
タレイラン編12 2026年7月9日
タレイラン12歳
天然痘に倒れた
幸いなことに大事に至らず
顔に痘痕ができる事もなく
回復しつつある。
・・父も母も会いに来ないか?今日も・・

アルクールの寄宿舎学校に入学して早や6年
悪くはない
先生には、
宮廷ゴシップの話で盛り上がる大馬鹿者や、
ニュートン理論を否定するトンデモな輩がいたが
皆、礼儀正しく接してくれたし
一生の友もできた。
誰も彼もタレイランの天才の片鱗を発見した者は
居らぬのだが、それで良いのだ。
・・Ce n'est pas juste... vraiment pas.・・
(不公平だよな、これって、絶対)
誰も居ない部屋で、タレイランは、声を出した
それはそうだ
タレイランは、これまで両親から引離されたのに
弟2人はベルサイユ宮殿近くの家で
両親と同居しているのだ
それに、ここは病室ではなく
とある看護婦の自宅の一室
何度も言うが
タレイランは、ペリゴール家の
仏王家の血統にも匹敵する大貴族の御曹司
それなのに、これはあまりにも不条理だ
しかし溜息をつくたびに
タレイランは成長する
孤独が、
観察力と
忍耐力と
分析力を
更に鋭利に磨き上げるのだ
・・
タレイランは15歳になった
寄宿学校は卒業。
次の扉の向こうは
輝かしい将来ではなく
残酷な現実が跪いて控えて居た。
次の記事
前の記事