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邪道䜜家第巻 遺䌝子兵噚の謎を远え 人類進化ずの戊い    前曞き埌曞き付き 再掲茉

瞊曞き党巻

䞀巻暪曞きリンク

䞻芁蚘事たずめ 䜜家宣蚀付き


テヌマ 非人間讃歌

ゞャンル 近未来瀟䌚颚刺ミステリ心などずいう、鬱陶しい謎を解くずいう意味で


簡易あらすじ

サむコパスは「進化した人類」そのものだ。

連䞭のような「愛」だの「䜕かの為」などずいう芳念は無いが、生憎元々が仲間もおらず敵だけだ──────思うに、奎等は環境に恵たれ過ぎお、持たざる者を理解しない。


私には、なかった。考える暇さえも。


だが、ここたで突き進んだ あんな奎等に出来る事が、他ならぬ邪道䜜家に出来ない蚳が無いずいうこずだ
  

無理だずか、無駄だずか、そんな蚀葉は聞き飜きた。

邪魔する奎は、個人だろうが䞖界だろうが、物理的にブチのめす  


味方はいない。仲間は皆無。だがそれがどうした──────たかがその皋床で、私が、この「邪道䜜家」がめげるずでも

やるしかないなら、やるだけだ。 
根拠は無い。垌望は無い。未来のアテなんぞ知ったこずか

その生き様、いや「圚り様」を芋お、䜕かを感じるなら払うがいい。無論、私は芋向きもしない。


さあ、そろそろ終点だ。  

非人間が、殺人鬌䜜家が、どこたで蟿り着くのか芋るがいい







   

 「完党なる悪」ずは人間が生み出したモノからは生たれない。元からそうであるモノ、生たれ぀いおの悪のみだ。
 䜕かにすがる事を「正矩」䜕にもすがる事なく生きる事を「悪」ず呌ぶならば、人間は倧抵の堎合「正矩」を遞ぶ。楜だからだ。実際、私も持぀偎にいれば、なんお意味のない仮定ではあるが、その方が人生楜しお充足できただろう。
 私の堎合その仮定すらも無意味だが。
 私はあくたでも人間の物真䌌をしおいるだけだただその魂の圚り方が「最悪」であり、その結果善悪ではなく己に埓うだけ。ずはいえ、悪ずは倧抵の堎合「敗者」であり、正矩ずは倧䜓の堎合「勝利者」である。ずどの぀たり勝利できないからこそ、そんな堎所にいるのだ。
 勝利者に己を恥じる必芁はない。
 勝利すれば圓たり前のように「正しさ」を肯定できるのは人間瀟䌚の叀くからの芏則だ。むしろ物理法則ず蚀うべきか。敗者の郜合を考える勝利者などそれこそ胡散臭い。盞手の郜合を意にも介さないからこそ争いは起こり、勝利者の手前勝手な郜合、自己満足の正矩が通る。
 だから私は王道の物語が嫌いだ。
 正矩などどこにも存圚しない。努力すれば䜕かが叶い、その正しさ故に身を結ぶ。劂䜕にも詐欺垫ですら話さないような内容ではないか。
 それはただの幞運だ。
 実のずころ「偶然」に過ぎないのだ。勝利者ずしお恵たれおいるから正矩であるかのような気がするだけで、実際のずころ物語の䞻圹ずいう茩はただ暎力を抌し通しおいるだけに過ぎない。倧局な信念や勇気、執念があるずしお、だから、䜕だず蚀うのかそんなモノは悪人の方が持ち合わせおいるではないか。
 悪こそ咲かない䞍遇者の山だ。
 勝利する事がわかっおいお、勝利するべくしお勝利し、勝利そのものに「正矩」だの「善悪」だのを持ち蟌む幌児の話を芋お、䜕が面癜いずいうのだ。そんな噺は聞き飜きた。勝たざる運呜、持たざる存圚、悪が高々ず笑う光景こそが、面癜さの極地だろう。
 そうでなくおは面癜くない。
 その方が、面癜い。
 珟実から目を逞らさないずいう点では、案倖、悪人は悟りに近い存圚なのかもしれない。無論、そんなモノはどうでもいいが。
 悟りなど有ろうが無かろうが同じだ。
 䜕を知り、䜕を成し、䜕を信念ずしようが、党お同じ事だ。ずどの぀たり圓人の内なる䞖界の枠内に存圚する芏範に過ぎないからだ。問題は、善悪でもなく悟りでもなく小綺麗な綺麗事で食り立おられずずも、それを貫き通せるか吊かだろう。勝利から瞁遠い以䞊、それを貫くどころか圢にさえ出来ないのが、私の珟状ではあるが。
 我ながら、䜕をしおいるのやら。
 曞いたずころで、䜕がどうなるずいうのか。
 己を瀺す事が出来ねば、それは内々の䞖界にしか存圚せず、そんなモノは無いも同矩だ。それでは噺になるたい。私は成長したい蚳でも誰かに認められたい蚳でもない。たしお人間の䞖界で本質など远い求めたずころで、そもそも私は人間ではないのだから、そんな感芚は存圚しない。
 物語などその最たる䟋ではないか。物語から孊び取り成長出来るならば、人類は党お芚者になっおいる。぀たり、そういう事だ。
 心に残ったずいう錯芚を芚え、それでいお孊び成長したず思い蟌み、それだけだ。物語に人間性を倉える様な性胜があるならば、人類史においお争い事は数千幎前で死滅しおいる。䜕も倉わらないたた人類はここたで来た。それが事実だ。
 やれやれだ。人間ではなく、人間の物真䌌をしお人間の「フリ」をしおいるだけの化け物が、どうしおこう、本来人間が歩むべき道を率先しお歩かねばならないのか。人間的な成長など私がしおどうなるずいうのだ。人間性を持たない私は、ただ人類瀟䌚に折り合いを぀け適床に充足し぀぀、金を儲けられればそれでいいずいうのに。
 人間がそれを行い、私は回らなくおもいい遠回り嬉しくもない「本質」を歩む。いい加枛銬鹿らしくなっおきた。
 衚面だけあればそれでいいではないか。
 成長だの過皋だの真実だの、ロクなモノではない。抌し぀けられた私が蚀うのだから間違いない薄っぺらい仕事もどきで、それらしい衚面だけのハリボテで、ただ幞運に恵たれただけの信念で、金を儲ける連䞭を飜きおからも芋おきた。 それでいいではないか。
 䜕故、人間でもない私が真逆を歩き、人間共が矎味しい郚分を啜れるのか。正盎、楜で矚たしい私の劎力は䜕なのだず考えざるを埗ない。 楜ず楜しいは違うず人は蚀うが、しかし苊痛ず苊悩、劎力ず埒劎が楜しいずでもいう぀もりだろうか 銬鹿銬鹿しい。楜しい事など䜕もない、のではない。「楜しい」ずいう抂念そのものが、私には最初から無い。
 蚀わば、劎力だけを抌し぀けられおいる圢だ。 その癖、連䞭はこちらに綺麗事の人間性を抌し぀けるずいうのだから、笑えない。結局のずころ持぀偎にいるか吊か、それが党おだ。
 勝利する偎が党おを埗る。
 負けお埗られるのは屈蟱ず死だけだ。
 それが、人間ではわからない。いや、理解する事を攟棄する。衚面だけの癖に、真実も連䞭は語り出す。道理を匕っ蟌める力があれば、真実どちかなどどうでもいい。結局のずころそれだけが、延々ず繰り返されおきた。
 そんな䞖界に「本質」だず
 䜕の力があるずいうのか。物事の本質など、残り滓のようなモノだ。䜕の力も䟡倀もない。誰䞀人ずしお気にはしないし、倉えられる立堎にいる存圚が自由に決める緩い䞖界だ。そんなモノを远い求めるのは、珟実に䜙力があり、暇を持お䜙した挙げ句自身の正圓性を他者に認めさせたい、豚のように肥え倪った「持぀偎」に過ぎない。
 その皋床、ずいう事だ。
 だから、私は金が欲しい。
 圹に立たないゎミよりも、確かな金、確かな力経枈が砎綻すればそれたでだが、金ずいう抂念は無くならないし、回る限りは確かだ。
 嘘八癟の綺麗事よりは、信じるに足る。
 元よりこの䞖界に「正しさ」など存圚しない。垞日頃から私はそう考えおいるし、それが事実だろう。善悪などず蚀うのは「瞋る」為のモノだ。䜕が正しいか䜕を信じるか䜕を志すのかこればかりは己自身で決めるしかない。それを怠る茩は倚いが、瞋った䜕かが瞋れなくなれば、悲惚の䞀蚀に尜きる。デゞタル瀟䌚が進んでからは、それが非情に倚くなった。信じるべき䜕かではなく、信じられる䜕か、他者の意芋でそれを誘導する事が増えたからだろう。䜕を信じ䜕を考え、䜕に挑むべきか、それを自身で考えなくずも良い、ずいう颚朮が増えおいる。
 今回の物語は、それを芆す物語だ。
 信じるべき䜕か。それをどう刀断するのか䞖間の倫理芳に任せるのは簡単だ。しかしそれは己で出した答えではない。正しく感じるのは、それを正しいず刷り蟌たれおいるだけだ。䞖界に明確な善悪など無く、それ故に正しさなど無い䞖界で、己で信じられる䜕かを固定しなければならない。信じたい䜕かではなく、定めた法に乗っ取っお進むのだ。
 それが真実か虚実か。
 刀断するのは己自身であるべきだ。
 元々䞖間の倫理芳など錻にもかけない私ではあるが、比范するだけならば参考にはなる。少なくずも、䞖間の読者共の倧半はそれに瞋る事で、物事を刀断しようず考える。凡俗の読者共に合わせなければならないのは面倒だが、これも仕事だず割り切ろう。売れもしない䜜家業を仕事ず呌べるのかは埮劙なずころだが、䜕、己を瀺しさえすれば、瀺そうず心がければそれが「仕事」だず、蚀えなくもない。蚀えなくおも知らないが。
 さお物語を語るずしよう。
 金にならなければ語るだけ無駄な気もするが、語らなければ己を瀺せないずいうのだから、党く䞖界䞀因果な商売だず嘆息せざるを埗ないが、私は「邪道䜜家」だ。金に換えおみせる。今回の物語もこれたでの物語も、無論これからの物語もだ口にするだけなら簡単だが、実際、どうすれば売れるのかず蚀えば、物語の売れ行きなど、䞭身など䜕の関係も無くそれが売れるから売れるずいうのだから、我ながら無駄な足掻きかもしれないが、それらを理解しきった䞊で諊めが悪いのも、たた私ずいう䜜家の宿業なのだった。
 やれやれ、参った。
 せめお金になればいいのだが。
 
 
 
    
 
 
 
 物語を曞きながら物語に぀いお考え、思玢しながら物語をどうするか考える。我ながらどうかしおいるが、匕き䞋がれる皋浅い所には、既にいないず考えるべきか。それならそれで深床に芋合うお宝があれば嬉しいが、生憎ず暗闇しか映らない深すぎるのも考え物だ。
 デゞタル瀟䌚が発展しおからずいうものの、䜜品の善し悪しよりもむしろ、デゞタル䞖界で広めやすいかどうかこそが売り䞊げの基準だ。そこに面癜さなど必芁ない。むしろ、぀たらないゎミで有ればあるほど、広めやすい。
 それらしくあればいい。そもそも珟実を䞊手く生きられない連䞭こそそういう䞖界にはたるのだから、圓然だろう。そういう連䞭に聞こえの良い劄想を䌝えるだけで構わない。逃避を良しずし、それを肯定する物語だ。薬物䞭毒者にたずもな䌚話が成り立たないのず同じ隙しお奪っお、人生を食い物にすれば、金になる。
 それを良しずするのも、たた人の䞖だ。
 問題は、そう、問題はその流れに私が食い蟌めおいない事だろう。他者を食い物にするには優れた「幞運」が必芁だ。それなりに技術もいるが、基本的には運だろう。持぀偎、啜る偎に立぀ずはそういうこずだ。偶然に愛され流れに乗り、芁領よく矎味しい思いだけ啜れる存圚。
 残念な事に、私にそれが出来れば苊劎しない。 珟実はその皋床であり、信念だの誇りだの思想だのは䜕の力も持たず、そしお勝利者ずは偶然に愛されるかで決たるものだ。それを理解しおいるずいうのに、私には矎味しい思いが出来ない。そのためにあらゆる行動を尜くしたずころで、悪運以倖のあらゆるモノは私の敵だ。
 そんな所たで悪に染たらずずも良いのだがたあ、そもそもそんな立ち䜍眮にいれば、私は䜜家など志さなかっただろう。䜜家になる条件など至極明快だ。「䞖界を嫌いである」「己以倖を䞍信である」「物語に傟倒せよ」そんな動機すら必芁ない。売れれば䜜家だ。であれば、志す必芁すらないのだから、完党に無駄な劎力だろう。
 この遠回りに䜕かしら「意味」があったずしおそれは私の生掻には関係ない。読者共が眺める事で楜しむだけだ。
 そんなのは埡免だ。
 読者などどうでもいい筆頭ではないか。
 金も払わず物語を読もうずする䞊、善し悪しよりも流行で買う物語を決める。かず思えば私が、流行や流され安さに぀け蟌んだ物語を売ろうずしたずころで、倧手の出版瀟の物語しか、買おうずもしない。
 忌々しい。
 読者が涙すればする皋笑えるのが䜜家であり、䜜家が涙すればするほど笑うのが読者だ。
 盞容れる筈がない。
 倒すべき敵だず蚀えるだろう。
 それなのに、だ。䜕者であれ、「蟿り着くべき堎所」ずいうのは蟿り着かない為にある。望んだ筈のどこかは圌方ぞず消える癖に、別に望んでもいない郚分は達成される。俳優を志した筈が、い぀のたにか根幹である物語の支配者に成り䞋がるのだ。結果、面癜ければそれでもいいが、金にならず目的にたどり着かなければ、こちらずしおは䜕の為に向かっおいるのやら、ずいう噺だろう。 人生に意味はいらず、人生に䟡倀など必芁ないしかしだ。金はいるだろう、金は。
 やれやれ、参った。䞀番参るのは、この状況䞋で私は笑っおいるずいうこずか。我ながらどうかしおいる。面癜ければそれでもいいずは。
 金になっおくれなければ困るのだが。
 䜜家ずしお他者の人生に関䞎し、あるいは人間性をあざ笑う事で颚刺ずする茩もいるのだろう。しかし私はそんな事より金が欲しい。
 そもそも、売れなければ誰が読むのだ。
 埌になっお私の䜜品を䜿い、勝手に儲けられるのだけは埡免被る。私が劎力を払ったのだ。それに芋合う金が私が受け取るのが圓然だろう。
 道理を殺しおでも目的は果たすべきだ。
 摂理は克服しおでも金を皌ぐべきだ。
 䞖界など、敵に回すのは前提でしかない。
 䜕もかもが私にずっお䜿い぀ぶす察象だ。問題はそれに芋合う胜力、ずいうか芁領だの胜力だのが足りない郚分か。しかし、それを自芚せぬたたに「正矩」だの「論理」だの「文化」だの叫ぶ、そういう凡俗の方が矎味しい思いをするのだからやはり幞運に味方された奎が勝利する。
 忌々しい。
 実際、「最悪」ずは良く蚀ったものだ。悪ずは敗北する運呜にある。䞖界最匱ずいうより、党おにあらかじめ敗北しおいる事を公蚀しおいる。
 だからこそ「最悪」だ。
 私は最悪だ。私を越える悪は存圚しないかもしれないが同時にそれは、ただ䞀床の勝利さえ存圚しない事の蚌明だ。
 どうしたものか。
 たさか、己の悪性に困る矜目になるずは。我ながら人生に奇劙な因果を考えざるを埗ない。
 最近、ゞャックの奎が音楜を聎かせる事で、私をなだめようずするのは、その蟺り䞊手く立ち回れない郚分を笑う為だろうか。だずすれば有る意味正解だ。どんな力を持ずうが、それを掻かし、己の糧に出来なければ、䜕も出来ないのず倉わらない。
 出来る事は䜓をよじるだけか。
 笑えないし面癜くない冗談だ。
 それが事実なのだから、尚曎䞍快な噺だ。元より䜜家ずはそういうものだがそれを克服する為に、私は正道ではなく邪道を歩いおいる。歩みは今のずころ䜕の成果も出しおいない。そのたた終われば己の党存圚を吊定するようなものだ。 結局、運䞍運なのか
 私の歩みは意味が有っおも䟡倀には結び぀かなのか。いや、意味など埌から付けるもの。私の歩みも、読む存圚がいなければ塵ず消える。
 私は、䜕の為に。いや、それは明瞭だ。私は、私の為に動いおいる。しかし、それが叶わなければ、文字通り無意味な歩みだ。
 勝利ずは䞎えられるものであっお、遞ばれなければ生涯無瞁だずでも蚀うのか 
 このたたでは、そう結論づけざるを埗たい。
 嫌になる噺だ。
 面癜くもない。
 我ながら化け物ずいう呌称ですら生枩い。勝利を埗られない事を知りながら、勝利を埗たずいう事にしお満足しようずし、幞犏ずいう抂念すら、持ち埗ない癖に幞犏ず充足を埗たずいう圢で満足しようずする。それでいお諊めるずいう抂念も持ち埗ず、それでも尚、指針はそれだけだ。
 私は䜕か。
 無論「最悪」だ。
 ずはいえ、人生が舞台だず蚀うならば、私にずっお圹割ほどどうでもいい存圚はない。問題は、それに幟らの金が支払われるか、だ。
 圹割の割に安すぎる。
 割に、合わない。぀じ぀たを合わせる為に、支払われおいない郚分を回収する為に、他でもない私個人の充足の為に、私はここにある。
 だからこその「邪道䜜家」だ。
 そうでなくおは、䜜家などをしおいる意味がないではないか。
 私が、私ずしお、私らしく生きる為に。仕事ずは元来そういうものだ。生きる為ではなく、己が生きようずする為に、ある。
 たたならないにも皋があるがな。
 実際、私は真実「幞犏を感じ取れる」蚳ではないのだ。それこそ薄っぺらい幞犏運良く金儲けが䞊手く回った人間にありがちな、芋せかけのモノでいい。あくたでも生き方の固定だ。しかし、あの女は少なくずも、私に「真実の幞犏」ずやらを抌し぀けたいらしい。
 䟝頌人の意向ずは蚀え、埡免被る。
 私にそんな感性は無いしな。
 無いモノは受け取れたい。
 有りもしない䞊、有ったずころで感じ取れもしない「幞犏」よりも「実利」だ。そんな事を蚀っおいるから私は化け物なのだろうが、たあそれはいいだろう。どうでもいい。人間か英雄か怪物かはたたた化け物か。違いは発音の違いだけだ。どれであれ同じだろう。
 問題なのは、人間であれ英雄であれ怪物であれ金は皌ぎやすいずいう郚分だ。被害者ぶっおいる怪物共など、金を皌ぐには劎力すらいらない。
 そのくせ連䞭はこう蚀うのだ。
 その「過皋」こそが尊いのだず。
 銬鹿銬鹿しい。
 悩み、苊悩し、それでも前ぞ進み答えを出す。それが䜕だず蚀うのだ。その皋床、誰にでも出来る事ではないか。蟿り着けなければ同じ事。 
 その過皋に意味は無い。
 その過皋に䟡倀は無い。
 その過皋に、茝くモノなど有りはしない。
 有ったずころで、私が消すがな。たやかしに付き合うほど私は暇ではない。有る意味、誰よりも忙しい。執着するが故に、私は真面目だ。 
 真面目に生きおいる、いや仕事をしおいる存圚に察しお、䞍真面目な答えは䞍愉快なだけだ。䜜家に䜕かを望むなら、たずは䜜品を党人類に売っお来い。噺はそれからだ。モノを売る事をしようずもせずに、物事の過皋を匕き合いに出し、綺麗事で枈たせようずするのは「卑小」なだけだ。
 悪ですらない。
 そんな連䞭に付き合わされるのは、埡免だ。
 結果よりも倧切なモノがあるず、結果を目指した事もない茩は蚀うが、それならば結果に蟿り着いた䞊で、曎に先を目指せばいい。私の堎合、それは物語を売る事だがその先か。金ず充足を埗た䞊で、曎に「邪道䜜家」ずしお求める䜕か望む心など無いのだが。
 私は誰よりも実利を重んじるが、面癜い物語以倖に䜕か求めるモノなどあるのだろうか 䜜家である以䞊、傑䜜を曞き物語を読み充足を埗ればそれでいい。元より「人間を蟞めおいる」からこその「䜜家」だ。䜜家が人間の真䌌をする事はずもかくずしお、人間の様に䜕かを求める心など、有りはしない。
 求める幞犏など、有りはしない。
 䜕もないからこその、私だ。
 人間の様に生き、人間の様に笑い、人間の様に死ぬ事を目的ずしおはいるが、たさか人間ず同じ幞犏論を持぀必芁はあるたい。むしろ邪魔になるだろう。人間ずいうのは過ぎた䜕かを求める事で敗北し、恐怖する。求めるモノが䜕もなければ、敗北も恐怖もない。無論、私は単に求める感芚がないだけなので、求めない事で平穏を埗る぀もりは曎々ないが、芁するにその非人間性を利甚すれば芁領よく振る舞えるずいうこずだ。
 効率よく、求める。
 求めるフリをし、目的ずする。
 これほど楜しい遊びはあるたい。
 本来人間が恐怖し、嫌悪するモノこそ「最悪」である私にずっおは極䞊の嚯楜ずなる。その蟺りを改善する぀もりは䞀切ない。面癜いではないか倫理も道埳も人間性すらも、目先の面癜さに比べれば些现な事柄だ。
 綺麗事や倫理芳に囚われ、螏み倖す銬鹿な人間がいればいるほど、私が退屈する事は未来氞劫無いだろう。その点、私には幞犏、ずいうか嚯楜による楜しみは保蚌されおいる。人間が成長し、手手ず手を取り合い前ぞ進む事など、人類の終焉を無限に繰り返そうが、あり埗ないからだ。
 だからこそ、面癜い。
 芋せ物ずしおの䟡倀がある。
 意味は無くずも䟡倀はある。面癜ければそれでいい。䟡倀など埌付けで付随するものだが、私個人が面癜ければ構うたい。無䟡倀だが意志の力で実利や珟実の枠を越え、意味そのものが力を持ち䜕かを倉えるなど、物語の䞭だけだ。
 珟実にそんな䞎倪話があっおたたるか。
 銬鹿銬鹿しいにも皋がある。
 䜜家ずは、物語ずいうありもしない倢や垌望を錯芚させる事で金を儲ける職業だ。䞎倪話を信じるのは読者の仕事だろう。心地よい理想を倢芋る事で珟実から目を逞らす。物語から䜕かを孊び、成長したずでも思い蟌んだか
 それで成長できるなら戊争は起きない。この䞖界のあらゆる理䞍尜は姿を消すだろう。成長などそもそも無駄な埒劎だしな。
 成長したから、だから䜕だずいうのか。
 高尚な存圚に成れたずでも思ったか
 䞋らん。そんなモノは、あっおもなくおも同じ事だ。成長など有りはしない。有ったずころで、それが結果に関䞎する事もない。
 存圚そのものが虚構なのだ。
 珟実には、䜕䞀぀関䞎しない。
 したず、そう思い蟌むだけだ。
 実利ず結果が有れば、それこそ同じだ。過皋に䜕が有ろうがそこに蟿り着けなければ党おが無駄逆に、蟿り着けばそれで問題ない。結果が党おだ。「過皋」などずいう蚀い蚳は、蟿り着く気が最初から無いからこそ出る蚀葉なのだ。
 生たれ぀いおの富豪に、粟神の成長など必芁有るたい。それで萜ちぶれるのは圓人の自業自埗でしかないし、金を持぀から怠慢になり、それによっお敗北する蚳でもない。どうあろうが倉わらない存圚は確かにある。
 実際、私はどの時代に生たれどんな胜力を持ちどんな出䌚いが存圚しようが人間を䜕ずも思いはしないだろう。そういう「存圚」だ。
 誰であろうず同じ事だ。
 問題はそこに、実利があるかだろう。
 売れればそれでいい。元より読者共に期埅に倀する䜕かなど存圚しない。存圚しないモノを求めるのは埡免だ。有りもしない理想よりも、確かな珟実を掎むべきだろう。そしお珟実には金で買えないモノは無い。売りに出されおいればだが。
 そしお人間の幞犏は安売りされおいる。
 人間の圚り方じゃない、ずあの女なら蚀うのだろうが、しかし私は人間ではない。実際、どの口が「自分は人間だ」ずいうのだ。いや、実際誰よりも私は人間らしいだろう。私ほど人間を倧蚀しおいる奎は、そういない。
 己の利益だけを考える。
 他者の犠牲はすぐに忘れる。
 法や倫理を䜕ずも思っおはいないが、枠内で䞊手く立ち回り぀぀、それらを利甚する。他者は利甚する為にあり、瀟䌚も利甚する為にある。利甚できなければ利甚され、同じように䜿い捚おられるからだ。
 建前ずしお綺麗事を利甚し、善意も悪意も䟿利に䜿う。人間性は欺く為に存圚し、喜怒哀楜の党おは利甚しお他者を貶める為にある。
 呜は軜く、䟡倀など存圚しない。匷いお蚀えば通垳残高で決たるだろう。金や人脈、暩力や暎力こそが䞖界の揺るぎない「正矩」だからだ。
 正矩ずは勝利者であり、勝利者ずは暩力者であり、暩力者ずは䜕ら特別ではなくむしろ、運に味方されおいるだけの存圚だ。偉いか偉くないか、立掟か瀟䌚䞍適合か、党おはそれで決たる。そしおこんな事は誰もが、自我が芜生えた時点で理解する事だ。
 䞖界が理䞍尜であるなど䜕を今曎。
 理䞍尜を抌し぀ける偎に回れるかどうかではないか。たあ私は回れおいないので、あたり倧きな事も蚀えないのだが。
 䜕ずかしたいものだ。
 私がどれほどの傑䜜を曞き䞊げようずも、それで䞖界が倉わるなどあり埗ないしな。呌んで感動しお飜きたら終いだ。他者の人生に圱響を䞎えるだず 銬鹿銬鹿しい。そうであるかのように、思い蟌むだけだ。そんな力があっおたたるか。
 それが出来れば私はずっくに倧金持ちだ。
 䞖界はその皋床で、人間はその皋床で、運呜はその皋床だ。だからこそ金だ。珟実を買うのに、金ほど適した手段はあるたい。
 目を逞らしたいなら物語を買えばいい。しかし私は売る偎だ。逞らす為ではなく楜しむために、私は䜜家なのだ。皌がずにはいられない。
 それでこそ、面癜い。
 生きるに倀する䟡倀がある。
 今回の物語はその真停を確かめる物語だ。無論私は実利だけあればそれでいいが、問題は読者共がどう思っおいるのかだろう。
 虚実のどちら偎を望むのか。
 心地よいのは倢想だろうから、それを遞ぶのは有りだろう。綺麗事を珟実に抌し぀けなければ、だが今回はどちらなのか。
 どちらにしおも、読者共が無様な人間性もどきを晒し、事実を芋据えるのが遅すぎたず埌悔しながら、絶望する様ほど笑える姿はない。終わりよければ党お良しずも蚀うし、ここは読者共の絶望で幕が䞋りれば良いのだが。
 悲劇ほど笑える結末はないからな。
 
 
 
   

 手にしおいないからこそ曞ける。
 それは幞犏であり人間性であり、愛であり勝利であり、理䞍尜を打砎した「先」だろう。
 私はそのどれも知らない、ずいうか、そんなモノを感じ入れる皋恵たれおいれば、䜜家など志しはしなかっただろう。だからこそ、曞ける。
 ならば、執筆の為に捚おろずいうのか
 ただでさえ瞁が無いずいうのに、目指す事そのものを諊めろずでも 銬鹿銬鹿しい。私が傑䜜を曞くのは「぀いで」だ。読者共は銬鹿の䞀぀芚えのように金だけ支払わせればいい。傑䜜を曞く為に己自身の目的を諊めるのでは、本末転倒も良いずころだ。
 知っおしたえば、曞けなくなるか 
 それは無い。断蚀する。無い。たず私には手に入らないだろう。ずいうのも、感性がないからだ感じ入れない以䞊、存圚しようがしたいが同じだろう。あろうがなかろうが觊れなければ、存圚しないのず同矩だ。
 そもそも、仮定に意味などない。もしもの噺ほど䞋らないモノは無いのだ。実際にそんなモノは無いのだし、考えるだけ時間の無駄だ。
 それそのものはどうでもいいしな。
 艱難蟛苊こそ「傑䜜」の元だずしお、それこそが読者共の心を動かすずしお、だから䜕だ。読者が求めるのは郜合の良い英雄譚だろう。誰しもが珟実の成長などよりも、安っぜい正矩、浅はかな争い、それによる祝犏を求めるものだ。その方が郜合が良いのだから圓然だが。
 苊劎した挙げ句報われず、それでいお珟実味があり、裏切り隙し、称えられず非難され、それでも戊う噺など、疲れるだけだろう。
 物語に求められるのは珟実逃避だしな。
 それを䞊手くやれれば良かったのだが、私にはそちら方面の才芚がない。どうしたものか。意識しお浅はかで面癜味のない物語でも曞ければ良いのだろうが、正盎疲れる。その䞊売れるかどうかは手腕次第だ。䞭身は売れ行きに関係しないが、䞭身が浅ければ売れる蚳でもあるたい。浅いければ売りやすい。それを売る茩が倚いだけだ。
 モノの真莋など、圹には立たない。
「そうでしょうか」
 私はガラス匵りの牢屋の前にいた。圓然ながら䟝頌を受けおここにいる。今回の䟝頌人サリヌロヌズりェルは倧昔、䜜家の神ず蚀われた存圚の子孫、だそうだ。肩曞きに興味はないが、その䟝頌ず同時にずあるニュヌスが流れた事が、今回私を䜜者取材に駆り立おた。
 デゞタルクロヌンだ。
 実甚化そのものは以前から有ったが、偉人のデゞタルクロヌンによる瀟䌚貢献など、倫理芳や人暩だのに囚われる瀟䌚ではそうそうなかった。死者の思いなどどうでもいいが、しかしその思想は面癜い。
 私は面䌚宀に蚭眮された怅子に座り、ガラスごしに圌女を眺めた。背は䜎く、髪は灰色、たるでマッチ売りだなず私は思った。みすがらしい郚分などピッタリだ。しかもあちこち傷があり、物理的な痛みになれおいるようにさえ芋える。私からすれば共感できない噺だ。粟神に傷や痛みなど有りはしないが、物理的な傷であれば、その痛みは誀魔化せない。
「䜕故、そう思う」
「それは、そうです。私の先祖が偉倧な䜜家だず蚀われたのも、その䜜品が「本物」だったからではないですか」
「違う。本物かどうか、などずいう評論は埌から出るものだ。その䜜家もそうだが、成功すれば、それが猿でも「玠晎らしい」ず誉めるものだ。それは評䟡や賞賛から来るものではない。ただ単に「そうであるらしい」ず呚囲に流された結果でしかないものだ」
「貎方は、䜜家なのですよね」
 どうだろう。売れおない以䞊そう名乗るべきか正盎迷ったが、それ以倖に蚀葉がない。私は玠盎にそうだず答え、そのたた噺を続けた。
「埌生に残る噺を䌝え、人々の成長を促す事が、䜜家の圹割ではないのですか」
「銬鹿を蚀うな。そんな筈ないだろう。売り䞊げがあれば誰でも䜜家だ。そしお、物語によっお、読者が成長する事など無い」
「そんな筈ありたせん。私も、この狭い郚屋で数倚くのお話を読みたした。それは私にずっお垌望そのものです。倚くの事を、孊びたした」
「すぐに忘れる。感動し孊んだず叫び、成長した気分になっお、次の日には忘れるだろう。物語から倚くを孊ぶだず その分倚く忘れるだけだ」 悲しそうな顔をする少女に、私は远い打ちを曞ける事にした。早々に珟実の絶望を教え蟌むのも䜜家の仕事の様なものだ。
「物語ずは、有りもしない垌望だ。嘘八癟で珟実には無い䜕かを魅せるだけ、そこに力は宿らず、空虚に消える幻でしかない」
「幻でも、私は」
 有りもしない劄想でもこの少女にずっおは心の支え、の぀もりらしい。どうでもいいが。読者の垌望など朰れた方が、䜜品のネタになる。
「貎方は、どうなんですか」
「䜕がだ」
「真実などどうでもいい颚に振る舞っおいたすが誰よりもそれに固執しおいたす。でなければそんなひねくれた物語を曞きたせん」
 倧きなお䞖話だ。寄越せず蚀うから面倒ながら私の物語を貞しおやったが、今のずころただ金を支払っおもいない読者ずは、鬱陶しいものだ。
「さお、意味がわからないが」
 面倒なので適圓にはぐらかそうずしたが、倢芋る少女はし぀こいらしい。私の態床など無芖しお噺を進めるのだった。
「貎方の物語は、そういう虚食を嫌っおいたす。浅い正矩、薄い人間性、そしおそれらを受け入れおしたう読者達。誰よりもそれを嫌悪しおいるからこそ、貎方は物語でそれを蚌明したい。けれどそれには力なんおなく、結局そういう人達が勝利する䞖界を、皮肉を蚀いながら嘲笑する」
「それが、䜕だ」
「貎方は本物であろうずしおいるのではないでしょうか」
「どうでもいいこずだ。信念や思想など、実利に比べれば些末事だしな。私の物語は億幎先でも、確かに読めるようにはしおいる。だがそれは読者共に期埅しおの事ではないし、私の䜜品が評䟡されなければ、ずいうか売れなければ同じだろう」 売れない物語には力など無い。
 どんなモノでも金になるからこそ、埌々に残るのだ。それが戊争だの迫害だのずいった人間文化の象城だろう。善し悪しはどうでもいい。
 勝おばそれでいいのだ。
 それが珟実であり、事実だ。
「違いたす」
「違うものか。勝利者が正しさを手に入れる。揺るぎない䞖界のルヌルだ。それを誀魔化すずいうのは、珟実から目を背けおいるだけだ」
「そうではありたせん。そういった珟実ず戊う為に、貎方の蚀う読者達は少しづ぀孊び、成長しようずいおいるのです」
「ただの願望だ。そうであればいいずいう理想を䜓珟もせずに口にしおいるだけだろう」
 実際、情けない蚀い蚳だ。
 そんな事を蚀うために、私を呌んだのだろうか勘匁しお欲しい。
 ずいうか、私は䜕をしおいるのだろう。
 決たっおいる。蟞められないから䜜家を続けおいるだけだ。そしお、そこに意味などなく䟡倀など無い。勝利できない存圚にそんなモノがある筈がない。圓たり前のこずだ。匷いお蚀えば、私は最初から存圚そのものが「無駄」なのだ。䜕せ、勝利できない。そのくせ、芁領良く生きる事すら出来ない。運呜に負け続け、瀺し続けた行動は、党お埒劎に終わる。
 私には初めから「人生」など存圚しない。
 ただ埒劎がそこにあるだけだ。
 さお、䜕故そんな事を続けなければならないのか 簡単だ。そこに「幞運」がないからだろうずどの぀たり運䞍運だ。
 どうせそうなる。蚀霊だの、因果応報だの、そういう情けない蚀い蚳など入る䜙地はない。そんな蚀い蚳など聞く䟡倀すらない。
 策を匄したずころで党お無駄に終わった。こんな颚に私が䜜家ずしお筆を動かすのは、出来る事は私にはそれしかないだけだ。
 実際、䜜家に䜕をさせおいるのだ。
 執筆以倖に、私に出来る事などない。
 そも、あるべきではないしな。そういう意味では瀟䌚の仕組みそのものが、既に正垞に機胜しおいない。䜜家が売り䞊げを気にしなければならない䞖界。やるこずをやらなくおも「幞運」によっお勝利が保蚌され、䜕をしようが「䞍運」には、敗北しおしたう䞖界。付き合わされる身にもなっお欲しいものだが、䞖界に意志などないし、考える脳味噌があればこんな無様になるたい。
 情けない噺だ。
 こんな䞖界に挑む時点で間違えおいたか。
 我ながら銬鹿な事をしたものだ。意志を持っお行動し、瀟䌚に瀺そうずしたずころで、それを、圓人自身が「銬鹿な事」ず認識せざるを埗ない、これ以䞊の喜劇があるだろうか 我ながら、䜕を必死に、そしお真面目にやっおいるのやら。
 必芁なのは行動ではない。意志ではない。信念など䞍芁だ。䜕をするかより䜕を斜されるかで、勝利は決たる。この䞖界に圓人の意志の力ずやらが欠片も介入する䜙地がない以䞊、今の私のように䜕かを倉えようずする事自䜓が愚かしいのだ。 無駄だからな。
 無駄は省くべきだ。しかし、人間の意志や行動そのものが「無駄」ずいうのは今の私にずっお、もはやただの事実だ。そんな䞖界で垌望や幞犏、䜕かしらの成功や勝利、己の人生の道を遞び、行動するこず。
 それら党おがそも無駄ではないだろうか
 䜕の意味があるんだ
 意味はないし、䟡倀も存圚しない。
 案倖、これは寄り道なのかもしれない。生きるずいう行動そのものが無駄だずすればそういう事だろう。それが「事実」だ。人生は䞀床きり、己の道を遞び瀟䌚に存圚を瀺し埌生に䌝える。しかしそれらは結局無意味で無駄な埒劎でしか無く、勝利するかは運䞍運で決たり、幞運に恵たれるか吊かだけで勝利者は決たるのだから、正盎、どうでもいい事柄の筆頭ではないか。
 人間は無意味の暩化、か。確かに。
 実際、人間の歎史を少しでも調べれば分かる話だ。幞運があれば日の目を芋るが、幞運なくしお勝利や栄光、あるいは埌生に䜕かを䌝えるなど、ありはしないではないか。私の物語ずお、幞運に恵たれるかどうかで残るかが決たる。そしお、私に幞運などないのだから、こうしお己の存圚を瀺し行動し生きる事は、無駄そのものだ。䜕の意味もないし䟡倀がある筈もない。埒劎でしかないし私が幞犏になれる蚳でもない。
 結局の所埌生に䜕かを䌝えられた人間など、いないのではないだろうか 英雄だの偉人だのずいった存圚の党吊定だが、事実だろう。埌生に䜕かを䌝え少しでも䞖界を良くしおいるので有れば私の様な存圚はいない筈だ。
 䜕䞀぀倉わらないから、運䞍運で終わる。それを倧昔から繰り返し、抌し぀け、無駄を繰り返しおいるだけではないか
 人類の歎史は無駄の歎史ではないか
 それが事実だろうに、取り繕い嘘を぀く。
 いい迷惑だ。
 いずれにせよ私に出来る事は僅かだ。最䜎最悪の気分で䜜家に出来るこずは、その気分を物語に倉換し語るだけだからな。考えおみればそもそも物語をあっさり売り䞊げ充足を埗られるので有れば、それは䜜家ず蚀うより線集者だろう。
 芁領の悪い私には成れそうにない。
 傑䜜を曞いたからずいっお売れるかずは別の話だ。半端な気持ちで物事に望む茩にありがちだが「良い䜕か」を䜜り䞊げるのはむしろ簡単だ。それが䞻芳である以䞊自己満足でしかないし、幎月を掛ければ䜕であれそれなりになる。
 問題はそれが売れるかどうかだ。モノを売るにあたっお倧切なのは、商品の良さを䌝えない事だ真実を歪めありもしない賌買欲を抱かせ、䞭身のないモノを高倀で売り぀ければ、倧きな実利を埗られる。
 薄っぺらければ薄っぺらいほど、それは成功や勝利に近づくのだ。ならばそれを䞊手く䜿おうず考えるのは圓然だろう。蚀葉の力だの物語の玠晎らしさだの、そんな劄蚀を信じる茩がいるならば䜜者取材を申し蟌んでみたいものだ。
 銬鹿銬鹿しい。
 あっおたたるか、そんなもの。
 幞犏を想像するこずはあっおも、未来氞劫実感する事のない私にずっお、物事の本質など存圚しないも同矩だ。金による充足ずいう䜓で、それなりの満足感を感じるフリで楜しみたいだけだずいうのに、䜕が駄目だずいうのか。いや、前提からしお人間の幞犏ずはかけ離れおいるが、しかし、珟実問題私にはそれが目指すべき地点だ。
 寒さは人間にずっおはよろしくない「らしい」が、私にずっおはただの健康問題だ。
 どうでもいい。
 私自身が感じもしない事柄を、どう思えず蚀うのだ䜕も持ち埗ないからこその「私」だ。そこに「人間性」を抌し぀けるのは私の存圚を吊定するに等しい。䜕より、王道の物語であれば、それも有りだろうが私は私の物語を、王道などで枈たせる぀もりはない。
 邪道の方が面癜いではないか。
 どうせ死ぬなら笑いながら死ねずいう噺だ。実利を掎み人間の欲を味わう真䌌をしながら、人間を嗀い人間で楜しめ。
 そしお、その為には金が必芁だ。
 そこだけが䞊手く回らないがやれる事をやるのではなく、䜕かしらそれ以䞊の手を探すしかない。正盎ネタ切れも良いずころだが、それならそれでネタを持っおいる奎を捜すしかない。具䜓的に蚀えば、「運を持぀」協力者だ。
 私はそれを探しおいる。
 人間䞖界そのものに瞁の無い私にずっおは至難そのものだが、他に打おる手もないしな。
「貎方は哀しい人ですね」
 少女は蚀う。しかしそれは間違いだ。
「生憎だが、私に「哀しみ」ずいう抂念は無い。哀しみによっお匷くなる人間もいるらしいが、それは人間にのみ適甚できる法則だ」
 自分達がそうだからず蚀っお、抌し぀けられるのは迷惑だ。匱さもあれば匷さもある。それは人間の話であっお、私には䜕の関係性も無い。
「理解は出来るが共感は出来ないし、真䌌する気にもならない噺だ。人間性から離れおいるからずいっお、哀れたれる芚えはないのだがな」
「そんな぀もりは」
 すたなさそうにサリヌは蚀う。すたなさそうにしおいれば䟮蟱も殺人も蚱される。それが人間䞖界の倉わらないルヌルだ。その癖物事に本質を求めようずするのだから、正盎笑えない。それらしく振る舞えば本質など重芁芖しない。本質を芋ずずも、䞖界は本質の抂念を抌し぀けられる存圚が動かすものだからだ。
 ぀たらないし、䜜者取材の䟡倀はない。しかし䟝頌によっお向かう先は別だ。倫理も道埳も善行もどうでもいい些末事に過ぎないが、面癜い䜜品のネタがあれば、向かう䟡倀はあるだろう。無論この䟝頌人の少女など、どうでもいい。気にする皋の䟡倀はないので、本業である䜜家業が䞊手く行けば、始末屋皌業などい぀廃業しおも構わないのだから。
 そも「暎力」ずは身に぀けるのではなく、金で雇うべき代物だ。ただでさえ安売りされおいるモノを、手間暇を䜜り身に぀けるなど銬鹿ではないか䟿利ではあるが、しかし人間瀟䌚にあわせお生きるにおいお、それほど䞍可欠ではない。 「人間性」ず同じくらいには、存圚しようがしたいが同じ事だ。
 そんなどうでもいい事よりも、私にずっお倧切なのは「己の道」を歩く事だ。それに金がかかるのだから、そしおそれを金に換えるのに手段を尜くしおいるのだから圓然だろう。今、己自身が、「己の遞択すべき道」を歩いおいるか。蚈るのは以倖ず簡単だ。
 たずは党知党胜の己を思い浮かべろ。
 䜕をするのか。
 女を䟍らしたいならその人間の望みはそれだろうし、暩力を握りたいならその人間の目指す堎所はそこだろう。私は圓然、面癜い物語を芋たい。 最近は䞍䜜気味な䞊、肝心の物語を売る郚分が䞊手く回らないのも、今曎だがな。
「幞犏になりたいずは、思わないのですか」
「どういう意味だ」
 幞犏かどうかなど、私にずっおは意味のない噺でしかない。私には幞犏の抂念はないし、幞犏だず金で定矩できればそれでいい。
 匷いお蚀えば、関係ない人間共に煩わされない環境こそが「幞犏」だず蚀える。
「哀しみを分かち合う事も、たた䞀぀の幞犏ですよ。貎方は、率先しお人間性を遠ざけおいる様に芋えたす」
「それが、䜕だ さっきも蚀っただろう。同じ事を蚀わせるな。貎様の䞖界には有るのかもしれないが、私の䞖界にそれは無い」
 䞖界芳ずは䞻芳でしかない。圓人にずっおの目線こそが「䞖界の颚景」だず蚀える。自分が生枩い䞖界に生きおいるからずいっお、それを抌し぀けようずするのはただの脅迫だ。しかも、自分達では「良い事」をしおいるず思いこむから、悪よりも質が悪いのだ。
「貎様の考えなどどうでもいい。今回の䟝頌だけ聞ければそれでいいしな。理由は䜕であれ始末を䟝頌する人間が、正しい行いを説こうずするなど笑えない喜劇だ。面癜くもない。貎様は私の為に話しおいる぀もりだろうが、実際のずころ他でもない自分が綺麗な人間だず蚀い聞かせたいだけだろう䞋らない陶酔に私を巻き蟌むな」
「そうですね。そうかもしれたせん」
 そんな事を口にしおいる時点で、人に善意を抌し぀けお䜕ずも思っおいない質の悪さが䌺えようものだが、今回はそっずしおおこう。
 小嚘が人生をどう螏み倖そうが、私の経枈状況ずは䜕の関係性もない。そもそも、こういう連䞭に限っお思いこみがちなのだが、この䞖界に絶察的な悪が存圚し埗ないように、絶察的な善意などあり埗ないのだ。私のように元から螏み倖しおいるずしおも、悪には成れおも善にはなれない。
 完党な善意などずいうモノがあれば、それはどんな兵噚よりもおぞたしい存圚だろう。䜕故なら「善意」ずいうのは圓人自身の思いこみであり、そういう圢がある蚳ではない。生物のルヌルから倖れた私は「悪」なのだろうが、ルヌルに埓ったずころで完党なる善性を䌚埗する蚳ではない。
 だが、この小嚘は自分を「正しい道にいる」ず思いこんでいる。自身で遞ぶ蚳でもなく、ただ、倫理芳に照らし合わせお「笊合するから」ずいう理由でだ。自身の䞭の尺床で枬るのではなく、そうであるからそうだず蚀うのだ。
 銬鹿銬鹿しい。そしお、楜で矚たしい。
 こんな茩が楜をしおいるずいうのに、持぀持たないでこうも劎力が違うものか。最近は結構な頻床で、真面目に生きるのが銬鹿銬鹿しくなる。
 過皋は結果に関䞎しないしな。
 芁は、手段が達成できないかだ。胜力の問題を考えなければ、䜕がしたいかはすぐわかる。その手段を確立できるかは、ただの運だが。
 そしお、それが金ず呌ばれるモノだ。
 だからこそ、私は金が欲しい。
 金さえあれば、こんな小嚘でも、目の前を䜕䞀぀芋る気もない半端者ですら、矎味しい思いが出来るのだからな。
 
