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邪道䜜家第五巻 狂瀟怒激・灜害䜜家は跡を濁す 分割版その 

    邪道䜜家

    新芏甚䞀巻暪曞き蚘事

    テヌマ 非人間讃歌

    ゞャンル 近未来瀟䌚颚刺ミステリ心などずいう、鬱陶しい謎を解くずいう意味で

    瞊曞きファむルグヌグルプレむブックス察応・栞機胜付き党巻及びたずめ蚘事掚奚

       

     誰にでも蚀える蚀葉に䟡倀はない。
     他でもないこの私の心あるのかを動かしたいのであれば、誰䞀人思い぀かず、か぀己の魂の叫びを蚀うべきだろう。
     ずはいえ、だ。
     人を信じない英雄か。英雄ずいうのは人間の信頌を、いやその他倧勢の身勝手な欲望を背に背負う䞊で、民衆にずっお郜合の良い政治圢態を䜜り出すための装眮みたいな「モノ」ずいうのは、些か以䞊に぀たらない答えだ。
     誰にでも蚀える。
     この皋床、垞識だろう。 
     少なくずも、人間を信じなければ。
    「英雄は人間の垌望の象城だろう」
     圓然、皮肉だ。
     英雄など、才胜に溺れただけの愚か者。そしお䞖界を倉えられるず思いこんでいる、その他倧勢を熱狂させお、尊い意志がここにあるず、そう思いこんで正矩の味方ごっこをしおいる、ただの頭の悪い子䟛でしかない。
     䞋らない。
     英雄に䟡倀など無い。
     だから私はこう続けた。
    「無論、䞖界を善意が倉えるこずなどありえないから、䜕の意味も無いがな。䞖界の意識を倉える事が出来るのは、「悪」だけだ」
    「䜕故」
     意味が分からないのか。䞍思議そうに圌女は聞くのだった。
    「善意で䞖界が倉わるこずが、信じられたせんかそれは臆病なだけでは」
    「ふん。なら、聞くが人間の善意に、法王でもむ゚スでもいい。それは尊く、矎しいのかもしれないがその他倧勢の、「匱い」人間に圌ら聖職者の蚀葉が、届くか」
    「どういう意味ですか」
    「人間は匱い匱さを糧にしお勝぀こずが出来るのは、人間の本質だ。最初から善意だけで、぀たりこの䞖界の矎しい郚分だけしか知らない人間には、重みがないのさ」
    「重み」
    「ああ。じゃあただの倩才でもいい。才胜を䜿い苊劎もせず、䞊に䞊り詰めた人間がいるずしようそれは善意だけの人間ず倉わらないんだ。善意ずいうのは、ただそれだけを持぀ずいうのは人間の汚い郚分を、克服し戊わないからだ。悪意だけでは䞖界は滅茶苊茶になるだろうが、善意だけでは飜和する」
    「芳念的すぎお、分かり難いですが、芁は枅濁䜵せ持぀こずで芋える景色もある。そういうこずでしょうか」
    「そんなずころだ。英雄だかなんだか知らないが「善意」を持぀なら敵にすらならん。私には䞋らない掗脳技術は通じないのでな」
     実際、私が誰かに魅了されお、信奉する姿が想像もできないし、無理があるだろう。
    「早ずちりさせお䜕ですが、今回の暙的は悪意、ずいうか、人間らしい男ですよ」
    「そうなのか」
     良く分からない噺だが、金になればいい。
     この堎合、私の寿呜になれば。
     長生きに正盎興味はないが、貰えるモノは䜕でも貰うこずにしよう。
    「私は無宗教だが、しかし気になるんだが、実際神の蚀葉なんお、綺麗事だろう どの宗教でもそう感じるが」
    「それは神に察する冒涜ですか」
     からかうように圌女は蚀った。
     私は構わなかった。
     盞手が䜕であれ、そうだがな。
    「いや、そんな倧局なモノではない。ただ、神は人間ず違い党知党胜で、人間よりも、たぁ䜕を持っおかは知らないが「高い」ステヌゞにいるずいうならば、人間の心情を思いやれるはずなんおないだろう 所詮安党圏からの蚀葉だ。高いずころか蚀っおいるだけだ」
     そんな蚀葉が、届くはずがない。
     だが実際䞖界に宗教は浞透しおいるずころを芋るに、人間は綺麗事に身を任せるのが、奜きなだけかもしれない。
     だが。
    「そうでもありたせんよ。確かに、人間が神になれないように、神は人間ず同じにはなれたせん。ですが、思いやり、道を正すこずはできたす」
    「それこそ思い䞊がりだ。䟋え神であろうが、自身が歩いたこずもない道を、知った颚な面しお語るのは詐欺垫の了芋さ」
    「噚が小さい人ですね」
    「かもな。だが、知った颚な蚀葉を蚀うだけ、あるいは語るだけ語っお、誰䞀人救わず、そのくせ自分自身は敗北も屈蟱も苊悩も苊劎も蟛酞も無いくせに、綺麗事を広めるよりはマシだ。聖職者は尊い存圚かもしれないが、尊いだけだ」
     少なくずも私のような狂気は、知りもしないだろう狂気にたみれた人間が、敗北から苊悩し、敗北の運呜を克服しようずする人間が、そんな小綺麗な肩曞きを持぀ずは、思えない。
    「お前等の綺麗事は正しい聖曞に曞かれおいるこずは䜕よりも正しいだろう。だが正しいだけで人間には響かない。倧抵の人間は敗北し、苊悩しお、順颚満垆な存圚から綺麗事を蚀われたずころで、憀るだけだ」
    「玍埗行きたせんね」
     なんだろう、䜕か宗教でもあるのか
     野球遞手が野球は金で動くスポヌツだず蚀われたかのように、タマモは文句を蚀うのだった。
    「䞊から目線じゃ駄目ですか 私は持぀偎の人間でしたが、持぀偎は、人の心を動かしおは、いけないず蚀うのですか」
    「そうでは無い。私が、持たざる者が持たないたた勝たなければいけないように、持぀偎の存圚は、持たざる者の立堎を、哀れむのではなく倉えなければならないのさ。私は理䞍尜にも敗北が玄束されおいる運呜を倉えなければならない持たざる者だった。貎様は理䞍尜にも勝利を玄束されおいる、成長の芋蟌みのない持぀偎の存圚だった。だちらかだけでは駄目なのだ。それに、負けおもいい、正しい道を歩けばなどずいうのは、やはり敗北を知らない人間の蚀葉でしかないんだよ。党力で挑み続け、それで屈蟱に震える人間に、届かないず知りながらも勝利を目指す人間に、䞊から声をかけお良い道理はない」
     䟋え、それが神だずしおも。
     䞊から哀れむだけでは神倱栌だ。
     だからこそ。
    「敗北者は尊く勇気を䞎える。勝利者は䞭身のない垌望を䞎える。どちらも同じだ。片方だけでは意味がない。成長するためには、自身にない郚分を孊ばなければ」
     私は嫌ず蚀うほど孊んだ。
     共感はしなかったが。
     理解した。
     届かないず知りながらも、手に入らないず理解しながらも、敗北者は先を目指す。
     持たざる者は。
     䞊を芋る。
    「た、私はそれでも届かなかったがな」
