
自分の親は自分で担当する。我が家のマイルール。
知り合いに話すと驚かれることがある。我が家には、自分の親は自分で担当するルールがある。
具体的には帰省するとき、両親との食事会のとき、両親との旅行のときなど、基本どちらか1人で対応する。ただそれらを絶対に行かない!と決めているわけではなく、気分が乗らなければやめようか、といった具合である。
だから妻との会話はこんな風になる。
妻「実家帰るけどあなたどうする?」
私「久々にご両親の顔見たいし行こうかなー」
私「今度実家にご飯食べに行くけどどうする?」
妻「人に会いたい気分じゃないからやめとくー。」
我が家は元々こうではなかった。というか私は実家とのやりとりは妻が行うものだと思い込んでいた。それは両親を見ていたからだ。
私の両親は両家の祖父母に対し十分すぎるぐらいの親孝行をしていた。還暦や銀婚式には旅行に連れて行ってあげたり、正月や誕生日などにはお小遣いをあげたり、毎週一緒に買い物に行ってあげたり。
その調整は主に母が担っていた。母も大変だったと思うが母はどちらかといと、自分の実家とか義実家関係なく、人のために何かをすることで喜びを感じるタイプなので率先してやっていた記憶がある。
私は母を見ていて、妻という生き物はこんな風に両家に献身的に接するものだと思い込んでいた。それは私が妻と結婚してからも当然のことだと思っていた。だから結婚当初は私の実家の両親とのやり取りは妻が担っていた。
結婚して数年経ってから、私たち夫婦は亡くなった祖母が住んでいた空き家に引っ越すことになった。理由としては単純でお金を貯めるために家賃0円という魅力にひかれたからだ。
当時妻は会社員を退職し一時的に無職だった。私は会社員でそれなりに忙しく働いていて家にいる時間が短かった。妻にとって残念だったことは空き家は私の実家から徒歩1分の距離だったのだ。
私の父はいいか悪いかは別にして人間関係の距離感が近い人間だ。それは父が自営業で日々地域のお客さんと接していたことに起因しているのかもしれない。
この距離感の近さは妻にとっては害悪でしかなかった。妻は無職期間を使ってエネルギーをチャージするためにゆっくりするつもりだった。ただ私の父は私たち夫婦が近くに住んでくれたことを喜んで毎日家に顔を出した。
ある日妻にこんなことを言われた。
「もう限界。なんで他人なのに毎日顔を合わせないといけないの?」
私は最初妻が何を言っているのか分からなかった。それは私の母がそんな風に言っている姿を見たことが無かったからだ。考えてみれば私は妻という存在が、義実家とどう付き合うかという基準について母の行動しか知らなかった。
母も若かりし頃は苦労したのだと思う。結婚して20年近くは義両親と一緒に住んでいた。それ以降は別々に暮らしていたが、毎日父の母である義母がお風呂に入りに来ていた。
私は母の完成形しか見ていなかったのだ。母の完成形を妻にあてはめようとしていたことに対し素直に反省した。もちろん固定概念というのはすぐになくなるものではなく、私の中でも葛藤があった。
「妻として私の親の世話をするのは当然でしょ」
そう思っていた時期もあったのだが、よくよく考えてみれば私にとって一番大切なのは、まず妻なのだ。次に両親や私の兄が来る。読者の方は「そんな当たり前のこと」と思われるかもしれないが、当時の私は本当に分かっていなかった。
そして大切なことに気付かされた。
妻の機嫌が悪くなると、私と私の周りの人間に影響する。
これは簡単な話だ。妻が私の両親に対して嫌な気持ちが募ると私たち夫婦の関係性は悪くなる。私は仕事をしていても同僚と飲んでいても、いつも妻の機嫌のことが気になってしまう。
つまり妻の機嫌が悪いことは、妻以外との関係性にも悪影響を与えるのだ。ここから単純な事実が導き出される。

私の場合、「①家庭」の妻との関係性が「②それ以外」のすべての関係性に波及してしまったのだ。夫婦関係とはお互い世界で最も信頼できる関係性だ。私は両親や友人も信頼しているが、それ以上に妻を一番信頼している。
言い換えれば妻の存在は私にとって「起点」となる。「起点」には私と妻の二人がいて、仮にその片方が不調になるとその周りへと影響が波及する。今回であれば妻が不機嫌なことだ。もしかしたらこれは些細なことかもしれない。
ただ私は人間関係は複雑系でバタフライエフェクトだと考えている。バタフライエフェクトとは、小さな変化が大きな結果につながることを意味する言葉である。ブラジルで蝶が羽ばたいたらテキサスでハリケーンが起きるという寓話で説明されるやつだ。
バタフライエフェクトで大切なことは「起点(初期設定)」になる。先ほどの話であれば蝶が羽ばたかなければハリケーンは起きないのだ。ちなみにこれは投資の世界でも同じことが言える。

これは毎月10万円を積み立てて、利回り5%で運用した場合、20年後に元本2400万円が4110万円になるというシミュレーションである。
ここで一番大切なことは「毎月10万円積み立て投資する」という「起点」だ。この「起点」は将来どうなるかは分からないが、4110万円という大金を20年後にもたらす可能性がある。
話が大きく逸れてしまったが、まず妻との関係性である家庭が起点となってそれが他に波及する。そうだとするのであれば、家庭を最優先に考えるということは私にとってのマイルールとなった。
これは別に妻のことを最優先に考えた結果ではない。私が機嫌よくいられることを結果、妻の存在が大きかったのでそうせざるを得なかったのだ。だから利他的というより利己的な考えだ。
世の中には家庭を二の次にする人もいる。私もサラリーマン時代の上司たちはそんな人が多かった。別にそれが間違っているとも思わないがこんなことを思う。
「それって疲れませんか?」
私の場合は妻の機嫌が悪いのを放っておいて、他のことに集中するのがどうしてもできなかった。それを無視して他のことに打ち込めることはもしかしたら才能かもしれないし、人間として大切な部分にガタが来ているのかもしれない。
振り返れば妻が私の両親にストレスを感じていることに対して、私は何度も父とやりあった。父にとっては当然のことに対して私が違うと言うのだ。結果的に今となっては父も不器用ながらいい距離感を取れるようになった気がする。
さいごに
自分の親は自分で担当するというルールは、両家の両親が元気だからできる話です。
これは前提として私たち夫婦が今の段階では無理なく両親と接することができるからであって、今後介護などの問題が発生したらお互い協力すると思います。
それにしても両親から受け継いだ固定概念はなかなかのもので、気づくのに時間がかかったなあと思います。でも時代背景が違うのだから私たちの中での正解を見つけるしかないですよね!
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