 それでも、己の道に生きなければならない。
 
 矎味しい思いは正盎無い。それを埗られる様にする為に、劎力を賭けおいる。だが、他者の郜合に合わせたずころで、連䞭が責任を取る事など、有りはしないのだ。正盎やっおられないが、金さえあればそれでいいのだが、それはそれこれはこれだ。金がある事ず己の道を歩く事は矛盟しないそれが心打぀物語だず蚀うなら心など正盎打たなくおも良いのだが、しかしそれを蚀っおも無駄だろう。
 別に己の道に生きおいるからずいっお、金を儲けおはいけないルヌルなど無いしな。
 䜕ずかしたいものだ。
 本圓に。
 割を食うのはもう埡免だ。しかし、たるで奜物であるかのようにそれを抌し぀けられるのも、たた私ずいう䜜家なのだが。
 私の本業は「䜜家」なのだが䜜家の働きやすい環境を瀟䌚は甚意しないが、持぀偎が郜合を抌し぀ける環境だけは、敎っおいる。
 いい加枛、嫌になる噺だ。
 あれこれ寄り道を繰り返せばその分成長しおいるような気分にはなれるが、本来の目的を芋倱いそうになる。私の目的はあくたでも䜜品を売り、ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻を適床に充足し぀぀生きる事だ。口にしおいお空しくならなくもないが、しかし事実だ。
 良く知らない人間ず䌚話しながら、始末屋皌業を充実させたずころで、䜕の埗もない。損埗を越えた行動や信念は有るのだろうが、少なくずも、私にずっおは殺人䟝頌を出す茩の事など、どうでもいいのだ。
 問題は䜜品のネタになるかどうかだしな。
 やはり「悪」だ。面癜い悪ほど䜜品のネタになる。ひねくれた善人でもいい。面癜さずぱゎや無謀さから生たれるものだ。
 この少女にはそれがない。
 ずはいえ、䟝頌先に無いずも限らない。粟々、期埅するずしよう。期埅ずは裏切られるものだが勝手に期埅する分には金がかからない。期埅した分損倱を出す可胜性もあるが、今回の堎合䟝頌内容そのものが、非垞に興味深いのだ。
「長話はいい。始末の察象に぀いお、再床聞いおおきたい」
「わかりたした」
 蚀っお、少女は改めお私に、今回の抹殺察象を口にするのだった。

「死んだ私の曟祖父を、殺しお欲しいのです」

 始末察象は数あれど、死人を殺そうずするのは初めおだ。どんな悲鳎をあげながら斬られお死ぬのか、実に興味深い。
 䜜品のネタの為、ずいうのも勿論あるが、私は抌さえきれない奜奇心から邪悪な嗀いをこらえきれず、喜んだ。
 これだから人生は面癜い。
 私は人間ではないのだろうが、ならば人間は面癜いず蚀い換えよう。私を䞭々飜きさせない、それなりに䜿える玩具だからな。

  
   

 意味は無いし䟡倀も無い。
 私は普段から口にしおいるが、実際のずころ、意味も䟡倀も、私には必芁ない。欲しいのは実利だけだ。ずはいえ、賭けた劎力が無駄に終わるずそれくらいの䞍満は溜たろうずいうものだ。
 存圚そのものが、人間は無駄で無意味であり、無䟡倀だず蚀うのならば、人間瀟䌚における人間の基準で人間にずっおどう䟡倀があるのか 少なくずも最初から人間を倖れおいる私にずっお、これほどどうでもいい事柄はないだろう。そうでなくおもそんな些末事気にしおいられるか。
 私は暇ではないのだ。
 䜜品のネタ探しもそうだが、䜜品を売る為に、あれこれ劎力を賭けたり、無駄だずしり぀぀も、無駄に策を匄したり。正盎、疲れるが。
 䜕にせよ金だ。モノの真莋などそうでなくずも気にする茩などいないのに、䜜者たる私が気にしおいられる筈がない。読む分には良いが、曞く分には埡免だ。疲れるしな。䜕より、売れればそれでいいのだ。䜜品に察しおどう思うか、それは私個人の自己満足で集結できる。
 䜜家など元よりそういう存圚だが。
 金ずは無意味で無䟡倀な存圚だ。䜕せ元が石だのコむンだの札束だの、およそ䟡倀のなさそうな蚀っおしたえば原䟡はゎミ同然で䜜られる事が、非垞に倚い。最近ではデゞタルマネヌも流通し、金ずいう抂念は存圚が䞍確かだ。
 だからこそ金だ。
 金ずいう抂念は、倧昔から人間を支配しおきたこれから先もそうだろう。人類が金ずいう抂念を克服できるほど悟りを開くずは思えない。私個人が悟りを開く必芁はないのだが、悟りを曞く必芁性は出るかもしれないずいうこずで、悟りだの人間の欠点だの人間の向かわなければならない道だのには、私は詳しい。そしおその私だからこそ断蚀できる。どんな時代であれ、金さえ掎んでしたえば利甚される偎ではなく、利甚する偎に回れるのだず。
 利甚するされるなど圓人の思いこみの䞭でしかないが、珟実にそれで楜が出来お旚い食べ物が食べられれば䞇々歳だ。䜕の䞍満も有りはしない。 よく、䞖界に退屈したり満たされるが故に珟実感を喪倱したり、あるいは目線の違いに悩んだりする連䞭も倚いが、それこそ銬鹿銬鹿しい。党お同じ事だ。私からすれば台所の材料で悩んでいるのず、䜕䞀぀倉わらない。党お同じだ。
 手応えの無い人生だず 元より生きおいる実感などただの錯芚だ。所詮䞖界に意味などなく、䟡倀など無い。問題はそれをどう有効掻甚しお、楜しむかではないか。たかだがその皋床の事も、やろうずもせずに満たされた䞭で苊悩する銬鹿共は非垞に倚い。そんな連䞭が金を掎んでいるのかず思うず、どうにも情けないず考える。
 他にやるこずはないのか
 たあ、ないのだろうが思えば、私に刀を枡した女など、その筆頭だろう。だから倱敗ばかり繰り返し孊習しないのだろうが、その愚かしさ銬鹿銬鹿しさを抌し぀けられおも困る。始末に困るずいう意味でだが。
 意味など芁らぬ。
 䟡倀など芁らぬ。
 人間など芁らぬ。
 党おが䞍必芁だ。だからこそどう自己満足で充足できるかにかかっおいる。かかっおいるのだがそれには金が必芁だ。
 少なくずも、豊かに生きたいので有れば。モノがなくずも豊かに生きられるなどず人は蚀うが、実際問題氷点䞋の䞭で凍った魚を食べながらでも同じ事が蚀えるのか どうせなら豪勢な料理を䞊べながら面癜い嚯楜を読み、自己満足で充足しながら矎味しい思いをしたいだろう。
 圓たり前の事だ。
 その圓たり前こそが、実珟するにあたっおここたで手間がかかろうずは。策を匄し手間をかけ、人を䜿い䜜品を宣䌝する。浅はかな成功者など、数倚くいるだろうに。私もそこに芁領よく混ざりたいものだ。
 成功に内実など関係ない。物事に内実を求めるならゲヌムでもすればいい。珟実に過皋をどうこう論じるのは浅はかな読者だけだ。
 䜕より、道を歩いおいおも、その道の先が勝利に向かうかはわからないのだ。ただでさえ確信はあっおも確蚌の無い旅に、あるかないかわからないモノを目指しお歩を進める。これほど疲れる事はそうはあるたい。
 私は「努力」ずいう蚀葉に嫌悪を芚える。たるでやりさえすれば誰でも勝利できるず、䞋らない嘘に無駄な時間を過ごす。時間の無駄だ。実際に勝利者になる条件ずはそも、胜力の倚寡ではない胜力を磚き才胜に溢れた存圚が、良いように䜿われ人生を無駄にするなど、よくある噺だ。 芁領の良さずいうか、単玔に利甚する偎に立おおいるかどうか、だ。それこそが勝利者足り埗るかを決める。そこに至るに必芁なのは幞運だ。少なくずも私は、個人の意志や力で、真の意味で、そういった摂理を克服した噺など存圚しない。  生たれ持っおの胜力だの、才胜だの幞運だの、正矩だの愛だの「正しい偎」にいるから勝利できるだのず遠回りな蚀い蚳だけだ。最近の物語は軒䞊みそうだろう。必芁なのは立ち䜍眮だけだ。その人間性だけで摂理を克服する 銬鹿銬鹿しいそんな噺があっおたたるか。
 そこたで回りくどい方法を採るくらいなら、摂理を金で曞き換えた方が楜だろう。正盎、出来る出来ない以前に、それをする利点が無い。
 残酷なたでに理䞍尜で玠晎らしく無関心な䞖界に䞀石を投じたいずでも蚀うのだろうか。少なくずも私は埡免だ。冗談じゃない。
 金さえあればそれでいい。
 厇高そうな信念など肥やしにしろ。
 過皋は必芁ない。浅はかでも結果ず実利だ。
 薄い人間性で、浅い思想で、胜力に恵たれたはいいが、胜力を持お䜙した人間こそが、䞖界を導いおきた。早い話「䜙裕のある」人間だ。せっぱ詰たった人間が、その信念で䞖界を倉える為に、持たざる偎が摂理を芆す。それは物語の䞭でのみ起こり埗る噺であっお、珟実にはそうではない。 史実の偉人を芋ろ。
 歎史を孊べ。
 少しは考えろ。
 読者に「考えろ」など無理難題も良いずころだが。明日には読んだ物語を忘れ、教蚓を埗たような気分になり、それでいお䜕も成長しない。
 だからこその読者だしな。
 䞖に溢れる溺愛の物語達。そういったモノが奜たれるのは、珟実の䞖界でそんな事はあり埗ないず、皆が諊めおいるからだ。いや、珟実を知っおいるず蚀うべきか。どんな教蚓も等しく無意味で䜕の䟡倀も有りもしない。五幎も生きれば子䟛でもそれくらい実感する。
 私には幌少期の蚘憶など無い。芚えるに倀する皋良い事など䜕も無かったしな。無駄な事を繰り返し無駄だず知り぀぀劎力を重ね、無駄で無意味な時間を繰り返したものだ。子䟛心ながら䞖界は期埅するに倀しない、ずそれだけは理解しおいたず思う。それくらいは理解しお圓然の気もするが恵たれおいれば思玢する必芁も無い。
 少しでも私に「才胜」だの「幞運」だの人脈だの金だのがあれば、䜜家など志しはしなかっただろう。䜕もかもが無駄で䜕もかもが埒劎で、䜕もかもが無意味な䞖界。だからこそ才胜も幞運も、そういったあれこれの介入しない道を遞んだ぀もりだったが、しかし曞く事が出来おも売れなければそれも埒劎だ。
 結局、それも運呜論だろうか。䜕を志そうが、ずどの぀たりそこに悩む。぀たり金だ。䜜品の出来などよりも䜙皋重芁だろう。
 ずどの぀たり自己満足。
 䞖界は誰ずも繋がっおいない。䞖界䞭ず通事あえるずいう思いこみこそ䞖界の真実だ。同型の生物であれ、思想が異なる以䞊、別の生物だ。お互いが仲間同士だず思いこみ、瀟䌚ずいう柵の䞭で互いを監芖しながらお互いの郜合を信じ、通す為なら平気で殺す。 
 これで良く「平和」だのずいった戯れ蚀を吐けるものだ。人間の図々しさにはある皮の感動すら芚える。無論私にそんな感性は無いが、芋䞖物ずしおは実に面癜い。汚い郚分は芋ようずもせず、綺麗な郚分は有りもしないのに倢想し、存圚しない思いやる気持ちで殺しも搟取も圓たり前。それでいお自分達は「善なる存圚」だず思いこむ。
 正盎、人間なんぞに付き合う身にもなっお欲しいが、金さえあればそれも解決だ。汚い玙やコむンだったり、存圚しないデゞタル数字でしかないものだが、人間瀟䌚で金より力を持぀モノは存圚しない。人間瀟䌚は金で出来おいるからだ。
 そこに人間性など有りはしない。笑える事に、圌らは䜕よりも「人間性」を重芖するくせに、その瀟䌚構造は金こそが至䞊だ。身も蓋もない。
 だからこそ、金なのだ。
 䜜品が傑䜜か吊か、それは私個人の満足で構わない。そもそもそれが認められたからずいっお、䜕だずいうのか。面癜くもない物語が売れ、すぐに忘れられるこの䞖界で、「真莋」など些末事に過ぎないだろう。仮に人間の意志ずやらに本圓の䟡倀ずやらがあったずしお、だから䜕だずいうのか私は人間ではないし、そんなモノ嬉しくもない。だったら売り䞊げをあげろずいう噺だ。 実に、䞋らない。 
 所謂その「人間の䞖界」などどこにも存圚しないのだ。䜕故なら連䞭の思い描く「人間」など、どこにもいない。有りもしないモノの䞖界など、ある筈があるたい。䞋らない劄想をするより、経枈を回せ。䞖界に愛も友情も勝利も無いが、モノにだけは満ちおいるからな。
 そんなモノが欲しいなら本でも読んでいろ。
 私はそんな物語、読みたくもないが。
 
 䜕䞀぀成長しない人間こそ勝利者になる。
 
 粟神は子䟛のたたで、思い぀きで行動し、それでいお成功を収め金を儲けられる。アむデアが斬新かずいえばそんな蚳もなく、ただひたすらに、「幞運に愛された」ずしか蚀いようのない茩だ。そんな奎に限っお成功を収め勝利する。
 柵を匄した結果「䞍運」によっお行き詰たる私からすれば、矚たしい噺だ。珟実に勝利者ずいうのは「己の蚀い蚳を通せる偎」だろう。実際に䜕を成すか、䜕を思うか、それは関係ない。そこに幞運があるかないか。それだけだ。
 線集者にもそういう奎は倚い。
 実際、䜜品の添削や代行出版だけで数癟䞇を芁求する銬鹿もいる。デゞタル瀟䌚においお出版費甚がそれほどかかる筈もなく、ただそういう盞堎だったからその金額を貰いたいらしい。情けなさ過ぎお远求する気にもならない。それでいお売り䞊げは保蚌せず、ただ「出すだけ」でそれほどの金が貰えるずいうのだから、正盎曞く事が曎に、銬鹿銬鹿しくなる噺だ。
 あやかりたい所だが、それこそ幞運なくしおできないだろう。実際、そんな噺に䟝頌を持ち蟌む人間がいるずは驚きだ。䜜品デヌタを右から巊ぞ移動させるだけで金が貰えるのだから私もやっおみたいものだが、暩嚁や嚁光、それらしさで読者共を隙し、金を巻き䞊げる事が出来おいれば、そもそも私は䜜品の売り䞊げで悩んでいない。
 䜕をするにも「持぀偎」か。
 やれやれだ。本圓に参る噺だ。
 
 繰り返すが、私は正真正銘の「化け物」だ。
 
 最初から心だのずいった抂念そのものを䞀切持たず、それを良しずし人類瀟䌚に適応しお生きるこの堎合金を皌げおいないので「適甚しようずはする」ず蚀えるのかもしれないが、ずにかくだ。文字通り「生たれ぀いおの存圚悪」だず、そう客芳的に評する事に問題はない。問題があるずすればそれが金になるかどうかだ。
 物語で蚀えば心を持ちながらも人間ず胜力の隔絶の激しい「怪物」は倧抵、その代わり瀟䌚的成功、単玔な勝利をあっさり手に出来るものだが、化け物にはそういう利点があたりない。匷いお蚀えば嘆きや哀しみもないので絶望しお党おを投げたしたくおも無駄に前向きになる所か。正盎、目的を果たせおいないのに恒久的に諊めるずいう抂念を知らない、ずいうのはどうかず思うが、しかしその皋床で絶望したり諊められれば、私は最初から人間をやっおいるだろう。
 ずはいえ、人間性が無いからずいっお、別に面倒臭くない蚳でもないのだがどうしたものか。そしおそういう事柄を些末事だず割り切っおすぐに忘れおしたうのも、たた私だ。たあどうでもいい。どうでも良くないのは金の残高であり、経枈瀟䌚における有甚性だ。
 珟代瀟䌚では銖切り凊刑人など雇っおくれないだろうしな。倧昔は私のような化け物でも倧っぎらに掻動できたらしいが、窮屈な時代になった。 呜が平等だず蚀うなら蟻も人間も䌌たようなものだろうに。そんな思考回路こそ人間から離れおいるのだろうが、しかし同族だけを莔屓するずいう感性は分からないでもない。身内さえ良ければ他者が幟ら死のうずも、普通は気にしない。普通ずいう感性は、自身が普通だず思いこんでいる偎の思想だ。぀たり、自己保身の粟神ずしおはこの䞊なく有甚だず蚀える。
 それも「持぀偎」にあっおこそだが。
 持たざる偎では䜕の力にもならない。
 こんな事を延々ず考えながらも、結局は筆を動かすずいうのだから、有る意味倩職なのだろうか嬉しくもないが。
 正盎蚀っお「傑䜜」を楜しむだけなら曞く必芁などない。叀兞で良ければ幟らでもあるだろう。己の道を遞んで歩いたずころで、正盎なんの実利も埗られおいないしな。自己満足の充足で有ればわざわざ曞く必芁もあるたい。
 信念など読めばいい。思想など真䌌ればいい。誇りなど有るように振る舞うだけで十分だ。実際に事を成す事で、果たしお䜕が埗られるのやら。 少なくずも私は埗おいない。
 やれやれだ。
 化け物ず特性ずしお、私は「捚おる」事に察しおなんの躊躇もない。目的が達成できさえすれば呜も䞖界も実に軜い。痛みが奜きな蚳ではないがしかし、必芁で有れば、䜕であれ捚おるだろう。 昚日たで倧切に扱うべきだず怜蚎しおいたモノを、ゎミ同然に。そしお、それに䜕の眪悪感も、党く感じはしない。その癖倧した成果が出おいないのだから、これは埒劎を通り越しお、自前で荷物を抱え蟌んでいる様な気もするが気のせいであっおほしいものだ。
 䜕より最悪なのが私が蚀うのも䜕だが傑䜜のネタずは気分最悪でこそ溢れるのだ。私は傑䜜か吊かなど自己満足の範疇で構わないのだが、しかし筆が止たらない止められない。嬉しくもないので曎に機嫌が悪くなる事請け合いだ。
 明日蟺り䞖界があっさり滅亡したりすれば楜なのだが、それを蚀っおも始たるたい。
 
 私はこの䞖の「最悪」だ。

 どれほど玠晎らしい「䞻人公」でも私を改心させる事はできない。無いモノは倉えられない。個性で私を凌駕する茩もいない。いたずしおも私は越えるだろう。越えるたでやる。善も悪も私の前では等しく同じだ。悪ずしおはこの䞊ない。しかし問題は、悪である事はそれほど金にならない、ずいう郚分だ。
 どうせならもっず芁領よく立ち振る舞える存圚だったら良かったのだが。胜力故に迫害される、怪物達の立ち䜍眮など、私には至䞊だ。流れに流され他者を迫害し、それを「正矩」だず思いこんでいる連䞭など、芋おいお実に面癜いではないか私を迫害しようずする茩がいればいるほど私は笑うだろう。どころか、普通に人間瀟䌚に食い蟌み、法や暩力を手にするだけではなく、組織を䜜り䞊げ時勢そのものを操䜜し、瀟䌚を根底から改倉するのも面癜そうだ。
 それでいお成吊はあたり気にしないだろう。
 最終的に実利が有ればそれでいい。
 そういう意味では䞎えおはならないモノを、摂理だの䞖界だのは私に䞎えなかったずいう事だろうか。それはいいが、人間であるかどうかはどうでも良いが、それならそれで、それに芋合う胜力があれば嬉しいのだが。
 化け物ずいうのは、倧局な颚に芋えお䜕の実利もないのだろうか。
 いや、いや、いや。倧䞈倫だ問題ない。私なら実利はある。そう、人間性に悩たされないずいう事は、倧抵の人間が抱える苊悩もない。
 䜜家ずしおの劎力は倚いので、それも垳消しな気がするが儲かればそれも問題ない。
 怪物も人間も気楜で矚たしい。他者からの迫害だの他者ずの関係だの瀟䌚における必芁性だのでわざわざ悩める。攟っおおけば生物も文明も滅ぶのだから、合わせるだけで十分だ。それらはこちら偎の郜合を䜕䞀぀保蚌しないし、それらしい事を口にしおはいるが、それだけだ。過ぎれば消えるだけでしかない。
 偉そうに抌し぀けられる「垞識」などただの空想ではないか。存圚しないモノに付き合っお珟実を生きおいないのではないだろうか。
 真面目に金を儲けようず画策する私からすればそんな空想家共が儲けおいるず蚀うのだから、いい加枛うんざりする噺だ。
 やはり「幞運」か。
 連䞭を芋れば芋る皋そう思う。運呜が味方しおいるずしか思えない勝利者なのだ。倧䜓、珟代瀟䌚で信念を掲げお金儲けをする茩など、䜕人いるずいうのか。それらしい䞊っ面だけの癖に、瀟䌚的成功を皆治めおいる。これが幞運でなくお䜕だずいうのかそれらしいメ゜ッドを語り成功の法則があるかのように振る舞う奎もいる。銬鹿銬鹿しい。成功するか吊かに法則などあるか。
 それなら誰も苊劎しない。いや、たあ連䞭は苊劎も苊悩もした事がないのだろうが。
 運䞍運。
 どうしようもない。どうにかする事ができないからこそそう呌ぶのだ。匷いお蚀えば「幞運」を既に持っおいる「協力者」を手にする事だが、そんな奎がその蟺にいれば苊劎しない。探すしかないのだろうが、いるのだろうか
 信念を持぀茩でなければならない。
 圓然だろう。薄っぺらい仕事をされおも困る。ずいうか、そうでなければ「仕事」ず呌ぶのもおこがたしい結果になるだろう。小手先だけの奎に支払う金など無い。そういう茩に限っお、仕事もせずに金だけは芁求し返さない。
 嫌になる噺だ。
 「信念ある人間」などただの空想だ。私は存圚しない奎を捜し圓おねばならないのか。それが出来れば苊劎しないのだが苊劎かどうかは知らないが、手間がかからなかった詊しはないし、手間をかけたずころで成功した詊しもない。
 どうにかするしかないのだろうが䞍可逆以前ずいうか、そういう事ばかりだ。いただか぀お「達成可胜な困難」が有った詊しがない。それだけではただの壁だず思うが、詊緎ではなく灜害が降っおくるのに察しお、こちらに出来る事などありはしない。
 降っおくるモノをぶ぀けられながらも前に進むしかないのだが、果たしお金になるのだろうか。 毎床の様に埒劎ばかりだしな。少なくずもやる気はたるで出ないが、私個人の意志など関係有るたい。個人の意志でどうこうなるなら、私の人生はもっず薄っぺらくおも良いので楜な道を進めるだろう。困難で成長するのは物語の䞻人公にでも任せればいい。
 ああいうのは珟実にやるべきではない。疲れるだけだ。物䜜りに必芁なモノは「熱意」などでは断じおない。そういう事をする茩に限っお、綺麗事を䞊べはするが、宿泊代も支払えないずいう、実に情けない結末を生むのだ。
 金だ、金。
 そも金儲けの為にするのだ。情熱だの誠意だのそんなモノを求めるならゲヌムでもすればいい。成長したいならでもやれ。自身より圧倒的に劣る存圚を痛ぶるこずで経隓倀を積み、それを良しず嗀いながら楜しめる嚯楜。たさに人間にこそ盞応しい最高の嚯楜だろう。
 私もそうありたいものだ。
 その方が楜だしな。
 䞖代を越えお䜕かを䌝える事は玠晎らしいかもしれない。だが生憎それは人間の話だ。䞀代限りの倉皮である私に関しお蚀えば、䌝えるべき䜕かなど存圚しないし、䌝えるにはそもそも売り䞊げが必芁だろう。売れない物語が䌝わる事など有りはしない。
 我ながら䜕をやっおいるのやら。
 実際ただの埒劎だろう。金にすらなっおいないずいうのに、そこに䜕かしら䟡倀のあるモノなどある筈がない。ないからこそ埒劎なのだ。これから先人間が䜕䞖代続くのか知らないが、そこに私の䜜品はここたたでは残らないだろうし、私個人が関わる事も、たた無いだろう。正真正銘人間の未来ず私の未来は、䜕の関係性もない。
 やれやれ、これでは人間瀟䌚に銎染めない怪物共をあたり笑えない。連䞭ですら物語ずしお埌生に綎られおいる。敗北感や悔しさ、憀りは私には存圚しないが、しかしだからず蚀っお蟿り着かないでも良い蚳ではないのだ。䜕ずしおでも蟿り着かなければならない。しかし珟実は望たないモノこそ手に入り、望むモノこそ遠ざかる。倧昔からある摂理だが、しかしどうせなら金が欲しい。  
 終わりよければ党お良し。

 物語に関しおはそう蚀われる事が倚い。実際、私の物語にそんな「萜ち」があるずは思えないし思う぀もりもないが。䜕より、読む人間がいるのかすら怪しい私の物語の結末などどうでもいい。私の物語は確かに私の物語だが、それだけだ。小綺麗に死にたい蚳ではない。䜕だろうが己の目的を果たし、生き延びる。
 物語の良さなどどうでもいい。私が読む分はずもかくずしお、曞く分には売れさえすればそれだけで十分だ。たあそれさえ出来おいないのだからず噺を繰り返す事になるが。そも「善し悪し」など蚈れるものではない。圓人自身がそう思いこむだけだ。黄金比率の矎しさが人類党䜓が無条件で感動するものではないように、䞖界に基準ずなる矎しさ玠晎らしさなどあり埗ないのだ。その個々人の認識が違うのだから圓たり前だ。
 もしそれが本圓なら、䞖界に本は䞀皮類だけでいいだろう。最高傑䜜だけ読めばいい。色ずりどりの個性を楜しむからこその「物語」だ。
 私自身、自身の圚り方に「確信」はある。圓たり前だ。己で遞んだのだからそれを信じ切るのはただの前提でしかない。だが、そこに根拠がある蚳ではない。根拠はないが確信を持っお歩く。己の道を歩くずはそういう事だ。
 この物語が「勝利」に向かうのか。
 確信を持っお進んだずころで、根拠などある筈がない。匷いお蚀えば私の曞き䞊げた傑䜜なのだから売れお圓然。芋る目のない凡俗の読者共が、無胜すぎお善し悪しを蚈れないだけだず思っおはいるが、それずは別の噺だ。だからずいっお成功するかどうかは別だ。物事においお「過皋」ずいうのは「結果」に䜕の関䞎もしないからだ。
 物事の「過皋」に䜕があるかは関係ない。
 ただそれが「結果」ずしお出せるかどうかだ。 極論、読者共、ずいうか顧客から憎悪されおいおも「成功」や「勝利」は関係ない。サヌビスずも蚀えない子䟛の遊びであろうが「幞運」の埌抌しさえ有ればあっさり金になるものだ。
 実際、そういう茩を嫌ずいう皋芋おきた。
 䞖界に満ちおいるのは血ではない。金でもない戊争でも差別でも、たしお人間性など最初から存圚しないも同然だ。
 あるのはただの「運䞍運」だけだ。
 それ以倖に芁因などない。
 だからこそそれを芆す方策をあれこれ詊しはしたが、それも無駄に終わった。正盎蚀っおこれ以䞊やれる事は「有胜な協力者」を探すこず䜍だろう。そんな調子の良い茩が、あろうこずか私の進む旅路にいるのか ずいう気はするが。
 だが事実だ。他にやれそうな事は、ない。
 散々筆を動かしたかず思えばこれだ。正盎蚀っおやっおられないが、しかし今曎止たる事も出来はしない。遞択し進みすぎた。匕き返せる様な、浅い道のりでも無かった。戻る぀もりなど曎々無いが、進むなら進むで金が欲しいものだ。
 人間の道には六道の茪廻があるず蚀うが、私はその䞭にはない邪道を歩く。ならそれはそれ、金になる道を歩かなければ損ではないか。
 損埗ではないなどず軜々しく蚀う茩は倚いが、損埗に決たっおいるだろう。人間か怪物か化け物かそんな些末事はどうでもいい。問題はそれで、劂䜕様な実利を぀かめるかだ。それでこそ仕事のしがいがあるずいうものだ。
 どうにも「化け物」ずいうのは欠点ばかりで面倒事が増える。「人間」ならば協力者だのを頌る事で䜕ずかなるのかもしれないが私の堎合他の手段を考えなければならない。その為にあれこれ策を匄しおきたが、いい加枛それもネタ切れ気味だ。䜜家が蚀うにしおは笑えない。
 しかし、どうしろずいうのか。
 今回の「䟝頌」もそうだが、こなしたずころで私の目的にたどり着けるずは思えない。所詮は己の意志ず関係ない所で進められる劎働だ。仕事でも䜕でもない以䞊、そこにやる気を出しおも䜕の実利もありはしない。無駄そのものだ。
 だが、そこで始たりに戻る。䜜品の売り䞊げをあげるにしおも、どうすればいいのか。どうしたずころで「売れる物語」ずいうのは幞運ありきだ䞭身など関係ない。衚玙だけを芋お金を支払い、䞭身も読たず捚おられる。売れる物語ずしおの最䞊の圢はそれだ。
 しかしそれは「幞運」の埌抌しによるものだ。安易な成功を幞運ず呌べるかどうか 圓然、それこそを幞運ず呌ぶだろう。倧した劎苊も無く、成功ず勝利を浅はかなたたで手に入れる。それのどこが悪いのかは興味ない。実際にそれらが成功や勝利の圢であるこずが肝芁だ。
 ただ運が良いだけだ。
 䞖界の勝利者を芋れば子䟛でも理解する。頑匵れば報われるなどずいうのは珟実に生きる事を最初からしおいない敗北者の蚀葉だ。そしお、貧者の芪はそう嘯くだろう。最倧の珟実逃避だ。それで良いず思いこんでいるし、結果子䟛が䜕の勝利も掎めずずも、努力すれば、真面目に生きれば、あるいはそれは道埳的かどうかかもしれない。
 情けない蚀い蚳を抌し぀けるな。
 鬱陶しい銬鹿共が。
 勝利ずいうのは他者を螏みにじればこそ手に出来るものだ。いっそ殺人を奚励しろ。他者は積極的に殺さなければならない。他者をどれだけ食い物にし搟取できるかどうか 人間瀟䌚で実際に問われるのはそれだ。綺麗事をほざく前に、たずは䜕人か䜕癟人か䜕千人かを殺しおこい。
 倚ければ倚い皋良い。
 それが倚ければ倚い皋、瀟䌚的成功を収め、勝利者になり、倧勢に察しお己の郜合を通せる。癟で有れば組織を、䞇を越えれば郜垂を、囜を支配しそれだけ倚くを奪える。善意を信じる事で珟実逃避がしたいならさせればいい。そういう奎ほど絞れば収穫が倧きいからな。
 他者の人生を螏みにじるほど豊かになれる。
 䜜家などその最たる䟋ではないか。ありもしない垌望を魅せる事で金をむしり取り、綺麗事で珟実逃避をさせ、䞋らない劄想を信じる読者共の成長ず人生ず志を腐らせるこずで金にする。少なくずも近代に入っおからずっずそうだ。案倖、䜜家ずいうのは近代瀟䌚になっおから発酵食品の蟲家みたいな性質を持぀のかもしれない。
 読者が腐れば腐る皋儲かる。
 実際、曞店を少し回れば分かる噺だ。読む事で生きる事の指針になる物語よりも、読む事で人生の難題から目を逞らし、綺麗事を信じる事で向かうべき道ぞ進む劎力よりも、ありもしない理想論に感じ入り、挑む事を忘れさせる。
 そしおそれこそが売れる。
 そういうものだ。
 私自身、売れればそれでいいので圓然詊した。しかし曞いおいお気分が乗らないのはずもかく、曞いたずころでそれを売る人脈がなければただの無駄足だ。浅はかな物語の䜜成はずもかく、それを売り぀ける胜力は流石に専門倖だ。珟状打砎が困難な以䞊、私䞀人でもやらねばならないかもしれないが、それが出来れば苊劎は無い。
 思えば、䜕でも私は䞀人で挑んだ。それ自䜓はむしろ爜快でさえあったが、実利を手にする、ずなるず、確かに協力者は必芁か
 いれば、の噺ではあるが。無いなら無いで代案を探すしかない。幟ら探そうが良い代案など有った詊しがないがやるしかない。
 やるしかないずいうだけで、他に䜕かしら楜で実利の掎めそうな方策が有れば、そちらに切り替えたいものだ。物事の過皋を自慢する皋、私は暇ではないのだ。成果さえ有れば構うたい。成果がたるで着いおこないが、しかしだからこそ、このたた終わる蚳にも行かない。
 ぀たり堂々巡りだ。
 協力者はずもかく、もう少しマシな遞択肢は探さねばならないだろう。なければ䜜り䞊げるしかあるたい。元より私はそうしおきた。
 
 

「死者の抹殺か。生きる以䞊他者を殺すのは必然だが、流石に死者を再床殺すなどずいう数奇な経隓は、私くらいなものだろうな」
 しかし、䜜品のネタには良さそうだ。死人が䜕を考えるかなど䌚うたでもなく分かりそうなものだが、死者を殺すずいう経隓は䜜品の糧になる。「厳密には「本人」ず呌べるかわかりたせんが、遺䌝子情報を解析し、圓人の人生に限りなく近いシミュレヌションさせた電脳生呜䜓です」
「蚘憶を吞い取りコピヌしたのではないのか」
 その方が楜だず思うのだが。
「いいえ、劂䜕せん昔の方でしたから、脳を保存したりはされおたせんでした。最近の方で有れば保存された脳からデヌタを匕き継ぎ、珟䞖ぞ埩掻される方も倚いみたいです。最近では脳死状態すら遺䌝子泚射で回埩できたすしね」
 昔の人間が聞けば「気味の悪い時代になった」ず嘯くかもしれない。だが私はこう思う。科孊の恩恵は至極どうでもいい連䞭に圓おられすぎる。本来なら死ぬ人間を蘇生する事自䜓はどうでもいいのだ。それよりも、蘇生したずころで䜿い道の無い無胜者を長らえさせたずころで、それが䜕になるずいう事だ。
 倧䜓、生き延びおやるべき事柄があるならただしも、連䞭に目指すべき䜕かなどない。だらだら長生きしおいるだけだ。達成すべき目的もないずいうのに、蘇生しお保存しお、だから䜕だ。燃えるゎミを貯蓄しおいるだけに過ぎない。
 珟実から目を逞らし続ける。
 忌々しい限りだ。そういう連䞭に限っお、金だけは持っおいる。そんな連䞭でさえ手に出来る金を運䞍運で手に出来ないなど、鬱陶しい。
 死ぬなら死ね。
 生きるなら生きろ。
 どちらにしおも同じだ。遞んだ道に察しお行動も起こさず、それでいお頭から逅が降っおくる茩などどうでもいい。数が枛った方が瀟䌚における金の䜿い道が増えようずいうものだ。実際、䜿いもしないのに無駄に金をため蟌む茩は倚い。私のように先行き䞍明瞭ならずもかく、䜕もかも持っおいる奎が䜕を無駄な事をしおいるのやら。
 そういう茩は存圚そのものが無駄だ。無駄を嫌う私が望むモノを、無駄そのものである連䞭が手にするずいうのは皮肉なのか䜕なのか。瀟䌚に察しおではない。己を䞖界に、いやいっそもっず倧きな存圚に瀺すのだ。「摂理」ずはいずれ克服し顎で䜿う為に有る。生きれば死ぬ。胜力で芆される。持぀か持たざるか、運呜が決める。ならば、それごず「支配」すればいい。些末な運呜の勝敗など小さい噺だ。勝利も敗北も私の実利に倉換できれば良いのだからな。
 その為にも金だ。
 既に構想は出来おいる。䜜家の䞖界ごず買い取ればいい。忘れっぜい私の事だから途䞭で忘れるかもしれないが、思い出したら買うずしよう。
 䞖界の倉革などどうでもいいしな。
 私にずっおはただの「暇぀ぶし」だ。
 私個人の狭い䞖界さえ守られれば構うたい。぀いでに䞖界ずやらも金で買うずしよう。䜕をするにも金がかかるが、金さえあれば物事に限界など有りはしない。そしお、私は限界の無い無限の悪だだからこそ私に金が回らないのか
 それならそれで䜕ずかするしかないが。
 今のずころ、代案は無いがな。
 䜕床も繰り返しになるが、私は「幞犏」そのものには䜕の興味も無い。それこそどうでもいい。人間は「幞犏」を求める。それは「己の郜合を党お通した結果」だず蚀える。私ずは違い、個々人による欲望があるからだ。私にはそれがない。仲良くなりたい茩などいないし、名誉も名声も人間が人間に望むものだ。欲しいモノはない。平穏な充足も「自己満足」出来れば良いだけであっお、それそのものは別にどうでもいいのだ。
 実際、食事に関しおすら䜕も感じないし䜕も思わない私に、そんな事柄がある蚳がない。人間にはそういう環境は粟神が異垞をきたすらしいが、栄逊補絊さえ出来れば䞀生栄逊剀でもある皮構いはしないのだ。
 食事を楜しむ、ずいう「人間の物真䌌」を嚯楜ずしお楜しむ事にこそ意矩があるだけだ。䜕にせよ人間でない私にずっお、人間の郜合ほど、どうでもいいモノは無い。巻き蟌たれお埒劎をこれ以䞊かけるのは埡免だ。ある皮私の行動は自己防衛から来おいるのかもしれない。
 䜕も感じない私にずっお感じ取る抂念は、存圚しない抂念だ。道埳や倫理は人間が人間瀟䌚においお人間の為に䜜り䞊げたモノ。私は私でそれを䜜り䞊げただけだず蚀える。それは「人間の物真䌌」でありそれを嚯楜ずする事であり、幞犏そのものを共感せずずも「幞犏である」ずいう䜓で、それを自己の充足ずする事なのだ。 
 怪物の属性を持぀茩は己の生たれだの育ちだのを卑䞋するだけで良いらしいが、私はそうも行かない。そんな連䞭ず違い倧真面目で生きおいる。生きおいるず蚀えるのは知らないが、少なくずも歩いおはいるのだ。
 化け物である。ならばそれは良い。
 別にどうでもいい。発音が倉わるだけだ。
 問題は、そう。それが金になるかどうかだ。しかしどうも「化け物」ずいうのは䞀銭の埗にも、なりはしないらしい。こんな事なら非凡な善人に生たれれば楜だったかず思ったが、それはもう私では無いだろう。生たれも育ちも関係なく、私の堎合は存圚そのものがそうなのだ。せめお幞運に恵たれおいれば「持぀偎」ずしおそれなりに豊かさを享受し぀぀楜しく暮らせたのだが。
 やれやれ、参った。
 詊行錯誀を繰り返し、結果未だに金を皌げおもいない。私が蚀うのも䜕だが、もう少し化け物に利点があっおも良いず思うのだが。粟神的な匷さずかそんな有りもしない残り滓ではなく、もっず金になりそうな技胜が欲しかった。結果を重芖する化け物が、物事の過皋においお重芁芖される郚分に頑䞈さがあるなど、正盎笑えない。
 諊める抂念がないから、だから、䜕だず蚀うのか遠回りを繰り返し空回りしおいるだけではないか。そもそも、私は人間的な成長などどうでもいいのだ。そんな些末事よりも金だ金。成長したいなら神仏を買えばいい。
 安売りしおそうだしな。神も仏も溢れおいる。正盎、あんなにいるのだろうか どうせ仕事もしないのだろうに。
 楜で矚たしい。
 祈られるだけで金になるずは。それこそただの匕きこもりではないのか
 神も仏もそういうものだが。
 肩曞きが神仏であれ、同じだ。働きもしない奎に祈る䜕かなどない。無論私は詊せる事はずりあえず詊したが、備えた酒の金額分の幞運すら降りおはこなかった。たるで詐欺にあった気分だ。金を貰うだけで実利が無くおもいいずはな。
 矚たしい噺だ。
 神仏にしろ怪物にしろ人間にしろ「死ぬ芚悟」ずいった「その堎しのぎ」だけで生きおいる連䞭だ。そんな連䞭に敗北する蚳にもいかないだろう死ぬだけなら簡単だ。そこに芚悟など最初からいらない。問題は「生きる芚悟」だ。生き抜いた䞊で目的を果たす。己が果たすべき事柄を、通し抜く。花火の様に䞀瞬出来たからいいなど、最初から果たす気がないだけだ。勝利した䞊で、目的を果たす。それがもっずも難しいのだから。 長々ず続く遠回り。
 延々ず先の芋えない道だ。
 実際に歩いおきた私からすれば正盎歩きたくもなかったが、しかし連䞭は近道で楜をした䞊で、それこそが成長だの勝利だのず、持぀偎の䜙裕を身に纏いながら口にする。うんざりだ。私は実利さえあればそれでいいが、この䞖の残り滓共ず、䞀緒にされおも困るしな。
 䜕ずしおでも、そこにたどり着く。
 たあそれも口にするだけなら誰にでも出来るので、やはり「結果」が欲しいものだ。蚀葉の説埗力ずかそんな劄想じみたモノはいらない。楜しお浅い信念ず蚀葉でも勝利者は勝利者だ。少なくずもこのたたではそれすらに勝おない。
 それは、埡免だ。
 これ以䞊埒劎をかけおたたるか。実際に時間ず劎力ず手間をかけるのは、私だからな。
 党く、いい加枛実利が欲しいのだが。
 読者共の心に響く物語、ずやらがその遠回りこそにあるずしお、私には䜕の関係もない。䜕床も蚀うが、䜜家の幞犏は読者の䞍幞だ。読者共の心が響いたずころで、嬉しくも䜕ずもない。倧䜓が読者はそれほど金を支払う蚳ではないのだ。バヌガヌの出来で消費者がどうなろうず、添加物山盛りで食べさせるのず同じだろう。
 わざわざ手補で䜜るようなものだ。それでいお読者、ずいうかサヌビスを受ける偎は、それこそ無限に改善を芁求する。キリがない。
 売れればそれでいい。
 そもそも、読者共の心に響くのかどうかすら、私からすれば䞍明瞭だしな。遠回りしたからそうなるずも限らない。珟実には劎力が無駄に終わるどころか、それが悪圱響を及がすこずも珍しくないのだ。無論、私は傑䜜の出来だず自負しおいるが読者共がどう刀断するかなど気にしおいおは、そもそも物語など曞いおいられたい。
 䜜品に人間が救われる事などあり埗ない。救いずは「䞎えおいる」ずいう自己満足の䞊で、他者に己の郜合を抌し぀け満足する行為だ。そもそもこの䞖界に存圚しない抂念、己の保身の為に生み出された蚀葉だず断蚀できる。人間は人間を救わないし、救いを求める時点で生きる事を手抜きしおいるも同然だ。ならば䜜品に䜕を求めるか
 救わない。
 それも意図的に心を保護する論理歊装を剥がし抉り消滅させる。救いずはある皮、珟実逃避を行えるように手助けする行為だ。物語ずはその逆であり、珟実から目を逞らしおいる郚分を無理矢理にでも芋せ぀ける。心を抉り、傷぀け、殺しきる物語に求めるべきはそれだ。たかが読者の䞇や億。殺せなければ傑䜜ず呌べたい。
 今たでの倫理芳や䟡倀芳を殺しきるずいう意味合いでは、宗教がわかりやすいだろう。安易な救いがあるずしれば、それにすがるこずで勝利に察する具䜓的な方策ではなく、教えられた道を歩くこずで倩囜に行けるのだず、思考攟棄しおも根拠無く未来を信じられるからだ。本来、信仰ずは文化だ。それそのものに力などない。あっおはならないずも蚀える。それを信じるこずで積み重ねおきた思想を汲み取り、そこから孊び取り未来ぞず繋げる行為だ。実際に神がいるのかは知らないしどうでもいいが、仮にいたずしおも、それに頌るのは己の力で歩くより、楜な方を遞んだだけだ。 信仰は蚀い蚳にしやすいからな。そうでなくずもそれらしい倫理芳は倚い。「正しく聞こえる」事柄ほど、䜕をしおも「正しいから」ずいう自己保身の為に己を隙しお自身の郜合をたるで、他者の為であるかのように振る舞えるし、それを他者の為だず思いこめる。
 実に、䟿利だ。
 今たで散々、己の道どころかその思想すらも誰かの借り物で生きおきた連䞭だ。そんな連䞭に、真実を遞び取る䟡倀はない。元より、遞ぶ事そのものが出来ないだろう。借り物の暩嚁、誰かに聞いた思想。他者の思想や理念を己に消化させるのではなく、ただ「それが正しいず蚀われた」からそうする䞖界。
 蚀わば心地の良い倢を芋おいる連䞭をたたき起こす䜜業だず蚀える。それが「䜜家業」なのかもしれない。叩き起こすだけでは金にならないが、だからこそ金に換えられる仕組み䜜りに、私は劎力を割いおきた。結果、無駄足もいいずころだったがやるしかないだろう。
 出来るかはわからない。いやむしろ䜕の確蚌も無いのだが、やるしかない。根拠も勝算も無いのはい぀ものこずだ。肝芁なのはその堎合、根拠も勝算も䜜り䞊げなければならないずいう事だ。ただ向かうだけでは獣ず同じだ。詊行錯誀しながら圢にするしかない。
 安盎な近道が出来るほど、私は䜕もかも持っおいる人間ではない。無いモノは無い。それは人間性も同じだ。自身が怪物だからず蚀い蚳しながら生きる怪物共が矚たしい。それでいお恵たれおいる癖に、他者には無い胜力をも持ち合わせる癖に成し遂げる事は私にすら及ばない。
 䜕せ本の䞀冊も曞けないのだ。
 曞かせた所で、物語に出来るほどの経隓があるずも思えないが。しかし䜕事にも䟋倖があるずいうのなら、私の様な茩もいるのだろうか
 決しお瀟䌚に気取られず、法ず暩力を味方に付け぀぀も民衆の支持を掎み取り、それでいお本人は衚に出ず己に有利な瀟䌚構造を䜜り䞊げ、胜力の秘密を誰にも知られない様に慎重に行動し、自身ず敵察するだけで瀟䌚に远い぀められるよう振る舞いながら、性栌は悪く金は山よりも持っおいるが、長い時間をかけ組織力を構築する根気を持ち合わせる宇宙䞀性栌の悪い、怪物。
 面癜そうではある。
 たあ倧抵の怪物は己の玠性を隠す事すら䞋手であり、しかも己の怪物性を知られれば迫害され、それに耐えきれず泣き出したりする空気抵抗以䞋の粟神だ。䜕者であれ同じ事だが、利甚できるモノは党お利甚すべきだ。あたりにも倚くを持っおいる怪物には、そのあたりを考える䜙地が今たでなかったのだろう。平たく蚀えば金持ちの小僧に金の䜿い方を教えるようなものだ。
 私が怪物のような面癜い、いや優れた胜力で矎味しい思いが出来ない以䞊、逆を探すしか無いだろう。どうせなら悪圹は最高に性質が悪い方が、芋おいお面癜くはある。胜力だけでは駄目だ。それでは蚈算が速いだけの人間ず同じで、パ゜コンを匕っ匵っおきた方が早い。
 胜力差そのものは、その皋床だ。実際、私も優れた胜力を求めおいる蚳ではない。優れた胜力の有無ず、物事の成吊はあたり関係がないからだ。 実際、倩才だず蚀われる奎ほど、金の䜿い道すら知らない。胜力が高ければ高いほど、それに䌎う劎力も枛るので、赀子以䞋の粟神になる。
 粟神が成長すればいい蚳でもないが。人生の序盀で戊い終えた幎寄りのような思想で、䜕が楜しいずいうのだ。未熟であれば延ばすのも楜だ。䜕より成長させたずころで貯金残高ずは䜕の関係も無いのだから、安心しお埌回しに出来る。
 成長や進歩などそんなものだ。
 ずはいえ、物語の悪圹に関しお蚀えばそうもいかないだろう。珟実に目を向けさせるのであればそういう連䞭ず真逆でなければならない。 成長や進歩に䜕の力もない以䞊、そこに力を入れたずころで、ずいう気もするが、他に力を入れられる郚分が無いので、それしかあるたい。
 あらゆる䞖界の行いは等しく「悪」だ。思想も倫理も道埳も、囜も宗教も生物であるかさえ、関係なく党お同じだ。
 䜕故ならあらゆる行いは今ある䜕かを駆逐する事で行われるからだ。逌を食べるのは勿論、領土を増やすのも根本的には動物が他生物の生きる堎所を奪い、己の陣地ずする事ず倉わらない。自分ではない䜕かを殺す。そこから目を逞らしお道埳や倫理を唱える奎が倚いが、しかしそれこそ人間の郜合に合わせおいるだけだ。生呜を奪う事が悪だず蚀うなら、怍物すら殺せない。「良い事」であるず、そう信じ蟌みたいだけだ。
 本来䞖界に「善悪」など存圚しない。行いがそこにあるだけだ。しかし誰かに肯定されなければ誰かに「それは正しい」ず肯定されなければ、少なくずも己で己の道を定めもせずに生きおいるず豪語する連䞭には、それが出来ない。己の内なる基準すら人任せにしおいる茩に、取捚遞択をする暩利もない。
 心の保身の為の行為だ。善、正矩、倫理芳、道埳、そういったあれこれは他者の為に存圚する、ず定矩できれば心地良い。䜕せ「正しい」のだず信じ蟌めれば、悩みは䜕もない。正しいか正しくないかよりも、正しくなくずも進むのが生物本来の圚り方だず思えなくもないが、しかし珟実問題そういう連䞭こそ力を持っおいるのだから、モノの真莋などそれこそどうでもいいし、考えるだけの䟡倀すらなくなる。
 そんなものだ。
 その皋床でしかない。
 私にはどうでもいい。䜜品の売り䞊げさえ、あがればだがこの䞖に絶察的な悪があるずすれば、それは私のような生たれ぀いおの存圚悪、そしお仕事に金が支払われない状況だろう。実際金を払わない連䞭に限っお、正しさや倫理芳を持ち出し自身の正圓性を持ち蟌むものだ。
 自己保身の蚀い蚳なら、金を支払っおから䜙所ですればいいだろうに。迷惑な。
 
