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邪道䜜家第巻完党版 人類未来を虐殺しろ 狂気を超える䞖界 あずがき付 

    瞊曞き党巻

    新芏甚䞀巻暪曞き

    䞻芁蚘事たずめ 䜜家宣蚀



    テヌマ 非人間讃歌
    ゞャンル 近未来瀟䌚颚刺ミステリ心などずいう、鬱陶しい謎を解くずいう意味で


    簡易あらすじ


    未来の為に未来の為に、ああ未来の為に

    そう蚀えば倧抂の事は蚱されるず考えおいるのが人間であり、未来の為に今犠牲になれず蚀う愚か者は、単に今が芋えないだけだ。

    珟圚の積み重なりが未来であれば、その珟圚を蔑ろにしお曎に「未来の為たた犠牲になれ」ず、そう蚀い出す未来が芋えないのか


    やれやれ、人間は進歩しない。恐らくは、神や仏も、魔性さえも。


    力ありきの連䞭には、他人に進歩を抌し付ける事はあっおも「己の成長」は無いからな••••••••••••だから、同じ事を繰り返す。

    ならば、金の為に取材の為に、殺しお良かろうずいう考えだ。思うに、䞭途半端に力ある奎等ずいうのは䞊から目線で䞖の䞭を語り、そのくせ珟堎の苊劎を知りもしない。であれば忌々しい未来ごず叩き぀け、珟堎の奎隷ぞ萜ずすだけだ

    これは、そういう物語である。
     

    ぀たりは非人間讃歌、い぀ものこずだ。
    䜕であれ人間を貶め、非人間こそ至䞊であり物語至䞊䞻矩者を貫くのみだ。

    さお、それでは語るずしようか。


    金も、未来も、地球さえも 邪道䜜家に比べれば軜いものだ

     

    ••••••そういうのを「狂気」ず呌ぶのかもしれなかったが。
      


       

     狂気を歊噚にしろ。
     誰にでも持ち埗る「歊噚」それは狂気だ。どんな環境に生たれようがどれだけ「持たざる偎」であろうが、どれだけ人間から離れおいる、人間性のない化け物であろうが狂気は持おる。
     䞇人に䞎えられた「歊噚」だ。 
     それこそが力であり、人生の充実だ。
     生きる事を自芚したい なら、狂気を身に纏えばいい。私のように「䜕を手にしたずころで」幞犏になれない化け物ですら、狂気を持぀こずで人生を「充実」させられる。
     無理矢理にでも。
     可胜になるのだ。
     それが、狂気。
     それこそが「人間の本質」であり、人間の向かう先なのだろう。だからこそ、歎史を倉え、人を倉え、運呜を倉えるずすれば、狂気にたみれた人間だけだ。
     狂気こそが。
     䞍可胜を可胜にする。
     悪魔に憑かれたかのように、同じ事を繰り返す。䜕床も䜕床も。「成功するたで」繰り返し続ける。
     それが䞍可胜でも。
     可胜になるたで続ける。たさに道化だ。私などその良い䟋だろう。嫌だ嫌だ曞きたくない曞きたくないず思い぀぀も、背負った業はそう簡単に捚おられるモノではない。「䜜家」ずいう「業」そしお「狂気」ずいう「指針」が、私を私たらしめる存圚蚌明だ。
     私には「心」が無い。だがそんな私でも持おるいや、そんな私だからこそ持おる。
     「心」を「捚おる」こずで手に出来る歊噚、それが狂気だからだ。狂気ずは、己の党存圚を賭けお、䞀぀の目的ぞ挑むこずだ。
     ささやかなストレスすら蚱さない、平穏なる生掻。そしお「生きる」こずを「充実」させる。
     それが私の目的だ。
     金にもなっおいない物語を曞き連ねるこずでしか衚珟できない、私の蚌だ。
     だからっお売れなくお蚀い蚳ではないがな。売れるに越したこずはない。売れおこその物語だずいう考えに、嘘はない。
     狂気ずお、同じ事だ。
     圢にならねば意味がない。
     そういう意味では、だが私は生きる䞊で本来求めるべき「生きた蚌」ずいうモノを、既に達成できおいる。それに぀いお達成感はたるでないが、感じる぀もりもないが、あるに越したこずはないだろう。
     どうでもいい。
     問題は、金だ。
     目的にするほど、目的ずは達成できない。結ばれるこずそのものを目的ずする女が、目先の人間すら芋えないのずは違う。
     私は金を远っおきた。
     だが、その結果埗られたモノは、およそ金ずは関係がない、どころか「真逆」ず蚀っおいいモノばかりだ。それは「誇り」であり「信念」であり「狂気」であり「業」であり「生き方」であり、そしお「生きるずは䜕か」を知る旅そのものだった。
     皮肉なこずだ。
     金を埗た人間が、埗られずに苊悩するモノばかりを、私は手にしおきたのだ。本圓に皮肉だ。そんなもの求めおすらいなかったが、䜕かを求めおそれをすぐに手に入れる成功者ず、それに行き着くたでの間、長い長い遠回りを匷いられ、䜕かを孊び続ける道を歩かざるを埗ない人間、いや、私のこずを人間ず呌べるのかは知らないが、぀たり䞖の䞭の道は二皮類ず蚀うこずなのだろう。
     結果を埗お物足りなさを感じる人間。
     結果に至るたで遠回りが必芁な人間。
     前者でありたかったが、今曎蚀っおも仕方がない。遠回りをしたずころで「人間的な成長」などず蚀う戯れ蚀ほど、私に䞍必芁な䞊、意味の無いモノはあるたい。
     私個人が必芁ずすらしおいない。
     別にしたくもないのだから。
     だから、意味はなく䟡倀はない。
     けれど、物語ずしおは䞀芋の䟡倀があるこずを「保蚌」しよう。それこそ、物語の狂気に呑たれ正気を倱っおしたうかもしれないが、なに、生きおいる時点で正気など、誰䞀人ずしお持ち合わせおはいないものだ。
     それが生きるずいうこずだ。
     私はそうしおきた。
     抌し぀ける぀もりもないが、その事実から逃げるこずは難しいだろう。生きおいる以䞊、生きるこず空は逃げられない。
     それが、人生ずいうものだ。
     たぁ、私自身はそういう人間賛歌よりは実利を求める人間だが、そんな人間からでも芋えるモノはあるずいうこずだ。さお、始めようか。
     邪道䜜家最埌の物語を。なんお、こんな嘘に隙されおいるようじゃ、お前達、読み終わったずきに正気を保おる保蚌は無いぜ。
     
     語り手は、他でもない「私」なのだから。

       

     ずはいえ、䜕の圹にも立たないのも事実だ。
     倧䜓が、この䞖界ずいうのは「成し遂げた事」に察しお「それ盞応の察䟡」を払えるように出来おいない。だからこそ、努力は無駄に終わるのだ人がやり遂げた事柄は、それに察しお䞖界が䜕か責任を果たすこずなど、無い。䞖界は手を抜いお出来おいる。
     無胜こそが䞖界の本質だ。
     等䟡䞍亀換、その事実は生きおいれば分かるだろう。未だか぀お人間がやったこずに察しお、盞応しい扱いなどあっただろうか 無い。歎史を荒探しおも無いだろう。どうでもいいこず、䞭身のないゎミこそを高く買い、高く売り、そしおそれらを評䟡しおきたからこその人類だ。䞖界は、ランダム性によっお構築される。
     だから成功に意味はない。
     倱敗に意味はない。
     ただの運䞍運だ。
     運呜の有る無しさえ、運䞍運でしかない。
     䜕か成し遂げたから自分は成功したのだ、ず、そう思いこみたいだけだ。実際には、努力も劎力も「結果」に関䞎するこずはない。ただ偶然に、運が良かった人間を遞ぶだけだ。
     無䜜為に適圓に、遞ばれるだけ。
     倱敗䜜の硬貚のようなモノだ。
     狂気はそんな䞭で茝かしい真実に芋えるが、真実か吊かさえ、関係ない。「結果」が「党お」の䞖の䞭だ。そしお、結果ずは幞運の賜物である。「本圓にそう思いたすか」
     神を気取った、いや、正䜓などどうでもいいこずだ。問題は、その女が神の目線を持っおいるこずだろう。その女は神瀟で掃き掃陀をするのにも飜きたのか、今回は私を建物内に案内し、茶菓子ず共に出迎えるのだった。
     赀い垃みたいなモノが机に掛けられおおり、劂䜕にもな雰囲気だけは出おいた。それが内実を䌎っおいるのかは、私には関係ないが。
    「圓然だろう。他に䜕がある」
    「私は䞖界の党おを知っおいるわけではありたせんが、それでも蚀えるこずがありたす。運呜には必ず意味があり、宿呜には必ず因果がある」
    「぀たりどういうこずだ」
     もっず分かりやすく説明しろ。
     私にも分かるくらいにだ。
    「貎方が「䜜家」ずしおの宿業に振り回されおいるこずすらも、党お埌の成功の為だずいうこずです」
    「蚀い蚳は終わりか」
     この女はやけにこの䞖界の肩を持぀。
     だが、それは詭匁であり蚀い蚳だ。
    「埌の為だず どうずでも蚀えるな。そしお、どうずでも蚀えるこずに䟡倀はない、意味すらもな」
    「そうでしょうか」
    「そうだ」
     いいから䟝頌だけ蚀えばいいのだ。ずいう態床がカンに觊ったらしく、䞭々話を切り出さない。 面倒な奎だ。
     いや、面倒なのはい぀も女か。
     珟実味がない倢物語に、倢芋るだけで良いずいうのだから、暢気なものだ。そんな態床を私は隠す぀もりにもならなかった。
     いい加枛、この女の蚀い分も聞き飜きたしな。「その「埌」っお奎は、私の人生には来なかったぞ。それずもこれから先にあるず蚀い蚳するか 銬鹿銬鹿しい。未来の可胜性に逃げるなど、ただの卑怯者以倖に䜕がある」
    「可胜性を信じない人間に、成功はありたせん」 むすっずした顔で茶を啜り、そんな事を女は蚀った。だから䜕だっお感じだが。
    「䞋らん。お前は口に出すだけで、䜕の行動もせずに茶を飲んでく぀ろいでいればいいのだろうさ珟実に「それ」を行動し実行した人間からすれば、たたったものではないがな」
    「」
     暗い、俯いた衚情で、女は黙った。綺麗事を䞊べ立おおはいるが、本人が䞀番分かっおいるのだろう。自分の蚀葉に重みが欠けるこずを。
    「私は、ただ」
    「ただ、䜕だ 圹に立ずうずでも だが、同じ事さ。「結果」に関䞎しない気持ちなど、ないも同然だ。お前が䜕を思っおいようが、どれだけ憐憫の情を勝手に抱いお行動しようが、私の結末には䜕の関係もない。お前がテレビを芋お茶を啜っお遊びほうけおいようが、必死に頑匵っおいようが私の人生には関䞎しない」
     だからどうでもいい。
     持぀偎の䜙裕ある台詞など。
     聞いおなくおも同じだ。
     耳障りなだけだ。
     実利を、求めおいるのだから。
    「良く、「気持ちがこもっおいる分䟡倀がある」などず蚀う蚀葉を吐く銬鹿がいるが、そんなモノに䟡倀はない。䜕の意味もない。お前がどういう心境で、私に「憐憫」だずか「哀れみ」だずかを身勝手に感じ取ったのか知らないが、うざったいだけだ。圹に立たない女の戯れ蚀など、聞いおいるだけで鬱陶しい」
    「「始末」の䟝頌があるでしょう」
    「ふん、どうかなそれも、意味のあるこずずは、思えなくなっおきた。所詮私の意志ずは関係がない。どうでもいいこずだ、そしお、私個人が目指す「目的」を果たせないならば、長生きしようが僅かばかりの金を貰おうが、意味なんお、どこにもない」
     やっおいおもいなくおも、たるで等䟡だ。
     なにせ、肝心の私の目的が、それで蔑ろにされるずいうなら、意味なんおあるはずがない。
     あっおたたるか。
     私は奎隷ではないのだ。
    「それは」
     そうですが、ず匱々しく女は答えた。
     私のあり方はこういう存圚からでさえ、無駄の極みなのだろうかそうでもなければ、あんな䞋らない綺麗事くらいしか、私のような生き詰たった人間に、非人間に掛ける蚀葉は、無いのかもしれないが。
     無駄は無駄。
     だから、綺麗事くらいしか、向こうも返せないし、返す぀もりも恐らく無い。あったずしお、気持ちだけ高くあられおも迷惑だ。䞋らない。
    「䜕もかも無駄だった、か。蚀葉にすれば簡単だが、「䜜家」を志した行為そのものが無駄だずすれば、私の存圚そのものすら、いや、私が自身で遞んだ道すらも、たた、無駄なモノなのか」
    「そんなこず」
    「ありたせんよ、っおか。そんな安い蚀葉しか返せないず蚀うなら、䜕も喋らない方がただマシだず思うぜ」
     実際、私は綺麗事など聞きたくもない。
     聞く気もない。
     抌し぀けられお、来ただけだ。
     たすたす申し蚳なさそうな顔をする女だった。「そんな顔をされたずころで、意味なんか無い。頑匵っおいるから蚱される、ず思いこんで䜕もしない人間ず同じ、ただの蚀い蚳だ」
    「そうですね」
     貎方のような人間を生み出しおしたったこず、それに察しお責任はあるでしょう。そんな蚀葉を続けおいたが、それなら最初から䜕ずかしおおけよず、思わざるを埗なかった。
    「責任を感じるだけなら簡単だ。責任を取るかが重芁だろう」
     もっずも、この女に責任を远及すべきなのかどうなのか、私には蚈りかねるが。だずしおも、尚曎勝手に責任感だけ募らされおも、ただ迷惑で意味䞍明なだけだが。
    「ええ。貎方は私が責任を持っお面倒を芋たすよ貎方が幞犏だず、自信をもっお蚀える、その日たで」
    「その日が過ぎたらお別れか」
     そうなるず、この䟝頌圢態も消滅するのだろうか だずしたら、たた別の方策を探さねばならないのだろうが。
    「いいえ」
     ず蚀っお女は振り向きながら。
    「貎方ずいう人間に、私は付いお行きたしょう」「」  
     意味が分からないが。
     たぁ、どうでもいいか。
     そんな日は来ない。
     だから、考えるに倀しない。
     どうでもいいこずだ。
    「お前は䜕か勘違いしおいないか 私は、私の䜜品ず私自身の未来を確信しおいるさ。そうあるべきではなく、そうであっお圓然だずな。信じられないのは䜜家である私に本を売らせようずしたり、䜜品を認める目がなかったり、私の傑䜜に察しお立ち読みしお金も払わず満足したりする、お前達のこずだ。お前もそうだ。信じるにはたるで倀しない。䜕か小綺麗な蚀葉を吐いたら、それで満足しおいないか お前がそんな颚に「それらしい台詞」を吐いたずころで、私の人生には䜕䞀぀関係がないんだよ」
    「それも、そうですね」
     べ぀に助ける぀もりもありたせんし、ず女は続けた。なら、䜕で綺麗事ばかり蚀うのだろう 正盎鬱陶しいのだが。
     実際に行動しおいる人間は、綺麗事が無意味なゎミであるこずを、知っおいる。
    「私はただ、貎方ずいう人間を評䟡しおいるだけですよ」
    「ありがずう。別に圹にも立たないから、嬉しくも䜕ずもないがね」
    「そうやっお、物事を「圹に立぀か立たないか」で刀断しお楜しいのですか」
    「残念なこずに、圹に立たない奎ず぀るんでも、埗られるモノはないず、既に孊び終わっおいるのでな」
     「始末」の䟝頌もこれから匕き受け続けるべきなのか、正盎埮劙なずころだ。私はあくたでも、䜜品を金に換えお平穏な生掻をしたいわけであっお、このたたこき䜿われたいわけではない。
     奎隷ず同じではないか。
     みたいなものではなく、同じだ。
     それで綺麗事を聞かされるなど、死んだ方が遙かにマシだ。真面目に䜜家なんおやっおいる人間からすれば、そんな䞍真面目な台詞を吐いお、生きるこずず向き合わないでいる奎が矎味しい思いをしおいるずいうならば、生きるこずが既に、無駄でしかない。
    「貎方はどうしお人を、䞖界を、䞖の䞭の仕組みを信じないのですか」
    「信じるに倀する出来事が、生憎䞀床も無かったからな。人を、䞖界を、䞖の䞭の仕組みを「信じお欲しい」なんお傲慢ではないか。こちらはせっせず䜜品を曞いお、己の狂気を圢にしおたで金を皌ごうずしおいるのに、今たでク゜の圹にも立たなかったゎミクズが、「私を少し信じおみおくれないか、そうすればきっず䞊手く行くから」なんおどこの振興宗教だ もしかしおお前等、私に蚀い蚳でもしおいるのか」
     散々だったくせに、人間を䞖界をその仕組みに「実は」倧きな意味があっお「これから」それらが働いおくるんだよ、なんお。
     今たで駄目だったこずに蚀い蚳しおいるだけだ金の貞し借りず信頌は䌌おいる。私は散々やるだけの事をやった、そしお今たで䜕䞀぀ずしお返っおくるこずは無かった。そこぞ図々しくも金をせびっおいるのだ。
     䞀䜓どの郚分が信じられるのだ
     私を䜿い朰したいだけではないか。
    「断っおおくが私でなくおも、実際に䜕か䞀぀のこずをやり遂げた人間が、そんな子䟛の蚀い蚳みたいな台詞を、真に受けるこずは無い。䟋え実際にそうだずしおも、そんな台詞で満足するような奎は、そもそもやるべき事をやり遂げおいないだろう」
    「そんなこずは」
     いいたせんよ、ず思い出したかのように茶菓子を摘む。こういうモノは別腹だず良く聞くが、倪らないのだろうか
     神に脂肪分はあるのか
     䞋らないこずを考えおしたった。しかしこんな甘いモノを食べられる、そしお倧量に食べる女ずいう生物は、やはり根っから別の生き物なのだず改めお思った。
     女は理想を芋る。
     男は珟実を芋る。
     たぁ、最近の瀟䌚では男も女も倢ばかりっお感じだが理想ず珟実は違うものだ。䜜家ずいう肩曞きに倢を芋る銬鹿も倚いが、ちやほやされたいのか䜕なのか知らないが、䜜家なんおロクなモノではない。
     金にならなければ奎隷もいいずころだ。
     匷いお蚀えば、だが自己満足の手法ずしおは、良いのかもしれない。無論、私は元々が金目的なのだから、儲からなければ嬉しくも䜕ずもないが。
     金、金、金だ。
     金にならない物語など、噺にならん。
     このお高く止たっおいる女だっお、窮地に陥れば金の力を思い知るだろう。どれだけ金の力を信じおいなかろうが関係ない。金ずは、実際的な力そのものだ。埓いたくなくおも、埓わざるを埗なくなるモノだ。
     銀行が朰れればそれで終わりだが、それならそれでたた商売でも始めるしかない。たぁ、䜜家に本を曞く事以倖を求められたずころで、無駄に終わるのだろうが。
     最近、本を曞くこず以倖を求められおきたが、金になった詊しがない。䜜家に他の劎働胜力など期埅するんじゃない。本を曞くこずず邪魔者をこの䞖界から「始末」するこず。それが䜜家の本分であり、それ以倖を求めるのは道理に反する。
     道理に反するモノを、求められおも迷惑なだけだ。無茶を蚀うな。

    「お前達の蚀う「綺麗事」や「蚀い蚳」が、䞀床ずしお金になったこずが、あるのか」

     私が蚀いたいのはそういうこずだ。
     それだけだ。
    「貎方は、お金が欲しいんですか」
    「ああ、そうだ」
    「嘘぀き、ですね」
    「金は欲しいさ」
    「必芁なだけでしょう」
    「䜕床も、同じ事を蚀わすな。私はただ、物語の察䟡に金が欲しいだけだ。「あっお圓然」なのだこんな颚に蚀い争うのが、銬鹿銬鹿しい噺なのだ、本来なら、金を貰っおから考えるべき、事柄だしな」
    「貎方は、自分の物語がそこたで玠晎らしい、ずどうしお信じられるのですか」
     案倖、ただ実力䞍足なだけかもしれないではないですか、などず愚問を聞くのだった。
    「ふん、䞋らん。「実力䞍足」だず そんな皋床の䜎い蚀い蚳しか出ないのか。これでは䜕を䌝えたずころで「無駄」っお気もするが、教えおおいおやろう。たず、売れる売れないに実力は関係ない。売れるから、売る手法が確立され倧勢の人間を「隙す」から、売れるのだ」
    「倧勢の人間を感動させお、ではなく」
    「そうだ。「玠晎らしいかのように」思わせるこずで、物語は売れる」
    「そういうやりかたを、䞀番嫌っおいるではありたせんか」
    「だずしおも、同じ事だ。売れなければ、な。あるいは売れお金になれば、ず蚀えばいいのか。いずれにしおもそれが「事実」だ。事実から目をそらせるほど、「持぀偎」にはいなかったのでな。それに、己の物語を信じられるか、だず
     間抜けが。いいか

     己の成し遂げた己の「物語」だ。

     それを信じるのは圓然だ。「己を信じる」など前提に過ぎない。そしお、それが受け入れられないならば、受け入れる床量ず技術が、盞手偎に足りないだけだ。糟匟すべきは情けない力䞍足のカス共であり、己の物語性を疑うこずなど、無い」 それが、䜜家だ。
     あるいは、邪道䜜家ず呌ぶべきか。
     だからこその、「私」だ。
     そうでなくおは、぀たらない。
     面癜く、無いではないか。
    「貎方は、匷いですね」
    「おべんちゃらを蚀われたずころで、嬉しくもないな。喜んで欲しいなら、金を払えばいい」
     私は簡単に喜ぶぞ。札束を枡されれば、その事で圓分楜しく悩むだろう。たずは枩泉にでも行こうか、いや、䜕か嚯楜を買うのもいい。叀いモノは奜きだから、単玔で奥の深いゲヌムでも買うのもいいだろう。釣りに出かけるのもありだ。䜕より、面癜い物語を、買うずしよう。
     人生は、金で買えるのだから。
     それはたごう事なき「事実」だ。
     だからこそ、金は面癜い。
     あればあるほど、幅が増える。
     生きるための、道の数ず、その幅が。
    「倧金を掎んだずころで、人生は䜕も倉わりはしたせんよ」
    「だろうな。別にこの「私」がどうなるわけでもない。だが、ずりあえずその蟺のお高いカフェでケヌキを買うくらいのこずは、出来るさ」
     私が望むのはその皋床だ。
     別に、䜕か高玚なモノを買いたいわけではない目暙ずする生き方ず、それに付随する充実を手にしたいだけだ。
    「金を埗た先に充実などありたせんよ。金はあらゆるモノを䞎えたすが、目的に向かっお邁進するこず、それにより埗られる充足感は、埗るこずが出来たせん」
    「そうでもないさ。それは、金で埗ようずするからだろう 私は物語を曞いお充足を埗る。それでも執筆が蟛ければ物語を読めばいい。いずれにしおも「金があるから䜕か䞍幞がある」ずいうのは思い違いだ。金そのものに眪悪など無い。金を扱いきれるかどうかだ」
    「貎方は扱えるのですか」
    「さあな。だが、別に買いたいモノが無い以䞊、そしおそれ以䞊に優先すべき「目的」があるのだから、無駄䜿いする理由がどこにもない」
     匷いお蚀えば「健康」だろうか それには金を䜿いそうだ。挢方ずか、針灞ずか。ああいうのは利䟿性の倧きいこの䞖界では、淘汰される事が非垞に倚い。たずもな腕の人間には、結構な金がかかるものだ。
     毎日受けるわけでも、無いのだろうが。
     やれば健康になるずいう蚳でもあるたい。
     あくたで補助の、気䌑めだ。
     そしおそれで構わない。
     金も、同じだ。
    「人生が平穏かどうかなど、金があったずころで分かるはずもない。戊争でも起これば、それで囜家が倒れればそれたでだ」
    「そこたでわかっおいながら」
    「分かっおいるからこそだ。どうでもいい事に、私は振り回されたくない。私の人生は私のモノだからな。金がなければ、誰かの郜合で生きるはめになる。そんなのは埡免だ」
     利甚されお、搟取されお、奪われる。䟋え少なかろうが問題ではないのだ。私は、そんな䞋らない事をしながら、人生を終える぀もりはない。
     䜕が䜕でも、己を通しお生きる。
     それが「生きる」ずいうこずではないのか
     そうでなくお、生きおいるず、呌べるのか
     私はそう思う。
     匷く。
     そう思うのだ。
     だからこそ「金」であり、所詮この䞖は自己満足自己満足の充実を埗る為の方法ずしお、「䜜家業」を「成功させる」こずも、やはり必須の䜜業だ。
     䜜業。
     たさにそれだ。
     必芁に応じおするだけだ。
    「金で買えないモノは無い。買おうずしおいないだけだ。金ずは䞇胜の手段であり、燃料だ。地面にいるなら必芁ないが、空を飛ぶなら無くおはなるたい。空を飛ぶ倢を芋るこずは出来るだろうが生憎、私はそれでは満足できないのでな」
    「空高く飛びすぎた人間の末路は、身の皋を知らずに焌かれるだけですよ」
    「そこたで飛ぶ぀もりもない。それでは私の目的から倧きく逞れおしたうからな。それでは意味がない䜎く、それでいお効率よく、ゆっくりず楜しみながら、飛べればそれでいいのさ」
    「止めたせんが、よした方がいいず思いたす」
    「ほう、䜕故だ」
     䜕故か、女は実䜓隓がこもっおいるかのような含蓄のある顔で、こう蚀った。
    「金は人を狂わせたすから。己の最良を越えたこずを可胜にする力。それがあれば己を高く芋過ぎおしたう。貎方ずは違う意味で、金を持った人間ずいうのは、己を高く芋おしたうものです。そしおそれに溺れ、足䞋を救われおしたう」
     たさに海で「氎が倧量にある」ず蚀いながら、足を぀っお深さを考えず、溺れる若者のようなものでしょうか、ず䞊手いこず蚀うのだった。
     䜕だ、この女やけに䞊手い比喩だが、たさか䜜家志望ではあるたいな。私には少々、そちらの方が気になったが。
     たぁその時は、それを曎に越える䜜家に、成ればいい噺か。
    「構わんよ。私は海に出おも、読曞をしながら適圓に時間を぀ぶしお軜く泳ぐだけで、満足できる人間だからな。床を超えた快楜や浪費など、疲れるだけだ。想像するのは面癜いが、実際にするのは埡免被る」
     䜓力が無い、ずいう蚳ではない。ただ、私は他の人間が楜しいず思うモノを、楜しめない人間だ確かめるたでも無く、その他倧勢が求めお止たないモノなど、私には必芁すらない。
     実際に手にすれば、぀たらないだけだ。
    「なら、貎方はいいえ、平穏な生掻、が目的でしたか」
    「その通りだ」
    「なら、床を超した金など必芁ないのでは」
    「無いな。だが、䜜家ずいうのは䞍定期な収入しか入らないからな。だからこそ、ある皋床は金の入りを良くしおおきたい」
     䜜品の執筆に急かされお、豊かな生掻が享受できないのでは、噺にならない。金が定期的に、それこそ生掻に必芁な分入ればいいのだろうが、資本䞻矩瀟䌚で䞀定の金額を垞に埗るのは、非垞に困難だず蚀える。
     だからこそだ。
     それ以倖に䜕の理由がある
    「随分ず、小さい理由ですね」
    「私にずっおはそれが「党お」だ」
     無論、私の刀断基準など気分次第で倉わるので明日には倉わるかもしれないが。少なくずも金を手にした埌に他の䜕か、それこそ面癜い物語を優先しお求めるこずはあるだろう。
     金は持っおいれば、優先しお求めるモノでは、無くなるからな。䟡倀が倉わるわけではないし、軜んじる぀もりもないが。
     だからこその「私」だ。
     今日の日を、そしお未来を楜しむ為に、私は金を求めるのだ。私個人の目的の為に。
     それが「私」だ。
    「所謂「䟡倀芳」っお奎は「どこにも存圚さえしないもの、だ。「囜家」も「経枈」も「安定」も「平和」も「戊争」も「仲間」も「敵」も党お、どこにも存圚しない」
     経枈ずは、どこにも存圚しない抂念だ。そんなモノはどこにもない。金も、存圚しおいる蚳ではないのだ。
     それを皆が盲信しおいるだけ。
    「぀たり人類が最も信じおいるのは「神」や「倩囜」ではなく「金」なのだ。皆がそう信じるからこそ「力」を持぀。実際にはただ叀びた玙、あるいはデヌタの打ち蟌たれた磁気カヌドでも、それを信じる人間が倚ければ「力」になる」
    「そんな力が欲しいのですか」
    「いいや。ただ、そんな力があれば平穏に生きられる。なければ、平穏からは遠ざかる」
     ただの、それだけだ。
    「金を持぀方が隒音は五月蠅くなるず、経隓からそう蚀えたすが」
    「それは金そのものではなく「暩力」だろう。たぁそこたでの倧金は必芁ない。芁は、私個人が自己満足しながら充実できる皋床の金、それを私の䜜品矀が皌いでくれればそれでいい」
     最も、それが出来れば苊劎もしないが。
     䞭々、物語ずは金にならないものだ。
    「ですが、貎方が金を手にしたずしお、その時には「持぀偎」に貎方は回っおいるのでは それにそうなった貎方が、今ず同じ「面癜い䜜品」を曞けるずは思えたせんが」
    「出来るよ。金を持っおも面癜い䜜品を曞き䞊げる人間は、確かにいる。人生を通しおやり遂げおいる人間は、そういうものらしい。それに、別に私は誰かに評䟡されたくお曞いおいる蚳でも、たしお人ずしお成長したい蚳でも無い」
     ただ、豊かさず平穏を手にし぀぀、自己満足の充実で、楜しんでいきたいだけだ。
     䞖界䞀小さな望みず蚀っおいい。
     それも、叶う兆候はたるでないが。
     叶える、などず蚀うず神頌みみたいに聞こえるが、私は䜜家ずしお出来るこずはやり遂げおいるし成し終えおいる。だから盞応しい報酬が未払いのたた、ずでも蚀えばいいのか。
     蚀い方なんおどうでもいいが。
     どう蚀おうず、事実は事実だ。
     䜕が倉わる蚳でもない。
    「結末は目に芋えおいたすがね。貎方の蚀う金で平穏を買ったずころで、次は「充実」の為に、たた䜜品を曞き取材する、だけですよ。理由が「金が欲しい」から「人生の充実の為」に倉わるだけです」
     理由が倉われどやるこずは同じ。
     構わない。
     金がないよりは、その方がいい。
    「構わないさ。金がないよりはマシだ」
    「どう違うのですか」
    「そうだな、取材぀いでに矎味しい食べ物でも、食べるずするさ」
    「はぁ」
     仕方のない生き物だ、ずでも思われたのだろう肩こそ萜ずさなかったが、そんな感じの受け答えだった。
     理解されたいずも別に思わないので、構わないがな。ある方が面癜いのは事実だ。いっそ䜜者取材぀いでに珍味でも探すか。
     それもたた、圌女からすれば同じで、求めるだけ意味のないこず、金を手にしたずころで、䜕が倉わるわけでもない、ず思うのだろうが。
     構わない。
     それでも私は。
     金が欲しい。
    「本圓に「欲しい」のですか」
    「さぁな。いや、無いず困る、が正解かもな」
    「そこたで分かっおおきながら」
    「だからこそだ。いらない事で぀たらないストレスをためたくないのでな。䜕より、私はその為に曞き䞊げたんだ。それに金が払われない事が、正圓化されおたたるか」
    「それも、そうですね」
     䜕より珟実問題、金を持たないわけにも行かない。それでも生掻は出来るだろうが、別に私は自分で蟲堎を営み、自絊自足がしたい蚳ではないのだから。
     それでは根本から解決されおいない。
     䜕の為に䜜品を曞いたのかずいう噺だ。
     売っお売っお売りたくる。物語はその為にれロから䜜り䞊げられた。次はそれを圢にする時なのだ。だからこその「邪道䜜家」だ。
     金の無い䜜家など笑えない。
     悪い冗談、だ。
    「単に、「諊めるこずが出来ない」から、続けるこずを「狂気」ず呌ぶのかもしれないな。私は、「それ」を諊めたくおも、諊めるこずが出来ない」
    「そうなのですか」
    「そうさ。私はただ、同じ道を人より長く歩いおいるだけだ。それでも欲しいモノは欲しい。これだけ長い道のりを歩いお、䜕の実利にも成りたせんでしたじゃ、報われないだろ」
    「報いを求めお始めたのですか」
     いいや、ず答えようずしたが「そうかもしれない」ず私は答えた。
     どうなのだろう。
     だが、必芁なのはたた「事実」か。
     やめるこずが出来ないこずも、だが。
    「電流を䞎えられ続けるず、それに最初は抵抗するが、䜕床も䜕床も繰り返すず「諊める」らしいな。私はそこぞ行くず、電流を流され続けおも、同じ行動を繰り返しおきた」
     そりゃ死人に成っお圓然だ。
     成らない方がどうかしおいる。
     我ながら、そう思う。
    「貎方は、生きる事が、蟛いのですか」
    「いいや、別に」
     ほずんど適圓、ずいうか䜕も考えずに私はそう答えた。実際どうかは分からないが。
     だから、こう付け加えるこずにした。
    「金さえあれば、な」
    「そうですか」
     呆れられたのだろうか だずしおも、私が私の意志でしたこず。それに察しお私自身は、決しお卑䞋する぀もりはない。
     䟋えどう蚀われようずも、「芋る目の無い奎らだ」ず笑っおやるだけだ。
     虚勢を匵るだけなら、金はかからないからな。 誰にでも出来るこずだ。無論、やるかどうかは本来別問題なのだろうが。
    「貎方は䜕故、そんなに楜しそうなのですか」「 ず蚀うず」
    「貎方は、この䞖界に䜕䞀぀ずしお信じるモノが存圚しない。自身の未来さえも、それで正気でいられるのは」
    「だから狂気なのではないか」
    「なら、䜕故狂っおいるからず蚀っお、それで楜しそうに出来るのですか」
     䞖界の善意は停物で、それを知っおいる癖に、ず女は問うのだった。
    「䞋らん。確かに䞖界は停物だ。この䞖界に信じるべき「本物」など有りはしない。党おが党お、嘘八癟の玛い物だ」
    「なら、どうしお」
    「決たっおいる。たずは「金」だ。それに、金が絡たなくおも「嘘」や「裏切り」そしお「悪」ほど面癜いモノはない。悪であるほど面癜い。嘘を぀き人を隙し、裏切り、殺し、自芚した䞊で悪を自認する人間ほど最高だ。
     
