスロリ調のドレスになった。長いスカヌトの䞋にはパニ゚が䜕重にもあるのか、ふんわりず広がっおいる。髪型は毛先を新橋色に染めたツむンテヌルに倉わり、毛先ず同じ色をリップずアむラむンに匕いおいた。
     ゲゞョヌがこの姿になり、光里は喜びを顔で衚珟する。

    「なんか萜ち着く。やっぱゲゞョヌはこうだよね」

     光里はハンドバックからスマホを取り出し、ゲゞョヌに向けた。今日、ゞュ゚ランド矎術通のシフトに入っおくれた、掛鈎かけすずたちに写真を送るらしい。ゲゞョヌは、はにかんだ。

    「小曜化浄の玠顔ずしお、SNSに写真を流出させるなよ」

     この問に、光里は胞を匵っお答える。

    「新杜宝食の人たちは、瀟員戊隊の件で機密の取り扱いには慣れおるからね。倧䞈倫だよ」

     そう蚀いながら、光里は実感しおいた。

    こんな優しい顔でゲゞョヌが笑っおるの、初めお芋た

     ゲゞョヌの優し気な衚情を芋おいるず、光里は自ずず目が最んで来た。これでゲゞョヌを心配させおしたったが、光里は銖を暪に振った。

    「ごめん。なんか感慚深くなっお 。それより、行こう」

     光里がそう蚀うず、ゲゞョヌは静かに虚空をノックした。景色がガラスのように割れお、䞃色の光が枊巻く穎が開く。光里がこれを芋るのは、玄四か月ぶりだ。いざゲゞョヌは車怅子を抌し、光里ず共に光の枊巻くトンネルの䞭に入った。


     寿埗神瀟の離れの䞀階は、寿叞詰めに近い状態になっおいた。
     瀟員戊隊だった十瞷ずおる、和郜かずず、䌊犰いね、時雚しぐれ。愛䜜あいさく、花枝はなえ、琳りんの新杜宝食瀟長家族。愛䜜の効で新杜宝食の副瀟長の千秋ちあき。寿埗神瀟の宮叞倫劻である囜光くにみ぀、あかね。そしお、光里ずリペモの友人である最音子もねこ。十䞀人も集たっおいた。

    「光里にしおは遅いわね」

     千秋が時間を気にし始めお、最音子や十瞷が「確かに」ず続く。

    「ゲゞョヌ 。小曜化先生がギリギリ掟だからな」

     愛䜜が唞る。著名な挫画家の名前が出るず、琳が反応した。

    「お父さん。小曜化浄っお、ゲゞョヌだったんだよね 本圓に党然気付かなかったの」

     嚘の発蚀に、母の花枝も続いた。問われた愛䜜は、頭に片手を圓おる。

    「本圓に、党く気付かなかったんだ。今思うず、小曜化先生の顔っお党然思い出せないんだよな。ゲゞョヌの術の効果なんだろうな」

     愛䜜はそう蚀うしかなかった。花枝ず琳は、煮え切らない感じで唞る。他方、䌊犰は少し違う芖点で考えおいた。

    「䜕にせよ、ゲゞョヌちゃんが小曜化浄先生だったのですわよね 私、思ったんですけど、この際、サむンずか頂けるなら頂きたいですわよね 有名な挫画家さんですし」

     呑気ず蚀うか軜い発蚀で、愛䜜や時雚は倱笑した。しかし、囜光やあかねは「そうだね」ず䌊犰に同意した。もしかしたら、呑気ではなく平和なのかもしれない。

     そんな䞭、十瞷は考え事をしおいた。

    ゲゞョヌは九幎前にタむムスリップしお、小曜化浄になった。調べたら、小曜化浄が挫画家デビュヌしたのは九幎前の九月。矛盟は無い

     十瞷がそんなこずを気にするのには、理由があった。

    僕が池に萜ちお、あの女の子に助けられたのは、九幎前の八月。小曜化浄のデビュヌ前だけど 

     九幎前に自分を救った、謎の少女ずの関連だ。そしお、先の愛䜜の発蚀も十瞷の思考に絡んで来た。

    「小曜化先生の顔っお党然思い出せないんだよな。ゲゞョヌの術の効果なんだろうな」

      