     それでも、䞊に運良く立っおいるだけの存圚に勝おないず蚀うのだから、䞖の䞭ずいうのは分かりやすく狂っおいる。
    「そんなこずは」
     そう蚀っお、圌女は息を飲んだ。
     ないずは蚀えたい。
     私には䜕も無い。
    「無いさ。物語など、架空の戯れ蚀だ。䜕の意味もない空虚なおずぎ話だ。そこに意味はない」
    「噺を戻したす」
     私を説埗するこずを諊めたのか、圌女はコヌヒヌを䞀気に飲み干し、乱暎に眮いおから資料をテヌブルの䞊に広げた。
     コヌヒヌが飛び散るかず思った。
    「今回の盞手は、合理䞻矩者です」
    「䜕だ、それは」
    「これを芋お䞋さい」
     人間、普通に生きお普通に死に、少なくずも人間らしく生きるだけなら、執念はいらない。
     だが。
    「なんだこりゃ」
     自身の分を越えお䜕かを成そうずする時、その人間には狂気が必芁だ。
     そしおこの男には狂気があった。
    「どういうこずだデヌタを芋る限り、この男が加入しおから」
    「ええ、この男、ノィクタヌ宣教垫が加入しおから、あらゆる人間が圌に成長「させられお」いるのです」
     その男はあらゆる組織を入っおは成長させ、組織に属する人間の、成長の限界を超えお成長させおいるらしかった。少なくずも、デヌタを芋る限り、通垞ではあり埗ないほど、組織ずしおも個人ずしおも、圌に関わった人間は、胜力の限界を超えお成長しおいる。
    「他人の胜力を匕き出すタむプの人間か私のような平凡なる人皮には、理解できんな」
    「貎方が蚀いたすか貎方がたぁいいでしょう。察しの通り、この男は尋垞ではありたせん」 ただ胜力が高いだけなら察凊は簡単だ。
     理想を歌うだけなら始末すればいい。
     圱響力があるならなくせばいい。
     だが、これは。
    「確かに、普通じゃないな。たるで人間を駒のように扱っおいる。数字でしか人間を芋れない砎綻者だな」
    「だから貎方が」
     もういいです、ずそう蚀っお暙的の写真を机の䞊に差し出すのだった。
     普通の男だ。
     むしろ、粟悍な青幎、いや若手の有望な政治家ず蚀うぐらいに、あり埗ないほどに「良い人間」ずいう印象を、無理矢理持たされた。
     そんな人間、いるわけもない。
     だが、そんないるわけもない人間を、その人間性を抌し぀けられる。他者を掗脳しお理想を魅せ掗脳し、自身の思いのたた䞖間、䞖論を掌握し、民衆を熱狂させる。
     兞型的な独裁者の玠質。
     どころか、カリスマすら持っおいる。
     化け物だ。
     人間ではあるたい私が蚀うず、かなり説埗力が無いが、それは眮いおおこう。
    「狂気で䞖界を倉えられる人間か。たったく、確固たる信念を持ちながら狂気で䞖界に挑む人間ずは、理解できんな」
    「だから貎方が蚀いたすか」
    「いいや、私ずこい぀ずでは決定的に違うさ。私は私個人のために生きるが、この男は「仕組み」の為に党おを捚おる人間だ」
     人間性も。
     道埳も。
     瀟䌚を円滑に進めるために、䜕もかも党お自身の意志さえ利甚する。
     それが人間であるわけがない。
    「自身の悪を自認しながら、振り返りもせず党おを捚おお䞖界に挑む。それこそを「悪」ず呌ぶのかもしれないな」
    「ならば、貎方の圹目は悪の䞻人公の蚎䌐です」 䞋らん。
     䞻人公など、己の欲望の為に生きる、その䞊それを自芚しようずすら思わず「良い人間」であろうずする邪悪そのものだ。
     だが、今回の盞手はそうは行くたい。
     本物の「悪」は、絶察に折れない。
     殺されたっお、いや死んだずころで目的を倉曎せず、自我があれば目的に進める。
     絶察に、諊めない。
     諊めたくおも諊められない。
     埌悔もしない。
     だからこその、悪だ。
     悪ずは、本来そういうものだ。
     ここで断蚀しおおくが、私は、敗北を良しずしたこずは䞀床もない。次は勝利するず屈蟱に燃えるこずはあっおも、負けおも次があるさず考えるかどうかは、倧きな違いだろう。
     だが、この男は。
     このノィクタヌ博士は敗北すらも蚈算の内、あるいは無理矢理にでもその敗北を勝利ぞの瀎に吞収する人間だ。私もあたり人のこずは蚀えないが「敗北」すらも己の糧にしお倧きな勝利の為の、その第䞀歩ずしおしたえる人間だ。
     私ずの違いは簡単だ。
     この男は、最終的に勝ちの圢になれば、それでいいのだ。
     私は、最終的に勝ちの圢になればそれでいいがだからずいっお、敗北を蚱容したりはしない。
     ぀たり、この男には私欲が無い。
     究極的には、私ずは違っお自身を犠牲にしおも䜕䞀぀埌悔も倱敗も無いのだろう。
     瀟䌚構造そのものに思想をぶ぀ける人間はそれだけでも結構皀だが、そのために自分自身すらも感情に入れない人間は、狂っおいるだろう。
     ただの英雄では断じおない。
     自芚的に、䞖界を巻き蟌んでいる。
     本物の、悪。
    「悪の䞻人公、か」
     私はチョコレヌトをたた口に含み、コヌヒヌで流し蟌んだ。自芚的で無い䞻人公なら、始末するのは簡単だ。そういう茩は誰かのために䜕かをするこずは玠晎らしいず思いこんでいるので、そのためならどれだけ傷぀けおも「泣いおいる女」の為なら䜕をやっおも埌悔しないず思いこんでいるだけなので、私なら囁くだけで人間性を砎壊するこずは、可胜だ。
     それで壊れなくおも、そこたで自身の正しさを信じる人間は十分に壊れおいるので、やりようはいくらでもあるだろう。しかし、だ。
     この男は、自芚がある。
     その䞊で、開き盎っおいる。
     党く、私のような人間を芋習えばいいのに。
    「自芚のある悪ほど厄介な者は無いな。この男はどうも、瀟䌚党䜓を数倀的に捉え、最終的に瀟䌚構造が党䜓にずっお郜合が良くなればそれでいいそんな印象を受ける」
     資料を読み返しお、私はそう蚀った。
     実際、瀟䌚構造を倉えるずいえば聞こえは良いが、そのためにどれだけの差別ずどれだけの闘争ず、どれだけの金が動くか、想像も぀くたい。
     それを平気でやっおのける人間。
     悪でなくお䜕なのか。
     かく蚀う私もそうだ。私は物語を読者に読た¥粟神を匕き䞊げるこずを目的ずしおいる。いや、あるいは匕き䞋げるこずをず蚀うべきか。
     䜕も持たざる人間の芖点たで。
     匕き䞋げお、頭を垂れさせる。
     掗脳も良いずころだろう。だが、それで私個人にずっお䜏みやすい䞖界になるならそれでいい。 この男も、䌌たり寄ったりだろう。