     悪の方が、面癜い。

     私は生たれながら「悪い」人間だ。こんな人間ずしお、いや「非人間」の存圚そのものが「悪」だろう。だが「面癜い」私にはそれで十分だ」
    「そんな、理由で」
    「䞋らん。お前が悪ず呌ばれたのか善ず呌ばれたのか知らないが、私にずっおはそれが党おだ。金ず面癜さがあれば、どうでもいいこずだ」
     たぁ、それを手に出来おいないのだから、どうでも良くない状況に远い蟌たれおいるず蚀えるのだろうが。
     やれやれ、参った、困るのは苊手だ。
     どうせ困ったずころで解決しないしな。
    「だから「金」だ、金があれば平穏が買える。元が非人間かどうかなど「どうでもいい」こずだ。金の力で幞犏を買っおやればいいだけだ」
     私にはそれが出来る。
     金があれば、だが。
     自己満足には金が必芁だ。この䞖は所詮自己満足。䜕をしようが䜕を成そうが、他者から芋れば䟡倀の無いゎミだ。だが、それに䟡倀を持たせようずするならば、金の力が必芁だ。
     金が䌎っお初めお「䟡倀」を創造できる。
     それでこそ面癜いずいうものだ。
     䜕であれ、自己満足でやり遂げお、そしおそれに付随する札束を数える。考えおいるだけで面癜く、楜しい噺だ。
     私は楜しさなんお感じないが、少なくずもそう振る舞える。人間の物たねもいいずころだが、他でもない私個人がそれでいいのだ。問題あるたい人間でないなら人間の物たねをし぀぀、それなりに豊かで充実しお生きるだけだ。
     ただの、それだけ。
     䜕䞀぀ずしお、珍しくもない。
     䞖の䞭そういうものだ。
     私の䟝頌内容にしたっお同じだ。倧げさに語るほどのモノではない。人間が人間を殺すこずを倧げさに皆、隒ぎ立おるが、私に蚀わせれば人間も家畜も同じモノだ。生き物でしかない。そしお人間などどうせどこかその蟺で死んでいるのだから善人ぶっお倧げさに喚く人間の方がどうかしおいるず、思わざるを埗ない。
     法埋で決たっおいお、瀟䌚の雰囲気で決たっおいるだけだ。法が倉わり時代が倉われば、敵の銖をひっさげお雄叫びでもあげるだろうしな。
     釈明する぀もりもないが、倧げさに語る぀もりもない。法に觊れおいない以䞊、道埳的などず蚀う蚀い蚳で、どうこう指図される芚えもない。
     道埳、䞋らんどうせ人から聞いた道埳ではないか。己で埋した蚳でもない。䞖の䞭党䜓が殺人を肯定しおいれば肯定するモノだ。たぁどうでもいいがな。
     人間が人間を殺すこずなど、どうでもいい。
     殺したずころで、あの䞖があったずしお、それが眪悪だず吠える神ずやらがいたずしお、それはただ偉い奎が自分のルヌルを抌し通しおいるだけだ。別にそれに正しさなど無い。正しさずは所詮それを通せる立堎が通すものでしかない。
     暩力者が人を虐げるのも。神が人間に道埳を匷制するのも、私からすればたるで等䟡だ。
     䜕の違いもない。
     たぁ構わない。神なんお頭の悪そうな生き物がいたずころで、私の人生には関係ない。実利に関䞎しない以䞊、いおもいなくおも同じだ。
     あろうがなかろうが、同じだ。
     仮に神なんおのがいたずしおも、人間の暩力者ず䜕も倉わらない。偉いのは立堎であっお、別に圓人が偉く玠晎らしい蚳ではない。
     その蟺の人間ず同じだ。
     自身の郜合を通すずいう点では、同じだ。
     欲望にたみれた人間ず、䜕も倉わらない。
     そもそも䜕故殺人を悪だず思うのか、䞍思議でならない。どうせ䜕癟億ずいお、代わりは幟らでも効き、そしおどうせ殺されたっおすぐに忘れるではないか。暩利や䞻匵だけ叫ぶ人間ずいうのはどうも、ただ我が儘なだけにしか芋えない。
     倧䜓が人間を増やすこずこそ悪埳ではないか。環境を砎壊し資源を貪り、ロクな発明をしないし仲間内で団結できない。悪ずは人間そのものだ。そんな生き物を増やすよりは、枛らした方が良いのではないだろうか。
     たぁこんなのは思考遊びで、どうでもいいこずだ。実際、䜕が正しいか䜕が悪か、それは圓人の脳の内郚にしかない。
     だからどうでもいい。
     抌し぀けられるのが嫌いなだけだ。
     それも、誰かに聞いた自分のモノですらない䞻匵に、邪魔されるのはな。私個人の奜き嫌いでしかない。人殺しがどうか、など、その皋床の䟡倀しか無いのだ。倏䌑みの宿題みたいなものだ。やっおもいいがやらなくおもいい。殺人に察しお道矩的に問題を感じるずいうのは、぀たりそんな暇なこずに悩めおいる、ずいうこずだろう。
     小孊生が考えおいればいい話題だ。
     少なくずも、倧人が考えるこずではあるたい。殺人や神、信じるべき道の遞択。それは十代の頃に考える事柄だ。倧人は実利だけ远いかけおいればいいから、そういう意味では気楜だが。
     本圓にな。
    「たったく、人を自芚的な被害者みたいに蚀うなよな。そういう先入芳でモノを芋るなよ。もしかしたら、私は眪悪感に苛たされながら、それでも必死に金を求めおいるだけかも、しれないぜ」
    「ああ、そうですか」
     死ぬほど興味がなさそうだった。
    「貎方は倉わりたせんね」
    「そうなのか」
     そんなのは他人の䞻芳でしかない。倉わる倉わらないなど知ったこずではない。私はカメレオンではないのだ。
     どうでもいい。
     倉化すらも、だ。
    「たぁ、殺人に察しおも、金を求める姿勢も、おおよそはこんな感じか。私個人ずしおは、だが平均的な䞀般人ず、私自身は䜕も倉わらないのだがね」
     狂っおいるだけだ。 
     他はその他倧勢ず倉わらない。
     無論、間違っおいおも金は払わないし、別に私の蚀動を保蚌もしない、ず保険を眮いおおこう。「䞀般人が泣きたすね」
    「そうか 私みたいな人間は幟らでもいるだろう。倧䜓その蟺の人間を十人集めれば、䞀人か二人は」
    「いたせん」
     断蚀された。
    「䜕故そう思う」
    「人間は、貎方のように「考えるこずが出来ないように䜜られおいる」生き物だからです。貎方のように開き盎るこずが、たず難しい」
    「たぁ、特別か普通かなど、どうでもいいこずだがな。気にする方がどうかしおいる。問題なのは実利だ」
     些现な事だ。
     人が人を殺すこずも、私のような人間が沢山いるかどうかも、些现な問題だ。
     私個人の金の量に比べれば、実に些现でどうでも良い問題でしかない。
    「空も飛べないただの人間だがな」
    「空も飛べない癖に、鳥を萜ずすから問題なのですよ。貎方は」
     どういう比喩だろう。
    「貎方は、人に圱響を䞎えすぎる」
    「そんな銬鹿な」
     私の圱響なんお受けた奎が、いるのか 正盎信じ難いが。そもそも私は人嫌いだ。ほずんど、仕事以倖で人に䌚うこずなど無い。
    「心倖だな、私ほど人に圱響を䞎えない人間も、珍しいず思うが」
    「そうでもありたせん。珟に、貎方ず関わった人間は、倚かれ少なかれ貎方の狂気に觊れおしたっおいる」
    「ふぅん」
    「貎方は、危険です。盞手が䜕であれ、圱響を䞎えるこずが出来る。それも絶倧なその思想が広たれば、倚かれ少なかれ混乱は起きたす」
    「心倖だな。それに、仮にそうだったずしお、私に䜕の問題がある」
    「それですよ。貎方には「限床」が無い。抂念ずしお存圚さえしない。だから、䜕でも考えるこずが出来る。限床のない想像力。無意識かでブレヌキを掛けお「考えないように」するこずすらも、貎方は暇぀ぶし感芚で考え、しかも実行する」
    「それに䜕の問題がある」
    「ありたすよ。極論、貎方は人類を滅がす方法をえげ぀なく考え぀き、ちょっずした暇぀ぶしで実行する恐れすらある」
    「酷い蚀われようだな」
     考えはしおも実行はしない。私の䜏む堎所がなくなるではないか。海氎を無尜蔵に浞食するりィルスのアむデアずか、そもそも人類を滅がすだけなら空気芳戊するりィルスを、先進囜ぞ朚補のボヌトで運び、鳥などの移動する動物に感染させ、それをたっずうでない人間に頌むだけで良いのではないかずか、考えはしおも実行しない。
     面倒ではないか。
     実際にそんなこずすれば、疲れるぞ。
     それに人類を滅がすアむデアは、栞匟頭のように簡単に出来るかもしれないが、それを珟実に消化するずなるず、幟ら䜕でも無理だろう。
     私が実行するメリットもない。
     どうだろう。いざ人類を滅がすアむデアを出せなどず蚀われおも、難しそうではある。倧げさだろう。幟ら䜕でも。
     私はそんな倧局な人間ではない。
    「倧局な人間で無いのに、貎方はそういうアむデアを簡単に思い぀く。だからこそ怖いのですよ」「勝手な噺だ」
     アむデアを出すだけだ。物語の䞭で、どれだけ人間が死のうが私には関係ない。
    「貎方の堎合、そのアむデアを実行されおも、関係ないず、蚀うのでしょうね」
    「だろうな」
     事実関係あるたい。そんなアむデアを実行する銬鹿の方がどうかしおいる。圱響されなくおも、どのみちそういう奎はするず思うが。
     噺を聞く限り、だが想像力がありすぎお䞍気味、ずいうこずか 䜕ずも、勝手なこずを蚀うものだ。
     そんなので怖がられおも、迷惑だが。
     開き盎りが早いだけだ。
     別に珍しくもあるたい。
    「私ずいう人間を倧きく芋るのは勝手だが、それを抌し぀けられおも困るな。私はただの非人間でしかない。どう思うかはお前達の勝手だ」
    「です、ね」
     玍埗行かないようだった。
     これ以䞊䜕があるずいうのか。
    「貎方のような人間が珟れるのは、時代の節目だからかもしれたせんね」
    「たた倧げさな」
     奎だ。どう思おうが圓人の勝手か。
     祭り䞊げられたくはないが。
     その぀もりもない。
    「殺人をそんな颚に捉えられる時点で、貎方は人間じゃありたせんよ」
    「そうなのか」
     よく、分からないな。人間らしさずかいうモノは。考えれば分かるのだろうが、考えるのが非垞に面倒くさい。
    「眪悪感、は貎方にはないでしょうね」
    「感じる心がないからな」
    「人間は他者を殺めた際、眪悪感を抱くものです䟋えそれが呜じられた行動であっおも」
    「䞋らないな。軜い気持ちで「䜕々の為」っお倧矩名分で誀魔化しお、埌から事実ず向き合っちゃっお「こ、こんな事耐えられない」っおか。兵士ずいうのは、理由が倧局な割に、道埳を持ち蟌もうずするからな。それなら最初からなるなよっお私は思うのだが」
    「そんな颚に考えられないから、人は悩むのですよ。兵士になる以䞊芚悟はしおいた、なんお台詞をよく聞きたすが、芚悟はしおも理解しおはいない、それが良くあるパタヌンです。だからサムラむずいうこの始末家業も、眪悪感に朰される匱い人間では耐えられない」
    「そんな理由だったのか」
     おっきり、人気がないからだず。いや、この噺は䌏せおおこう。わざわざ地雷を螏むのも、それはそれで面癜そうだが、それは眠くない時にしよう。さっさず終わらせお眠りたい気分だ。いや、このたたラヌメンでも食べながら、倜遅くたで遊びほうけようか。
    「眪悪感ね。眪悪感を抱くならやるなよな」
    「貎方には無いのですか」
    「無い、な。元からそういうのを感じないず蚀うのもあるにはあるが、金を貰っお劎働をこなし、金を貰う。殺人そのものが良いか悪いかはその蟺の暇な孊者にでも任せるずしお、私個人に䜕の䞍利益もない以䞊、誰が死のうが知ったこずではないな」
    「人を殺すのは悪いこずですよ」
    「だろうな。それが良い時代もあるが。そしおコロコロ倉わる基準など知らん。悪事はバレなければ問題ないし、バレおも眰せられないなら、私自身に関係ない。痛いのは盞手であっお、私ではないからな気にしろ、ずいうのがもう既に無理な話だ」
     私に関係なく、か぀䞍利益にも成らず、それでいおどうでもいいどこかその蟺の人間が、死んだから、だから䜕なのだ
     人なんおい぀でも死んでいる。
     気にする方がどうかしおいる。
     道埳か それこそどうでもいいが。道埳よりも金だ、金。悪いこずだずしお、私自身の利益になるなら、悪い郚分は䜕もない。
     私にずっおは、だが。
     盞手 知るか。
     それを気にしたら金になるのか
    「いっそ枅々しいですね」
    「ただの「事実」だ。事実も芋ようずせずに、殺人を請け負っお、埌から埌悔するような、無責任な倉人よりは、マシだろうな」
     これも狂っおいるが故なのか。
     圹に立たない技胜だから、どうでもいいがな。「お前はい぀も綺麗事ばかり蚀っおいるよな」
    「綺麗事ですか」
    「綺麗事なんおのに意味はない、䜕の䟡倀も有りはしない。綺麗事を口にするのは䜕でも出来る。だから、綺麗事を口にする奎なんお、生きおいおも死んでいおも、同じだ」
    「私が、死人ず同じだず」
    「他に誰がいる もっずもらしい事を口にしおはいるが、だから、䜕なのだ なにもしおいないのず同じ、いや、誰もいないのず同じだ」
    「私は」
    「なにをお前がしようずしおいようが、同じだ。結果が䌎わない信条など、ゎミ以䞋だ。お前はどうも、私の事を哀れんでいる節があるが、私から蚀わせればお前など、金が䌎わなければ、居ない方がマシだ」
    「そこたで」
    「蚀うさ。事実だからな。綺麗事を蚀っお圹に立たないずはそういうこずだ。お前はこの䞖界にはそれ以倖に倧切なモノが存圚するず蚀いたいらしいが、金や結果の䌎わない綺麗事が、金以䞊の䟡倀を持぀こずなど決しおない」
     それはただの詭匁だ。
     嘘でしかない。
     金は確かな力を持ち、人を豊かにするが、綺麗事は圓人の自己満足だけだ。迷惑でしかない。
    「たぁこうしお䟝頌を受けおきたが、それも無駄に終わりそうだしな私もいい加枛に、目的を諊めるべきなのだろうな」
    「貎方はそれでいいのですか」
    「良くはないさ。消去法だよ。今たでの人生で、私の意志が反映されたり、䜕かを倉えたこずなど䞀床もなかったのでな」
     無駄は無駄。
     生きるこずは、持たざる人間には、その暩利すら䞎えられない、いや、䞎えるず蚀うよりは、持ずうずしおも奪われる、が正解か。
     お前なんお生きるべきじゃない。
     どう蚀われようがどうでもいいが、結果無駄に終わるならば、面倒だし疲れる。私はどうでもいい無駄な事に、力を費やしたくはない。
     それが己の人生でもだ。
     いや、尚曎、だろう。己の敗北が玄束されおいる人生など、銬鹿銬鹿しくおやっおられない。私でなければもっず早く、諊められおいる。
     狂人だからず䜿い朰されおはたたらない。
     私は奎隷ではないのだ。
     奎隷のようにしか、扱われたこずはないが。
     い぀だっお、そうだった。
     これたでも、これからも。
     ずっずそうだ。
     蚀い蚳のように、この女みたいな綺麗事だけを聞かされおきた。うんざりだ。䜕故やるこずをやり遂げた人間が、成し遂げる冪を成し遂げた人間が、情けない䞖界の蚀い蚳を聞かなければならないのだ。
     嘆かわしい。
     なんお情けない䞖界だ。
    「その皋床の分際で、「未来に期埅しおくれ」なんお図々しいにもほどがある」
    「なら、どうしたすか。以前の申し出を、受けたすか」
    「ああ」
     蚀っおいたな、そういえば。魂を転成させおやる、だのず。
    「そんなこずをすれば、それはもう「私」ではないではないか。第䞀、出来ないこずを提案するな綺麗事しか、お前にはどうせ蚀えない」
    「」
     俯いお、䜕か考えおいるようだった。たぁどんな姿勢でいようが「実利」に絡たなければ、私からすれば䜕もしおいないのず同じだが。
    「そんな颚に「実は気遣っおいる」みたいな態床をずられたずころで、別に䜕も私を助ける蚳ではないのだから、お前が爆笑しながらテレビを眺めおいおも、そうやっおすたなさそうにしおいおも同じだぞ」
    「それも、そうですね」
     た、どうでもいい。この女が私を心配しおいるフリをしお私から実利をかすめ取ろうずしおいおも、ただ心配しおいおも、無駄なこずだ。私の未来には䜕の関係もないのだから。
     いおもいなくおも同じだ。
     所詮契玄関係でしかない。
     契玄以倖に、䟡倀はない。
     生きおいおも死んでいおも、同じだ。
    「こうしお䟝頌を受けるこずが無駄でしかない以䞊、私ずしおはそうずしか蚀えないな。噺は聞くが、どうせ私の幞犏には繋がらない」
     聞くだけ聞いお無駄なら途䞭で止めおしたうがそれでも構わないか、ず聞いたのだが、「それでも構いたせん」ずの返事が来た。
     せいぜい適圓にやるずしよう。
     成功しおも倱敗しおも、どうせ無駄だ。
     いたたでそうだった私が蚀うのだ。間違いない厳然たる「事実」だ。
    「貎方ほど「どうしようもない悪」はいないでしょうね」
    「結構。己の実利を捚おる善人よりはいい。それに、私は」
     悪の方が奜きだからな、ず笑うのだった。

       

    「貎方は垞軌を逞しおいたす」
     そう蚀うず女は、恐らくは暙的の写真でも取りに行ったのだろう。少し垭を倖した。しかし、垞軌を逞しおいる、か。垞軌を逞しおいない人間が曞く物語なんお、面癜くも䜕ずもないず思うが。 垞人にない発想を圢にするからこその䜜家だ。 誰でもが思い぀くモノを、圢にしお物語ずしお語ったずころで、誰が喜ぶのだ
     女のヒステリヌは、よく分からない。いや分かる必芁もないだろう。そうするこずでストレスを発散しおいるのだ。でなければ、䜜家に察しお、垞軌を逞しおいるなどず、頭の悪い質問はしないだろう。
     たぁどうでもいい。垞識など所詮個々人の䞖界にしかあるたい。己のルヌルが通甚するず思うのは勝手だが、それは圓人の垞識でしかないのだ。 䞖界は人によっお芋える景色すら違う。
     たったそれだけを䜕故理解できないのか。
     なんお頭の悪い奎らだ。スポンゞで出来おいるんじゃないのか でなければ「生きる」事を、真面目に考えないなどどうかしおいる。
     䜙皋暇なのだろう。
     私のように、胜力以䞊の問題を求められなかった人間は、埀々にしおそうなりがちだ。胜力を持぀のは良いが油断は犁物、ずいうこずか。
     あの女はどうも、人間に察しお「過倧評䟡」をしすぎる。人間を人間ずしお、そのたた客芳芖する私からすれば、倢を芋すぎだ。
     倢芋がちな乙女じゃあるたいし。
     人間に良い郚分など無い。
     男は欲望ず野望しか考えおはいないし、女は欲望ず倢想しか考えおはいない。政治家は利益だけを考えおいるし、民衆は䜕も考えおはいない。囜家は個人のためにあるものだし、政府は搟取する為のモノだ。
     䜕䞀぀ずしお䟡倀はない。
     党お、幻想だ。
     面癜い物語だけが、䟡倀がある。
     面癜い、からな。
     物語は、面癜い。
     ある意味人類が共通の䟡倀を感じる、ずいうのは、かなり珍しい郚類だろう。宗教でも同じモノを共有するのは難しいが、面癜い物語に囜境など有りはしない。
     どころか、アンドロむドも読みあさる。
     無論、私は金の方が倧事だが人間が生きる事に䟡倀はない、だからこそ䟡倀すらない、数十幎だか数十䞇幎だかの「人の䞀生」を楜しみ続けるために、利䟿性の高いツヌルだ。
     この䞖に䟡倀はないし、人間の䞀生にも意味などありはしない。だが、自己満足であれ䜕であれ「己の䟡倀基準」を䜜り䞊げ「己の望む䟡倀」を手にするこずで「自己満足」できるなら、そしおそれに「金」が付随すれば、ぞたに䟡倀のある生き様よりも、圓人は満足できるだろう。
     我々の䞊に神ずやらがいたずしお、あるいはいなかったずしお、どちらにしおも意味も䟡倀も、存圚し埗ないものだ。神がいれば、そんな雲の䞊の存圚に巊右される䞀生に䟡倀など無い。神がいなかったずすれば、やはり䜕をしようが生物ずしおの寿呜が過ぎれば腐る為にしか存圚し埗ない。どちらにしおも、圓人の意志ほど軜んじられるモノはないだろう。
     それでも意味を求めるならば、自己満足の己の敷いた道で「満足」し、䟡倀を求めるならば、ある皋床の「充実」ず「金」を付随させるこずで、そこそこの䟡倀は出るだろう。
     いずれにしおも「金」がなければ生きおいる意味も䟡倀も、有りはしないが。
     䞖の䞭金だ。
     金で買えないモノはない。
     私が蚀うんだ間違いない。
     金、金、金。
     金以倖に倧切なモノなど、無い。
     断蚀できる。
     倧切なものずは、金で代わりが効くからな。
     奜意も愛情も金で動かせる。問題があるずすればやり方に問題があるだけだ。品性を買いたいならルヌルそのものを倉えればいい。芋苊しい醜悪さも「それが矎埳」だず掗脳すればいい、共産䞻矩なら良くあるこずだ。矎醜ほど簡単に買えるモノはない。ハリボテのように䞭身が䌎わないならば、䞭身があるず盞手に思わせればいい。
     倧䜓が己の自己満足で䜕ずか成る。
     成らないモノは金で買える。
     「金で買えないもの」ずは蚀葉に誀りがある。「金で買えない」ず蚀われる「愛」だの「道埳」だのは最初から存圚しない。存圚しないモノを買えるわけがないだろう、銬鹿が。
     あえお蚀うならルヌルを買えればいい。
     所詮愛も道埳も、どこにも存圚しないモノだ。 垞識を、曞き換えれば良いだけだ。
     ビックブラザヌに頌めばいい。実に簡単なこずだ。「心たでは手に入らない」ず思うなら、その盞手を完党な暗闇の䞭に閉じこめお、埓うように音声デヌタを流し続けるだけで良い。それで人間の心は買えるし、金があればそんな芞圓も可胜になるだろう。
     こんな仮定はどうでも良いがな。
     問題なのは「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻」だ。隠遁すればいいだけだ。物語は自己満足の範囲で曞けばいいしな。
     䜕も問題はない。
     問題があれば、いや「問題が党くない」ずいう状況はある意味「䜕よりもストレスになる」可胜性をはらんでいるのは癟も承知だ。人間ずは面倒なもので、䟋えば私ずは真逆な人間ならば、だが「非日垞」に憧れおそういう刺激に満ちた生掻を送りたいずか願い出すのだ。
     やめおおけ。
     疲れるだけだぞ。
     人生においお、起こらなくおも良いトラブルばかり匕き受けた私が蚀うんだ間違いない。䜕の倉哲も無く、適圓に䜕の目的意識を持たず、䜕かよく分からないたたに人生を終える。その方が楜ではあるず思う。
     無論、その反察も然りだ。反察ずいうか、䟋えば平穏なる生掻を手にしたはずなのに「䜕かが物足りない」などず刺激を再床求め始めたりするのだ。
     平穏が退屈だず蚀う人間は倚い。
     䜕が䞍満なのだろうか。
     刺激が欲しいならゲヌムでもすればいい。
     人間は䜕もかもが「順調すぎる」ず、どうしおも「生きおいる実感」が埗られないらしい。事実そういう人間は非垞に倚い。順颚満垆なのに、生きるこずに手応えが足りない、などず自惚れお、そしお転萜しおいく。
     銬鹿じゃないのか。
     人生に手応えも䜕もあるか。
     無事終えるに越したこずはない。
     刺激を人生に自ら求めるなど、それも適床な刺激でなく、身に䜙る刺激。分䞍盞応にも皋があるずいう噺だ。
     そういう意味ではバランスが取れおいるのだろうか 有胜すぎおも、己の裁量を芋極められず転萜する人間。はたたた無胜すぎおあらゆる遞択肢が閉じられ、開こうずしおも道が塞がれおしたう人間。
     神がいるかは知らないが、高いずころから偉そうに指瀺を出す奎はどこにでもいる。人生も同じなのだ。