    僕も、あの女の子の顔を思い出せない。あの時の颚景は憶えおるけど、あの子の顔だけ空癜になっおるんだ

     愛䜜の発蚀ず自分の蚘憶に、十瞷は共通点を芋出し぀぀あった。



     こんな調子で、各々がいろいろず話しおいる時だった。いきなり壁付近の景色がガラスのように割れお、䞃色の光が枊巻く穎が開いた。人が通れるくらい、倧きな穎だ。最音子、琳、花枝、囜光、あかね、千秋の六人は思わず驚いお声を䞊げたが、十瞷たちはそうでもなかった。

    「ご安心を。神明しんめいずゲゞョヌ 小曜化先生が来るだけです」

     萜ち着いた声で時雚が説明する。その数秒埌に、景色に開いた穎からは車怅子に乗った光里ず、それを抌すゲゞョヌが姿を芋せた。

    「皆さん、お埅たせしたした」

     穎から完党に出おきた光里は、明るく䞀同に声を掛けた。これで十瞷たちは和んだが、最音子たちはただ驚きを匕きずっおいた。いや、今床はゲゞョヌの特城的すぎる服装やメむクに目を奪われ、唖然ずしおいた。
     驚いおいない和郜は、静かに芋比べおいた。ゲゞョヌのピアスず最音子のピアスを。どちらも、和郜がデザむンしたピアスを付けおいる。ゲゞョヌはタンザナむトのオリゞナル版、最音子はアクアマリンの色違い版を。

    ぀いに刀るんだろうか。あの謎が 

     燃える興味を胞に秘め、和郜は平静を保っおいた。


     寿埗神瀟の離れの䞀階に、十䞉人の人が集たった。郚屋の割に人数が倚いこずに加えお光里が車怅子なので、より狭く感じられる。そんな状態で、リペモの誕生䌚は始たった。

    「では皆さん。姫にお声掛けを」

     愛䜜が地袋の䞊に、真珠を備えた癜金のティアラを眮いた。リペモが䜿っおティアラだ。たずは愛䜜がティアラず向き合い、合掌しお深く頭を䞋げた。
     愛䜜が䞋がるず、次は千秋が地袋の前たで来お、合掌しお頭を䞋げる。このように代わる代わる、䞀人ず぀リペモのティアラに拝んでいく。「誕生日おめでずう」「ゞュ゚ランド矎術通は盛況です」などず声を掛ける者もいた。
     最埌に、ゲゞョヌが車怅子を抌しお、光里ず共に地袋の前に来た。二人は合掌しお、深く頭を䞋げる。

    リペモちゃん。私ず仲良くしおくれお、本圓に迷惑しちゃね。ゞュ゚ランド矎術通を通じお、私たちの思いを倚くの人に䌝えるから。応揎、宜しくね

     光里に涙は無く、枅々しい気持ちで玔粋にリペモの冥犏を祈っおいた。䞀方のゲゞョヌは、閉じた目から涙が少しだけ挏れおいた。

    お前ず再䌚しお、最埌に掛けた蚀葉が眵声になっおしたったこずを謝りたかった。琎名こずな䜳什よしのりず柳生やぎゅう露花぀やかの呜を救っおくれたこずにも、瀌を蚀いたかった。䜕より 。お前ず、友ず呌び合える関係になりたかった

     ゲゞョヌは本心を停りなく、心の䞭で打ち明けた。この堎にはいないリペモに。


    次回ぞ続く


    第郚ぞは、こちらから


    第郚ぞは、こちらから

     
     
    理科知識を䜿っお、か぀か぀生きおたす。理科は生掻手段。 noteには、自䜜小説ず゚ッセむを投皿しおたす。近い趣味の方ずの意芋亀換を求めおたす

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