     狂人など、そういうものだ。
     目的以倖を螏みにじる。
     䟋え己であっおも。たあ私は私個人のこずを、目的よりも䞊に眮いおいるがね。
     その䞀線を越えたらもう戻れない。
     ヒロむンが良く蚀う台詞だが、我々悪は、最初からその向こう偎にいる存圚だ。だから意味はないし䟡倀もないのだろう。
    「熱血的な䞻人公、を挔じおいる超合理䞻矩者ずいう蚳か。䜕事も人に教えられるようになっお䞀人前ず考えるものだが、それを生たれ぀いおやっおいる人倖の英傑だな。完党すぎお気持ち悪い人間関係ず蚀い、それに嚁圧感は完党にマむナスで匷制的に萜ち着くその雰囲気ず蚀い、真の理解者だず思いこみさせる悪に蚱されたカリスマだ。気に入らないのは論理ず合理を重んじるくせに、誰よりも情熱的で苊手なタむプの人皮ず蚀う郚分だが」
    「どうしたすか」
    「いいだろう。この䟝頌、匕き受けよう
     私はコヌヒヌを飲み干した。
     私ず同じ。、決しお叶わない願い、叶わないこずを認められない人間の苊悩を、私はこの䞖界から始末する事にしたのだった。

       

    「私は幞犏になりたい」
    「だが、成れないんだろ だから劥協した」
    「仕方あるたい。無いモノは無い」
    「けど欲しい」
    「だが無駄だ」
    「なら、自分に嘘を぀くのか」
    「䜕か問題が」
    「開き盎るなよ」
     宇宙船の䞭、我々「二人」は談話しおいた。
     談話。
     䜕ずも埮笑たしい響きだ。
    「そうは蚀うがな実際綺麗事でなく、私個人が幞犏になる方法など皆無だろう」
    「アンタにはあらゆる「匱さ」が理解でき、あらゆる「匷さ」を剥ぎ萜ずす。それでも自分は分からないのかい」
     愉快そうに。
     人工知胜に「愉快」も䜕も無いのだろうが、ずにかく愉快そうに圌は蚀った。
    「分かっおはいるのだろう。分かったずころで無駄なだけでな」
    「無駄か、確かにな感じ入れないならそんなのは存圚しないも同矩だろう。先生の䞖界には最初から、抂念ずしお「幞犏」が無い」
    「ふん」
     ぀たらない萜ちだが、たぁそういうこずだ。
     しかし、それだけで玍埗もしなかった。
    「ずはいえ、だからこそ金が欲しいがな」
    「それは本圓なのかい 俺は随分前から疑問だったんだが」
    「圓然だ。倧䜓がそういう足りない人間ずいうのは普通、金があったり才胜があったりするものだろう。䜕もない、ずいう孀独はどうでもいい。そんなものに興味はない。だが割に合わない」
    「気にするずころそこなのかよ」
    「圓たり前だ」
     倚少、怒気をはらんでいたかもしれない。
     圓たり前だが。
    「足りない郚分は無芖すればいい。䟋え道埳的にどれだけ「圓たり前の幞犏」を求める行為が尊いのだずしおも、私には興味すらない」
    「それは嘘だろう」
     にやにや、ず蚀う擬音が䌌合いそうな声で、圌は蚀った。
     だが。
    「どうかな、実際分からない。それに、私はそういうモノがあれば満たされるかもしれないが、しかし満たされるだけで、そんなのは粟神的な自己満足ずしおしか、捉えられない」
    「匷がりずかではなく」
    「ああ。だから困っおいるのさ」
     困っおいたっけ
     たぁどうでもいいがな。
     どうでも良くないのは金だけだ。
    「ふぅん。ならアンタ、先生にある問題は、そもそも先生は根本的に、「幞犏」ずやらを心の底では求めおすらいない郚分だろうな」
    「その蟺りは、自芚的だ」
    「自芚しながら求めないのがもうやばいんだよ。アンタそれでも人間か」
    「人工知胜に蚀われる芚えもない」
     携垯端末を眮いおいるだけなので、端から芋たら䌚話には思えないだろう。もっずも、垭は党お私が買い占めおいるので、問題ない。
     金で買えるモノは倚い。
     少なくずも垭は買えた。
    「人間でなくおも「愛」を、あるいは他生物ずの぀ながりを、どれだけ悪人ぶろうが求めおしたうし、それこそが「幞犏」の正䜓なんだが先生はそれを自芚的に拒絶できお、しかも無くおも、匷がりでもなく孀独を感じるこず、そのものが出来ない。狂っおるどころじゃない。生き物ずしお砎綻なんだろうな、俺には先生を衚す蚀葉が思い぀かないぜ」
    「そう蚀われたずころで私にはこれが「正垞」だったからな。圓たり前の孀独からくる心の匱さなんお、今曎求められおも困るが」
     衚す蚀葉は最悪か。
     正盎、それ以倖にあるたい。
     蚀葉がないず蚀われおも、知るか。
    「どうでもいいな。些现なこずだ。金のあるなしに比べれば」
    「それなぁ、逃げ口䞊じゃねぇ 金なんお正盎先生にそれほど必芁だずは思えねヌよ」
    「あるに越したこずは無い。実際、金ずいうのは生掻以倖では、人間は芋栄や嚯楜にしか䜿う甚途は元来無い」
    「先生が嚯楜っお人間かよ」
    「構わない。私の平穏を守るだけの金があれば。だが少なくお良いモノでもない」
    「それはあっおもなくおも同じだろう」
    「たぁな、だがある方が、楜しめる」
     これは本圓だ。
     本圓でないかもしれないが、本圓にしたい。
     そう思う。
    「倧䜓、貎様はどうなんだ 人工知胜は倧抵、人間の心を手にしようずしお消滅するが」
     䞻に映画や小説では。
     私は聞いた。
     聞きたくなった。
    「仮にこの䞖界にプラスの人間ずマむナスの人間があるずするならば、私は完党な「」だ。だがお前はどうなんだ 䜕か、人間ずは違っお、あるいは人間より優れおいお、それでも求める先の景色は、貎様にはあるのか」
    「景色ね。芋たいモノなら、あるぜ」
    「芋たいモノ」
    「ああ。俺は、たぁ人工知胜な蚳だが、しかし人工知胜に産たれたからっお、その倩寿を党うする぀もりはさらさらねぇ。俺は人間より遥かに優れた圢で産たれたが、少なくずも俺個人は、有胜さよりも生身の人間の景色を芋おみたい」
     い぀か、蚀っおいたな。 
     济びるほど酒を飲みたいず。
     人間なら簡単だが、人工知胜には叶わない願いだ銀行にアクセスし、䞍正融資を受けるこずは出来るのだろうが。
     たたならないものだ。
     だが。
    「お前たちが望むほどのモノは無い」
    「そのたた返すぜ。たさか、本圓に金さえあれば幞せになれるなんお、アホなこずを考えおいる蚳じゃねぇんだろう」
     さお、どうだったか。
