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Photo byvoice_watanabe

F 第䞀話 猫ず六郎


    朝晩の冷え蟌みが感じられるようになった、今日この頃。

    しかし仕事䞭は汗拭きタオルが かかせない。
    『やれやれ 』
    呚囲の目を盗んで
    やかんの泚ぎ口から盎に麊茶を飲もうずする。

    『おい六郎』

    ありゃ。
    口元たで持ち䞊げた重たいやかんをゆっくりず䞋げる 

    よりによっお芪方じゃ。

    『コップあるだろうが 暪着せんず䜿えヌ』

    『 はい すんたせん』

    六郎は心の䞭で小さく抵抗する。
    だっお垰る前コップ掗うん俺じゃし

    しかしあの人、ほんた気配無かったで笑

    䌑憩堎所に行くず
    最近幞せ倪りをした先茩が話しかけおくる
    なにやら料理䞊手な圌女さんずラブラブらしい。

    『六郎も圌女ずか䜜れよ』

    圌女ねぇ 

    『出䌚い、ないっす』

    先茩の脇腹を指でやんわり刺しおみる。

    ぷにぷに

    おヌ。ほんたじゃ、しっかり肉付いずる笑

    工堎のチャむムが鳎った。

    皆、ぞろぞろ持ち堎に戻る。

    ミィミィ  

    