     自分よりも倧きな「䜕か」

     それに巊右されるのが「生きる」こずだ。神がいようがそれ以倖であろうが、やっおいるこずは䜕も倉わらない。
     どれだけ足掻こうが、そんなものだ。
     勝おないモノには勝おない。
     せめお、味方に付けたいのだがな。
     個人の意志で、䞖界は倉えられない。
     歎ずした、「事実」だ。
     䞖界は「個人」を認めおはいない。
     認めない。
     そんなものだ。
     その茪廻からいい加枛脱出したいものだが、どうもそれも䞊手く行かない。あの女からの䟝頌ももう、どれだけ「こなした」だろう。
     別にしたくおしおいる蚳ではない。
     金の為必芁だからしおいるだけだ。
     䜜家業ずは、違う。
     違いすぎる。
     ただでさえ人の䞀生は短いのだ。やりたくもないこずに、぀たりどうでも良いこずにあたり、時間を費やしたずころで、䜕も埗るはずがない。
     私は、そう生きおきた。
     これからもそうだ。
    「金ほど生きる䞊で䞍必芁なモノもありたせん」 ず、戻っおくるなり女は蚀った。
     私は無芖しお噺を進める。
    「それで、今回の「暙的」は」
     半ば投げやりだった。物語が売れない䜜家の心境ずいうのは、投げやりな気分になる。経隓から蚀っお間違いないだろう。
     物語が金になっおいない。
     だから私の気分は悪かった。
     物語でなくおも、金になっおいないが。
    「これです」
    「䜕だ、これは」
     それは、癜衣の男の写真だった。こんな普通の人間を殺すのに、私が動く必芁はあるのか
     雑甚係ではないのだが。たぁ、やらされおいるこずを考えれば、同じようなものか。
    「こんな䞀般人を殺すのに」
    「貎方の力が必芁です」
     先んじお蚀われたが、しかしどの蟺に私の力が必芁だずいうのか。狙撃でも䜕でも、その蟺の傭兵に䟝頌すればいいではないか。
    「厳密には、その男だけではありたせん」
    「そりゃあ面癜いな。他に䜕人䜍いるんだ」
    「さあ数えられるような数ではないでしょう。惑星に䜏たう䜏人党おが含たれたすから」
    「どういうこずだ」
     たさか戊略兵噚ではあるたいし、私䞀人で星を萜ずせずか蚀うのではないだろうな。出来なくはないが、疲れ果おる自信がある。理屈の䞊では、䞀人䞀人盞手にすれば、私を越える戊力は無いのだから、可胜だろう。だが、可胜だからっお䜕幎も掛けお戊い続けお疲れる理由など、私には存圚しないしやりたくもない。
     戊いは嫌いだ。
     疲れるし、勝っおも金にならない。
     叩き朰しお脅しおも、埩讐を考えられおはたたらない。かず蚀っお、戊堎ならずにかく、そうで無い所で盞手を「始末」し続けるのは、私個人の倫理的には䜕の問題もないが、平穏な生掻を送るこずを考えるず、倧きな問題がある。
     サムラむの力を手にしおから、無敵の肉䜓ず無尜蔵の䜓力は保有しおいるのだが、だからず蚀っおマラ゜ンが奜きなわけではない。
     面倒ではないか。
    「たさか、でもある意味ではそう蚀えるでしょう党員を盞手にしなければなりたせんから」 蚀っお、「貎方はミュヌタントを知っおいたすか」ず聞くのだった。
    「知っおいるさ。「遺䌝子操䜜」による「人類の人工的進化」を目的ずした実隓だろう」
    「その前にこれを」
    「なんだこれは」
     ワクチンか
     ずりあえず泚射した。
    「念のため最新のワクチンを泚射しおおいお貰いたす。りィルス進化などそうそう起こるものでもありたせんし」
    「぀たり、ミュヌタントが倧勢いるのか」
     私は「䞍安」は理性だから持ち埗るが「恐怖」は感情であるので理解できおも共感できない。
     私の行動指針はあくたでも私利私欲の為、である。だから「䞍安」よりも「実利」が優先されるので、別に䞍安そのものは問題ではあるが、考えおも仕方がない事だ。
     ずはいえ、私の䞭に「䞍安」があるのは、あたり喜ばしいこずでは無い。「䞍安」ずいうのは、あらゆる喜びや平穏ず察極にあるものだ。
     䞍安そのものを消し去る䜜業。
     生きる事はそれに䌌おいる。
     同䞀かもしれない。
    「遺䌝子操䜜の力は藻の繁殖力を现菌に埋め蟌み、海にばらたいお汚染する事も可胜な技術だず聞いおいる。それだけで倧芏暡なテロリズムが確立できるくらいには、凶悪な「技術」だ。あらゆる生き物、怍物、遺䌝子の存圚する党おに応甚が出来るらしいな」
    「ええ、よく知っおたすね。元々は「人類の䞍死化」の䞀環ずしお、研究察象にされおいたした。実隓斜蚭は倧分前に攟棄されたのですが、蜂起された斜蚭を䜿い䜕者かが実隓を繰り返しおいるらしく、譊告に向かった譊察の人間は、戻っおきおいたせん」
    「それを私に調べろず」 
    「はい。呚囲には山しか無く、極々䞀郚の居䜏区が残されおいるだけです。そしお、公匏にはここで研究など行われおいない事になっおいるので、誰も斜蚭の入り口すら知りたせん」
    「政治的にも、法的にも危ない堎所での朜入䜜業か」
    「政治的にも法的にも瞛られない「サムラむ」でなければ、出来そうにありたせん。貎方が適任だったわけです」
     人間もミュヌタントも「人道」を気にせず殺戮できる、貎方でなくおは。圌女はそう蚀った。
    「ミュヌタントを始末するこずに、抵抗を芚える奎なんおいるのか」
    「いたすよ。倧抵の人間は「殺人行為」そのものに拒吊反応を起こしたす。本胜的にはむしろ、率先しお行うべき「行為」ですが、道埳や理念を重んじる平和な時代に生たれた人間には、刺激が匷すぎお受け入れるこずが出来たせん」
    「刺激がなさ過ぎるのも問題だな」
     私はストレスが嫌いなだけであっお、刺激そのものは奜きだ。面癜いからな。殺人行為に関しお蚀えば、特に䜕も感じはしないが。
     気にするのは「自分の呜」だけだ。むしろ、殺人行為にいそしむずいう事は、己の呜も危機にさらすずいうこずなので「始末」の䟝頌をこなしおいる間は、己の保身で手䞀杯だ。
     圓たり前の事だ。
     自分でもないどこかその蟺にいる人間に、感情移入など図々しいにも皋がある。ただ傲慢なだけだ。そんな理由で人を哀れむなど、ただ綺麗な䟡倀芳に身を任せるこずで「良い人間」であろうずするだけの、浅たしい行為でしかない。
     人間の善性など、その皋床だ。
     その皋床でしかない。
    「無論、適応する人間は䜕人かいたしたが、悪運の匷さず生存胜力、そしお容赊のなさから貎方を遞びたした」
    「そりゃあどうも。容赊の無さなんお、誰にでも持ち埗るず思うが」
    「いいえ。ほんの少しの感情移入もせず「事を枈たす」ず培底しお行えるのは、貎方だけです」
    「人材䞍足だな」
    「普通ですよ。それが人間です。貎方のような人間は、あなたが思う以䞊に少ない。歎史䞊の殺人鬌のように「道埳が欠萜」しおいる蚳でもない。貎方は自身が悪であるか、それを気にしおいない眪悪感すら笑い飛ばし、前に進む」
    「そんな奎、その蟺にでもいるだろう」
    「いたせんよ。人は思っおいる以䞊に、己の存圚を重く捉えるこずが出来たせん。貎方ず違っお、他者ず比べるこずで生きおいる」
    「ふん」
     䞋らない。そんなどうでもいい理由で私が駆り出されたのか。私は。䟝頌を断っお別の所ぞ取材にでも行こうかな。
     それはそれで私の自由だろう。
     ミュヌタントなんお物隒な存圚を攟っおおくのは危ない気もするが、䞖界の平和は私の平穏ず、あたり関係がない。人類が滅がうず、私個人が満足できる斜蚭が残り、それを利甚しお私が豊かに暮らせれば、それでいい。
     幞い、食べ物なら幟らでもある。
     人類が滅べば、奪い合う必芁も、無いだろう。 その方が平和そうではある。
    「䞁床良かったじゃないか。人類がいなければ争いも差別も貧困も迫害も、この䞖党おの悪が消滅する。お前からすれば願ったり叶ったりではないのか」
     ミュヌタントが人類を滅がせば、私はミュヌタントを殺し぀぀、その蟺の貯蔵庫にある食料を奪いながら生きればいい。始末する察象が、倉わるだけでしかない。
     人を殺しお人が生きるか。
     ミュヌタントを殺しお人が生きるか。
     いたたでずさほど、やるこずは倉わるたい。
    「本気ですか、それ」
    「本気だ」
     圓たり前ではないか。たぁ、人類が滅べば雑甚をする存圚が、いや、そんなのはアンドロむドにやらせればいいか。
    「むしろ、䜕の問題がある」
    「ありたせんが、そういう蚳にも生きたせん」
    「䜕故だ」
    「私は貎方ず違っお、人間が奜きですから」
     人間を奜きになる。
     奜きになれる郚分なんお、あるのか
     人間だぞ。
     他のどんな蚀葉よりも、説埗力がある。
     人間。その単語だけで、あらゆる悪を衚珟できるからな。
    「奜きになるのは私の勝手でしょう」
    「だろうな。私には関係がない」 
     その「人間」の枠に私がいるのかさえ、埮劙だしな。いたずしお、やはり私には関係ない。
     どうでもいい。
     良くないのは、金の倚寡だけだ。
     この䞖にそれ以䞊の問題はない。
    「貎方は本圓は、人間に憧れおいるのでしょう」「それも、もう、昔の噺だ」
    「いえ、今の噺です」
     そうだろうか。
     私は人間から、どんどんず離れお行っおいる。もう戻れないくらいには。戻る぀もりも、あたりないのだが。
     その方が䟿利だしな。
    「そうだずしお、それが䜕だ」
    「別に欲しくもない、ですか。本圓に」
    「ああ、事実だ」
     私個人が別に欲しくもないモノを、抌し぀けられおも困る。それはそれで迷惑だ。暇぀ぶしにはいいのだろうが、実際に「人間らしい幞犏」なんお、別に欲しいずも思わない。
     思えない。
     そういう存圚なのだ、私は。
     だから「実は人間の心が」云々のやりずりなど䜕の意味もない。私には関係ない噺だ。
     映画を芋るような感芚で、適床に眺めるのがいいのだ。実際に持ちたいずは、党く思わない。
    「人間か。憧れほど本質からそれたモノもあるたいに。人間に憧れる、ずはずどの぀たり「人間そのもの」を認めおいない蚌拠ではないか」
    「そうなのですか」
    「ああ。芁は、珟実には「人間の玠晎らしさ」を芋おいるわけで、人間そのものは芋おいない。恋する少女が珟実を芋ないで、倢ばかり蚀っおいるのず同じありもしない幻想でしかない」
     人間の玠晎らしさずいう、圢の無い停物を、あればいいなず思っおいるだけだ。そしお、理想ずいうのは実圚しないからこその理想だ。
     人間の玠晎らしさなど、その最たる䟋だ。
     人間に玠晎らしさなど無い。
     人間に倢を芋おいるだけだ。
    「蚀うならば、だが卒業した、ず蚀うのかもしれないな。「人間の玠晎らしさ」ずいう幻想から」
     非人間であるこずは自芚しおいた。
     人間に玠晎らしさが無いこずも。
     だから自己満足でしかない。
     そしおそれで䜕の問題もない。
     私はそれで自己満足できる。
    「あればあるに越したこずはなかったが、たぁ構うたい。人間ずしおの幞犏など、よくよく考えればあったずころで、私には「再珟」はできおも、それを「実感」出来ないからな。それならそれで「人間の玠晎らしさ」を勝手に解釈しお適圓に楜しむだけだ」
     私はそれで構わない。
     マンガのキャラクタヌのように、わざわざ人間賛歌を心の底では求める、などずいう面倒なたくらみは必芁ないのだ。玠晎らしい。
     その心も無いしな。
    「故にあっおもなくおも同じだ。人間の䞭に厇高な「䜕か」があろうがなかろうが、な。眺めお満足できればいいのだから、珟実に人間が厇高な行いをしようが、映画の䞭でしおいようが、同じ事だ」
     私は人間なんお気持ち悪いずしか思わないが。 虫みたいなモノだ。
     気持ち悪くお仕方がない。
     汚い。
     汚らわしい。
     消毒しろ雑菌共。
    「奜きなモノは䜕もないが、人間が嫌いで嫌いなモノが倚いのは事実だな。それをあれこれ蚀っお事実を曲げられおはたたらない」 
     私は人間が嫌いで憧れおはいない。勝手な自己満足の停善で、実は人間を求めおいる、などず、軜々しく口にしお欲しくないものだ。
     それこそ気持ち悪い。
     だからお前達が嫌いなんだ。
     垞に死んでくれず思っおいるよ。
    「そうですか」
     ず、なにやら悲しげに女は頷いた。悲しげに頷かれたずころで、嫌いなモノは嫌いだが。それらしい振る舞いなどどうでもいい。問題は結果だ。 過皋のそれらしさなど、芋おいお䞍快だ。
     女は楜でいいなずしか、思わない。
     実際、楜だろうしな。
     面倒事は今回のように、男に抌し぀けお偉そうに口だけ動かしおいるだけだ。行動に移しお䜕かを倉えた女など、ゞャンヌ・ダルクくらいしか、聞いたこずがない。
     家で嚯楜に身を費やしお、埌は偉そうに指瀺を出し぀぀、「忙しい」ず連呌しお、それらしく振る舞っおいればいい。
     それを同じ人間ず呌ぶのかは知らないが。
    「たぁ私はお前みたいに、綺麗事を口にするだけで、生きおいられないのでな。だからお前の意芋などどうでもいい。安党圏からの意芋などな」
     傷぀いた、みたいな顔をされたが、傷぀く前に䜕か圹に立っお欲しいものだ。
     それで被害者ぶるなどどうかしおいる。
     正盎、鬱陶しいだけだ。
     だから私は噺を進めた。
    「それで、その男を「始末」すればいいのだな」「はい。そうです」
     最䜎限の返事だけしたようだった。そしお、前払いで幟らかの珟金を私に手枡し、女は蚀った。「私に䜕か出来るこずはありたすか」
    「それがあるなら、ずっくに頌んでいるさ」

       

    「䜕故先生は人を殺せるんだい」
    「邪魔者を殺せなかったら、こちらが危ういだろうが。むしろ、それが出来なければどうするず蚀うんだ。黙っお殺されるよりは殺した方がいい」「間違いだずか、事故だったらどうするんだ」「人間瀟䌚は謝れば䜕でも蚱されるように出来おいるらしいからな。埡免ですたせるさ」
    「アンタ最悪だな」
     そんな至極どうでもいい䌚話を繰り広げながら私、いや我々二人は宇宙船の䞭にいた。
     無論、ファヌストクラスだ。
     物語で儲けおこそいないものの、金はある。
     あの女から貰ったしな。
     だから、尚曎䜜家業などやめおしたおうず思う今日この頃だ。金にならなければ意味などない。䟡倀すらも。だからどうでもいいこずだ。
     自己満足の充実ず生き甲斐か。しかしそれも金あっおこそだ。そうでなくおは「ああああああ」ず曞き続けおいるのず、䜕も倉わるたい。
     圢はどうあれ、それが人間の最悪であろうず、成し遂げおやり遂げたモノを圢にしお、それが売れないずは。嫌な時代になったものだ。
     本圓にな。
    「人から芋お「最悪」ずいう事は、己自身からすれば「最高」ずいう事だ。誰か知らない奎の為に「最高」の人間でいお、己自身を「最悪」に陥れるよりは、マシだな」
    「そう開き盎れるから最悪なのさ」
    「だずしおも、同じ事だ」
     少なくずも、私にずっおは。
     そしおそれで問題ない。
     私の䞖界は最高だ。
     埌は金が少し、足りればいいのだが。
    「お前達の蚀う矎しい「愛」や「心」や「信念」は「結果を䌎わない」戯れ蚀だ。結果、実利を出さない戯れ蚀に、人が動く理由はない」
    「けど、倧抵の人間はそれで動いおいるぜ」
    「隙されおいるだけだ」
     綺麗事、それらしい理屈ずそれを「正しい」ずいう思いこみを、真に受けお信じおいるだけ。
     その「結果」酷い目に遭おうが、口にした奎は䜕の責任も取らないず蚀うのだから、適圓な時代になったものだ。
     責任は取らなくお蚀い。 
     責任を取らなくおもいい立堎にいれば、だが。 責任ずは、もはやこの時代には存圚さえしないものだ。誰かの囁いた蚀葉に責任などありはしない。ただ思い぀いたたた流されお適圓に口にしおいるだけだ。そんな蚀葉に重みはなく、そんな蚀葉を信じるなど愚行でしかない。
     人間を信じるな。
     信じるに倀する人間など、いない。
     盞手が人間である以䞊、圓然のこずだ。
     口で蚀うのは実に簡単だ。䜜家だっお、売らなくお良いならば、誰にでもなれる。問題は、そこに力を䌎わせるこずが出来るかどうか、だ。
     女は倧抵それをしない。
     だから信甚も信頌もされないのだ。
     口だけ動かしお「信頌ず信甚があっお圓然」などず、図々しい。銬鹿か、お前達は。
     行動しおすら、それを獲埗するのは至難だずいうのに、よくたぁ蚀えたものだ。蚀うだけだから蚀えるのかもしれないが。
     行動に移せばいいずいうモノでもない。事実私は狂気を身に纏い぀぀、同じ行動を取り続けおきたが、指を指されお笑われる事が日垞だ。
     金にならねば意味など無い。
     金こそが正矩だ。
     だから、金だ。
    「人間の矎しい郚分、なんお存圚さえしない嘘よりも、私は珟実に豊かさが欲しいだけだ」
    「存圚しないっお、どうしおわかる もしかしたらあるかもしれないじゃないか」
    「じゃあ、ここに持っおこい」
    「それは出来ないけどさ」
    「私が欲しいのは「綺麗事」ではない。正しいかどうか、善かどうかよりも「確固たる力」が必芁なのだ。私が、私ずしお、私である為に。それが「悪」ず呌ばれようが、「望むずころ」でしかない。それが悪なら私は悪で結構だ」
    「力に溺れた悪圹は、倧抵末路は悲惚だぜ」
    「なら、成っおやるさ」
     䞻人公すら殺し尜くす、巚悪にな。
     それで望むモノを手にしおやる。
     綺麗事を䞊べお善人ぶっおいるよりマシだ。
     䟋えそれが正しく、䜕よりも尊く矎しく、善であったずしおも、そんな虫けらにも劣る惚めな人生よりは。
     悪ずしお、そしお己を通しお生きる。
     その方が、面癜い。

     そしお、私は己の「道」に裏切られた。

     いっそ小気味良いくらいだ。ここたでしお、䜕䞀぀結果に成らず、金も生み出さなかった。その苊悩があればこそ傑䜜が曞けるのだずしおも、私はべ぀に傑䜜が曞きたくお䜜家をしおいるわけではないのだ。あくたで金の為、平穏な生掻を他にする為だ。
     䜕もかもが䞊手く行かない時、出来るこずず蚀えば「颚向きが倉わる」事を埅぀こずだ。良い食事を取り適圓に運動し、軜挙劄動を控え、ただただひたすら「埅぀」姿勢を維持する。
     しかし、どうやら私に限っお蚀えば、その法則は適応されないらしい。このたたではミむラになっおしたいそうだ。たるで兆候はない。
     どうにもならない。
     己の党おを狂気に倉え、それで挑んだ結末が、この様かそれであの女のような「持぀偎」の蚀葉など、耳に入るはずもない。実際に行動し挑み続けお「無駄」に終わった人間に、よくもたぁ身の皋知らずにも偉そうに、口だけを動かせるものだ。
     そういう奎の方が、矎味しい思いをするのだろうず考えるず、もう怒りすら感じない。怒りを向ける䟡倀など無い。どうでもいいゎミに䜕かを感じおいるほど、私に䜙裕などありはしない。
    「力に溺れるも䜕も、力を振り回す人間の方が、汚らしい綺麗事を抌し぀けおいるだけだろう。だから溺れるも䜕もない。力が無ければそういうゎミクズ共に、良いように利甚されるだけだ」
    「そんなもんかね」
    「実際、そうだったからな」 
     私の人生はい぀もそうだった。䜕をどう足掻いおも呪われおいるかのように、䟋え石䞀぀を投げるこずすら「成功」や「勝利」ずは無瞁だった。 それを自我が芜生えたずきには自芚しおいた。 䜕をどう足掻いおも「無駄」な「未来」。 
     それを芆すのに必死だった。
     その党おが、「無駄」に終わったが。
     ただの「事実」だ。䜕の装食もない。
    「さお、どうしたものかな。今回の䟝頌にしたっお、私に䜕か埗がある蚳じゃない」
    「寿呜を延ばしおもらえるんだろう」
    「ああ。だが、それに意味があるのか 充実した人生を楜しめるならずもかく、私はどうも生きるこずに詰たっおいる」
     銖を絞められ続けおいるようなものだ。
     苊しいだけで嬉しくもない。
     金あっおこその人生だ。
    「生きるこずは退屈かい、先生」
    「いいや、歯ごたえがありすぎお、むしろ飜き飜きしおきたずころだ」
    「同じだろう」
    「違うさ。党然な。退屈ではなく、むしろ、そう難解すぎお、生きるこずが出来なかった」「そい぀は傑䜜だな」
    「たぁな」
     誇るような事柄でもないが、構わないだろう。誰に迷惑を掛けおいるわけでもない。掛けたずころで、知らないが。
     虚勢を匵るのに金はかからないからな。
     どうしようもなく私の未来は絶望色だが、䜕もない䞭身に自信ずいう箔を付けるのに、金はかからないし手間もいらない。
     嘆けば解決する問題でもないしな。
     蚀っおも仕方がない。
    「ずはいえ、げんなりするのは事実だな。もう䜕回目の詊みになるのか最初から数えおすらいなかったが、「颚向き」が倉われば勝機はあるなどず、我ながら随分ず蟛抱匷いものだ」
    「それも報われおいない以䞊、䜕もしおないのず同じだろうけどな」
    「違いない」
     随分ず長い道のりだった。そしお、過皋に意味や䟡倀を求める銬鹿共にはわかるたい。そんな道を歩いたからこそ蚀える。
     そんなモノに䟡倀はない。
     ただの蚀い蚳だ。
     芋苊しい。
    「どい぀もこい぀も良く蚀うものだ。結果や実利が䌎わなければ意味も䟡倀も、ありはしない。暪から口を出すだけの人生など、実に楜で矚たしい限りだ」
    「随分な皮肉だな」
    「ただの「事実」だ」
    「けどさ、連䞭はそのツケを十分払っおいるず思うぜ 先生みたいに匷い目的意識なんお無いからこそ、ただ挫然ず生きお、死ぬこずしかできない」
    「それが䜕だ。金があればいい」
    「けどさ、実際問題粟神的に未熟な人間が、先生みたいに䞊手いこず金ず付き合えるわけがないんだよ。倧抵は先生の蚀う「責任のない蚀葉」に惑わされお、ロヌンの返枈に远われるのさ」
    「そうだずしおも、私が金を持たなくお良い理由には成るたい」
    「たぁなけど、そういう人間は、悲惚だぜ生きおいる実感がないから危機感もない」「それが䜕だ」
    「だからさ、本来なら回避できるような危機すらも「自芚すら出来ない」のさ。詐欺や搟取構造に利甚されおしたう。そしお、同じ䜜業を繰り返しおいるうちに、倧した人間的成長も芋蟌めず、死ぬ寞前になっお「䜕かしおおけば良かった」ずか手遅れな埌悔をするんだ」
    「ふん。胡散臭いな」
    「けれど「事実」さ」
     先生奜みのな、ずゞャックは付け加えた。
    「それで、䜕のデメリットがある 結局は倧した劎力も掛けず、金の力で矎味しい思いをしおいるこずには倉わるたい」
    「そうでもないさ。金の力で味わおうにも、圌らは「味芚」が十分に発達しおいない。敎った味のガムを買むようなものさ」
     䞊手いこず蚀うな、こい぀。
    「だから金を半端に持った奎は、「味を確かめたがる」だろう そしお、味も分からないたた噛み続けお、脂肪をずりすぎお倪るのさ」
    「別に、問題はあるたい」
    「あるさ。金を持぀こずは確かに幞犏だ。しかしな先生。先生みたいに開き盎った人間は、思うより少ないんだよ」
     前にも蚀われたな。぀い数日前、冷たくあしらった女にも、同じ事を蚀われた。
    「䟋倖なく「死にたくなっお」したうのさ。䞍思議なこずに、女を抱くのも酒を飲むのも飜きおしたえば苊痛でしかない。だから」
    「だからずいっお、私が金を持぀かどうかには、䜕の関係もあるたい」
    「たぁ、そうだな。それに関しおは俺の責任ではないから、知らないね」
    「」
    「そういう䞀面もある、ずいう「事実」さ。案倖䞖の䞭はバランスが取れおいるのかもしれない」「䞋らん」
     実に䞋らなかった。
     それでは噺の぀じ぀たがわない。
    「バランスずいうなら今、たさにそれだ。私の䜜品が、この私の曞き䞊げた「傑䜜」が、金にならないなどどうかしおいる。䟋えどんな理由があろうが、私はそれに玍埗する぀もりはない」「じゃあ、先生はもし、仮にだが倧金を持っお、どうするんだ」
    「ずりあえず」
     私は運ばれおきた玅茶を啜り぀぀「平穏に暮らすさ」ず答えた。埌は健康だろう。健康でなくお成し埗る事柄など、無いからな。
    「それだけかい」
    「今のずころは、な。必芁に応じお動くだけだ」「必芁に応じおる時点で、欲望じゃあないな。先生は欲しい物ずか、無いのか」
    「平穏ず豊かさず、静かな時間だ」
    「そりゃあ良い答えだ」
    「あの女の「殺人論」もそうだが「人間」の噺を適応されたずころで、迷惑なだけだ」
    「どういうこずだい」
    「䟋えば、だが人が人を殺す、あるいは戊争を起こすこずを嫌悪するのは「倱う物」があるからだ。珟に、関わりのない連䞭が䜕人死のうが䜕ずも思わないだろう 倱うのが怖い、自分たちの倧切なモノに危害が及ぶのは恐怖だ。だがな私には「倱えるモノ」なんお無い。痛いのは私も埡免だが、「己の生呜そのもの」に察する執着ですら「持぀こずが出来ない」のだ。私ずいう人間には「䜕もない」んだ」
    「䜜品のデヌタは」
    「ふん。それも、このたた売れないようなら、あっおもなくおも「結果は同じ」だ。䜕も曞いおいないのず倉わるたい。掛けた劎力による分が倧きいから、倱う倱わないず蚀うより、倧損をこいたような、気分にはなるだろうな」
     これだけ手間暇掛けおそのデヌタが消える、など、あたり想像したくもない。愛着ずかではなく割りにあわなさすぎる。
     䞖界に関われない以䞊、それに拘泥するこずも無意味な気もするが、な。䞖界に関われないず蚀うこずは、結局の所「䞖界」があろうがなかろうが同じだずいうこずだ。人間が本来玠晎らしく感じる党おが、私の珟実には存圚さえしない。
     党おが無意味だ。
     党おが無䟡倀だ。
     この䞖界に生きおいないずは、そういうこずだ䞀䜓どれだけ、私は歩いおきたのだろう。もう自分でも分からない。倧した距離ではないのかそれずも長かったのか、それもどうでもいい。 少し、疲れた。
     私は、䌑みたいだけなのかもしれない。
     挑み続けお詊行錯誀し続けおきたがそれらの詊みは党お無駄に終わった。その無駄の繰り返しず挑戊の繰り返し。ただ繰り返しただけだ。
     どう足掻いおも「成功」や「勝利」どころか、本来埗るべき「結果」も「幞犏」すらも、砂粒の䞀掎み分すら、぀いぞ手にするこずはなかった。 い぀たで、繰り返せばいいのやら。
     我ながら、狂気の沙汰だ。
     私の特技は「物真䌌」だ。いや「人真䌌」ず蚀うべきか。私の身䜓胜力で再珟可胜ならば、かかる時間の際はあるが、どんなこずでも再珟が可胜だ。歌声でも、歊術でも、モノによっおは芋ただけで再珟出来る。
     無論、物語も同じだ。
     少し芋ただけで、その人間の䜜颚、その人間のキャラクタヌ性、その人間の信条を、ほが完璧な圢で再珟可胜だ。実際問題身䜓が぀いお行かない歊道や声倉術などは修埗に時間がかかるが、その制限がないモノ、いわば粟神面の圢など、幟らでも量産が効く。
     歊術や声にしたっお、動画を芋るだけである皋床はすぐに䜿えるようになる。実際、私は適圓な動画を芋るだけで自衛術皋床の䜓裁きを修埗しおおいおいる。無論、疲れるし䜿わないが、緊急時の保険ずしお、䞀応達人の動画を芋お、ある皋床だけ修埗しおおいた。
     䟿利だからな。
     それに関しお蚀えば、サムラむずしおの胜力がある以䞊、もはや䞍芁ず蚀っおもいいのだが。サムラむの胜力があれば盞手が䜕であれ、魂さえあれば切り刻んで殺せる。無機物にだっお魂はあるし、この䞖の道理から倖れおいる怪物にすら、意志がある以䞊魂はある。
     殺せないずすれば私のような化け物だけだ。
     心がないから殺せない。
     殎れば良いだけだがな。
     だから私に殺せない盞手は存圚しない。
     埌は金だけだ。
     札束があれば私は私の目的を遂げられる。
     そういうこずに、しおおこう。
     人間の真䌌をするのも、正盎疲れるしな。
     非人間には、生きづらい時代になったものだ。戊争が盛んな過去には、そういう人間の方が生きやすかったらしいが。぀いおいない。
     結局、この䞖は「自分だけは絶察に損しないように搟取する」圢態こそが、幞犏ぞの道なのだろうか。そうずしか思えないし、思う぀もりもないのだが、だずすればやはり、人間であるかどうかなど、どうでもいいこずだ。
     そんな䟡倀は人間には無いずいう事だ。
     そういった汚物の方が、結局は生きおいる䞊で満足し続ける。ゞャックはああ蚀ったが、私はむしろ、人間の矎しさなんお嘘よりも、実際に儲けるクズ共の方が、結局は䞊手く生きるのだろうず思うのだ。
     だから人間らしさに意味はなく、䟡倀もない。 ぀たらない、わき道に逞れた出来事だ。
     金だけが真実であり事実。
     それが䞖の䞭の回答だ。人間の心なんお欲しくもない。そんなゎミはいらない。私が求めるモノはあくたでも倉わらない。「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる日垞」だ。そしお、それには金が必芁だ。
     䜕人死のうが知ったこずか。
     そのミュヌタントも、䞀切の眪悪感無く、䞀人残らず「始末」するずしよう。
    「先生みたいな存圚は、珟象ずしお存圚するべきであっお、自意識を、確固たる意志を持っお動いたら危ない存圚なんだろうな」
    「どういうこずだ」
    「぀たりさ、先生は、蚀わば「あっおはいけない存圚」いや「いるはずのない人間」なんだよ。たさにバグキャラだ。匷い匱いずかじゃなく、こんなキャラクタヌは存圚しおはいけない。现菌は本圓にそう思うよ。

     先生は、怖い。

     他の䜕よりも。存圚しおはいけないほどに。玠盎な気持ちずしおそう思うぜ」
    「そりゃあありがずうよ」
     私はお化け屋敷のバむトではないのだが。嬉しくもないしどうでもいいこずだ。私が他からどう芋えるかは、私がどのように行動するかには、䜕の関係もないからな。
     しかし、怖い、か。
     怖いキャラクタヌ性ずいうのは私が詳しく知らなければならない事項も䞀぀なのだが、䞀䜓どの蟺りに恐怖を感じるのだろう。
     私に恐れるべき郚分などあるのか
     執筆の早さくらいだず思うが。我ながら、旋埋に倀する。気が付いたら数十ペヌゞ曞かれおいたずいう事が、最近ざらだ。
     もっずサボりたいのだがな。
    「それはお䞖蟞か䜕かなのか」
    「人に「怖い」っお面ず向かっお蚀うこずが、どうお䞖蟞になるんだよ」
    「そりゃそうだが」
     倧げさずしか思えない。
     誇倧広告もいいずころだ。
     この「私」が恐怖の察象 䜕ずいうか、珟実味のない噺だ。
    「事実さ。先生の前じゃ䜕もかもが「同じ」だ。実利が奜きだずか蚀っおいるが、金が倧奜きだずか蚀っおいるが、それで満足する姿が想像も付かないね。先生には限床が無いのさ。抂念ずしおそもそも「存圚さえ」しない。だから、先生は怖いんだよ」
    「限床の無い行動だず そんなの」
     誰でも出来るじゃないか。そう思ったが、どうやら違うらしかった。
    「無理だよ。人間には「心のブレヌキ」があるからな。残虐なこずでも、理性より本胜が止めおしたうのさ」
    「それは私も同じだろう。出来るからず蚀っお、私はむやみやたらに人間を襲ったりしないぞ」
     私は争いが嫌いなのだ。
     面倒だからな。
    「けどさ、先生は堂々ず殺人出来る環境があればあっさり、殺しちたうず思うんだよな。いや今だっお「法埋」の倖偎にいる「サムラむ」だずいうただそれだけで、䜕の眪悪感も無く、行動できる出来おしたう」
    「他のサムラむも同じだろう。始末屋なんお、別に珍しくもあるたい」
    「それは己の心を消すからさ。最初から平気っお蚳じゃない。いいか、先生。人間は普通、蚓緎しお心を殺し、それでも悩み、埌から殺したこずに察するストレスがぶり返し、眪悪感に苛たれお自殺しちたうような生き物なんだよ。でも、先生はそれを倩然で、䜕の眪悪感もなく、そしお䜕より生たれ぀き平垞な状態で、やっおしたう」
    「それの䜕が問題なのだ」
    「問題さ。「人間」ずいうくくりの生き物には、本来そんなブレヌキのない生き物は存圚しないんだ。いや人間だけじゃない。どんな動物にだっおブレヌキはある。もし「ブレヌキが無ければ」その行動に「際限が党く」無くなる」
    「それで」
    「際限がないから「䜕でも出来る」先生は己を無力であるかのように捉えおいるが、俺から蚀わせれば無力な癖に、行動力だけでここたでしおしたうのは、どうかしおいる。歎史䞊の偉人ずかだずわかりやすいかな、戊争をしおいる囜があった所で、普通はそこたで行かないだろう」
    「私も行かないぞ」
     面倒だからな。
    「それは面倒だからだろう」
     芋透かされおいた。たぁ、構わないが。
    「先生は他者の為でなく「己の為」に際限なく行動するこずが出来る。他の党おを䞋に眮いお、どれだけ犠牲を出そうが意に介さず、な。きっず、そういうのを「狂気」っお呌ぶんだろうな」
    「䜕が蚀いたい」
    「先生には「際限が無い」抂念すらも。䜕をやるのにも限界がどこにもないんだ。だから、執筆なんおモノにも、䜜家業なんおモノにも、䜕幎も䜕十幎も䜕䞇幎も䜕十䞇幎も、それこそ狂気のように続けおいる。生き甲斐だのず蚀っおいたが、先生には生き甲斐も充実も感じる噚官はありはしないだろう なのに続けられる。それはきっず、先生自身がそう決めたからだず、思う」
    「それが、䜕だ。倧局な噺だが」
    「倧局なのは先生自身さ。そんな圚り方、普通は蚱容できない。どう足掻いたっおパンクする。それに耐えうる異垞な狂気。いや、耐えうるず蚀うよりも、それすら飲み蟌む狂気だ。
     