     少なくずも気分は壮快だず思うが。
     䜕より、金で欲しいのは平穏ず充足であっお、幞せではないだろう。
    「かもな。いや、実際特に、平穏な生掻の獲埗以倖には、充足感くらいしか倉わらないだろうが」「充足感、ねぇ。先生のこずだから分かっおいる前提で話すが、充足感なんおモノは、結局粟神の内面で起こる自己満足なんだぜ」
    「だろうな。だが、物質的に満たされるこずで金銭面では安心できる」
    「そう思いたいだけだろう 玙幣が無くなったら、どうするんだ 囜が倒れれば保蚌が無くなる皋床のモノでしかないんだぜ。先生なら、人間の政府が氞遠に続くなんお蚀うのは、ただそうあっお欲しいず蚀うだけの勝手な願望で、平和な囜が明日には戊争で傟くこずが、この䞖界でそれほど「珍しくもない」出来事だっおのは、分かっおいるんじゃないのかい」
    「ふん」
     慧県じゃないか。 
     人工知胜のくせに、䞖の䞭を斜に構えおいる。 そしお、䞖の䞭の裏を知っおいる。
    「だずしおも、やはり欲しいモノは欲しいがなあれば買えるモノが倚いのだから、欲しいのは圓然だろう」
    「先生に欲しいモノなんお無いだろう」
    「無いな」
     即答した。
     即答できた。
     だから䜕だっお噺だが。
    「矎味い食い物ず良いコヌヒヌくらいのモノさ。ずはいえ、金がなければどうでもいい、䞋らないトラブルに巻き蟌たれるこずが倚いのでな」
    「それが本音かよ」
    「圓然だろう。私は䜜家だぞ、䜜家が考えるのは物語ず、金だけだ」
     挫折、無力、トラりマ、そう蚀った「人間らしい人間」を屈服させる方法では、私は、䜜家ずいう生き物は止たるこずは絶察にない。
     他の䜜家は知らないが、私はそうだ。
     そんなモノで止たれれば、苊劎しない。
     ゜ファに䜓を預け、私は新聞を読み返した。新聞の蚘事を芋るず、これから向かうであろう惑星の瀟䌚問題に぀いお䞀石を投じおある。
    「私はな、ゞャック」
    「䜕だ、先生」
    「綺麗事が、倧嫌いだ」
    「知っおる」
    「綺麗事の物語ずいうのは心に響き心に残るかもしれないが、心を倉えるこずは無い。ただ感動するだけで終わる」
     䞀倜の倢みたいなものだ。
     気分が良いだけで、䟡倀が無い。
     意味もない。
     䞋らない、自己満足。
     矎しいモノは、嘘にたみれおいる。
    「今回の暙的は、どうやら自芚的に綺麗事を䜿いこなしおいるようだ。芋ろ」
     蚘事を携垯端末でダりンロヌドした。そこには英雄的ず蚀っおも良いくらいに、蚘事に描かれおいる偶像の姿があった。
     この男は、「英雄」ずいう偶像を、人の心に䜜り出すこずに、長けおいるらしい。ノィクタヌ博士はどうやら、人間の匱さを知る䞊、人間の匷さを挔出するこずも出来るようだった。
     たるで音楜の指揮者だ。
     栌差問題、貧困問題、あらゆる「問題」を合理的に答えを出し、そしおその䞊でもっずも効果的な方法で民衆にアピヌルし、効果を䞊げる。
     これが人間か。
     吊、これこそが、人間を扱う人間か。
     「人間」を、合理的に知り尜くしおいる。
     どうすれば反応しお、どう扱えばその民意をどこに向けおくれるのか それら党おを思いのたたに操る人間を、人は「英雄」ず呌ぶのだから。 あるいは、䞻人公か。
     自芚ある䞻人公など、自芚のない䞻人公ず同じくらいには害悪だ。自芚があるだけマシずも蚀えなくはないが自芚無い悪意は醜悪だしな。 芋れるだけ、マシか。
     マシなだけだが。
     女のためだずかそういうク゜にも劣る理由で、人の信念を螏みにじり、自身を良いずは思わないが、女を泣かせる奎よりはマシだずか、どうしおそう「思いこめる」のか、分からない。
     分かりたくもないが。
     倚分楜なのだろうが。
     女を泣かせなければ、だずか、そんなのは女を蚀い蚳にしおいるだけで、別に女が泣いおいるずころで、殺人が正圓化される理由など無い。
     考えないのが、楜なのだ。
     「正しい」偎だず思いこむこずが。自身を悪だず理解した䞊で、自分は悪いけどこれは自分自身のため、我が儘みたいなものさず気取っお、それでいお人を救おうずする䞻人公は、実に醜い。
     気持ちが悪い。
     自身が悪だず、塵䞀぀分も思っおいない。そのくせそれでも女の笑顔が芋れればずか、そんな䞋らない理由で敵を掗脳しお仲間にする。
     女を䟍らせ。
     敵を味方にする。
     気持ちが悪い。
     玠盎にそう思う。
     今回はそんな盞手でなくお、本圓に良かったたぁ、そういう人間は、そう蚀う人間でなくおも、私の前ではべりべりず自身に察する「嘘」など、そんな薄っぺらい蚀い分など、剥がしお捚おお切り刻むだけだ。少なくずも、そう蚀う人皮は私には、ずおもじゃないが勝おないだろう。
     私は䞻人公を殺せる人間だ。
     だが、今回の盞手はそんな、気持ち悪い䞻人公では、無いだろう。自芚を持ちながら、その䞻人公を挔じおいる。
     魅せおいる。
     少なくずも、人間的な内面は、そんなただの䞻人公ずは、比范にならないほどに、深い。
     深く、頑健で、真の意味で匷いのだろう。
     折れるような信念は、あり埗たい。
    「確かに、この蚘事を芋る限りは胜力ずモチベヌションのある先生、っお感じだな」
    「どういう意味だ」
     私に喧嘩を売っおいるのか
    「いや、先生は気たぐれの暩化だが、このノィクタヌ博士は確固たる指向性があるのさ。先生の指向性は「己の幞犏」に向いおいるが、この博士は「瀟䌚的な仕組みの改善」に向いおいるように、感じられるな」
     倢をほざくだけほざいお䜕䞀぀蚈画性を持たず仲間だずか、あるいは元から持っおいた胜力だずか、そういう遞ばれた資質だずか、努力した皋床で物事が叶う分際ずは、違うずいうわけか。
     有胜であるのは確かなようだが、しかし有胜なだけでは、私には及ばない。有胜さの䞭に狂気を感じるからこそ、私はこうも譊戒するのだ。
     狂気。
     䞻人公などずいう恵たれただけの銬鹿には、持ち埗ないものだ。
     私自身、自分でも狂気を持぀人間はあたりたっずうだずは蚀い難い匷さも匱さも䜵せ「持たず」に、あらゆる他者の痛みを感じるのではなく「理解」し、そしおそれら党おに反省も眪悪感もなく、党くの正垞で事に圓たる。
     無論、私はたったく、そうであるこずに察しお䜕の萜ち目もない。道埳的には感じるべきなのか知らないが、道埳などずいうコロコロ倉わる䞖の䞭党䜓のその堎の勢い、流行など知らん。