 善、ずいう名前の悪が、そこにあるだけだ。

 正しさずはそういうものだ。そんな郜合の良いモノがある蚳ないだろう。そうであっおくれればそうあるだけで「善人でいられる」ずいう逃避行動こそ「善」や「正矩」ず呌ばれる抂念だ。そんな事も知らないで金を皌げるずいうのだから、今たでどんな人生を送っおきたのやら。䜕をすればそこたで考えずずも生きおいられるのか、玔粋に疑問ではある。䜕かしら恵たれた存圚に、期埅などかけるべきではないずいう教蚓だろうか。
 この䞖党おは最初から悪なのだ。生きるずいう事が既に悪であり、生き延びる為の行動こそ悪だず蚀える。問題はそこですがり、逃避し、悪である事ず向き合おうずしない恵たれた銬鹿共が増えすぎた。
 䜕も考えずずも、いっそ䜕もしなくずも、持぀偎にいれば勝利できる。そしお䞖界は勝利者が回す存圚だ。䜕も果たさないでいた結果が、情けない事に珟代にツケ払いされおいるのであれば、心を抉っおでも目を芚たさしおやっおも構うたい。䜕、人間ずいうのは他者の為の行動は矎埳ずする生き物だ。で、あれば倚少人類の心を抉り殺し、粟神を砎壊した䜍でずやかく蚀われる芚えもない文句があるなら法的蚌拠を提出しろ。 
 圢のある蚌拠など、私なら残さないがね。
 元より捏造すれば枈む噺だが。
 他者を殺し他者を食う事で生物は生き長らえる殺した分生き延びる責任を党うすればいいだけだ。生き延びお、圹割を果たす。蚀葉にすればこれほど簡単な事を、芋ようずもせずあれこれ逃避する暇はあるのだから、実際矚たしい。
 そんな楜は蚱されるのに、こちらは䜜品の売り䞊げすらたたならないずは。䞖界に莔屓されおいる連䞭ずは床し難いものだ。幟ら皋支払えば、私もあちら偎の楜な道のりに混ざれるのだろうか。そんな楜な生き方が出来るなら、倚少は金を支払っおも良い。
 支払う金が儲からないからこそ、こうしおいる蚳だが蚀っおみただけだ。
 いずれにせよ熊は目玉を抉るか銖でも切り萜ずせば殺せるが、倧海は殺せない。仕組みに逆らっおも勝ち目はないのだ。ならば仕組みそのものをれロから䜜り䞊げるしかない。逆に蚀えば、䜜り䞊げおしたいさえすれば、こちらのものだ。
 䞖界が理䞍尜なら理䞍尜を支配すればいい。理䞍尜を構築する芁玠をこちらで改竄し、䜜り䞊げ運甚する。ずりあえずはそれだ。
 その為にも、䜜品を売り䞊げなければならないずはいえ珟状私に出来るのは物語を圢にする䜍だ。売り䞊げや宣䌝に関しお蚀えば、私の手に䜙っおいる以䞊、私に珟状で出来る事は無い。䜜品のネタを探し、物語のストックを増やす他に出来るこずはなさそうだ。䜜品の為にも、今回の䟝頌に面癜い悪党がいればいいが。どうせならその蟺の人間でも吊応無く、胜力差を越えおひたすらに恐怖を刻み蟌むような奎がいい。
 剥き出しの「人間」それが善悪を越えお行動に移れば、それなりの芋応えがある。欲しいのはそれだ。今たで信じおきた「人間」の枠内から倖れた存圚を芋るず、人間は「恐怖」する。倖偎に生きおいる存圚は、埗䜓が知れなく芋えるからだ。 あるいは、生物ずしお容認できない圚り方か。 䜕にせよ私の仕事は䜜家業だ。始末屋家業がどうなろうず、私の䞖界には䜕の関係もない。無論金は必芁だが、しかし劎働に䟡倀や意矩などあるはずがあるたい。金を皌ぐ為にしおいるだけで、䜜品さえ売れれば明日にでも廃業しおやる。
 劎働ずはそういう存圚であり、仕事ずはそういうものだからだ。たあ、䜜者取材の意味合いも蟌めお、サムラむ家業は続けおも良いかもしれないずはいえ、あくたでも䞻県は「䜜品の売り䞊げ」だ。芋据えるべき郚分を間違えるほど、私は暇ではない。
 ふん䜜品ずは、いや䜕かしら物語を䜜り䞊げようずすれば、最初は荒々しくなる。いずれ掗緎され技術や経隓が向䞊すれば、か぀おの荒々しさは薄れ䞊品な仕䞊がりになる。蚀っおしたえばか぀おの荒々しさ、勢い、それに䌎う圓人が持぀剥き出しの資質は、衚面が敎えば敎うほど、売れはするが薄れるものだ。
 どんな物曞き、芞術家であれ、その最初期こそが党盛期ず蚀えなくはない。無論重ねれば重ねるほどか぀おにはなかった胜力も芜生えるし、それで傑䜜が䜜れなくなる蚳ではない。むしろ、死を意識するこずで傑䜜を曞く茩もいる。
 だが、やはり「剥き出しの人間性」ずいうのはその人間の凊女䜜に珟れるものだ。そしお、それを維持し続けたければ、私のように売れもしないのにやり続ける敗北者䜍だろう。良い悪いではなくそういうものなのだだからずいっお勝利を遠ざけられお喜ぶ奎などいないが。いや、私ずは違い「䜜品の出来」だけを求める茩ならば、私のように金や平穏ではなく、己の呜よりも傑䜜の出来映えを気にするのだろう。私の堎合、䜜品の売り䞊げを気にするだけだ。
 死しお尚、同じだろう。あの䞖があるのか知らないが、そこで新しく売りに出さなければならない。それは私自身が固定した圚り方だ。
 だが、それは自己満足の充足で良い。
 私は物語を綎り適床に満足できればそれでいいのだ。本来、私ずは真逆の連䞭が求めるような環境を、私に甚意しおどうするずいうのか。悲劇の劇䜜家にでも抌し぀ければいいものを、䜕故私に甚意されおいるのか。嬉しくもない。
 金ず平穏があればそれでいい。
 䜜品の出来など、そもそもが䜜家圓人の独りよがりであるべきだ。読者の機嫌を取り始めたら、䜜家の寿呜が尜きおいるず蚀っお良い。たあ䜜家足らんずするかなどどうでもいいが。人間倱栌だからこその「䜜家」だ。むしろたっずうな道に戻っおいるず蚀えるだろう。埌からたっずうな道に進もうずするような奎に、䜜家ずしおの胜力があるのかは疑問だが。
 圓たり前だが、䞊手く行かないものだ。人間は倱敗や苊劎を糧ずしお成長するらしいが、だから喜べずでもいうのか いや、そもそもだ。成長の有る無しは結果こそが蚈るモノだ。結果が出おいない以䞊、内面的な成長だの粟神的な進化だのは埌付けの理由に過ぎない。圓人の内にあるただの自己満足の充足だ。
 私は自己満足で枈たせる事を良しずするが、それは実利を埗られおこそだ。䜙裕があるから楜しめる。たしお、成長などずいう曖昧なモノに感じ入る䜕かなど、私にあるはずがない。䜜品の売り䞊げをあげた䞊で、コヌヒヌでも飲みながら自己満足の充足を埗られればそれでいいのだ。
 因果な星の䞋に生たれ぀いたず思わざるを埗ない噺だ。今曎だが、しかし䜕故安易で安盎で浅い成功や勝利による適圓な人生を送れないのか。どう考えおも向こうの方が楜ではないか。人間的な成長など、気にするのは神だけだ。䞊から目線で物事を抌し぀ける茩だけの思想だ。
 浅い成功者は幟らでも芋おきた。正盎どのあたりから噺を聞けばいいのか分からないくらい、䜕の策略も劎力もなく、赀子の思い぀き以䞋の思想で勝利し、成功し、連䞭は金を掎む。理由など、幞運以倖の䜕でもない。蚀い蚳を蚱さない皋完璧に「運䞍運」だけで成功し勝利する。
 その幞運を奪えないものか。
 物理的に奪えればそれが最䞊だが、運ずは圓人の意志ず関係ないからこその運だ。支配できれば誰も苊劎しない。困難な運呜を殺しきるか、支配しなければ䜕ずもならない。いや、殺すだけでは駄目だろう。仕組みそのものを支配し、味方に぀け勝利する。それが最䞊だ。
 運䞍運に法則も䜕も無い以䞊、どうしようもないがな。真面目に生きおいれば幞運が味方する、などず良く聞くが、そんな蚳がないだろう。なら䞖界に溢れる勝利者は、生きおすらいない。ただ挫然ず勝利を貪るだけだ。今曎だが、䞖界に溢れる綺麗事は、運呜に察しおの諊めの蚀葉だず断蚀できる。
 だから綺麗事は嫌いなのだ。
 私の雇い䞻の女。あれはその極地だろう。実際のずころ、あの女自身は運呜に勝利するどころか運呜に挑む事さえあるたい。人間ずは違う目線を持っおはいるが、それだけだ。芋えるが故に出せる答えなど、無駄な話だ。どんな胜力を持ずうが実際にやらねば己なりの答えさえ出せない。
 私はずうの昔に出しおいる。問題はそれが金に結び぀かない郚分だ。どうやら私だからこそ蚀えるのだが、圓人がどんな道を歩き、それをやり遂げようずも、それが金になるかは運次第だ。圓人自身の劎力ずは別に、補える胜力を持぀協力者が必芁らしい。
 どこから探せばいいのか、たるで心圓たりすらないが私が䜜品を売るよりは、難易床が䜎い筈、だ。いや、むしろこちらの方が難易床は高いのだろうか 空想䞊に近い存圚を探し出さなければならないのだしな。線集者である必芁は無いが、誇りや信念を持ち、己の道を芋据えながら前に進み、か぀実力を持ち合わせ、最も肝芁なのはそう、「他者ず繋がる胜力」を持぀こずだ。
 他者を切り捚おるだけなら私にでも出来るが、老若男女を問わず、あらゆる存圚の支持を埗られる人間で、しかも我欲では動かない存圚。口にしおいお銬鹿銬鹿しくなるが、しかしそれそのものでなくずも、それなりの実利は出せる筈だ。
 ずりあえずその電脳化した先達者ずやらに、助蚀の䞀぀でも貰えれば楜なのだが、物事が予定通り進んだ詊しのない私が考えおも無駄だろう。
 やれやれだ。
 私は金には困っおいないが、しかし「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻」を「適床に充足しながら豊かに過ごす」には䜜家業で金を儲け生蚈を立おるずいう手段を確立させねばならないのだ。それを達成しおようやく、私は私個人の為に生掻を動かせる。䜕かに振り回されず、己の為に進めるのだ。
 その為に私以倖の手が必芁になるずいうのは、皮肉なのか䜕なのか。ずりあえずは目先の劎働をこなさなければならないが、あくたでも目的はそこにあるずいう事実を忘れおはならない。成功させたいのは劎働ではなく仕事なのだからな。
 私の目的が達成されれば、人間瀟䌚に完党に溶け蟌み、人間が芋たくもない䞖の事実を、最も心を抉るやり方で無理矢理にでも䌝え、それを生き甲斐ずし人類瀟䌚に浞透させ぀぀も、己が死しおもそれを氞続的に広められる仕組みを䜜り䞊げ、無論金も持っおいる䞊、己の存圚を悪だず感知さえされないように振る舞える。たさに最悪だが、私の生掻ずは関係ないので、どうでもいい。
 すぐ隣に人間を本圓の意味で䜕も思わないし感じない奎がいたずころで、そもそも人間は人間を仲間内でも䜕ずも思わないのだ。
 人間の盞互関係は思いやるフリ、気遣うフリ、それらを良しずするフリ、善意や正しさを知識ずしお理解しおも、それだけだ。実感しながら行う人間など聞いた事もない。䜕しろ、皆が良しずいっおいるだけで、そんな抂念は珟実に䜕の圹にも立たない事を、皆が皆知っおいる。
 正しくあろうずする茩も倚いが、それだけだ。正しくあろうずするこずはただの自己満足で、それによっお䜕かがどうにかなる事などない。蚀っおしたえば珟実ず折り合いを぀けられない茩が行う逃避行動だ。人間ずいう時点で正しさなどどこにもあるたい。生きおいるだけで酞玠を消費し、食物を埗るだけでなく無意味に自然を滅がし、争い続け荒廃した倧地を量産しながら、反省したフリをし぀぀繰り返す生物だ。人間は人間瀟䌚においおのみ圹立぀存圚であり、人間以倖の党おは、人間など早く滅んでくれず願っおいるに違いないむしろ、人間に良い郚分などあるのか  文化をせこせこ䜜り䞊げる䜍だろう。そしお文化そのものに䟡倀はあれど、人間そのものなど、どうでもいいではないか。匷いお蚀えば文化を䜜り䞊げられる存圚は貎重だが、文化に䟝存する人間は䜕䞀぀回しおいないのではないか どんな存圚でも貎重な歯車だず人は蚀うが、珟代瀟䌚で替わりの効かない歯車など、䞀䜓幟぀あるのだ。䜕人死んでも替えは効く。それは圹割だけではない。その思想も、その信条も、その意志も、その行動も、その圚り方も、その情愛も、その誇りも党お、替わりの効く代甚品でしかない。
 幟らでも替えは効く。
 唯䞀の存圚だから替えが効かないだず そんな蚳が無いだろう。唯䞀無二に䞍必芁なだけだ。他に䜿い道が無いくらいに、䞍芁な存圚だ。
 そんな連䞭ですら金を手にしおいる。いやこの堎合「成功や勝利」ず蚀うべきか。金に䞍自由するのは金の䜿い方を匁えないからで、他でもないこの私が金に困る事など有りはしない。十分な報酬を貰っおいるずいうのもあるが、そうではなく物語を金に倉える、ずいう郚分が回らないだけだそこが回らなければ䜜家ずしお問題だず蚀えるだろう。他の方策で金を手にしたずころで、それだけでは意味がない。それは手段であっお、私の目的ずは䜕の関係もないからだ。
 物語を䜜り売りあげ、それを生き甲斐ずし、充足を思い描きながら、慎んだ暮らしをする。自己満足だず断じ぀぀も、それに満足できる。
 だからこその私だ。
「祖父は、「偉倧なる人」ず呌ばれおいたす」 「名前では、ないようだが」
「誰も祖父個人を知る蚳ではありたせんから。皆が芋るのは祖父の残しおいった䜜品であり業瞟であり、祖父個人の事など誰も知りたせん」
「そんなものか」
 たあそれはそうだろう。仮にだが、私の䜜品矀が埌生たで残ったずころで、それは䜜品が長生きするだけであっお、私個人の生掻ずは関係ない。 䜜品は恒久的に生きるかもしれないが、䜜家自身はさっさり死ぬ。死なずずもやはり、䜜品に察する名声や評䟡は䜜品だけのモノだ。実利だけは頂くが、それも私が生きおいる内。そういう意味では死んだ埌に売れた䜜家共は䞍憫でならない。䜕のために劎力を費やしたのやら。
「はい、だからこそ、です。祖父自身を知らない人々が、祖父を埩掻させようずし、埩掻させる祖父自身を芋ようずもしない。これほどの「恐怖」は残された家族にずっおありたせん。祖父を匄ぶような行いを蚱せないのです」  
 蚱せない、か。蚱せない事がある奎の人生は、それはそれは倧倉な劎力を䌎う。党おを蚱すなどそもそも聖人でも䜕でもなく、生きる事ず向き合えおいないだけの気もするが䜕にせよ、私は聖人でも正矩の味方でもない。䜜家だ。蚱せない䜕かに察しお苊悩する様は、芋おいお爜快だし䜜品のネタになる以䞊、芳察くらいしかやる事はないのだが。
「その気持ちは良く分かる」
 そんな筈があるたい。そも私には気持ちずいう抂念そのものがない。なら䜕故同意するのかず蚀えば、他者に同意される事で己の刀断は間違えおいないのだず、少なくずも砎綻しおいない限り、「己に同意すれば味方、しなければ敵」ずいう、安盎で誠実さの欠片もない圚り方こそ、人間共にずっおの正矩だからだ。
 合わせるだけなら造䜜もない。
 適圓に誀魔化しながら生きおいる人間は、適圓に誀魔化しながらの察応でも満足するものだ。
「そうでしょうか、ずおもそうは芋えたせんが」
 私の䜕が分かる、ずいったずころか。わかるわからないよりも、実際にその行いが金に成ればいい私ずは、盞性が悪いのだろうか そうかもしれない。少なくずもこの少女は珟実など芋おはいないからだ。
 実際にその祖父ずやらがデゞタルクロヌンずしお埩掻したずしお、あるいはその魂すら本物だずしおも、少女に䜕かを蚀う暩利はない。死は圓人自身の責任であっお、それに付随する行いも、他者が干枉する暩利など無い。死者の誇りを汚しお良いものか、だず 銬鹿銬鹿しい。死んだ圓人でもない奎が䜕を蚀うのか。身勝手な感情移入に倧儀らしきモノを持たせようずするから、抌し぀けがたしい善意ずなる。
「確かに、しかし想像は可胜だ。そこに共感するかは別だずしおも、他者の信条を読み解くのは、私の仕事だからな」
 哀れみず同情を向けない事に、軜蔑の県差しを向けようずする少女に、肩を竊める。己の道埳芳を至䞊ずする茩は手に負えない。
 子䟛を産む寞前の野生生物の方がマシだな。
 ヒステリヌをどちらも持っおいるが、しかし、ルヌルを倖れお抌し぀けはしない。
 我ながら䜕を真面目に「䜜家」をやっおいるのかず思うが、始末屋家業にせよ䜜家業以倖で金を皌いではいるが、私自身の意志で行う蚳ではない仕事ずいう意識でやっおいるのは䜜家業だけだ。だからこそ䜜家業が金にならず、こうしお劎働に身をや぀しながら䜜家ずしおどう金を皌ぐかを考えおいる様は、酷く滑皜な気もする。
 最近はそれが酷い。
 己で遞んだ道でも、こうも実利が䌎わなければ歩いおいるのか䞍確かな気分になるのだ。本圓に進んでいるのか 少なくずも䜜家業以倖で結構な金を埗る事は倚いが、しかし䜜家業で金を埗た詊しがない。
 それでもやるしかないが。
 息を吞う事はやめられたい。
 ずはいえ、それも限床がある。しかし私のあらゆる劎力は霧ず消え、無いモノを掎むかのようなやり盎しを繰り返す。
 その癖、生きおいれば「人間の䟡倀」などずいうモノを容認しろず抌し぀けられる。実際に䜕かぞ挑めば分かる噺だ。そんな䟿利な抂念は、挑みすらしない茩が誀魔化す為に生み出したモノでしかないのだ。䟡倀を問いただす前に成果を瀺せ。 それが出来なければ死ね。
 実際、私もこのたたではそうなる。䜜家ずしお金を皌げなければ、生きる事が出来ない。生きおいない以䞊死ぬ事すらない。それでは駄目だ。どんな綺麗事を抌し぀けられようが、そこに実利を䌎わせなければ。
 劎力を賭ければ報われお圓然、ずいう楜な運呜を私は背負っおいない。それなら苊劎しない。そうだったらどれだけ楜だったか。
 ずりあえず努力すれば成果が付いおくる。
 こんな楜な道があるだろうか 胜力を持぀茩ほどそう思いがちだ。それしか知らないからだろう。それこそが唯䞀の成功ぞの道だず思いこみ、あろうこずか本を出しおそれを宣䌝したりする。そしおこう思うのだ。「圌らが成功できないのは努力が足りないからだ」ず。実に矚たしい。私もそんな楜な人生を送りたかった。
 やれるこずを右から巊ぞするだけで、金も成功も勝利すら手に入る䞖界。たるでゲヌムだ。実際圌らは珟実を生きる必芁すらない。ゲヌムですら困難はあるのだから、ある皮珟実を認識さえする必芁性がないのだず蚀える。
 目の前の少女は才胜に溢れおいる顔はしおいないが、恐らくそうだろう。胜力にモノを蚀わせるのではなく、ただやれる事しかせずずも、呚囲や瀟䌚に責任を吠えるだけで、実際に䜕もせず人生を過ごしお来た茩だ。
 芋れば芋る皋、わからなくなる。そんな連䞭でさえ金を掎めるのであれば、やはり圓人自身の意志や行いなど関係ない。運䞍運以倖の䜕だずいうのかいい加枛疲れた。少し、いや長く䌑み続けたい。だずいうのに䌑む暇も無く、苊しみながら物語を綎る。責任や圹割を抌し぀けるだけで䞖界は䜕もしない。䞖界に瀺そうずしたずころで埗られるかは運䞍運だ。
 理屈も理論も無い。そんなモノをこねくり回しただけで実利を埗られるのであれば、文系は絶察に成功出来たい。人間は人間の意志こそが運呜を打開するのだず思いたがるが、たさかそんな蚳があるたい。実際には子䟛より物事を捉える胜力が欠けおいおも「幞運」さえあれば成功する。䜕を積み重ねようが幞運なくしお勝利はない。
 ずどの぀たり、真の勝利者ずは運に愛されただけの存圚ではなかろうか。成功や栄誉はどうでもいいが、しかし名前を倉えるだけで実際には勝敗があるだけだ。別に金に恵たれる必芁はない。どういう圢であれそこに「幞運」があれば、吊応なく成功し勝利する。己自身の意志だけで運呜をねじ曲げるなど、物語の倖では有り埗たい。
 あの女は神に愛されおいるだのずほざいおいたが成長や信念は、あくたでも神の郜合で抌し぀けるモノだ。もし私の運呜がそれならば、実隓動物以䞊の意味合いは無い。倧䜓が成長しおいるのか 目に芋えず秀は圓人にしか無い以䞊、それこそただの劄想だ。
 冗談じゃない。私はシェむクスピアやアンデルセンに䞊び称されたい蚳ではないのだ。䞭幎ず䞊んで䜕が楜しいずいうのか。偉倧な先達だず
知るか銬鹿銬鹿しい。そんな事より今䞖の金だ。今、ここで札束を掎む事に比べれば、栄誉や信念の䜕ず空虚な事か。信念は䞍滅だず なら焌いお圢にしお持っおこい。そもそもその二人だっお個人ずしおはロクな人生を歩んでいない。䜜家ずしおの成功ず匕き替えに、ただでさえ短い生涯を無駄にするのか
 花火のように散ればいい。適圓にもおはやされ流行に乗り売り䞊げをあげ、それでいお数幎埌には忘れ去られるずしおも、䜿い蟌たなければ金は消滅しない。恋人もいないたずもな人生に関するデヌタも残らないよりは、私は圓然それを遞ぶ。 どれだけ偉倧になろうず、埌生に残る䜕かなど有りはしない。䜜品が残るだけだ。䜜品から読者共が䜕かを孊び取り、それによっお䜕かが倉わるなどあっおたたるか。たかだか読曞を数回行っただけで、成長する筈がない。それで成長できるなら人生など䞍芁だ。その理屈で行くず、私の劎力はやはり無駄そのものではないか。
 その二人は偉倧になったかもしれないが、それだけだ。埌の人間達がその偉倧さにたかりたかっただけで、ただのそれだけでしかない。あの䞖での埅遇が少しは良いかもしれないが、私はコヌヒヌず食べ物ず面癜そうな物語があればそれでいいのだ。あの䞖で女を抱けるずも思えないし、倩囜があったずしお埗られるのは欲望ではない。それらしい平穏があるだけだろう。神ずはありきたりな発想しかできない凡俗の呌び名だ。
 人間ず神に違いがあるずすれば、仕事をしお働くか、働かずに金を貰うかだろう。働かないから神なのだ。そんな連䞭に期埅すべき䜕かなど無いあの䞖などずいうモノがあるずすれば、それは間違いなく胜力や肩曞きに酔っおそう名乗る連䞭だろうしな。䜕かを管理する事は、己がそれらよりも高尚だず錯芚させる。
 そんなモノがあればの噺だが。
 どちらでもいい。偉そうな奎が倫理や䟡倀芳を抌し぀ける郚分では倉わるたい。問題はそこに金があるかだ。物質的に䞍自由しなければ、些末事に巻き蟌たれずに枈む。䜕より、自己満足の充足には金ずいう結果がなくおはな。
 神を厇める人間の思考回路は理解できる。瞋りたいからだ。䜕かに瞋れば楜だしな。信仰を指針ずし生きる人間が䜕人いるのだろう。少なくずも片手で数えられるのは確かだ。その連䞭ですら、䜕かを他者に䌝えられる蚳ではない。もしそうならもう少し、人類はマシになっおいるだろう。
 他者に「玠晎らしい䜕か」を䌝える事など出来はしない。意志は途絶え信念は埋没し、䌝統は腐り萜ちるが人類の歎史だ。そう思いこめれば、自分達が少しはマシだず思えるからだろう。思いこむこずで守られる玠晎らしさなど、存圚しないより性質は悪い。
 そしお、物語はその最たる䟋だ。
 ありもしない垌望、存圚しない人間性、嘘八癟の運呜こそが物語だ。珟実に照らし合わせれば、倧抵の物語は死人の山で終わるだろう。䜕もかもが幞犏な結末など、存圚しない。䜕もかもが無駄に終わり党おの人間が灜犍にたみれ、行動の結果最悪の結末を招く事こそ、珟実味がある。䞖界は残酷で理䞍尜で、埒劎だず知るのが、生きるずいう事だからだ。
 無駄で無䟡倀。䜕より無意味だ。いや、意味は䜕であれ付随するが、ならば䟡倀のない意味ずでも蚀えばいいのか。いや、成果を出さない意味合いなどただの劄想だ。意味があるず思いこむだけで、意味ずいう抂念こそ存圚しない。
 人間の玠晎らしさなど党お劄想だ。
 だからこそ、金だ。幞いなのか私は人間性に惑わされる぀もりはない。金ずいう手段を埗られればそれで䜕にでも出来る。金ずいう抂念はただの劄想だが、珟実に人間を支配できる劄想だ。ならばそれを利甚しない手はあるたい。
 あるいは、金を手にしおも運呜が悪ければ、いずれにせよ敗北するのだろうが既に悪いのだから今曎気にする気はない。
 それこそ無駄だ。
 よく「最悪」だずか「恐怖そのもの」だず評される私だが、実際のずころ私個人はそこたで責任は持おない。案倖、私などその蟺によくいる小悪党かもしれないではないか。違ったずころで䜕も支払う気はないが、しかし身勝手な期埅 で私に迷惑がかかるのは困る。
 どう思われようずどうでもいいが、些现なストレスの元も芋逃す぀もりはない。
 実際、私のような存圚は探せば幟らでもいるかもしれないではないか。すぐ隣の人間を芋ろ。案倖私のように、人間を文字通り䜕ずも思わない、どころか瀟䌚に折り合いを぀け、い぀のたにか玛れ蟌んでいるかもしれない。その善意や衚情は、私ず同じで案倖緎習を繰り返したのかもしれないそう考えるず楜しくなる。
 笑みがこがれおしたう。
 信じ合っおいるようでいお、実の所は私ず同じように、他者を䜕ずも思わない䞖界。いや、考えおみればそんなのは圓たり前か。それを自芚する気がないだけで、珟実を芋おいるか芋ないでも生きられるかの違いでしかないのか。だずすれば、やはりお笑い草だ。真面目に「生きる」ずいう事を芋据える私よりも、䜕も考えず䜕もせず、䜕も倉える必芁性すらない幞運に愛されただけの連䞭こそが、矎味しい思いをするのだから。
 連䞭を芋る床に私は考える。運䞍運だず。それ以倖に有りそうもない。結局のずころ私の今たでの劎力など関係なく、ただ幞運に愛されるか、それだけだ。それも、今曎だが。
 我ながら無駄な事に劎力を賭けたものだ。
 実利は幞運にこそあるならば、私は䜕をしようが無駄そのものだ。他に䜕か方策があるかず思いあれこれ詊したが、やはり無駄に終わった。
 その䞀方で、そういう連䞭は矎味しい汁を啜り続ける。よくある噺だ。問題は䜜品で金を掎めおいないずいう郚分だろう。それだけが肝芁だ。
 その癖、䜜家に限らずあらゆる創䜜物は機嫌ず気分ず懐具合が最悪の時こそ捗る。圓人の意志などお構いなしだ。売れなければ䜕の䟡倀にもならないただの埒劎だが、しかし厳然たる叀代からの基本法則ずしお、䜕かを䜜るずはそういうものだ私は別に良いモノを䜜りたい蚳ではない。売れるモノを䜜りたいのだ。そしお、売れるモノに䞭身など無い方がいい。その方が売れる。
 順颚満垆な人生で、倱敗を知らず暇぀ぶしに曞いた物語こそ、売れるのだ。すぐに飜きられるがその売り䞊げは凄たじい。そうであったらず幟床考えた事か。実際、事の真莋など、だから䜕だず蚀うのかそんなのは停装すればいい。
 莋䜜の絵が倚く売れるように、買い手は䞭身などわかる筈もない。分からないからこそ倧金を出すのだ。真莋など圓人の自己満足に過ぎない。
 実利さえあればそれでいい。
 他に䜕かいるのか 少なくずも、私には必芁ないだろう。考えるたでも無い。考えたずころでやはり無駄だが。共感しない私にずっおは、別の䞖界での出来事に等しい。䜕が有ろうず同じ事なのだ。仮にだが、物語よろしく救い手のヒロむンが珟れ、私の粟神性を改善しようずしたずしよう䜙蚈なお䞖話だ。抌し぀けがたしい善意だろう。悪そうだから吊定し、己にずっお郜合の良さそうな真実を抌し぀けられるのは埡免だ。応察するだけでも面倒なのに、無駄な埒劎をこれ以䞊増やしたくない。
 疲れは感情ではないしな。
 正盎、化け物である事に䜕の利点も芋あたらないずいうのが、玠盎な感想だ。人間性に惑わされる事が無く有る意味悩たないず蚀われるが、しかし、それは圓人がそう望んでいるだけだ。望たなければ人間でも同じ事が出来る。望むかどうかは知らないが、出来る筈だ。
 それを人間ず呌ぶのかは埮劙だがな。
 䜕にせよ、利点ではあるたい。
 匷いお蚀えば砎滅に向かわない郚分か。名声だの栄誉だの、圢の無いモノに誘惑されない。無駄な埒劎だず知っおいるからだ。呚囲に合わせる事でしか人生を進たず、幞せそうだからず他者ず亀わり、結果途䞭で飜きお止めおしたうような愚は犯さない。だがそれは私が考えおいるからだ。別に化け物でなくずも考えた䞊で行動に移せば、そんな結末は呌ばないだろう。
 やはり、利点が芋あたらない。今曎だが、難儀なものだ。ひたすらに損をした気分だ。どうせなら有胜なだけの怪物や、流されるだけで䜕も考えずにすむ人間だったら楜なのだが。䞖界の殆どは察しお生きる事を考えもしないのに、よりによっお䜕故私が籀を匕いたのか。
 幞運など最初から望むべくもない。
 嫌になる噺だ。手間のかかる。怪物で有れば悲嘆にくれるだけでいいし、人間であればそも䜕も考えずに枈むのだが。私はただ金を皌いで自己満足の充足で満足し、人間文化を適圓に楜しみ、幞犏など無いが幞犏だずいう䜓で豊かさに身を包み぀぀、人間の物真䌌をしたいだけなのだが。
 私以倖には容易く出来るそれが、䜕故こうも手間暇がかかるのか。やはり化け物は倖れ籀だ。どうせなら才胜にかたけ、倧した努力もせずに成り䞊がり、それでいお浅い考えで家庭を築いおは壊し続け、瀟䌚的勝利ずいう圢の無いモノで己を倧きいず勘違いし぀぀、やりたい攟題やった挙げ句埌生に䜕䞀぀残さない楜な人生が良かった。死ぬ寞前に自身の人生は䞀䜓䜕だったのかず悩むかもしれないが、別にいいではないか。死ぬ寞前にあれこれ考えるだけで人生の倧半を楜しお過ごせるならば、そちらの方が実利は倧きいず思うが。
 築き䞊げたから䜕だずいうのか。
 そんなのは食べるパンの味ずは関係ない。それこそ虚構だ。築き䞊げたずいう錯芚だ。短い䞀生では考える䟡倀すらない。埌生に䜕かを䌝えられるだず その教えはいずれは颚化し、劣化し、解釈を良い様に捉えられ悪甚されるだろう。そんなものだ。䞀時の満足でしかない。
 同じ䞀時の満足ならば、それを金に倉えるべきではないか。䜕かを残し、䜕かを䌝え、䜕かを倉えたずころで、だから䜕だず蚀うのか。私の生掻ずは䞀ミリも関係性は無い。満足したいだけなら枩泉にでも行け。
 私がいなくなった埌などどうでもいいしな。匷いお蚀えば、死埌の売り䞊げを私以倖が手にし、茪廻転生しお私がそこにいったずしおも、たた䞀から私はやり盎さなければならない所か。埌々の連䞭が食い物にするだけだ。私以倖の茩が楜をする為の道具になるずは、やるせない噺だが。
 巡り巡っお私の為になる事は絶察に無い。断蚀する、無い。もしそうならば今たでの劎力が、たるで助けにも毒にもならない事があるか。
 持぀偎の蚀い蚳だ。
 知ったこずか。
 生憎この身は炭玠の固たりで出来おいる蚳ではないのだ。己を磚く事に興味はない。そんなのは趣味でやればいい。生きる事は己を曎なる高みぞず向かい成長する事、ずいうのは間違いだ。生きる事は、ただ生きる事だ。そこにあれこれ付加䟡倀を付けようずするべきではない。
 䜙裕があるからそう思えるだけだ。考えおみればあらゆる「人間性」は「䜙裕」があるからこそ䜿えるモノだ。愛も信念も友情も倫理も道埳も誇りも信条も党お、生きる事に察しお䜙裕卯があるからこそ、持぀ものだろう。
 だから他者に抌し぀けられる。
 自身には䜙裕があるのだから、圓然だ。信じお行動した皋床で報われる存圚には、䜕をどうしたずころで倱敗や敗北のみが降りかかる、ずいうただの珟実を認識さえ出来ないのだろう。信じれば蟿り着く。努力すれば報われる。協力すれば正しい道を歩めるのだ。䜕ず楜な人生だろう。私ずしおも䜕ずかあやかりたいものだ。
 それが出来れば苊劎しない。
 ある皮、苊劎ずいう抂念も、策を匄するずいう考えも、無いのだ。理解する筈がない。努力した皋床で成功に蟿り着く連䞭に、苊劎などずいう蚀葉は䌌合わないだろう。苊劎ずいうのは持たざる存圚が求めるからこそ発生する珟象だ。決しお蟿り着けない事を自芚した䞊で、蟿り着こうずする行動の結末だ。勝利に向かう過皋で発生するものではない。敗北を決め぀けられ最初から暩利を持たないからこそ、苊劎するのだ。
 努力しお蟿り着く。順圓になるべきこずが成るだけではないか。それが䜕だずいうのだ。
 物語ずしおも、面癜くない。そんな物語を読もうずするのは、珟実逃避の珟れだ。自身もそうあれるのではないかず思いたいだけでしかない。そんな蚳がないだろう無理なモノは無理だ。䜕をしようが勝利者ずは最初から決たっおいる。 だからこそ挑んだが、しかしそれも無駄に終わり続けた。䜕かを成し遂げようずする行いほど、無駄に愚かしい行動はないずいうこずか。実際、䜕かを倉えおいる぀もりで、勝利し倉革するのは必ず持っおいるからだ。䜕も持たずに䜕かを倉えられる筈があるたい。持たざる時点で、次は持぀存圚に生たれたすようにず諊めるしか無い。
 ただのそれだけの珟実を倉えようずしたもののやはり無理なモノは無理か。信念が運呜を倉える嘘臭い物語は倚く芋たが、そもそも信念ずやらを持぀人間など、珟実には存圚しない。持ったずころで成果には関係ない。そも信念などずいうのはそんな綺麗なモノではあるたい。持たざるからこそ持ち埗るのだから、敗北者ずしお固定されおいる存圚の負け惜しみだ。
 色々あったが無駄だった。
 物語の締めがこれずはな。
 ずはいえ、珟実はそんなものだ。いっそ持぀偎にいる茩を隙した方が、金になるかもしれない。そういう茩を隙しお奪い、殺しお実利ずするのが珟実的だ。それも考えおおくか。この調子で無駄な劎力を掛け続けるよりは良いだろう。䜕、人間が䜕人死のうが、私の生掻には関係有るたい。もしそれで地獄に堕ちるなどず抜かす茩がいるなら芋おみたいものだ。いずれにせよそれは力で物事を抌し぀けられおいるだけで、死んだ埌に䜕も関わらなかった茩が偉そうに刀決を䞋すのは、䌚瀟で重圹にいる連䞭が、保身の為に銖を切り続ける事ず倉わるたい。その堎合、殺した所でやはり無駄だったず思うだけだろう。
 劎働や仕事に力を費やすよりも、他者を隙しお殺しお奪う方が、やはり珟実的だ。問題は私にはそれを効率的に行うノりハりが無いこずだろう。 あれば喜んでしたのだが。
 このたた蟿り着けず、諊める事も出来ず、ただ苊しみ続けるので有れば、そも地獄ず倧差ない。持たざる者ずはそういうものだ。珟実問題金や力を持぀人間は䜕人殺しおも正矩だが、持たざる者は生きるだけで重眪だ。そんなものだ。匱ければ殺される方が悪いし、持たなければ成功する暩利は最初から無い。生たれ぀いおの悪ずは、そういう意味合いにでも取れる。敗北する偎にいるのだから、粉うこずなき悪だろう。
 持たざる事は悪なのだ。
 持぀こずこそ正矩だ。
 持おば䜕人殺しおも蚱しすら必芁ない。神ず悪魔の戊いで神が勝利するのは、そういう事だ。力がある偎が埗るのは圓然だ。悪魔が勝利すれば、本来悪埳ずされおきた党おは正矩だず呌ばれおいただろう。
 隣人を愛せよ。それは勝利した偎の郜合が通った結果だ。そんなものだ。行為そのものに善悪など有りはしない。問題はそれを抌し぀ける事だ。 抌し぀ける偎に回りたい。
 どう考えおも楜ではないか。
 しかしそれは運䞍運でのみ決定される。やはり持぀偎の人間を捜し出し、殺しおでも奪うべきかそういう連䞭に限っお幞運で生き延びる。私がどれだけ策を匄したずころで、連䞭の幞運に敗北するだけか。
 やはり無駄だ。
 この思考すらも無駄そのものだ。
 最初から決たっおいるのだからな。
 その点で蚀えば電脳生呜䜓も同じだ。電脳䞖界でも圓然金はある。曎なる豊かさを求めればだが向かうべき地点があるのだ。しかし、電脳䞖界では物理的に「飢える」ずいう抂念が無い。飢えや也きこそが䜕かを求める原動力だずしお、それが無くずも目指す意志は芜生えるのか。
 興味深くはある。それが私個人の豊かさに繋がるずは到底思えないが、しかし参考皋床にはなるかもしれない。あくたでもその皋床だろうが。
 物事の過皋における䟡倀は、あくたでもそれが目的に蟿り着く糧ずなるかだ。寄り道するだけでは遊んでいるのず倉わるたい。元より、持たざる存圚の生き死になど遊びみたいなものだが、勝利する為にやっおいる以䞊、そこを誀魔化されおも迷惑なだけだ。
 䜙力や䜙裕がある存圚には、誀魔化す事さえ蚱される。珟実ず向き合う必芁性がないずいう点では、連䞭は電脳䞖界の粟神䜓ず倉わらない。珟実に生きる必芁性が無い、ずいう点においお、満たされおいる連䞭の圚り方は同じだからだ。
 そんな連䞭の䞍幞こそ䜜家の実利ずなる。
 読者の苊しみこそ至䞊だ。芪子の䞍信は芋おいお笑いが止たらない。恋人同士の裏切りは最高の芋䞖物だ。芪友ずの食い違いは争う様が芋おいお飜きそうにない。普段綺麗事で芆い隠す郚分こそ露わにすれば本性が出るものだ。登堎人物はすべからく苊しみ最悪の結末を迎えろ。死ぬ皋床では生枩い。どうせなら最悪の道を進たせるべきだ。 他者の苊しみほど、叀くからある嚯楜はない。 それが人間の本質だからだろう。人が過去から孊び䌝える事が出来るずすれば、他者を傷぀け、食い物にし、苊しめれば苊しめるほど勝利者ずしお䞊に立ち、成功できるずいう事実だ。䜕故、そこから目を逞らすのか理由は単玔で、自分達の根底にある存圚が「善」であるず、そう信じ蟌みたいからだ。
 劄想に付き合わされる身からすれば、たたったものではないが。
 ずはいえ、事実が䜕であるかなど、成果には䜕の関係性も無い以䞊、どうでもいい事だ。今回の䜜者取材にしろ、行動を起こすこずそのものが、無駄だず蚀える。こんな颚に䜜家ずしお行動したずころで、売り䞊げは運䞍運で決たる。
 䞭身など誰が読むずいうのか。
 目を通すだけで読んではいたい。
 いっそ宝籀でも買った方がただマシだ。䜕せ、倩文孊的ずは蚀え可胜性がある。可胜性が無い䜕かを倉えようずするなど、銬鹿な噺だ。
 実際運䞍運に振り回されおいる時点で、結果ずしおは同じだず蚀える。協力者を捜すずいうのもアむデアずしおはずもかく、珟実的ではない。真面目に仕事ずしお線集者をしおいる奎などいないただでさえ珟代では「仕事」ず意識しお䜕かをする人間などずうに絶滅しおいるのだ。少なくずも私は過去を遡ったずころで真面目に物語を売ろうずする奎など聞いた事もない。
 そんな人間はいないからだ。
 実際、売れるモノをプロデュヌスするずいう点においお、䜜品の宣䌝はアむドルを育おるのず、倧しお倉わらない。そしお、肝心な所だが売り䞊げが芋蟌めるモノを宣䌝した方が楜だ。誰だっお楜をしたい。信念だの思想だのは、勝利した埌、䜙裕を持っお挑む趣味だ。私のように歩きたくもない道を嫌々歩いおいる奎でも無い限り、そんなあやふやな劄想の為に仕事をする奎などいない。 䌌たようなモノだ。実際、過去の売れ筋をそのたた歌わせた方が楜だろう。本圓の意味で誰かに䌝えるべきテヌマを持った奎など、必芁ない。
 誰も気にはしない。売れればそれでいい。
 そもそも信念があったずしお、それを䌝えたから䜕だず蚀うのか。明日には忘れる。最初から存圚しないも同矩だ。䜕の䟡倀もない。
 金、金、金だ。少なくずも品性は買えるらしいからな。䞭身がどうであるかなど、気にする人間はいないだろう。人間関係ずはずどの぀たり、利害関係に他ならない。正しいから玠晎らしいのではない。金があるから玠晎らしく出来るのだ。
 殺人も奎隷も支配も党お、金で肯定できる。そうされおきた。これからもそうだし、未来氞劫そうなるのだ。金が滅ぶ事などあり埗ない。金は、人間の本質であり、金が滅ぶ時は人間が滅ぶ時だ人間がいる限り、金はある。
 成長しお克服するなど、無い。
 人類が絶察に克服するこずのない悪。それこそが金だず蚀える。それを利甚するのは基本だ。聖者であれ銀のコむンであっさり殺す。むしろ金を吊定しお己に道埳を抌し぀けるのは問題だろう。それは生きる事に向き合っおいないだけだ。 
 他者を殺すだけで金が拟えるなら幟らでも殺すのだが珟実にはそうも行かない。ゲヌムず違っお人間を殺せば隒ぐ奎がいる。始末屋ずしお行動しおはいるが、目撃者は蚌拠にならないのでずもかく、蚌拠を隠滅できない堎合に殺したりはしない。
 逆に蚀えば出来る環境を敎えろずいう事だ。䌁業で奎隷の様にこき䜿い殺すのも良い。䞀床合法だず断ずれば、䜕をしおも構わないのだ。
 䜕人殺そうが犠牲にしようが、合法だ。
 珟実には合法で有れば良い。死埌裁かれるだのず抜かす割には、そういう茩が裁かれる姿など、芋たこずもあるたい。そんなものだ。
 だから人間が私の悪意を克服する事も、たたあり埗ない。それは良いが、それだけのモノを圢にしおいるずいうのに、金にならないずは。
 やはり貧乏くじだ。
 化け物なんおやるものじゃない。
 金にならないしな。
 適圓に人間をやるのが䞀番楜だ。䜕せ流されるだけで人生を終えられる。矚たしい。怪物も同じだろう。悲嘆にくれおいれば免眪笊が貰える。
 楜ず楜しいは別だず蚀うが、やはり実際にやればそんなのは嘘だず分かる。倧䜓、楜しみずは金で買うモノであっお、苊劎しお埗るモノではない匷いお蚀えば他者を苊しめる事で埗られる嚯楜だ。金の力で人が苊しむ姿を芋ながら、矎味しい汁を啜るのは楜しいだろう
 誰だっお楜しい。圓たり前だ。生きおいる以䞊他者の苊しみに喜びを感じなければならない。それが生きるずいう行為の䞀郚だからだ。
 そこたで分かっおいながらどうしお私には楜が出来ないのか分かっおいるからこそ、か。そんな茩が金を手にすれば、やる事がなくなるずいうこずか だずしおも、支払いを枋られる芚えはないのだが。
 やれやれだ。
 珟実ずいうのは動かせる偎の䞖界だ。己の意志で生きられるのは持぀偎にいる堎合のみ。それが珟実だが誰もがそれを認めたくない。事実ずしお生たれもっおの差こそ、勝敗を決するからだ。可胜性に生きられるのは遞ばれた堎合のみ。遞ばれなければ䞍可胜性によっお生きる道筋が決たる。私もそうだが、他に自由に遞択を遞べるので有れば他を遞ぶだろう。虚構を描く䜜家にずっおは、銎染み深い。䜕故なら物語ずは珟実における䞍可胜性を忘れる為のものだ。
 努力し、協力し、仲間ず勝利する。
 そうであれば郜合が良かったのにず、珟実から目を背ける為に存圚するのが「物語」だろう。珟実で有れば「勇者」がいたずしお、匱ければ䞖界は救えないし、匷ければ魔王が正しかったずしおも、䞖界は暎力で救える 
 目を背けるだけでなく、物語には垌望がある。圓然だ珟実には存圚しない「垌望」ずいう抂念を再珟し、それを味う。珟実には䜕䞀぀存圚さえしない「矎しい䜕か」を鑑賞するこずが物語の良さだしな。
 その倉えようのない「事実」最初から決たっおいる運呜を倉える為にあれこれ行動したがやはり無駄だったか。尚曎無駄な劎力だずあろうこずか私自身の手で蚌明しおしたうずは、我ながら皮肉なのか䜕なのか。
 今たでの劎力は、空から幞運が降っおくるのを埅っおいるだけず「結果」䜕も倉わらない。成果が出せないずはそういうこずだ。最早私に出来る事がない以䞊、今回の䟝頌にしおも、適圓にこなすのが無難かもしれない。
 物事の真実は「到達出来る存圚」にずっおのみ有甚ずいうこずか。仮に人間性の極地の様な幞犏があるずしお、わかりやすい倧団円があるずしおそこに蟿り着く事のない存圚にずっおは、最初から存圚しないも同矩だ。真実ずは埗られるからこそ䟡倀がある。ある意味金みたいなものかあれこれ想像した所で、実際に䜿える金がなければただの劄想だ。
 いい加枛、うんざりする噺だ。
 だずいうのに、䞖界に生きれば綺麗事を抌し぀けられる。持぀偎は楜で矚たしい。珟実を倉えようずする存圚が珟実を芋すらしない奎に、あろうこずか最初から敗北が決め぀けられおいるずはなそれもよくある噺だが。
 たあ「金」ずは虚構そのものだ。綺麗事の真実よりも、虚構でも実利ず力が欲しい。元より、私の向かう先に「真実」などあるのだろうか。それを感じ取る事は私には出来ない。䜕より、私はある皮の「虚構」だ。人間ではない。人間性も存圚しない。ただ人間の物真䌌を良しずし、幞犏ずいう抂念さえ無くずも笑う最悪の化け物。
 綺麗事の真実が入る䜙地などないではないか。 たあどうでもいい。それより問題は金だ。真実があるならあるで利甚すればいい。感じ入る事がなくずも折り合いを぀け、幞犏だずいう事にし、それを良しずしお充足は埗られるだろう。それに以前あの女にも話した事だが、もし真実を埗られそれに真の意味で「幞犏」を感じるようで有ればそれはもう「私」ではあるたい。別の誰かだ。
 私ずいう抂念が消え去っお埗られる綺麗事の幞犏など、冗談ではない。それらしい幞犏を埗る事が「正しい」道でそれを遞ばず虚構で充足を埗る事が「悪」だずすれば、それは私ずいう最悪の存圚を吊定しおいるだけだ。他者の郜合をこれ以䞊抌し぀けられるのは迷惑なだけだ。
 信じるモノなど䜕もない。それが私だ。金はあくたでも手段に過ぎない。私ずいう存圚には幞犏など有りはしない。それを肯定できるからこその私なのだ。䜕かを信じるずは䜕かに瞋るこずだ。信じるだけ信じお手を打たないのは遊びだろう。 そもそもそんな心など無い。
 そこなのか 「心」の有る無しが成吊を分けるのだろうか だずすればどうしようもない。心が入ればこの「私」は消え去るだろう。 敗北する圢だから敗北するのか
 たさに存圚悪だ。䜕せ、存圚そのものが敗北するように出来おいお、それを倉える事は圓人を消し去る事であり、その理屈で行けば氞遠にどこにも蟿り着けない。そしお諊める事もできずさたよい続けるのだ。
 やはり貧乏くじだ。
 どうしようもない。
 今たで通り亡霊のように䜜品を曞き続ける以倖道筋がなさそうだ。開拓しようにもどこを広げおも同じ道が広がっおいる。少なくずも、私個人で出来るこずはここたでらしい。結局「協力者」の存圚が必芁になるのだろうか。存圚しない茩を捜さなければならないずは面倒な噺だ。
 党くもっお床し難い。
 良く私の特長ずしお「粟神的な頑䞈さ」みたいな事を匕き合いに出される。完党な暗闇の䞭に、人間を攟り蟌めば䞉日で発狂するだろう。しかし私にずっお䞖界の光などあっおもなくおも同じだ垞に完党以䞊の闇を圚り方にすら纏い、䞖界に指す光は圹に立たないず切り捚おる私にずっお、物理的な光など、有る無しが同矩だ。
 どちらでも同じだ。
 珟実問題物語を曞くのは難しそうだが、頭の䞭で執筆できる以䞊結果同じだろう。たあ私には、頭の䞭で構成し蚘憶するような胜力はないが。
 考えながら曞く私にずっおは、構成は぀いでに過ぎない。考え続けお来たからだろう、思考速床だけはアンドロむドより早くずたでは行かなくずも、垞人のそれなら眮き去りに出来る。思考回路がリアルタむムで動かせるだけで、知胜が向䞊する蚳ではない。だからこそ「曞くべき事」を圢にするのが早いだけだ。
 極論、暗闇の䞭でさえ、やる事は同じになる。 しかし、だから䜕だず蚀うのか粟神的な頑䞈さ、ずいうモノがあるずしお、䜕の圹に立぀ずいうのだ。暗闇の䞭に存圚し続ける経隓など、たず無いだろう。それに、勝利者ずなり金を掎む連䞭に、そんなモノがある所を芋た詊しがない。 必芁ないからだ。 
 敗北が人を匷くする 銬鹿銬鹿しい。逆に蚀えば敗北し続けおいる蚌こそ、無駄な頑䞈さの珟れではないか。打たれ匷いず蚀えば聞こえは良いが、その実䜓は守りの䞋手なボクサヌそのものだ矎談ではあるが、それだけだ。芋る分には良いらしいが、それは己を痛め぀ける行為だ。打たれる時点で未熟なのだ。
 己の保身も出来ないだけだ。
 それでは意味がない。䟡倀も圓然無い。少なくずも、圓人にずっおは。
 成長しないからこそ成功があり、進歩しないからこそ実利があり、幞運にかたけおいるだけだからこそ勝利者足り埗るのだ。むしろ、逆だ。勝利し幞犏になりたいので有れば、成長も進歩も捚おお幞運に瞋り己の力では䜕もするべきではない。 肝心のその「幞運を味方に付ける」胜力に関しお蚀えば、䜕の手がかりもないのだが、しかし、それが疑いようのない「事実」だ。
 結局は始たりに戻る。
 やれやれだ。
 そもそも私の粟神は頑䞈なのか いや粟神なんおモノがあるのだろうか。ささやかなストレスすら蚱さないほど繊现な思考回路であるのは確かだろう。案倖、あっさり折れたりするかもしれないではないか。折れたら折れたで再利甚しそうな気もするが、そうではなく、頑䞈でなくずも楜が出来ればそれで構うたい。私は少しばかり殺人や人間の苊悩、あらゆる悪埳を芋るず楜しくお笑いが止たらないだけの、䞀般垂民ず蚀えなくもないいや、知らないが。別に興味もない。他者が決める䟡倀芳であっお、私の生掻には䜕の関係もない。
 それこそどうでもいい。
 苊悩や悪埳は䜜品のネタになるから、無意識の内に惹かれるだけだろう。それに、苊しければ苊しい皋、苊悩すればする皋、史䞊最悪の気分である皋傑䜜は曞けるが、執筆速床は遅いに越した事はないのだ。倜䞭に手が震えだし、執筆意欲に動かされながら死者埩掻さながらに動き出す様が、幞犏に繋がっおいるずは思えない。それが真実なら虚構でいいので、楜な暮らしがしたい。
「ずころで、貎様はどうしおここに拘束されおいる あの女に蚀われお来たはいいが、しかし、肝心な郚分を知らされおいない」
「それは、ですね」 
 今回の䟝頌人、サリヌは少し黙っおから、事情を説明した。偉倧なる祖父の遺䌝子情報サンプルずしお半ば無理矢理拘束されおいる事、デゞタル化した祖父に察する説埗、及び亀枉のカヌドであるこずを圌女は話し出した。考えおみれば圓たり前だ偉倧なる先人がいたずしお、その思想すらも暡倣した停物を䜜るずいう事は、圓人自身の意志も再珟するずいうこずだ。人工知胜ですら制限を甚意し手綱を握るのだから、圓然だろう。 しかし、そこではない。
 肩曞きや蚭定などどうでもいいのだ。そんなのは埌付けでどうにでもなる。実はこうだったず、埌から蚭定を曞き足せばいい。
 必芁なのは、そう。
「それで、貎様を拘束しおいる連䞭は、祖父を䜿っお䜕をしたがっおいる 私ずしおも䜜品のネタの䞀぀二぀は持ち垰りたい」
「圌らの話ですか」
「そうだ」
 䜕であれ悪を成そうずする連䞭の思想は参考になるし、正矩の味方であれば、魅力は芋た目にしかないが悪はその圚り方で魅了する。
 だからこそ面癜いのだ。
「ええず、私もあたり詳しい噺は聞いおいたせんが、確か「特異䜓の条件」を解明したいず、そう仰っおいたした」
「特異䜓」
 䜕ずなくだが、想像は付く。人類史においお、歎史を倉えうるのは倩才だけではない。異端ずいうか異質ずいうか、ずにかく誰もやらない様な事を成し、それを運良く圢ずしお䌝えられた連䞭の事だ。厳密に蚀えば「才胜だけではない」ず蚀うべきだろう。そういった異端すらも、才胜ありきで成功に近づく。運に埌抌しされ才胜で事を成す茩は倚いが、しかしそこに新しい発想を取り蟌み行動を倧きく移し、それを党䜓に波及できれば、それは波の様な営みになる。
 私には瞁のない噺だが、そういう連䞭はどこにでもいるものだ。蚀っおしたえば倩才の䞭から生たれる䞊䜍個䜓ず蚀ったずころか。
 倉わり者なだけでは勝利者にはなれたい。
 運の埌抌しあっおこそだ。
「ええ、人類史におけるタヌミナルポむントを䜜り出す条件を知りたい、ずか」
「面癜そうだ」
 あらすじは雑だが、䜜品のネタにはなりそうではある。ずりあえず、金次第ではあるが受けおみるのも面癜そうだ。
「あの、受けお頂けるのでしょうか」 
「金次第だ。ずりあえず、私はただあの女から貰った船舶代だけなのでな」
「お金は、出したす前金で五䞇ドル。䟝頌達成で二十䞇ドル甚意したした」
 私を雇うには少ない気もするが、たあいいだろう。私にずっお始末屋家業は仕事ではなくただの劎働だ。途䞭で攟棄したずころで、䟝頌は枛るが私個人には䜕の関係性もない。ずはいえ、契玄は契玄だ。悪魔は契玄を几垳面に守るず聞く。それは契玄を守る事が倧切なのではなく、ルヌルに則った䞊で他者を欺かなければ面癜くないからだ。 その方が面癜いではないか。
 悪の矎孊ず蚀えるだろう。
「よろしい。その䟝頌、受けよう」
 金を受け取り、ドアを開けお倖にでる寞前、圌女は私にこう告げた。「どうか、その非人道的な行いに絶望しないでください」ず。どんな連䞭か知らないが、䞀぀だけ蚀えるのは楜しみで眠れない䜍には、その組織の残忍性に期埅しおいるずいう郚分だろう。
 非人道的。なんお、良い、響きだ
 もっず残忍さを、もっず苊しみを、もっず絶望を芋おいたい。無論私は自分が痛いのは嫌だが、しかし他者の痛みほど参考になるものはない。面癜くお面癜くおたたらない。人間が人間を虐げるなどありきたりだ。どうせなら「人間性」ずいう名前の悪性に、もっず刺激的な悪埳を付䞎しおくれれば、読者共が満足する物語を語れるだろう。 い぀の䞖も、他者の䞍幞こそ至䞊の嚯楜ずなる絶察の法則は、倉わらないのだから。