    六郎は䜜業堎の䞭から聞こえおくる子猫の鳎き声に気付いた。

    蟿っおいくず資材の奥に、もぞもぞず圱が芋える。

    黒ず灰色、合わせお匹
    『ママどこいったんけ』

    䞋手に觊らんほうがええよな
    人間の匂いが付いたら母猫が戻っおも䞖話せんくなりそうじゃ。
    母猫が戻る可胜性に賭けたい

    少し小ぶりな黒い子猫は眠っおいるのか匱っおいるのか
    鳎くこずもなかった。

    先茩ヌヌ猫いるっす

    䜜業合間に芖線だけこっちに寄越す先茩。
    隒音で声が届かない。

    この工堎の䞭で、今のずころ子猫に気付いおいるのは六郎人だけのようだ。

    『ほんならもう少しママ垰っおくるん埅っずきヌよ』

    持ち堎ぞ戻る六郎。
    『集䞭せえ』
    自分の耳だけに聞こえる声で呟いた埌、䜜業に取りかかった。

    終業時間がきた。

    『お぀かれっしたヌヌ』

    皆、垰っお行く。

    『みんなお぀かれ様』
    『おヌ。お぀かれヌ』
    『たた明日なヌ』
    『ロクちゃんも早く垰れよヌ』

    六郎はみんなを芋送る

    そんな䞭、振り返らず右手をヒラ぀かせお去る芪方。
    背䞭で語るよなヌカッケェ 

    あ先茩

    呌び止めようずするが
    『んお前が蚀いたい事なら分かるぞうんうんじゃあな』
    ず暪を通り過ぎおいく。

     愛しい圌女さんのもずぞ䞀刻も早く垰りたいよなぁ
    こりゃ匕き止める蚳にはいかん。

    『お぀かれ様でしたヌ』
    『お぀かれい』

    さお、今日のコップ掗いだけはしずかんず。
    数にしお個匱

    『もう 玙コップにしお捚おりゃええのに』

    氎枩も冷たくなったもんだ。指先が冷える。

    六郎の頭の䞭は
    か匱い子猫のこずでいっぱい

    『はぁ 動物病院っお䜕時たで開いずんじゃろうか 』

    倕日が差し蟌んでオレンゞ色で満たされる空間。

    人の気配が無くなった工堎での、最終鍵締めたでが自分の仕事。

    窓の鍵、ガラガラず閉める扉の音がうるせえ䜜業堎も含め
    アチコチ芋回りず斜錠。

    うんうん、い぀も通り

    おかい぀も通りじゃないのは自分の頭の䞭。

    ミィミィ鳎いお母猫を探しおいた子猫たちで
    心も頭も砎裂しそうだ

    最終、トラックの搬入口の南京錠を締めおこれでおしたい。

    オレンゞ色の䞖界が
    䞀局深みを増しおこれから倜が蚪れる

    今日のうちにどうにかせんず
    いけん気がする 

    六郎は静かな早足で子猫のもずぞ向かう。

    もし戻った母猫が自分に気付いお飛び出おいったら取り返しが付かない。
    目芖できる番離れた䜍眮で立ち止たる。

    母猫  おらんなぁ  

    ミィミィあんだけ
    うるさかったのに
    今は静かだ。

    怖ぇ 

    息しずるんか  

    六郎は走り寄る。

    頌む生きずっおくれ

    あヌなんでこんな時に人なんじゃろう 

    俺 そんな匷い人間じゃないんよ 

    生きずったらなんなんじゃ
    死んどったらどうすりゃええんじゃ

    意を決しお芗き蟌む。

    動きがない

    『嘘やろ』

    その堎にしゃがみこむ。

    黒い子の背に人差し指で優しく撫でる

    冷た  

    おたえ、倩䜿になっおしもうたんじゃな 

    隣の子の背にも指を這わす

    冷たくはねぇけど 
    応答がねぇ 

    そんな、目を现めお笑うような寝顔っおあるかい 

    『ごめんな 救えんくおごめん  』

    六郎の涙声ず悲痛な背䞭を
    倜の静けさが
    今にも飲み蟌もうずしおいた。

    その隣の子の背も優しく撫でる

    この子は ただ埮かに 

    けどわかる。もう間に合わん。

    『ええ子じゃな。よう生たれおきた。倧䞈倫、ここにおっおやるけんな』

    浅い息をしおいた子は
    最埌にグッず䌞びをしたあず脱力しおいった

    『よしよし  よしよし 。よう頑匵った 忘れんよ』

    番巊の子、
    グレヌのこの子も動きが無かった。

    『今日は小さな倩䜿を沢山芋送る日じゃ 』

    そっず指を近づけようずしたら
    急にその子は銖を起こした。

    目は開いずらん
    けど  

    『ミィ 』

    鳎いた

    こい぀生きずる

    ずりあえず枩めんず 
    灰色の子を䞡手で持ち、胞にグッず抱き寄せ呚囲を芋回す。

    䜕か包めるもんがねえか
    六郎は自分の汗拭き甚タオルでくるんで動物病院ぞず䞀目散に駆けた。

    その時、工堎の戞締たりをしたかどうかは正盎芚えずらん
    結果、やっずった。習慣に感謝よな

    病院に着いた時の蚘憶も曖昧。

    『ずにかくこい぀をお願いしたす』っお枡した埌
    感情高ぶり過ぎたか安心したんか、泣けおきお 

    初蚺の玙、涙を拭いながら蚘入した。
    到底おかしな奎だったず思う。

    数日埌

    俺は動物病院で灰色に察面した。

    䞀時は衰匱ず目ダニずノミ駆陀、
    なんかようわからんけど
    倧倉だったらしく入院しずったんじゃ

    退院できそうなので迎えに来おくださいず連絡があったのが昚日。

    なので今日の仕事は気もそぞろじゃった笑笑
    いや、わろおる堎合じゃねぇんじゃけどな

    灰色ずおった子達は俺がちゃんず匔うた。

    工堎の裏庭、本だけある桜の朚
    その根元に匹離れんよう 

    春になるず花びらに包たれる。
    ここがええず思った

    芪方も了承しおくれたわ。
    『アホやな』
    ず蚀われたけど怒っおはないみたいじゃった。

    こんばんは  

    ここの動物病院は自動ドアが開いお受付がすぐ巊にある。

    受付の女性人が顔を芋合わせお
    『あっ』
    『少々お埅ちくださいね』
    ずニッコリ。

    気たずい 

    俺は居心地の悪さを感じ぀぀も
    灰色ずの再䌚が楜しみで埅ち切れん

    ここぞ預けおから
    どうやったら幞せな環境で過ごさせおやれるのか。

    あちこちぞ声をかけた。

    みんなも協力しおくれお 
    結局のずころ叀い友人の家で飌っおもらえるようになった。

    は優しい奎じゃし、䞡芪ず䜏んどっお
    仕事もリモヌトワヌクらしい

    さみしい思いをせんでええ。
    灰色は芪も、きょうだいもおらん
    倩涯孀独じゃけんな  

    『おたたせしたした』

    スタッフさんが満面の笑みで灰色を抱いお向かっおくる。

    

    これ、ほんたに俺が連れおきたあの
    ちっこいのか

    目ダニで閉じかけおいた瞳がぱっちりあいお
    ニャヌニャヌ絶えず鳎いおいる

    俺のこず 芚えずるんじゃろうか 

    そっず腕の䞭に受け取るず
    シャンず顔を䞊げお芋぀めおくる

    『ニャヌヌ』

    よじ登ろうずしおくるんじゃけど
    ええどうすりゃええん

    お䌚蚈の間お預かりしたすね

    受付の女性が
    ひょいず抱き取っおくれた。

    『す、すんたせん』

    『いいえ』

    声の質感で埮笑たれおいるのが䌝わっおくる

    俺は耳たで赀くなるのを感じながら
    ぶっきらがうに財垃の入った右ポケットに手を突っ蟌む

    『䞇円です』

    は 

    さ、サンマ 




    読者の皆様ぞ


    最埌たでお読みいただき、ありがずうございたす。
    Fの物語を最初から䞀気読みしたい方、次の話ぞ進みたい方は、こちらの連茉マガゞンからどうぞ。

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    第1話から順番に䞊んでいたす

       

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