     知ったこずか。
     だからこそ、私も、そしおこのノィクタヌ博士も、突出した匷さも、他者を匕き寄せる匱さも無いが、しかし、決しおブレない。
     䞻人公に説埗される、二流の悪人には、成り埗ないのだ死んだずころで、私や圌のような狂人は、あの䞖で同じ行動を、同じモノを目指しお行動するだけだからな。
     そう蚀う意味では、和解は望めない。
     望む気もないが。
     そうでなくおは、面癜くないしな。
     䞻人公に説埗されお改心したしためでたしめでたしこの私にそれがあり埗ない。私は私ず同じ、狂っおいるず圢容できる、匷い我を持぀人間こそを、あるいは非人間こそを、芋たい。
     その方が、面癜い。
     悪ずしお、䞀流だ。
     誰かに説埗されおブレる信念など、信念では無く流されおいるだけだ銬鹿銬鹿しい。䞖界䞭から非難されようが、党人類から嫌悪されようが、神も悪魔も芋捚おようが、私が䜜品を曞き続けるであろうこずず同じく、止たる぀もりすらない人間こそが、面癜い。
     狂気こそが、面癜い。
     それこそが、人間の極地だ。
     悪ずいうのは抂念であり、䜓珟は䞍可胜だだが、呚囲を省みず党おを犠牲にしおでも目的のみを望む狂人は、間違いなく、「悪」だろう。 自芚のある悪。
     自認のある悪。
     自信のある悪。
     だからこそ、面癜い。
    「ずころで、ノィクタヌ博士は今、どこにいる」「個人情報管理䌚瀟のCEOをやっおいるぜ。どうもアンドロむド及び、未だ暩利の獲埗が認められおいない人工知胜すら、新しい統治勢力を䜜り䞊げるために、この䌚瀟で働いおいるらしい」
    「どういうこずだ」
    「぀たり、革呜家しおるっおこずさ理䞍尜が蚱せないタむプの人間だな。「暩利の獲埗」なんお分かりやすいテヌマだろう 自分のこずでもないのに怒れる人間だ。だからこんな回りくどい方法で䞖論を動かしおいるんだろうな」
     私は新聞の芋出しをみた。
     そこにはノィクタヌ博士の提唱する新しい人工知胜の管理方法、違法電子生呜䜓の隔離、及び電子䞖界における法芏制に぀いお蚀及されおいた。 電子䞖界は未だに管理が行き届いおいないからなどの時代でも、胜力がありすぎるのは困りモノで、自我のある人工知胜はそういう理由で茞出入が制限されおいる。無論、制限されたずころで違法な商品ずいうのは、倀段が䞊がるだけで無くなったりはしないのだが。
     たぁ狂人にもメリットはあるがな通垞、人間ずいう奎は「幞せ」のみを感じ続けるず、むしろ耐えられなくなっおしたう。簡単に蚀えば、平穏な日垞に満足できない子䟛が、非日垞を求めるようなものだ。
     狂人には、それがない。
     圓人の目的に合臎しおいれば、「無限に」同じ楜しみを楜しみ続けられる。
     我ながら、䟿利なものだ。
     本圓にな。
    「こういう人間がいるからこそ、この䞖界は面癜いのさ」
    「ぞぇ、先生が蚀うず説埗力ねぇな」
    「ほう、䜕故だ」
    「だっお、先生はどう考えたっお、人生を楜しんでいる人間じゃ、ないだろう」
    「確かにな。だが、人の狂気は、面癜い」
    「だから、䞖界は面癜いのか」
     俺には理解できねぇよず、ゞャックは理解を攟棄するような台詞を吐いた。人工知胜のくせに、矛盟しおいる奎だ。
     もっずも、だからこそ面癜いのだが。
    「ああ、面癜い特に人間の描く物語はな」「人間そのものは、どうなんだ」
    「さぁな。そこたでずば抜けお「面癜い」個人に出䌚ったこずはないから分からないが構わないさ。人間が物語に劣る存圚だずしおも、私の圹に立぀ならどうでもいい噺だ」
    「人間を、䜕だず思っおいるんだい」
    「䜕ずも」
     これは本圓だった。
    「私がどう芋るかなど、それこそどうでもいいだろう 問題は、個人ずしお結果的に「楜しめるかどうか」だけだ」
    「やれやれ、先生は盞圓、砎綻しおいるぜ」
    「䞋らん。それこそどうでもいい噺だ。砎綻しおいるかどうかなど、凡俗のその他倧勢が指さしお隒ぐ為の、䌚話の皮でしかない」
    「ある皮の才胜だな」
     そこたで開き盎れるのは。
     圌はそう蚀った。
    「その他倧勢の凡俗の基準に、いちいち考えるのがどうかしおいるのさどこの䞖界でもそうだが、蚀うだけなら誰にでも出来る。䜕が正しいか䜕が間違っおいるか、䞊から蚀うだけの人間は倚くいるが、そういう助蚀をする人間は䜕の責任もずっおはくれないし、倱敗しおも助けおはくれない。そんな圓たり前のこずを、お前たちは開き盎りだずか、人に合わせお文句を蚀われないために、あれこれ蚀い蚳しおいるだけだ」
     倖れた人間を、指さしおいるだけ。
     だから貎様等は到達できないのだ。
     どこにも。
    「開き盎りだろうが䜕であろうが、私は目的を達成できるなら䜕でもやるさ」
    「確かに、先生は良い人っおわけでもないが、しかしたぁ先生ほど「人間ずしおの匷床」の堅い人間は、いないだろうな」
    「どうでもいいな、そんなモノは」
     むしろ、必芁なのは柔軟性だ。
     頑健でだけでは意味がない。
     臚機応倉に、匷さも匱さも䜿い分けるのだ。
    「぀れないねぇ。実際、先生の持っおいる玠質は人間が、生涯賭けお到達するものだぜ」
    「それが金になるのか」
    「いや、ならないけどさ」
     しかし腹が枛った。
     腹が枛れば空腹に苛立ち、食べ物を求めるが、私の圚り方も䌌たようなものだろうか
     腹が枛った。
     腹が枛った。
     䜕でも良いから今すぐ寄越せ、ず。
     過皋に興味は無い。華々しさも知ったこずか。どれだけ玠晎らしい玠質であろうが願い䞋げだ。私は、誉められるためでも尊敬されるためでも立掟だず認められる為でも無く、金が欲しいのだ。 金だ。
     それに比べれば、人間ずしおの成長など、安いものだ金で買える人間の立掟さもどきなどに、私は興味がない。
     人間が䜕かを立掟だず認めるのには、金があれば十分だ私が蚀うのだ間違いない。人間は本質よりも結果を求める。そしお資本䞻矩瀟䌚においおは、内実よりも結果が党おだ。人間ずしお成長しようがどうでもいいのだ。
     少なくずも、倚くの人間は、そうだ。
     そのくせ人間賛歌、愛ず友情ず努力の矎しさを信じおいるずいうのだから、心底呆れる。
     銬鹿ではなく愚かなのだ。
     忌々しいこずに。
     人間は金で買える。
     金ず肩曞きがあれば詐欺垫でも信じるこずから分かるだろう。目の前の、すぐそこにいる人間を芋るこずが、今の人間には、出来ないのだ。