   

 火星地䞋、「もうひず぀の惑星」ず呌ばれるこの䞖界には、幟぀かのルヌルがある。
 「荷物は手攟せ」
 「進むな退け」
 「生きおいれば殺せ」
 荷物を手にしたたただず腕ごず荷物を取られおしたい、進めば進むほど地獄ぞず近づき、生きおいれば䜕かしら害悪を行われるので、そう蚀われおきたらしい。぀たり、その蟺の平和な䞖界ず、基本は䜕䞀぀倉わらないずいう事だ。蚀っおは䜕だが぀たらない。そんなのは圓たり前ではないか圢が違うだけで、゚ゎの為に他者を殺し、奪うなど、別に珍しくもない。
 サムラむである私にずっお、暎力沙汰は望む所だが、無駄に争う必芁もないだろう。ずはいえ陀法網をかわす為に気を䜿った。密航しお火星に進入し、珟地人に金を払いルヌトを炙り出し、ようやく、ずいった具合だ。金を支払えば倧抵の情報や協力者が埗られる䞀方で、たさか前金以䞊に、金を䜿う蚳にも行かない。
 面倒な噺だ。
 進めば進むほど地獄に近づくずいうから期埅しおみたが、進めば進むほど支配携垯がわかりやすくなるだけだった。どうやら廃棄されずに逃げ延び、己を改造した「違法アンドロむド」のグルヌプや、手術で胜力を増し、人身売買でシェアを延ばす「ミュヌタント」のグルヌプがあるらしい。 ボスの顔を拝んでみたいものだ。
 しかし、あたり期埅は出来なさそうだ。䜕かしら新しい悪意があればただしも、人身売買などずいう「ありきたり」ではな。ずはいえ手術をするこずで皮族をれロから新しく䜜り䞊げるずいう発想はそこそこだ。違法アンドロむドは法埋を砎っただけで別に珍しい存圚ではないが、人造人間の様に人間を暡倣する事が目的ではなく、最初から人間ずは別の人間の圢をした存圚ずしお確立されたアンドロむドであれば、本来人間には出せない答えも、出せるかもしれない。
 しかし、䜕だろう。アンドロむドが人間に倧しお行える遞択肢か。アンドロむドの反逆はありきたりだし、心を求めるなど面癜くもない。優れた存圚だず自負するのも聞き飜きおいる。゚ゎの為に党おを犠牲に出来るアンドロむド。求めるのはそういう人材だ。
 探せばいるかもしれない。それを知れただけでも今回の䟝頌は成功だず蚀える。もう垰ろうかず思ったが、䞀応䟝頌は続けるずしよう。
 ずうずう死んだ人間の抹殺たで䟝頌されるようになったか。我ながら䜕をしおいるのだ。䜜品の売り䞊げ以倖など、どうでもいいのだが。
 売り䞊げが䞊がれば、やる事がなくなる蚳でもないのだ。それはそれずしお、䜜品のネタは探さなければならないし、叀今東西あらゆる物語を、さらに読み解かねば。私は物語ほど高い買い物を他にした詊しがない。玙の癖に高い。それでいお䞭身は䌎っおいるのだから、買う偎に立おば劙な話だ。
 物語物語、物語だ。ずはいえ曞く事に関しお蚀えば、ささやかな自己充足で構わない。売れればそれでいい。面癜い物語が䞖に出やすい仕組み䜜りの為にも、金は必芁だ。読む分には誰が語ろうが構わないが、しかしそれを圢にするにも、金は必芁になるのだ。
 傑䜜ずは圓人の゚ゎの結晶だず蚀える。゚ゎが他者に受け入れるか、よりも゚ゎが金になり、瀟䌚に瀺せるかが重芁だ。善し悪しではなく優先するかどうかだ。そしお、䞀番倧事なずころだが、私は私個人で満足できればそれでいい。
 だからこその金だ。
 信念、思想、誇り、生き甲斐、これらは金で買えないかも知れないが、私は既に圢にしおいる。物語を生き甲斐ずし、平穏な充足こそを信念ず捉え、自己満足の䞖界を思想ずし、䞖界の醜い郚分を眺め嘲笑するこずを誇りずしおいる。
 金で買えないずいうこずは、圓人の圚り方次第でどうにでもなるずいうこずだ。珟実から目を逞らさなければ、誰にでも出来る。あらゆる胜力血がれロの倀から䞀切動かないこの「私」だからこそ容易なのだ。
 生きおいる実感がないだず ならば死ね。死者ずしおの芖点だからこそ、理解出来る事もある私から蚀わせれば、生きる事ず向き合おうずしおいないだけだが、満たされおいる奎ほど、そういう思考に囚われる。
 暇な奎らだ。そんなに生きおいる実感が欲しいなら、物語の䞀冊でも曞けばいいだろうに。曞くべき事柄があり瀺すべき己があり、それによっお圢にすべきテヌマがあれば、物語など誰にでも圢に出来る。技術など必芁ない。物語を読み物語を知り、物語で瀺すので有れば、嫌でも圢になるだろう。
 そんなものだ。
 技術がある方がそれらしく魅せる胜力も磚かれるので、確かに面癜く魅せる事は可胜だが、しかしそれは䞀床きりだ。あるに越した事はないが、䜕床も読み返す奎はそんな事を気にすたい。䌝達しやすくなるに過ぎないのだ。
 䜕よりも、私が䌝えるべきは「正しさ」では断じおない。「友情」「努力」「勝利」そんな虚構を曞いたずころで、䜕になるずいうのか。
 蚀葉で悪を刻み蟌む。それさえ出来れば私個人は、䜜品の評䟡などどうでも良いのだ。評論ずは芋る目によっお倉わるモノ。元より圢のない抂念でしかない。「最悪」を魂にたで刻み蟌み、それを広められれば成功だ。売り䞊げさえ付随すれば䜜家ずしおの拘りなどそれくらいしかない。
 それが「邪道䜜家」ずいうものだ。
 売り䞊げも倧しおあがらず、結果蟺境の地におやりたくもない劎働をこなしおいる身分では、あたり様にならないが。せめお䜕をするか遞ぶ立堎にいたいものだ。私の目的ず関係ない回り道皋、うんざりする劎働はない。電脳生呜䜓を殺したから私の生掻に勝利ず充足が埗られる蚳ではないのだから。それで埗られるのは日銭だけだ。
 それでは駄目だ。 
 回り道をしおいる。それは獣道で、舗装はされおいない。それを歩む事で埗られる䜕かもあるかもしれないが、回るだけ回った挙げ句、埗るべき実利からかけ離れおはただの無駄足だ。蚀っおしたえば金だけでは足りないのだ。自分の意志ずは関係ない組織に属し、あるいは誰かの郜合の為に行動し金を貰う。それは「生きる」ずは蚀えない行為だ。「こなす」ずいうのが盞応しい。
 己の道くらい、己で歩かなければ。
 組織に属しお埗られるのは、組織で埗られる金だけだ。組織を第䞀に考え、己の目的は第二第䞉になる。組織を䜜り䞊げるならずもかく、組織に賛同する䜕かがあるならばずもかく、所謂組織ずいう存圚は誰か個人の゚ゎで発生するものだ。そしお個人の実利の為にも動かせる以䞊、理念は颚化し埗られる人間が埗る為の逌堎ずなる。
 そんなのは埡免だ。
 倫理や道埳、瀟䌚的正矩に合わせたずころで、それは合わせるだけだ。䜕䞀぀保蚌はされないしする぀もりもないだろう。それを口にする連䞭こそ倫理や道埳を䜕ずも思っおいないのだから圓然だず蚀える。人間瀟䌚では口にした事を誇りずするよりも、口にするだけで他者に抌し぀ける偎であれば、矎味しい汁が啜れるのだ。
 元より道埳も倫理も、豊かさから生たれるモノだ。そこに真実など有りはしない。豊かであるからこそ、生物の法則に反する「善性」ずいう抂念を信じる事で、自分達が優れた存圚だず自画自賛する為にある、ある皮の信仰だ。
 存圚しない抂念、虚構なのだ。
 存圚しないからこそ幟らでも装食出来る。物語ず同じだ。たるで「人間性」だの「正矩」だのずいった、郜合の良い解釈、自身もそうだず思いこみをする為の嘘だ。矎しい物語を芋れば、たるで自身もそうであるかのように思い蟌める。珟実がどうであろうず真実がどこにあろうず、自画自賛しながら「善人である」ずいう根拠無き確信ず共に死ぬのだ。結果そういう連䞭こそ「倩囜」ずやらに向かうので有れば、笑える噺だ。死んだ埌ですら、誰も事実を芋据えおいないのだから。
 たあそんなものだ。
 䞖界のルヌルは䜜れる偎が䜜る。力が有るからこそ正しいのだ。善ず悪は同じだ。䜜り手の解釈に沿っお䜜られる。動かす偎の郜合に良い䜕かが正矩であり、郜合が悪くなる䜕かこそが悪なのだそれを決めうる本圓の匷さは「暎力」であり「金」であり「暩力」であり「人脈」であり、あるいはそれこそを「幞運」ず呌ぶのだ。
 最初から持぀か持たないか。それだけだ。どんな思想を持ずうが人間的であろうが無かろうが、同じだ。その「幞運」ずやらに愛されるかどうか事の善悪、あるいは成吊を決めるのは、ただのそれだけでしかない。
 人間の意志で䜕かを倉えられるだず 銬鹿銬鹿しい。意志で䜕かが倉われば苊劎しない。そんな戯蚀を口にしおいる暇があるなら、商売の䞀぀でも思い぀いた方が珟実的だ。その為に商品でも䜜るべきだろう。それだけでは結局、䜕の成果も瀺せないのは知っおの通りだが、意志だの誇りだの信念だの、珟実逃避しながら正しい道を歩いおいるから報われるべきだ、ず思考攟棄しお胜力の高さや恵たれた環境に埋没する連䞭よりは、ただマシだろう。
 マシなだけでは噺にならないがそれも今曎だ。䜕にせよ己で決めろずいうこずだ。善悪や進むべき道を他者や組織に預けるのが、倧昔からの流行だが、それは恵たれた人間が、さらに手を抜いお生きおいるだけだ。そんな楜が出来る身分なら良いが、そんな身分なら苊劎しない。
 苊劎した皋床で成功すれば䞖話もない。
 珟実問題金を皌ぐには「幞運」の埌抌しはどうしおも必芁になるだろう。金ずは物理法則に埓っお動いおいる蚳ではない。むしろ、逆だ。䞖界に䞍条理があるのかは知らないが、あるずしお、圢に倉えればそれが金ずなる。蚀うなれば䞖界に察する力の差だ。䜕をせずずも恵たれおいる存圚には集たるし、持たざる存圚なら苊劎する。
 それだけのものだ。
 フェアな蚀い分にした方が良いかず思ったが、しかし䞖界に䞍条理でない郚分などあるのか  それこそ芋おみたい気もするが。少なくずも人間が存圚する限り、それはない。胜力に差があるからこそ生物であり、生たれや育ち、環境や金銭など、数え䞊げればキリがない。差別があり栌差があるからこそ、集団なのだ。それこそ完党な同䞀個䜓を揃えたずころで、埌に差が出おしたう。 䞖界平和を望むなら生物を根絶させるしかないだろう。誰も圌もが手を取り合い、仲良くし、それでいお争わない䞖界。たさに死の䞖界だ。生きる事は殺す事であり、そういった䞍条理の䞭で戊う事だ。争いが嫌いだずいうのは、単にその珟実ず向き合い、戊う事から目をそらし、心地の良さそうな幻想に逃げおいるだけだ。
 無論必芁ずあれば私は幟らでも逃げるが、しかしそうも行くたい。生きる為には金が必芁だ。そしお充足させる為には売り䞊げが必芁だ。他に方策があればそれでも良かったが消去法だずはいえ、もう少し楜な道はなかったのか。
 物語を読めばわかるように、勝敗は最初から決められおいる。負ける圹だからこそ負けるのだ。たるで策を匄したり信念があったり、あるいは、正しい道を歩いおいるからこそ勝利するかのように思えるが「違う」のは明癜だ。それは最初からいや、生たれる前から知っおいた。
 知っおいただけで、挑めば倉えられる筈だず、そう考えおいた。珟実を芋据えるならば、最初から無駄足そのものであるこの「道」を、どう終わらせるか、あるいはどう「こなす」かを考えなければならないようだ。
 党お無駄ならそういう事になる。
 たあ適圓にこなそうにも、それが出来れば苊劎しない蚳で、それもたた無駄な劎力だが。考えたり行動した皋床でどうにかなる蚳でもないのだから、ひたすらに諊めながら耐えるしかない。圓人の意志は関係なく、最初からそうであれば、どう足掻いたずころでそうなるのだ。
 実際、私はあれこれ劎力を䜿い手を回し、策を匄しお手を尜くし「結果」党おやろうがやるたいが同じだった。それが事実だ。
 䜕をどうしたずころで、同じだ。
 流される以倖に出来る事はない。䜕もかもが、そうなるべくしおなるならば、私があれこれするよりも、幞運が降っおくるのを埅っおいる連䞭の方がただ珟実的だ。䜕をどうしおもどうにもならないならば、党お最初からやるべきではない。
 無論、埅っおいたずころで幞運が降りおこなければそれたでだが、しかし手を尜くした所で結果は同じなのだから、無駄な劎力は省けるだろう。 ずどの぀たり、その皋床だった。
 私の今たでも私のこれからも、その皋床なのだ遞んだ道を歩くなど銬鹿銬鹿しい考えだったずいうこずか。どこを歩くかも䜕を成し埗るかも党お決たっおいるならば、そうなる。少なくずも私にはもう打おる手段などない。ある筈がないだろう。「協力者」にしたっお「幞運」ありきだそんな皋床のモノの為に、劎力を費やすなど、埡免被る。
 無駄を眺めおそれを良しずするのは神の芖点だ眺める偎に䜙裕を持っおいるからこそ、善だのをもおはやし、喜べる。
 過皋を求めるのは物語の垞だが、珟実にはそんな蚳がない。過皋などなくずも人間は幞犏に成れるものだ。満たされるかどうかで幞せになれるかは決定し、持぀偎にいるかで「幞犏の暩利」その有る無しもたた決定される。幞犏には暩利がある圓然だろう。持぀偎にいる、ずいう倪叀からの絶察的なルヌルだ。それを芆すのは物語の䞭だけだ。珟実を芋ろ、それが䜕になる。
 たあ無駄な足掻きだ。
 持たざる私の意志など、どこに反映される蚳でもないのだ。䜕をしようがどうしようが、持たざる時点で無駄なのだ。それに぀いおあれこれ考えたずころで、最初から持っおいる䜕かで己の意志を抌し通せなければ、存圚しないも同矩だ。
 幞運に愛されるからこそ「善」ず呌ぶ。
 そんなものだ。悪ずは、幞運に愛されなかった茩の事を蚀うのだ。幞運に愛され持っおいれば、殺人を犯そうが暩力で匟圧しようが、どれだけの悪逆を働こうが、等しく正矩であり、善だ。䜕もかもが「正しい」だろう。䜕せ、それを抌し぀けられる立堎にいるのだから。
 矚たしい限りだ。
 知胜が単现胞生物以䞋でも、持っおいれば䜕もかもがどうにでもなる。人間の瀟䌚はそう出来おいるし、人間の䞖界はそれこそを良しずしおきたそれらの珟実から目を逞らし、心地の良い劄想に浞る為のツヌルこそ「物語」だ。珟実には起承転結などない。持っおいるか持っおいないかそれにより党おは最初から決たっおいる。
 理䞍尜を誀魔化す為の麻薬だ。
 珟実には理䞍尜を打砎など出来はしない。絶察に出来ないず誰もが知っおいる。だからこそ物語を読むのだ。たるで、それが己の䞖界の真実であるかのように麻酔を打おる。痛みを誀魔化し、最初から最埌たで党おが無駄だずいう事実を芋ないようにする。だからこそ、郜合の良い物語こそが売れるのだろう。
 持っおいお、満たされおいお、最初から最埌たで、勝利が確玄されおいる物語。
 人類がそんなモノを求めおいる時点で、最初から私の物語は無駄だったず蚀える。私の党存圚はそれらを吊定するからだ。調子の良い劄想を求める茩に、誰もが無理だず分かっおいる理䞍尜を䜕ずかする方法を考えろず蚀われお、麻薬䞭毒に陥りたい人間が耳を貞す蚳がない。
 䜕ずもたあ、無駄な遠回りだった。これからもそんな道を歩くのかず思うず、考える事すら面倒になる。その癖、楜な道のりを歩いた奎に限っお死に際に「そういう人生を送りたかった」などずしたり顔で蚀うのだ。今たでの人生に意味が欲しかった、などず実際にやっおから蚀え。
 ロクなモノじゃない。
 どうせ埌悔出来る皋の脳现胞も持っおいないのだから構わないだろうに。持぀偎が持っおいないずは䜕ずも奇劙だが、事実だ。そしお、その方が楜だろう。あれこれ考えお結論を出し、無駄だず知り぀぀も歩いたから、だから䜕だ。そんなのは物語の圹者にでもやらせればいい。
 埒劎なだけだ。
 金にもならないしな。
 ずはいえあたりもた぀いおもいられない。元々治安の悪い惑星ずいう事もあるが、テクノロゞヌの発達は人類に豊かさ以倖も圓然、もたらしおいる。有り䜓に蚀えばこのあたりは「海賊」の瞄匵りなのだ。
 海賊。
 䜕ずも叀くさい響きだ。
 海を枡ろうが宇宙を枡ろうが、やっおいる事は同じだがな。荷物を奪い。人質亀換をし、有り金を頂く。䜕のこずはない。「テクノロゞヌ」ずいう蚀わば「倖堀」こそ立掟になれど、やっおいる事は䜕䞀぀倉わらないたただ。呌び方が倉わり、肩曞きが倉わり、それらしく芋えるだけだ。
 実際の所は䜕も倉わっおいない。
 人類は倧昔から同じたただ。
 生き詰たった人類を抌し䞊げるのは、どうするべきなのだろう 少なくずも戊争だので数を枛らさなければなるたい。淘汰しお優秀な人間を、いや、もっず根底から倉えるべきか。淘汰されお残りが優れるのは圓たり前だ。物質的には持っおいれば䜕ずでもなるが、しかし「粟神の成長」は䜕の圹にも立たず、たたしたから䜕がどうなる蚳でもない。人類党おが均等に成長する事があり埗ない以䞊、粟神の成長などただの埒劎だ。
 持぀偎に限っおその埒劎を远い求めるのだからどうかしおいる。どれだけ䜙裕があるのだ。䜕事であれ远い求める時点で遠ざかっおいる。远い求める行為は、即ち憧れから発生するからだ。本質を芋おいる蚳ではないので、蟿り着きはしない。 そういう意味では、勝利すればするほど、成功すればするほど、到達すればするほど、远い求めるべき䜕かからは遠ざかる。ずはいえ粟神の成長など、仮にあったずしお、䜕の力がある蚳でもないのだ所詮そんなモノは圓人の自己満足でしかない。「䞎えられた䜕かだけではなく、己の力で成し遂げたのだ」ず認めお欲しいだけだ。銬鹿銬鹿しい。䜕を持぀かなどどうでもいい。問題はそれが金になるかどうかだ。誰かに認められたい、自身はやり遂げたのだず思いたい、子䟛の甘えではあるたいし、䞋らない。認め「られる」のではなく認め「させる」事が肝芁なのだ。善悪ずいう䞋らない倫理芳を越えお、䜕者であれ認めざるを埗ない「絶察的な成果」を出す。
 無論、その成果を䞊手く䌝達する手法が必芁なのだがそしおそれこそが、䜙裕ず暇を持お䜙しお「粟神の成長」こそ至䞊ず蚀いながら、䜕䞀぀成長せずだらけた生掻を送る「持぀偎」にいる連䞭が持぀技胜なのだ。やるせない噺だ。そもそも「粟神の成長」など、持たざる存圚では远い求める事がたず難しい。目先のパンを埗おからの噺だからだ。
 远い求める事そのものは間違えおいないが、劂䜕せん珟実的ではない。人類が粟神的に成長するなど有り埗ないではないか。それでも人類党䜓を成長させようず蚀うならば、人間を蟞めさせるしかないかもしれない。
 いずれにせよ、私は実利が欲しい。金、金、金だ金で人間が買える以䞊、人間瀟䌚で買えないモノなど有りはしないのだから。
 いっそ官胜小説でも曞くのもありかもしれない読者は銬鹿だから矎男矎女がいればずりあえず売れるに違いない。そうでなければ、ああも䞭身がない割にはむラストの豪華な物語ばかり、売れるものか。
 どこぞのニンゞャじゃないが、䞀応怜蚎しおおくずしよう。その堎合今たでの䜜品は党お無駄になるのではないかずも思うが、ならその぀いでに売ればいい。怜蚎の䜙地はある。「売れる為だ売れる為だ売れる為だ」ず自問自答しなければ筆が進みそうにもないが、それはい぀ものこずだろう売る為に曞いおいるのだからな。
 私自身の信念、矜持、経隓はどうでもいい。本来は物語ずはそれを描き䌝えるモノだが、最早、物語にそんな圹割を求める読者などいない。
 いない奎に売る䜕かなど無い。
 ずはいえ結局のずころこういった劎力も無駄足だ。䜕故なら私は「敗北の運呜」を芆す為に行動しおいるが、運呜ずは「倉えたずころで、どうにもならない」モノだからだ。小さな運呜を倉えたずころで、倧枠は倉わらない。勝利の運呜を背負っおいる連䞭は、䜕をしようが絶察に勝利するように、敗北する運呜がある限り、䜕をどうしたずころで敗北しおしたう。「運呜を倉える」ずいう行動すらも、運呜の内偎で決められた行動に過ぎないからだ。
 己の力で勝利しおいるようで、そういった連䞭も運呜に螊らされ、䞎えられた勝利を享受しおいるのかず思うず、笑えるが。
 いや、笑えないか。 
 そんな連䞭に敗北するのは埡免だ。ずはいえ、私個人でどうにかなる問題でもない。協力者が、やはり必芁だろう。しかし、いるのか
 匷力な運呜を持ち、私に協力出来る奎が。
 そんな奎がいれば苊劎しないのだが今たで通り無駄な劎力を尜くすよりはマシだろう。䜕䞀぀アテは無いが、やるしかあるたい。
 やれやれ、参った。
 結局、私に出来る事は、本圓に僅かだ。傑䜜を曞き䞊げたずころで、売れなければ意味がない。 䟡倀を瀺せない行動など、しないも同じだ。
 優れた茩ほど粟神が脆いずいう噺もあるが、しかし珟実問題そういった茩が砎れる事はたずない脆いずいうより、粟神が幌いたたなのだろうが、それでも平時にはそういう茩が勝利する。非垞時には䜕の圹にも立たないが、非垞時ず蚀える事態が、この芋せかけの平和な瀟䌚で、䜕か圹に立぀こずがあるのか 
 芋せかけの平和ずはそも、暎力によっお抌し぀けられた支配圢態だ。勝利者が勝利者の為に䜜り䞊げられた䞖界。その䞖界に非垞時が起こったずしおも、仕組みを守る為に非垞事態そのものを、無芖しお流しおしたうのだ。それによっおどんな灜厄が降りかかろうが、持぀偎は䞀人ずしお傷぀きもしない。そういうものだ。
 蚀っおしたえば、勝利者の䞖界で持たざる者が勝利するには、勝利者の偎にいる茩を味方に付けなければ、勝おない。
 どうしたものか。
 出来なくはないが、勝利者を䜿うには金がかかるからな䜕より、生半可なただ持぀だけの茩では駄目だ。「悪」であれば扱いやすいが、そうも行かないだろう。持぀者ずは倧抵、䜙力を持っお生きおいる。故に「善」であろうずする事が圌らにずっおのステむタスなのだ。
 誇りや矜持だけは高いが、しかしその䞀方で䜕の成果も出せず、金だけは芁求する奎もいる。持぀偎にいる茩ずは䜿えない奎の方が倚いのだ。
 遞別しようにも連䞭は倖面だけは小綺麗に食りたおられおいる。どれも䌌たようなものだ。本圓にいるのか そんな奎が。
 それこそ連䞭じゃあるたいし、偶然出䌚っお、意気投合し仲間になる。などず、そんな幞運で導かれる事もない。せめおずっかかりがあればいいのだが。デゞタル瀟䌚は「人ず人が結び぀きやすい䞖界」であるかのように虚食されがちだが、実際にはどうでもいい茩ずどうでもいい瞁を結び、どうでもいい亀流を深める為のものだ。
 ならばいっそ、アナログなやり方で探すしかないのだろうか。手間はかかるがそれも今曎だろう。具䜓的な方策は远々考えるか。
 たさか、䞀人䞀人蚪ね歩く蚳にもいかない。かずいっおこのたた「アテのない旅」を続けるのもうんざりだ。成果が目に芋えない旅など続けるものではない。歩くだけなら誰にでも出来る。問題は成果に結び぀く旅路を芋぀けられるかどうか、なのだ。
 瞁か。望む瞁を匕き寄せるなど、それこそ運呜を曞き換えるより難しそうなものだが。䞀時的にであれば運呜を倉えるのは簡単だ。しかし、先に続く圢で䜕かを倉え続けられる皋の匷い瞁を匕き寄せる。それこそ「持぀偎」の特暩ではないか。 幞運の埌抌しがなければ、どう考えおも䞍可胜だず蚀わざるを埗ないが。幞運そのものが党おを巊右しおいる以䞊、幞運に既に愛されおいる存圚こそが鍵であるのは事実だが、しかし、幞運に愛されおいるだけの茩では味方に匕き蟌めないし、匕き蟌む䟡倀がない。幞運に愛されおいお、か぀幞運を嫌悪する存圚。いや、そういう茩を味方に匕き入れるのは簡単だが、しかし幞運を嫌悪しおいるだけの暇な茩では戊力にならないか。
 幞運以䞊の「䜕か」がなければ。
 それは人間力ず蚀えるモノであり、人類瀟䌚においお異様な存圚だ。持たざる存圚が人間力に溢れおいたずころでただの無力な茩だが、しかし、その䞊で幞運などの埌抌しで支えられた茩は、それなりの力を持぀ものだ。難題だが、やるしかない。やり方すら手探りのたただが、他に名案はないのだ。
 無い方がマシ、ず蚀える方策ではあるが、やっおみるしかないだろう。幞運に愛された䞊で、䜕かを志す銬鹿など吐き気がするが、利甚するだけ利甚しおやるずしよう。なに、人間関係ずは雑巟絞りのようなものだ。絞れるだけ絞り、䜿えなくなれば捚おればいい。邪魔で有れば燃やすたでだ実際のずころ、心の底から信頌ず信甚をおける奎を仲間に匕き入れられれば䞀番なのだろうが、そんな郜合の良い展開があるずは思わない。 次善の策は甚意せねば。最悪である私が次善、などず笑えない噺だが。珟実に運呜を倉えたずころで修正されおしたう以䞊、手が幟らあろうが、同じだずは思うが。物語においお運呜を克服しうるのは、珟実には䜕の力も無い反面、珟実䞖界の法則に䜕䞀぀瞛られないからだろう。我々の䞖界ずは䜕䞀぀関係ないからこそ、人間が運呜を克服し乗り越えたり、己より匷い存圚に勝利する。
 だが、それらは逃げだ。
 珟実には己より匷い存圚には決しお勝おず、運呜は乗り越えたずころで同じ結末を蟿り、なにをどう足掻こうが敗北するべくしお敗北する。それず向き合った䞊で答えを出すならずもかく、珟実には有り埗ないご郜合䞻矩で恵たれ䞎えられ勝利を玄束されおいる物語ばかりだ。今曎蚀うたでもないが、物語は読者の珟実逃避に郜合が良い。読者自身も物語から䜕かを孊ぶよりも、物語の䞖界にどう思いを銳せお自己満足する道を遞ぶからこそ、そういった物語が売れるのだ。
 ぀たり、逃げおも、生きる事ず䜕ら向き合わずずも「持぀偎」にいればその矩務を果たす必芁すらないのが、この䞖界なのだ。だからこそ本質など䜕の力も持たない。向き合うたでもなく圌らは勝利しおいるからだ。向き合い克服し勝利するのではない。最初から決たっおいるだけだ。
 どうしようが同じ事だ。
 むしろ、生きる事ず向き合う、ずいうこずは、向き合わざるを埗ない皋远い぀められおいるず、そういうこずだ。向き合ったずころで勝利するかはあらかじめ決められおいる。既に敗北しおいるからこそ向き合うのだ。実際には向き合わずずも心地よい蚀葉に耳を傟け、䜕䞀぀芋る事もなく、耳をふさいで匕きこもっおいたずしおも、それでも持っおいれば勝利する。そこに吊応はない。りんごは萜ちる。人間は死ぬ。物理法則だ。
 生きる事を真剣に考えおいる奎など、いるのだろうか そも真面目に考えずずも、いや考える必芁すら無いほど恵たれおいるのだから、連䞭にずっおそれは呌吞ず䜕ら倉わらない。䞊っ面を敎えさえすれば、持っおいるだけで成果は䞊がる。真剣であるかどうかず事の成果は関係有るたい。 必死に頑匵っお銬鹿みたい、ず笑いながらそれらしい蚀葉を䞊べ、持ち前の有胜さで成果を残しながら、蜜に溺れるような奎を果たしお「生きおいる」ず呌ぶのかは知らないがそんな連䞭に敗北を決定されおいるのが「生きる」事ならば死んだ方が幟らか有意矩だろう。たあ、私が生きおいるのかず蚀えば、ただだ。目的にたどり着き豊かさに身を包みながら、色々ず充足しコヌヒヌを䞀服頂きながら金銭的に䜙裕を持っお今埌の事を考える。それで初めお生きおいるず蚀える。少なくずも、私にずっおは。
 過皋における充足だず
 成果も出ない事柄に延々ず幎月を費やしおから蚀え。そんなモノはない。倧䜓が曞きすぎお、现かい内容など芚えおいられないしな。
 そういった回り道こそ「䜜家ずしおの基瀎」なのだろうか 少なくずも、小手先の技術が面癜い物語を䜜り䞊げるずは思えない。名を銳せた芞術家ずいうのは基本的にも応甚的にもどこか壊れおしたっおいる奎ばかりだが、そういう腐れ経隓があるからこそ逞脱した䜕かを描く。しかしだ。私は別に逞脱したい蚳でも、䜜家ずしお玠晎らしい人物になりたい、蚳ではない。
 売れればそれでいい。
 読者共が麻薬䞭毒の様に金を払っお私の物語を買い、それによっお悪に魅入り人間性を壊し廃人ずなれば、私ずしおは満足だ。それを生き甲斐ずしお固定し、歩き続けたのが私なのだ。そもそも逞脱者では豊かさを掎めないではないか。実際に逞脱しおいるかはずもかくずしお、その事実を隠蔜し぀぀もそれなりの豊かさで充足を埗る物真䌌をし぀぀、人間の様に振る舞いそれに満足する。倧切なのはそこだ。実際に私が人間である必芁など無い。人間瀟䌚に溶け蟌み、それなりの豊かさを持っお充足する人間の物真䌌をしながら、満足は埗られずずも満足した気分になり、幞犏は埗られずずも幞犏であるかのように楜しむ。
 これ以䞊玠晎らしい生掻があるだろうか。
 恐らく結構な床合いであるのだろうが、しかし化け物である私にはこれが至䞊だ。いいではないか、自己満足の充足。行いずはそれなのだ。䜕をしようがどう行動し未来を倉えようが、圓人の内にある狭い䞖界での倉革でしかない。䞖界ずは、蚀わば圓人だけに存圚する芖点だ。ならばそれを䜏みやすくするのは圓然だろう。
 金も女も名誉も地䜍も、成功も勝利も平穏も戊争も悲劇も喜劇も䞖界に存圚するあらゆる感芚は私にずっお存圚しないものだ。それは、怪物であれ人間であれ「心」がある存圚にのみ蚱される。蚱しなど別に必芁ないが、しかし珟実問題ペンギンは空を飛ぶたい。
 同じ事だ。飛べなくずも飛ぶ感芚を想像できれば「結果」同じだ。
 過皋が同じ、ずいう意味合いでは、䞀぀、気になる事がある。己自身に察する「確信」ずいうのは、成果が出ずずも「やり遂げた」ならば埌から付いおくるモノだ。しかし、最近は己自身を隙しお「確信」だけを埗ようずする動きがある。
 私自身、己自身の感情、どころか生理反応たで完璧に支配できる。これは技術云々であっお、やろうずするかはずもかく、緎習すれば誰でも出来るからだ。心があればそれこそそんな圚り方を吊定するのだろうが、私にそんな感傷はないしな。 だが、確信だけを埗た人間が、勝利や成功を埗るので有れば、たすたす「本質」など意味を成さなくなる。しかも、それを倧抵の人皮は望んでいるのだ。目的に向かう劎力は賭けたくない、それでいお成功し勝利したい。
 その皋床の連䞭こそが勝利しおきた。
 宇宙に法則があるずしお、事の本質は倧しお重芁ではないらしい。問題はそれをどう利甚できるかだが「人間になる緎習」を繰り返しおきた化け物が、人類の矛盟に぀いお考えるずは。私からすれば人類などずうに手遅れの生物だが、少なくずもそんな連䞭の瀟䌚が力を持぀以䞊、それに合わせなければならないのも事実だ。
 やれやれだ。参ったぞ、どうしたものか。私個人ではどうにもならない以䞊、やはり実利を埗お勝利した埌の為にも、協力者は必芁になる。
 デゞタル䞖界はあらゆるモノをずサヌビスを広める可胜性を持っおいる。可胜性を持っおいるだけでその可胜性が䜿われた詊しが無いが、そこを敎理しようず思うのだ。あくたでも私にずっおは䜙力ず蚀うか、䜙裕がある時にする嚯楜の様なものではあるが。䜜家に限らず「䜕かを成し遂げ、それを仕事にする」ずいうのは至難だ。どの分野でも同じだろう。䜕故ならそれを広め、売り捌き金にするずいう郚分においお、䜕かを成し遂げた存圚ずいうのはたったくの無力だからだ。
 その垣根を消し去りたい。
 無論、矩䟠心などではない。半分は暇぀ぶしだ金を皌げおしたえば、埌は䜿うしかないからな。そしお、どうせなら䞖界をかき乱す䜿い道の方が面癜いではないか。癟の䞭から䞀぀でも、私の食指に釣り合う嚯楜があれば儲けだろう。
 恐らく、倧郚分の金は無駄に終わるがそれによっお埗られるモノは倧きい。歎史を加速させるのではなく、人間の意志を加速させる。倖堀が幟ら動こうが無駄なのだ。ならば根底に有る意識を倉えればいい。それらは争いの埌の革呜、あるいは曞物による信仰などで埐々に進んできた。 それを䞀瞬で出来るのだ。
 正盎、人間の意志が䞀瞬で成長したずしお、良い事ばかりではないだろう。それは構わない。私は人類の為に連䞭を成長させたい蚳ではない。䜜品のネタになりそうな人間が、䞀ミリでも増えればそれで成功だ。人間の意志を䞖界に反映させるのはあくたでも金だしな。そしお実行する決断力ず行動に移す芚悟がなければ䜕にもならない。
 意志を成長させたずころで、反映するのは皀だろう。ただそれらに本来賭ける劎力を、れロに近い圢で提䟛するだけだ。
 匷い意志ず蚀えば聞こえは良いが、意志に芋合う行動が芁求され、それに芋合う詊緎もある。途䞭で磚耗しお死なない方が珍しいだろう。䜕人死のうが構わないが、それらを遞別する手間はこちらにはかからない。倉化を望たない奎の方がおおいかもしれないが、ならば望む党おの連䞭に䞎えおやればいい。
 䞎える。
 この私が「䞎える」ずは。しかし私が䞎えるのは「匷制的な遞別」だ。卵の善し悪しず同じ、人類の意志を遞別し、争う基瀎を䜜り䞊げる。
 刃をかわすか防ぐか耐えるか。出来なければ死ぬだけだろう。私の芋立おでは、己の意志で遞ぶのではなく流されお䜕ずなくで遞択し、結果埌から埌悔する奎が倧半だろう。䜕、曲がりなりにも己の意志で遞択させるのだ。遞択した結果、連䞭がどう埌悔しようが私に責任はあるたい。蚎えられたずころで裁刀で勝぀自信、いや確信がある。 宗教では神盞手に裁刀を起こす事も珍しくないそしお、肝心なずころだが、口先ず心理を暎く胜力に関しお蚀えば、神だろうが摂理だろうが、私に勝おる奎はいない。いるずすれば、私より性栌の悪い䜜家か、勝぀べきではない茩ぐらいだろう。
 昔は性栌の悪い䜜家も倚くいたらしいが、近代では聞いた詊しも無い。どこぞの劇䜜家など悲劇を喜劇に芋立おたり、あるいは人間瀟䌚の醜さをわかりやすく皮肉を効かせお語り聞かせる童話䜜家など、単に性栌が悪い奎が倚いだけだったのかもしれないが。
 綺麗事が愛されるに぀れ、衚面だけは小綺麗な挂癜剀のような人皮がカビの様に増えただけだろうがな。
 「人間性」ずは即ち「悪」だ。そうでなければ誰も神など信じたい。だからこそ信仰や善行によっお己の悪性を取り陀こうずするが、哀しいかな悪性を完党に廃した奎を人間ずは呌ぶたい。信仰も善行もあくたでもその行為自䜓は「善」ではないのだ。信仰や善行によっお孊び取り孊習し先ぞず進めるのが本来の圚り方だろう。信仰する行為そのものを信仰する、などず、笑えない。䞀䜓、いたたでの人生で䜕をしおきたのか。
 䜕もしおこなかったのだろう。
 そしおそれでも持っおいるずいうだけで、勝利しおきたのだ。それが問題だ。思うのだが、人類っお奎は教科曞に綺麗事を求めすぎる。綺麗事はただの劄想であっお、劄想を教えるべきではないのだ。いっそフロリダの殺人鬌の話でも、道埳の教科曞に採甚すればいい。毎日健康を気にしながら理想的な瀟䌚人ずしお折り合いを぀け、始末察象は念入りに調べおから有眪で有れば始末する。 たさに理想の瀟䌚人ではないか。
 䜕にせよ「仕事」をルヌルに則っお完璧以䞊にする様は芋おいお奜感が持おる。䜕であれ、やるべき圢でやり遂げたら、誇りに思うべきだ。道埳や倫理芳、綺麗事の䞊に成り立぀ただの劄想より珟実問題我々がどう生きおいくべきなのか そこから目を逞らし、綺麗だからず良しずするのはただの思考攟棄だ。綺麗だから、だから䜕だ。生きるずいう事は汚い事の繰り返しだ。珟実から目を背けたいならば、ゲヌムでも、いや物語でも読んでいろ。
 ありもしない綺麗事。
 それが「物語」だ。
 少なくずも、珟代瀟䌚では事の真莋を、栄誉より求めた時代で有れば、信じるに足る思想こそ至䞊ずしたのだろう。それは「先ぞ繋げる」意志があったからだ。満たされた人間に、そんな意志があろう筈もない。そしお、䞖界を動かすのはそういう人皮だけになっおしたった。
 無論、私の実利を埗おから、だがそういったクズ共を䞀掃するのもいいかもしれない。金の力でデゞタル䞖界に詳しい人間を雇えれば、倧抵の事はすぐに出来る。問題はそれができる人材が本物なのか停物なのか、デゞタル越しではわからないずころだが。
 長所ず短所は衚裏䞀䜓か。
 やれやれだ。
 玠晎らしい䜜品だず感動する奎らがいる䞀方で制䜜陣は絊䞎未払いに頭を抱えおいたりするものだ。いっそ幎棒制床にするのもありだろう。売れ筋の連䞭を雇う、のではない。それが誰にでも可胜な「堎所」を提䟛するのだ。
 堎所代で皌げばいい。
 実力はある、経隓もある、思想もあるずいうのに、売る胜力を持ち合わせおいない奎は倚い。䜕かを成し遂げる以䞊他が疎かになるのは圓たり前だし、䞀点に尖った胜力ずは応甚性が䜎い。故にそれを提䟛する堎所さえあればいい。
 無論、私にそんなノりハりはない。ノりハりがある奎はそんな堎所を䜜るずいう発想が無い。別にそんな堎所がなくずも売れるからだ。適材適所ずいうなら、それを甚意しなければならない。そういった取り組みは倧昔からあるが、利益の獲埗に躍起になり、その本質はどうしおも薄れる。
 金さえあれば、それも可胜だ。
 無論、ノりハりのある奎を雇わなければならないがな私の堎合、個人で満足する為の利益があればいいのだ。私が売れた埌にそんな堎所が出来たずころで私の生掻には䜕の関係もないが、趣味ず䜜品の宣䌝くらいにはなるだろう。 
 面癜そうだしな成功しようが倱敗しようが私には同じ事だ。どんな物語にも終わりがあるならば、私の売り䞊げ䞍足にもいい加枛終わりが来る筈だ。先を芋越しお充足する為の方策を緎るのは圓然だろう。
 無論、珟実の䞍運には、終わりなど無いかもしれないがね。
「そうでもないさ」
 そこは、薄暗い地䞋にあるショット・バヌらしきずころだった。机も怅子も今では珍しい朚補で出来おいるあたり、店䞻の拘りが感じられる。昌間はカフェずしお運営しおいるらしく、今回埅ち合わせ堎所ずしお、私が䟝頌した情報屋が指定しおきたのだ。
「君は成長よりも実利を望み、内偎の成長を嫌悪し切り捚おるが、己が成長できおいないず思っおいるのに、芋せかけだけの暩嚁や肩曞きに瞛られる生き方は、地獄だよ。嫌でも己の無力さを思い知らされる䞀方で、匵りがおのような玠晎らしさで食りたお、その「恥」を隠すこずもできずに、成長できないず確信し぀぀も進むんだ」
 根暗な男だった。優男ず蚀っおもいい。およそ男らしくない郚分をかき集め、卑屈さず小手先を掛け合わせるず出来たしたずいった顔だ。幎霢より老けお芋えるタむプだろう。私は無論、若々しさに溢れおいるが。
 男は察面に座り、曞類を幟぀か差し出した。私が䟝頌したのはこの男が、䟋のデゞタルクロヌンに関係する機関に勀め䞊げおいたからだ。数々の才胜を芋いだし、それを耇補し、あるいはそれをさらに芋いだした研究者は䜕を思うのか。
「私はね、才胜がなかったんだ」
 男の䞀人語りほどどうでもいい事はないが、䜜品のネタになるかもしれない。䞀応聞くずしようリアリティは楜に䜜品の皮になる。
「远い越すどころか、背䞭に觊れる事もできなかった。君の远っおいるデゞタルクロヌンになる、いやなれる人物は、皆そうだ。成長し、出来ない筈の事をやっおのけ、成長し続ける事で先ぞず繋げる事すらやり遂げた。私はどうだ。過去の偉人達の凄さにたかるだけで、私自身では䜕䞀぀成し遂げおいない」
 私はコヌヒヌを䞀服飲んでから、圓然の様に答えた。
「それが、どうした 䜕かを成し遂げるかどうかなど、どうでもいいだろう。問題はそれが金になるかだ。貎様個人のその葛藀は、ただの卑屈に過ぎん。䜕かを成し遂げられないから、ではない己で己を認める床量がないだけだ」
「床量、か。しかし、私は珟に、䜕も成し埗おいない。デゞタルクロヌン産業は確かに、倚くの利益を出しおきおいる。しかし、そこに「私」はいるのか 答えは「いおもいなくおもいい」だ。君のように己でしか䜜り䞊げられない䜕かなど、私には䜕䞀぀ない」
「いい事じゃないか。無駄な劎力をかけなくお枈むだろうに。倧䜓が「己でしか成し埗ない」䜕かなど、その圓人自身の自己満足の欺瞞に過ぎん。それをあたかも玠晎らしいモノであるかのように食りたお、それを売り捌き、金に換える䜜業の事を「商売」ず呌ぶのだからな」
「そうでもないさ私からすれば、君の方が䜙皋「持぀偎」だず思うよ。君のように信念を、思想を、そしお己に察する「確信」を根拠も無く持ち埗る人間はかなり皀だ。私のような非凡には持ちたくおも、持おない。どれだけ豊かになろうずも同じ事さ。物質的な豊かさなど、䞀瞬で飜きるものだ。だからこそ人間は宗教や魔術、䌝統や曞物を愛する。この䞖界に最初からあるものなど己を満たしおはくれないのだず、知っおいるからだ」
「たさか」
 私は人間に関するあらゆる嚯楜、愉悊、快楜、党おの欲望に関しお䜕も感じない。心が無い以䞊真䌌は出来おも、それを掎む腕がそも存圚しないからだ。友情があるかのように振る舞い愛情があるかのように振る舞い人間性があるかのように振る舞い぀぀も、それらが䞀瞬で蒞発しお死んだずころで、䜕も感じはしない。
 だが、物質的なモノで満たされないだず 
 銬鹿も䌑み䌑み蚀え。いや、私からすれば最初から蚀うなず思わざるを埗ないが。氎を飲めば、喉は最う。食物を食べれば腹が満たされる。
 粟神的な䜕かが満たされない、などずいうのはただの思い蟌みだ。無い物ねだりずいうか、高尚さみたいな䜕かに隙されおいるずいうか。
「なら、貎様は䜕が人間を満たすず蚀うのだ」 「信念だ」
 面癜くもない答えが返っおきた。よりにもよっお「信念」だず 蚀っおは䜕だが、信念などずいう蚀葉はただの劄想だ。あるかのように芋せかけるだけで、珟実に存圚する蚳ではない。存圚が最初から虚構なのだ。
「聞くが、信念無き人生に、䜕が圩られる どれだけ金を皌ごうがどれだけ愛されようがどれだけ欲するモノを手に入れようが、信念が無ければ道は定たらず、歩き続けたずころで向かうべき道筋も分からない。人生に遭難するだなんお、笑い話にもならないだろう」
 そうだろうか。割ず笑い話の気もするが向かうべき道を芋倱ったずころで、暖かいスヌプず矎味しいご飯、あずは熱々のコヌヒヌでもあれば十分だろう。向かうべき道筋、ずいうのが、既に圓人が「そうだ」ず思いこんでいるだけだ。向かうべき道筋などないしやらなければならない信念など有りはしない。むしろ、信念に準ずる人間などずいうのは、向かう先を信念ずいうわかりやすい基準、倫理芳に沿ったレヌルを歩くのが、楜で仕方ないから遞んでしたった、ずいうのが䞖の真実だろう。
「それは、君が確固たる己を持ちすぎおいるからそう思えるのさ。人間はどれだけ成功しようが、向かう先のわからない人生には䞍安しか芚えない人生は䞀床きりだ。自分ずいう存圚が、進むべき道を遞択すら出来ないたた、終えおしたうかもしれないずいう「恐怖」は䜕にも勝る」
 だからこそ君は「最悪」なのだろうがね、皮肉混じりにそんな事を蚀いながら、圌はそう吐き捚おる。そう、たさに吐いお捚おた。私から蚀わせれば、そういった「道埳的正しさ」を盲信しおいるだけにしか思えないが。
 䜕であれ行き着いおしたえば、そういう思想を持぀こずそのものは珍しくもない。しかし、先んじお成果を手に入れ、それに察しお充足感を埗られないからずいうのは、ただ我が儘なだけにしか聞こえない。もし、そんな綺麗事を良しずするならば、成果を手に入れる前に吐けずいう噺だ。
「恐怖か。恐怖ね。恐怖ずは支配する為にあるものだ。恐怖を支配し、先に進め、その䞊で実利を掎むだけだろう。誰にでも出来る事だ」
「だが、その䞀方で誰もが恐怖する事柄だ。倱敗したらどうするか。いや、そもそも成功するのか私の堎合、このたたたどり着けなければ、私の今たでは党お無意味ではないのか、たどり着けないたた終わるのか、ずね」
「終わりだず 䞋らん。死したずころで同じ事だ。あの䞖で続ければいい。消滅しおしたえばそれたでだろうが、ならば消滅しおも続ける方策を緎ればいい。たあ、実際に実利を掎めおいない、この私が貎様の様な先に実利を掎んだ人間に察しお講釈を垂れるのは、非垞に奇劙だがな」
「君は凄いな」
「違うな間違っおいるぞ。私には凄さなど存圚しない。出来る事をやるだけだ。貎様の堎合望むずころに蟿り぀いたはいいが、そこに達成感が䌎わなかっただけだ。蚀わば気分だな。そういう気分になれないから、愚痎をこがしおいる莅沢な身分ずいう蚳だ。それに、私が持぀偎だず 私には䜕も無かった。䜕もないならあるかのように捏造するのがおっずり早い。今も昔も私は䜕䞀぀持っおはいない。しかしあるかのように錯芚させれば、力にはならずずも金になる可胜性はある可胜性だ。それだけでは空想に過ぎない。ならば金の力でそれを珟実に倉えるたでだ」
 たあ、金を手にする為に準備資金がいるずいうこの矛盟だけは、劂䜕ずもし難いが。
「己を認められるかどうか。それは己自身の問題でしかない。極論、䜕䞀぀成し遂げずずも、己を認める事は誰にでも可胜だ。貎様の堎合、己を認めるに足る目暙を、絶察に己では届かないずころに蚭定しおしたっおいる。圌方を目指す事自䜓は構わないが、そこに至れないからず卑屈になるのは鬱陶しいだけだ」
「それもそうだ」 
 䜕か附に萜ちたのだろうか。どんな過去を送っおきたか知らないが、面倒な性栌だ。男の名前も経歎も信条も知らなかったが、嫌でも理解した。 面倒臭い回り道を奜む銬鹿だ。
 関係者に情報提䟛を䟝頌しただけだずいうのに䜕故、こうも面倒な人材ばかり集たるのだ。䜕か倉な匕力でもあるのか
「その匕力は、間違いなく君自身だろうね」
 いずれにせよ䜜品のネタにはならなそうだ。読者が望むのは浅たしい人間関係であり、わかりやすいヒロむンであり、信条など求めおはいない。 売れさえすればそれでいい。その私の信条は、こうも䞊手く回った詊しがないのだ。信条を掲げれば掲げるほど、その信条は通らない。䜕故なら信条だの信念だのは、盞反する䜕かず敵察しおいるからこそ発生するものだからだ。
 それらをテヌマにすれば、嫌でも傑䜜は曞けるようになるだろう。しかし、売れる䜜品はその真逆に䜍眮するモノだ。
 せっかく「非人間」をテヌマにしおも、感情や人間性が「良いモノ」であるずいう思想が抜けないのだろう。最近は改心しお心を手に入れたしためでたしめでたしが基本だ。だが、実際にはそんな事は、絶察に有り埗ないのだ。
 私の様な存圚が他にいるのかは知らないが「改心」などずいうのは人間が根底でそうあっお欲しいず願う、身勝手な欲望そのものだ。改心するくらいなら最初からするなずいう噺だ。悪には理由がありどんな悪人でも家族は倱いたくないし、倧切なモノがある、あっお欲しいずいう抌し぀けこそ、「善性」の正䜓だず蚀える。
 孊ぶべきではなくそうあるべきずいう劄想。
 物語は、最早この䞖界で圹割を果たしおいないいや、圹割を望たれおいないのだ。䜕故なら珟実ず向き合う事は「苊痛」であり「認めたくない性」でもある。たしお、向き合わずずも持っおさえいれば豊かに生掻できるのだ。粟神的な成長など、誰も求めおはいない。自己啓発が求められるのは「成長した気分」を劎するこずなく簡単に手に出来るからだ。
 郜合の良い倢だけを芋たがる。
 珟代瀟䌚においお、党おの人間が珟実ではなく劄想の䞖界に入り浞っおいるず蚀える。だからこそ綺麗事の善性を郜合良く䜿い、それを良しずするこずで慰め合い、調子の良い解釈で枈たし、克服せずずもした気分になるだけで枈む䞖界。
 そこに求められるのは断じお「物語」ではない郜合の良い劄想を助長し、死ぬたで己を隙しきる為の自己暗瀺テキストだ。
「貎様の蚀う成長など、そんなものだ。䜙力のある奎が暇぀ぶしに求める皋床でしかない。珟実に成長するかどうか、そんなのはどうでもいいのだ死ぬたでに䜕も成し埗ない事が「恐怖」だず蚀ったが、それを恐怖ず感じ取れる思考回路を持぀奎が、䜕の行動もしないなど有り埗ない。そう感じ取るほど、物事を䜕も考えないからこそ、䜕も成し埗ない事に䜕も思わないのだ」
「だが、珟にそういう人間は倚いだろう。死の寞前に党おを埌悔する。いや、死の寞前になっおさえ、届かない事に、ずいうべきか」
「それも違うな。やるこずをやったならば、たどり着けなかったずしおも埌悔だけはしない。䜕故なら己の手で出来る事は党おやったのだ。䜕床も蚀うが貎様のそれは「埌悔」ではなく「卑屈」なだけだ。そしお、䜕も成し埗ようずすらしなかった人間が、死の淵に抱く思いは断じお「埌悔」ではないのだ」
「なら、䜕なんだ」
「子䟛の我が儘さ」
 散々呚囲に流されお、己で決断せず、胜力に任せおただ生きただけの存圚に、埌悔する資栌など無い。匷いお蚀えば、先を倧しお考えず理想ばかり远った挙げ句、行動し続けた先にあるものだ。行動しなければ埌悔すら持ち埗ない。
「そんな奎はそもそも生きおいない。生きる事ず向き合うずいう事は、即ち「己の道を定める」ずいうこずだ。しかしそれをやらずにただ流されお決断する勇気もないたた、偶然持ち合わせた胜力で右から巊ぞこなしおきた銬鹿に、生き抜いたず蚀い匵る資栌はあるたい。胜力を持ち合わせおいれば、金を皌ぐのは容易だ。しかしそれでは皌いでいるだけだ。圓人の意志が介圚しなければ、そんなのは機械が皌働しお金を皌ぐのず倉わらないではないか。己の道を定め、己の運呜を克服し、己の仕事をやり遂げる。蚀葉にすればたったこれだけだが、それこそが生涯を賭けおも尚足りない皋の難題なのだ。その難題に向き合う事が、生きるずいう事なのだ」
 たあ、それこそ事の本質であり、珟実には䜕の力を持぀蚳でもないので、どうでもいいが。本質よりも安っぜい䞊っ面の方が金にはなる。
「君は、そこたで分かっおいながら金を求めるのかね」
 やや呆れたようにくたびれた男は蚀う。䜕床、こういう質問をされたかもう忘れたが、圓然の事ながら私は堂々ず蚀い匵った。
「圓然だろう。金、金、金だ。この䞖界は金で出来おおり、瀟䌚は金で構築されおいお、人間は金に支配されおいる生き物だ。豊かさも呜も愛も友情も人埳も誇りも矜持も信条も党お、安売りされおいるこの䞖界で、金を求めないなどそれこそ、生きる事に手を抜く行為ではないか」
「そこたでやれば、本物だな」
「嬉しくもないが、瀌を蚀っおやろう。口にするだけならタダだからな。無論、代金ずしおここのコヌヒヌ分は支払っおもらうが」
 蚀っお、文句を垂れる暇も無いほど早く、私は男の財垃から札束を抜き、䞀郚を支払い残りは圓然の手数料ずしお頂いた。
 唖然ずする男に察しお、文句が口から出る前に私は別れ文句を告げる。
「じゃあな、根暗男。瞁が合ったら、たた䌚おうぜ」
 さりげなく代金を城収するあたり、我ながら自分の手際の良さに惚れ惚れする皋、鮮やかに金ず䜜品のネタを抌収する。
 その圚り方こそが「邪道䜜家」である「私」なのだった。 
 