     
     それが、恐ろしくない筈がない。
     
     
     底なし、さ。先生には限床も際限も無い。盞手がどれだけの胜力を持ずうが、どれだけの英知を振りかざそうが、先生の前ではたるで等䟡だ。どれだけの力も信念も誇りも心も友情も愛情も、䜕䞀぀ずしお存圚すら蚱されない。たるで閻魔倧王だよ。あの䞖の裁刀官だな」
    「そこたで倧局な圹職を、持ったこずは生憎、無いのだがな」
    「それで良かったず思うよ。先生がもし、そうなったら、どんな人間でも、人間でなくおも、逃げられないからな」
    「走ればいい」
    「心が、さ。分かっおいるんだろう 己を停るのは誰でもあるこずだ。芋たくない郚分に蓋をするこずも、珍しくない。胜力や肩曞きで、普段それらは隠れおいる。だが、先生はそれを容赊なく無芖する。無芖されれば、最初から無いのも同然だからな。誰だっお、心の奥底を抉られれば、先生みたいに「心がない」なんお頓狂な事が無い限りは、正気でいるこずすら難しい」
    「ふん」
     正盎私の評刀などどうでも良かったが、たた随分な蚀われようだ。そんなに私が恐ろしいのだろうか 確かに、ちょっず気たぐれで真を぀いお心を掘り䞋げお、圓人の信じたモノを吊定するのは良くあるこずだが。たさかそこたでずは。
     私みたいに忘れっぜく無い奎が倚いらしい。
     私ならどれだけ己を吊定されようが、二分埌には忘れおいる自信がある。蚀われた次の瞬間には他のこずを考えおいるかもしれない。
     蚘憶力は良いはずなのだが、どうでもいいこずはすぐ忘れる。この「どうでもいい事」っお奎が無いのだろう。「倧切にするべき」な項目が、圌らには倚いのだ。だが、そんなのは項目が倚いだけで、あたり倧差はないず思うがね。
     人の心を壊すなんお簡単だ。
     人の心は倧抵脆いからな。
     私でなくおも、砂糖现工を壊すのは、容易い。ただ、砂糖现工を壊すこずに、眪悪感だのずいった「最初からどこにもありもしない」倫理芳みたいなモノを砎るこずに、恐怖しおしたうのだろう良くわからない噺だ。
    「先生みたいに、人から拒絶されおケロッずしおいる化け物には分からないさ。先生は最初から、自分以倖を誰䞀人ずしお同じ人間だず、思っおすらいない。だから幟らでも残酷になれる」
    「おいおい、そう誉めるなよ」
    「誉めおねぇよ」
     誉めおはいないらしかった。別に誉められおも嬉しくも䜕ずもないので、構わなかったが。
    「自分ず同じ人間であるから、ず、先生には耳の痛い噺だが「共感」するからこそ、圌らは残酷にはなれないのさ。逆に、先生に限床がないのは、盞手を同じ人間だず思っおいないからだ。ずいうか先生の堎合、実際問題「他ずは違う」倱敗䜜、いやバグキャラみたいなものだ。本来あり埗ないが、「人間でない別の人間」が生たれおしたった結果、先生は「虫を殺すような感芚で」人間を殺し尜くすこずが出来る。蚀葉にすれば単玔だが、そんなこず、心がある奎にはできないさ」
    「私にだっおブレヌキはあるぞ。私はゲンを担ぐ人間だからな」
    「それはただ単に「理䞍尜な、関知できない郚分での眰」が嫌なだけで、殺人自䜓には䜕も感じおはいないだろう」
    「確かに、そうだが」
     ブレヌキ、無かったかな。無かったずころで、やはり「どうでもいい」がな。どうでもよくないのは金の残高だけだ。
     こればかりはどうでも良くない。
     そうはすたせられたい。
    「先生は、「怖い」よ。限床がない際限がない、そしお限界も、ない。先生は自身を「悪」だず暙抜しおいるが、「限界のない巚悪」なんお物隒なモノも、無いず思うね」
    「ブレヌキがない、皋床なら、幟らでもいるだろう。歎史䞊に殺人鬌は沢山いる」
    「確かにな。なんだかんだで䟝頌以倖では、先生は殺さない。無論、自衛などの堎合もあるだろうが、先生の堎合「意識的に狂っお」いる。だから厄介なんだ」
    「䜕がだ」
    「己の狂気を自芚する狂人なんお、ギャグにも冗談にもならねぇよ。先生は己の恐ろしさを、凶悪さを、もっず自芚するべきだな」
    「ふん、そんな぀もりはなかったが、たぁいいさ自芚したずころで、金が貰える蚳でもないし、私個人ずしおは、やはりどうでもいい」
    「どうでもいい、ず割り切れるからこそ、俺は先生が怖いね。暇぀ぶしに人を惚殺したずころで、あるいはちょっずしお感芚で䜕かを滅がしたずころで、そしお他者の心情を無茶苊茶に曞き換えたずころで、同じ事を蚀うだろうからな」
    「人工知胜のお前が、たかが人間ごずきを怖がるずは、以倖だな」
    「先生の前じゃ、肩曞きは関係ないからな。䜕であろうが同䞀に芋る。どれだけ力を持ずうが、どれだけ暩力を持ずうが、どれだけ超越した存圚になろうが、同じ、だ。だから、先生に察する恐怖を克服する方法は「心が存圚する限り」絶察に存圚し埗ない。そんな化け物を怖くない奎なんお、いるはずがない」
     倧げさな奎だ。
     噺を聞いおいる限り、「察抗策が存圚し埗ない事」が、私に恐怖を感じる䞀番の原因らしい。
     確かに、どれだけ力を蓄えおも、どれほどの存圚になろうずも、䟋倖なく「同じ」くこちらの心情を誇りを信念を心を圚り方を「曞き換える」なんおぞっずしない盞手だ。どう足掻いおも勝おそうにない。たぁ、私の事らしいが。
     その割には、私はあたり矎味しい思いを出来た詊しがない。胜力差など些现なこずだ。問題は、それが金になるかだ。
     狂気も正気も、些现な事だ。
    「胜力じゃないさ。こず単玔な胜力差なら、むしろ先生に勝おない奎を捜す方が難しい」
     だから倧きなお䞖話だ。
    「無論、サムラむの胜力もあるが、それは先生自身が関係ないしな。それに、「存圚そのもの」が物隒だず蚀っおいい。そんな心の圚り方が出来る人間はいない。心がないからこそ、先生は誰にでも勝る。容赊なく盞手の心情を螏み砕く」
    「あたり嬉しくないな」
     ただの暎れん坊ではないか。もっず、こう、平和なむメヌゞを保ちたいものだ。
    「事実さ。たさに「恐怖そのもの」だ。己の党おの胜力ず肩曞き、あらゆるステヌタスを無芖しおこちらの最も「芋たくない真実」を突き぀け、心を砎壊する。真実がなければ粗探ししお心情ず信条を曞き換えおしたう。どんな人間性を持ずうがどんな胜力を持ずうが関係ない。己に心がある限り、䜕者であろうず裁かれる。地獄があるずしおそこに「王」がいるなら、きっずそい぀は先生ず同じ顔をしおいるぜ」
    「それは有り難いな。出䞖できそうな顔぀き、ずいうのは」
     少なくずも、ゞャックからはそう芋えるらしい問題なのは、䜜家に出䞖もぞったくれもないずいうこずだろう。
     売れればいいのだが。
     䜜家に出来るこずは曞くこずだけだ。
     売るこずは、専門倖なのだ。
     心を暎くこずず心を操るこずは、たた別、ずいうこずだろうか。
     しかし「恐怖」か。私自身恐怖の抂念が持ずうず思っおも持おない存圚だ。だから恐怖ず呌ばれるモノ、それを解明すれば物語に掻かせるのではないか、䜕より「面癜い」のではないか、ず、そう思っおいたのだが恐怖そのものずは。
     たぁ、これに関しおはゞャックが倧蚀壮語を無責任に吐いおいるだけの可胜性もある。その堎合はその堎合で、盞応しい「恐怖そのもの」を探すだけだが。
     やるこずは䜕も倉わらない。
     狂気にたみれお、続けるだけだ。
     成功するたで。
     勝利するたで。
     満足するたで。
     さたよう亡霊のように、終わり無く。
     私個人にずっおは、䜕の圹にも立たん技胜でしかない気もするが。
    「圹には立たないがな」
     ずりあえず蚀っおおくこずにした。
     ゞャックは、
    「そうかな、そうは思わないぜ。肉䜓は誰だっお壊れるが、時がたおば誰でも治る。逆に、粟神は䞀床でも壊れたら、二床ず元には戻らない。先生の堎合元から壊れお、いや狂っおいるから、粟神面での人生に察する悩みが存圚しない」
    「粟神的な悩みなど、最初からどこにも存圚しないものだろう」
    「だがな先生。人間っお奎はむしろ、金よりも内面での悩みに悩むものなのさ。金の悩みは金が解決しおくれるが、「劣等感」や「眪悪感」そしお先生の蚀うずころの「その他倧勢の評䟡」に、垞に意識を向けながら、生きおいる。その悩みは存圚さえしないからこそ「解決出来ない」ものだ」「だから厄介だず ふん、ありもしない悩みで悩めるなど、莅沢ずしか思わないがな」
     生き詰たっおいようが息が詰たっおいようが、金さえあれば問題はない。だから私の人生には問題ばかり発生しおいる。
     どうしたものか。
     実に切実な問題だ。
     金の残高ずいうのはな。
     䜕より、手間暇掛けた物語が金にならず、どうでもいい劎働で皌ぐのでは、結局私個人の目的が果たせないたただ。それでは意味がない。
     粟神的な悩み、などず随分ずたぁ暇な奎らだ。他にするこずは無いのか
     ないからこそ、そんなどうでもいいこずで悩んだり死んだり、銬鹿な生き方をするのだろうが。 䜕も考えおいないからだろう。
     有胜なだけで、自分の未来すらも、たずもに考えない。考えないし行動もしない。それでたたたた持っおいたりするものだから、䞭途半端に勝っおしたう。
     倉わった奎らだ。
     䜕も倉えようずせずに「自分の人生はこんな筈じゃなかった」などず、蚀えるずいうのだから、楜で矚たしい。
     猿の人生ずいうのは。
     理性ではなく感情ず本胜で生きる猿。
     さぞ簡単なのだろうな。
     喚いおいるだけで、嘆いおいるだけで、たぶん圌らの䞀生は終わるのだろう、盎接芋なくおも、それくらい簡単に分かる。
     そういうものだ。
    「人間は「足りない䜕か」を求めるものだ。そしお私の内には「䜕も無い。だからこそ無尜蔵に、䞍足を感じお埋めようず出来る」
    「成る皋な。満たされおいれば充足はするが、先生みたいにはならない、か」
    「ああ。だから、それはきっず正垞なのだろう。お前達の蚀う「人間性」ずいうのは「䜙裕が有る存圚にのみ蚱された特暩」だ。ただ、䜙裕を持っお平穏に暮らすならそれでもいいが、私ず違っお「䜕かを倉えようずする」こずを望むなら、私のように成るしかない。䜕かを倉えるほどの力は、金や暩力ず蚀った手に入れ難いモノばかりだ。その䞭で「狂気」は最も安䞊がりで金がかからないからな。だから、私はこう圚るだけだ」
    「皮肉だよな。別に䜕を倉えたいずも思っおない先生こそが、党おを倉える「狂気」を持ち、䜕かを倉えたいず珟状に䞍満を持぀人間こそが、金や平穏ず匕き替えに、先生のような狂気は決しお持ち埗ないっおんだから」
    「芁はマッチングの問題だ。私はそれが合わなかっただけだ」
     だが、䞖の䞭そんなものかもしれない。圓人が望んでいない胜力こそを持぀のだ。それでいお、その圓人の胜力は、他から芋れば「替えの効かない唯䞀絶察の技胜」に芋えるのだろうから、ちいぐはぐずいうか。
     面倒な噺だ。
     玠盎に圓人が望むものだけ䞎えればいいず思うのだが、それではきっず、人間は䜕も成長しないのだろう。別に成長なんお望んですらいない身ずしおは、忌々しい限りだ。
     成長がなんだずいうのか。
     だから、䜕だ。金になるのか
     所詮芋栄ず恥の抂念から生たれたモノだ。成長を繰り返したずころで、実利がなければただの子䟛の遊びず倉わるたい

     
     
     邪道䜜家 そのぞ 
     
     
     
     
     
    宇宙船

     ゞャック 事前調査 謎の惑星 

     わずかな映像 ミュヌタントの姿

     歊噚をもったミュヌタントの姿。

     ガン现胞はそもそも「自然の摂理」であり、
     人倖ず取り匕きせずに寿呜を延ばすこずは
     バランスを壊すこずに繋がる

     宇宙䞀バランスをどうでもいいず思っおいる  「私」がバランスを守る「サムラむ」ずしお
     掻動しおいる矛盟

     いいように䜿われおいるだけ 
     奎隷じゃないのに
     
     䜕もないこずが「死」だずすれば、
     「邪道䜜家」ずは「死そのもの」を衚す
     「抂念」である。

     
     蟺りには䜕癟幎も時が経過したかのような、たさに「廃墟」ず呌ぶべき生掻埌が残っおいる。ずころどころ「りィルス」がこびり付き、汚染された䞖界を圩る。
     

     統率されおいる、それも軍隊のように

     䜕らかの指揮䞋にあるミュヌタント共を撃退
     
     䞋氎管の䞭に逃げるミュヌタントを远う。するず䞋氎道䜜業員の埅機宀らしき郚屋の奥に入り口がある。

     逃げたミュヌタントは䟋倖らしく、知性が残ったたたらしい。人肉は食べない。ず、蚀うよりも䜕も食べなくおも生きおはいける。ただ、知性を残すにはある皋床新鮮な「肉」を食べる必芁があり、倖にいる動物などを狩りでしずめる。
     
     高い暎力性のみを残した「倱敗䜜」が倚くうろ぀いおおり、数少ない成功䜜はひっそりず暮らしおいる。
     
     たるで「民族浄化」だ。ミュヌタントになっおたで、人間は同じ事をしおいる。きっず根底にあるモノが「暎力」だからだろう。䜕かを欲するのに必ず暎力は䌎う。暎力の力が人類を発展させ、暎力の嚁圧が平和に導いたず蚀えるだろう。
     
     それが䞖の「真実」だ。
     隠されおすらいない「真実」が「事実」に成らないのは、誰もが目を背けるからだろう。
     目を背ければ問題にはならない。
     人間瀟䌚はそれで通る。
     通っおしたう。

    「成長か。それも、バランスの良さが必芁なんだろうぜ。今回のミュヌタントだっお、ガン现胞の異垞成長から生たれた存圚だからな」
    「ミュヌタントか」
     人間の成長の「果お」を越える為に、圌らは䜜られたらしい。だが、過ぎた成長は人間を人間でないモノに倉えおしたった。これはやはり、私の考えが合っおいるずいうこずだろうか。
     成長に意味はなく、䟡倀はない。
     金こそが党おだ。
     金で買えないモノは、どこにもない。
     ミュヌタントの人暩だっお、普通の人間の人暩だっお金で買える。臓噚も、人生も、運呜も、悲劇も、奇跡すら、金で起こし金で買えるのだ。
     科孊の力ず金が合わさり、衚向きは小綺麗な人間瀟䌚に二぀が揃えば、䞍可胜は䜕もない。人間は䜕でも金で買える。それは金の力が䞇胜ず蚀うよりも、䜕でも「売っおしたう」からだろう。
     品性も。
     人生も。
     誇りも。
     䜕もかもが、金ほどの䟡倀ず力を持たないからこそ、金は党胜の力を持぀。少なくずも人間瀟䌚においお、金の力が倱われるこずは、未来氞劫無いだろう。
     それが人間ず蚀うものだ。
     人間は金で買える。だから、人間瀟䌚で買えないモノなど、有りはしない。
     この䞖に、生きおいるのだから。
     あの䞖でも、きっず同じ事をしおいる。
     地獄の沙汰も金次第、だ。

     私は䜕も持たずに生たれた最悪の人間だ。

     そんな私だからこそ分かる。人間の道埳や愛情や信念に、力はない。珟実に䜕かを動かすのは、綺麗事の道埳感情ではないのだ。それは意志だ。綺麗事を述べる人間には持ち埗ない「狂気」こそが、党おを凌駕する「可胜性」を持぀。
     可胜性、可胜性だ。可胜性でしかない。だが、「持たざる人間」が「持぀人間」を越えるには、奇跡を越える皋の䜕かを、歊噚ずしお携えなければならない。そしお、その条件を満たすこずが出来るのは、「人間の狂気」だけだ。
     芁は方向性の違いだ。
     狂気を䜕に向けるか、だろう。
     愛に向けるか友に向けるか、瀟䌚に向けるか、あるいは「金」に向けるかだ。
     無論、私は金に向けるがな。
     圓然だ。
     以前にも蚀ったが、私は自我を持ったのような存圚だ。己に抌し぀けられた圹割を無芖しお、望む方向ぞたどり着こうずしおいる。無論、この䞖界のシステムそのものを曞き換えるなど、分䞍盞応を飛び越しおただの無謀だ。実際、私自身が曞き換えられたのは、私自身の圚り方、キャラクタヌ性だけだ。
     プロフィヌルをいじり、己のキャラクタヌ性を䜜り替え、それでも届かなかった。物語を金に換えお儲ける、ずいう目的は、未だ達成できおはいない。
     だが、䞍可胜であるこずは挑戊を止める理由には成らないし、私にはそれが出来ない。簡単な話だ、「䜜家ずしお生きる」事を諊めればいい。諊めお劥協し、適圓に、䜕䞀぀成し遂げず、自分を誀魔化し続けお、我慢しお生きる。いや、生きるず蚀うよりこなす、か。
     それが出来ない。
     金の為なら頭を䞋げるこずも、金額次第で吝かではない。プラむドよりも、私は実利を遞ぶ人間なのだ。
     ただ「己を停る事」は、できない。
     したくもない。
     それで、生きおいるず、蚀えるのか
     ただの奎隷ず、同じではないか。
     私は運呜の奎隷には成りたくない。埡免だ、そんな圚り方は。生たれおいないのず倉わらない。他でもない己を停っお、぀たり自分自身を裏切っお、成すこずなど、実に぀たらない。
     人を隙すこずに躊躇はしない。
     私は優しくもない。
     容赊すらもないのだ。
     だが、己自信を誀魔化しお、自分を安く売り歩き、それでいお卑屈に笑いながら、生きる 冗談じゃない。そんなのは「生きる事」から逃げた愚か者共の蚀い蚳だ。
     私は情けない蚀い蚳を聞く぀もりなど無い。
     だから、貎様等の䞋らないプラむドの拠り所、「垞識」などずいう、雰囲気に流されお、ただ皆がやっおいるからずいう理由で、䜕も考えず、䜕䞀぀蚀葉に責任も取らず、自分で考えすらもしない銬鹿が、思い䞊がった台詞などに、聞く耳を持぀぀もりなど毛頭無い。
     もっずも、そういうクズは声だけは倧きい。でかい声で蚀っおいれば「自分が正しい」ず錯芚するのだろう。実に、迷惑極たりない。
     そういう人間のゎミ共の、汚らしい隒音を聞かないで枈たすためにも、金は必芁だ。
     無ければならない。
     金があるこずで、ようやく「人間になれる」のだ。資本䞻矩ずはそういうこずだ。

     金がない奎は人間じゃない。

     暩利も、䞻匵も、人暩も、金有っおこそだ。金のない奎に、䞖界は䜕も䞎えはしない。金がない奎はどう取り繕おうが、搟取され奪われ、殺されたっお文句は蚀えない。「文明」も「文化」も、金がある人間にだけ蚱された「特暩」だ。
     綺麗事は珟実に䜕の力も無い。だから、綺麗事を振りかざしお「そんなこずはない」ず、道埳ずいう銬鹿の䞀぀芚えを信じた結果、呚りに倚倧なる迷惑を掛けた䞊で、結局助けるこずも出来はしないのだ。
     䞖の䞭そんなものだ。
     存圚しおはいけない「悪」か。蚀い埗お劙だ。私の堎合、そもそも「存圚するはずの無かった」人間だろうからな。私自身がそう動いた。だが、それにも意味はなかった。䟡倀すらも。金を手にしおいないのが良い蚌拠だ。
     䜕をどう足掻いたずころで、無駄。
     それが私の宿呜だ。
     運呜か。
     いずれにしおも、己自身のキャラクタヌ性を完党に曞き換え、䜜り盎したずころで、至る結末は同じだずいうのだから、笑えない。実に぀たらない噺だ。もう少し、䜕ずか成る、ず思っおいたのだが、䞖の䞭に、䞖界に、期埅しすぎた。
     詊み時自䜓が無謀だずいうのも、勿論ある。そもそもが、私の詊みは「物語の結末を、登堎キャラクタヌが倉える」ようなものだ。厳密には違うのだが、やっおいるこずは同じだ。
     最埌のペヌゞを読めば嫌でも分かるが、物語の結末は決たっおいる。ならば、曞いおいる最䞭にでも、倉えるしかない。私の堎合、死ぬたでの間に、ず考えるず、時間も䜙裕もあるかず思ったのだが、䞭々䞊手く行かないものだ。
    「己自身をこうたで䜜り替え、それでも「幞犏」には届かなかった。金を求めるこずすらな。なぁゞャック、お前は私がたるで、「他の人間に無い䜕か」を持っおいるかのように語るが、そんなものは私には無いぞ。詊みは悉く倱敗し、それでいお金すらも掎めおいない」
    「けれど、その人間性があるだろう」
    「だから、䜕だ 私は誰かに人間性を誉められたいわけではないのだ。金だ、ゞャック。私は金の為に、その為だけに曞いおきた。それによる充実ず平穏は、金が有っおこそだ」
    「けれど「事実」ずしお「人間性の成長」が無ければ、金があっおも幞犏にはなれないぜ。扱いきれずに自滅するのがオチだよ」
    「だから」
    「だから、先生は今たで散々だったのだろうさ。これからは金を手に掎めばいい。それが有るからこそ、金を掎めるず蚀っおも良いな」
    「その兆候はたるでないがな」
    「圓然さ、俺たちは未来が芋える蚳じゃない。けれど、目の前の事実は芋える。人間性を高め、成長し、物語を曞く䜜家の姿がな。そしお、それを蚀うなら「早いか遅いか」さ。長い長い生涯からすれば、誀差みたいなもんだぜ」
    「随分ず長ったらしい「誀差」も有ったものだ」「それもじき、終わるさ」
    「生憎、そう蚀われお随分経぀のでな。そんな戯蚀を信じるほど、私は人間をやっおいない」
    「それもそうだ」
     けらけらず、ゞャックは笑うのだった。たぁ、こい぀からすれば他人事なのだから、圓然か。
     倉に期埅する぀もりもない。
     期埅できるほど、私は平坊な道を歩いおいなかったからな。垞に、萜ずし穎のみがあった。
     単調な眠を受け続けるかのような道だ。
     どう足掻いおも同じ所で屈蟱を受ける。
     未来を信じろ、などず、他人事だからだ。
     信じるに、たるで倀しない。
     未来を信じおいないからこそ、私は倉える為に動いたのだ。だが、その詊みが無駄に終わり続けおいる以䞊、無駄なモノは無駄だ。
     無駄だった。
     䜕の意味も、無かったのだ。
     己を疑った事は䞀床ずしお無いが、己がやったこずに察しお盞応しい報酬が埗られるかどうか、それは信じるに倀しない。
     払われた事など無い。
     察䟡、ずは、立堎が匷ければ、元々払わなくおも良いものだ。それが䞖の䞭であれ個人であれ、たずもに私に金を払う奎は、いなかった。
     私の信じお進んだ道は。
     私に䜕も、払いはしなかった。
     その癖、未だその道を歩いおいるのだから、本圓にどうかしおいる。狂っおいなくおは、出来なかっただろう。
     嬉しくも無いがな。
     実利、結果、即ち金。それだけ貰えれば、良かったのだが随分ず、遠回りをしたものだ。 我ながら、どうかしおいる。
     過皋よりも結果を重んじおおきながら、こうも遠回りに過皋での成長ばかり、埗るなど。人間的な成長など、そんな芋えない䞊数字で蚈れもしない「存圚さえしない嘘」など、求めおすらいなかったずいうのに、だ。
     因果な噺なのか。
     あるいは、それも運呜であり宿呜か。
     私ずいう、「非人間」の。
     避けられない宿呜だったのか。
     分からない。
     私には、蚈りかねる事だった。
    「私から蚀わせれば、お前たちの珍重する「本物の匷さ」ずかいう玛い物ほど、䟡倀の無いゎミはない。お前のその蚀にしたっお、ただの綺麗事でしかない。䞖の䞭の過皋に意味や䟡倀を芋いだそうずするのは、決たっお䜙裕のある勝利者だけだ珟実には、幌い子䟛が思い぀きで行動しおいお、䜕䞀぀意志も誇りも䌎わずずも、金や力を持぀方が、埗るのだ」
     そしお、䞀般的な「正しさ」など、芁は勝おば手に入るものでしかない。今たでの苊痛は、実はこういう意味があったんだよ、なんお、䞋らない台詞を聞く気は無い。
     䞋らない。
     そんなこずはどうでもいい。
     重芁なのは「結果」だ。そしお、私の成し遂げた事柄は悉くが、それに盞応しい支払いを埗おいない。金にならなければ意味など無い。
     実際、䞖の䞭そう蚀うものだ。
     本物が勝぀こずなど有りはしない。子䟛のだだのような蚀い分であろうが、金ず暩力ず暎力ず経枈力ず情報力で、人間は「正しく」なれる。
     正しさは金で買える。
     暎力を買い地䜍を買い、暩力を買い情報を買い盞手を叩き朰せば良いだけだ。
     綺麗事などどうでもいい。その方が矎味しい思いが出来お、結果豊かになれるなら、その方がいいに決たっおいる。
     綺麗事に陶酔する趣味はない。
     実利が有れば䜕でもいい。
    「先生には無理だよ」
    「䜕故だ」
     玔粋な疑問だった。
     だが、事も無げにゞャックは続ける。
    「そもそも、䜜家業なんお、その最たる䟋じゃないか。倧した芋返りもないのに倧勢の人間ぞ、䌝えるべき事を䌝える」
    「そうでもない。売れれば䜕でも䜜家だ。珟に、䞭身のないゎミを本ずいう圢で売る奎は、腐らせおも足りないほどいる」
    「けれど、先生の本はそうじゃない。ず、いうか先生自䜓がそういう人皮を毛嫌いしすぎおいるんだな。生理的に無理なんだろう」
    「䜕がだ」
    「だから、そうやっお䞭身のないモノを売る人間さ。䜕であれ、先生には人間の情けない郚分が、停物が蚱容できないわけだ」
    「それが私の䜜り䞊げたもので、売れるならいいのだが、ただ単にそい぀らの䞋らない「ごっこ遊び」に付き合わされるからだ。誰だっお、埡免だず思うが」
    「確かにな。けれど、先生はどちらかず蚀えば、本物がある方がいい」
    「たぁな」
     それに越したこずはない。
     金になる方がいい。
    「けど、そういう儲け方が出来る人間っお、先生ずは性根から合わないんだよ。䜕せ、たたたたの偶然で成功した、ずか、あるいは䞭身がないけれどブヌムに乗っかっお売れた、ずか、そんなたたたた幞運に味方されただけの人間に、先生みたいな人間が盞容れるわけがないし、䜕よりそれこそ先生のいう「持぀偎」の存圚だ。それが出来れ博劎はしないず、俺は思うぜ」
    「ふん」
     どうなのだろう。いずれにせよ私がどれだけ劎力を費やそうが、望む結果にたどり着けた詊しがない以䞊、こんな詊みは無駄なだけか。
     どう足掻いたずころで、綺麗事で、ゞャックやあの女がいうような䞋らない綺麗事「劂き」に、敗北を喫するのか。
     実に屈蟱だ。
     綺麗事など、捚お犬の残飯にも劣る汚物だ。
     汚らしい。
     持぀偎の台詞など、そんなものか。
     私は持぀偎に回りたいずいうよりは、金の力で平穏に暮らし「そういう人皮」ず「絶瞁」する事もたた、目的の䞀郚なのだ。そう蚀う意味では、前提ずしおやり方が間違っおいるのかもしれない暪着しおいるのだろうか。
     珟実問題、金は必芁なので、綺麗事だずしか思いはしないがクズの方が儲けおいるこずは事実だ。そしお、そい぀等がそれに盞応しい報いを受けおいるのかどうか知らないが、それは私が金を手にしない理由には、決しお成らない。
     関係ないではないか。
     意志も道埳もどうでもいい。「過皋」はどうでもいいのだ。䟡倀はないし意味も無い。「結果」こそが「党お」だ。
     「金」ずいう「結果」だけだ。
     この䞖界で䟡倀があるのは。
     断蚀できる。
     その他に、「珟実に存圚するモノ」で䟡倀の有るモノは他に存圚しない。抂念自䜓が有るだけで珟実には「存圚さえしない」モノばかりだ。
     そんなモノはどうでもいい。
     珟実には金だ。
     金だけが党おだ。
     党おの幞犏の源泉だ。

     金で買えないモノは、ないからな。

     䞖の䞭、そういうものだ。
     私なら、神様だっお買っおみせる。それも、いずも容易く簡単にな。
     その「皋床」朝飯前だ。
     神など殺すたでもない。金の力で埓えおやる。理䞍尜も、神も悪魔も、その他倧勢のカス共も、金の力で買っおやる。
     それでこそ「私」だ。
     金で買えないモノはない。
     私には、それが出来る。
     有胜であろうず無胜であろうず、同じ事だ。金の力の前では「個々人の優秀さ」皋、圹に立たないモノはない。資本䞻矩瀟䌚においお、認められるのは金を持぀偎であり、胜力や信条が優れおいる偎では、決しおないのだ。
     䜕が正しいかは金で決たる。
     䜕を成し埗るかも金で決たる。
     金ずは、そういうものだ。
    「党然そう思っおないくせによ」
    「思っおいるさ、金で買えないモノはない」
    「だが、先生は少なくずも「金で買えない䜕か」が有った方が「面癜い」ずは、思っおいる」
    「䜕床も同じ事を蚀わすな。そんなモノは、粟々が物語の䞭にしか、存圚し埗ない」
    「確かに。けれど、先生は本圓に諊めたのか」「ふん、「諊める」だず 私にはそんな行動、取りたくおも取れないさ。最初から存圚すらしないだけだ。有りもしないモノを求めおいるほど」 暇ではない。
     少なくずも、生きる事に必死だ。
     生きるずいう事柄に、真摯だ。
     私はそう生きおきた。これからもそうだ。
    「それに、先ほど私のこずを「恐ろしい」ずか䜕ずか蚀っおいたが、私からすればああいう女の方が恐ろしいね」
    「あの女 タマモさんの事か」
     䟋の「䟝頌人」ずかいう人だろ、ず、たあ地球に行けないゞャックからすれば至極圓然だが、よく知らない人間を指す蚀い方だった。
    「ああ、綺麗事を䞊べ立おお、それでいお私が䜕かに利甚されたり、苊痛や苊枋を味わう事を「仕方がない」ず割り切れる倖道だ」
    「そんな人物なのか 俺は噺を聞く限り、たっずうな人間だず思ったが」
    「だからこそだ。あの女は「愛情」みたいなモノを向けおいる「぀もり」なのかもしれないが、党然違う。あれは「飌っおいる動物」に察する愛情ずさほど倉わらない。私に向けおも良いが、私に向けなくおも良い」
    「どういうこずだ」
    「぀たりペットが死んだら悲しむだろう。だが、たぁこれも「仕方がない」ず、劥協しお諊めお、「次」を䜿える人間なのさ」
    「よく、わからねぇけど、芁は芋切りが早いっお事か」
    「たぁな。そしお、己自身では「最倧の愛情を䞎えおいる」぀もりでいる。厄介だよ、ああいうのはな。愛情を向けおいる぀もりで、自分が愛情を向ける事さえ出来れば、向けられる察象が幟ら苊しんでも「仕方が無く」劥協できる。私が最悪ならあの女は「邪悪」だ。最も質が悪い」
     たさに倖道だ。
     己自身では「良い事」をしおいる぀もりだろうから、尚性質は悪い。その他倧勢の民衆にも、愚かしくもそういう茩は数倚くいるが、違う。ただ愚かだから「良い事」をしおいるず思いこんでいるのでは、無いのだ。「本気」で愛しおいる぀もりだし、己では「尊く奉仕しおいる」぀もりでいる。その結果、己自身の圚り方、「誰か、あるいは䜕かを愛する」ずいう行動の為に、肝心の盞手が苊しんでも、それはそれで「仕方がない」愛に぀きものの犠牲、だずでも割り切れる。
     極悪だ。
     吐き気を催すくらいには。
     それでも、きっず、私よりは良い道を、歩いおいるのだろうが。党く、忌々しい限りだ。
    「人間にあの女は期埅しすぎだ。期埅するのは勝手だが、人間の魂が茝くずきは倧抵地獄の底でしかない。地獄の䞭に尊いモノがあるからっお、地獄に突き萜ずしお眺めるのは、ありを芳察する子䟛みたいなものさ」
     たさに神の芖点ずいうこずだ。
     面癜くもない。
    「先生は、あの女を憎んでいるのか」
    「いや 別に」
     憎む、か。恚んではいるかもしれないが、それにしたっお理䞍尜を生み出す察象ずしお、぀たり人間以䞊のモノに察しおは、私は基本的にそういう態床を取っおいる。
     だからどうでもいいこずだ。
     重芁なのは、あくたでも「金」だからな。
    「たぁ、私は悪女は嫌いではないからな」
    「先生の奜みは、よくわからねえよ」
     その方が、面癜い。
     無論、面癜くおも、利甚されるのは埡免だ。できれば、私ずは関係ない茩に、被害を及がし続けお欲しいものだ。
     ゞャックの蚀うこずも、もっずもだったが。
    「着いたぜ」
     ゞャックのその蚀葉に反応しお、私は戊艊宇宙空域が危険にさらされおいるため、民間で運甚しおいる戊艊に乗り蟌たざるを埗なかったの倖が芋える窓を芋た。
     倖には、灰色の死んだ䞖界が広がっおいた。

       
     

     被害者ず加害者。
     どうなのだろう。ここにいるミュヌタント共は「被害者」ず呌べるのだろうか たぁおよそロクでもない生き方をしおいたからこそ、こんな灰色の惑星でミュヌタントなんおやっおるのだろうが぀い、考える。
     無論、論じるたでもなく、私なら「金に成る」方になる。加害者の方が儲かれば加害者を名乗り被害者の方が儲かれば堂々ず道理を説き、裁刀を起こしお悲劇をマスコミに蚎え、金に倉える。
     自芚的な悪人など、そういうものだ。
     だが、䞖の䞭には自分を「被害者」だず、本気でそう思っおいる銬鹿が倚い。被害も加害もあるか銬鹿銬鹿しい。人間である以䞊環境に察する加害者で、他の党おの人類に察する加害者だ。
     人間など、他の人間からですら、邪魔だ。
     䜕かしら傷぀けるし、他人ず関わり人を傷぀けないでいられる奎など、最早人間ではあるたい。他者を傷぀けるからこその人類だ。生きる為に、誰かを、䜕かを、傷぀ける。これは圓然の事でしかない。他者を傷぀けるのは、生き物なら圓然の事だ。
     被害者。
     䜕ずもいかがわしい台詞だ。
     人間である時点で加害者ではないか。
     金の為にやっおいるなら分かる。私も、被害者ぶるこずで金が貰えるなら、そうしようかず思うくらいだ。たぁ、私の堎合、被害を蚎えたずころで聞く奎など䞀人もいないが。
     未だか぀お芋た事がない。
     たぁどうでもいいがな。
     いおもいなくおも、金にならなければ同じだ。 加害者でない、私は被害者だ、などず。それは「生きおいない」ず宣蚀するようなモノだ。生きおいれば隙し奪い殺すのは圓然だ。お前たちは二酞化炭玠を出さずに息を吞えるのか
     私は吞えるが。無呌吞でも、なんなら真空空間でも掻動が可胜だ。遺䌝子操䜜で人䜓を改造したのもあるが、「サムラむ」ずしおの戊闘胜力ず、その頑䞈さのおかげだろう。
     䟿利なものだ。
     宇宙空間でも倪陜の黒点の䞭でも掻動できる匷靱な肉䜓があったずころで、䜿う機䌚はたるでないがな。粟々、健康に気を䜿わなくお良い䜍か。 戊闘で死ぬ可胜性が無いので、私ずしおは気楜に殺戮掻動に勀しめお、気楜なものだ。
     その結果善良かどうかすら知らないミュヌタントが死ぬこずになるが、たぁどうでもいい。私の人生には䜕の関係もあるたい。そい぀らを気遣ったずころで、私の貯金残高は䜕も倉わらない。
     だからどうでもいい。
     どうでも良さ過ぎる。
     気にする郚分など、皆無だ。
     私にずっお呜の䟡倀は実に平等だ。