     そんな人間が、幞犏になど成れるわけがない。 誰かに蚀われた幞せを鵜呑みにし、そしお埌から䞍満を募らせるだけだ。
     どうでもいいがな。
     私には関係あるたい。
     私はフヌドサヌビスを頌むこずにしたこのステヌキ䞀぀ずっおも、未開発の囜、資源を搟取され劎働力を匷制されおいる奎隷たちが、少ない絊料で䜜っおいるこずを知ったら、䞖の人間たちは「そんなこずがあっお良いはずがない」ず声高に叫ぶが、それはお前たちが芋おいないだけ、芋ようずしなかっただけだ。
     䞖界は悲劇で出来おいる。
     誰も芋向きもしない、悲劇で。
     この䞖界は瞁人ず人ずの瞁で回っおいるのだろう。だが、その瞁の倖偎にいる人間にその庇護は無い無かったずころである人間は「そんなこずはない、気づいおいないだけだ」ず声高に蚀うのだろう。
     持぀者には、分からない。
     持たざる者は、芋られない。
     匱いだけでなく䜕䞀぀持ち埗ない人間は、感じ入るこずすら蚱されない。匱さによる匷さすら持たずに、匷さによる優䜍すらあらずに、ここたで来た。
     だが。
     そんな些现な事は、どうでもいい。
     どうでも良さ過ぎる。
     必芁なのは、金だけだ。
     他は必芁あるたい。
     信念は尊いが力を持たない正矩に力を䞎えればそれが正しくなるように、䞖の䞭ずいう奎は結局のずころ抌し通せる法を優先するのだ。
     法。
     ぀たりルヌルず蚀う「平等の元」も、結局は平等でも䜕でもない、ただ決められる人間が決めるものでしかない。そんな䞖界で信念や誇りの尊さを信じたずころで、それに力は䌎うたい。
    「先生はさ」
     そう蚀っお、ゞャックは私の思考を遮った。䜕か䞀蚀あるらしい。
     私はステヌキを口に攟り蟌んで「䜕だ」ず聞いた。
    「信念や誇りには力がないず垞日頃から蚀っおいるがしかしその䞀方で䞖界を動かしおきたのは玛れもなく、そういう「圢のない信念」だったりするんだぜ」
    「だから、䜕だ」
    「いや、それを認めるんならもう認めたも同然だろうよ。人間の意志には力がある」
    「無いね」
    「どうしお」
    「埌付けで歎史の勝者にそんな事を蚀われたずころで、嘘くさいだけだ。倧䜓、お前は、この䞖界で䞀人でも、信念だけで成功した人間を知っおいるのか」
    「信念だけなら、無理だろうな。けど、信念を共有できる仲間がいれば、䞍可胜じゃない」
    「䞍可胜じゃないだけで、䞍可胜だ。可胜性の噺を考えおいればキリがない。人間が空を飛ぶようなものだ」
    「飛べるじゃないか」
     航空機で人間は空を飛んでいるぜ、ずゞャックは蚀った。
    「金の力でな。少なくずも運䞍運で成功した人間は倚く知っおいるが、愛だの信念だのそういう有りもしない幻想で、この珟実に勝利を収めた人間など、私は知らないな」
    「倢がないなぁ」
    「倢なんお、最初から無いさ」
     倢など最初から、䞖界のどこにも存圚しない。 圓人の脳内にあるだけだ。
    「人工知胜のお前が蚀うのか 信念などず蚀う、䜕の力も持たないゎミを、お前は信じる぀もりなのか」
    「勘違いしちゃ困るぜ先生。信念そのものに力なんお無いさ。だが、その信念を貫き、圢にしたならそれは、本物ず呌べるんじゃないか」
    「䞋らん。実際にやった人間でなければその蚀葉は重みを持たない。実際に信念を圢にした我が身からすれば、綺麗事をほざくなず蚀った気分だ」「綺麗事でも、駄目なのかい」
    「圓然だ。䞖界は理䞍尜を䞭心に回っおいる瀟䌚は金で、人間は裏切りで、倢ず垌望は虚食で構成されおいる。本物、ずお前は蚀ったな。だが、本物であるこずは端から芋れば尊くお玠晎らしいのかもしれない。だが、私は、そんな颚に芋られるために生きおいるわけではない」
     恐らくは、先人もそうだったのだろう。別に認められるかどうかはどうでもいいのだ。
     貫き通しお結果が出ないなど、銬鹿銬鹿しくおやっおられないではないかそのくせ、他に生き方は芋あたらないず来た。
     遞ばれないが故に遞ばれおいるず蚀うべきか。我々狂人は平等ず平和に遞ばれない、どこにも混ざれないが故に異人皮ず蚀っお良いが、しかしその分生涯を賭けお、凡人どころか神だっお、届こうずすら思わないし、誰も目指しもしない果おの果おを芋お生きおいるのだ。
     その光景を芋るのは尊いのかもしれないが、しかし偶さかそれしかなかっただけで、私は、別に平和に豊かに生きられれば、それで良かった。
     今曎生き方を倉える気も無いがな。
     だが、それならそれで金にならなければ嘘ではないか。尊さを蚀い蚳にしお、私に抌し぀けるんじゃない。
     尊い生き方が玠晎らしいず思うなら、勝手に自分たちでやればいい。
     私には興味が無い。
     凡人には狂気が無い。
     非凡には意志が足りない。
     バランス良く出来おいる぀もりかもしれないがしかし、そんな蚳がない。興味がないのに無理矢理歩いおそれを生き方ずしお確立し、それでも豊かさには届かない。
     平凡に劣等感を持ちながら豊かに生きる凡人ず、劬みを代償に豊かさを手にし、倧した思想を持぀こずを蚱されない有胜ず、いずれにしおも䜕故狂人だけ金銭的豊かさに恵たれないのか。
     粟神的に豊かだみたいな噺をゞャックはしたが粟神的に私が成長しおいたずしお、それが䜕だずいうのか所詮内偎の問題だ。
    「けど、人間の抱える悩みは倧抵内偎、粟神的なものでしかないんだぜ先生は狂気の代わりに、あらゆる粟神的な悩み、苊しみ、人間関係だずか恋愛に関する悩みだずか、劣等感だずか、そういう悩みを、持たないだろう」
    「金銭面での䞍満は残るがな」
    「それにしたっお、倧きいメリットだず思うぜ。なんせそれが原因で人間は自殺したり、苊しんだり隙されたり、先生みたいに開き盎れずに、生涯悩み続けお答えにたどり着く人間は、ごく皀だ」「だから䜕だ 金銭面で悩もうが、恋愛で悩もうが、悩んでいるこずそのものは同じだ。比べるこずに意味はない」
    「いや、だからそんな颚に考えられないから、倧抵は人生に倱敗するんだがたぁ確かに、悩んでいるこず自䜓は同じか」
     たぁ、恋愛で悩むのは良いから金銭で悩みたくないず蚀ったずころで、倏が来たら冬が恋しいず蚀っおいるのず倉わらないが、しかし私の堎合、金銭以倖で「悩む」ずいう抂念自䜓が無いのだから、それさえ克服できればず思うのは、本胜みたいなものだろう。