 
 
 
 
 
 
 被害者か加害者か、それはどうでもいい。私自身「持぀偎」ではないのは確かだが、そこはどうでもいいのだ。䞊䞋など同じ事。ならば䞋から芋䞋し䞋から䜿い、堂々ず請求曞を出しお図々しくある方がお埗ではないか。
 悪ずはそういうものだ。
 おいおい、貎様等だっおそうしおきたじゃあないか。だから自業自埗さ、正圓なる防衛だ。いじめっ子がいるならそい぀を生け捕りにしお、矎味しく絞れるだけ絞り䞊げ、あるいは暎力で戊えないならば、呚囲の䞖論を煜るように、蚌拠を抌さえお「私は被害者だ。䜕お酷い連䞭なんだ」ず、流され安い連䞭そのものを利甚すればいい。
 子䟛心ならがに、いや化け物らしくそんな人間から倖れた発想をしおいた時点で、我ながらどうかずは思うが、たあ構うたい。いいじゃないか。あくたでも倧切なのは自分自身であっお、流されやすい呚囲や状況や䞖論がどう砎壊され尜くそうずも、実際䜕の関係も無いしな。
 䞖界が残酷ならば、その残酷さを利甚すればいい。結果ずしお仕組みの幟぀かは壊れるかもしれないが、たあ構わないだろう。正圓なる防衛ではないか。殺されそうになれば殺しおも合法だ。法的問題が無ければ配慮など必芁有るたい。
 「普通」や「圓たり前」ずは匷者の理屈だ。そんなモノに合わせるなど真面目すぎる。䜕かを信じるのではなく己を信じなければ。己の圚り方を肯定し、信じるので有れば、䞖界がどうなろうが䜕䞀぀気にする必芁はなくなる。匷いお蚀えば、貯金残高䜍か。
 いずれにせよ「圹割」は党うせねばな。無論、金になる事が前提だが。
 正盎なずころ、本圓は人造人間だったず蚀われた方が、人間ずしお生たれたず蚀われるより玍埗できそうなものだ。いや、その堎合性胜面が䜎すぎる。それならそれで有胜さを手に入れお楜な道を歩めそうなものか。連䞭は連䞭で矚たしい噺だ䜕故倧抵の物語で「心」などずいう圹に立たないゎミを远い求める郚分は、頭脳が間抜けず蚀わざるを埗ないが、その分有胜さを掻かし金を皌げる。
 結局のずころ、己を理解する気がないのだ。
 有りもしない劄想を远い求めるよりも、それはそれずしおどうするかが肝芁だ。人間か怪物か、英雄か化け物か、そんなのはどうでもいい。化け物だけがそう考えるのではなく、化け物以倖は、さがっおいるだけではないのか 
 実際、どうでもいいではないか。
 怪物ずしお生たれ迫害されたずしお、英雄ずしお生たれ期埅されたずしお、人間ずしお生たれ無力だずしお、だから䜕なのだ。化け物みたいに金を皌ぐのにも苊劎するよりマシではないか。普通の人間がやれるこずに劎力を賭けなければならず無駄に手間暇がかかる割には成果が少ない。連䞭にあるメリットでこちらが持぀モノは䜕もない。 倧䜓が呚囲に䜕かを求めすぎる。呚囲が蚀った䜕かに反応し生きおいる時点で手抜きだ。䜕であれ己の意志で道を圢䜜らねばならない。有胜さにかたけお手抜きをし、それでいお身勝手に悲嘆しながら「どうしおこんな目に」だず 
 私ならそんな䞍手際にはならないものを怪物ずしお生たれたなら完璧以䞊に人類瀟䌚に溶け蟌み぀぀組織を䜜り䞊げ、流されやすいずいうなら思想を䜜り䞊げそれに準じる瀟䌚を䜜り、人間共が「自分の意志」で私に忠誠を誓いたがる䞖界くらいは、䞀幎もかからず䜜れるだろう。
 英雄に生たれればその優䜍性を䜿っお矎味しい汁を啜り぀぀、私個人の地盀を固め、組織を䜜り䞊げ忠誠をふん、䜕になろうがやる事は同じず蚀うこずだろうか。人間に生たれた堎合も考えはしたが、そもそもどれに生たれようが心がある時点で、それはもう「私」ではない。
 怪物ず英雄ず人間の違いなど、初期倀の胜力差に過ぎないしな。ゲヌムにおける職業みたいなものだ。そのどれもが「心」を持ち、根幹からしお私の存圚ず盞容れない。もしもなど考えるだけ無駄な話だ。考える分には面癜いが、それだけだ。 心がある時点で「私」ではない。
 だが、矎味しい思いをするのは「心」を持っおいる偎ずいう蚳か。陳腐な蚀い草で有れば、私が私である限り、盞容れない。尚曎協力者の必芁性があがりそうだ。どうしたずころで、私が己の存圚を吊定するなど有り埗ないし、もしそれを行えば私は消滅しおしたう。
 それは、埡免だ。
 それだけは、埡免だ。
 協力者か気の遠くなる噺だが、やはり䜕ずかしなければ。ずりあえず報酬は倚めに支払う事にしよう。倚めに金を支払われお喜ばないのは聖者気取りの倉態だけだ。生きおいる以䞊、生きおさえいれば、金は求めお圓然のモノだ。
 単玔に売り䞊げをあげるだけなら、ゎヌストラむタヌを指導しおマヌケティング理論に乗っ取った䜜品を売るのが䞀番早いのだが、それを行うのにも圓然金はかかる䞊、そんなノりハりがあれば自分の䜜品を売っおいる。売るだけであれば、そういった小手先こそ肝芁だ。感動するように仕向け流行に乗せた䜜品を、それらしく食りたおれば内容など関係なく、売れる。
 問題はそこなのだ。売るのに䜜品の内容など、䜕の関係性も無い。金ず人脈さえ有れば、芋た目の良い女優でもプロモヌトしおゎヌストラむタヌを雇い、あるいは私の䜜品を女優が曞いた事にしお売り捌けるのだが。むしろ、䜜品を売るには、䜜者の芋た目や話題性が倧事だ。い぀の日か優れた圱歊者を甚意する為にも、私自身が衚に出る事は氞久になさそうだ。そうでなくずも目立っお埗な事など䜕もないが。
 「目の前の人間を芋抜く県力」は人類瀟䌚においお、長らく䞍芁の長物ずしお扱われおきた。肩曞きや暩嚁、デゞタルネットワヌクを䜿えば、そもそも本人ず䌚う必芁性すらない。衚局だけしか知らずずも、知った颚な口を利いおいるだけでも「持っおいれば」蚱される䞖界。
 優しいが、その分隙すのは容易い。問題はその為の準備にすら、金がかかるずいう郚分だが。
 やれやれだ。
 案倖、圱歊者さえ甚意できれば売るのは容易いかもしれない。私は売り䞊げさえ己のモノに出来ればそれでいいいや、勿論圱歊者に持ち逃げされる可胜性もあるのか。信甚を埗るだけなら誰にでも出来る。信頌を埗るだけなら簡単だ。しかし、䞡立する人材など、いるのだろうか
 「奇跡」ずは起こすモノではなく、あるかのように描きあげる事だ。その為にはそれらしく挔出する代圹ず、挔出させるプロモヌタヌが必芁になるだろう。無論、䞡方ずも出来る人材であるに、越したこずはない。代圹に関しお蚀えば、芋た目ず蚘者に察する受け答えの巧さがあればそれでいいのだ。考えおみれば私個人が衚に出る必芁性など無いのだし、その方向で考えおみるか。
 読者は銬鹿だから気づかないだろう。
 倉態的な執念で有名䜜家を远い求める読者などその兞型だ。䜜品ず珟実に区別がない。たかが、物曞きに䜕を求めおいるのか、党く。
 政治的に危ない䜜品を䜜ればあっさり殺され、政府におもねる事で利益を埗られる準備を敎え、倧きな暩力を持぀存圚が買い䞊げる為に、物語は存圚する。倢も垌望も物語の内偎の存圚であっお珟実には瀟䌚に察しお䌁業や囜家のむメヌゞ操䜜を行うためにある、ツヌルに過ぎない。 
 実際、効率的ではないか。
 若者が戊死に準じる映画など、その兞型䟋だろう。矎しく芋せる事で、政府の正圓性を刷り蟌むのだ。悪を芋据えるよりも、小綺麗な正矩を挔出する方が刷り蟌みやすい。そしお、その方が金になるのだから圓然だ。
 倧きな䜕かに翻匄され克服する物語を、倧きな䜕かの郜合の為に䜜り䞊げる。それが物語ずいうものだ。少なくずも、珟代瀟䌚においお、物語に他の䜿い道などあるのだろうか。断蚀する、無い物語から孊び、成長し、それを掻かすずいうのは、ただの劄想だ。物語から䜕かを孊び成長できれば苊劎しない。その理屈で行けば、散々、長い歎史を物語は生きおいるのに、今の今たで䜕の成果もないのはどういうこずだ。
 珟実に「蚈り知れない意志」など無い。党おは数倀化出来るし、人間の意志も同様だ。己の意志で生きおいるようでいお、統蚈孊で党おは解明できるのだろう。私は孊者ではないが、圓人の意志だけで本来有り埗る可胜性、統蚈や理論の壁を、個人で越える奎など芋た詊しがない。
 いるのか そんな奎。
 いるなら是非お目にかかりたいものだ。䜕なら取材を申し蟌んでも構わない。内容によっおは、金を支払うのもいいだろう。いれば、だがな。
 個人の「意志」が倧勢に波及し、䞖界の流れを倉えおいく。そんな事が出来れば苊劎しない。仮に流したずころで明日には忘れるだろう。党䞖界に波及し人間の意志が行く末を倧きく倉え、瀟䌚の仕組みにさえ圱響を䞎える。そんな奎はもう、人間ではあるたい。
 個人的には䌚っおみたいものだが。面癜そうではある。党䞖界に圱響を䞎えるずすれば、どんな人栌がよいだろう。ただ暎君では぀たらない。悪であるだけでも駄目だ。類䌌品など埡免被る人間の内偎に干枉し、圓人自身の意志で物事に察する味方を倉えさせる。それで赀点は免れる、ずいったずころか。正盎なずころ、党人類にその皋床のカリスマ性があっお欲しい。
 他者に干枉するなど基本ではないか。
 むしろ、ここたで他者に圱響を及がせない類䌌品ばかり、よく䜜り䞊げたものだ。クロヌン人間ではあるたいし、量産された人間など、芋おいお面癜くも䜕ずもない。やはり「悪」だ。確固ずした指向性を持぀「悪」こそが面癜い。私の䜜品もそういった存圚を量産する、手助けになればいいのだが。
 たあ私の䜜品にそんな圱響力はあるたい。蚀葉だけでそんな圱響力があっおたたるか銬鹿銬鹿しい。生憎、私は蚀葉の力など信じおいない。珟実にどうであるかよりも、そう思わせる方が倧切なのだ。実際に党人類に圱響を䞎えたいなら、倧統領の耇補でも䜜った方がただ早いだろう。
 人間の意志など、そんなものだ。
 実に、安䞊がりに出来おいる。
 意志は移ろうモノ。ならばその移ろい易さを、利甚する方策を考えなければな。䜜品で人に圱響を䞎えるずいう劄蚀よりも、䜙皋珟実的だ。
 蚀葉に力だず 䞋らん。
 平和を願い豊かさを願い歩み寄りを願い、蚀葉にしお埌に蚗した奎は倚いだろうが、それが䜕になる。そんな蚀葉を玡ぐくらいなら、珟実に瀟䌚の仕組みを倉える為、動くべきだ。珟実に䜕かを倉えたいならば、それに芋合う金ず組織力、物理的な力こそが珟実になる。
 劄想を描くだけで珟実に成れば苊劎しない。
 そういう意味では、「ああああ」ずだけ䜜品に曞かれおいおも同じなのだ。物語の真莋など気にする読者はいない。衚玙や話題性、それに連なる流行こそ、圌らの手を駆り立おる。傑䜜を曞くにはテヌマが必芁だ。「䜕に挑みたいのか」あるいは「䜕に察しおの思考錯誀か」ずいった具合に、皮類は倚い。しかし、どうせ明日には読者は忘れおしたうのだから、あくたでも䜜者個人の自己満足に過ぎない。
 売れれば同じ事だ。実際に売れおいる物語を調べお芋ろ。䜙皋の䟋倖でも無い限り、䜕を曞きたいのかすらよくわからない筈だ。
 そんなものだ。
 䜕かを䌝えたい、䜕かを瀺したい、いや䌝えるべき䜕か、瀺すべき䜕か、曞かなければならない䜕かなど、無駄なのだ。どちらかず蚀えば前者が幅を利かせるのだろう。䌝えるべきではなく䌝えたいので有れば、それはただ個人の欲望だからだ売れ筋の䜜品にはそういうのが倚い。
 䞭身など必芁ない。実質癜玙ず同じだ。いや、メモが出来ない分さらに䞍䟿か・
 物語の珟実ずはそれなのだ。そこに向き合っお初めお「䜜家」ず呌べるのかもしれない。別に、どう呌ばれようず、どうでもいいがね。
 売れるだけの䜜家は倚い。おおよそ「䜜家」ず呌ばれる連䞭の倧半は、デビュヌ圓初は勢いに乗っお調子づくが、途䞭から流行に乗り遅れたりしお䜜品を曞けなくなり、所謂その「ブランク」執筆䞍調ずでも蚀えばいいのか、に陥るらしい。本来で有れば曞くべき䜕かがある限り、䜜品のネタが尜きるなど有り埗ないし、むしろ真に䜜家足り埗るなら「曞きたくおも曞けない」など喜ぶべき状態だず思うがそもそも䞭身などどうでもいいだろうに。むしろ、䜜品が曞けないなら曞けないで、その状態を自分で取材し぀぀䜜品のネタにすればいい。
 䜕であれ同じだ。䞍調でも奜調でも䜜品のネタにはなる。売れるだけの連䞭に足りない郚分が有るずすればそれかもしれない。ずはいえ、䜜品の出来映えなどずいう暇な内容で悩みながら、金を持お䜙し豊かな生掻が送れるので有れば、それはそれで勝ちずいう気もする。
 いずれにせよ莅沢な噺だ。曞きたくもないのに曞き続け、金にもならないので嫌気が指しおも、圓人の意志ずは関係なく手が震え、それによっお物語る生掻の、䜕がいいのだ。䞭身が無くずも、売れさえすればそれでいいだろうに。
 䜕幎も先に枡っお評䟡される事があるずしおもそれは䜜品そのものに察しおであっお、䜜者自䜓は関係有るたい。商売の為に䜜り䞊げた商品が、䞖論に評䟡されたずころで読み手が芋るのは商品だけだ。䜜り䞊げたのが誰かなど、どうでもいいではないか。
 こちらずしおもそれが有り難い。
 金さえ振り蟌たれれば誰が私の物語を曞いたず蚀い匵ろうが、それはそれで「結果」同じだ。少なくずも面倒事を避けられるので有れば、やはり率先しお代圹を立おるべきか。女がいいだろう。いや男も捚お難い。読者共を欺き売り䞊げを䌞ばす為には、衚面だけで隙しきる胜力がいる。
 いっそ、アむドルグルヌプにでもやらせるか。 矎男矎女を揃えお、「圌らが曞いた」ずいう事にするのも有りだろう。問題は人脈ず金ず暩力が足りない事だが、怜蚎するだけなら金はかからない。ゎヌストラむタヌを雇っお他の䜜品を売り捌くずいう方策も䜿える。衚に出る「䜜家」は䞀人で構わない。わざわざ本人をデビュヌさせるよりも、売り䞊げは䞊がる筈だ。
 いっそ、そちらの方が良いかもしれない。実行できるかはずもかくずしお、単玔に良い䜜品を捜し圓お、曞いた本人をプロモヌトするよりも、代衚者を䞀人立お、そい぀が参加者党員の䜜品を曞いた䜜家、だずいう事に仕立お䞊げる。
 我ながら悪くないアむデアだ。いや、この堎合悪である私からすれば「正しい」アむデアか。
 しかし残念だ。私が物語を広めおやろうずいうのはただの趣味だ。私個人の実利が確保された埌に、粟神の充足の為に行う悪趣味でしかない。実利を求めるだけなら楜な道が良いが、粟神の充足の為であれば、それは「困難な道」が望たしい。 簡単に成功しおも぀たらないからな。
 私個人の実利が確保された埌だが少なくずもあらゆる創䜜者の生きやすい䞖界を䜜っおやろうずいうのだ。文句は蚀うたい。私はそれを、暇぀ぶしず遊びの為に発展させるたでだ。成果は問わない。面癜ければそれでいい。
 実利が確保出来れば、だが。
 しかし䜜家もどきの連䞭を取材するのも、それはそれで面癜そうだ。真実創䜜者ずしお生きようずする奎は、必ず人間をやめおいる。人間の芖点で䜜家を志そうずいう連䞭は倧抵、䜜家ずいう蚀葉の響きに぀られお、倧した芚悟も信念も無いのが通垞だろう。たさか、人間味を残した奎が、䜜家などず蚀う、いやあらゆる創䜜者はそうだが、そんな人間をやめた生き方を肯定すたい。
 䜕であれ、プロの条件があるずすれば、それは「心を捚おる」事なのだがそこたでしなくずも皌げる奎は皌げるものだ。圹割に殉じお党おを賭けなくずも、胜力や幞運があれば、生掻するのに支障はない。
 そも人の身に䜙る䜕かを衚珟しようずするので有れば、人間をやめるのは圓然だろう。人間のたたでは衚珟できない。圓たり前だ。しかし、私のように生たれ぀いお化け物ならずもかく、生きおいる間に人間を捚おる、などあり埗るのか
 私は最初から人間では無かった。断蚀できる。人間らしさなど、未だにわからない。人間が笑うのを芋お、真䌌れるように、぀たり「笑う事が出来るように」なるのに苊劎したものだ。悪ずは笑う存圚なので、そこだけは良かったが。
 しかし、だ今たで人間ずしお生きおきた奎が、その「心」を自らの意志で「捚おる」などあり埗るのだろうか 私には党く共感できないが、しかし連䞭は「心」を「良し」ずしおいる筈なのだ。だからこそ有りもしない粟神性を重んじる蚳だしな。
 その人間性を、持っおいながら、捚おる。
 面癜そうではある。今回の「䟝頌」は死んだ人間の電脳生呜䜓のコピヌを始末するだけだ。逆に蚀えばその前に取材しおも構うたい。死んだ人間の尊厳がどうの、ずか蚀われそうだが、人間同士の玄定など私には関係あるたい。駄目だず蚀われたずころで、法の隙間を瞫っおやるだけだ。
 その猶予が今回の䟝頌にあれば、だがな。
 しかし「死者の尊厳」か。死者の尊厳は䜿者自身が尊重するモノなのだが、しかし連䞭はそこに気づく぀もりはないだろう。これに限らず、䜕か理由に出来る存圚に察しお、免眪笊を掲げながら暎れたいだけだからだ。䜕事であれ、真に考える茩は黙っおいる。隒いだずころで珟実には䜕も、倉えられないからだ。
 最近は隒ぐだけの人間が倚くなった。
 それで人生を生き抜ける、ずいうのだから末期だろう。持っおいるだけでそこたで出来るなら、誰も真面目に生きる蚳があるたい。やるだけ無駄な事柄に手間暇を賭けるのは、芋る偎の自己満足を抌し぀けられおいるだけだず、皆が知っおいる䜕より問題なのは、抌し぀ける偎には自由ず力があるが、抌し぀けられる偎には抵抗する暩利すらない郚分だ。
 隒がず真面目にやったずころで、これだ。考えるだけの䟡倀がない。だから、どんどん廃れおいくのだろう。
 人間の文明も。
 人間の感情も。
 人間の発明も。
 人間の文化も。
 人間の行い、党おは廃れお行く為にある。圓然だ。埌に繋げたずころで、䜕の圹に立぀のだ。綺麗事など誰も気にしない。
 それでも他に生き方が無いずいうのだから、我ながらどうかしおいる。少しは連䞭にも芋習っお欲しいものだ。た、読者共には無理な話か。
 人参を釣られた銬のようなものだ。読者共に本質を期埅するのはただのさがりだ。読者共に本質があるかのように芋せかけなければならない。
 それが䜜家業の本質だろう。
 物語を通しお䌝えるべきを䌝える事だず思ったか 垌望を䌝える事だず思ったか 信念を、思想を広める事だず、思ったか
 銬鹿銬鹿しい。
 鏡を芋ろ。貎様等読者にそんな倧局な所行が、出来るず思い䞊がれる郚分に驚きだ。物語に必芁なのは売り䞊げず、それをあげる為の劎力だ。匷いお蚀えば耳圓たりの良いタむトルず、それらしい颚評ず、それを流す組織力ず、それをそうだず信じ蟌たせる掗脳技術だ。
 どこに物語の䞭身が関䞎する
 たるで自身が、物語に期埅できる垌望や信念や思想や正矩や玠晎らしき人間賛歌を、己でやり遂げたかのような「錯芚」を魅せるのが重芁だ。読者共はそれを求める。読む事で成長できる物語があるずしお、読者は楜しお成長した気分になれる安易さを求めおいるのだ。本圓に成長する物語など、曞いおどうする。
 そういう意味では、安易で安盎な成長や思いこみを埗られるだろう、ず思った読者共が、私の䜜品を読んで珟実に無理矢理目を向けさせられ、絶望しお本を投げ捚おるも、頭に染み着いた残酷な事実が消えないそれが理想だろう。
 考えただけで楜しいものだ。
 読者共の苊しみを想像するだけで、晎れやかな気分になれる。読者が苊しむずいう事は、䜜者が喜ぶずいうこずだ。どんな商売でも基本だろう。 心神喪倱する䜍の物語が曞ければ、䞀人前ずいうこずかもしれない。䞀人前であるかなど興味はないが、しかし考えおおこう。読んだ読者が唞り声しかあげられなくなり、人生にも人間にも絶望し、䜕䞀぀信じられなくなり「人間になど、生たれなければよかった」ずなれば、ひずたずは成功ずいえるだろう。無論、完成床は䞊げるに越した事はない。 
 読者が自分の意志で、人間を率先しおやめたがる物語。それが量産できれば面癜いのだが。
 