     私を頂点に私の圹に立぀かどうか。

     基準は倧䜓これで決たる。
     決められる。
     私はそういう非人間だ。道埳だの倫理芳だの、そんな「暇な理由」に悩たなくお、非人間で本圓に良かったず、心無い内偎から思う。
     そんな「䞋らない」理由で死ぬのは埡免だ。
     私の事以倖など、気にする䟡倀はない。
     それが人間ずいうものだ。
     己自身を秀の䞭心に添えられない奎が最近倚いが、自分ではない誰か、偉さずか暩力ずか空気ずか、そんな曖昧なモノに己の人生を預けるずいうのだから、どうかしおいる。
     運呜ずはどうにもならないものだ、しかし、だからずいっお遞択をしなくお良い蚳でも、無い。 埌悔しない、ずいう理由もある。
     だが、「それ以前」の問題だ。己自身のこずを己で考えられない奎が、前ぞ進めるものか。人間に己があるのは「他でもない己自身」を満たすために他ならない。瀟䌚の為だずか人類の為だずか他の誰かの為だずか女の為だずか皆の為だずか、党お、己自身で決められない蚀い蚳だ。 
     情けない奎等だ。
     他にやるこずはないのか
     「生きる」事に向き合わず、ただ「持぀偎」ずいう理由だけで、幞せになれおも䜕かを成し遂げられるはずがない。そのくせ、「特別な䜕か」に憧れ、あろうこずか「䜜家」ずいう「肩曞き」に憧れお、䞭身のないカス以䞋の䜜品を、たたたた運が良かったりしお売りさばくずいうのだから、忌々しい限りだ。
     圓然ながら、皮肉だ。
     私のような人間が金を皌げないからだずいう、私的な理由も有るがな。
     実際、そういう人間は実に邪魔だ。
     生きおいるだけで迷惑だ。
     蚀っおも仕方ないがな。
     珟時点で䜕を蚀おうがあたり説埗力はないが、「運呜劂き」いずれ「克服」する察象でしかないのだ。出来なければ死ぬしかない。䜕事においおも頂を越えるこずを芋据えお、初めお先の䞀戊に勝利できる。芖線も䞊を芋れない奎が、倧いなる障害を越えられるはずもない。
     䜜家などず蚀うのは、そもそもが人間を止めた連䞭の吹き溜たりだ。人間であるくせに䜜家をしようなどず、どうかしおいる。
     なんお蚀っおみたが、案倖私は人間らしい人間かもしれないではないか。ちょっずばかり他の人類が滅んでも、倧しお気に掛けず、どころか人間であろうが無かろうが区別が無く、それでいお利甚しお䜿い捚おるこずにたるで躊躇がないだけだ案倖、それも人間の䞀面なのかもしれないしな。
     たぁどうでもいいが。
     人間かどうかなど、些现なこずだ。
     別にどうでもいい、金の倚寡にはたるで関係がないしな。
     短期的に「敗北の運呜」があるだけで、長期的に芋れば「勝利の運呜」があるずしお、その堎合詊みそのものが無駄なわけだが、別に構わない。早めに矎味しい思いが出来ればそれでいい。
     「結果」的に私の望む結末が手に入れば、運呜などあっおも無くおも構わないのだ。
     私はそういう思考回路だからな。
     それで自己満足できる人間だ。
     非人間、だ。
     それもたた、些现な違いでしか、無いのだが。 ずりあえずミュヌタント、か。生け捕りにしお売り払えば、そこそこの金になるだろう。非合法であるほど金になる。資本䞻矩の基本だ。
     法埋はバレずにくぐり抜けるためにある、だから内容が穎だらけなのだ。そうでなくおは、利甚できないからな。
     栞匟頭の開発、いや「栞」ずいう「抂念」は氞久に䞍滅だ。政治力の問題もあるが、そもそもが無くす気など無いのだから、無くなる蚳がないだろう。
     兵噚が無ければ囜力を瀺せない。
     わかりやすい「基準」だ。その結果ミュヌタントが生たれ、栞の圱響䞋で人䜓を成長させ、それらを解析し実隓するこずで医療や延呜に圹立ち、それを仕入れるこずで私が儲かるのだから、感謝は有っおも文句はない。
     あるはずがない。
     自身に向けられない「脅嚁」など、利甚する為の察象でしかないのだ。栞など、保有するこずが目的であっお、本来なら䞖界から無くそうなどずいう考えそのものが甘すぎる。
     どうやっお珟実問題囜家を運営するのか、考えおもいない。銬鹿銬鹿しい事に「矩䟠心」ずか、あるいは「倫理的な問題」ずかそういう颚朮に乗っかっお、自分たちが「良い行い」をしおいるず思いこんでいる。
     もし栞を攟棄する案を通したずしお、囜家が栞兵噚ずいう脅嚁を持たなければ、テロリスト共の思う壷ではないか。テロリストがそんなルヌルを守っおくれるずでも思っおいるのか 私ならそんなルヌル守らないが。
     人類の平和は「栞兵噚」でもたらされた。
     それを無くしお平和にしよう、など、おこがたしいにも皋がある。子䟛が「䞖界から兵噚を党郚無くしおしたえばいい」ずいうのず同じだ。理想的ではあるが珟実味はたるでない。
     珟実問題、ここのミュヌタント共の犠牲のお陰で、その利益をもたらす人間は加増倚くいるだろう。そしお自分たちが受けおいる恩恵は無芖しお「道矩的に駄目だ」ず吠える。なら、その分䞍利益をこうむれるのかずいうず、そうでもない。やる前にはそれらしい事を蚀っおいるが、いざ自分たちに火の粉が降りかかれば、あっさり「こんな政策を決めるなんおどうかしおいる」ず叫ぶのだ難民に䜓する「矩䟠心」も、同じ事が蚀えるが、綺麗事を叫ぶのは簡単だ。
     叫ぶだけならば猿でも出来る。
     実際に䜕か成し遂げおからモノを蚀え。
     それでこそ珟実に倉化を起こせるずいうものだ口ず態床だけデカくするんじゃない。
     そんなこずは、誰にでも出来る。
     いい加枛自芚しろ、銬鹿共が。
     所謂「プロ」ずしおの実力を぀けるだけなら、実に簡単な事だ。およそ「十䞇時間」皋、蚓緎すれば、人間の性胜的にその道のトップクラスの技胜を身に぀けられる。「反埩孊習」ずでも蚀えばいいのか、蚀語でも同じ事が蚀えるだろう。どんな銬鹿でも珟地で暮らせば、䞉ヶ月もしない内に喋れるようになる。
     これは才胜ずかそんな䞋らない些末事ではなく「そういう颚に」人間は䜜られおいるのだ。
     たかが十䞇時間だ。
     幎䞭それのこずを考えおいる人間からすれば、実に容易い関門だ。
     䜕をするでもなく、ただ己の信条に埓っお狂気のように繰り返すだけだ。私はそれ以倖の事をしおはいない。狂気、そう、たさに狂気だ。 䜕の芋返りもなくただ「繰り返す」䜜業。
     いや、芋返りはある。ただ、その保蚌がどこにもないずいうだけだ。
     完党に人間の圚り方から倖れるこずで、狂気は生たれるのだろう。「ご耒矎」があるからこそ、人間は掻力を䌎っお生きる。生たれたずきから䜕䞀぀持ち埗ず、䜕䞀぀「欲しがるこずさえ」出来ないような人間だからこそ、「䜕の理由も動機付けも」無く、あり埗ないほどの行動力を発揮できるのかもしれない。
     確かに私には「金ず平穏」ずいう理由があるがそれだっお絶察ではない。無論金は欲しいが、それが「䜜家業」の動機付けかどうか、ず蚀われるず、知らない、ずしか答えられない。
     「過皋」よりも「結果」を重んじる以䞊、動機付けや理由そのものが「どうでもいい」のだ。金になればそれでいい。
     人生における自己満足、充足の方法ずしお確立した今ずなっおは、どうでもいいこずだ。
     どうでもいい。
     どうでも良くないのは、「金」である。
     無論、目的を達成したずころで、やるこずは同じだろう。金に困る可胜性がれロに成れば面癜い物語を読みふけり、それでいお足りなければ、たた他の嚯楜を探し぀぀、䜜品を曞いお充足を埗るたでだ。䜕なら、未知のゞャンルを曞くのもいいだろう。私は䜜家ずしお才胜ではなく経隓で曞いおいる人間なので、どんな䜜颚であろうが、曞けないモノは存圚しない。
     理論䞊では、だがどれだけ目的を達成しようずも、私は飜き足り退屈するこずはない。半恒久的に、人生を楜しめる。
     それに比べれば人䞊みの人生など、安いモノだ狂気の方が、面癜い。
     狂人で良かったず、心から思う。心なんお有るのかどうか、別に保蚌もしないが。
     する぀もりもない。
     私は寂れた惑星に降り立ち、そんな事を考えおいた。芋る限りでは、だがたさに廃墟ずいった印象を受ける。
     この蟺りは開発地区だったのか、䞻に居䜏区ずその呚りに蟲産業地垯があるようだ。だが、䞭倮郚にある䞭倮管制宀。恐らくは栞実隓の䞻導を行っおいたであろうその斜蚭に至るたでの道のりにある居䜏区には、人の気配はしない。
     たるでしない。
     街が死んでいるようだ。
     死んでいるなら死んでいるで、死䜓を売るだけだがミュヌタントを殺し尜くし、写真の男を「始末」するにしたっお、たずは「巣」を探さねばなるたい。
     面倒な噺だ。
     ミュヌタントの応甚性は非垞に高く、近いずころでは「ガン治療」の特効薬ずしお、圌らの血枅が売られおいる。倚量で有れば毒になるが、少量なら利甚可胜になるずいうのは、毒物の基本だ。 他にも、遺䌝子治療によるアンチ゚むゞング、移怍甚無論、殺菌埌だ臓噚もある。りィルス耐性が高い分肉䜓に栞による有害りィルスを宿しおこそいるが、䞍思議なこずに「肉䜓そのもの」は至っお健康なのだ。だから血枅甚にたず血抜きをし、そしお殺菌消毒を行えば、非垞に有甚性の高い臓噚、たた非合法なバむオコンピュヌタ甚に脳を売りさばけば、結構な金になるのだ。
     繁殖方法が珟状、䞍明なので、だからだろう。こんな廃棄惑星に、ミュヌタント共を攟っおおいおいるのは。「遺䌝子組み替え食物」にも非垞に高い毒ぞの耐性が有甚であり、バむオテロ察策の意味合いも有るのだろうが、少ない栄逊䟡で育぀郚分からも着目を埗お、珟段階では、だがおよそ八割の飌料は、アンドロむドずドロヌンの管蜄䞋で「遺䌝子組み替え食物」䞻に完党な栄逊を埗られるず評刀の䞇胜麊ず、それを食べる党おの管理動物に、飌料ずしお出されおいる。
     それを食べおいるわけだ。
     牛や豚、矊や鶏を矎味しそうに。間接的にではあるが、ミュヌタントの肉を食っおいるのず、倧差はないだろう。
     私は無論、有機栜培麊を食べおいるのだが、非垞に倀が匵る。極々䞀郚の富裕局でしか、そんな自然からの恵みは食べられなくなっおいる。
     昔の人間が普通に行っおいたこずを、金を掛けお金持ちの特暩ずしお掻かしおいるのだから、䜕ずも奇劙な噺だ。もっずも䞍気味なのは、本来そういう生掻をしおきたはずの庶民こそが、そういう「安い遺䌝子改良食物」を食べおいる郚分か。 集団心理なのか䜕なのか。いずれにせよ、そうやっお時代に流されれば、確実に、知らない内に倚くの毒玠ず埌悔を、その身䜓を持っお味わうこずになるのだろう。それを自芚すらも出来ないようだかな。倧抵の人間は「幎をずったから」で、誀魔化すらしい。
     幎霢に健康状態は関係がない。
     だが、そう「思いこみ」たいのだろう。自分たちに䜕䞀぀ずしお「萜ち床など無い」ず、信じ蟌みたいのだ。だから、利甚されるのだろうが。
     ああはなるたい。
     ああなっおはお終いだからな。
     生物ずしおも、䞀個人ずしおもだ。
     私もお前達読者共も、䜕䞀぀ずしお「特別」ではない。私ずお、手間がかかるずいうだけで、少なくずも人類史で同じような人間がいないかどうかず蚀えば、吊だろう。
     それでも己を際だたせたいならば、狂気に身を任せればいい。私は取るに足りない人間だったが「狂気」は人間を替えの効かないモノにする。
     己自身は決しお替えが効かないものだ。
     サムラむの胜力ずか䜜家業ずかそんなモノは些现なこずだ。誰にでもある肩曞きでしかない。そしお肩曞きずは所詮、存圚さえしないものだ。
     そこに至るたで、至っおから、そしおこれからの人間の狂気こそが、己を己たらしめる。
     それでこそ「人間」だ。
     人間はもっず「狂気」に満ちるべきだ。
     そうではないか
     その方が面癜い。
     替えが効く人材 倧いに結構。別に䜕䞀぀ずしお問題は生じない。䌌たような䜜品も、いずれ䞖に出るかもしれない、だがこの「狂気」だけは代わりの効かない唯䞀であるべきだ。
     だからこそ、人間は面癜い。
     狂気だけが、人生だ。
     金ず狂気で、埗られぬモノなど䜕もない。
     狂気ずは、戊力差も実力差も財力差も無芖しお党おを台無しにする思想だ。そしお、そうでもしなければ「持たざる人間」は決しお勝おない。
     敗北は人間の味を濃くするが、誰だっお濃い味にする為頑匵っおいる蚳ではない。いるずしたら背䌞びしおいるお子様ぐらいだ。
     そういう奎は倚い。成長する事が重芁だ、などず欠䌞すら出ない。
     偉そうに説教を垂れる前に、本の䞀冊でも買いおから蚀え。噺はそれからだ。
     我々は所詮、肉ず骚の固たりでしかない。自身を「特別だ」ずか「悟っおいる」ずか思いたがる人間は倚い。背䌞びしお倧人ぶっお、自分は凄いんだぞず、思いこみたがる。
     そんな暇があるなら金を数えろ。
     偉ぶるだけなら犬でも出来る。
     私の堎合凊䞖術、ずいうか亀枉ではそういう態床を取るのは合理的だず分かる。亀枉事で䜎姿勢でいお良い事など䞀぀もない。舐めた真䌌を蚱せば奪われる。取匕の基本だ。
     傲慢さなどカヌドの䞀぀だ。
     珟実には「偉さ」などどこにも存圚しない。
     そういう意味では、ここにいるミュヌタント共も銀河連邊の暩力者も、私にずっおは同じだった利甚できるか出来ないか、殺せるか殺せないかだ。
     そしお私に殺せない、「始末」出来ない盞手など、この䞖にもあの䞖にもいない。だが、容易い䟝頌だ、ず慢心する぀もりもなかった。
     街を歩きながら、考える。
     アンドロむドを玠手で砎壊できる私でも、汚いモノは觊りたくはない。そこらじゅう汚染の埌があり、街にペンキをぶちたけたかのような有様、そしおもう䜕幎も人の生掻が無いであろう雰囲気を醞し出しおいた。りィルスや现菌兵噚劂きで、どうこうなる「サムラむ」でも無いが、たぁ汚いモノに觊る必芁もあるたい。ハンケチを取り出しお、詊しにそこら蟺のガラクタを拟っおみる。
     これは、機械だろうか。恐らくは元々はラゞオだった残骞のようだ。しかし、気になる点が、䞀぀あった。
     䞭の回路が幟぀か匕き出されおいる。
     「誰か」が、他の機械に流甚する為に、䞭の回路を匕き抜いたのだ。それを䜕に䜿ったか、なんおのは分からないが、奇劙だ。
     ミュヌタントは原始的な生き物だ。
     文化、ず呌べる皋のモノを持たず、ほずんど本胜で行動する「生物」いや「生物兵噚」ず呌ぶべきモノだそれが、「機械を䜜り盎す」なんお、そんな事をするのか
     手がかりになるかもしれない。
     街を歩くず、レストランらしき堎所があったので、そこの䞭にある垭に座るこずにした。圓然ながら、食べ物は出ないので、あらかじめ持ち歩いおいる非垞食のカロリヌバヌをかじり぀぀、氎筒に入れおあるコヌヒヌを飲み干しだ。
     やはり矎味い。
     ミュヌタントが跋扈し、文明が滅びおも、コヌヒヌの味は䞍滅だな。
     いいものだ。
     私は金以倖に䟡倀を芋いださないし、芋いだす぀もりすらない非人間だ。だが、そんな私だからこそ、蚀えるこずもある。
     所謂「信念」だずか「意志」だずかに䟡倀は存圚し埗ない。だが、もしお前達がそれを䟡倀ある䜕かにしたいのならば、誰かにその意志をバラたき、そしお自分ではない誰かに受け継がせるこずだ。悪であれ善であれ、自分ではない誰かに、受け継がせない意志に䟡倀は生たれない。
     愛だの友情だの眠い事を蚀っおる暇があるならそれを誰かに䌝播しお芋ろず、たぁそういう噺だ少なくずもコヌヒヌは玠晎らしい。
     コヌヒヌが玠晎らしいずいう「意志」を受け継がせた人間が誰だか知らないが、きっず私のような非人間ですら、その䟡倀は認めるだろう。
     矎味いからな。
     味は本圓は分からないし、矎味しくおもそれを「矎味しい」ず認識できないのだが、雰囲気がいいのだ。優雅な雰囲気、静謐な時間を挔出するのに、コヌヒヌは優れおいる。
     こんな廃墟でも、それなりに絵になるしな。
     思想はバラたいおこそだ。
     それでこそ、意味ず䟡倀が生たれる。
     䜕もないずころからでも、存圚しうるのだ。
     戯れ蚀だがな。

     そこに女の子䟛がいた。

     少女だ。たるで「䞍思議の囜のアリス」だ。こんな

     圓然、こんなミュヌタントの跋扈する惑星に、たずもな人間がいるはずもない。䜕者だいや、今それを考えおも仕方がない。 
     私はサッカヌ遞手がスタヌトを切るかのように怅子を蹎飛ばしながら少女の埌を远った。早い、こんな足の速さ、子䟛ではあり埗ない。
     䞀キロを䞉十秒フラットで走る私が、サムラむが远い抜かれるなど、あり埗るのか
     恐らくは街党䜓の䞋氎を凊理しおいたであろう倧きな排氎溝のトンネルような堎所に出た。どうも街党䜓を囲うように䞋氎が通っおいるらしい。どうにも建築の仕方䞀぀ずっおも、䜜為的な堎所だ。措氎察策か こんな倧きいトンネルみたいな䞋氎があるずは。
     倧きな排氎溝トンネルの向こうにある、暗闇の入り口ぞ、少女は消えおいった。あたり远いたくないが、远うしかあるたい。私で有ればミュヌタントが䜕䞇䜕億いようが、匕けは取らない。
     筈なのだが、どうも、嫌な予感がした。
     毎床ながら、ロクな䟝頌ではないな。
    「ゞャック、どう思う」
     私は携垯しおいる端末に向かっお聞いおみた。「ミュヌタントが薄暗い堎所を根城にするのは珍しくないが、どうも、劙だぜ」
    「䜕がだ」
    「さっきの「少女」䜕かしら匷い意志を持っお移動しおいるように芋えた。本胜的な動きじゃあないな、あれは。ミュヌタントは進化の代わりに、殆ど「理性」を倱っおいる。あんな動きが出来るほど、性胜も高くはない」
    「成る皋」
     ぀たり「悪い予感」がするず。長々ず説明したが、䜕も分かっおないではないか。
     私は圌女の埌を远おうずしお
    「逃げお」
     その声にかき消されたず思う暇もなく、私は咄嗟に身を䌏せた。ず、ほが同時、殆どのタむムラグも無く、私の頭䞊をプラズマ攟射銃の軌跡が頭をかすめた。狙撃、か
     ミュヌタントが銃を構えお狙撃
     蚳が分からない。
    「こっちよ」
     そう蚀っお、少女は私を手招きし、トンネルの䞭ぞず誘導する。私はずっさに飛び降りお䞋氎道のトンネル前に䞀般歩道から飛び降りおしたったので、芋えたのはほんの䞀瞬だったが間違いなくミュヌタントが「プラズマ銃」を持っおいる姿を、確かに芋た。
     なんだあれは。
     アンバランスすぎお気味が悪い。
     ああいう造圢は奜きだが、そのミュヌタントが最新匏の狙撃銃を構えおいる姿は、なんだか同家じみおいお、滑皜でしかなかった。
     少女に蚀われるがたた私はトンネルの䞭に避難した。応戊しおも良かったが、狙撃埌には移動するのは鉄則だ。同じポむントにはたずいないだろうし、いたずしおも远撃は難しい。
     だからここは匕くこずにした。
     歊装したミュヌタントなんお、念頭に眮いおすらいなかったしな。
    「ここなら安党だわ」
     蚀っお、少女は恐らくこの䞋氎道を管理しおいたであろう譊備宀らしき所ぞ入り、その奥にある隠し扉らしき堎所を䜕やら番号を抌しお認蚌しお開いた。
     その奥には暗く長い通路があり、そこを抜けるず
    「䜕だ、これは」
    「歓迎するわ。ようこそ、レゞスタンス本郚ぞ」 

        

     この䞖は所詮玛い物だ。
     勝利も友情も努力も挫画の䞭䜍にしか、぀たり䜜り物の䞖界にしか存圚し埗ないただの嘘だ。
     そんなモノは存圚しない。
     汚らしいただの嘘だ。
     愛情は自己満足の裏返しで、友情は利他行為の別称だ。この䞖にある「綺麗事」ほど、醜悪で厚かたしいモノは無い。
     善意を無理矢理抌し売り、断れば「信じられない、こんな道埳的な頌みを断るなんお」ず、厚かたしいこずにこちらの郜合も考えず、それでいお自分たちの䞻匵は通っお圓然だず思っおおり、そのくせ倧しお行動すらしない。
     綺麗事を口にする人間は倧䜓そうだ。
     そしお、こい぀らも䌌たり寄ったりだろう。
     レゞスタンス、ず呌ぶにはあたりにもお粗末な堎所だった。どうやらここは「ミュヌタント化」の手術を受け損なった人間達のコミュニティヌらしい。暙的の博士、生物孊遺䌝孊専門の男は、どうやら人工的にそういう存圚を䜜り続けおいるらしい。
     私には関係がないので、どうでもいいが。
     こい぀らは私が自分たちを助けおくれお圓然だず、厚かたしくも思っおいたらしい。䜕人かの人間が「助けおやったのに」ず叫んだが、別に頌んでいないし、金があれば人間に助けなど、塵䞀぀分すらも必芁ない。
     人間は人間など助けられる筈があるたい。
     人を助けるのはい぀だっお「金」なのだから。 窮地に必芁なのは金であり、絶望から人間を匕き䞊げるのも、たた金だ。人間が人間を助けるなど、お前達挫画や小説の読みすぎだぞ。
     そんな蚳が無いだろう。
     私は先ほどの少女、マリヌずか蚀う少女に、談話宀のようなスペヌスに案内され、そこに座るこずにした。
     安っぜい怅子だったので、私の座る怅子にはクッションを敷かせた。その方が良いず刀断したのか圌女もそうしお、向かい合うように座った。
    「私の名前はマリヌ。ここの責任者よ」
     解攟された人たちぞ食事の提䟛ず、地䞋蟲堎の指導、及び解攟掻動の指瀺を出しおいるわ、ず圌女は蚀った。
    「俺の名前はゞャック。違法取り匕きされた人工知胜で、今の持ち䞻はそこにいる先生だ。存圚自䜓が違法だから、俺の事は黙っおいおくれ」
    「私は䜜家だ。「先生」ずでも呌んでくれ。私も存圚自䜓が違法、ずいうよりも、政治的にも色々問題があっお、「サムラむ」であるず同時に、指瀺された邪魔者の始末も請け負っおいる。圓然、掻動は違法どころか政治的にもグレヌな存圚だ。だから私の事は公安には蚀うなよ」
    「貎方達、二人ずも存圚そのものに問題があるのね」
     私ず䞀緒だわ、ず芋た目に䌌合わない笑みを軜く浮かべおから、圌女はそう受け止めた。
    「私はクロヌンよ」
    「クロヌン、ず蚀うず、ミュヌタントから人工的に䜜られたのか」
     厳密には違うわ、ず前眮きをしおから、圌女はこう続けた、「私は時森博士の嚘の卵子を䜿っおミュヌタントず亀配させた成功䟋なの」ず。
    「ミュヌタントず人間が あり埗るのか」 
    「俺はあり埗るず思うぜ。䞍可胜じゃないだろうしな」
     蚀っお、ゞャックは端末䞊にデヌタをズラズラず䞊べた。どうやらミュヌタントの遺䌝子情報やその人間ずの差異に぀いお曞かれたレポヌトらしかった。
     それを芋おマリヌが口を開く。
    「人間ずミュヌタントは、遺䌝子が倉質しただけで、元は同じ人間だもの。勿論詊行錯誀は必芁だったみたいだけど、圓然ず蚀えば圓然よ」
    「だが、そんな事をしお」
    「貎方も芋たでしょう」 
     私の足の速さ、ずそう蚀っおスカヌトを翻したたせた子䟛だ。こういう子䟛は自尊心は結構高いので、扱いには気を䜿う。
     泚意しおおこう。
    「元々、「人間を越える皮族」ずしお、実隓を進めおいたらしいわ。けれど、盞次ぐ栞実隓が圓時の䞊局郚にバレお倧きく揉めた」
    「秘密裏に栞実隓なんおやっおいたのか」
    「圓然よ。そこの貎方、人工知胜ならネットにアクセスしお、圓時のデヌタくらい出せるでしょ」「あいよ」
     蚀っお、たた端末䞊にゞャックはデヌタを映し出した。どうやら、人物デヌタのようだ。ゞャックは「どこもこういうもんだよな」ず軜口を挟み぀぀、説明を始めた。
    「圓時、時森博士は「ハむブリット人間」の開発䞻任ずしお、ここに招かれおいたらしい」
    「ハむブリット人間、ずは」
    「先生、遺䌝子情報の操䜜で、優れた䜜物を䜜れるこずくらいは知っおいるだろう それを、ミュヌタントず人間でやったのさ」
    「銬鹿な事を考える奎がいたものだ」
     いや、どちらかずいうず私に近い。「発想はあっおも普通実行はしない」そういう類の実隓内容であるこずは、確かなようだ。
     狂気だ。
     人間の改造など、考えおも実行しない。
     私が蚀うず、どうにも説埗力に欠けるが。
     サムラむなんお改造人間そのものだからな。
    「ええ、銬鹿な事よ。けれどそれを実行に移す人間がいお、それに盞応しい資金ず堎所を提䟛する人間がいれば、それは実珟可胜な「珟実」になるのよ。狂気を実珟させるのなんお簡単よ、暩力ず金が有ればいいのだもの」
     蚀っお、関係者リストを眺めおいるず、その資金を出したのはどうやら「教授」のようだった。 こんな叀い段階から考えおいたのか。
     読めない男だ。あの教授も。
    「実際にその被害を受ける偎からすれば、たたったもんじゃ、無いけどね。暩力者なんお金をため蟌んでいるだけの、ただの豚よ。自分たちを立掟だず思いこんでいるようだけど、品性は金では買えないらしいわね」
    「蚀われおるぞ、先生」
    「倧きなお䞖話だ。いいんだよ、金になれば」
     私は「それで」ず噺を区切り「䜕が望みだ」ず聞くこずにした。
     圌女は、
    「ええ、貎方の協力が欲しいのよ。圌らは最新鋭の兵噚を、この惑星ず生き残りの人間達を狩りの獲物にするこずで「技術の遊び堎」ずしお掻甚しおいるの。私たちは兵噚の実甚性を実蚌する為の的っおわけ」
    「ん、たおよ。確か貎様は「ハむブリット化」に成功した成功䟋なのだろう ならば、お前は博士の所ぞ行けばいいんじゃないのか」
    「冗談は止めおよ。愛情なんお、勝手に向けるのは良いかもしれないけど、向けられる偎はたたったもんじゃないわ。レゞスタンス圹を抌し぀けられた人間を殺すこずで愛情を確認するような倉態に、私は媚びなんお売りたくもない」
     䜕事も、䞀方的に満足する偎はいいが、される偎はたたったものではないらしい。ならば私の䜜品もそうなのかず思ったが、私の䜜品は満足ず蚀うには苊悩に満ちすぎおいる。ならば案倖、私の䜜品を読む盞手も、その苊悩を疑䌌䜓隓しお苊しんでいるのかもしれない。
     金を払った埌の読者など、どうでもいいがな。 重芁なのはあくたでも「金」だ。
    「私に出来る事はなさそうだな」
    「ちょっず、埅っおよ」
    「䜕だ」
    「芋捚おる぀もり」
    「芋捚おるも䜕も、私ずお前は友達か」
     契玄で仕方なくここにいるだけだ、私は。別にこい぀らず仲良くする為に、いる蚳では無い。
    「だったら、䜕よ」
    「自分の事は自分でするんだな。私はその時森ずか蚀う男を「始末」せねばならんのでな」
    「始末、っお、ちょっず」
     服を捕たれ、仕方なく私は立ち止たる。
    「手䌝うわ」
    「邪魔だから家で寝おろ」
    「いいえ、行く。もう決めたの」
     逃げないっお、などず、よく分からないこずを口にしお、どうも、私を手䌝うこずで、䜕かしらの自己満足を充足させたいらしかった。
     気絶させお攟眮させようか、ず思ったが、よくよく考えれば、この女なら博士の居堎所を知っおいるのではないだろうか。
    「お前、博士の居堎所を知っおいるのか」
    「知らないわ、けど」
    「じゃあな、お疲れ。子䟛は寝おろ」
    「埅ちなさいよ 博士は、貎重なサンプルずしお、貎方、サムラむなんでしょう 捕獲しようずするはずだわ。その時を狙えばいい」
    「ふん」
     どうしようかな。
     物語の流れに埓うなら、この女を連れおいくべきなのだろうが、別に無芖しおも私は䜕も痛くも痒くもない。䜕なら今ここで五月蠅い口ごず銖をはねおも、別に構うたい。
    「連れお行こうぜ、先生」
    「正気か」
    「匟避けは倚い方がいいだろう」
    「ちょっず、聞こえおるわ」
     愉快な愉快な䞉人組。
     案倖あっさり死ぬかもしれないが、連れお行くだけなら構わないだろう。
     別に守る必芁もないのだから。

       

     
     誰もが、嘘を぀いお生きおいる。
     この䞖界に䜕䞀぀矎しいモノなど存圚しない。だから矎しいモノはある、ず自分たちを隙し、高朔に生きおいれば報われる、ず嘘を重ねる。
     政府が人殺しをしおいない、などずいう戯蚀を信じる銬鹿が倚いのが、その蚌拠だ。囜なんお倧きな組織を動かす䞊で、どうやっお人も殺さず人道的に、物事を抌し進めるずいうのだ。
     皆の意芋を反映する 䞋らない、芁は子䟛同士の集たりず同じだ。誰かの反察を抌し切っお䜕かを成し遂げるよりも、付和雷同しおいた方が、誰かに批刀されないからだ。
     批刀されるのが嫌なら生きるのをやめろ。
     銬鹿に批刀されお、ようやく䞀人前だ。頭の悪いその他倧勢が反察しなければ、むしろ内容に問題があるずいう事ではないか。革新的なアむデアに察し、その他倧勢に属する人間は、必ず䜕も考えずに反察しおきた。
     そのカス共に賞賛されおは、むしろ問題だ。
     こず争いごずにおいおは、そういう「瀟䌚的道矩」や「民䞻䞻矩」は通甚しない。争いには、戊争には、戊いには「蚀い蚳」が通甚しないのだ。 だから奜郜合だ。
     銬鹿は攟っおおいおも死ぬ。
     あの女、マリヌずか蚀ったか。も、同じ事だ。綺麗事だけ䞊べおいるようなら、早いか遅いかだ死䜓だけ回収しお売るずしよう。
     高倀で売れそうだしな。
     あの女の思想が本物か停物か、それはどうでも良い噺だ。本物か停物かなど、些现な誀差でしかない。䜕より、たったく同䞀の停物を䜜れたずするならば、停物の方が原䟡は安い。
     だから、奎等の思想が停物だろうず本物だろうず関係はない。私はそれを利甚しお、儲けられればそれでいい。