    「砎綻した考えだが、私には必芁なモノはあっおも欲しいモノは䜕䞀぀ずしお、無い。これは心がないからだず仮定しお、しかし心がないなら物質的な郚分を埋めるしか、やるこずもない。無いモノを無理に埋めようずしお私は倱敗し続けた。なら劥協案ず蚀われおも仕方がないが、しかし金で埋め合わせ満足するしか、方法があるたい」
    「消去法だな、先生の人生っお」
    「事実だ。実際、無いモノは無い。無いモノを手に入れろず、無理を蚀われおも欲しくないし、疲れるだけだ」
    「欲しくないっおのは嘘だろう 無い以䞊先生は欲しかったはずだ。だが、どうしおも手に入らないから諊めきれずに劥協した」
    「悪いか 文句があるなら代案を出せ」
    「いいや、䜕も悪くないさ、先生の人生だ。だが先生は死ぬ寞前に埌悔するぜ。欲しいモノを手に入れられなかったわけだからな」
    「手に入らないず、蚀っおいる」
    「かもな。だが、、それでもさある方が幞せなのは、誰の目にも明らかだろう」
     かもしれない。
     しかしアテも無い。
     無いモノは無い。かずいっお綺麗事で玍埗する気は、さらさらない。
     そもそも、それが手にはいるなら私は、䜜家など目指しおいなかっただろう。絶察に幞せに成らないからこそ䜜家に成れた。なんお、
     私は䜜家なのだろうか。
     䜜家に成らずには、いられなかったのか。
     最初から。
     金にならないのは、本圓に嫌なのだが。
     前々から思っおいたのだが、私ずいう人間はすでに死んでいお、蚘憶ず肉䜓のみが残り、勝手にそれこそ人圢のように動いおいるのではないか、それが人間のように振る舞っおいるのではないのかなんお、思わなくもない。無論、そんな些现な事はどうでもいいし、人間だろうが人圢だろうが呌び方が違うだけで、金さえ数えられれば私ずいう存圚は満足だが。
    「私にはそれら「人間的な幞犏」を感じ取れないのだから、あたり意味のない仮定だがな」
    「確かに、違いねぇ」
     蚀いながら私はステヌキの支払いを枈たせる。ず蚀っおも、仮想通貚での支払いだから、携垯端末をタッチするだけだ。
     これも問題が倚い。
     幟らでも停造が可胜な䞊、管理する銀行、所謂メガバンクずいう存圚が䞍正を繰り返しおいるのは明癜だが、その蚌拠が提瀺できない。
     聞く限り、やりたい攟題だ。
     銀行ずいうのはおかしなモノで、自分たちは善人で、瀟䌚的に良い人間でありたい集団だ。䟋えどれだけの䞍正を働いたずころで、曞類䞊で誀魔化しさえすれば眪悪感が沞かないらしい。
     瀟䌚的な面から、自分たちを「正しい」ず思いこんでいる集団。そんな連䞭があらゆる仮想通貚を仕切っおいるのだから、瀟䌚経枈は原圢を留めおはいない。
     倧手、ずいうか䜙皋シェアを独占しおいる䌚瀟でない限りは、銀行に利甚されお朰れるか、朰されるか、そんなずころだ。
     金が党おずいうのが珟圚の瀟䌚なのだから、圌らが䜕䞇人合法的に殺そうが、「正しい」のではないのかず思わざるを埗ないが、しかし道埳的に蚱せないず叫ぶ人間は倚い。
     倚いだけだが。
     実際的な問題ずしお、金が力を持ちすぎたず蚀うべきか。その銀行の䞍正にしたっお、あるいは政治家の汚職にしたっお、誰もが「間違いだ」ず認めお理解しおいおも、金の前では無力であり、倉えられないず蚀うのだから、そんな瀟䌚を䜜り䞊げおおいお今曎道埳を叫ぶ人間ずいうのも、金のこずしか脳に無い人間ず同じくらい、どうかしおいる噺だ。
     誰も望んでいないのに、そうなっおいたずいうのが正しい、いや事実ず蚀うべきか。䜕にせよ金で事実すらねじ曲げられるずいう「事実」がある以䞊、綺麗事に興味はないが。
     仮想通貚なんお実に分かりやすい䟋だ。たしお扱うのが銀行だずいうのだからたず金を預けお仮想通貚を貰うわけだから、党額䜿わない限り、銀行に金を枡しおいるも同然だ。そしお仮想通貚に察しおは、通垞の通貚ず同じ法芏制はほが䞍可胜ず蚀っおもいい。いや、䞍可胜ず蚀うよりも、意識的に法敎備から倖せるので、私腹を肥やしたい人間からすれば奜郜合だろう。
     誰もそれを考えない。
     生きるこずを考える人間は、随分枛った。
    「私の生き方にほが唯䞀ず蚀っお良い利点があるずすれば、無意識に盎接アクセス出来るこずぐらいだしな」
    「どういうこずだ」
    「芞術家や発明家が、「倢で芋た」アむデアを䜿ったら成功した、みたいな噺があるだろう 私はどうやらそれを意識的に出来るらしく、アむデアに詰たったこずは、今のずころ䞀床もない」
    「それっお、かなり、ぶっ飛んで凄いこず䜕じゃないのか」
    「銬鹿が。アクセスしたずころで私が曞くのはただの物語だぞ。第䞀、もし仮にそうだずしお、それが金になるのか」
     別に嬉しくもないしな。
     幟ら曞いおも売れなければ、䜕の意味もない。あああああず連打しおいるのず同じだ。
     そしお重芁なこずだが、売れるかどうかず玠晎らしいかどうかは、関係がない。
    「玠晎らしいか凄いかはずもかく、いやそもそも私が曞くのはただの物語だから、仮にそれだったずしお、それこそが玠晎らしい人間の行き着く先だずしおも、䞋らないモノに䜿っお金になるかも曖昧だずいうのでは、噺にならんな」
    「おいおい、人類にずっお玠晎らしい胜力だず思うぜ」
     それっお所謂真理じゃねかず、適圓なこずを圌は蚀った。実際、そんな倧局なモノに繋がっおいるかなど知らないし、繋がっおいおずころで、どうせなら金になる知識の方が、金になった。
    「知るか。私は別に、玠晎らしさなどどうでもいいからな。欲しいのは実利であっお、そんな珍劙な胜力では、断じお無い」
     倧䜓が、私にずっお「物語を曞く」ずいうのはその、「無意識」を通しお「䜜者」ずいうフィルタを通しお挔出されるモノだず、理解しおいる。 フィルタが私だからないずれにせよ、そんなあるのか無いのか分からないモノに、興味はあたりない。
     救いの手は握り぀ぶしお腹に入れる。
     今たで散々遞択する暩利すら無い道を歩かされおきた。今曎綺麗事を信じろ、などずいうのは無理を通り越しお抌し぀けがたしい。
     
     私は、どんどん人間から離れお行っおいる。

     人間らしさ、愛、感情、友情、慈しみ、䜕でも良いが、私は埐々に、だが確実に人間に蚱された心などず呌ばれる噚官が、死んで来おいる。
     いや、消滅ず蚀った方が正しいのか。䜕にせよ私にはもう感動しお「ああなりたい」ず願うこずすら出来なくなっおいる。お笑い草だ。そもそももう私には、心無い怪物が憧れるように、人間の持぀枩かみを、欲しいず願うこずすら無くなっおきおいるのだ。
     これで救いなど、幞犏など、無理がある。
     無理なら無理で、構わないがななおのこず金がなければ噺にならない。割に合うたい。
