
コンテスト投票が地獄になる原因:投票の混乱はUIで減らせる(非エンジニアの実験)
はじめに
「さっきの作品、良かったけど何番だっけ?」
コンテスト投票の最中、こんな経験はありませんか。
作品数が増えるほど記憶が追いつかなくなる。
しかも賞が複数あると、
「あの作品はどの賞向きだっけ」まで覚えていないといけない。
この問題を「仮メモ→最終決定」の2段階に分けたら、
投票が格段にラクになりました。
非エンジニアの私が、生成AIの力も借りながら
投票補助ツールを作った記録です。
なぜ投票は止まるのか
投票がしんどくなる原因は、
作品の良し悪し以前に**「記憶と判断を同時に求められる」**点でした。
発表を聞いている最中は、理解するだけで手いっぱいです。
そこに「賞ごとに1つ決めてください」と来ると、
頭の中が渋滞します。
さらに厄介なのは、迷いが生まれるタイミングがバラバラなこと。
序盤で刺さった作品もあれば、
終盤で急に評価軸が変わることもあります。
作品数が多いと、良かった作品ほど埋もれる。
メモを取ろうとしても、
発表を聞きながら手元で整理するのは現実的ではありません。
つまり、投票をスムーズにするカギは
「記録(覚えておく)」と「判断(決める)」を分けることでした。
ちょっと立ち止まってみてください。
あなたの職場の「決める場面」で、参加者に"聞きながら決める"を同時にやらせていないでしょうか?
改善提案の表彰会、社内勉強会のベストプレゼン投票、複数案からの選定会議——発表や説明を聞きながら手元でジャッジさせる運用は、どこの現場にもあります。そして大抵、最後の決定は「なんとなく最後に印象に残った案」に寄ります。
実際に試した3ステップ
やったことはシンプルで、「投票の前段を助ける補助ツール」を作りました。
投票そのものを置き換えるのではなく、
"投票を楽にするための道具"という位置づけです。
ステップ① 発表を聞きながら★で保存
発表を聞きながら、
「いいな」「あとで考えたい」と思った作品を★ボタンで保存します。
ここで大事なのは、
「これは投票ではない」と明言すること。
「候補に入れる」という表現にして、
心理的なハードルを下げました。
仮メモなら、気軽に押せます。
ステップ② 最後にまとめて決める
保存した候補は、画面の右側に常に表示されます。
イメージは付箋メモ。
後で修正も削除もできるので、
「とりあえず入れておく」を推奨しました。
すべての発表が終わったら、
候補の中から各賞1作品ずつ決めます。
この流れにすると、発表中は理解に集中できます。
「決めるのは最後でいい」が守れます。
ステップ③ Formsで選ぶだけ
最終的な投票はMicrosoft Formsで行いました。
補助ツールで決めた3作品を、
Formsで選択するだけなので3クリックで完了です。
実装側では、
「A/B/Cが未選択ならFormsを開けない」
「重複選択なら確認ダイアログを出す」など、
最低限のガードも入れました。
やってみて分かったこと
良かった点
参加者の迷いが**"見える化"**されたことです。
候補ボードに作品が並ぶと、
「自分が何に惹かれたか」が記録として残ります。
最後の決定が、記憶頼みじゃなくなる。
もうひとつの良さは、司会進行にも効いたこと。
「今は仮メモです」「最後に決めます」と強調するだけで
参加者の混乱が目に見えて減りました。
ツールの設計と口頭の説明がセットで機能した実感があります。
失敗① 集計まで一気通貫にしようとして時間を溶かした
最初は「その場で全員分をリアルタイム集計」を目指していました。
認証不要で匿名投票できて、結果がグラフで出る——
理想を並べた仕様メモはどんどん膨らみました。
でも実装に入ると、
同時アクセスやデータ保存の問題が次々出てきて、
気づけば締切4日前。
「このまま突っ込んだら当日動かない」と判断して、
集計はFormsに委ねました。
悔しかったですが、
"動かないシステム"より"動く道具+既存サービス"の方がずっと安全です。
まず動く → 安全にする → 育てる。
この順番に戻れたのは、結果的に正解でした。
失敗② 「仮メモ」という言葉だけでは伝わらなかった
もうひとつ想定外だったのは、UIの文言問題です。
テスト段階で同僚に触ってもらったら、
「これ押したら投票されるの?」と聞かれました。
ボタンのラベルを
「候補に入れる(まだ投票じゃないよ)」に書き直し、
司会台本にも「今は仮メモです」と繰り返し言うルールを入れました。
UIの文言と口頭の説明はセットで設計しないと混乱する。
これは実際にやってみないと気づけない教訓でした。
明日から試せる一歩
同じ状況(作品が多くて投票が重い)にあたったら、
まずは次の3つだけやるのがおすすめです。
1. 発表中に「仮メモ」を押せる仕組みを作る
ツールがなくてもOKです。
A4用紙を3列に区切って賞名を上に書き、
発表を聞きながら作品番号をメモするだけでも効果があります。
2. 仮メモは"候補"と明言する(投票と混ぜない)
「これはまだ投票じゃないですよ」と伝えるだけで、
気軽にメモできるようになります。
3. 最終決定は最後にまとめて行う(時間を区切る)
「発表が全部終わってから5分間で決めてください」のように、
決定タイミングを明示すると迷いが減ります。
この3つだけで、「覚えておく負担」がかなり軽くなります。
完璧なシステムを作る前に、迷いを外に逃がす。
まずはここからで十分です。
次の一手
次は、候補に「一言メモ(なぜ良いと思ったか)」を残せるようにしたいです。
賞ごとの判断軸が後から変わっても、
当時の自分の理由が残っていれば、最終決定がもっと楽になるはず。
#AI活用100本ノック 進捗:6/100
次回の実験:投票候補に「一言理由」を残すUIを追加して、最終決定の迷いがどれだけ減るか試します
ツール紹介してます:
追記(2026-05-17)
このアプリは、社内AI活用コンテストの2回目で使った投票補助でした。1回目は上司審査+60件を1.5時間で紹介する駆け足で、良作が埋もれてしまった反省があります。2回目はこのアプリを併用しながら全員投票に切り替え、応募25件を50分で丁寧に紹介できました。コンテスト2回の比較と「件数を絞って密度を上げる」気づきは、こちらにまとめています。
AI活用共有会を半年続けて分かった、研修より効いたのは社内コンテストだった
このnoteでは、現場改善・AI活用・小さな自作ツールの試行錯誤を記録しています。
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もし少しでも共感いただけたら、スキで知らせてもらえるとうれしいです。
みなさんの現場では、こういう「覚えながら決める」場面ってありますか?