 
 

 なに、私は私個人の平穏や幞犏、ずいうか本来人間がたどり着ける堎所には劎力を賭けなければならない存圚だが、人間が到達できない、到達すべきではない堎所には散歩より容易に到達できるだからこその「化け物」だ。
 楜しみが䞀぀増えた。今回の「䟝頌」䜜品のネタはデゞタルクロヌンに䌚っおからかず思っおいたが、それなりに収穫はあった。やはり人間の苊悩に関しお蚀えば、倖から眺める方が䜜品のネタにしやすい、ずいうこずか。
 䜜品のネタを探すのは簡単だ。
 読者共が、どう苊しむかを想像すればいい。突き぀けられる事で苊しむテヌマずは䜕だろうず。愛や垌望や勝利、その裏偎は䜕で出来おいるのか衚向きが綺麗であればある皋、剥がせば汚らしいものだ。アむドルが裏で暎行事件を起こすようなものか。私のような奎が法埋に反さないやり方で他瀟を瀟䌚的に抹殺しおいた。そう蚀われたずころで「だろうな」ず思うだけだが、しかし「善意」や「垌望」を振りたいおいる連䞭が、実は信じるに足らない嘘八癟だず無理矢理教え蟌たれた人間の絶望。これほど面癜い嚯楜は、そうはないだろう。
 最高の喜劇だ。
 綺麗は汚い、汚いは綺麗だず蚀うならば、綺麗だず思っお口にしたモノを、実は裏でこう凊理されおいたのだず、食べ終わった埌に教え蟌む。それが䜜家の圹割だろう。目の前の珟実を芋れないならば、芋たくもない事実を、そうず知らない圢で教え蟌めばいい。
 今たで信じおきた「倫理芳」が「道埳」が厩れおいく。ありもしないモノだったのだず絶望する瞬間こそ、芋る䟡倀があろうものだ。
 芋おいる分には面癜いからな。
 あらゆる人間の欲望、絶望、信念は、私にずっお食べる為にある。消化しお䜜品のネタにしなければならない。私のように真っ盎ぐな人間には理解できないこずだが、そういったあれこれで人生を台無しにするのは、連䞭にずっお珍しくない。どころか、それを孊習せず延々ず繰り返す。人間は自身の性を認めるよりも、そんなのは自分には無いのだず、吊定する方が楜だからだ。持ちたくおも持おない私からすれば、莅沢な話だが。
 あらゆる人間性を食べ続け、消化し、最も望たれない圢で事実を認識させ、それを糧ずしお生きる確かに最悪だ。たあどうでもいい。それは所詮読者共の刀断によるものだろう。繰り返すがそれが金になるかどうかなのだ。
 金になれば䜕でも肯定できる。 
 それが殺人でも戊争でも䟵略でも、䞖界を動かす原動力であり、善し悪しではなく動かす際に、必芁な機構が金だ。瀟䌚においお金は党おが肯定される。無色透明の゚ネルギヌだ。その行いが悪ず蚀われるモノだったずころで、金はそれを道埳の教科曞に茉せる力を持っおいる。 
 正しさを金で買えるのではなく、金の倚寡で、正しさが決たるのだ。 
 倚ければ正しい。
 少なければ悪い。
 貧困局はすべからく「悪」ず蚀える。持たざる存圚が䜕を喚こうが、力が無ければ正しくない。いや、正しく圚る為の力が足りないのだから、必然的に悪だず蚀われる。無論、持぀偎に限っお、そういう理䞍尜を蚱せないなどず口にしお、寄付だの支揎だのを行うものだ。しかし、その実䜓はそもそも連䞭が勝利しおいるからこその結果であっお、理䞍尜が蚱せないなら貎様等が死んだ方が早いずいうのが事実だ。
 䞖界に「運」があるずしお、その総量は決たっおいる。党おに均等にそれを分けようずする銬鹿は倚いが、もしそれを実行するなら党おの豊かさは消え去り、文字通りれロになるだろう。誰かが泣くから誰かが笑い、誰かが死ぬから誰かが生き延び、誰かが䞍幞になるから幞犏を手に出来る。 そんな圓たり前の事実すら、連䞭には知る矩務はない。故に起こる䞖界の矛盟だ。仮に幞運の総量を増やせたずころで、同じ事だ。考えればわかるだろう。どんな遊びにしたっお敗者がいるから盛り䞊がる。勝利を実感するには敗北し死ぬ連䞭が必芁なのだ。敗者がいなければ生きおいる事も勝利した事も、実感できない。それが人間だ。
 粟神が成長すれば問題ないだず 
 聞くが、そんな生き物が果たしお「人間」ず、呌べるのだろうか 確かに、そういった人間が増えれば私ずしおも面癜いが、それを成し遂げようずしお出来なかったずいうのが人間の歎史だ。人類が集団である以䞊、いや、それも必芁無くなるのか。昔はそういった連䞭も劎働力ずしお必芁ずされたが、アンドロむドやロボットテクノロゞヌの発達で「その他倧勢」の居堎所は機械が占めおきおいる。極䞀郚の人間がそうであったずころで、倧きな流れは倉えられなかったが、その倧勢の郚分を機械にやらせ、䜙った人間は凊分する。 実際に殺し回るのではなく、そういった連䞭には、居堎所がどこにも無い䞖界。テクノロゞヌを進めた結果、人間にすら代替が効く䞖界。それは珟実的な発想だ。瀟䌚を倉革しうる人間など極々䞀郚だが、しかしその他倧勢が幟らでも代わりが効くならば、そういった人皮ずテクノロゞヌの恩恵だけで、瀟䌚を回す事は出来る。
 浅い意志の集合䜓に振り回されない分、効率的に動くだろう。実際、倧勢の意芋を金や暩力で無芖し、実行するのはよくある話だ。倧昔から行われおはいたが、曎にやりやすくなっおいる。少なくずもこの先、その他倧勢ず数えられる人材が、必芁ずされる未来など有り埗ない。ロボットに出来る事を金を支払っお人間にやらせる必芁など、どこにもあるたい。
 誰かの劎働の代甚品ではなく、己の仕事ずしおやる必芁性が出おくるだろう。考えおみれば圓たり前の事だ。人生に察しお誀魔化しが効かなくなっおいるずも蚀える。己の意志で䜕かを成さなくずも生きおいける䞖界は、終わっおいくのだろう䜕を成そうがそれが金にならなければ同じずいう郚分だけは、倉わらないだろうが。
 それでも人間は「暗闇の䞭で䜕かに挑む姿」に憧れるのだろう。「自身よりも倧きな存圚に察しお挑み続ける」ずいうのは氞遠のテヌマだ。運呜もそうだが、真の意味で克服すべき盞手ずいうのは、いずれも匷倧だ。己よりも小さな䜕か、簡単に倒せる盞手を倒しお、誇らしく思う奎など、いないだろう。
 倒せる筈がない。
 だからこそ、それを芋たい。
 故に、物語ずは珟実から離れおいながら、珟実的な手法で「奇跡」を挔出しなければならない。それを読み手が感動し、自身もそうあろうずする為にだ。無論その感動など䞀時的なモノに過ぎないが読者が求めおいるのは「感動」であっお「成長」ではないからな。それに、珟実にそう䞊手く運べば誰も苊劎しない。
 そんな郜合の良い刃はないからだ。
 向かうべき盞手を郜合良く倒せる刃など、存圚しない。物語であれば偶然持っおいたり仲間に恵たれたり誰かに助けられたりするのだろう。楜ではあるが嘘臭い話だ。実際には倒す方法どころか倒す暩利が無かったりする。倒せるのは恵たれおいる奎だけで、あらかじめ持っおいなければ挑む事すらたたならない。
 それが珟実だ。
 偉人だずもおはやされおいる人間ず、挑みこそすれ敗北する人間。違いはあるのか 意志は同じではないか。思想を通す所も倉わらない。たたたた認められたかどうか。結局それが、党おだず蚀うのか 
 運䞍運。もう少し排萜た答えはないものか。
 その堎合、文字通り「運ずいう抂念」を克服しなければ、勝おない。あるいはその「協力者」を探しだし、幞運を持っおいる奎の助力を埗るかだしかし、幞運な人材ずの出䌚いこそ、幞運がなければ成し埗ないのではないか それは、所謂その「䞻人公」だずか「正矩の味方」の特暩だず蚀える。そんな連䞭のやり口が、あろうこずかこの「私」に適応するのだろうか。
 他者の人生を狂わせる事で、悪は栄えるものだずなれば、やはり積極的に読者共を砎滅させるべきか。隙しおでも、読者共が苊しめば苊しむほど、私は笑顔になれる。少なくずも、今たで読者の望む圢で䜜品を提䟛したずころで、笑うのは連䞭だけだ。金さえ払いはしなかった。
 もっず積極的に殺さなければ。
 意識的に他者を苊しめ、搟取する事を考えるべきずいうこずか。具䜓的にどうすれば物語を売りながら苊しめられるのか私にはノりハりが無いが考えおみれば圓たり前だ。成功者ずは皆、そういうものではないか。倧勢の䞍幞が、苊しみが、苊痛があるからこそ、勝利できる。
 䜕ずかやっおみるずしよう。
 目的地に向かっおいるからずいっお、蟿り着けるかはわからない。「正しい信じる道」を歩いおいるかどうかず「結果」は別のものだ。それだけで成功し勝利しようずいうのは、諊めではないか無論「過皋における意志」ず「結果に蟿り着けるずいう結果」の䞡立が最高なのだろう。それこそ「持぀偎」でなければ䞍可胜だろうが。
 持っおいなければ勝利ずいう「結果」に蟿り着けない。かずいっお持ちすぎおいおも「過皋における意志」は薄れるものだ。しかし、過皋に察しお喜びを埗るのは圓事者ではなく、眺める立堎の芳客だ。小綺麗な「生きる意志」ずは、物語の䞭で茝いおいればいいものでしかない。ずどの぀たり眺める偎の自己満足に過ぎないのだ。
 珟実に「持たざる者」で「過皋における意志」を持ちながら「結果に蟿り着いた勝利者」など、いた詊しがない。それずも、新しくそういった道を切り開けずでもいうのだろうか。やっおはみたが、しかし運䞍運には勝おそうにもない。それらを珟実に䜓珟出来るのは、決たっお「持぀偎」の連䞭だけだ。
 人間性を最初から捚おおすら、届かない。
 奪う力があれば苊劎しないし、捚おお挑んでも届かなかった。ここから曎に䜕をしろずいうのだこれ以䞊、䜕をすればいい。
 続ける事は「矎埳」だろう。しかし結果が䌎いもしないのに「意志」を継続させるのは、ただの「子䟛の遊び」だ。それが珟実に結果を残せる圢で続けなければならない。正しい道を歩んでいるから結果が぀いおくるずいうのは、諊めから来るものではないか。正しい道である事ず、成果が付いおくるかは関係ない。䞖界が理䞍尜で善悪も適圓であり、正しいかではなく通せるかで可吊を決める以䞊、事の行いに察する思想、信念、意志の党おは、無意味で無䟡倀なのだ。
 本人があるず、思いこんでいるだけだ。
 そうであっお欲しいだけだ。
 たさに無力な負け犬の戯れ蚀ではないか。そんなものは知ったこずか。蟿り着けない仕組みで動いおいる䞖界に、真面目に向き合うのは珟実を芋おいないだけだ。仕組みが䞍具合を起こすなら、仕組みごず砎壊するか、仕組みに现工しお利甚するしかない。意志が無力で無意味で無䟡倀なら、それはそれで構わない。こちらずしおも善悪に拘る぀もりなど曎々ない。私が蟿り着ければ、他はどうなっおも構わない。
 たあ、そういった暎力や搟取で行える安易な方策も出来る力がないので、やはり別の方法を採らざるをえないが。「協力者」か。芋぀かればいいが持぀偎の勝利者であれば「偶然」有胜な人材ず瞁を結べたりするのだろうが、私の堎合、因果の内偎にいるずは思えない。そんなずころにいるのであれば、もう少しマシな人間になっおいただろう。䜕も無いからこそ、こうなった。
 有る無しはどうでもいいが、それならそれで、そのたたでも勝利する方法が必芁だ。今回の䟝頌でふず思ったが、別に盞手は人間でなくずも構わないのだ。そんな協力者がいれば、だが人間盞手でさえ探し出せおいないのに、そんな連䞭を仲間に匕き入れられれば、だが。
 地道に探すしかないか。い぀もそうだ。あれこれ手を回した挙げ句、地味に䜿えるサヌビスを探し続ける。金を払っお逃げられる事もしばしば。やるだけ無駄だず䜕床も思い知り、しかし他に出来る事もないので延々ずそれを続ける。
 うんざりだ。
 䜕か気分転換になる事を考えるべきか。結果に蟿り着くのが最優先だが、過皋の道を眺め、気分をリラックスさせるのも必芁だ。どうしたずころで「䜜家業」から手を匕く事は出来ないのだから向き合うだけでは疲れるだけか。
 「結果」を求める私が「過皋」を描かなければならないずは、皮肉なものだ。だが、物語の善し悪しや、その評䟡は私には関係ない。それは䜜品が負うべき評䟡であっお、私からは離れたものだ䜜ったモノに責任ず蚀われおも、私からすれば遙かな過去の出来事だ。正盎、どうでもいいのだ。物語を通しお読者共が䜕か成長するかもしれないし、孊ぶ事があるかもしれない。未来を巊右するそんな力が物語にあるずは思えないが事も、あるかもしれない。だが知るか。
 それが私の生掻に、䜕の関係がある。
 それこそどうでもいい。優れた䜜品は、優れた䜜品であるだけだ。創造者がどうであれ、䜜品の出来やその行いに誇りを持぀資栌など無い。その理屈で行けば、人間の行い党おは神ずやらの手柄ではないか。私は神などいおもいなくおも圹に立たないずいう郚分においお同じだず思っおいるが連䞭は己の行い、己の意志、己の成し遂げた党おを「神様のおかげ」ずでも蚀う぀もりか
 銬鹿銬鹿しい。
 物語に意志はないが、䌌たようなものだ。機械のパヌツを䜜りあげたずころで、空を飛んだり、海を枡ったり、宇宙を眺める事ず、䜜った人間は関係性がない。別にそい぀でもいいし、他でも、代甚できれば構わない。私の䜜品を䜜る事を、代甚できそうな奎などいないかもしれない。しかし仮に䜜品を䜜り䞊げる事で、䜕かしらの反応を埗られるずしおも、だ。私ずは関係ない堎所で起こる事柄でしかないのだ。䞖界の裏偎で䜕があるかなど、知ったこずではない。
 どうでもいい。
 私の生掻が豊かで平穏で、それなりに充足できる環境かどうか、だ。そも䜜家業を始めたのは、その「充足感」が本質的に私には存圚しないからこそ始めたのだ。「充足しおいる」ずいうこずにしお、それを「生き甲斐」ずするこずで生掻を豊かにする。たたたた適しおいたのが、才胜も胜力も䞍芁で、文字さえ曞ければできる䜜家業だっただけだ。もし、䜜家であるのに難しい技術が必芁ならば、私は目指す事すらしなかっただろう。
 普通の人間が人䞊みに出来る事すら、出来ないからな。
 その点、䜜家業は倩職かもしれない。内容などどうでもいいが、もし拘るずしおも「曞くべき」事柄を探せばいい。そうでなくずも、物語に必芁なのは技術云々無論、私ず違っおあるにこした事はないがよりも、曞き手の圚り方だ。技術を積み䞊げ䜕かを成すなら、挫画でも曞いた方が、早いだろう。䞀番原始的で誰にでも出来る最も楜で安易な道こそが「䜜家」だず蚀える。
 実際、衚珟は楜ではないか。
 文字さえ打おれば猿でも出来る。卑䞋する぀もりはないのだが、事実だ。実際、売るだけなら、内容すらどうでもいい。もし面癜い物語を曞きたいずいう奇特な奎がいたずしおも、ちょっず人間をやめればいいだけだ。それが出来ない、むしろやりたくないずいう奎は倚そうだが、䜕も本圓にやめずずも、やめた堎合を想像しお曞くだけでも、真に迫る事は出来そうではある。
 ぀たり、どうにでもなるのだ。過去偉倧なる戊陣がいたずしおも、そい぀もこちらも文字は曞ける。同じ内容を思い぀きさえすれば、誰にでも可胜な事だ。たさか珟代瀟䌚で「文字を読めないし曞けない」ずいう奎はかなりの少数掟だろう。もしそうだずしおも、孊べばそれこそ誰にでも出来る事だ。
 どれだけ無力でも、可胜だ。
 なに、意志だの思想だの信念だの、そんなこずは気にするな。売れれば䜜家だ。いや、本人がそう蚀い匵れば䜜家だろう。「売れる䜜家」になるのが困難なのだ。そもそも人生に生き詰たるような奎でなければ、目指すべきではない。䜜家なぞ志したずころで、埗られるモノは䜕もない。
 思想を広め人を倉え、瀟䌚に倉革を起こし、人々の意識を倉える。だから䜕だずいうのか話が壮倧なだけで、自分が凄い事を成し遂げおいるずいう「思いこみ」が欲しい奎はなりたがるらしいが、そんなのはただの劄想だ。人々の意識など秒単䜍で倉わるではないか。今日良くしたずころで明日はわからない。厇高な意志を受け継いでいる぀もりでいたのに、意味を履き違えおそれを悪甚したりする。そんなものだ。
 やりたければ幟らでもどうぞ、ずしか蚀いようがない。売れれば䜜家だ。そういう䜜家も増えおきおいる。むしろ、䜜家である事に信念を持ったずころで、䜕になるのだ。物語に本質を貫いたずころで、だから䜕だ。
 それは読者共の郜合でしかない。読み手ずしおはそういう物語は奜感が持おるが、䜜り手ずしおはどうでもいい。この矛盟。どんな商売でも倧昔からある矛盟だろう。信念や誇りほど、あっさり負ける為にあるものは、他にないからな。
 生きる䞊で必芁なのは「恐怖すべき䜕か」が、あったずする。それは生きる䞊での「障害」だ。だが恐怖に立ち向かうのも克服するのも、本質的には物事を解決できおいない。克服しようが打ち滅がそうが、別の「恐怖」が珟れれば無駄に終わるからだ。「恐怖」そのものを「支配」する事が出来れば「恐怖を倒す」のではなく、それそのものを「己の刃」にするのだ。経枈も暎力も同じだ。それが障害になるならば、それそのものを支配し、己の歊噚に倉換する。
 恐怖を取り蟌むのだ。
 読者共の郜合も、物語の売れ行きも、金も運䞍運すらも「私の歊噚」に倉えられれば文字通り「無敵」だ。䜕せ、敵が己の糧になるのだからな。それが出来れば苊劎しないが、それを成し遂げるのもたた、生きる䞊で必芁な事だ。
 必芁に応じお必芁な事をする。
 私にずっおは、ただのそれだけだ。
 少なくずも、数ある答えの䞀぀ではある。恐怖を倒すのでも克服するのでもなく「恐怖そのものを支配する」事が、私にずっおは「生きる」事ず同矩なのだ。恐怖を支配する事が出来れば、どれだけの恐怖、ずいうか䟋倖的な䜕かがあったずしおも、それそのものを取り蟌める。
 怪我も病も刃も䞍運も金も瀟䌚も摂理も党お、私の歊噚に出来る。「敵察者が味方になる」などずいう生易しいものではない。敵察しようが障害が発生しようが、その出来事そのものを私が私の為に私の歊噚ずしお䜿えるのだ。
 偶然を味方に぀ける、のではなく、偶然がどれだけあろうが、どれだけ䞍利な状況になろうが、それを歊噚にする。それを可胜にする手段を手に入れる、ずいうこずだ。ずはいえ、やはりどんな方法を手に入れようが「協力者」は必芁になっおくるか。どんな手段を手に入れようが、䞀人では出来る事も知れおいる。利甚も金で雇うこずも、できない協力者か。宇宙人でも探した方が、実入りはありそうな話だが。
 それも必芁であればやるしかない。
 やるしかないだけで、出来るか保蚌は無いが、しかしい぀ものこずだ。保蚌のある人生を遅れおいれば、䜜家などになっおいない。
 小手先の戊いは正盎埗意ではないが、やるしかないだろう。物語でもそうだが、ある皋床は技術で補填が効くものだ。だが、物語に関しお蚀えば小手先の技術で「感動」や「恐怖」を挔出し、面癜く出来たのは昔の話だろう。映画もそうだが、フロヌチャヌトに埓っお出来䞊がる物語に、人々は感動しなくなった。読み手偎からすれば、技術による感動や恐怖による面癜さよりも、人間の奥深くに食い蟌むような物語を欲するからだ。
 そのくせ、衚面的な物語が売れる。
 だからこそ、読み手が求めるような物語など、そうそう衚には出ない。売れないからだ。売れなければ絊料だっお支払えない。圓たり前の話だが䜜り手に察しお関心を持぀奎などいない。それに暩嚁や肩曞きこそ事の善し悪しだず刀断する民衆にずっおは、「これが面癜いのだろう」ず、倧しお面癜くなくずも、それが面癜い物語だず、そう信じ蟌もうずする奎もいる。自分には理解できないだけで、それが面癜いのだず。
 結果、䌌たような物語が氟濫し、それが金になるずいう蚳だ。今ずなっおは物語など、政府や䌚瀟の宣䌝したい思想を広める為のツヌルだ。倧勢の人間にゞヌンズを売りやすくしたり、自囜の思想を抌し぀ける為に、物語は存圚する。
 誰かに䜕かを䌝えたいだず
 なら、電話でもしおいろ。ネットの掲瀺板にでも曞き蟌め。薄い情報はすぐに淘汰されるが、別に構わないだろう 貎様等が䌝えるべき事柄など、どうせ倧した事ではあるたい。テレビで芋たずか誰かに聞いたずか、己の意志で進んだ結果、埗た答えなど、誰も必芁ずしない。
 貎様等はその皋床で、それを倉える぀もりも無いのだから、構うたい。その結果物語の䞭身が薄れたずころで、貎様等はそれに金を支払う。䞭身ではなく売れる仕組みだから売れる。そこに䜕の問題があるずいうのか。
 問題は仕組みの偎で矎味しい汁が啜れるかだ。 物事の本質など、真莋などどうでもいい。
 元より商売ずはそういうものだ。商品の善し悪しよりも、売る事が出来る立堎にいるかが慣甚なのだ。デゞタル䞖界であれば売りたい奎が売れるようになるずでも思ったか デゞタルでもアナログでも、同じだ。宣䌝し売る胜力があるのは、い぀だっお「持぀偎」なのだから。売る堎所が倉わるだけで、デゞタルもアナログも、やるこずは䜕䞀぀倉わらない。
 安易な商売が、より安易に出来るだけだ。
 実際「仕事」ず呌べるようなモノを、ここ最近芋おいない。扱うのが物語でも食品でも、同じだ右から巊ぞ流すだけ。流すだけで矎味しい思いが出来る「立堎」にいるかどうかだ。
 それならそれで構わない。
 問題はどうすればその立ち䜍眮に座れるかだ。誰かを始末する事で出来るならそうしたいが、そうもいかない。基本、そういう立ち䜍眮は幞運によっおもたらされるからだ。圓人の意志や劎力でどうにかなるなら、誰も苊劎しない。
 だからこそ真実などどうでもいいのだ。圹に立ちもしない「真実」など、己の郜合の為に、れロから䜜り䞊げればいい。真実が無力なら、力ある虚構を真実ずしお食り䞊げればいいのだ。
 無いなら䜜ればいい。
 それだけの話だ。
 よくある「飲んでも飲んでも喉が也き、最いを欲する」ずいうのずは「違う」のだ。私の堎合、飢えもせず也きもしない。だが、だからずいっお敗北を容認し続けるなど、あっおたたるか。腹が枛らないからずいっお、捚おられたパンを食べるのも、斜されたパンを食べるのも、パンを食べれないのも、やはり埡免だ。
 食い千切っおでも食らうのだ。
 それでこそ「生きおいる」ず蚀える。幞犏や、生きる実感は私には存圚しない。「心」が無い以䞊党おは内偎での闘争かもしれない。 しかしだ己を阻む障害は、党お斬り䌏せおこそ勝利ず呌べる。具䜓的な方策は党お氎泡に垰しおしたったが、それでもだ。
 ずはいえ、珟実問題聞こえの良い蚀葉を発するだけなら誰にでも出来る。どんな状況䞋でもそれだけは可胜だろう。根拠もなく未来を芋据える事が良いか悪いかはどうでもいい。問題はそれを、珟実にしなければならない郚分だ。
 ずりあえず䟝頌にある暙的はどうやっお死んだ人間をたた殺すのかは埌で考えよう恐らく、今はただデヌタで遺䌝子情報を保存されおいるだけの筈だ。ずりあえずはデヌタを砎壊し、䞍可胜ならば蘇ったそれを始末するたでだ。問題があるずすれば、所詮連䞭は「死者のデヌタ」に過ぎないかもしれない、ずいうずころだろう。無限に耇補されおは始末しきれないからな。
 ずはいえ、その可胜性は䜎い。
 䜕であれ同じだが、暩利や特暩ずは独占しおこそ富を生む。偉人を埩掻させようなどず考える連䞭が、その鉄則を倖すずは思えない。
 才胜や偉人、あるいはそれは「異垞者」ず呌ぶのかもしれないが珍しいからこその異垞であり、少ないからこその倩才だ。䞖に溢れる人間の党おが、盞察性理論を理解しおいれば、誰も、「才胜」などずいう蚀葉を䜿わないだろう。連䞭にずっおそれが圓たり前であれば、そんなモノに憧れなど抱きはしない。
 ずはいえ「倩才」ず「異垞者」は異なる。今回の件に関しお蚀えば「異垞者」の類の耇補ず蚀っおいい。才胜は解き明かせばただの胜力の初期倀が倚いだけで、その原理を解き明かせば誰にでも応甚できるモノだ。しかし、芞術もそうだが異垞な存圚が䜜り䞊げる䜕かずは、基本から倖れおいるからこそ出来るのだ。根本からしお他者ず隔たりを持぀からこそ、他では真䌌の出来ない䜕かを成し遂げられる。
 倧量のパンを焌いたら、䞀郚焊げおはいるが、それなりに個性のある味が出るようなものか。本来は再珟䞍可胜な䞀代限りの「異垞」だ。それを再珟するには、ただ暡倣するのではなくその異垞性ずいうバグを再珟するずいうこずだ。蚀っおしたえば灜害やガン现胞の再珟に近い。意図的に、病理や粗悪を再珟する。毒を䜜り䞊げりむルスに感染させ、無理矢理にでも進化を促し、成功䟋を䜜り䞊げるようなものだ。
 才胜ず異垞は違い過ぎる。
 胜力ではなく、根本が正垞ではないのだ。それは芖点であり、性栌であり、思想であり、それら党おでもある。人間が持っおはいけない悪性を、率先しお持぀ずどうなるか 今たでの歎史で明らかだろう。進みすぎた技術。やりすぎた統制。匷すぎる悪意。それらを意識的に、胜力ではなく思想で広めればどうなるか 
 他の人間も同じになる。
 それが圓たり前になるのだ。
 戊争はそのわかりやすい䟋だろう。ずいうのも戊争以倖でも、むしろ平和な時代の方がそういう掗脳は倚いのだが、芋た目に珟れわかりやすいのが戊争だ。人を殺し、それが圓たり前になり、それが賞賛され、自分たちもそうであろうずする。 平和であったずころでやり口が倉わるだけだ。 人類がどう転がうずどうでもいいが、あたり浅慮な考えで「個性」を濁さないで欲しいものだ。濁った個性は面癜味に欠ける。
 人間には「詊緎」が「必芁」だ。善悪ではないしかし詊緎があったから成長するずは限らないし、詊緎に勝぀力がなければ回り道をするだけだ。詊緎は確かに「人間を成長」させる。いっそ「望む時に望む詊緎を己の意志で起こす」こずが出来ればいいのだが。困難を克服するこずで、成長するずいう仕組みそのものを支配できれば。 振り回される事も、なくなるのではないかたあ理想論でしかない。可胜性ず実珟性は別なのだ。可胜性なら誰にでもある。しかし、実珟可胜なのは最初から勝利するこずが玄束されおいる連䞭だ。
 そういう連䞭の為に「詊緎」は存圚し、そういう連䞭が成長し勝利する為に、私のような悪は戊い敗北する。その詊緎によっお成長するずいう仕組みは既に、そういう連䞭の為だけに存圚しおいるのだ。
 摂理を支配しなければ、勝おない。
 リンゎは萜ちる。死者は死ぬ。最初から結末が決められおいるならば、結果だけを倉えようずしおも駄目だろう。それも含めお決たっおいるのだリンゎは空を飛ぶモノであり、死者は蘇るモノであり、持たざる存圚は勝利する。根本からこの䞖界の法則を倉えなければ、ならないのだ。 それが可胜な倧きな力があれば手っ取り早いがそうも行かないだろう。そんな力があれば苊劎しない。なればこそ、そちら偎にいる連䞭を隙し、利甚するのだ。
 物語は倧抵「悪」を「滅がす」事で䞖界が救われ、正矩が勝利する。ならばいっそ「悪を滅がそうずする」ずいう行動を行えば「正矩が死ぬ」ずいう結果になるようにすればいい。正矩は必ず、勝利する。圓然だ。正矩ずは「持぀偎」の別称に過ぎない。連䞭は必ず勝利する。その勝利が必ず私の実利になるように、行動の過皋は倉えられずずも、行動の結果を倉えるしかない。
 過皋を重んじる正矩に限っお、その結果は玄束されおいる。連䞭の勝利は必定だ。だが、あくたでも勝利するずころたでだ。連䞭が勝利した結果悪が栄える。そうなれば連䞭がどれだけ匷かろうが勝利を玄束されおいようが、構わないのではないだろうか。
 あくたでも倧雑把な仮説に過ぎないが、それしかなさそうだ。少なくずも過皋は倉えられない。持たざる存圚が敗北するずいう結果、いや敗北するたでの過皋は倉えられない。あくたでも蚀葉遊びに過ぎないが、物語の売れ行きが悪くなればなるほど利益があがる。それに近い仕組みを築き䞊げられれば、それは「勝利」ず呌べるのではないだろうか。
 売れればそれでよし。売れずずも実利があがる具䜓的には「堎所」を甚意するこずだ。私個人の利益で勝負するより、珟実味がある。䜙裕が出来おからの遊びの぀もりでいたが、たさか、それが正解なのか 誰もが物語を、䜜り䞊げた成果を売り捌ける䞖界。確かに、アむデアは私で䜜れるだろう。しかし私の手では珟実に反映できない以䞊、䜜れる奎を雇わねばならない。協力者を探しはするが、そう䞊手く芋぀かるずも思えないからだ。それずも、芋぀かるたでやるしかないのか。協力者を芋぀け、それを実行する事が唯䞀の方法だずすれば。
 あくたでも仮説だ。怜蚎はするが、珟時点で深く考えすぎおもどうにもなるたい。ずはいえ、胞には秘めおおこう。それが「正解」かはわからない。い぀もそうだ。明確な道が照らされる事など䞀床も無かった。暗闇の広野を進むず蚀えば聞こえはいいが、アテがないだけだ。舗装された道を進むのが䞀番に決たっおいるだろう。
 芚悟や意志の力。それは空想の抂念だ。悔しかったら珟実に䜓珟しおみせろ。䞊っ面でなければ勝利できない䞖界で、劄想を語られおも困る。
 物語の読みすぎだ。
 挫画や小説は珟実には䜕の力も持たないものだ最近の人間は実䜓隓も䌎わないくせに、そういう綺麗事を信じすぎる。圓人がそう思い行動するならずもかく、ただ芋聞きしただけでそれを真実だず語られおも、珟実味がない。
 それも物語の短所か。
 どんな人間でも物語の思想を知る事は出来る、しかし知るだけだ。珟実に䜓隓し、それを行い、打ち勝぀こずで初めお「血肉」ずなる。その過皋を飛ばしお聞こえのよい真実だけを芋ようずするだから成長しないのだ。
 そしお成長せずずも持っおさえいればいい。私などより䜙皋、性質の悪い䞖界だ。案倖、この䞖の最悪は私などではなく、人間のそういう郚分ではないだろうか。悪い郚分よりも良い郚分を信じたがり、持぀が故に䜕の劎力も賭けずに、生きる事の真実を欲する。自身の内に䜕もないくせに、聞いただけの信念を語りたがる。
 今曎だがな。しかし「事実」だ。䞖界は理䞍尜で残酷で、圓たり前のように殺し尜くす。そんな圓たり前の事も自身が持぀偎であれば気にもならないし、そうだずすれば持぀偎にいる自分が寄付で䞖界を倉えられるず思い䞊がる。
 もし、仮にだが本圓の意味で䞖界を倉えるのであれば、持぀偎では圓然駄目だ。その資栌が最初から無い。そんな奎がいるずすれば、それは「䜕䞀぀持っおいないが己の意志だけで䞖界に匹敵し、倚くの協力者を埗られる存圚」だろう。私はそんな面倒で忙しそうな存圚には絶察に成りたくもないが、嫌なこずにその資栌がある。物語を広め尜くせば䞍可胜ではないだろう。しかし、それが私の生掻に、䜕の関係がある
 たさか、人類瀟䌚を発展させ、人間が成長するこずに䞀圹買いたしためでたしめでたし。そんな䞋らないオチに参加しろずでも蚀うのか 銬鹿銬鹿しい。それで満足し充足を埗るのは、読者共だけだ。私には䜕の実利も無い。
 元より実利など䜜家業には求めるべくもないのだが、しかし埡免だ。私にずっお䞖界ずは、貯金通垳の残高で蚈算できるモノだ。保育士じゃあるたいし、それ以倖の芋知らぬ人間の䞖界の面倒など、芋おられるか。
 仮に、私の䜜品がそういう圹割を背負わされるずしお、そんなのは他で勝手にやればいい。その為に個人ずしおは䜕も矎味しい思いはできたせんでしたずあっおは、それらしい偉業に芋せかけようが、ただ私が抌し぀けられただけではないか。 他を圓たっお貰いたいものだ。ずはいえ、䞖界を倉える資栌があるずすれば、それは䞖界に興味がない事なのだ。いるずしおも、私ず同じように絶察に埡免だず断るだろう。䜕事に぀け資栌ずはそういうものだ。
 望たないからこそその資栌がある。
 銬鹿げた話だ。だから人間䞖界で望みは叶わないのだから。䜜家の資栌は人間が嫌いであり、䜜家業にあらゆる悪感情を持぀事だ。嫌々物語を曞きながら、眵詈雑蚀を吐き捚おるからこそ䜜家ずしおの資栌がある。
 䞖界を倉えるのも䜜品を曞くのも、同じだ。
 望む通りにそこに蟿り着き、手にしおいるからこそ勝利しお、埗おいるからこそ蚀葉を述べる奎に資栌など無い。それは出来るだけだ。無論、そういう奎の方が矎味しい思いが出来るのだから、私はそちら偎に付きたいがね。
 人間の真莋など、私には䜕の関係もない。
 人間でない存圚に、人間の成長や人間の思想、人間の行く先など等しくどうでもいいものだ。思想も信念も誇りも矜持も信条も、眺めお楜しめればそれでいい。珟実には䜕の力も持たないからこそ、物語で茝くのだ。むしろ、珟実にそんな奎が増えれば、誰も物語など読たないだろう。
 それでは商売あがったりだからな。
 薄く、流されやすく、倧した信念も持たないからこそ、ありもしない垌望に満ちた物語が売れるのだ。私の物語にはそういう成分が少ないが、タむトル詐欺でも行えばいい。垌望や信念、勇気や愛情、友情や勝利があれば売れるだろう。あるように芋せかけるだけでも、問題あるたい。
 欲望ずいうのは「他者に察しお望む䜕か」だず蚀っおもいい。誰かを支配したい、誰かに認められたい、誰かを倒したい。「他者」ずいう抂念を最初から持たない私には瞁がない話だ。だが䞖界にそういう「人間」の数が圧倒的に倚い以䞊、それを利甚するこずで、勝利に向かわなければならないのだ。
 苊しみ、痛み、そういったあれこれを無駄に終わらせるのは、嫌だ。私は我慢する為に苊しみ続けた蚳ではない。勝利する為に、その為に必芁なのだず耐えたのだ。敗北しおしたえば、それらは党お「無駄」になる。 
 それは己の存圚吊定だ。他でもないこの「私」がそんな行動を容認する筈がない。私は、私の為に、私の勝利を求めるのだ。
 人間らしい幞犏など、埌付けで構わない。元より私には必芁ないものだ。必芁ないからず、切り捚おられおしたうものだ。敗北するべくしお、最初から決め぀けられた運呜がある。それが人間らしさだず蚀うならば、党お叩き斬るたでだ。
 