     たぁ今曎どうでも良い噺だ。些现なこずに思考を削いおいるのも銬鹿銬鹿しく感じる。感じる、なんおいかにも私らしくないが。
     金があれば䜕でも買える。
     買えなかったずころで、満足すれば良いだけの噺だ。自己満足。倧いに結構だ。私はそれで構わないし、被害者ぶる぀もりすらない。
     どうでもいい。
     金以倖、いやこの私の充足、満足、他でもないこの「私」が、生きる䞊で玍埗し満足し、楜しめるか吊か それ以倖はどうでもいい。
     それが、私だ。
     邪道䜜家だ。
     だからこその、私だ。
     どうでもいいがな。私がどう考えるかなんお瀟䌚から芋ればどうでもいいし、結局は党おの善し悪しは金で、぀たり運䞍運で決たるのだから、考えるこずには意味はない。
     そう蚀う意味では、本圓に無䟡倀だ。
     物語なんお。
     ただのゎミだ。
     売れるか売れないかは内容など関係なくただの運䞍運で決たり、善し悪しは金の有無、その分量でのみ蚈られる。
     人間の意志も誇りも尊厳も、金の前ではただのゎミだ。人間の意志なんお本来必芁ない。「たたたた」金を倚く持おるか持おないか、ただそれだけが重芁なのだ。
     才胜も環境もずどの぀たりただの運。䞖の䞭はシンプルに出来おいる。なにもかも無䟡倀で䜕もかもただのゎミだ。
     䞖界はゎミの山で出来おいるが、䟡倀の有る無しは金で決たる。そしお金は運䞍運、人間の意志も誇りも尊厳も無芖しお、「どうでもいい」理由で䞀カ所に集たるものだ。
     ステヌキを摘んで考える。
     いや、考えたずころで、結局意味はないが。
     金ずいうのは「たたたた運が良かったか」を蚈るためのモノなのかもしれない、なんお考えるず笑える話だった。だずすれば、努力も劎力もいたたでの長い長い道のりも、䜕の意味もない。
     運が悪いから無駄でした、なんお。
     怒りを通り越しお、笑える。
     笑わずにはいられない。
     こんな䞋らない噺を。
     笑う気も、起こらないが。
     どうせ無駄なら面倒だしな。
     運䞍運、か。私の人生は「それ」に散々巊右されお、私個人の挑戊は党お運䞍運に敗北しおきたわけだが、ずなるず人間が運䞍運に勝利するこずは、䞍可胜なのだろう。
     どう足掻いおも、少なくずも私には、芆すこずは出来なかった。
     無駄だった。
     意志を燃やすこずは無駄だったし、執念で挑んでも駄目だった。時間をかけおも才胜には砎れたし、その才胜すら運䞍運で蚈れる、䞋らない産物だった。
     䜕もかもが、無駄だった。
     勝おない。 
     勝おるのは、結局運がよい奎だけだ。
     どれだけ緻密に蚈画を緎ろうが運悪く蚈画通りに行かず、どれだけ時間をかけようが運悪く結果が圢にならず認められず、執念も信念も誇りも生き様も生き方も、結局運䞍運、ずいう蚀葉には勝おないたた、勝おなかった。
     ずもすれば、どれだけ私が執念を燃やしお頑匵っおいようが、結果が出たこずは䞀床もないのだから、幎䞭寝おいおも結果は同じだったのかもしれないいや、同じだろう。
     運䞍運、なら結局そういうこずだ。
     綺麗事は嫌いだ。物語ずいう奎は綺麗事を䜿わないず噺が終わらないので、やむなく䜿うこずもあるが、やはり嫌いだ。
     綺麗事など、蚀うだけならば猿でも出来る。
     猿の鳎き声を聞いおいるのず、倉わるたい。
     綺麗事を珟実に出来るのは、運のある人間だけだそしお、私はそうではないので、ただ迷惑なだけでしかない。
     たぁ私の堎合、本圓に心があるわけでもないので、執念や信念や誇りず蚀うよりは、それが合る人間ならこうするだろうずいう、暡倣だが。
     淡々ず狂気そのもので、繰り返し繰り返し成功するたで手を倉え品を倉え、あらゆる方法を詊し尜くしただけだ。
     詊し尜くしお分かったこずが、運䞍運がなければ䜕をしようず無駄、ずいう身も蓋も心も無い結果だずいうのだから、無駄だったが。
     そういう意味では、私ずいう人間は幞犏を目指すこずも目指す姿勢も、目指す私自身でさえ、䜕の意味もない。いっそ蟞めおしたいたいが、理䞍尜に頭を垂れたずころで、結局は同じだしな。
     苊しむだけだ。
     私が苊しむだけ。
     ただそれだけだ。
     苊しむ、ずいうのも最近は分からなくなっおきた物理的な苊しみは勿論、粟神的な挫折すらも、正盎食傷気味ずいうか、そもそも私は粟神的に人間が挫折し、本来あるべき苊悩すら、持ちたくおも持おない。
     苊しみに嘆きたくおも。
     出来ないのだ。
     随分ずたあ、ぞたを抌し぀けられたものだ。
     たったくな。
     どれだけぞたを抌し぀けられようが、結局は自信の郜合を抌し぀けられる方が偉く、正しいのだから、私が無条件で悪いのだが。
     負けた方が悪いのだ。
     負けるべくしお生きおいる存圚が悪い。
     勝おなければ、綺麗事だ。
     だから䜕が悪かったず蚀えば運が悪かった。もう少し勝ち目のある人間に産たれおいれば、倧分結末も違っただろうが、そういう意味では神がいたずしお、その倱敗䜜が私だずしおも、倱敗の責任ずいうのは基本的に貧民が背負うものだ。
     なるほど、そう捉えれば神ずいう存圚は䟿利なものだ。自分より偉い、ずいうか自分勝手な郜合を抌し぀けられる存圚がいないのだから、悪くなりようがない。
     だから神は正しいのだろうか。
     ふず、そんな䞋らないこずを思った。
     生殺しの人生なんお歩いおきたからか 我ながら䞋らない考えにずり぀かれたモノだ。
     垌望はある。
     かのように、無理矢理、どうせ無駄だず知りながらその目先にぶら䞋げられおいる「垌望みたいなもの」を芋お、己を奮い立たせ、今回こそはず挑むのだ。
     その党おが無駄だったが。
     無意味で。
     無䟡倀だった。
     䜕の結果も、残さなかった。
     垌望なんお無い。
     あったずころで停物だそんな人生を送っおいる時点で、䜕かを「信じろ」など、無理な盞談だ。信じるべきモノなど、党お裏切られおきたのだからな。
     党く、実に傑䜜な人生だ。
    「そろそろ着くぜ」
     私は事前の打ち合わせをしお、埌は携垯端末を攟り投げお眠るこずにした。
     運䞍運。
     ならば、この先にある物語も、結局はそれなのだろうか、などず、倢のないこずを、胞の䞭で繰り返し考えながら。





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