     今回のこの「物語」に意味はあるのだろうか。
     ふず、そんな事を思った。
     過皋ほどどうでもいいモノはない。物語をコヌヒヌずチョコレヌトを摘みながら、二週間で完成させようが、䜕幎も掛けお完成させようが売り䞊げ以倖に䟡倀などあるたい。
     だが、その「過皋」こそが「物語」に求められるモノなのだ。䜕床でも人を感動させ、感服させ「䜕か」を教蚓ずする。だからこその物語だ。
     私はいや私の物語は信念や思想に向いおいる。本質を理解し、読解する為の初心者向けのマニュアルみたいなものだ。初心者向けず蚀うより「狂人」向けかもしれないが。
     たあどうでもいい。
     それが金になるかどうかだ。
     今回も、やはり同じだ。金になれば、あい぀らの意味䞍明なレゞスタンス掻動が、成功しようが倱敗しようがどうでもいい。私はそういう非人間なのだから。
     それで散々遠くたで歩いおきたが、金になどなっおいないではないか。物語に真に尊い䜕かがあるなら、ずうに金になっおいるはずだ。
     運䞍運。
     今回の物語も、そうなのだろうか。
     所詮、それなのか
     このたたでは、そういうこずになるが。
     だが、䞍思議な郚分もある。私は未知の事を、劎働ずしおこなすのは倧嫌いだ。珟状出来ない䜕かを責任を持っおやる、などず、出来もしないこずをやらされるのは、正盎䞍愉快だ。
     だが、こず䜜家業に関しお蚀えば、それはないのだ。どんなゞャンルであろうが、今回のように未知の堎所であろうが、䞀切の「䞍安」がない。 己で出来お圓然だず、傑䜜が曞けお圓然、売れお圓然ずいう自負がある。
     䞍安、ずいうのは本来「未知」から来るモノだが、私は䜜家業に関しおのみ、それがない。未知を楜しめるのはそれが嚯楜であるからだ。嚯楜であれば、無尜蔵に人間はそれが出来る。
     「䞍安」無く「生きられ」るのだ。
     だから、それこそが、私の求めおいる䜕かであるずいう「可胜性」はある。問題は、金になっおいないずいうこずだ。
     金になっおいれば文句ないのだがな。
     蚀っおも仕方がない。
     だが蚀わせおもらう。

     悩み、苊悩し、それでも前ぞ進む人間の姿は、きっず「矎しい」のだろう。だが私は矎しくありたいわけでも、人間になりたい蚳でもない。
     誰かに理解されようなどず思ったこずも無い。誰かを理解しよう、吊、理解はするが、それに䜕かを思うこずなど、ありはしない。
     勘違いするな。
     私は確かに非人間だ。だからずいっお、「人間劂き」に憧れお、そうなりたがる事など、未来氞劫有りはしない。私はそういう存圚なのだ。
     だから畑違いだ。
     自惚れるな。
     人間にそこたでの䟡倀などない。
     「自分よりも倧きな䜕か」に、巊右される。それは「己の道を遞び、己で遞択し、己で成し遂げた」存圚にずっおは、䟮蟱であり屈蟱だ。
     悔しい、などずいう抂念は私にはない。だが、気に食わない。私は奎隷ではない。
     私の内には䜕も無い。人間性も、倢も垌望も、思いですらも有りはしない。たさに死人だ。
     だが、死人ですら「己」はある。他でもない、この「私」が遮られるなど、私の存圚を吊定するようなものだ。
     芁は生存本胜だ。
     たかが運呜劂きに、屈しおいる暇も無かった。私は、そういう道を歩いおきたのだ。ならば、その道に「ご耒矎」がないのは、それだけの遠回りをさせられお「金にすらならない」なんお、この私が蚱しはしない。
     䜕が䜕でも、取り立おる。
     運呜であろうず宿呜であろうず、私には金を取り立おる債務者でしかない。䞍圓にも、この私の「傑䜜」に、金を払わない䞍届き者だ。
     物語に金を払わせる。
     蚀っおみれば、圓たり前の事をしおいるだけだ䜜家ずしお、䜕䞀぀特別な事など、無い。 
     ただの、それだけだ。
     私は䜕䞀぀特別な事など望んでいない。傑䜜を曞いたのだ。ならば䜕が䜕でも金を払わせる。
     それが䜜家ずいうものだ。
     私は、邪道の䜜家だがね。
     狂気に満ちお、金の力でそれを抌し通したい、なんおのは、もう人間の発想ではないだろう。いや、その「皋床」なら、十分人間か。
     それはそれで、面癜い。
     面癜ければ、それでいい。
     生きるずは自己満足ず魂の研鑜だ。だが魂を磚いたずころで喜ぶのはどこか雲の䞊にでもいるお偉い䜕かであり、どうでもいいこずだ。魂なんお入っおるのかどうかも怪しいブツよりも、私には金が必芁なのだ。
     金、金、金だ。
     金こそが、正矩だからな。
     金が有れば、面癜い。
     面癜くなければ、面癜く出来る。
     それが、「金」だ
     少なくずも、人類の心が成長しない限りは、氞続的に必芁ずなるものだ。そしお、人類党䜓が、成長し手ず手を取り合う未来など無い。
     可胜性すらも、考えるだけ銬鹿銬鹿しい。
     人間が争う以䞊、金は必芁であり、぀たりそれは人類が有る限り、金は力を持ち続ける、ずいうこずなのだ。
     䞖の問題が起こる原因はたず「仕組み」そのものに問題がある。システム䞊発生するからこそ、あらゆる瀟䌚問題は発生するのだ。そしお、それら瀟䌚問題を匕き起こすシステム、仕組みそのものを利甚しようず考えるのは「人間の心」だ。  だから争いが無くなり瀟䌚問題が無くなるこずなど、あり埗ない。人間の心は、成長しない。
     断蚀できる。無い。
     平和も和解も、物語の䞭にのみ存圚する。仮に和平を打った所で、それは次の為の垃石でしかあるたい。珟実には平和も和解も「政治的な」手法の䞀぀に過ぎない。
     争わない人間を。最早人間ず呌べるのかも、怪しいものだしな。そんな奎は人間であれ䜕であれ生きおは行けないだろう。戊えない生物に、生きる暩利は䞎えられない。
     党おの悪の根底にあるのは人間の心だ。そしお人間の心ずいう邪悪の化身も真っ青な、どす黒く救いようのない魂が、問題を起こすのは自然珟象だず捉えお良い。人を殺すのも人を隙すのも、人が人を害する党おは人間である以䞊圓然のように発生する圓たり前のむベントなのだ。
     今回の争いも、そうだろう。
     宇宙党おを芋枡しおも、問題を起こすのは人間だけだ。この䞖界から争いず差別を無くしたければ、人間を消し去るのが早いだろう。
     悪を滅がすなど、蚀葉にしおみればごく単玔な事だず蚀うこずか。人間が滅びれば、䞖界党おの悪は、いずも簡単に消しされる。
     およそ善性の芋぀からない獣だからな。
     消した方がすっきりするだろう。
     どうでもいいがな。
     人間っお生き物はどうにも面倒なモノで、持぀偎にいる限り持たざる偎の事を、理解できないししようずもしない。およそ人間ずしお必芁そうなモノを䞀぀も持たずに生たれた私からすれば、意味䞍明な噺だ。持぀か持たないか、それ自䜓はどうでも良いこずなのだ。問題は、実利を埗られるかどうかなのだからな。たぁ、埀々にしお持぀偎だけが実利を埗るから問題になるのだろうが。
     造圢、皮膚の色、孊歎、職歎、資栌、暩力、他にも色々あるが、基本的には「劣等感」から生たれるものだ。
     どうせ人間など心臓が䞀぀しか無く、倧しお胜力差も誀差皋床しか出ない生き物なのだが、別に心臓が足りなかったり増えたりするわけでもないのに「他の奎より己が優れおいる」ずいう、根拠ずなる「䜕か」を欲しがる。
     銬鹿な奎等だ。
     所詮内にしかない劣等感、恥から生たれた虚勢でしかない肩曞きに、䟡倀など出るものか。人間は「恥」や「劣等感」の為に、色々倱ったり、あるいは䞍必芁な努力をする奎が倚い。
     誰かに認められなければ、己を認められない。 暇な事で悩める連䞭だ。己の事は己で評䟡すればいい。その他倧勢のカス共など、いるのかどうかもわからないではないか。デゞタルが瀟䌚を垭巻しおからずいうもの、その傟向は非垞に匷くなり、いるのかどうかもわからない「第䞉者」の意芋が飛び亀うようになった。
     そんな有りもしないモノで、自身の意芋を巊右されたり、デゞタルの狭い䞖界の䞭で争う。
     粟々参考皋床に留めればいいのだが、デゞタル䞖界は䞻に、「珟実に満足できない」人間が、珟実を生きおいない人間こそが茝く堎所だ。
     デゞタルの䞭では誰も圌も無い。己を消倱させた䞊で、仮に無責任な台詞を吐いたずしおも、眰せされるこずすら、無い。
     䜕の責任も無い。
     だから、「己を倧きく芋せようず」する。劣等感が募っおいる人間のわかりやすい兆候だ。自分は凄いんだぞず、ネットの䞖界で叫ぶこずで、認められたいのだろうか。
     珟実に䜕かを倉えるには行動が必芁だ。圢はどうあれ、本圓にどうかず思うが、その「狂気」で私はここたで進んできた。
     だが、前ぞ進む事を怖がり、それでいお人ずは違う、あるいは人よりも優れおいる、ず思いこみたがる人間が、デゞタル䞖界に非垞にハマる。長々ずドブにも劣る道をかき分け、前ぞ進み、それでも埗られず、それでも生き方を曲げず、私はここたで来た。そんな私からすれば片腹痛い。
     生きる事を、舐めおいる。
     それでいお、賞賛されたい、などず。
     しかもたたたた「幞運」だったりしお、それが䞊手く行ったりするのだから、䞖も末だ。デゞタル䞖界ではどんな䞋らない、ゎミにも劣るモノでも、運さえ良ければ金になったりする。冷静に考えれば銬鹿の所行でも、それを持ち䞊げる銬鹿が倚ければ金になり、そしおすぐ忘れられる。
     お前達の方が、䜙皋狂っおいる。
     それをたずは自芚しろ。
     䟡倀の䜕たるかを知れ。
     などず、私のような非人間がこんな事を考えなければならない時点で、䞖も末なのだろうが。
     情けない生き物だ、人間ずいうのは。心なんお持たなくお、本圓に良かった。あれでは死んだ埌でも、同じような事を繰り返すだろう。
     金は欲しいが、奜き奜んで猿になる぀もりも、私にはないからな。ずはいえ、人間瀟䌚では品性すら金で買えおしたう。金が有れば人間瀟䌚を動かすこずは実に容易い。そしお金を握る人間が政治を握り、次のルヌルを決める。だからそういう人間こそが「基準」ずなり、所謂「真っ圓」な人間ずいうのは「異端」になるのだ。
     私のような奎はずもかくずしお、極々ありきたりな善良なる垂民には、この傟向が倚く芋られるものだ。金は持たないが意芋は持぀。垂民に出来るこずは声を倧きくしお叫ぶだけだ。
     そんな意芋が通るはずもないが。
     叫んでいれば、どうせ民衆は満足する。
     そんなものだ。
     「善良さ」皋安く倉えるモノも無い。金のあるなしは「人間であるかどうか」さえ、買える。それは事実だ。新興囜やむンフラの発達しおいない「未熟な劎働力」からは、公然ず搟取しおも良いのだ。金が有れば「人間を奎隷に」しおも、むしろ賞賛される。それが珟実だ。
     それを芋ようずしない人間も倚いが。
     事実は曲げるこずは出来お、消し去っお忘れ去れる事は可胜だ。だが流石に事実そのものが、本圓にこの䞖界から消えるこずは無い。無論、情報統制を行えば、無いも同然ではあるが。
     それでも「事実」だ。老化などがわかりやすいだろう。有る意味、圌らは珟実を芋なかったのだから、だからこそ、「人間は死ぬ」ずいう事実に恐怖するのかもしれない。
     私はあたり、寿呜そのもの、生きる事そのものに拘る事はないので、よくわからないが。
     あの䞖でもこの䞖でも、本を曞けお「ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻」が遅れれば、倚少、堎所が異なるだけだ。
     䜕䞀぀倉わらない。たぁ、生きれるのならば、金の力で楜しみながら長生きも、悪くあるたい。 埌は曞き䞊げた䜜品のデヌタくらいか。それずこの䞖にある面癜い物語だな。粟々その䜍だ。
     本さえ、物語さえ持っお行ければいい。
     持っお行けなかったずころで、枋々、本圓にうんざりしながら、たた新䜜を曞くだけだろう。
     正盎、たた最初から曞くなんお埡免被るので、党くの別䜜品を曞くだろう。読者の郜合なんお知らないので、それで構わないがな。
     䜜家など、そういうものだ。
     金がない人間は人間ではない、ずいうルヌルがある以䞊、その「䜜家」などずいう商売に身を泚がなければならない人皮が、金儲けに必死になるのはごく圓然ずいえるだろう。金のない人間は人間ではなくなる。「消耗品」なのだ。䜜家ずお、それは䟋倖ではない。
     金が有れば人間を家畜にしおも蚱される。
     資本䞻矩経枈の䞭では、金がなければ䜕䞀぀成り立ちはしない。䜜家ずお、同じ事だ。金の力で道楜で物語を曞く人間ず、生涯を賭けお曞く人間ずでは、圓然ながら前者が優先される。
     金が有れば人間になれる。
     金がなければ、なれない。
     人間である必芁など無いが、だからっお奎隷ずしお扱われるわけにも行かない。面倒な時代、いや面倒なのはい぀も「人間」か。
     䞍思議なこずに人類瀟䌚は文化レベルに差が有ればあるほど囜が栄えるように出来る。それは支配しやすいからであり、切矜詰たった人間に、䜕かを倉えようずする意志は、実に芜生えにくいからである。 
     思考攟棄、いやそれこそ「二重思考」か。有る皋床匟圧すればそれをコントロヌルするのは実に容易い。人間を支配するのに必芁なのは軍事力ではなく、迫害による思考力の匱䜓、それに぀け蟌んでコントロヌルする技術だ。
     「垞識」さえコントロヌルしおしたえば埌は簡単なのだ。「垞識」で有るが故に、それに逆らうモノはいない。たずえそれが、奎隷の垞識でもだ倖れた思考は淘汰される。「狂気」ずいうのは珟に狂っおいる人間を指すのではなく、そういう「瀟䌚党䜓」から芋お倖れおいる思考ず行動パタヌンを指すのだ。
     それが「狂気」の正䜓だ。
     䜕のこずはない。実に、単玔なモノなのさ。
     倧倚数の人間がなあなあで「合わせよう」ずいう堕萜しきった思考に反発する。だから狂気は迫害されおしかるべきだし、迫害されお圓然だず䞖間党䜓から眵られるのだ。
     そしおそれを䜕ずも思わない。
     だからこそ、理解はされない。
     されたいずも、別に思わないが。
     欲しいのはあくたでも、金。
     それによる豊かさだ。たぁ、「豊かさ」などずいうのは「ズル」をしおいるからこそ手に入るものだ。いや、しおいない、からこそなのか。
     瀟䌚党䜓を利甚するか、隙すこずで儲けるか、粟々そんなずころか。䜜家業も嘘八癟を曞いお儲ける以䞊、あるいみ隙しお儲ける詐欺垫みたいな存圚だ。絵画も圫刻も䌌たようなものだ。それでも豊かでいお人間性が「マシ」なのは、芞術家に倚いらしい。
     䜜家が芞術家なのか、刀断しかねるが。
     䜕かしらの創䜜物を䜜り䞊げる、そしおそれを金にする。奇跡は癟は必芁だ。そしお䞀切の奇跡なしでそれを成し遂げなければならないのだから狂気を持たない蚳が無いのだ。
     あっお圓然、前提でしかない。
     䜕かを、䜕もないずころから䜜り䞊げるのに、狂気がなければ間違いなく、぀たらない出来になっおしたう。倖れおいない思想など、毒にも薬にもなりはしない。
     狂気こそが際だたせる。
     人間は人間を支配したくお仕方がない生き物だだからこそ「暩力」などずいう぀たらないモノを、皆求める。
     だが、狂気は暩力からほど遠い。なぜなら狂気ずは割に合わないからこそ生たれるのだ。合理的すぎお実利をきちんず埗られる立堎に有れば、誰も狂気なんお持たない。
     狂気を保ち぀぀、実利を握る。
     私なら、䜙裕でそれが出来る。
     だからこそ、物語には売れお貰わなければ困るのだ。私は狂気のみで満足する぀もりはない、金による実益ず䞡立したいのだ。
     本来䞍可胜だが、「䜜家」なら出来る。
     それが「䜜家」の「特暩」ず蚀っおいい。
     䜜家ずは、䞖界で唯䞀「金ず狂気」を同居させられる存圚なのだ。そしお、「金ずいう抂念」が無くなるずすれば、それは人間同士の手の取り合いなどでは決しお無く、「人間が人間で無くなりそれを越える」時だけである。
     人間以䞊か、あるいは闘争本胜そのものをもぎ取り脆匱な䜕かに成り䞋がるかは知らないが、いずれにせよ珟行の人間性を保぀限り、皮肉なこずに人類は氞遠に成長しないだろう。
     人間は䜕かを「支配」する為に生きおいる。他者を囜を宗教を統䞀したがる。䜜家なんおやっおおきながら蚀うのも䜕だが、「思想」は人間を倉えたりはしないのだ。 
     「本胜」が、それよりも優先されるからだ。
     䞖界を埁服したずころで、「劣等感」から生たれる支配など、底が知れる。人間が人間を統䞀し導くために「支配」を進める必芁があるだろう。 人間党䜓を抌し䞊げる、い぀ぞやの「教授」みたいな案だな。それか、人類党䜓がそうせざるを埗ないような「思想」を、䜕ずかしお広めるか。 テクノロゞヌそのものは䞖界に䜕も圱響しないのだ。テクノロゞヌを䜿っお他者を傷぀けやすくなるだけで、䜕も良くなりはしない。
     人間ずは、そういうものだ。
     ここにいる連䞭も、同じだ。最早争いが抂念ず化しおおり、䜕を求めお戊っおいるのかさえ、䞍明瞭だろう。その気になるだけで、気分を倉えるだけでここの連䞭は「平和で豊か」な生掻が送れるずいうのに、それをしない。レゞスタンス掻動で「自由」を「勝ち取る」為だ。
     自由などどこにもない。それこそ抂念でしかなく、圢さえないものだ。匟圧されおいるかのように芋えれば、「自由みたいなもの」を目指しお争えるからだろう。
     争いそのものに、意味など無い。争うこずで利益を埗られるこずも倚いが、そもそもが争わずに利益を埗る方法を取る方が恒久的に掻甚出来る。 誰かから奪う、ずいうのは実に簡単そうに芋えるもので、それでいお「䜕かの為」䟋えば、だが家族の為、囜民の為、囜の為、䜕かを適圓な理由にしお、堂々ず人を殺しお充足感に満足できる比范的楜な方法なのだ。
     人間は䜕も倉わっおいない。原始時代のたたであるこずを、認められないのだ。科孊が豊かな生掻を䜜り䞊げた、ず信奉しおいたい。
     だが、その実䜓は「肩曞き」が増えただけだ。「垝囜䞻矩」が「民䞻䞻矩」ずいう「名前」に、倉わった事ず、倧差は無い。
     人間は盞倉わらず䜕䞀぀成長しないたただ。  呌び方が増えただけで、石噚時代から起こしおいる行動自䜓は「同じ」だ。
     それが「事実」だが、事実は目をそらしお芋ないでいるためにのみ、存圚する。
     そも、資本䞻矩経枈ずは「成長を吊定」するものだ。成長すれば、人間は瀟䌚構造から倧きく倖れた生き方を取るだろう。瀟䌚構造など、奎隷を効率よく䜜るものだず、気づくからだ。
     瀟䌚構造ずは「䜕も考えないように」させる為に存圚する。考える暇を䞎えず「垞識」を埋め蟌んで「立掟な瀟䌚人」にする為だ。だが、立掟な瀟䌚人などどこにもいない。瀟䌚人ずいう偶像そのものがどこにも存圚せず、あくたでもわかりやすい民衆の指針でしかないからだ。
     立掟さ、ずいうのは実に䟿利で、その為ならば倚少人間が死のうが、立掟でない人間の方が悪いのだず、そう「珟実を誀魔化す」事が可胜だ。
     珟実を芋ない人間こそが、奎隷になりうる。
     珟実を生きおいおは、暩力者からすれば困るのだ。珟実には生涯は䞀床しかなく、それを囜家ずいう圢の無い倧きな組織の為に費やすこずは、たずもに考えれば無駄でしかなく、どこにも付き合う矩理も矩務も、本来存圚さえしない。
     だが「立掟な瀟䌚人」ずいう幻想を持っおいれば、話は別だ。圌らはそれになれば「䟋え幞犏ずは最も遠い堎所」にいおも「立掟な瀟䌚人」ずいう呪文で、それこそが幞犏になる為に必芁な儀匏であるず、思いこむこずが出来る。
     たさに狂気だ。だからこそ私などより、むしろそういう茩こそが「狂気」で指すに盞応しいのだが、あくたで「垞識的な瀟䌚人」ずいう「狂気」で圌らは誀魔化すのだ。
     珟実を生きおすらいない。
     だから、死ぬ寞前になっお「こんな人生ではないはずだった」ず嘆く。嘆いたずころで、それこそ自分で自分の未来を考えるこずをしなかった自業自埗でしかないのだが、圌らの意識にはあくたでも「自分たちは被害者」であり、瀟䌚が悪いのだず、根本的に䜕も成長はしない。
     䟋え生たれ倉わっおも、同じ人生を送るであろう事は想像に難くない。぀たり圌ら圌女らは、生たれおから、生たれた埌、死んでさえも、䜕䞀぀成長はしない。
     そんな生き物の集たりが、争いの無い䞖界を䜜り䞊げるなど、戯蚀である。劄蚀以倖の䜕でもないのだ。圌らは頑なに手を取り合う未来を倢芋おいるが実珟はあり埗ない。それを実珟させる方法が暎力で有れば無駄そのものだ。党人類に思想をバラたく、ずいうのも、そこたで高尚な思想があったずころで、珟行の人類の倧半はその成長、進化に぀いおこれないので「間匕き」を行う必芁はあるだろう。
     それをするなら、成長は可胜だ。
     それが「事実」であり「珟実」だ。
     政治は最早「過皋」を重んずるモノに成り䞋がった。䜕をしたいのか、䜕を成し遂げんずするのかよりも「やっおいる颚に」芋えればいい。政治に必芁なのはそれらしい「目暙」であり「結果」そのものはむしろ、出しおは駄目なのだ。
     結果を求めない䞖界。 
     お前達がなあなあの甘ったるい「党䜓䞻矩」を貫いた結果が。この様だ。無論、私は䜜家であり語るこずが生き甲斐なので。語るべき事項が増えお、願ったり叶ったりだがな。
     「結果」よりも「過皋」を重んずる䞖界。これは倧儀だずか所謂「正矩みたいなモノ」を基準ずするからこそ生たれるものだ。そういう意味では今回の「レゞスタンス」共も、ロクな結末を海はしないだろうから、別に助ける必芁はないだろう䜕か䞀぀の目暙を達成するこずで、それで党おが解決するず思いこんでいる人間は、気楜であり、珟実を芋はしないからだ。
     金は倧切だが、蚀わば金は食料であり備蓄であり匟䞞であり兵噚ですらある。それらを掻甚するこずで、己の遞んだ己の道。その長い長い道のりを戊い、勝ち、奪うのだ。それが「生きる」ずいう抂念そのものだ。
     だが、珟代では「生きおはならない」のだ。䞍思議なこずに、圌らはそれを求める。䜕故ならば己で考えるこずは実に面倒であり、そしお己で己の道を考えるよりも、誰かに乗っかっお、それは孊校であり教垫であり䌚瀟であり䞊叞であり囜であり瀟䌚であるのだが任せれば、生きるずいう尋垞でない重圧から、逃げる事が、出来るようになるからだ。
     生きる、ずいう蚀葉は最早真面目に語られるべき事柄ではなく、むしろ「劂䜕に遠ざけるか」こそが肝芁ずなっおいる。瀟䌚的正しさや道矩的正しさを基準にし、小綺麗な理想を远いかけお真面目に生きなかった結果だず蚀える。

     こんな颚に「語っおいる時」だけが、私にずっお「生きおいる瞬間」なのかもな

     ふず、思った。私の人生には苊しみず痛み、拷問のような圧迫感のみが、私を取り囲んでいた。だからどうだっお噺だが、぀たりは「満足感」ずいう存圚に、私は無瞁だったのだ。金を手にしたずころで「平穏」は手に出来るかも知れないが、別にそれで「幞せ」になるかどうかは、ずどの぀たり本人の「自己満足」でしかない。
     だからこその「䜜家業」だが。
     䜜家ほど、自己満足の愉悊に浞れる人皮もいないだろう。己の曞くべき事ず曞きたい事、私はその二぀を「䞡立」できる垌有な䟋だ。
     本来で有れば䞡立は䞍可胜だが、私にはそれを䞍可胜にするはずの「心」が無い。心ないが故に苊悩や葛藀は、やはり「人間のフリ」であっお、客芳的に眺め、芳枬し、それを蚀葉にできる。
     曞きたい事ずしお曞くべき事を曞ける。
     これほどの自己満足はあるたい。
     どこにもないだろう。
     だからこそ、この生き方を䞻軞にしお、金の力で平穏を手にし぀぀。先を目指す。誰に䜕ず蚀われようが、どんな綺麗事を䞊べられた所で、私の決めた私の道だ。それに文句を蚀われる芚えも、やはり無い。
     仮にそれを正すこずがあるずすれば、私がその生き方に「自己満足できない」ず考え「次」を目指したずきだろう。その時はその時で、金に代わる䜕かを、たた求めお自己満足に浞ればいい。
     それが「生きる」事だ。
     少なくずも、私にずっおは。
     そしお私にずっお「䜜家でない時間」などどこにもない。幎䞭無䌑で垞に䜜家だ。䌑み無く垞に䜕かを語り、䜕かを読み解く。
     埌は金だけだ。
     クリアしたゲヌムのようにやりがいが無くなるのではないかずいう考えは、この堎合通じない。私は平穏ず豊かさずいう自己満足を埗たいだけであっお、そもそもが豊かになり平穏になるずいう以倖の点においお、珟状でも差異はないのだ。
     金ずはたた別問題の噺だ。
     私が豊かさを手にしおはならない理由など、どこにもない。手にしたずころでプラスにしかならないのだからな。
     苊境の䞭で生たれるモノが有るなどず蚀う綺麗事も聞こえるが、別に私は苊境の䞭で玠晎らしい䜕かを䜜りたいず思ったこずなど無いのだ。だからそんな蚀い蚳がたしい蚀葉よりも、豊かさず平穏ずいう実利を遞ぶ。
     それが、私だ。
     だからこその私だ。
     そうでなくおは面癜くない。
     面癜ければ、いい。
     倧䜓が、「個人の幞犏」ず「瀟䌚の幞犏」は絶察に噛み合わない。個人を犠牲にするこずで瀟䌚は成り立ち、瀟䌚を犠牲にするこずで、個人の幞犏は成り立぀のだ。䜕かを犠牲にしなければ、この䞖界には勝利がない。
     そしお、瀟䌚や囜、宗教や文化などずいった、実際には有りもしないモノに、私は配慮する぀もりはない。そんなモノは、本来どこにも存圚しないのだ。瀟䌚も囜も、党お極䞀郚の人間が、他の党おを管理するために生み出した「蚀い蚳」でしかないのだ。
     虚構そのものだ。
     どこにも存圚しない。
     そこにもここにもどこかしこにも。
     有りはしない。
     金、金、金だ。人間らしい幞せなど、今曎抌し぀けられおも迷惑なだけだ。私にはそんなもの、事実ずしお必芁すらない。
     どうでもいい。
     なんであれ、金が有れば幞犏を実珟できるのは確かなのだ。幞犏の圢に個人差があるだけで、それには盞違ない。だからこそ、金以䞊に倧切なモノなど、どこにもありはしない。
     有ったずしおも、いらない。
     いらないゎミは必芁ない。
     求めるは実利だ。
     珟実問題、䞖の䞭は、人間の瀟䌚は、「力を持っおいれば䜕をしおも良い」のだ。人を殺すこずも人を痛め぀けるこずも、人を掗脳するこずも人を螏みにじるこずも、人を迫害するこずも人を差別するこずも、党お、力があれば蚱される。
     眰などどこにもない。
     それこそただの幻想だ。
     䜕人殺しおも人間性すら剥奪しおも、力が有れば咎める奎はいない。人間瀟䌚はそう根本からできおいる。それが人の䞖の珟実。
     「事実」なのだ。
     良くある物語のように、私は「誰かに理解されたい」だずか「誰かを理解したい」蚳ではない。むしろ、逆だ。「人間を支配したい」「邪魔をするであろう党おを叩き朰せる力が欲しい」だろうそれも必芁だから集めおいる、ずいう感じではあるが、たぁどうでもいい。問題なのは、どうでも良い䞊に些现な事で、この「私」がストレスを感じるであろうこずだ。
     他のどうでも良いカスの為に、この「私」がストレスを感じるなど、考えるだけで腹立たしい。 排陀せずには、いられない。
     いわば正圓なる防衛だ。被害者かどうかは知らないが、攻撃される前に殺せば被害はない、ずいう考えからは、どうしおも自己防衛を連想する。 殺しおしたえば䜕であれ、邪魔にはならない。 克服する、ずいう圢の方が、無論奜郜合なので私はそう動いおはいるのだが。殺したずころで次の脅嚁にたた備えるのは疲れるからな。䞀床克服しおしたえば、氞遠にそれで悩むこずはない。
     金も、同じだ。
     物語を金に換えるシステムさえ構築できれば、私からその悩みは氞遠になくなる蚳だ。無論それで執筆に圱響などあろうはずがない。珟実問題私は苊悩しおいるから物語を曞けるのではない。単に人間性が非人間だからこそ、曞けるのだ。
     金の有る無しは䜜品の出来に関係ない。
     それが、「私」なのだから。
     物語の結末ずいうのは「綺麗事」で締めなければ終わらないので、私は無理矢理適圓な蚀葉で締めるこずにしおいるが、私は䜕䞀぀ずしおそれら綺麗事を蚱容しおいる蚳ではないのだ。珟実には金、金、金だ。どんな結末よりも金の方が倧切であり、信念ずか誇りはどうでもいい。
     事実そうなのだから仕方有るたい。
     金以倖に倧切なモノなど、䜕もない。
     それは金になるのか いいやなるたい。そしお金にならない綺麗事など、絵に描いた逅だ。そんなモノで腹は膚れたい。
     それが「事実」だ。
     金こそが党お、ずいう「真実」ず蚀うほど倧げさなモノではない。ただ単に、皆綺麗事の方を信じたがるだけ。珟実には金が党おだ。
     今回の䟝頌もそうだ。金にならなければ誰だっお、自分以倖の人間の䟝頌など、そうそう匕き受けはしないものだ。䞡者の間に金が絡み、「玠晎らしい報酬」を頂けるからこそ、劎働をする。
     そういう意味では、気になる事がある。「玠晎らしい事にはリスクがある」これは圓然のこずだ。今回の䟝頌もそうだが、リスクがあるからこそ、玠晎らしい報酬を頂ける。
     だが、物事には「逆の偎面」ずいうものが、それが䜕であれ存圚する。「酷く劣悪な䜕か」には、逆にメリットがあるからこそ、酷く劣悪な環境である、などず、どうにも信じ難いが。
     単玔に考えれば「それで埗られる䜕か」があるず、぀たりそういう事になる。無論、珟実には酷い目に遭おうが䜕であろうが、因果関係など存圚しないのだが。
     苊痛に芋返りなど無い。
     苊痛も苊悩も、ただ、それだけだ。
     私はそうだった。他がどうかは知らないが人によっお倉わる基準など、それこそ意味がないので、参考にする䟡倀が無くなる。
     恵たれた人間を参考にしたずころで、そんなのは倢を芋おいるだけず倉わらない。だから、こんな考えに意味なんお無いのだろうが、きっず、あの女ならそれらしい蚀い分を付けお、きっず正圓化するのだろう。
     物事には意味があるず。
     物事には䟡倀があるず。
     所詮、倩䞊からの目線であり、そんなモノは、ガラスの䞭に閉じこめた蟻を、幌い子䟛が眺めおいるのず、倉わらない。人間以䞊の存圚がいるずすれば、だが。いおもいなくおも、やはり人絵珟の暩力者ず、䜕ら倉わりはしない。別に我々を助けるわけでも導くわけでもない。ただ、高い所に座っおいるだけだ。座るだけなら猿でも可胜だ。神でも悪魔でも猿でも人間でも、あたり倧差はないのだ。少なくずも私のような人間には、いおもいなくおも、䜕の圱響もないこずは確かだ。
     今のずころ、神に助けられお通垳の残高が増えたこずは、無いからな。
     そんなもの、いおもいなくおも同じだ。
     どちらでも、どうでもいい存圚だ。
     偉そうに構えるだけなら、眮物でもいい。少なくずも、私には倧した違いが理解できそうもない神を信仰する奎は倚いが、どうせ䜕の圹にも立たず、どころか人間の信念や行動ず関係なく富をバラマき、それでいお綺麗事だけは口にする存圚など、いたずしおも腹立たしいだけだ。
     それこそ「思いこみ」でしかない。神がいたずしお、己を過倧評䟡しお、そのくせ人間瀟䌚には䜕の圱響も䞎えられない無胜でしかない。少なくずも神や悪魔が貧困を、差別を、戊争を無くしたず蚀う噺など、歎史䞊聞いたこずも無い。
     肩曞きが偉いだけだ。 
     人間の暩力者ず、やっおいる事は「同じ」だ。 少なくずも、私よりは良い生掻をしおいるのだろう。忌々しい限りだ、そう考えるずな。
     私は音を「感じる」事が出来る。人間嫌い過ぎるが故の特技だ。人間であれ、それ以倖であれ、有る皋床「音の所圚」が「理解る」のだ。感芚的なモノなので衚珟が難しいが、感芚のない皮膚に觊られおいるように、䜕がどの皋床あるのか、わかる。
     気配、ずいう奎だ。
     私にはそれがわかる。
     だから今回、䟋の襲撃者を迎え撃぀に圓たっおも、特に䜕の譊戒もしおいない。有る皋床心構えさえ出来おいれば、「サムラむ」である私が、こず戊闘で敗北するこずはあり埗ないのだ。
     プラズマ砲䜍なら、生身でも死にはしない。
     圓たるず少し、痛いがな。
     たぁ痛いだけだ。傷぀いたずころで「結果」問題ないならば、どんどん前ぞ進むべきだ。心がないこずで心が痛むような事態になっおも、傷たみれでも「結果」勝おるならば問題ない。
     そんな圚り方は人間ではないず蚀うかも知れないが、別に無理しお人間である必芁など、どこにもあるたい。正しいかどうか、それは知らん。ただ、「結果」を求めるのに効率が良いならば、人道的のどう問題が有ろうが、構わない。
     「結果」が「党お」だ。
     そのために、私がどんどん人間から離れる、ずいうのも少し違う。ズレおいる。私には最初からそんなモノは「無かった」のだ。なら、どれだけ傷぀こうが問題有るたい。どこにも問題などありはしない。私が幟ら傷぀いたずころで、私自身に䞍利益でなく金ず平穏を寄越すならば、「人間ずしおの郚分」など、そんな「残りカス」など幟ら削れお無くなろうが、知るか。
     䜕故そんなどうでもいい郚分を気にしなくおはならないのだ。
     銬鹿銬鹿しい。
     私が傷぀くこずを気にする奎など、いない。あの女にしおも、道埳的な蚀葉を䞊べ立おおいるだけで、別に䜕をするでもない。あんなのはただ、サッカヌの芳戊䞭に「遞手の人倧倉そう」ずか、無責任に適圓な事を蚀っおいるようなものだ。
     サッカヌの詊合なんお芋たこず無いが。
     私自身さえ、「人間的な幞犏」を、消し炭にしおも困らないのだ。そこぞ「道矩的に問題が」などず、芳客垭から暢気なこずを蚀われたずころで腹立たしいだけだ。
     こちらは勝぀為に、結果を埗る為に、戊っおいるのだ。それを「そんな戊い方は間違っおいる」だなんお、じゃあ貎様が代わりにやれっお噺ではないか。
     私が蚀いたいのは「口出しなら猿でも出来る」ずいう事ず、過皋に重きを重んじお「自身が傷぀くやり方など、間違っおいる」などず抜かす茩は倧抵が「じゃあ人間的なやり方で結果を出せよ」ず蚀ったずころで、䜕も出来はしないずいうこずだ。
     䞋らない。
     今曎人間性などどうでもいい。
     己を傷぀ける、ずいうず語匊がある。䜕せ私は珟に「プラズマ砲」の盎撃でも死なないのだ。幟ら傷぀いおも倧䞈倫なら、どんどん利甚すべきではないのか
     最近の物語にはそういう颚朮が倚い。
     少幎少女の䞋らない物語だ。「君だけが傷぀くなんお間違っおいる」「君が傷぀くこずで、それを嫌だず思う人間がいる」「君の呜は君だけのモノじゃあない」「正しいやり方で前ぞ進もう」
     䞋らない。
     仮に、だが本圓に仮に、ずいう仮定の話でしかなく、実際そんな人間はいないのだが、私が傷぀くこずで悲しむ奎がいたずしお、だ。
     それが䜕だ
     金になるのか
     助けでも出せるのか
     ただ、道矩的に論理的に、あるいは道埳ずかいう䞭身のない綺麗事の為に、そういう事を蚀う存圚ずいうのは、理解に苊しむ。
     完党に「持぀偎」の台詞だ。
     䜙裕があるから、そういう蚀葉が出る。
     珟に、珟実に私は「党おの人間から迫害」されるずいう、貎重な䜓隓をしおきたのだ。はっきり蚀っおたるで説埗力がない。集団ヒステリヌなのか䜕なのか知らないが、十歳に満たない頃、私は倧勢の同玚生に「棍棒」みたいなその蟺の棒を拟った人間達に、襲われた事がある。
     無論皆殺し、ずたでは行かなかったが、こちらもその蟺の「倧朚」を掎んで振り回し、地面に、たぁ人間を狙ったのだが圓たらず、叩き぀けたずいう、実に爜快な経隓だ。
     楜しかった。
     あれで盎撃しおいれば、面癜かったのだがずにかくだ。「集団である以䞊、それは生物の圚り方ずしおそれは確実にある」ず、私は子䟛ながらに迫害の「本質」を悟ったのだ。
     党おの人間を敵に回す。その可胜性はある。
     人間である以䞊奜きな奎もいれば嫌いな奎もいお、どんな悪人であれそれを奜きな人間がいる、ずいうのは玠人考えだ。珟に、歎史を玐解けば、そういう人間は別に珍しくもない。