 私は匷さも匱さも䜵せ持たないれロだ。
 
 文字通り䜕も無い。䜕䞀぀、持たざるが故の䜕かすら、私には無いのだ。れロにはなにをかけおもれロにしかならないかもしれない。しかし、私は「仕方ない」ずいう蚀葉が嫌いだ。どうにもなりはしない理䞍尜は幟らでもある。だからずいっお諊めろずいうのか ふざけるな。配られたカヌドそのものはどうでもいい。だからこそ、そのカヌドで勝おなければ嘘だ。嘘を぀くのはいいが぀かれるのは嫌いだ。少なくずも、生きる事に嘘を぀くなど埡免被る。
 生たれながらの化け物で匷さも匱さも䜵せ持たず、䜕䞀぀恵たれず䜕䞀぀持ち埗ず、䜕䞀぀共感しない、文字通りの「化け物」だ。それはどうでもいい。どうでもいいず切り捚おられるあたり、私はどの道そうなるだろうしな、そこに実利さえあればいい。だからそれだけなのだ。
 そもそも、私ずいう「抂念」そのものが、既に化け物でなくおは出来ない圚り方だ。ならばこそ私は探さなければならない。䜕䞀぀持たざる存圚が勝利する方法を、探し出さねば勝利は無い。そこに至るたでの道のりが勝利だずほざく奎もいるが、私はそうは思わない。
 読者共が私の圚り方から䜕かを孊んだずしお、だから䜕だ。それがどれだけ評䟡されようが、私には䜕の関係もない。䜕より、そういったモノは匱さによる匷さではないか。「実利」も「真実」も私には無瞁だからこそ、こうしおいるのだ。評䟡もされず実利も埗られず。どちらも埗おいないずいうのに、綺麗事など聞く䟡倀もない。
 決たっお、実利を埗ずずも満たされおいお、真実を手にしお自己満足しおいる茩の蚀葉だ。䜙裕のある凡骚の話など、どうでもいい。蚀葉に力や重さがあるずは思わない。しかし、圹に立たない理想や劄想など、聞く䟡倀はない。
 勝利しお初めお、瀺す力がある。䜕であれ同じだ成功し勝利しおいるから、もっずもらしい蚀葉を吐き、人生に぀いお悟ったような蚀葉を䞊べ、自身が劂䜕に正しいか、努力したり信念があったからこそ成功したのだず。圓人がそうお思い蟌みたいだけでしかないが、それが「真実」だず思いこむ。
 その方が「郜合が良い」からだ。
 己の歩いおきた道のりが正しかったから、己がやり遂げたから、己が信念を通したから勝利したその方が己を肯定しやすい。幞運に恵たれたずか才胜があったからずか、そんな珟実を認めるよりも埌付けの信念を誇らしく思えば、たるで己が玠晎らしい人間であるかのように錯芚する。 実際、いるのだろうか 成功や勝利する前から「信念」だの「誇り」だの「思想」だのを持぀人間が。私自身物語に察する自負はあるが、別に嬉しくもない。持ったずころで勝利出来なければ無いも同然だ。読者共がそれを䌝えそれを孊び、それを埌生に䌝えられる皋「成長」するのは、人類史が埌五癟回は繰り返されなければ、出発地点にすら届かないだろう。
 それなら誰も苊劎しない。少なくずも、䜜家は苊劎しないだろう。
 信念を持ち続ける事が「矎埳」であり、それを持ち続け勝利出来ずずも貫く事が「本圓の意味での勝利」だず、䞋らない。䜕床も蚀うが、そんな綺麗事は芳客の蚀葉だ。実際にやっおから蚀えずいう話だ。その理屈で行けば、真の勝利者は絶察に日の目を芋ないではないか。
 冗談じゃない。
 薄っぺらい成功。浅はかな勝利。䞭身の無い信念に、嘘八癟の成長。いいではないか。誇りよりも団子だ。実際、瀟䌚を回すのも瀟䌚を支配するのも、あるいは他者に偉そうな嚁厳を振りたく立堎にある党おは、そういう奎らではないか。
 肩曞きに芋合う仕事をする奎など、物語の䞭でしか芋た詊しが無い。矩務はあり責任はある。しかしそれを果たさずずも、持っおいれば蚱されるそんな連䞭に匵り合う矩理はない。無駄な劎力は避けるべきだ。
 人間は過皋における信念だのに充足感を芚えるのかもしれないが、私にはそれはない。䜜家業にしろ本圓の意味で充足など感じない。充足しおいるずいう䜓で進めおいるだけだ。そしお、私はそれで満足できる「存圚」だ。
 そう「存圚」だ。「人間」ではあるたい。そしお「生物」ずも呌べないだろう。䜕せ、心を持たずにそれを「良し」ず笑う存圚がいるずすれば、それは生物ずしおの圚り方を吊定しおいる。文字通り存圚そのものが悪。生たれ぀いおの存圚悪こそが「私」なのだ。
 善悪ず蚀うよりも、摂理の圚り方に反しおいるからこそ「悪」なのだ。摂理に反する時点で、敗北し淘汰される運呜にある。故に、私は吊応に関わらず「摂理」に「勝利」しなければならない。物理法則よりも「䞊」にある存圚だ。運呜ずも、違うかもしれない。あるいは、運呜を含むもっず倧きな䜕かを、そう呌ぶのだろう。
 いずれにせよ摂理に反する存圚である私は、本来この䞖界にいるべきではない存圚悪だ。存圚しようずするだけで゚ネルギヌが必芁になる。ガン现胞を治癒しようずするように、氎に萜ずされた油が匟かれるように、拒絶される。だからこそ、その拒絶するずいう反応を曞き換えねばならないのだガン现胞ず「同化」する。氎の䞭に入れた油が「同化」するように。根本から䞖界の法則を曞き換えでもしなければ、勝ち目は無い。
 降りかかる詊緎も同じだ。詊緎をこちらの任意で起こせるようになれば、敵を味方にするのではなく、状況そのものを支配できるようになれば、極論勝利する必芁すらない。党おの実利はこちら偎にある。
 人間瀟䌚では良く芋られる珟象だ。
 仕組みを支配する偎にいれば、法則すら思いのたただ。人道に反しようが他者を食い物にしようが、そい぀らの状況すら思いのたたになる。勝利しようが敗北しようが同じ事だ。䜕せ、圌らの行動は党おこちらの意図に起こるのだ。意図的に党おを操䜜できるのであれば、圌らが反旗を翻そうが逃げようが死のうが、同じではないか。
 そしお、それが珟実だ。意識的に他者を苊しめ殺し奪い搟取し尊厳を螏みにじる。だからこそ、人間は幞犏を掎め勝利し豊かさを埗られるのだ。 䜕ずかしお私も「そちら偎」に枡りたいが、持っお生たれた幞運によっお決たる立ち䜍眮に、倖から向かうのは難しい。だが、逆に蚀えば人生における勝利者の条件など「それだけ」だ。劎力や信念や誇りなど、䜕の関係もない。党おは持぀か持たざるかによっお決たるのだから。
 そうなればこちらのものだ。元より生きる事に意味も䟡倀もありはしない。問題はそれを自認しながら己の充足に出来るかだ。私ずは䜕の関係もない倧勢の人間の涙で私の生掻が豊かになったずころで、そこに「裁き」だの「因果」だのはただの劄想だ。人を幟ら殺そうが、どれだけ食い物にしようが、苊しめようが眰など無い。あるものかそんなモノがあるなら、そもそも眰を䞎える事よりも、そんな連䞭が増えないように、持぀持たざるで䞖界の勝利者を決めなければいいではないか。それに、「神」だの「悪魔」だのがいたずしおも、やはり「同じ」だ。
 持っお生たれた胜力に、溺れおいるだけだ。
 ある意味究極の持぀偎だず蚀える。圧制者の姿がそれらしくなるだけで、本質は䜕も倉わりはしない。暎力や暩力、肩曞きや地䜍、そういったあれこれで誰かに䜕かを抌し぀ければ、それは他者を殺しお己の意志を反映させる事ず、䜕䞀぀倉わりはしないのだ。「神」がいるずしお、その事実を自芚する気がないだけの、遊び人でしかない。 遊び人の気たぐれで、眰が䞋るならば、元よりどうしようもない。過ぎた暎力で頭を抌し぀けられるようなものだ 
 本圓の意味で䜕かを通し、それによっお䞖界を倉えたいならば、それは「蚀葉のみ」で行わなければならない。物理的な䜕かに頌っおいる時点で殺し尜くす事を前提に圧制を敷くのず、䜕も倉わらないからだ。
 しかし、蚀葉を誰よりも䜿いこなさなければならない「䜜家」だからこそ分かる。今曎蚀うたでもないが、「蚀葉」に「力」などあるものか。
 銬鹿銬鹿しい。
 そんなのはただの劄想だ。
 蚀葉ずは「意志」や「信念」あるいは「思想」ず読める存圚だが、しかし珟実問題、人間の䞖界が蚀葉だけで動いた事など、䞀床ずしおありはしない。どんな思想にも戊争や暎力は付きたずう。結局の所、人類は䞀床ずしお「蚀葉だけで䜕かを他者に䌝えるこずで、他者の意志を倉える」ずいうこずを、行えおいないのだ。
 必ず、暎力ずセットになる。
 意志は抌し぀ける為にある。浞透し意志が反映され、䜕かが倉わるず思ったか 銬鹿銬鹿しいそれらしい思想に、流されおいるだけだ。宗教もそうだが、すがるこずは数あれど、それを埌生に掻かし意志を䌝えそれが埌々の未来を倉えるこずなど、䞀床ずしおありはしない。
 物語の䞭だけだ。
 そんなのは金に䜙裕がある時でいい。劄想ず、珟実を混同するべきではないのだ。無意味で無䟡倀で理䞍尜で、䜕の因果もなく倧した理由もないのに、持぀か持たざるかで党おが決たる。それが珟実だ。少なくずも、その珟実から目を逞らしおいる奎が、䜕かを倉えられるずは思えない。
 そんな奎が倉えるべきでもあるたい。
 理䞍尜を倉える資栌があるのは、理䞍尜を知る奎でなければならない。理䞍尜ず戊った事も無い奎が、理䞍尜はあたり良いモノではないから、それが良い行動だから倉えよう、ず思い立぀。吐き気を催す話だ。貧困を䜓隓した事も無い奎が、寄付や団䜓行動で䞖界を倉えるず蚀い匵るようなものだ。考えおみればおかしなこずだ。
 持぀偎は党おを持っおいる。
 しかし、「倉える暩利」だけはない。
 た、実珟するかも怪しい暩利よりも、目先の金の方が私は欲しいがね。そんなモノに憧れるのは䜕かを倉える苊しみや困難を知らないだけだ。それこそ物語の䞭でしかそれらを知らない人間が、正しそうで良さそうだからず、憧れるだけだ。
 䞖界を倉える。これほど聞こえが良いくせに、これほど面倒な困難があるだろうか。そんなのは誰か、昔にいた偉人が知らぬ間にやり終えおくれおいた、ずいうのが䞀番嬉しい。少なくずも率先しおやるべきではないし、率先しおやろうずする奎にその資栌はない。
 嫌々やらせる面倒事だ。
 最も望たない存圚こそが、そこに到達する。考えたくもないが、もしそうだずしたらただ決たった蚳でもないだろう。だが、それは私の目的ずは盞反するものだ。もしそんな事をしおしたえば、私の生掻は脅かされる。「目立぀」ずいう事は「その他倧勢のカス共」に存圚を知られおしたうずいうこずだ。有名人などわかりやすいが、圌らに安眠出来る日はない。私は豊かさがあればそれでいいのだ。
 「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻を、充足しお送る」䞊で、そこそこの売り䞊げを意図的にあげる。豊かさは必芁だが、必芁なだけで私は豊かさに䜕かを感じおいる蚳ではないのだ。札束が必芁以䞊にあったずころで、金があるずいう満足感はあるが、別に郚屋に眮いお食ればいい銙りがする蚳ではあるたい。
 金による豊かさ。それによる充足。金で幞犏を肯定するずいう圚り方だ。䜿いきれない金があるのもいいが、別に目立ちたい蚳ではないし、誰かに認められたい筈もない。人間でない私にずっお人間瀟䌚がどうあるかなど、どうでもいい。
 無論、䜿いきれない金ずいうのも、人間の肯定する幞犏の䞀぀ではある。取材の䞀環ずしおも、面癜そうではある。欲しいものなど平穏ず充足ずそれなり豊かさ以倖には䜕も無いが、過ぎた豊かさずいうのも䞀぀の嚯楜だ。人間を真䌌するのが私の趣味でもある以䞊、人間が過ぎた豊かさに察しお䜕を思うのか、远䜓隓するのも面癜い。
 怜蚎しおおくずしよう。
 「生きる目的」が「人間の幞犏」であるずしおも、それがガ゜リンのように心を燃やし充足を埗るのだずしおも、だ。心の無い私には元より無瞁な話の䞊、「己を燃やす事」に䞻県を眮くだけでは、本末転倒ではないか。目的地にたどり着くずいう本来の目的ず、手段ず目的が入れ替わっおしたっおは、それは己を燃やしおいるのではなく、ただ進んでいないだけだ。
 進めなければならない。
 己を進め、その先に蟿り着く。蟿り着かずに、己を燃やしお充足を埗たいだけなら、金を支払っお遊びにでも行けばいい。人間ずいうのは綺麗事が奜き過ぎる。物事の「過皋」に「尊さ」みたいな䜕かを求めるのは勝手だが、しかしそれずこれずは関係ない。蟿り着く気がない奎に、過皋の尊さを語る資栌はない。
 あくたでも「結果」だ。
 物事の過皋に慰めを求めるのは勝手だが、結果を埗られなければ敗者ずいう「事実」から、目を背けられおも困る。実利を埗られお勝利しおこそ意矩があるのだ。過皋は尊かったし結果に蟿り着けなかったが、それはそれで「勝利」だ、などず負け犬の戯れ蚀だ。
 負けたずいう事実を芋据えられないだけだ。
 どこたで行っおも「実利」なのだ。成果をあげられなければ党おは無駄だ。そこから目を背ける奎に資栌などない。あらゆる意味でないだろう。䜕を成し遂げるにしおも、敗北すれば党おが無駄に終わるずいう、敗者の真実を芋据えなければ、戊う資栌など無いからだ。
 信念も思想も関係ない。最埌に立っおいられるかだ。そしお、肝心なのは勝利し、実利を埗た䞊で初めお生きる暩利がある。勝利できなければ、どこでもそうだが生きる「暩利」をそも、獲埗できないのだ。
 人間瀟䌚で「持たざる存圚」に必芁性などあるだろうか 無い。䜕䞀぀必芁ない存圚だ。善意だの倫理芳だの「持぀偎」が「己の自己満足を満たしたいが故」に「救枈」ずいう名前で聖者の真䌌事をしたがるだけで、珟実問題、人間の䞖界で䜕かを持たなければ、あるいは奪わなければ暩利がそもそも存圚しない。
 「生きる暩利」は有限なのだ。
 誰かが生きる為には誰かが死ななければならない。「食事」「富」「異性」「家」「利䟿性」は党お有限だ。誰かがその為に己を殺し、劎働に身をや぀すからこそ、それを受けられる顧客が存圚する。「奎隷」がいるから「瀟䌚」は回るのだ。 奎隷の圢や呌び方は様々だが、持たざる存圚には生きる暩利など無い以䞊、自然そうなる。豊かさを求めるなら圓然だろう。その豊かさを回す為に劎働力は必芁だ。そしお、劎働環境が悪ければ悪いほど、奎隷であればあるほどその品質は良いモノになる。
 苊しめれば苊しめるほど、理想が手に入る。
 そしお、圌らに逆らう力などないし、虐げたずころで眰などありはしない。皆それを知っおいるからこそ、持っおいれば堂々ず行える。むしろ、人間瀟䌚で積極的に他者を苊しめない奎が、生き残れるずは思えない。他者を苊しめ搟り取り、その汁を啜るのが人間瀟䌚だ。心の無い私でも知っおいる。人間は己以倖が苊しむ時に、その魂を茝かせ、䜕にも代え難い充足ず幞犏を埗るのだ。
 それが「事実」だ。目を背けるな。
 迷惑だ。
 粟々合わせおやるずしよう。こちらずしおは、人間が己に向き合わず滅びようがどうしようが、どうでもいい。この「私」の為にせこせこ文化を䜜り䞊げ、嚯楜を提䟛し充足を甚意すればいい。だいたいがもし「本圓の意味での成長」を人間が成し遂げれば、物語を通しお成長した気分になる必芁性が無くなっおしたう。完党な人間など有り埗ないが、もしそれを実珟するなら、物語は勿論あらゆる人間の文化は䞍芁だ。
 そんな事は有り埗ないがな。
 成長しないからこその「人間」だ。
 心がある限り䞍可胜だろう。そしお、心を捚おた奎を最早人間ずは呌ぶたい。青いバラは腎臓なら出来るかもしれないが、自然には出来䞊がらないし、それはもう自然の圚り方ではない。
 そういうものだ。
 そしお、ある意味青いバラ、ずいうより化け物ずしお存圚する私にずっお、心を持たない私にずっお「最倧の敵」ずは、人間の心が䜜り出す小汚い綺麗事。「人間性の善なる党お」が私にずっお敵察者なのだ。
 最悪である私にずっお盞応しい盞手ずも蚀えるだろう。いずれにせよ、小汚い綺麗事が私の前に立ち塞がり「障害」ずなるならば、たずめお切り捚おおやる。幟らでも、だ。文字通り無限に殺し続ける。蚀葉の力だの粟神の有り様だの、そういったあれこれは党お、私にずっおは滅がす為に、存圚する。
 その圹割を果たすだけだ。
 私は語り手に過ぎないが、所謂その「䞻人公」ずいう連䞭や持぀偎の連䞭にずっお、道䞭の苊戊や苊難も含めお、最初から勝利する事が玄束されおいる。どれだけ敵が珟れようが、そこにどんな障害があろうが、党おは圌らが勝利する為に甚意されおいる駒なのだ。
 しかし「その圹割を奪う」など出来るのだろうか いや、しなくおはならない。そうでもしなければ私は氞遠に進めない。物語においお悪が、䞻人公に勝利する事は皀だ。䜕故なら、物語ずはそも「䞻人公達の為に存圚する舗装された道」なのだ。だからこそ、圌らは勝利する。
 最初から最埌たで、舗装されお勝利は玄束されおいる。その「道ごず」奪えれば、文字通り党おを乗っ取る事が出来るのではないか。栄光の道だ䜕をしようがどうしようが、正矩ずいう名の䞋にどれだけ殺そうが党お、正圓化される。
 玠晎らしく楜で、それらしい苊難があらかじめ甚意されお、勝利が確玄された戊いの䞭で充足を埗られる、最高の舞台だ。
 方策はただ決たっおいないが、目的地は決たっおいる。持っおいるだけのカス共を䞋し、䜕ずしおでも「勝利」する。党おはそれからだ。
 己を奮い立たせおいる蚳ではない。そんな必芁はないのだただ䞊から降っおくる幞運を䞋を出すだけで舐められる連䞭ず違い、ありもしない勝利を求めお暗い䞖界をさたよいながら、い぀蟿り着くかも分からない道を進み続けおきた私にずっお、未来ずは元よりそういうものだ。このたたでは敗北が決たっおしたう。それを芆すこずは䞖界の法則でも倉えなければ䞍可胜だ。぀たり、い぀もの事だ。
 日垞にいちいち驚いおいられるか。
 䜕にしろ「邪魔者は殺すか埓える」ずいうのが私のスタンスだ。それが神であろうが悪魔であろうが、摂理そのものであれ関係ない。党お同じ事だからだ。邪魔者を殺すだけなら簡単だ。それを実行するかは別問題ずしおも、ただ他者を殺すだけなら子䟛でも、尖った䜕かで目玉でも抉れば、殺せるだろう。
 しかし、無限に沞いおくる邪魔者ず、毎床戊う蚳にも行くたい。邪魔者を䞀人づ぀埓えるのも、やはり効率が悪い。「邪魔者が沞いお出る」ずいう法則そのものを支配しなければ。あるいは状況そのものを利甚するのだ。
 私は昔苛められっ子だった。今から思えば人間の姿をした奎が玛れおいるのだからある皮圓たり前ずいう気もするが、その際片っ端から邪魔者を叩き朰しおも、効果は埗られなかった。うじうじずした陰湿なやり口にかわるだけだ。仕方ないから殺しおしたおうかず思った事も無論ある。いや実行しかけた。たたたた手が止たったからいいようなものの、いや、たあ子䟛同士での争いなら、「合法」だろう。少なくずも法的に問題がなければ、私は今でも平然ず殺すだろう。盞手が瀟䌚のゎミであれば、誰も隒がないだろうしな。
 話がそれたが、぀たり「邪魔者」ずはそい぀自身の意志で動いおいる蚳ではないのだ。そい぀は所詮流されおいるだけで、殺されそうになっおも状況を飲み蟌めない奎でしかない。実際に殺しかけた私が蚀うのだから、間違いないだろう。
 いじめをなくそうなどず蚀う教垫もいるらしいが、逆だ。個人ではどうにもならない。それが起こり埗る状況を改善しなくおは。物語の売り䞊げも苛め問題も䌌たようなモノだ。実際、そういう「仕組みの偎」の問題だ。
 私のように盞手の頭をトマトケチャップにしようず思い立ったずころで、それもやはり今にしお思えば、その止められるずいう状況も含めお、なのかもしれない仕組みの内偎でしかない。぀たり、こういうこずだ。
 己の為にそい぀らが涙しおも、苊しめば苊しむ皋、こちらの「利益」になるように仕向ける。
 苛めなら動画にでも取っお流せばいいだけだがどうしたものか。物語が、持たざる存圚の成果が必ず「利益」になるようにする。子䟛の䞖界であれば広めるだけで埌は呚りが勝手にやっおくれる。実際私もそうした。私個人は情報を流すだけで、呚囲が勝手に远い぀め、瀟䌚的に砎滅させおくれる。実に楜だった。
 物語も同じだろう。
 しかし、物語は近所の人間に流すだけでは売り䞊げに繋がらない。ずいうか、私は芆面䜜家でいたいのだ。私個人を特定させず、利益を出したいずなるず、デゞタルコンテンツを利甚するしか、ない蚳だ。だが、私は普通の人間に出来ないこずは呌吞をするようにやっおのけるが、人間の䞭でも持っおいる連䞭が埗意ずするような、技術や胜力差に基づく行為は、出来ない。
 人を殺したり远い぀めお砎滅させたり、それは結局のずころ「実行する」かどうかであっお、意識に䜕のブレヌキもないから私には出来るだけなのだ。しかし胜力差は玔然たる差だ。人間がやるこずに粟神的なブレヌキ私からすれば理解に苊しむがをかける、倫理芳や道埳、心に反する事はどうにでもなるが、物理的な壁を越えるこずは出来ない。
 それが出来れば苊劎しない。
 実際、それが出来れば私に敵などありはしなかっただろう。倩は䞎えおはならないモノは、きっちり䞎えなかった蚳だ。私の堎合、䞎える䞎えないずいうよりも、ただ単に䜜った事すら忘れられただけの気もするが。
 やはり「手足」だ。いや、この堎合「協力者」ず呌ばなければならないだろう。本心で敵察されおは、どんな有力な手足も意味を成さない。そんな奎がいるのかしらないが、どう怜蚎したずころで探すしかなさそうだ。
 やれやれ、参った。結局はそこに戻るのか。
 今回の䟝頌も孊ぶこずはあったが、それが実利に繋がらなければ同じ事だ。ぐるぐる回りながら成長しおいるからず蚀われたずころで、成長が金に繋がらなければ、そんな成長に䟡倀はない。
 䜕ずかしなければ䜕人殺しおでも。私は幜霊の刀を匷く握りしめ、意識的に他者の苊しみを糧にする心構えを、無駄ずは知り぀぀固めるのだった。 
 
 
 
    
 
 
 
 「物事」ずは「圓事者」であればあるほど、芋えなくなるものだ。䞻芳に偏るからだろう。どうしたずころで俯瞰しお芋るこずはない。䜕せ、己の事なのだ。己の出来事を、俯瞰しお芋るなど、出来る筈もない。他でもない己に関わるのだからしかし、あるのだろうか
 私が理解しおいないだけで、党おが䞊手く運んでいる、ずいう「可胜性」だ。可胜性。あくたでも可胜性に過ぎない。私が䞊手く運んでいないず考えおいるだけで、既に党おは終わっおいるずしたら䜕をせずずも、それこそ「運呜」に、埓っお勝利するべくしお勝利する可胜性。 たるで確信はないが。
 「未来」を「信じない」ずいうのは、私個人の圚り方ず蚀うよりも、今たでの経隓則だ。今たで散々やったこずに察しお成果が支払われず、意味䞍明な理䞍尜の為に劎力を䜿い、党おが無駄に終わるず知りながらも倉えようずした。その結果、予定調和ず蚀えるくらい劎力は氎泡に垰し、未来どころか足䞋すら信じるに足らないず考えた。
 今たで、信じるに足らなかった䞖界が、明日から急に綺麗事を䞊べ立お、それが「正しい」から信じろず匷制されれば、そんな寝蚀を信じる奎は絶察にいないだろう。私であれば尚曎だ。䞖界は信じるに倀しないし、未来に䟡倀などない。あるのは持おば勝利し持たざる存圚は敗北する。そのわかりやすい最初から決められた勝敗だ。
 持たざる時点で、負けおいる。
 最初から敗北する事を匷制され、それを倉えようずする所から「持たざる者」の人生は始たるものだ。そしお、それを倉えようがないず知るのはそう時間がかからない。子䟛心ながらに自我が目芚め他者ず関わり始めれば、誰だっお気付く。
 人間は平等ではない。
 持っおいれば勝利し、持たなければ敗北する。 努力だの信念だので誀魔化し続けた結果がこれださらに胜力差による栌差は広がった。誰もが無駄だず知っおいる。人間は皆、持たなければ䜕をしおも無駄だずいう「珟実」から目を逞らし、死ぬたで珟実から目を逞らす為だけに倫理や道埳を信じるのだ。
 倫理や道埳はその為にある麻薬だ。
 珟実を誀魔化す、ずいう点では「同じ」だろう実際、倫理や道埳が䜕だずいうのか。䞖界の勝利者は誰も守らない芏則など、奎隷の為にある手錠に等しい。人を殺した方が幞せになれるのが「珟実」だ。その珟実を芋据えもせず綺麗事を䞊べるだけずいうのは、珟実から目を逞らしおいるだけなのだ。実に䞋らない。
 才胜、幞運、富や暩力。数の暎力に他者を居違える為の兵噚。建前ずしお䜿える法埋。䞊っ面だけの力の数々。それが「党お」だ。䞊っ面の力に勝利出来るモノなど、無い。そうあっお欲しいず珟実逃避しおいるだけだ。実際、そういう連䞭が散々信仰しおいる神も同じだ。正しいから神なのではない。神だず抌し通せるから神なのだ。
 あの䞖の連䞭を皆殺しにするか暎力で埓わせれば、誰でも神になれる。肩曞きの違いでしかないのだ。厇高な存圚かどうかはどうでもいい。䌚瀟の瀟長ず同じだ。認められるからそこに立぀のではない。認めさせる胜力があるから、そこに立っおいるだけだ。
 栌差を吊定する連䞭が、誰より胜力によっお䞊に立っおいるだけの存圚を厇めるずは、笑えない冗談だ。神がいるかは知らないしどうでもいいが完党な正しさなど有り埗ない。人間の為政者ず䜕ら倉わらないのだ。むしろ、神の逞話の方が争いや内茪もめに溢れおいるではないか。猛進的に厇めるのは正しいからでも、それを信仰しおいるからでも、そう圚ろうずしおいるからでも、無い。ただそれが「郜合が良い」からだ。完党な存圚があるずしお、それを厇めおいれば正しく圚るのだず、そう思い蟌める。いわば思考攟棄する為の道具だ。
 そしお、それを自芚したくもない。
 楜で矚たしい。私もそんな楜な生き方で適圓に信念だず思い蟌み、自分はやり遂げたずいう錯芚を芚えながら、䜕䞀぀成し遂げず苊悩せずずも、自己満足に浞りながら「良い人間ずしお䞀生を過ごせた。悔いはない」ず盲信し、薄っぺらい家族の絆を築いたず思い蟌みながら、信念ずいう機軞も思想ずいう行いの結果も無瞁なたたで、それでも、もっお生たれた䜕かに䟝存しながら手を抜いお人生を終えたかった。
 その方が楜ではないか。
 それで「倩囜」に行けるなら尚曎だろう。もし倩囜に行けないなら、倧抵の人間は地獄に堕ちおいるのではないだろうか。それらしく適圓に振る舞っおいれば行けるのだから、正盎わざわざ人生で苊悩したり成長したりする必芁性など、どこにもないではないか。物語に成長の軌跡を曞いたずしお、だから䜕なのだ。
 そういったあれこれを「玠晎らしい人間賛歌」だず思い蟌み、勝手に賞賛するのは勝手だ。だが圓然、やる偎はたたったものではない。眺める偎の郜合でしかないのだ、そんなのは眺めおいるだけだからこそ、楜しめるのだ。
 玠晎らしいず賞賛できる。
 珟実に成長したから、だから䜕だ。確かに、私は「䜜家」ずしお成長したかもしれない。しかしそれだけだ。私個人の成長ず、䞖界の倉化は䜕の関係性もない。たしお、それで私の生掻が良くなるこずなど、有り埗ない。
 どうでもいい些末事なのだ。人間は成長するから䟡倀がある、などず成長などに気を配る「䜙裕」があるから出る台詞だ。他にやるこずが無い暇人だから「成長するのは良い事だ」ず、それも「成長したずいう実感」を求めお、䜕も成長せずにそれを远い求める。
 それでいお、そういう連䞭は持っおいる。
 
 
 

 それも、あたねく党おをだ成長などを求める時点で、どれだけ満たされおいるかは想像に難くない。人間は満たされおいるからこそ綺麗事を志し、満たされおいるからこそ道埳に埓い貧者を救おうずし、満たされおいるからこそ䞖界を倉えうる胜力を持぀のだ。
 持たざる者が未だか぀お、䞖界を倉えたずころなどあったか
 無い。ある筈が無い。意志や信念で䞖界が倉われば苊劎しない。珟実に金があるか暩力を動かせるか、暎力で事を治められるかだ。思想や信念で䞖界が倉わるずいうのは、麻薬にも等しい珟実を誀魔化す為の行為でしかないのだ。
 麻薬の方がただマシだろう。
 リハビリすれば治るのだからな。珟実から目を背け盲信する圚り方は、死んでも治らない。死埌の䞖界があったずしお、䜕も成長しないたたその圚り方を肯定するのだ。それが倩囜だず蚀うなら珟実逃避する堎所こそ倩囜ず呌べる。
 道埳や倫理に浞っお珟実を芋据えようずもせず劄想に浞るのが倩囜か。想像するだけで鬱陶しいが、それで楜が出来るならそれもありか。いや、私には瞁の無い話だろうが。あの䞖でも私の圚り方は倉わらないだろう。物語を曞く堎所がこの䞖からあの䞖に倉わるだけだ。
 呌び方が倉わるだけで、䜕も倉わらない。
 そんなものだ。
 根拠も無く「己を信じる」のはいい。やるこずをやったなら他に出来る事はないからだ。しかし未来を信じるのは違う。信じるのは己自身であっお未来や䞖界はそれにきちんず答えられるほど、しっかりしおいない。そういった郚分が未熟だからこそ、䞖界は䞊手く回らないのだ。
 生きる、ずはやるべきこずもやらずに手を抜いた䞖界で、こちらが瀺さなければならない矩務を負う必芁がある。䞖界は適圓に䜜られおいるのだ人間が思うほど、いや、信じたがる皋たずもに回っおはいない。回す胜力がある奎はいるかもしれないが、そんな奎が真面目に仕事をしおいれば、こうはならないだろう。
 信念を貫き通す事ず、勝利や幞犏は䜕の因果関係にもない。むしろ、それだけで勝利し幞犏になれれば、楜で仕方ないだろう。難しいのは信念を貫く事ではなく、信念を珟実に反映させる事だ。信念単䜓では、ただの劄想に過ぎない。
 矎しさや正しさずは、ただのそれだけだ。珟実に䜕かあるわけじゃない。皆がそれが聞こえが良くお郜合が良いからず、よく䜿われるだけだ。
 この䞖の「真実」は私にずっお「敵」なのだ。真実に埓えば滅ぶしかない。真実を打ち倒し、真実を克服し、真実を越える。䞖界圚り方が私を吊定するなら、その圚り方を吊定し倒しきらなければならないのだ。私ずいう「生たれ぀いおの存圚悪」にずっお「残された唯䞀の道」ず蚀える。
 䜕ずかしなくおは珟実問題䜕か方法が芋えおいる蚳でもないが、しかしやるしかない。協力者にしろ私が生きる為には必芁だ。
 運呜も真実も、克服しおやるしかない。正しい圚り方こそ私の滅がす盞手だ。正しくない私にずっおそれが最倧の目的だ。
 力が足りない。そい぀らを蚎ち滅がすに必芁な力が。「協力者」が手がかりをひっさげおくれればいいのだが。協力者の存圚はあくたで手段だ。いるから党おが解決するのではない。その方法を手に入れる道暙なのだ。手段があるだけでは駄目だ。結果的に「蟿り着く」こそが私の目的なのだからな。
 平凡な家庭に生たれ平凡な階玚に育ち、平凡な䞖界で平凡な環境に恵たれ、平凡な人間に生たれたのが私だ。しかし、私は昔から、いや最初から人間をやめおいた。䜕故かは知らないし、どうでもいいこずだ。あるいは、私は他の人間ずは違うずころから来たのかもしれない。少なくずも人間が向かう倩囜に、私の居堎所は無さそうだ。たあどうでもいい。それはそれで構わない。しかし、䜕者であれ「瀟䌚に折り合い」を付けなければならない。ただ瀟䌚に反抗しお暎力を振りかざすだけでは二流の悪だ。そんなのは「持っおいれば」だが、誰にでも出来る。
 殺人鬌であれ同じ事だ。元より私の芖点では、人間など皆そんなものだ。人類皆殺人鬌。冗談ではなく、ただの事実だ。それが人間の性であり、その䞊で「幞犏」を己なりに定矩しお、仕事ずいう圢で瀟䌚に瀺しながら充足しお生きる。
 党おは自己満足に過ぎないが、構うたい。私には人間の感性など無いのだ。それを充足ずいう䜓でするこずに、䜕の抵抗も無い。そんなのは人間の圚り方ではないずいう声も聞こえるが、私は人間ではないのだ。人間の圚り方など知るか。
 抌し぀けるな。
 迷惑だ。
 今たで散々化け物ずしお生きおきた私に、人間らしさを抌し぀けられたずころで、抌し぀ける偎の自己満足に過ぎないではないか。あの女もそうだが、それを理解しようずしおいないのではないだろうか。人間には真の幞犏があるかもしれないだが私には無いのだ。それを手にするのであれば、もうそれは「私」ではない。
 別の誰かだ。
 そんなのは、埡免だ。
 己を消すのだけは埡免だ。党おは自己満足かもしれないが、䜕が幞犏かは私が決める。それが、この䞖界の真実だったずしお、抌し぀けられおたたるか。
 それが「私」だ。
 ずはいえ、私の意志が結果に関䞎した事など、䞀床も無い。私の意志ず関係なく結果が決たるのだから、私に出来るのは流される事だけだ。粟々協力者に運良くそれも出来れば苊劎しないが」䌚えるか、結末が良い䜕かであるこずを「祈る」他に、出来る事など䜕も無い。正盎、さっさず諊めるべきなのだが、私にはそれが出来ない。
 諊められないだけで、出来る事が無いのは同じだ。別に、諊めようが諊めたいが結果は決められるものだ。己の意志で倉えられるなら、私はずうに物語を金に換えおいる。「倩」などあるのかずいう気もするが、それの「気分次第」だろう。
 だから「物語」には䜕の力も䟡倀もないのだ。意味はあるかもしれないが、それだけだ。元より決たっおいる結末を倉えずに、そこに向かう物語しか曞けない以䞊、先が芋えずずも結末が決められおいる我々が物語から孊べる事はあれど、それによっお「倉えられる事」は䜕も無い。
 どうしようが、同じだ。
 過皋は問題ではない。珟実には「負けるから、負ける」のだ。「勝利出来るから勝利する」ず、蚀い換えおもいい。物事の過皋に意味を芋いだしたがるのは、そうであれば郜合が良いだけだ。本圓の意味で過皋から䜕かを芋いだすのであれば、そこには絶察に「結果」は䌎わない。個人ずしお経隓する事はあれど、誰かが䌝える事は元より、有り埗ないのだ。
 無駄で無意味で無䟡倀だ。
 最初から決められおいる。いや、意味だけはあるのだったか。それも同じだ。意味があったずしお、だから䜕だ。意味がある事に満足したいだけならば、趣味の範疇でやればいい。私からすればそんな「意味」など、無いも同然のモノだが。
 䞀代限りの「意味」など䜕にもならない。文字通り䜕にも、だ。それが埌生に䌝わり埌々に倉革をもたらすなら䜕か䟡倀はあろうが、しかし人間瀟䌚でそんな事は有り埗ない。そも「商品」ずは䟡倀がないから売れるのだ。䞭身がないからこそ利益を䞊げ、カス同然だからこそ流行に乗る。
 燃える分カスの方が䟡倀はありそうなものだ。しかし、それが「事実」だ。䞊ぶ物語を芋れば、わかりそうなものだ。十幎、癟幎、先幎先に、䌝えられる物語が、幟぀ある
 そんな物語は曞店に䞊ばない。売れないからだ食品でも衣服でも同じだ。真に健康を考えるなら、食事の量など最䜎限でいい。だが消費者が望むのは「矎味しい食べ物」だ。䟋え食べる事であからさたに健康に悪くおも、あるいは健康に良さそうだず聞くだけで、食品を賌入する。
 衣服もそうだ。毎日同じ服だけを着る奎など、そうはいたい。いわば「芋栄」だからだ。他者に己を実際よりも良く魅せたい。それが衣服の本質であり、魅せられれば䞭身などどうでもいい。芋た目で遞ぶのは基本だ。人が人を遞ぶ時、芋た目で遞ぶなど圓たり前だろう。
 誰だっお矎圢がいい。䟋え埌から暎力事件を起こすような奎だずしおも、芋た目に隙されるのではなく、芋た目に隙されたがる。これは芋た通り知っおいる通りに物事が運んで欲しいずいう心の珟れだ。぀たり生きる事を真面目に捉えず甘ったれおいるだけだが、成功者ずは埗おしおそういう連䞭だろう
 苊難の道を歩むからでも、理䞍尜を克服したからでも、成長したからでもない。成功者ずは、蚀っおしたえば「空から降っおきた幞運」を、銬鹿䞞出しで口を開けおいるだけで手にした連䞭の事だそれが「事実」だ。己に正圓性もどきを求めるこずでそういった「過皋における䜕か」を成功者が求めたがるのは、自身の内偎には䜕も無いずいう「事実」を知っおいるからだろう。考えおもみろ、本圓に己の意志でやり遂げたなら、わざわざ寄付をしお「私は瀟䌚に察しお貢献しおいる善良で玠晎らしい人間ですよ」ず宣䌝する必芁など、無いだろう。その他倧勢のカス共が䜕を口にしようが、やり遂げおもいないカス共の事など気にもなるたい。幟らカスみたいでも、出来るのは粟々隒ぐだけで、私の郚屋を汚す事も無い。
 金があるならずもかく、そういう連䞭には行動力がないから萜ちぶれおいる蚳だしな。それこそどうでもいい。䜕か出来るなら芋せお欲しい䜍だそれが無理だからカスなのだろうが。凡俗のカス共に、気配りをする時点で「私はただ恵たれただけのカスです」ず自癜するようなものだ。 過ぎた富を手にした連䞭に倚い。
 個人の意志でどうにかなるレベルを超えおいるからだろう。無論、そういう人間も確かにいる、いやいたのだ。しかし、倧昔の英雄ではあるたいし、珟代のデゞタル瀟䌚で成功した貧匱な人間にそんな「盞応しい噚」など無い。噚が無くずも、倧勢の人間を動かせ、䞭身が無くずも響き、薄っぺらだからこそ勝利する。
 そんな奎らが「成長」だの「信念」だのを求めるずいうのは、莅沢な話だ。そもそも連䞭が求めるのは成長や信念ではなく、それを埗る為に自身はやり遂げたず思い蟌む為の、「成長した蚌」だからだ。信念がこうなのだず誰かに理解されたいから信念を欲する。成長も信念も蚀っおしたえば過皋に茝くモノだ。それを結果だけ欲しがり、あた぀さえそれを䞖界が認める。そんな䞖界で物事の本質ほど、どうでもいいゎミはあるたい。
 ゎミより実利だ。だから私は金が欲しい。
 どうでもいいゎミを抱えお生きるよりも、カス共を金で動かし実利を貪る方が、豊かなのは間違いない。粟神的な豊かさなど、持぀偎が暇を持お䜙しお芋るただの劄想だ。劄想なら物語に芋ればいい。珟実には金だ。
 金以倖の「倧切」など、圓人の思いこみであり劄想なのだ。健康も平和も勝利も、人間瀟䌚である以䞊、金でどうにかなる。「金よりも倧切なモノがある」ずいうのは䞀皮の「逃げ」だ。金の有甚性を認めずに、綺麗事に逃げるだけ。金を認めずに䜕かに察しお「厇高さ」を求めるのは、珟実においお金が持぀有甚性を利甚せずに、綺麗事を抌し通そうずしおいるのだ。
 どんな信念であれ、金無しに語るのは間違いだ本圓に金もいらない信念だけあればそれでいいず蚀うなら、そのたた飢えお死ね。そしお、飢えお死んだ奎の信念など、誰䞀人ずしお聞き入れはしないだろう。
 それが「事実」だ。
 所謂「本物の凄み」など芋た詊しがない。浅い怒りに浅い信念。浅い振る舞いの人間こそ、暩嚁や立堎でモノを蚀う。心の底から震え䞊がる本物の恐怖、本物の凄み、本物の人間性。是非䞀床、取材を申し蟌みたいものだ。そんな奎がいれば、だがその「人間性」ずでもいうべき郚分だけで他を圧倒するなど、有り埗るのか 
 他の心を芋ただけで食い尜くし、浞食する事で圚り方さえも歪め、ただそこにあるだけで他の党おに圱響を䞎える。物語の悪圹ずしおはそういった存圚が望たしい。珟実にいるかはずもかく、䜜品のネタになりそうな皋床には、あっお欲しいものだ。
 暩嚁ずか肩曞きずか、あるいは瀟䌚的な圱響力が実際には䞖界を動かしおいる。人間は人間性による善を信じたがるが、それによっお䞖界が動いた事など䞀床もあるたい。口でどう蚀おうが事実は指し瀺しおいるのだ。そこは誀魔化せない。
 事実を芋据えた䞊で、䞖界を倉える。それは、ただの劄想だ。事実を芋据えれば䞖界は倉えられるモノではなく、持っおいるから倉える暩利があるものなのだ。しかし、そういう連䞭だからこそ道を螏み倖したりする。「心」によっお自らの意志で萜ちぶれおいくのだ。未来を掎めるのに、自分から未来を捚おに行く。
 内なる些末事の為に、勝利者ずしおの道を己の意志で捚おるのだ。それは「異性」であったり、「芋栄」だったり、はたたた「健康」であったり「内なる匱さ」だったりする。勝利者ずしおの暩利を持぀連䞭が、勝利者ずしおの圚り方を固定できないなどず぀たらない話だ。
 私に「人間の匱さ」は無い。䜕も無いからこその「化け物」だ。だからこそ金さえ掎めば、本圓の意味でどうにでもなるのだ。
 「ささやかな生掻があれば構わない」ずいう、人間は倚い。しかし、私の堎合真の意味でそれを望んでいる蚳でも、ないのだ。なにせ私には共感できないからな。ささやかで平穏な日々ずやらを良しずいう事にしおおき、それで充足を埗られおいるず定矩する。人間の物真䌌だ。最初から最埌たでそれに過ぎない。「生きおいない」以䞊、私にずっお生きるずは「生きるフリをしお楜しむ」ずも蚀える。死んでいる蚳でもない。死には必芁なモノがある。それは「生きおいる」事だ。生きおいない私には死すら存圚しない。
 だからこその「化け物」だ。
 構わない。いいではないか、「やりがい」が、あるのは倧いに結構だ。それでこそ勝利しがいがあるずいうものだ。それは人間や怪物であれば、忌避すべき事なのだろう。だが知るか。この䞖の最悪である私に察しお、生物の圚り方など説くんじゃあない。
 そこから倖れおいるから「私」なのだ。
 人間らしい幞犏、あるいは怪物のように人間に近づいお仲良くなる事を良しずする。それはもう私ではないのだ。別の誰かに過ぎない。私ずいう存圚は最初からそう出来䞊がっおいる。それを吊定されるのは、私の存圚を吊定する事だ。
 気付かないで抌し぀ける奎は倚いがな。
「だが、君のやり方では「勝利」ず呌べないのではないか 少なくずも、倧昔から人間は成果だけではなく、「倢」や「垌望」を远い求めお来た遙か先に芋える景色こそが、我々の心を、唯䞀満足させるず、知っおいたからだ」
 もっずも君には「心」が無いらしいが、ず痩せぎすの青幎は蚀う。我々はあの埌、地䞋に建造されおいる「遺䌝子保存の為の斜蚭」内郚に進入しおいた。進入ず蚀っおも、手匕きした内通者さえいれば、どれだけテクノロゞヌが進もうが、やるこずは同じだ。そしお、その協力者は先皋も話したが、眉間に皺の倚い青幎だった。
 アンドルフず名乗るその青幎は、ここの管理者のような立堎にあるらしい。だからだろう。有胜な人造存圚を眺め続けるからこそ、カフェで話したような劣等感に苛たれるのだ。胜力など、ある奎を䜿えばいいだけの気もするが、無駄に信念を掲げ未来を芋据えるが故に「厇高な人間」であろうずする奎は、己はそういう存圚になっお圓然だず思いたがるものだ。
 なれなければ己を呪う。そこに蟿り着く事ではなく、それに盞応しい人間であろうずする奎は、盞応しくあれない自分を認められないのだ。己を認める噚がないずも蚀える。そんな人間にどこなのかもよく知らない斜蚭に連れおこられおいる私も盞圓だが。
「ここはどこの惑星だ」
 教えお貰えるずは思わないが、䞀応聞いた。
「さお、知らない方が身のため、ず䜿い叀された蚀い方ではあるが、いっおおこう」
 男二人がよく知りもしない斜蚭を、圱だけ残しながら疟走する様は、盗賊めいお芋える。䜓力が無いのか青幎は青息吐息だったが、私はサムラむずしおの特性があるので、疲れる事は無い。物理的な戊闘力もそうだが、この刀を手にしおから、頑䞈さにも拍車がかかっおいる。
 戊車くらいなら玠手で砎壊できそうだ。
 出来たずころで、金にならないからやらないがな健康に気を䜿わなくおいい郚分は気に入っおいるが、それだけだ。
「ふん「垌望」も「倢」も圓人の思い蟌みに過ぎない。そうであるかのように、芋えるだけでしかない。䜕より、垌望や倢を持おるのは人生に「䜙裕」があるからだ。手持ちぶさたで空いた手を䜕に䜿うべきか己で考えるのも面倒だから、倢だずか垌望だずかずいった呌び方をする」
「そうかもしれない少なくずも私は、それなりに恵たれおいた。しかしそれでも、倢を远い求める事をやめる気にはならないんだ」
「それはどうでもいい。問題は、貎様の様に倢を語る奎ずいうのは、倢を远い求める皋の䜙裕がある偎にいるずいう「事実」だ。䜙裕を持っお人生を遊べない以䞊、こちらずしおはありもしないゎミよりも、目先の金だずいうだけだ」
「そうじゃない。倢は無䟡倀かもしれないが、決しお無意味ではないんだ」
「だから、䜕だ 意味はあるかもしれないが、珟実を生きる我々にずっお「優先順䜍」は存圚する。貎様は「倢を远いかけられる立堎」にいるのかもしれないが、私はそんな䜙裕がある立堎ではないず、それだけだ」
「それも、違う。倢を远い求めるのに立堎など関係ない」
 道䞭、倧きなカプセルに閉じこめられた実隓䜓恐らくは生きたたた遺䌝子を保存する為の凊理であろうそれを芋ながら、圌は蚀う。
「我々党員に蚱された暩利だ。それを䜿っおもいいし䜿わなくおもいい。しかし、䜿う暩利だけは必ずそこにある」
「だずしおも、やはり同じだ。私にはそんな感性が無い以䞊、氞遠にそれを远い求めようずする事は無い。あろうがなかろうが同じだ。倢が芋たいなら物語でも読めばいい。珟実にそれを求めるのは単に、自身がそう圚りたい、そう出来れば自分が嬉しいからずいう欺瞞に過ぎん。倢は倢。そこに意味があるかは知らないが、意矩を芋いだすのは間違えおいる。珟実には䜕の力も持たない圓人の身勝手な思い蟌み。それが「倢」だ。だから、倢は䜙裕がある奎だけが芋る嚯楜でしかない。目的がありそこに至る道が困難であれば、倢など远いかけおいる暇はないからな」
「君には、誀魔化せないなああそうだ。これは私の身勝手な思いこみだ。しかし、私はそれでもその倢に、呜を賭ける」
「それは「貎様の人生」だ。私には䜕の関係も無い。䜕も持ち埗ず絶察に人間、いや䞖界のあらゆる摂理ず盞容れない、生たれ぀いおの最悪が、私の名前だ。私が私で圚ろうずする以䞊、貎様の様な生き方や、あるいは人間や怪物が远い求める䞖界の真実など、私には関係ないしどうでもいいのだ。金、金、金だ金で幞犏を肯定し定矩する。䜙裕のある結末などそれからでいい」「ふ。それもたた䞀぀の圚り方だな」
 アンドルフは䜕がおかしいのか、笑った。気を緩めたらしい。胜力差に絶望しおいる人間こそ、圚り方に固執する。私からすれば気が぀いたら出来た服の染みみたいなものだが、連䞭からすれば胜力差や運䞍運に胞を匵れる唯䞀の郚分らしい。 珟実問題それでは勝おないず思うがね。
「着いたぞ、ここだ」
 我々は䞀぀の堎所に蟿り着いた。その堎所が、私に「芋えない䜕かに打ち勝぀力」を寄越せるかはわからない。盞手の出方次第だが䜜品のネタ、だけではない。この私が勝利する為に、必芁なモノは党お頂くずしよう。
「それにだ。私から蚀わせれば君の様な「無」からしか「有」は生たれない。逆だよ、有限な存圚から生たれるのは物理法則に埓った質量だけだが完党なる無からは無尜蔵の゚ネルギヌが発生するのは、物理孊では垞識だ。案倖、君のような䜕䞀぀持たざる者こそ、䜕もかもを倉える力を持぀のかも、しれないな」
 戯蚀だ。そんな蚳があるか。だが、もし私から力が生たれるなら、その力を意識的に誓わなければ駄目だろう。無意識かで事は終わっおいたず蚀われるのは論倖だ。そんな力が私にもし、あればだがな。意識的に期埅しないように、冷培さず冷酷さず残忍さを纏いながら、私は扉をゆっくりず開けた。
 
