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第2章 ㉒ 「うん。いいね。」主人に初めて嘘をついた日

    相変わらず体は疲れていたけど
    そんな生活にも慣れていった。

    朝7時半。
    娘を車で保育園へ送り、その足で会社へ行く。


    平日休みの日は主人のお見舞いへ行き
    外出許可が出た日は病院の1階にあるカフェで一緒に過ごす。


    それが、主人の何よりの楽しみだった。


    「今日は外出許可が出たから外でご飯を食べたいな。」


    「午前中、検査ばかりで疲れたから気分転換したいんだよ。どうかな?」


    メールが来ていた。


    正直、疲れていて体がしんどかった、、。


    でも、主人の気持ちを考えたら


    出来る事はしたいと言う気持ちが強かった。


    「うん。いいね。」


    1時間後、病室へ着くと
    着替えを済ませた主人が嬉しそうに待っていた。


    「肉も寿司も食べたいな。」


    「私も食べたいと思ってたの。」


    そう言った。


    嘘をついた。


    主人に初めての嘘をついた。


    「ほんとは食べたくないの。」


    「食欲ないの。」


    「もう、私、疲れちゃって。」


    「自分と娘の事で精一杯なの」


    また、心の中で叫んでいた。


    夫婦なのに言いたい事も伝えるべき事も言えなくなって言った。


    自分よりも主人が辛いのが分かるから。

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    sachi

     
     
    娘が生まれて半年、主人が癌になりました。 主人との闘病の日々を赤裸々に綴っています。 幼少期、10歳で母を亡くし、4ヶ月で家族が2人いなくなった。 これは、私の人生の記録です。 同じように苦しんだ人、誰にも言えない過去がある人へ。 少しでも、何かが届きますように。

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