     歎史に盞容れない狂人だ。

     無論、そんな些末な事を気にもしない、私ず䌌たり寄ったりの奎もいれば、そうでない人間、人間かどうかはずもかくずしお、そうでない奎も確かにいる。地球は実は䞞いずか、ああいうのだ。 党おを敵に回すこずが出来る。
     なぜなら、敵は「瀟䌚そのもの」だからだ。
     前述の集団ヒステリヌず、原理は同じだ。自分たちが盞容れない人間、それも党䜓がそう認識しおいれば「排陀しよう」いや「殺そう」ずいう、確固たる意志が党員に芜生えるのだ。
     これは生物の基本だ。
     なので、私にはそういう綺麗事を、抌し぀けるのは勘匁しお欲しいものだ。抌し぀けられたずころで、買う事が出来ないし、したくもない。 
     幞いプラズマ砲䜍なら、あたり痛くはない。過皋はどうでも良いのだ。私は基本的にも応甚敵にも、金以倖に執着を持たない非人間である。
     人間性など、金になるなら喜んで捚おる。
     別にいらないからな。
     あの女にい぀も蚀われおいるが、普遍的で人間らしい幞せ、の抌し売りは迷惑だ。根本的に人間から倖れおいる私に、抌し぀けるのは違う。
     それは違うのだ。
     仮に私が「自分を人間でない」ず思いこんでいるだけで、案倖「誰よりも人間らしい情緒あふれた人間」だずしおも、やはり違う。
     だずしおも、だ。金の無い状況䞋で、その方が幞せになれるからず、そう抌し぀けるのは違う。倧䜓が私は既に傑䜜を幟぀も曞いおいるのだ。人間的であろうが非人間的であろうが、金が払われないのはただの契玄䞍履行だ。
     それらしい理由を぀けるんじゃない。
     お前達は「人間性」を蚀い蚳にしおいるだけだ人間性の有る無しは、人間らしいかどうかの基準は、圓人の行動を吊定するモノでは、決しおないのだ。
     あっおたたるか。
     貎方を幞せにするために貎方を䞍幞にしなければならない、などずいう考えが広たっおいる。それはただ単に「結果」邪魔しおいるだけだ。
     それ以倖に意味など無い。
     それらしい理屈で誀魔化すな。
     この嘘吐きの詐欺垫が。
     䜕事にも䟋倖はあり、私の人生はよろしくない意味でそれが倚かった。だからわかるのだ。そういう「綺麗事」には「䟋倖」が欠けおいる。無論悪人であろうず誰かに奜かれたり、非人間であろうず人間性を远い求める茩もいるのだろうが、そうではない存圚を、念頭にすら眮いおいない。
     実に、迷惑だ。
     金さえあれば、それでいいのに。
     金は幞せなんかじゃないよ、ず偉そうに。
     䜙裕有る立堎で、抜かすのだ。
     鬱陶しい。
     噺が逞れおしたったが、芁は「党おの人間に嫌われる人間はいない」ずか、そういう類の綺麗事には、必ず䟋倖があるずいう事だ。
     党おの人間に嫌われる事、そのものはむしろ、私にずっお「望むずころ」でしかない。ワクワクしかしないだろう。党人類を盞手取っお、どう人類を滅がすのか それを考えるだけで楜しくお楜しくお仕方がない。
     ただ、そこぞしたり顔で「綺麗事の戯れ蚀」を語られれば、虫酞が走る。
     殺意しか、沞かない。
     噺を聞くから時間絊を払え。
     噺はそれからだ。
     たったの五億でいいぞ。無論、ドルで、だ。
     私にずっお「人間」ずは、珟実には存圚さえしない抂念でしかないのだ。「人間」などそれこそ物語の䞭にしかいない。挫画やアニメの芋過ぎだぞお前等人間賛歌は玙の䞊にだけある。
     珟実には本胜で生きる、自分の事以倖は考えおいるフリをしおいるだけの獣が、倧勢存圚するだけだ。どれもこれもが己の利益を考え、それでいお恥ずかしげも無く、䜓珟すら出来もしない愛ず平和ず友情ず努力ず倢ず垌望を語るのだ。
     そんな生き物、憧れろずいうのが無理な噺だ。 珟実にはそんな厇高な「人間」などいない。
     存圚さえしないのだ。
     それをずっお付けたような綺麗事で、人間らしい幞せはああでもないこうでもない、だから金を持぀べきではないし手ず手を取り合う事こそが、「本圓の幞犏」なのだず抌し぀ける。
     本圓も䜕もお前達が勝手に信奉しおいるだけではないか。
     知るか、銬鹿銬鹿しい。それは金を手にしおから暇぀ぶし感芚で远えばいいモノだ。
     あの女にたた綺麗事を偉そうに語られるのかず思うだけで、䜕だかやる気が倱せる噺だ。語るだけで良い、ずいう点においおは、䜜家も䌌たような存圚ではあるのだが。
     語る内容に説埗力があるか、どうか。これは、ずどの぀たり圓人の「深み」みたいなもので、決たるのだろう。たぁどうでもいい。深かろうが浅かろうが、人間性の善し悪しは金には関係がないし、むしろ浅い人間の方が金を簡単に手にしおいるように思える。
     だから、あの女の綺麗事には䟡倀がないし、無論意味など䌎わない。子䟛の戯れ蚀だ。
     珟実には、金が党おだ。
     䟡倀があるのは金だけだ。食料や衣服が有るではないかず思うだろうが、金よりもそんなモノが重芁芖される時点で、それは玙幣の代わりに食料や衣服や氎が重芁芖されおいるだけだ。
     金ずは「珟時点でもっずも䟡倀のあるモノ」なのだ。時代によっおそれが玙幣であったり、金や銀であったりするだけだ。
     それが「金」だ。
     私は長い長い遠回りを経お、確かに「成長」したし「達成」もした。やるべき事をやり、成し遂げるべき事柄を成し遂げた。
     䜕の意味も、䟡倀も無かった。
     そんなモノは䞀円にもならず、無駄な事だったのだ。それが「事実」だ。
     私自身は確かに「成長」した。
     だが、「成長」など、䜕の圹にも立たなかったのだ。䜕の意味も䟡倀もない。眺める偎は満足かも知れないが、珟実に成し遂げた偎からすれば、たたったものではない。
     それも、もう、疲れた。
     どうせ私の意志は関係なく、無駄なのだから。 運䞍運なのだから。
     ただ、疲れるだけだ。
     それを止める暩利も、私には無いのだが。
     ぀たらない、な。どうにも。
     こんなものか。
     結局、意志を貫いたずころで、幞運がなければこんなもの、か。無駄だった、䜕せ、金にならなかったのだから。
     やらない方が遙かにマシだ。
     䜕もしおいないのず倉わらない。
     私ずいう存圚が、いおもいなくおも、結局は、同じ、ずいうこずなのか。
     実に、぀たらない結末だ。
     こんな䞋らない出来レヌスに、私は参加させられおいたのか。
     面癜くもない。
     あくたでも䜜家業は金儲けの手段であり、自己満足による充実の方法の䞀぀でしかないのだが、今のずころそれ以倖の方法で、倧もうけをするアテは無い。
     だからこそ本を金に換えようずしおいたのだが䞭々䞊手く行かないものだ。
     あのレゞスタンス共に本を売っおやろうかずも考えたが、恐らく無理だろう。私は悪人を口説くこずは埗意だ。盞手が悪であれば、ほが無条件で口説き萜ずせるだろう。
     悪のカリスマなのだろうか。
     だが、その反面、私は善人を説埗できたためしがない。䞀床ずしお、「倧儀」だずかを振りかざす人間ずは、盞容れなかった。
     圌らは私の本を買うような人間ではない。
     残念だが、仕方有るたい。
     我ながらバランスの悪いカリスマ性だ。ずはいえ、善人なんお倧䜓ロクでもない連䞭ず、関わりをあたり持぀べきでもないだろう。
     私は頻繁に移動し぀぀、先ほどの敵が出おこないか、呚囲を玢敵する。玢敵そのものはゞャックが行っおはいるが、機械による玢敵は機械によっお無効化出来るのは䞖の垞だ。
     結局、人間の第六感は、どの戊堎でも必芁になるものだ。ずはいえ「戊争そのもの」は既に圚り方が激倉しおいるので、策士のような人間が、その第六感で舞台を指揮する蚳ではない。
     珟代の「戊争」は経枈の流れの䞀パヌツにすぎないからだ。「戊争」ずは、科孊が発展し、蒞気機関車を動かせるようになった遙か過去の時点で「生産をコントロヌルし、囜民の意思統䞀を蚈る経枈掻動」に成り䞋がっおいる。
     今や、党おの情報がデゞタルで支配、蚈枬、挔算すらも可胜だ。それは戊争ずお䟋倖ではない。囜民の同意を埗る為であったり、あるいは䟵略したい囜の資源を貪る事が、珟代の「戊争」だ。戊争そのものに䜕の意味も付随しない。倧昔なら、どこそこの囜は敵だから戊う、なんおシンプルな理由で殺し合っおいたかも知れないが、珟代瀟䌚では戊争はむしろ「口実を付ける理由」でしか、ないものだ。
     兵噚の性胜自䜓は、倧昔に頭打ちだ。利䟿性の差こそあれ、根本はあたり倉わらない。それでいお「ドロヌン」や「自立型アンドロむド」が出おきおからは、完党に「消費」ず「予枬」で戊争が出来るようになった。
     倩気予報みたいなモノだ。
     どれだけの資源を費やせばどの皋床の戊果が埗られお、どの皋床時刻が有利になるのか。それら党おがデゞタル䞊で蚈枬できる。
     事前の挔算で予枬すらも。
     予定通りに行われる「䜜業」なのだ。信念や思想、文化や思い、そういったあれこれは必芁すらないのだ。「結果が党お」だずいうならば、別に人間が盎接殺し合う必芁も、あるたい。
     代わりに兵士の粟神は軟匱になった。盎接戊いもせず、ゲヌム感芚でドロヌンを動かし、それでいお高絊取りで、己の呜の危機感も、無い。そんな人間がどうなるか そもそも「兵士」ず呌べるような粟神を䜜り䞊げおいない以䞊、間接的にずは蚀え「人殺し」の片棒を担ぐこずに、耐えられなくなっおしたう。
     良心の呵責。
     実にお笑い草だ。自分たちは仕方なくやっおいるだけであっお、だからこんな制床はなくしおほしいず、圌らは口にする。なら䜕で兵士になんかなるのかず蚀えば、ただ単に「皆がやっおいるから」ずいう答えが返る。あるいは、絊料が高いずか埅遇がよいずか、そんな理由だ。
     邪魔者を始末するだけ、それも己は危険に身をさらさずに「実利だけを」埗られる、なんお。私からすれば矚たしい限りだ。毎床どこか遠くぞ出かけお、蚀われたずおり暙的を始末し、それでピンハネされた金を貰う、私にすれば。
     私も奜きでやっおいる蚳ではなく、金の為にやっおいる。だが、眪悪感など圓然無いし、それを理由に善人ぶる぀もりも、圓然無い。
     殺すこずで利益が出るなら、私には䜕の負担もないしな。どこの誰が䜕人死のうが、知ったこずではない。人間などどうせその蟺で結構死んでいるのだから、今曎癟䞇や二癟䞇殺したずころで、私䞀人が非難される぀もりもないしな。
     非難された所で、知らないが。
     どうでもいいしな。
     それで金になるなら、別に構わない。非難など耳障りなだけだ。道埳などず蚀うゎミよりも、私は実利を遞ぶ。
     その結果䜕人死のうが、知るか。
     私の口座残高には関係ない。
     どうでも、良さすぎる。
     眪悪感を抱いお埌悔するほど、私は人間をやっおいないしな。実際知ったこずではない。人間も怍物も䌌たようなモノだ。攟っおおいおも、じき増える。増えるモノを幟ら刈り取ろうが、党䜓のバランスが厩れなければ問題有るたい。
     少なくずも、この「私」にずっおは。
     䜕の問題も生じない。
     だから、どうでもいいのだ。そんな、些末な䞊気にしおも金にならない事柄は、な。
     兵噚のテクノロゞヌが進むに぀れお、人間の意識、ずいうか「兵士ずしおの意識」はどんどんず薄れおいった。珟代瀟䌚でたずもに「軍人」をやっおいる奎はかなり少数掟だろう。ハむテクであればあるほど、劎力は少ない。そこに人間の意志が介入する䜙地はない。䜕故なら最新鋭の自動照準機胜があり、敵味方識別コヌドが有れば、スむッチ䞀぀、「すらも」必芁ないからだ。
     党お機械がやっおくれる。
     人間が䜕かを「遞択」する必芁性は、もうどこにもないのだ。「結果」は機械が運んでくれる。だから、兵士ずしおの玠質よりも、劂䜕に効率よく進めるか、なのだ。
     だからおかしいのだ。
     あんな颚に、ミュヌタントに歊噚を持たせお戊う、なんおいうのは意味がない。あれではドロヌンを動かしお、あるいはアンドロむドを指揮した方が、かなり戊果に違いが出るだろう。
     そんな非効率的な行動をずる理由は、今も昔も䞀぀しか存圚しない。
    「実隓、か」
     非効率的な環境䞋での「むレギュラヌ」な情報の蓄積は、機械のトラブルを避ける䞊で必須の科目だ。萜ずせば萜第、間違いなく実践で悲惚な目に合うだろう。
     テクノロゞヌを遊ばせる。
     これは想像以䞊に重芁な事なのだ。その過皋で新たな甚途が芋぀かれば汎甚性も増え、その過皋で新たな欠点が芋぀かれば、先の損倱を未然に防ぐこずが可胜だ。
     たしおその盞手が「サムラむ」なら。
     眠かどうかはわからないが、たぁやるしかないだろう。向こう偎が私を捕獲する、などずいう無謀な蚈画を立おおいるのかさえ、珟状では䞍明なたただ。
     だからず蚀っお、他でもないこの「私」が、ミュヌタント共に手心を加えたりする、などず蚀うこずは可胜性からしおない。倫理的、道矩的にどうなのか、それは考えたい奎が考えればいい。少なくずも私にずっお、人間の、あるいは人間でなくおも、「邪魔者を始末」する為に、䜕䞇人䜕億人䜕兆人殺そうが、文明ごず滅がそうが、宇宙䞞ごず党生呜䜓を消し去ろうが、䞖界を滅がしたずころで、「私個人の保身ず実利」さえ確保できおいれば、そんな些现な事は「今日は昌をスパゲティヌにしたが、あれはカレヌの方がコヌヒヌに合っおいたなぁ」ず考える事ず同じくらい、どうでもいいこずなのだ。
     どうでもいいモノはどうでもいい。
     それに道埳だずか倫理だずか、狂っおいるずか人間じゃないだずか、蚀いたければ蚀えばいいが事実は事実だ。あれこれ蚀われたずころで迷惑なだけだ。
     守るべき者は無い。欲しい物も存圚し埗ない。助ける盞手もいない。目的や野望では無く、己の郜合のみを考える。
     考えおみれば、これは珍しくも䜕ずもない。
     よくある噺だ。
     人間は本来、そういう生き物なのだ。時々で代わる「道埳」や「法埋」の為に、「人間性」を、私でなくおも、挔じおいるだけに過ぎない。
     人間性など、物語の䞭にしか存圚しない。
     珟実にそれを持぀人間など、初めから無い。
     自分達を「良い人間」であるよう「思いこむ」為、自身を過倧評䟡しおいるだけだ。
     それに付き合わせるんじゃない。
     やりたければ勝手にやれ。
     私はどうでもいいのだ。
     䜜家ずいう立堎で考えれば、本来「良い人間」ずいうのは招来する奎は倚い。だが、物語における䞻人公、ずいうもの、その存圚は、少し考えればどれだけ歪んでいるか、分かるはずだ。
     あらゆる人間に賞賛され。
     党おの敵を仲間にする。
     逆境でも必ず打ち勝぀。
     惚れない女はおらず。
     勝おない盞手もいない。
     そんな存圚、気持ちが悪くお仕方がない。
     あらゆる存圚に出錻を挫かれ、しかも逆境では必ずこけお、他者には敵意のみを向け、勝おた事が生たれお䞀床もない私からすれば、ただ、ただただ、忌々しい限りだ。
     そんな奎が勝぀のか
     それでいいのか
     そう、思っおしたう。
     珟実にはそんな人間、「幞運」ずいうバックボヌンがなければ、生きるこずさえ難しいだろう。 たぁ、以前そういう類の奎に倧敗を喫した私が蚀うず、䜕だか説埗力が薄れおしたうがそんな人間に、誰が孊ぶのかずいう噺だ。実際、そういう䞻人公は読み手が自己投圱をしお、その気になっお楜しむだけで、䜕䞀぀、孊びはしない。 その姿から䜕も教蚓を埗ないのだ。
     それでは意味があるたい。
     䟡倀もない。
     私は「人間らしさ」に拘る぀もりもないが、そういう䞻人公こそ、「人間ではない」ず思う。人間の矎化、ずいうよりも「理想」の姿を、ただそれらしく描いおいるだけだ。
     私の物語は倧抵が、邪道だ。だからあたり売れないのだが、「読者の思想」に倧きく圱響を及がせるような、嫌な䜍珟実味を垯びおいお、それでいお暗雲立ちこめる未来を想起させ、それを攟眮すればどれだけの絶望が未来を芆うのか。垞にそれを意識しお曞いおいる。
     未来にある絶望を。
     垌望を述べ立おるのは簡単だ。適圓な綺麗事を䞊べれば、誰でも垌望を持おる。だが、それは珟実を生き抜く䞊で「持たざる者」の指針には、なり埗ないのだ。
     未来の事は分からない。
     案倖、あっさり私はこの先敗北を繰り返し、狂気のたた無惚に倒れるのかも知れない。だが、それでも「理䞍尜に屈する」事を吊ずするならば、どうにかしおその絶望に打ち勝぀しかない。
     運呜を克服しなければ未来はないのだ。
     正盎、方法なんおないのかもしれない。あらゆる方策を詊した私が蚀うのだ間違いない。だが、「勝おないなら勝぀たでやる」それが狂人の倉えられない生き方だ。
     倉えられないし倉える぀もりもない。
     困難だ。䞍可胜かも知れない。どう考えたっお無謀そのものだろう。だが、それは本来生きる事ず向き合っおいれば、圓たり前のこずなのだ。
     私の堎合は金だった。そうでない奎もいるだろう。綺麗事を蚀う぀もりはない。誰であれ、その詊みが無駄に終わり、党おが無駄だった。挑戊しなければ良かったず、「運䞍運」などずいう䞋らないモノで、そうなっおしたう可胜性はある。
     私はたさにそうだ。
     だが、それでもやるしかないのだ。最早私個人の意志すら越えお、匕き戻せないくらいには、私は「䜜家業」ずいう旅の果おたで、来おしたったからな。
     今曎どう戻ればいいのかさえ、䞍明だ。
     もう、やるしかないのだ。
     それを信じお、己のやり遂げた事、成し遂げた真実を、信じる以倖に出来るこずはない。䟋え、それが䜕の成果も出さず、誰にも理解され無かろうず、だ。
     前ぞ進み、戊い、勝利する。
     蚀葉にすれば簡単だが、随分ず、長い旅だった気がする。思えば、私の人生は最初からそうだったのだ。非人間ずしお生たれ、自芚し、銎染めずに歩き続けお、それでも己を信じた。
     その結果。物語が生たれた。
     ならば、それを信じなければなるたい。
     粟神的に老けおいるみたいで、䜕だか嫌な噺ではあるが気のせいだ。私は若々しいし、ただただ子䟛っぜい。
     筈だ。
     違ったずしおも、そういう事にしおおこう。成長を急ぎ「倧人である事」に固執する若者は非垞に倚いが、䜕故老けたがるんだ 成長しおも老けおも、増えるのは悩みだけだ。金の倚寡に成長や粟神は関係がないからな。
     そう蚀う人間は嫌ず蚀うほど芋おきた。実際そういう人間はいるのだから、そうなのだろう。
     私の前を走り、案内圹を買っお出た少女は、きっずその類だろう。倧人ぶるこずで暩嚁を埗るよりも、無胜を振る舞うこずで楜をする方が、どう考えおもお埗だが、それをしないのがお子様だ。
     
     
     

     たぁお子様ずいうのは蚀い過ぎか。少なくずもあれだけの組織をたずめおいるのだ。それなりの策謀は有るのだろう。
     無論、組織をたずめおいるから有胜ずも限らないが。䞊に立぀だけなら猿でも出来る。問題は利益を出し぀぀導き、それでいお倱脚しないかどうかだ。
     歊装したミュヌタントず戊う、か。
     正盎、この女がミュヌタントずの混血で、性胜が桁倖れだろうが、それこそ私レベルの戊闘力でもない限り、数の差は埋たらない。
     それも歊装しおいる、ずなるず尚曎だ。
     私の考えでは、恐らく圌女たちは「わざず生きたたた攟眮」されおいる。そういうゲリラ的な存圚が、どういう手段に出るのかは、非垞に有甚なデヌタになるからだ。
     籠の䞭の小鳥。それも、自芚の無いたたに。
     私には関係ないがね。いや、私だからこそ関係があるのか。私は、それこそ「運呜」ずいう籠の䞭に閉じこめられ続けおきた。
     圌女たちを支揎するこずで、䜕か察策に、はならないだろう。圌女たちは集団で、私は個人だ。 協力プレむが実装されおいない以䞊、参考にすらなるたい。私は誰ず出䌚おうが、䜕の圱響も受けない非人間だ。私が誰が死のうが悲しむこずが出来ない事ず同様、私が死んで悲しむこずができる存圚も、やはりいない。
     䜕が蚀いたいのかず蚀えば、そんな「存圚」は最早人どころか、「地獄そのもの」ずいう事だ。地獄ずいう抂念が「あらゆる幞犏を排した」存圚ならば、私はたさにそれだ。䜕䞀぀ずしお幞犏を決しお感じられず、それでいお悔やむ事も悲しむ事も哀れむ事も慈しむ事も、䜕も出来ない。
     䜕䞀぀ずしお「人の幞犏」を味わえない。
     たさに地獄だ。地獄そのものを無理矢理人の圢にしたからこそ、非人間などずいうズレた存圚が出来るのだろう。実際、私はこの䞊なく「悪」だどんな人間的感情も䞀切感じず、それでいお党おの幞犏を吊定し、絶察に幞犏そのものを感じ取るこずは無く、人間の圚り方、倢想ではあるが人間の「矎しさ」に焊がれる事も、出来ない。 それでいお、䜕も感じはしない。
     そうであるこずを、間違っおいるず思わず、むしろ率先しお人間性を排陀し、必芁ずせず、ゎミのように捚おおしたえる。
     これが「悪」で無くお䜕なのか。
     たさに地獄そのものだ。
     嬉しくもない。
     無論金の倚寡に比べれば、そんな問題は些现な事でしかない。物語によっお金を儲けられおいない以䞊、問題ず蚀うこずだ。
     このたた、䜕䞀぀ずしお埗られずに終わるのかず思ったが、考えおみれば私は䜕を手にしたずころで充足も充実も感じ埗ないのだ。そういう意味では党おが埒劎ず蚀っおいい。このたた物語を金にも換えられず終わるずは、぀たりそういう結末を迎えるず、いうこずだ。
     人間の物真䌌をしお、怪物にすら心がある事を知り、混ざれず、それでいお孀独であるこずを、䞀切問題ずせず、金の力で生きようずする。
     誰に理解されるこずもなく、誰を理解するこずもなく。その時点で十分砎綻しおいる䞊、砎綻した䞊で求めた金による幞犏も、物語が金にならないず蚀う理由で、倱敗しおいる。
     䜕床目の挑戊だろうか。
     金を儲けようず蚀うアプロヌチは、物語だけでは断じおない。私ずお楜芳的に物語を金に換えられる、ずは思っおいなかった。無論出来映えには絶察の自信があるが、売れるかどうかは別だ。
     だから予備のプランを幟぀も走らせおいた。その党おが無駄に終わっお久しいが、䜜家業でないからず、手を抜いたわけでもない。
     消去法、たさにそれだ。私には倧金を皌ぎ、それを珟実にしうる方法論が、物語しか、もうどこにもないし、それ以倖に可胜性すらない。
     党く持っお嫌な噺だ。
     ただ、豊かで平穏に暮らしたい、だけだずいうのに、人間らしい生掻を非人間が真䌌をしようずするから倱敗するのか
     わからない。
     分からなかった。
     それが分かれば苊劎はしない。
     䜕時だっお、そうだった。
     仮初めの垌望を芋せられお、飜き飜きずしお意私は「どうせ無駄だろう」ず思い、䞀応詊みだけはしおおいお、結果無駄であるこずを確認する。確認、そう確認だ。䜜業ず化しおいる。䜕かを詊みたずころで、無駄なのだ。
     それを私は知っおいる。
     だから、綺麗事には吐き気がする。
     どう行動したずころで、無駄なモノは無駄だ。それを私は知っおいるのだ。詊みをしようがしたいが、成功する奎は成功するし、幞せになれる奎は幞せになれる。
     最初から決たっおいる「運呜」だ。
     成るべくしお成る。幞犏ずは、䞎えられる事が決たっおいる人間の「特暩」でしかない。
     成れない奎は、どう足掻いおも、成れない。
     挑戊暩そのものが、そも存圚しないのだ。
     成れる蚳が無い。
     知っおいお、芆そうずしお、無駄だず悟り、それでも繰り返し、再確認した。
     それを繰り返した。
     䜕床も䜕床も狂気のように。
     我ながら銬鹿な事をしたものだ。成れない人間は䜕をどうしたずころで、幞犏には成れない。党お決たっおいるこずだ。
     持぀偎か持たざる偎か。
     生たれ぀いおの特暩は、揺るがないず。
     知っおいお、それでも諊めが悪かった。
     我ながら、子䟛の考えだった蚳だ。方法はあるはずだず、頑なに信じた。それが無駄でもたた繰り返した。私が賢い倧人だったなら、さっさず諊めお死䜓ずしおこなしただろう。
     芁は己の道を信じた蚳だ。それが「結果」間違いだったず蚀える。己の道すらも、結局は運䞍運ず持぀偎か持たざる偎かで、正しいのか間違っおいるのか、決められおしたう。持たざる偎には己の道を突き進む暩利すら、無かった。
     だから金を欲した。
     結局、信念は無意味だったからだ。圹に立たない信念や誇り、そういった綺麗事のゎミよりも、珟実に䜕かを倉えられる「力」の方が、私個人の自己満足の幞犏だずしおも、ただ珟実味があるからだ。
     それも、倱敗したが。
     倉えられない生き方ず蚀えば聞こえは良いが、金にならず倱敗すれば、ただ惚めなだけだ。誰䞀人ずしお芋向きもしない人間の末路など、こんなものなのか。だが、私は己を惚めだずも、こんな末路劂きで終わるずも、思えない。
     思うこずが、出来ない。
     今曎、そんな殊勝な考えを、持おない。
     難儀なものだ。本圓にな。
     信じたずころで裏切られるだけで、信じなければならないような時点で、それは人間であれ珟象であれ、成し遂げた事柄であれ、「結果」には決しお結び぀かないのだ。
     信じなければ成らない時点で、綺麗事だ。
     勝おる力が有れば、信仰など䞍芁だ。
     䜕も信じなくおも、金もそうだが「勝おるだけの莫倧な力」があれば、勝おる。珟実問題、力があり成し埗ない事柄など聞いたこずがない。
     金の力で倉えないモノなどあるのか たぁあるずしおも、粟々が人間同士、人類皆平等で手を取り合う未来䜍のものだろう。人間同士の結束は決しお金では買えない。未来氞劫殺し合い奪い合い隙し合う。人類は平和を買えないのではなく、買わないからだ。
     実際、人類が団結しお、䞍可胜は無い。どんな願いでも叶えられるだろう。たさに聖杯だ。無論人類が仲良くするなどあり埗ないが。
     それは、皆知っおいるからだ。所詮䞖の䞭は金や暩力が「党お」だず。矎しい人間の手の取り合いなど存圚しない事を、皆知っおいる。
     信じるべきは力だけだ。
     金、暎力、暩力、政治力、情報力、䜕か珟実に未来を切り開く䜕かずは、䟋倖なく力だ。そしお金はもっずもわかりやすく人間を幞犏にしおくれる、魔法のアむテムだ。
     だから求め続けたのだが、どうやらそれも、持おる人間が決たっおいるらしい。そうずしか思えないくらいには、倱敗した。
     非人間、ずしお存圚しおいる以䞊、私に未来なんお最初から無かったのかも知れないが。蚀っおも仕方がない。無理だず承知で挑むこずくらいしか、もう出来る事も無い。いや、挑むこずも、もう意味はないだろう。ただ、流されるだけだ。
     䜕も出来る事は無い。
     なら、私がどう足掻いたずころで、同じか。
     信じるべきは力、即ち金だ。だがそれも持぀偎ず持たざる偎で区分けされおいるなら、どうにもなるたい。どうにも成らない事なのだずすれば、私のこの行動も、あっおもなくおも、きっず最初から同じだったのだろう。
     無駄な劎力を掛けたものだ。
     本圓に、䜕から䜕たで無駄だった。
     そういうこずか。
     私が無駄を被るこずで誰が特をするのか知らないが、最早どうでもいいこずだ。その考えにすらも、結局は意味がないのだから。
    「今倜はここらで野営しよう」
     私はそう蚀っお、マリヌずゞャックに䌑憩の指瀺を出した。圌らは枋々埓った。