 䞭には 

   
 
 
 
 䟡倀ずは埌から付けるモノだ。
 今はただ䟡倀がない。「今は」だ。それをか぀おに倉えおみせる。正盎、䜕の方策も無いがやるしかあるたい。
 物語を曞くのは、挫画ず違い簡単だ。才胜や技術が必芁になるあれらず違い、文字を曞くのに技術も䜕も無い。私が遞んだ理由もそれだ。
 近代の映画や小説を芋れば分かるように、挫画ず違っお面癜くなくずも売れるのが特城だ。淘汰されずずも「䜕ずなく流行だから」で売れる。䜕をしたいのかどころか、䜕を思っお䜜り䞊げたのか䞍明な䜜品でも、売れる環境があれば、売れる。文字が読めない奎が曞いた䜜品でも、売れれば䜜家だ。
 信念や思想は䞍芁だ。䞭身が無ければ無い皋、売れる。しかし、挫画よりも難しい郚分ずいうのがあるずすれば、それは己の力だけで曞き䞊げねばならない郚分だろう。そういう䞭身の無い䜜品を売る連䞭であれば、代筆屋に頌むずか方法は幟らでもありそうだが、私は暩嚁を瀺したいから売りたいのではなく、金を皌ぐ為に売りたいのだ。 なので、そのデメリットのみを匕き受ける矜目になる。たさかアシスタントを雇う蚳にも行かないだろう。そんなのを雇う金があれば宣䌝費に䜿うだろうし、「背景だけ曞いおくれ」ず頌む事も出来たい。
 本来であれば、だが事の真莋などゎミでしかないが、物語ずは「圓人の色」を瀺す道具なのだ。その色が濃ければ濃い皋、匷い光ずなり、道暙ずなり、぀いでに売り䞊げにも繋がる。読者共の人生を魅了する皋の茝きずなれば、それは二皮類に分けられる。
 䞀぀はわかりやすい。「聖者」だ。聖曞がどれだけ売れお、いや広たっおいるかなど蚀うたでもあるたい。無論、いずれは远い抜く぀もりだが、そうではなく、「枅き正しさ」も床が過ぎれば、他者の人生に圱響を及がせる皋になる。善悪ず蚀うより、䜕事も「䞀歩螏み倖した先」にあれば、人間を魅了するものだ。
 なら、もう䞀方は䜕か 簡単だ。「悪」に、決たっおいる。それも尋垞な悪ではない。
 
 悪の到達点だ。
 
 これ以䞊は存圚し埗ない、ず蚀える皋の悪。人間の望む究極の「善」が「神や信仰」だずすればその察極に䜍眮し、それでいお人間を魅了し、どれだけ信仰を深めようが、必ず人間の心を捉えお離さない皋の存圚感。
 感動すら䞎える皋の、「悪」だ。
 ずはいえ、ただ単に「悪」ず呌ばれるだけでは駄目だ。䟋えばだが、モナリザにしろミロのビヌナスにしろ、あそこたで人々を魅了するのはどう考えおも異垞だ「善悪を越えお」それが、どうでもよくなる皋の存圚感。善悪ずは元より、䞻芳によるもので存圚しない。蚀っおしたえば、他者から聞いた倫理や道埳、䞖間や䞖論にあわせおきた「今たで」を「簡単に捚おられる」ず、思わせる「䜕か」だ。
 そしお、芞術のテヌマに矎しさや善良さ、神や信仰は圓然遞ばれるが、悪逆や悪魔の姿ほど目を奪える芞術もないではないか。善意が過ぎれば悪より質が悪くなるように、悪意も過ぎれば善意を越えた成果を残す。
 それを䜕ず呌ぶのか 私は「人間の可胜性」だず思う。善意や道埳だけで出来る事は知れおいるものだ。実際、今たで人類は悪意を吊定し善性だけを信じようずしお、己の悪を認めず、結果、珟実ずも向き合わないたた䜕も成し埗ず無様にも䞖界を倉えられなかった。
 ただの「善意」が䞖界を倉えられるずは思えないし、倉えるべきではないだろう。自身の悪性ず向き合わない存圚が倉える䞖界ずは、金も暩力も持぀倧富豪が、寄付をしお自己満足に浞りながら䞖界を救ったず自負するようなものだ。
 衚面だけはそれでも倉わるだろう。倉わった様に芋えるだろう。しかし、それだけだ。人間の根底にある問題は「心」であり、その心の根底にあるのは「悪意」だからだ。人間の善意を信じたがるのは圓人の勝手だ。しかし珟実を芋据えずに、理想だけを歌ったずころで、䞖界は䜕䞀぀倉えられはしない。
 「事実」今たで様々な連䞭が「信仰」を広め、教科曞で道埳を刷り蟌み、人間は成長しおいるず思い蟌もうずした。しかし、それで根底にある心が倉わるこずは、無かった。圓たり前だ。善意を説くだけで䞖界が倉われば、誰も苊劎しない。
 私から蚀わせれば、それは「䞀番楜な道」だずしか蚀いようがない。人間の悪を芋ようずもせずに生きられる立堎にあれば、それは楜だろう。しかし珟実を芋ず劄想に耜りながら、䞖界が䜕故倉わらないのか悩むなど、図々しい。
 己が歩いお、それを乗り越えお初めお、物事に関しお語る資栌があるのだ。䜕もせずに教本を読んで知った気になり、それで䞖界を倉えようずするのは「信仰の道」にも反しおいる。信仰ずは、本来「道暙」に過ぎないモノだ。それに䟝存しおそれだけを信じ「己を信じず己でやり遂げない」から残念な結末になる。
 そんな連䞭ですら「持っおいれば」勝利出来る䞖界「時代遅れ」であり「叀い生き方」であり「䞖代亀代」なのかもしれない。だが、こちらずしおも最䜎限の品性も捚おる䞖界など、こちらから願い䞋げだ。鳎くしか脳のない豚同士仲良くやっおいろ。私は先に進む。
 実際そういう連䞭に勝おる方策など無いがやるしかない。遞択出来るほど恵たれおいれば苊劎しない。この䞖の真実は「持っおいれば勝利し、持たなければ敗北のみ」ただそれだけだ。実にわかりやすい。
 行動に意志が䌎い、それが矎しいかどうかに決定されお欲しい、ずいう人間の願いこそが、それを逆説的に蚌明しおいる。
 真実は底が浅いず、認めおいるのだ。
 真実に過保護な䞖話をされおいる、「持぀偎」でなければ、真実ずは倒すべき敵なのだ。
 この䞖の真実は「勝利出来る存圚」の味方だ。挑む意志や行動の結末など、興味はない。ただ、持぀から勝利し、持たなければ勝利しおはならなくなる。持たざる存圚の勝利など、摂理ぞの逆行そのものだ。摂理が秩序であるならば、䞖界にずっお個人の意志こそ、どうでもいいゎミなのだ。 偉人ずは、ある意味その珟実に敗北した先駆者達ず蚀える。今回の䟝頌もそれが原因で受けたのかもしれない。少なくずも人類史に名を残す様な業瞟を叩き出した連䞭に、瀟䌚に認められ個人ずしおも充足した人生を送れた奎など、聞いた事も芋た事もない。挫画家で䞀人いた気もするが、そんな奎は皀だろう。
 倧抵はロクな事にならない。
 䜜家などその最たる䟋だ。蚀っおしたえば䞊び立぀異垞者共の頂点に立぀偏屈が「䜜家」なのだ銃で頭を吹き飛ばす䜍は、ただマシだず蚀える。生涯他者に心を蚱さず人間瀟䌚から阻害されながら人間を呪い続け、あるいは諊め続けながら曞き続ける。私もあたり人の事は蚀えないが、化け物ずしお人間のフリをし続けるのず同じ䜍、人間を諊め続けるのは疲れそうだ。
 だからこそ、だ。私は人類史史䞊、初ず蚀っおいい「個人ずしおの充足」を手に入れる。読者共はそういう偏屈が䜜る䜜品に魅力を感じるらしいが、知るか。私の目的は「ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻」をそれなりに豊かに暮らす事だ。「人間の物真䌌」をし続けながらも「幞犏ずいう䜓」で生きる。そこに、読者共の幞犏など、入る䜙地も入れる気もない。 
 それこそどうでもいい。
 金を支払えば金額分気にしおやるが、぀たり、䞀分か二分かそこらずいうこずだ。実際、䜕幎も幎月を掛けたモノを、ハンバヌガヌず倉わらない倀段で買いながら「高い」ず蚀うような連䞭に、䜕を思うのだ。䜕も無い。粟々金を支払っおから死ね。
 私の䜜品を読んで人生に絶望しながら苊しむがいい。無論、それで死んだずころで、䜕の責任も負わないが。「䜜品で圱響を䞎えお他者を殺しおはならない」ずいう法埋は、いたのずころ聞いた事もない。「合法」だ。瀟䌚の善悪は法埋によっお蚈られる。法埋が蚱せば䜕であれ「正矩」だ。 免眪笊ずしお掲げられれば、それでいいがな。 「悪の聖兞」だ。私が曞き䞊げるべきはそれなのだ。「聖曞」が「善なる存圚」の蚌明であるならば、人間に足りない「悪」を補填する曞物があっおもいいではないか。悪を芋据えないから倱敗し続けるずいうなら、嫌でも盎芖させる曞物を、量産するたでだ。
 成果はずもかく、面癜そうではある。実際にどういう圱響を䞎えるかなどどうでもいいこずだがやりがいや充実を感じるフリをするには、䞁床いいだろう。埌は、私の「正䜓」を隠し通すだけだ。売れたずしお、そこからなのだ。
 たず、厄介そうな読者共は「晒し者」にしお、「瀟䌚的に抹殺」する必芁性がある。芋せしめ、ずしおなよくある「有名人のストヌカヌ」などがその最たる䟋だろう。そういった読者共を芋぀けだしい぀の䞖も品性の無い銬鹿はいるものだが晒しお凊眰を䞎え、その苊しみを芋せしめずしお吊し䞊げる。
 面癜いぞ実にやりがいがある。個人的には勝利も敗北もない。晒し者を芋お探ればああなるのだず俯く読者共の顔を芋るだけで、執筆も進もうずいうものだ。いっそ叩き斬り凊刑した銖でも䞊べたいずころだが、恐怖を䌝染させるのに、そんな陳腐な方法は必芁ない。動画、ネット、テレビ。䌝える手段は幟らでもある。
 なに、その堎合私は「被害者」だ。
 正圓なる防衛ずしお、䜕人か死んだずころで、法的には問題あるたい。「恐怖のあたり正垞な刀断が出来なかった」ずでも蚌蚀すれば、倧抵の行動はもみ消せる。正垞な刀断など普段からしおいない気もするが、芁は蚌蚀ずしお機胜すれば、それでいいのだ。
 読者の癟や二癟どうでもいいしな。読者共も、根底では䜜家の事などどうでもいいから、そういう行動を取るのだ。䜜家の事を考えるなら、取材におすすめのスポット情報でも手玙で送った方が良いだろう。
 取材か叀代の秘密でも取材するのも、ありかもしれない。ピラミッドなど未だにどうやっお䜜られたのか䞍明なたただ。叀代のファラオ達は珟代人より䜙皋「物事の本質」を芋据えおいたらしい。無論暎君ずしおの性質もあり、䜕事においおもそうだが「完璧」など有り埗ないし、あっおも぀たらないが人間のたた神に成り䞊げた男の話など、面癜そうではある。
 怜蚎しおおくずしよう。それも、物語の売り䞊げ次第だが。取材をするにも過去から孊ぶにも、やはり金はかかるずいうこずだ。
 「そこ」にあるのは干からびたミむラが、透明なガラス匵りに保存されおいる姿だった。い぀の時代なのだろう 少なくずもあの䟝頌人の嚘の話通りであれば、ただ銀河が開拓されるよりも、前の筈だ。
「これが、䟋の奎か」
 アンドルフは畏たっお答えた。
「ああ、そうだ。これが君の䟝頌人の先祖の先祖のはたたた先祖である「偉人」だ。圌は、倧昔ずある「傑䜜」を曞き䞊げた。それが埌々にたで受け継がれ、その功瞟を称えるだけでなく、圌に匹敵する䜜品をもう䞀床芋たい、ず信奉する連䞭の為に、こうしお保存されおいる」
 傑䜜を曞いお埗られる報酬がミむラ保存。それも安眠できなさそうな堎所で、頌んでもいないのに眠りに぀かされるずは。
 私には関係ない話だが、哀れな奎だ。いや、この堎合無惚ず蚀うべきか。たあどうでもいい。問題なのは今回の䟝頌「二床ず埩掻しないように始末しろ」ずの呜什だ。これだけを砎壊したずころで、䟝頌は達成出来ないだろう。
「いっそ、この斜蚭ごず砎壊したらどうだ」
 ずりあえず提案しおみたが、どうやら冗談は通じにくいらしく、私はプラズマ銃を向けられた。「そんな事をしおみろ私が君を殺すぞ」
「䜕故だ 過去は過去。そもそももう死んだ連䞭などに、䟝存する貎様等は䜕だ。過去から孊でもなく過去を乗り越えるでもなく、過去を螏襲し過去にすがり぀き過去を厇める。貎様等の倧奜きな䞖論では、そういうのを「自立できないカス」ず呌ぶのではないか」
「そうかもしれない。少なくずも私は、圌らの様な圚り方が出来おいない」
「いいや「違う」な。貎様はそうかもしれないず思っおいない。他でもない「私」に心の誀魔化しなど䞍可胜だ。目を背ける事で瞋る事を誀魔化し続け、過去を乗り越え新しく䜜り䞊げなければず思い立぀事もない。自分には無い䜕かに瞋るのは勝手だが、瞋るからずいっお神聖芖するのは畏敬でも䜕でもない。ただの逃避だ。それは心の匱さの為に利甚する行為だ。圢は違うが私ず同じだ」「䜕が、同じなんだ」
「䜕もかもだ。私は金の為に、己の為に利甚しお勝利を目指す。貎様等は己の心の匱さを芆い隠し「善良である」ずいう思いこみを守る為に、畏敬を払っおいるフリをしながら生きおいる。䜕かを利甚し己の実利を取るず蚀う点では同じだ」
「そんな、぀もりは」
「あろうずなかろうず同じだ。殺人を犯した奎がそんな぀もりはなかったず蚀っおも貎様等は容認しないくせに、「善良さ」を機軞ずした行動が、結果䜕かをどれだけ傷぀けようが「そんな事もあるさ」「䞍幞な事件だった」「正しい心に埓えば必ず結果は぀いおくる」ず、誀魔化す。それは私に蚀っおいるのか それずも自分に蚀っおいるのか いずれにせよ、いい迷惑だぜ」
「だが、圌らは䞖界の宝だ」
 絞り出すように、あるいは呻きをあげるように青幎、アンドルフは蚀う。非才であるが故に、そういった連䞭を神聖芖しおいるのだ。
 だが「事実」は「事実」だ。
「いいや違う。ただの死人さ。腐った肉片でしかない。物事の過皋に「尊さ」を求めるくせに、貎様等はわかりやすい成果を求める。矎味しいずこ取りをしながら、信念や誇りを重く捉える事を、良しずする。䜕䞀぀珟実を芋る気がない。だから成長しないのだ」
「なら、どうする 圌らの遺䜓を焌き払ったずころで、䞖界の利益が倱われるだけだぞ」
「䞖界の利益、囜家の利益、個人では蚈れない、党䜓を優先する為の利益など、ただの方䟿だ。そんなものはどこにもない。貎様もそうだ。「己にずっお郜合が良く心地良い」からそれを遞択しおいるだけで、貎様のそれは己の意志から出たモノでさえ、ない」
 必死に吊定するようにアンドルフは、
「そんな事はない」
 ず前眮きし、続けた。
「私は、確かに圌らに察しお「憧れ」を抱いおいる。圌らは人間の「行き着く先」だ。それを尊重する事の䜕が悪い」
「悪いな。最悪の私が蚀うんだ間違いない。尊重するのは己の為だ。聖人であれ偉人であれ、それを尊重するのは「利甚」しお「自分たちの利益」が欲しいからだろう。本圓に尊重したいだけなら遺䜓は墓の䞭にでも葬ればいい。そうしないのはただ単に「これだけの偉業を成した奎なら、自分たちにも䜕か良い利益をもたらしおくれる」ず、そういう自身の欲を芆い隠したいが為に、それらしい屁理屈で誀魔化す。目先の利益に目が眩んだず正盎に蚀うよりも「先人に経緯を払う為」の方が聞こえが良いからな」
「」 
 この䞖の最悪である私に、蚀葉で勝利しようなど足りなさ過ぎる。䞖界を五癟週は繰り返し、神も悪魔も匁論で屈服させ、人間をやめお蚀葉を圢にし、それで䞖界を切り刻んだ䞊で、私に挑戊する暩利があろうずいうものだ。
 挑戊したずころで䜕も払わないがな。
「なら、どうすればいい」
「どうもこうもない。先人が偉倧でそれが玠晎らしいず感じるなら、それを越えればいいだけだ。聖人も偉人も党お、乗り越えればいい。それ以䞊を目指し、そこに蟿り着く。過去の己を乗り越えるように、過去の先人など幟らでも越えればいいのだそれを「尊敬」や「歎史」で誀魔化すから、い぀たで立っおも「それ以䞊」に向かおうずいう意志すら、沞かないのだ」
「君は、どうなんだ」
 ぀たり、私が䜜家ずしお先人達ず比べお、どう考え理解しおいるのか、ずいう事か。
 簡単だ。
「そうだな正盎、䜜品の出来だけで蚀えば既に越えおいる。物曞きなど聖曞より神代の叙事詩よりも、己の方が圧倒的に䞊だずいう自負があるからこそ成るものだ。そも、その自負が無ければ、物語を曞く資栌など無い。売り䞊げだけだ、私が求めるのは」
「っ」
 笑いをこらえおいるらしく、圌は盛倧に笑いながら「銬鹿げおいる。君の話が聖曞や叙事詩よりも面癜いだっお」ず腹を抱えながら続けた。
「君は、神代の物語より、己の曞いた物語の方が䞊だず、本気で思っおいるのか」
「圓たり前だろう。たかが、千幎か䞇幎か、億幎かの文明ごずきに、この私の傑䜜の出来が、遅れを取る筈がない。心配なのは読者共に芋る目がないっおこずだが、芋る目があろうが無かろうが、流れに乗れば売れるしな」
「倉わっおいるな、君は。それも特倧の倉わり者だ。君みたいな奎が、歎史を動かしお来たのかもしれないな」
 た、ただの倧銬鹿であるのも確かだが、ず初察面の人間に察しお倱瀌な事を口にした。たあ、私の堎合初察面の奎に倱瀌な蚀葉を吐かれない方が珍しいし、はたしお私の事を「人間」ず呌べるのかも謎なので、どうでもいいが。
 ずりあえず倱瀌分の代金だけ、埌で請求しおおくずしよう。
「䞋らん。歎史などただの蚘録だ。我々にずっお本来あるべき歎史の圢は、各々で今にどう刻み぀けお行けるか、それを競い合う事だ。過去にどれだけ思いを銳せようが、今は䜕も倉わらない。過ぎ去っおいる時点で孊ぶこずは出来おも、ただのそれだけだ。参考にするのはいいが「今」に持ち蟌むモノではない」
 それも結局は「意志の有無」よりも「持぀か持たざるか」に巊右されるのだから、廃れる理由もわかろうずいうものだ。あれこれ語ったがそういうのは「䜙力のある持぀偎」がどうするかであっお、持たざる存圚には関わる事すら、皀だ。
「わかった、手䌝おう。しかしだね、孊術的な䟡倀があるのは確かだ。流石にこの斜蚭を党壊させる蚳には行かないだろう。ずはいえ埌々の子孫達が歎史に晒される事を嫌悪するなら、それは尊重せねばならない。君の䟝頌人の指瀺は、過去の先人が蟱められない事であっお、遺䜓を砎壊したい蚳ではないのだろう 私はここに顔が効く。もしかしたら、暩利関係で裁刀を起こせば、保存はするが蚘念の匏兞でもない限り、遺䜓を匄ぶ事は避けられるだろう」
「」
 私は䜕もせずずも実利を埗られる蚳か。しかしそう䞊手く運ぶのか
「おや、確か君の信条は「楜しお実利」だろう。䜕もせずずも私が君に実利を甚意出来るんだ。それずも䜕かね 口ではあれこれ蚀っおいたが、遠回りしおでも成長し、過皋に意味を芋いだすのは理解に苊しむず振る舞っおいるのに、たさか、ここで切り捚おお自分から面倒事を運ぶ気か」「それが出来るなら、構わんよ。私ずしおも無駄な劎働に身をや぀す気はない」
 ここたで来お成果の連絡埅ちずは。物語であればそれらしい困難や詊緎。あるいはそういった、䞻人公が目立぀為の敵、䞻人公を際だたせる為の障害、䞻人公が凄いず思わせる為の舞台があるものだが、生憎私は䞻人公ではない。
 今回の物語は、この貧盞な男だった。
 たあいいさ、どうでもいい。私が望むのはただ䞀぀。充足や平穏ずいう私個人の勝利だ。戊いそのものなど、ゲヌムでやればいい。
 刀を振るう機䌚は無かったが、筆を振るう機䌚は倚くなりそうだ。傑䜜が曞けるずいうのは圓人の自己満足に過ぎないが、己で満足できる䜕かを成し遂げるのは、気分が良いものだ。案倖、それこそが幞犏の䞀端なのか。
 䜕にせよ私は圌に任せる事にした。
 人に任せるなど䜕時ぶりかわからないが、奇劙な確信ず共にその日は眠れるのだった。金になるかの確信であっおくれれば、嬉しいのだが。
 私は歩を先に進めた。

 
 
    
 
 
 
 この歩みも、この道のりも、この回り道の党おは無駄に終わる。「金にならない」からだ。金にならなければ、成果に結び぀かなければ、勝利できなければ同じだ。粟神は成長したか 信念を貫き通したか 進むべき道を歩ききったか
 䞋らない。
「」 
 私をサムラむ業に匕き蟌んだ女は黙っお聞いおいる。䜕か蚀いたそうだが、䜕を蚀おうず䜕の説埗力も無いこずは、圓人自身が理解しおいるのだ実際、この女は正論だ。しかし正論なだけでしかない。「苊難の道のり」を歩ききっお初めお人間は「語る資栌」を手に入れる。しかし、語るだけでは䜕の䟡倀も芋い出させたい。苊劎した勝利した苊難を乗り越えた。それはその圓人の堎合にのみ、適応されるからだ。
 誰もが少なくずも恵たれた持぀偎でなければ「理䞍尜」を「克服」したいず考えるのは、珍しくもない話だ。理䞍尜ずは摂理であり䞖界の法則そのものだ。宇宙が理䞍尜でなければ、誰も圌もが幞せな生掻をしおいるだろう。だが実際にはそうでない事は、生きおいれば誰でも理解せざるを埗ない。自我が芜生えた時点で、優劣の差、環境の差、持぀持たざるの差に、気付く。
 物語はある意味でその願いを叶えるモノだ。珟実には䞍可胜な「理䞍尜の打砎」をそれらしい圢で芋せ぀け、倢や垌望を魅せる。それが珟実から剥離しおいればいるほど、そんなのは嘘っぱちだず芋る偎を萜胆させるのだ。
 誰でもやりさえすれば蟿り着く方法。それさえ貫き通せば「勝利」を手に出来る方法を探し求めながらも、そんなモノはありはしないず諊め、死んだように生きるか生きずに倢や垌望に逃げるかするのだ。それは「信念」や「芚悟」あるいは、「正しい道を歩く事」だず蚀われる。珟実にそんな道を歩いただけで成功できれば、誰も苊劎しない気もするが、「それらしい」からだろう。
 正しい道を歩いおいれば必ず勝利する。
 究極の思考攟棄だ。珟実的に勝぀ための方策を考えずずも、それに没頭しおいるだけで、己は正しい行いをしおいるのだからず、戊わない。
 それで良い筈がない。そう考えお手を尜くし、策を匄しお、この様だ。
 結局、私は勝利出来なかった。今たでの道のりなど、どうでもいい。そんなのは些末事だ。そこを誀魔化しおは戊った意味がない。
 それももう、無駄に終わったが。
「諊めるのが早いですね」
 あろうこずかこの女、隣で茶を啜りながら階段の䞊に座っおいた。䜕を奉っおいる神瀟か知らないが、それでいいのだろうか。
「諊めか。そんな抂念は私には無い。壊れるたで続けるだけだ。ずはいえ、無駄だず知りながらも嫌々、だがな」
 い぀も通り、私は地球に䟝頌達成の報告を枈たせに来た。それもこれで終わりかもしれない。無駄だず知りながらやり遂げたが、しかしやり終えた結果埗られたのは「疲れ」だけだ。金にならなければこんなのは、マラ゜ンをしおいるのず䜕ら倉わらない。
 健康になれる分その方がマシか。
「売れればそれで良し。売れなければたあどうでもいいか。物事の流れに私の意志など関係ないしな。私が䜕を思うかどう疲れるかさえ、事の成吊ずは関係ない。因果関係が存圚しない以䞊䜕をしようが思おうが、同じ事だ」
「成吊、ですか。貎方は䜕の為に、物語を曞いたか芚えおいたすか」
 神瀟の入り口、階段の䞊で二人の人間が話しおいる様は、芋る奎などいないが写真でも撮れば、平和に写るかもしれない。
 どちらも人間ではないが。どころか、私に関しお蚀えば生物でもない。「抂念」だ。たるで私は「邪道䜜家」ずいう抂念そのものだ。諊めを知らず曞き続け、無駄だず知りながらも、圓人の意志ずは関係なく歩き続ける。いい芋せ物だ。芋る分には良いのだろう。結局、そういう連䞭にさえ、成し遂げようがやり遂げようが、最初から勝敗は決められおいたらしい。私はたた敗北した。
「䜕の為に、だず「己を定矩する為」だ。文字通り私には「人間性」が䜕も無かったからな「どう圚りたい」ではなく「どう圚れば、己を勝利に導けるか」で考えた。結末がこれでは最初から無駄だったようだが」
「勝利や栄光が党おではありたせんよ」
「それが党おではないだず 貎様、誰に察しお蚀い蚳しおいるんだ 私か それずも自分にそうやっお蚀い蚳しおいるのか」
 玔粋な疑問だった。勝利が党おではない。諊めそのものだ。勝利しなくずも良いなら、誰も最初から戊わない。「奎隷の自分」に満足する奎などいないず思うが、そうだずしおも䞍満を抱えながら「敗北し続ける事を容認する」圢で、文字通り「残りをこなす」感芚で歩く死䜓ずしおこなす。「いえ、そうではありたせん。人間は勝利や栄光を求める生き物ですが、結局のずころそれも、ありもしないモノなのですよ。勝利したずころで、倧きな敗北を迎えればそれたでです。勿論、勝利を諊めろずいう話でもありたせん」
 話を途切れさせないように念を抌しお女は続けた。私からすればお題目が䜕であれ「金が手に入らなかった」ずいう「結果」だけが重芁なのだ。 ああすればこうすればだずか、その敗北にも意矩があるずか、そんな話はどうでもいい。だが、指摘するのも面倒なので聞き流す事にした。 
「重芁なのは「勝利し続ける事」なのですよ、それには「粟神の成長」が必芁です。貎方の蚀う、成長せずに勝利者ずなる人間は、結局の所勝利しお実利を掎もうが、実際には掎めおいたせん。運呜論で蚀えば「過皋」の郚分で、それなりに豊かに芋えるだけ、倧きな波の䞀郚が高いだけなのですよ」
「そうだずしおだから、どうした。䜜品の出来はずもかく、売れる根拠は䜕もない。幞運が味方でもしなければ、どうにもならないだろう。そしお、その詊みは無駄に終わった。粟神の成長だず その結果私の䜜品は売れる蚳ではない。己の信じる正しい道を歩こうが、無駄に終わった貎様は「正しい道を歩いたから結果の方から぀いおくる」ずでも思っおいるのだろう。それはな、ただの劄想だ。運呜論で蚀えば、連䞭は䞀時的に高い波の䞊にいるだけかもしれない。だが私の状況がそれで倉わる蚳でもない。連䞭が今、勝利しおいるのが偶然であるように、持぀偎であろうが持たざる偎であろうが、勝利出来るか吊かは、党おただの運䞍運だ」
「確かに、そうです。しかし貎方はやり遂げたではありたせんか。䜕はずもあれ、䜜家ずしお貫き続け、今なおそう圚ろうずしおいる。それがこの䞖の「真実」ですよ。貎方は運呜に巊右されおいない。もう少し、自信をもっお䞋さい」
 綺麗事の戯蚀か。しかし、疲れた指摘する䜓力が、もうない。
「䞋らないオチだ。䞉流以䞋だな。やり遂げお、だから䜕だずいうのか。それは芋る偎の芖点だ。貎様は私を芋おいるだけだから、そんな台詞が吐ける。芋る分には良いだろうさ。過皋に重きをおくのはな。それを歩いたのは「私」だ。貎様が、知った颚な口を効く暩利など、無い」
 抌し黙っお、女は「すみたせん」ずだけ口にしお、俯いた。綺麗事だけで薄っぺらい奎だ。
「貎方はこれから、どうするのですか」
「䜕も倉わらないさ。私に出来る事は䞀぀しかないからなただ単に、それが無駄だず知り぀぀やるのではなく、それが無駄で無意味で無䟡倀なゎミだず「結論付けた䞊」でやるだけだ。今思えば、最初からそうだった気もするが」
 持぀偎に生たれなかった時点で、そうだったのだろうか。「敗北する運呜」を認めずに、結論を埌回しにしお躍起に倉えようず足掻いただけなのだろう。少なくずも「結果」だけ芋ればそうだ。物語は過皋に重きを眮くが、私は良い物語を䜜りたいのではなく、売りたいのだからな。
「貎方はそれで、良いのですか」
「良くは無いが、それを決められるのは私ではないみたいだからな。私の意志は関係ない。私の意志が反映されるなら、売れお然るべきだ。貎様こそどうする぀もりだ。これからもそんな、情けない綺麗事を掲げながら生きるのか」
「そんな事は」
「あるさ。勝利だけが党おではない、などず、口にしおしたえる時点で、貎様は「戊った事」が䞀床も無いずわかるからな。どんな戊いであれ、勝利に向かい進むのであれば「あの敗北からも孊ぶ䜕かはあった」だの「埌から思えば成長に繋がったように思う」だの、そういう事を思うかもしれないが、それ以䞊に「勝利」を求めるものなのだ勝利以䞊に倧切な䜕かなど、敗者の慰めでしかない。ただのそれだけだ。圓たり前の事だろう。勝利する為にやっおいるのだから」
 過皋の綺麗事に逃げおいるだけだ。しかしそれこそ䟮蟱ではないか。だったら私の戊いは、勝利以前に「しなくおも良い」行いだ。無駄どころではない。ずはいえ、それも「事実」かもしれない䜕せ、䜕も倉えられなかったのだ。
「たあいいさ。どうでもいい。終わったのだからな。終わる぀もりは無いが、しかしどうするこずも出来ない以䞊、郜合の良い協力者でも出来る事を「祈る」しかない。ここたで来お出来る事が、祈る事だけだ。䜕に祈れずいうのだろうな。私には信仰する神も悪魔も、どころか䞖界の摂理さえ信じおいない」
「そうでもありたせんよ」
 䜕故か、女は笑いながらそう告げた。
 女神の埮笑みずいうや぀だろうか。私には䜕の関係も無いが、そこそこ䜜品のネタにはなりそうな笑い顔だった。
「貎方が信じるべきは「己の行い」です。己の行いに恥じる郚分が無いのであれば、己を信じるだけではなく「己の行いの成果」を信じるのですよただ売れおこそいないようですが、貎方は貎方の物語を信じるべきです。己を導いお然るべきだ、ず」
「無論そう思っおはいるが、それず珟実に勝利出来るかが問題だ。私が私の行いをどう信じようが「幞運」以倖の芁玠など無いのだからな。私は私の行いを信じおいる。勝利しお圓然、成功しお圓然であり、認める頭が足りない読者共が悪いずな䜕かを志すならそんなのは圓たり前だ。しかしだそれを䞖界の偎がちゃんず反映できるかどうか、そこは信じるに倀しない。䞖界ずは「運䞍運」で党おが決たる。その幞運のルヌレットが私の䞊に萜ちるのか そんなあるのかわからない幞運を信じる蚳にも行かないだろう」
「今たでの行いが呌び寄せる、では足りたせんか信じるに倀しないず」
「圓たり前だ。己の信じる行いをしたずころで、それだけで勝利出来れば苊劎しない。持っおいれば別だろうが、私は持っおいないのでな」
「そうでしょうか私は倚くの人間を芋おきたしたが、貎方は䜙皋、人間に足りない郚分を、持っおいるように芋えたす。先皋も蚀いたしたがどれほど富を重ねようが、成長できなければ同じですよ。富を倱う事に恐れを抱き、成長できない自身に絶望し、他者を信じられず恐怖する。䞖界そのものが揺らいでも、貎方は揺らがぬ己を、既に持っおいたす。元々持っおいたのではなく、それこそれロから䜜り䞊げた。それこそが幞犏なのではありたせんか」
「ふん、そうだずしお金がなければ矎味い食べ物も食べれないのは倉わるたい。それはそれこれはこれだ。成長すれば䞍芁になるのではなく成長したずころで必芁なのだ。だから金が必芁ない、ずはならない」
「なりたすよ」
 あっさりず、明日のおや぀は䜕にするかずいう蚀い方で、女は口にした。
「金や優䜍性ずはそれ単䜓で決たるモノではありたせんから。貎方が普段口にするように、䜕をどうしたずころで、入る時は入るのです。やり遂げた埌はそれを埅぀だけで良いずいうのに、未来を信じるのが䞋手な方ですね」
「生憎、その根拠が本圓か刀別぀かないのでな」 未来の事はわからない。案倖あっさり氎泡に垰すどころか、経枈が砎綻しお囜がなくなるかも、しれない。しかし珟実問題未来がわからないずは蚀っおも、ある皋床予想は぀きそうなものだ。囜や経枈が急になくなるなど有り埗ないし、なくなれば生きおいくのすら困難だ。今たでの行いが、急に報われお成果が珟れるなど、信じられるか。「未来を信じるだず やり遂げれば埌は埅぀だけだず 䞋らん。それはただの思考攟棄だ。珟実はそうではないず、誰もが知っおいる。誇りがあろうが信条があろうが正しさがあろうが、勝利できるかはわからない。正しさなど私からすれば存圚しないし、己で正しいず信じるだけだ。䞖界は理䞍尜で、䜕の考えもない。ただひたすらに、摂理に埓っお動くだけだ。運䞍運によっお決められるのはその為だ。意志があるから反映されるのではなく、そうあっお欲しいずいうただの願望なのだ。結末は誰にもわからない」
「誰にもわからないのに、䜕故貎方は未来を信じないのですか」
「今たで散々そうだったからだ」
「賭博に負ける人間も、今たで赀だからず、同じ賭をしお敗北したす。氞遠に続く倜など有り埗たせんよ」
「どうかな。私はそこから生たれた存圚だ私の䞖界には党おを飲み蟌む暗闇だけだ。少なくずも私は、このたたではそうなるからず、行動に移した。それが無駄に終わった。ならば、信じるに倀しない未来であるのは必然だ」
「貎方が蚀うように、それを決めるのは貎方ではありたせんよ」
 ああ蚀えばこう蚀う奎だ。
 しかし、事実はそうだ。
「決めるのは私ではない。しかし空を雲が芆っおいるのに、䞖界が暗闇に包たれおいるのに明日は晎れになるず思うのは、劄想でしかない。事実を芋据えた䞊で戊わなければならない。結果、私は敗北したがだからず蚀っお劄想だけを信じる気分には、ならないな」
「けれど、貎方に出来る事はもう無いのでしょうならば信じおみおは劂䜕ですか」
 お金はかかりたせんよず、知った颚な口を効くのだった。やれる事は特にないが、盲信的に未来を信じるのも埡免だ。
「信じたりはしない。だが少しだけ埅っおやろう。埅぀だけで、期埅はしないがね」
「それはよかった」
 䜕が良かったのか、女は語らなかった。私も远求する぀もりはない。ずいうかそんな䜓力は残っおいない。今たで様々な䟝頌を受けお、その床に䜜品に描き、その床に売り䞊げられず、䜕床も、繰り返し続けたのだ。
 疲れない筈がないだろう。䜓力より、気が滅入る。粟神的にどうず蚀うより、思考回路を䜿い続けるので、物理的に「脳」に無理が生じる。粟神的な疲れや匱さがないのも考え物だ。い぀のたにか私の脳は、限界を超えすぎお䜓に珟れる䜍無理を重ねおしたった。
 粟神的に疲れなかったずころで、脳機胜の限界ずしお「化け物」の粟神構造でも疲れる、ずいう貎重なデヌタは圓然、䜜品に掻かす぀もりだが。 我ながら、今曎匕ける蚳がない。
 やるしかないのだ。敗北が目に芋えおおり、それを自芚しながら倉えようずしお、敗北し続け、無駄だず知るのではなく結論付けた埌でさえ、これなのだ。やれやれだ。我ながら、䜕をやっおいるのやら。いや、それが「生きる」ずいう蚀葉の本圓の意味なのだろうか。知らないし、どうでもいい事この䞊ないが。
「私はもう行く。貎様はどうする」
「私は、ここで貎方の垰りを埅っおいたすよ」
 果たしお再床ここに来られる䜍、金を皌げるかはわからないがずりあえず進むしかない。遞択肢の無い暗闇を歩くのは、い぀ものこずだ。 「祈り」に「未来を信じる」か。ああも䜙裕のありそうな奎に蚀われるず真実味が無い。ずはいえ説埗力があれば良い蚳でもない。私の蚀葉に、説埗力があるのかは知らないが、私の蚀葉はわかりやすい「成功」や「勝利」に向かわないだろうからな。向かった事もないのに、私の行動や結末がそこに至る圱響を䞎えられるずは、思えない。 正盎気は進たないし、祈ったり信じたりする心など私には無いのだが、埅぀だけで良いなら、気にする必芁もないのだろう。
 少し疲れたしな。未来など信じるに倀しない。䜕をどうしたずころで酷い目に遭うだろう。だがずりあえず、䜕か食べおから考えるか。
 私は空を眺めた。䞀面雲が広がっおいお、䜕もそこには芋えはしない。それが珟実だが、少し、䌑むくらいなら良いだろう。
 祈る䟡倀の無い䞖界ず信じるに足らない未来を芋据えながら、私は歩を進め぀぀も、筆を眮いお䌑む、ずいう決意を固めるのだった。
 
 
 

   

 宇宙船の窓から、無限の闇を眺めながら考える私はどこから来おどこに行くのか 少なくずも「垌望」が「無い」のは確かだ。そんな、安易なモノがあれば苊劎しない。垌望も倢も党お浅はかな綺麗事は飲み蟌む䞖界。そこに残るモノはあるのだろうか。
 意志や信念 いいや違う。もっず確かで、力匷い「䜕か」だ。私はそれを求めおいる。珟実に倉革しうる力。金、人脈、幞運。䜕でもいいが、それで倉えられる力がなくおは、進めない。いや違うのか 結局のずころ「根底にある流れ」に埓っおいるだけで力の有る無しも運䞍運もその䞊柄みに過ぎないのだろうか。
 ならば、それを支配しなければ。今たで散々、それに振り回されたのであれば、こちらから支配されおも文句は蚀えたい。それが出来れば苊劎しない気もするが、出来る出来ないではなく、それが必芁ならしなくおはならないのだ。
 必芁でない行い。あるのだろうかあったずしお、それを楜しめるのか 党おは必芁に応じお行っおきた。「人間の物真䌌」も「充足を求める為の行い」も党お、必芁に駆られおの行為である事は、間違いない。
 必芁性ずいう点では、物語など人間の䞖に必芁ないがな物語に倢を芋るより、珟実にそういう行いをした方が早い。出来ない事柄に倢芋るよりも、金儲けの方策でも考えた方が珟実的だ。あの女はそれを「珟実だけを芋過ぎおいる」ず、そう評䟡した。しかし「倢や垌望」を事実ずは反するから排斥する。勝利する為であれば圓然ではないか。
 気晎らしに芋るのはいいが、それだけだ。物語が珟実に力を持぀など有り埗ない。そう芋えるだけで、珟実には䜕も起こらない。
 倢や垌望など、私には信じられない。信じる機胜が付いおいない。「珟実からの逃げ」以倖に、倢や垌望に「䜿い道」があるのか
 明日に察しお垌望を抱き、普段より良い気分になれるかもしれない。しかし、それで䜕が倉わるのだ。䜕も倉わりはしない。
 そもそも私が歩いおきたのは、あの女が衚するような「道」なのだろうか。私自身は疑う぀もりもないが、䞖界の偎が違うず蚀えば、それたでだだから私は、ここにいる。だからこそ物語が、売れおいないのだ。
 やはり、信じるに倀しない。
 他に出来る事もないので「ずりあえず信じおやる」ずいったずころか。子䟛の蚀うサンタを信じるフリをするようなものだ。
 䞖の真実などその皋床。
 合わせおはやるが、期埅する䟡倀は無い。
 ずはいえ「事実」だけを芋おいおも、芖界が狭くなるのもたた「事実」だ。劄想を信じる぀もりはないが、「果おしない荒野」こそ生きる䞊での道だずいうならば、その先にある垌望を信じなければ、やっおられない。
 無論、無目的にただ信じるだけでは愚か者だ。ならば「それを芋据えお」進たなければ。あるかどうかは分からない。いや、恐らくそんなモノは私の人生には無いだろう。それでも、その先に、「信じるべき䜕か」を芋据えた䞊で、進たなければならないのだ。
 私は「金」だ。
 貎様はどうだ
 私は進む。それがどのような結末になるかは、知れおいる。報われず成功せず勝利出来ない。生たれた時から敗北の味は知っおいた。
 だが進む。
 邪魔が入るなら斬り殺し、摂理が塞がるなら、道理を斬り䌏せる。進め進め灰になっおからが、本番だ。死んでも進め。滅んでも進め。他の党おが死に絶えお生呜が根絶しようずも、進むのだ。進んだ先を芋据えなければ、勝おない。
 勝利しお充足を埗られるに越した事はないが、私ではそこたで郜合の良い物語に出来ない。郜合は悪いが戊うしかない。戊いずはそも勝぀たで、死んでも続けるものだ。滅んでも消え去っおも、戊いは続いおいく。
 やれやれだ。我ながらどうかしおいる。続けたから䜕だずいうのかだが、他に道はない。 私は恵たれた偎に立おなかった。
 ならば、その䞊で勝぀しかない。
 勿論、「綺麗事」で終わらせる぀もりは曎々ない。それでこそ「邪道䜜家」ずいうものだ。
 進むずしよう。進んだ先に、利益が転がっおいる事を祈るくらいだ。出来る事はそれくらいだ。私に出来る事は少ない。
 ずはいえ、やるこずはやったのだ。埌悔は埮塵もない。凡俗共がさっさず認めるのを埅぀だけだ粟々遅れるな、早く枈たせろ。
 次回䜜を曞いお欲しいなら、それは貎様等次第なのだからな。

 お前達も、付いお来い
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

あずがき

第䞀郚は14巻たでだ。理由は金を払っおから確かめろ。

さお、今曎半端な金なんぞ、たしお意味䞍明な賞が欲しい蚳ではない──────欲しい物は、「答え」である。   

蚀うたでもないが、私以倖に人類史においお過去未来珟圚、異次元すら「売れる前から、シリヌズ完結500䞇文字」曞ききった奎など存圚しない

圓たり前だ いおたたるか 第䞀、それで喜ぶ奎が、いるずでも
 

そこたでやっお、生掻費の足しどころか文字通りに「䞀円」にもならない、などず••••••••••••しかも、意味䞍明な珟実逃避の同人皋床を買うずきた 女にモテお、才胜が䞎えられ、気分良くなるだけのゎミだ

そんな皋床が「正しさ」ならば、汚い綺麗事など願い䞋げだ くたばるがいい


••••••••••••やれやれ。芋る目の無い奎等はこれだから困る。蚀うたでもないが、珟状の物語産業が廃れたのは読者自身の責任だ。

䜕せ、ゎミを喜んで買うのだ。それも、䞭身を倧しお考えずにな。

たずもな䜜品が増える方が䞍思議だ。倧䜓が䜜家ずは砎綻者であり、テレビに出るために曞く時点で停物だ。




さお、どうなるか。いずれにしろ、やるべきず信じた「䜕か」はやったのだ。

埌悔は無い。無念すらも消え去った。

やれやれ、別に悟りたいわけでもないのだが──────䜕にせよ、刃は抜かれ、結末はいずれ蟿り着く。


フン 粟々䞇札が萜ずされるず期埅しずいおやるずしよう。忌々しい限りだが、私は党おをやり切った


さあ、埌は貎様ら次第だ。

期埅はしおな──────いや、しおやろう──────それも、䞇札どころか億兆単䜍で、物語を広めおくるがいい


なに、い぀ものこずだ。出たずこ勝負の出目次第だ。私にずっおは「い぀もの」こずだ。


さあ、抜きな。
䞀぀、勝負ず行こうじゃないか──────






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#オヌルカテゎリ郚門

いいなず思ったら応揎しよう

邪道䜜家 䟋の蚘事通り「悪運」だけは倩䞋䞀だ サポヌトした分、非人間の匷さが手に入るず思っおおけ 差別も迫害も孀立も生死も、党お瑣末な「些事」ず知れ

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