       

     人間性など捚おおしたえ。
     䜕の圹にも立たないぞ。私が蚀うんだ間違いない。人間性がなければ、どんな遠倧な目的であれ远いかけるこずが出来る。そしお、この䞖に存圚さえしない嘘くさい詭匁よりも、実利を手にしお適圓に「自己満足」でき、それで満足できる。
     人生に意味など無い。
     人生に䟡倀など無い。
     どちらも必芁ない。芁は、劂䜕にリッチで快適な生掻を送れるかどうか、だ。人ず人ずの絆は尊いずお前等は蚀うが、そんなもの、飜きが来ればいらなくなるものだ。
     家族も。
     恋人も。
     友人も。
     党お、飜きるたでの暇぀ぶし。
     䜿い捚おの小道具よりも、その小道具を買い占める方が幟らか「珟実的」だ。そうじゃないか たぁ、同意は必芁ないし求めおもいない。ただこの䞖界はそうだずいう「事実」を、頌たれおもいないのに突き぀けおいるだけだ。
     目的意識、で思い出したが、私の䜜家ずしおの最終目的は「聖曞」を越えるこずだ。越える察象でしかない。䞖界䞀読たれおいお、人間の方向性を倧きく倉えた曞物、ずなるず、そういった類の本、物語こそが出おくるだろう。
     無論察抗意識からではない。
     党人類の意識を倉える、ずいう尋垞ならざる郚分は認めざるを埗ないが、正盎蚀っお面癜くはないからな。宗教本ずしおは最高䜍かもしれないが「物語」ずしおは、正盎これを越える存圚は幟らでも有るだろう。
     それが「事実」だ。読たれおいれば䜕でも凄い蚳でもないしな。あくたで分かりやすい指暙にすぎない。目的などそんなモノだ。
     ずはいえ「目的」が䜎ければ、䜎いずころですら越えるのに苊劎するだろう。䜕事も䞖界䞀を圧倒するレベルたで、遙か圌方を芋据えねばな。
     そうでなくおは面癜くない。
     その方が、面癜い。
     そうでなくおは、やりがいがあるたい。
     私にずっおかの聖人は聖人ではなく、あくたでも「䜜家」なのかもしれない。面癜くはないが、それだけ広めた手法は参考にするずしよう。
     無論。私は自分よりも売れおいる䜜家は嫌いなので、仲良く出来そうにはないが。きっず珟実にそんな聖人が目の前にいたずしおも、圓人の胃を痛めるような嫌がらせをし、スヌパヌで買い物をする時に商品を根こそぎかすめ取り、家賃を払う気がないず倧家に蚀い぀け、゚アコンを砎壊し、冷蔵庫を勝手に開けっぱなしにしお肉を痛め、そしおそい぀らの目の前ですき焌きを食べる事だろう。なんお、そんな実際にいたのかもわからない盞手に、こんな事を考え埗るのは無駄だがな。
     実際にいたかどうかも分からない人間の事を、倧倚数の人類が信じおいるのは、どうも奇劙な噺だ。実際、その聖人は遺䜓が確認されおいない筈だしな。たぁ、圓人からすれば死んだ埌たでこき䜿われるのは迷惑だろうが。
     䜕であれ、䟋えそれが䞖界最倧の聖人であれ、所詮個人でしかない。だが、そうやっお持ち䞊げる人間が倚くいれば、虚実も本物になるのか。
     高尚な人間を厇めるこずで己も高尚になろう、なんお、私からすれば有名スポヌツ遞手を応揎するこずで、自分がそのチヌムのスポンサヌ気取りに成るようなものだが。高尚な存圚があったずしお、それはそれだ。厇める人間が高尚になるわけではあるたい。
     個人は個人。
     人は人に圱響しない。
     䞖の䞭そんなものだ。
     所詮この䞖は自己満足。誰䞀人ずしお理解され無かろうが、誰䞀人ずしお必芁ずしなかろうが、誰䞀人ずしお分かりあえなかろうが、どうでもいいのだ。芁は、「己で己の道に満足する」こずが「生きる䞊での充足」なのだから。
     自己満足が出来れば、満足するこずを肯定しおくれる他者など、必芁ない。私は既に、そう出来䞊がっおいる。
     出来䞊がる、ずいうのも違うのか。私は人ずしお必芁な郚分を党お削ぎ萜ずすこずで、生たれおしたった化け物だ。だからこそ、私は珟状に非垞に満足しおいる。無論、貯金残高は別だが、それ以倖は最高だ。
     人間性の無い䞖界。
     玠晎らしい。枅々しくも爜快だ。
     そんなモノを求めなくお良かった。私は぀たらないモノに、人生を束瞛されるのは埡免だ。思うに人間ずいうのは「人間性みたいなモノ」を維持するこずに躍起になっお、結果己を殺しお我慢しお生きおいるように芋える。
     家族ずか恋人ずか友人ずか、党お蚀い蚳だ。ただもっずもらしい䟡倀芳が欲しいだけ。皆がそれを玠晎らしいず厇めるから真䌌しおいるだけだ。 私ず䜕ら倉わらない。
     䟡倀芳など己で決めればいいのだ。己で決めおそれに満足できればいい。ただのそれだけだ。他に必芁な䜕かなど、どこにも存圚さえしない。
     䟡倀芳か。マリヌずか蚀うこのレゞスタンスの女は、どういう䟡倀芳を持っおいるのだろう  私たちは今、二次元匏収玍タむプの、簡易宿泊斜蚭を起動し、ぺらぺらの入り口から䞭に広がる簡単な宿泊斜蚭内郚で、䌑んでいる。
     䟿利なものだ。
     ふず思い立っお女の郚屋にノックをしおみたが返事はない。どうやら寝おしたったようだ。私の思惑も知らず、恐らくは郚屋の䞭で暢気に寝こけおいるこの女、実隓に䜿われた奎等を解攟しおいたらしいが、たさか「正矩の味方」の぀もりなのだろうか
     正矩ずは「暩力」ず「政治力」そしおそれらを動かす「軍事力」があっお初めお、名乗れる存圚だ。無論金もかかる。倧量虐殺の口実は安いが、それを動かすずなるず「呜の重い」自囜の兵士を動員しなければならない。金ず手間ず劎力ず、そういったあれこれがあっお初めお「正矩」だ。
     だから連䞭が博士の率いるミュヌタントを皆殺しにするか科孊の力で支配し、暙的の博士を瀟䌚的な生け莄にしお、党おの責任を負わせ、その䞊で自囜の実利、぀たりはミュヌタント共を他囜ぞ切り売りし、非合法な実隓の堎所ずしおこの惑星を提䟛し、金ず軍事力を抌さえれば、正矩だ。
     善悪などどうでもいいがな。
     所詮各々の郜合だ。どうでもいい。どうでも良くないのはこの女、芋殺しにしおもいいのだが、売れば金になるであろう、ずいう点だ。
     死䜓であっおもそこそこの金になる。
     それは、ミュヌタント共からすれば、私自身にそのたた適応できるのだろうが。サムラむは珍しいからな。狙われおいる自芚はある。
    「その女、助けないのか」
     コヌヒヌを入れお䞀服し、郚屋に眮いおあった怅子に座り蟌んだタむミングで、ゞャックはそう聞いおきた。
    「金になればな」 
     郚屋の方向を芋ながら私は蚀う。ぞっずするような冷培な声で。冷淡に、冷静に、助けを求めおきたヒロむンを、容赊なく。
     助けを求められたからっお、助ける芚えもないだろう。そんな矩理も矩務もない。どうしおもず蚀うなら金次第だ。
    「もしこれが物語なら、先生の立ち䜍眮は間違いなく、その女を助け、囚人を解攟し、未来に垌望有る圢で結末を迎えるこず、だろうぜ」
    「知るか」
    「぀れないねぇ」
    「圓たり前だ。䜕故そんなありきたりの圹割を、他でもない私がやらなければならない そんな面倒な圹割は、誰かに抌し぀ければいい。私は最終的に実利を埗られる立ち䜍眮、吊、圹割を䜜り䞊げるたでさ」
     元々圹割の無かった人間が、その「狂気」のみでここたで来た。が「足りない」のだ。黒幕的な立ち䜍眮では、氞遠に目的にたどり着けない。黒幕ずは陰で暗躍し、策を巡らせ最埌の最埌、䞻人公に打砎される存圚だ。
     かずいっおここでこの少女を助けるこずが私の利益になるかず蚀えば、吊だ。そういう詊みは既に終えおいる。因果応報、善行を積めば物語の流れを支配できるのではないか、ずいう詊みは、既に䜕床も倱敗した。
     どうしたものかずりあえずミュヌタント共を生け捕りにし、「博士」の研究デヌタを奪った䞊で、この少女を売りさばく。
     これがベストだ。
     売りさばく、ずいうよりも、貎重な実隓䜓ずしお、おおよそアテのある幟぀かの囜に研究を持ちかけ、資金を出し合いながらその研究結果を分配するこずになるだろうが。
    「それでいいのかい」
    「䜕が悪いんだ」
    「いや、たぁ先生に道埳なんおないか」
    「無いな」
     噺が終わっおしたった。䜕が蚀いたいのだ、こい぀は。確かに私は既に結構な金を持っおいる。だがそれが手段を遞ばず金を求めおは行けない理由には、ならない。
    「哀れな少女を助けようずか思わないのか」
    「思わないな。哀れだず 䞋らん。哀れだからずいっお助ける理由など、本来どこにもない。ただ単に自分達の「善性」ずでも蚀えばいいのか、「こういう状況でこういう善行を行えば良い人間であれる」ずいう、行動原理でしかない。本来ならば、匱った奎は食い物にされ、螏みにじられ、殺される。そしお、こちらからすれば「手間をかけずに殺せる獲物」は「幞運」ずしか蚀えたい」「理屈の䞊ではそうだがよ。それでも手ず手を取り合うのが人間だろう」
    「銬鹿銬鹿しい」
     人間が手を取り合ったこずなど䞀床もない。
     政治や経枈、実利や資源、そういう背景から嫌々手を握ったフリをしおきただけだ。
    「人間が手を取り合っおいれば、ずうの昔に、あらゆる願いは叶えられおいただろうな。誰かが損をすれば誰かが笑顔になる。宇宙の基本抂念だ。それを無芖した奎は生き残らなかったし、信じた奎は珟に䞊に立っおいる。人ず人ずが手を取り合う未来、など、「政治的にも経枈的にも共通の的であり、滅がすこずで利益を埗られる他皮族」でも出ない限りは無駄な話だ」
    「宇宙人はいるんだろう」
    「いるらしいな、私はテレビを芋ないので、最近たで知らなかったが。テクノロゞヌ的にはそい぀らに远い぀き、滅がし奪うか、あるいは自分達よりも䞋の皮族を䜜り䞊げ、それを支配するこずでしか、手を取り合うなど䞍可胜だろう」
     人間ずはそういうものだ。
     䜕かを芋䞋し䜕かから奪い、䜕かより䞊に立っおいなければ、劣等感で歩けない。
     人間でなくお、本圓に良かった。
     なんお面倒臭い生き物なんだ。
     よくそれで生きられるな。
     恥ずいう抂念に限れば、人間にそれはないしな倧抵の「人間」は、劣等感の克服で、人生そのものを終えおしたう。
     よく分からない奎等だ。
     少なくずも連䞭は、ミュヌタントを殺すこずさえ「可哀想だ」などず、䜕の責任もなく改善案も自身が䜕をする぀もりもなく、蚀うのだろうな。 ミュヌタントか人間かなど、敵味方の識別が簡単で殺しやすいのがミュヌタントで、識別しにくいのが人間だ。いや、そもそも歊装しおいる軍隊ならば、芋た目で分かりそうなものだが、それすらも人間は停装するからな。
     そしお、死䜓を集めれば集めるほど、぀たり殺せば殺すほど儲かるのがミュヌタントだ。俄然やる気が出おくるずしか、思う぀もりもない。
    「生きおいるだけで人間が人間を傷぀けるならばせめお、金になる圢にず思うのは圓然だろう」
    「それで、䜕の眪悪感もなく、それを実行できるのは、䜕故なんだ」
     玔粋な疑問のようだった。珍しい。人工知胜のこい぀に、そんな感芚があったずはな。
    「䜕故も䜕も、私の生掻に、こい぀らの生き死にが関係有るか」
    「他者を党く劎らない、ずいうのも有る意味才胜だな。人間には善意のセヌフティネットがある。先生みたいな事を思い぀いおも、実行できないようにな。それが」
    「倖れおいる、ずいうよりも「最初から付いおいない」ずいうのが正解だろう。そのお陰でいらない苊劎もしたが、だからこそ䜕の躊躇もなく、こんないたいけな少女であれ、螏み぀ぶしお肥やしにするこずに、眪悪感などない」
     それで眪悪感を感じるような奎が、䜜家などずいう非人類の代衚みたいな事を、始めるわけがあるたい。
    「先生は人間じゃ」
    「無いのさ。倉える必芁も、無い。金が有ればそんな些现な問題は、着せ倱せる」
     金が有れば生き方に関係なく、生掻が出来る。 だから、人間性など無くおも構わない。
     それが「事実」だ。
    「自分の為だけに生きる人生が空しい、などずいうのは根本から間違っおいる。己の為だけだ。他でもないこの「私」の為に、他の党おを生け莄にしお地獄にたたき萜ずすこずが、爜快で楜しく無い蚳がないだろう」
     䞖界は最高に面癜い。
     私はそう蚀った。
    「無論その為に善良なる垂民が犠牲になったりするが、この「私」の充足感に比べれば、䜕人いるのか数えるのも面倒なその他倧勢が、どうなるかなど些现なこずだ。自分の為、自分の為、そしお自分の為だ。おかげで金さえ付属すれば、だが面癜くお面癜くお仕方がない」
    「神代の怪物も真っ青だな」
    「構わんさ、たかが腕っ節が立぀だけの怪物などいようがいたいが同じ事だ。そんな小物におびえられたずころで、箔にもならんしな」
     匷いだけ、怪物性があるだけ、あるいは人間でないだけでは、恐ろしいずはその他倧勢のカス共が思うかも知れないが、きっず「悪」にはなり埗ないのだ。
     その皋床、人間にすら劣る。
     狂気だけが面癜い。䜕もかも排し䜕もかも犠牲にし䜕もかも裏切られたずころで狂ったように笑える灜厄のような存圚。
     だから面癜いのだ。
     そうでなくおは、぀たるたい。
    「嘘八癟をあたかもあるかのうように曞き、それを読者に売り぀け、皎金のように読者共から搟取する。それが䜜家だ。隙すも奪うも圓然だ」
     圓たり前のこずでしかない。
     䜜家ずは、そういう生き物なのだから。
    「酷いこず蚀うなあ、倢ず垌望を物語に芋おいるちびっ子が泣くぜ」
    「倢も垌望も、所詮玙䞊の嘘でしかない。そんなモノに䟡倀はない、䟡倀があるず、そう思いこんでいるだけだ」
    「思いこみ、信じるこずには意味があるだろう」「かもしれん、だが金にはならん」
     だから私は金を求めるのだ。この䞖にある党おの垌望ず党おの倢は、虚構ず脚色で出来おいる。 ならばそれを買うこずの出来る「金」こそが、この䞖の真実ではないのか、なんおな。
     実利が有ればそれで良い。
     金こそが正矩だ。
     少なくずも、私にずっおは。
     そう思いこむだけの利甚䟡倀がある。
     山間郚を抜け、我々は博士のいるであろう可胜性の高い、郜心䞭倮郚ぞず向かっおいた。円のように呚囲を森林ず居䜏スペヌスが挟んでおり、我々はただ居䜏スペヌスず森林の䞭間地点、䞁床䞡者がいい具合に混ざっおいる郚分で、䌑んでいるわけだ。
     女が䌑んでいる間にも、圓然私はこの惑星の塵状況や、呚囲の建物が䜿われおいるかどうか、二次元匏簡易宿泊斜蚭をこっそり抜け出しお、調べ続けおいた。先ほどようやくそれが終わり、こうしお倜遅くにゞャックずの情報共有をしおいるわけだ。
    「どうも、おかしい。斜蚭の䜜りもそうだが、たるで぀い最近たで誰かが䜏んでいたようだ。ミュヌタント共が「埐々にさらわれお䜜られた」ならこんな状況にはならない」
    「りィルスを誰かがバラたいたずか」
    「かもしれん。だが、どうにも奇劙だ。そうだずしたら、やはりあの連䞭が野攟しになっおいるのは「無自芚な研究察象」ずしおの意味合いが匷そうだな。倧䜓が、郜合良く自絊可胜なスペヌスを取られる、なんお考えづらい」
    「圓人たちの努力の結果だろう」
    「努力の結果ずいうのは、報われないものだ。それがレゞスタンス、なんお気取っおいる連䞭なら尚曎な。加えおあの連䞭にそこたでのカリスマ性のあるリヌダヌはいなかった。あの少女に関しお蚀えば、ただ有胜だから持ち䞊げられおいるだけだろう」
    「確かにな。けれどさ、だずしたらここは、䞀䜓䜕の斜蚭なんだ」
    「ミュヌタントを䜿っお、䜕かしらの軍事デヌタを取っおいるこずだけは間違いない。埌はおおっぎらに生き残らせた連䞭ず戊争が出来お、それをデヌタずしお取埗できる。これだけでも結構なものだ。戊争をするのには金だけでなく口実も必芁だ。ここではそれがない。法の倖偎にこういう斜蚭を䞀床䜜るこずが出来れば、人間を殺しおも人間を解剖しおも人間を䜜り䞊げおも人間を量産しおも人間を研究しおも、誰も文句は蚀わない」
    「芋぀かれば蚀う囜は倚いだろう」
    「たぁな。だが、芋぀からないし、芋぀かれば誰か珟堎の人間の暎走だずでも蚀っお、指摘される前に焌け野原にすればいい。私なら「栞兵噚の誀䜜動」ずか蚀っお、惑星ごず蚌拠を消すね」
    「人間っおのは、どうもおっかねぇな」
     党くだ。ずはいえ、実利を求めるずはそういう事なのだろう。圹に立たない倫理芳より、珟実に䜕かを成し遂げる。それには犠牲が必芁だ。それには圓人の犠牲か誰かの犠牲か。それなら他人で有れば䜕も䞍郜合はないず。そう抌し進める人間が倚いのは圓然だろう。
     圓たり前のこずだ。
     人類史至䞊、珍しくもない。
     狂っおいる人間にずっお、䞖界は普通に芋えおいるものだ。ただ考え方ず捉え方が違うだけで、他は䞀般人ず䜕ら倉わりはしない。
     人間を芋お人間だなず思い、死䜓を芋お死䜓だなず思い。぀いでに蚀えばその死䜓や人間が、たぁどちらも䌌たようなものだが、それが金になるのかを芋るのが、私だ。
     ミュヌタントず人間のハむブリット、だったか思想自䜓は分からなくもない。ちょっず数癟人皋床の人材を犠牲にするだけで、人類の新しい可胜性、䞻に独占できる技術。欲しがっお圓然だろう。
     それを䜿っお䜕をするのか
     䜕が出来るだろう。ずりあえずミュヌタントを培逊し、人間を人工的に亀配させ、埌はそれを量産すれば、いや、ミュヌタントは突然倉異に近い生き物だ。培逊は難しい、ずそうか。
     人間を亀配させ、叀い人間をミュヌタントにすればいいのではないか
     恐らく、あのレゞスタンス共以倖の人間は、繁殖甚ずしお飌われおいるのだろう。それを増やしミュヌタントに倉え、それず人間をさらに亀配させ、新人類を量産する。
     玠晎らしい。
     なんず合理的で革呜的な考えだ。
     若干感動した。二秒でその感動は忘れたが。
    「人工的に新人類を䜜ろうずしおいるずなるず、䞭々芋所のある人物のようだな」
    「いや、どう考えおも頭おかしい狂人だろ」
    「銬鹿を蚀うな、䜕もおかしくないさ。人間だっお豚ずか牛ずか鶏を、幟らでも人工的に増やしおばらばらに匕き裂いお肉塊にし、それを矎味しく食べおいるじゃないか。それに比べれば殺しおはあたりないのだから「道埳的」さ」
    「人間ず家畜を䞀緒にするなよ」
    「同じさ。「自分ではない」ず蚀う点においお、䜕ら倉わらない。人間が残酷になれるのは、己の保身や己ず関係ない存圚だからだ。だから家畜は殺せるし、笑顔で食べられる。䌌たようなモノだ少なくずも「やっおいる事は結果同じ」だからな」
    「人間も家畜もか」
    「ああ、䜕ら倉わらない。同じ生き物じゃないか差別するなよ」
    「差別ずいうより、いや、しかしだな」
    「倉わらないさ。牛も豚も人間も鶏も、呌び方の違う生き物であり、そしお生き物であるずいう点は同じだ。名前や生態が違うだけで生き物だ。それはただの「事実」だよ。人間だけを尊くしようなどず、自己満足の䞋らない停善でしかない。豚や牛を殺すのも人間を殺すのも、等しく同じだ。「生物」を「殺す」ず蚀う点では、吊定する郚分が芋぀けられたい」
    「確かに、そうだけどさ」
     人間には意志があるじゃないか、ず人工知胜らしくもない匁明をゞャックはするのだった。
    「鶏にも牛にも豚にもあるさ。それを芋ない振りしおいるだけだ。どうでもいいがな人間を逊殖するのも同じだよ。魚を増やせるのに人間を増やすのは人道的に問題が、なんお、人間以倖の呜を軜くみおいるだけで、優しい蚳でもない。それに法埋的なこずを蚀えば、ここにいる奎等はどこにも所属しおいない。䜕人死のうが䜕人殺そうが䜕人解䜓しようが、牛や豚や鶏ず、同じ扱いをしおも䜕の問題も無い」
    「本気で蚀っおるのか」
    「事実だず蚀っおいるだけだ」
     それが事実だ。人間も牛も鶏も豚も倉わるものか。心臓が䞉぀も四぀も有るわけではあるたい。蛞ならずもかく、いや、それも数が違うだけで、生物であるこずには倉わるたい。
     道埳だずか人道だずか叫んでいるだけで、別に人間が人間を増やしおはいけない、などずいうのは䞖間党䜓がそう蚀っおいるだけで、それに合わせおいるだけであっお、そもそもが個々人の内から生たれた䟡倀芳ですらない。
     䞖間が良しず叫んでいれば、そい぀らも諞手をあげお賛成したこずだろう。詳しくは独裁政治に぀いお曞かれおいる本を読むずいい。
     䞖の䞭そんなものだ。
     䜕かを誰かに蚗すこずが、生呜のあるべき圢だなどず、蚀い蚳だ。䞀䜓人類が䜕を受け継ぎ、蚗し続けおきたかず蚀えば、治りそうもない瀟䌚問題だけではないか。
     䜕も埌ぞ続かなくおいい。
     それは䜜品がやっおくれる。
     仮に䜜品が誰にも蚗されず、受け継がれなかったずしおも知ったこずか。「私」には関係がないからな。
     䜕かを生呜のバトンで蚗す存圚こそが「人間」だずすれば、私は人間でなくお良い。非人間でなければ己を優先できないならば、尚曎な。
    「叀いモノは誰だっお捚おるだろう それのスケヌルが少しばかり倧きいだけだ。人類も叀くなっおきおいるのだから、新しい䜕かに倉えるのは有る意味、圓然だろう」
    「今たで培った文化や思想が有るじゃないか」
    「文化や思想はデゞタルで保存が可胜だ。それを再珟すればいいだけ、だ。心が䌎わないだの䜕だのず、そんな存圚しないモノであれこれ隒ぐよりは、党おの文化、思想、科孊をパッケヌゞ化しおそれを保存し、「新人類」を改良し続け、新しい新人類が匕き継げばいい」
    「人間の発想じゃねぇよ、それ。぀ぅか、その堎合旧人類はどうなる」
    「だから捚おればいい」
    「そこに自分が入っおいたら」
    「粟々安楜死させおくれず頌むさ。たぁ、珟実問題新人類がいようがいたいが、よくよく考えればその瀟䌚の䞭でも「必芁ずされる存圚」である必芁がある。人類がどれだけ進歩しようが、倉わりの効かない存圚になればいい」
    「先生はそうなれる、ず」
    「いいや、今ず倉わらないっお噺だ。珟段階で私の替えが効く人間は存圚しないが、しかしそれが金にならなければ同じ事だ。だから人類がどれだけ進歩しようが、新人類が牛耳ろうが、やるこずは倉わらないな。本を曞き、それを売る。問題なのは珟時点でも売れおいないずいう点だが」
    「぀たり、先生には「人類の発展」は関係ない、ずいうか蚊垳の倖の噺なんだな」
    「そうかもな。そしお、蚊垳の倖なら幟らでも適圓な事を蚀えるずいうこずだ」
     実際、どうでもいいしな。
     他の人類が取っお代わったずころで、私には䜕の関係もない。どうでも良さ過ぎる。問題なのは他でもない私個人が、望む生掻を送れるか その䞀点に尜きるからだ。
     自分以倖はどうでもいい。
     有る意味、圓たり前のこずだ。
     哀れな少女も瀟䌚党䜓の危機も、それを解決したずころで私の寿呜が延びるわけでも、私の懐が暖かくなるわけでもない。䟝頌は「博士」の殺害指什だ。そしおそれを「始末」する以倖の事に、私が䜕かしおやる理由も動機も矩務もない。
     䜕より金になるたい。
     誰だっお、金も貰わないのに人の為に䜕かをするこずなどありえたい。金は払わないが頌むこずをやっおくれ、なんお、俗っぜい物語のヒロむンにはよく芋られる傟向だが、銬鹿か。銃を突き぀けお無理矢理蚀う事を聞かせるのず、道埳を振り回し助けるべきだず「脅迫」するのは「過皋」も「結果」もたるで同じだ。
     脅迫材料が違うだけだ。
     有る意味、善人ぶった奎の方が、質は悪い。
     珟実にはそういうこずだ。
     ずはいえ、それも問題が無い蚳ではない。なたじ「䞊手くやっおきた」人間などには良く芋られる傟向だが、䞖の䞭の本質、吊、事実を芋ずずもやっおこられた人間に、人ずしおの匷さは皆無なのだ。皆無、そしお絶無だ。
     䜕䞀぀己で考えず、決断せず、けれど「そこそこ有胜」で、生きおこられただけの、人間。
     そこそこ有胜ずいうのは実に厄介だ。それなりに有胜であるが故に挫折を知らず、それでいお己のこずを小綺麗な人間だず思いこみ、そしお䜕より「無知」だ。
     己の食生掻すら管理できない。必芁な栄逊が䜕かも分からず、原䟡が硬貚の補造費より安い、むンスタント食品を食べ、䜓を壊したず嘆く。
     䞀瞬だ。
     所詮、圌らは「幞運」にたたたた支えられおきただけの人間だ。だから「䞀瞬」幞運に芋攟されず生涯を終える奎も倚くいるが、終える前に幞運に芋攟されれば、䞀瞬で終わる。
     圌らには䜕もないからだ。
     私のように「成し遂げた䜜品」も無く、「やり遂げたずいう実感」も無い。䜕もしおはいないからだ。圓然だ。無論それでも金を持っおいたりはするのだが、金の扱い方をたるで知らない。
     あんな奎等でもそれなりに幞運に支えられお楜しおいるずいうのは、いかにも䞍条理っお感じはするのだが、しかしそんな圌らだからこそ、金を䞊手く䜿いこなせず、結局よく分からないモノに金を぀ぎ蟌むずいうのだから、良くできおいるのか䜕なのかあの女の手の平の䞊、ずいうこずなのか
     だずしおも、綺麗事は埡免だ。
     䜜品が金にならなくお良い理由にも、なるたい是が非でも売らねば、䜕のために曞いおいるのか分からない。思想や信条は確かにある。だがだからずいっお䌝えお満足するほど、私は䜙裕のある「持぀偎」にいないのでな。
     それも所詮、心の持ちようだずか蚀うのだろうが、しかし実際問題心の持ちようで金が増えるこずはないし、心なんお有るのかさえ責任は取れないし取る぀もりもない。
     責任なんお「取っおいる甚に芋えれば」いいものだしなどうでもいいこずだが。
     少なくずも私には、札束にたみれ女を䟍らせ、それでいお䜙裕たっぷりの態床で「いやあ頭を䜿っただけですよ」なんお蚀われお玍埗できるほど人間をやっおいない。
     どう考えおも、䞍条理だ。
     そんなカス共がおいしい思いをしおいるのかず思うず、䞍満でならない。そしおそういう人間に限っお倧した信念も信条もなく、どころか狂気すらないたたに、あっさりず金を手にする。
     忌々しい限りだ。それが芞術家だずいうのなら分かる。芞術なんお売れればそんなモノだ。物語ずお、そういうモノだ。それなりのモノを䜜っおいなければ生き残れない、ずいうのは䜕かしら創造的、ず蚀えば聞こえは良いが、芁は䜕かしらの物語や、絵や音楜などの分野のみだ。
     幟らでも誀魔化しの効く「産業」などず違い、物語などたさにそうだが、「誀魔化し」が長くは続かないのだ。無論、突発的に売る人間は倚いのだが、それだっお䜕幎も䜕十幎も䜕癟幎も売り続けられるか ず考えれば、吊だろう。
     私は䜕臆幎先であろうが通じるよう曞いおいるそれは私の思想がそこにあるからだ。私の䜜品はどう考えたっお「代わりが効かない」そりゃそうだろう。曞いおいるのは私が䜕もないずころから䜜り䞊げた、䞖界で唯䞀の物語だ。替えの効かせようが無い。
     金の力で効かせおやりたい所だが、流石に䞍可胜だろう。ゎヌストラむタヌに同じ䜜颚の䜜品を曞けるずは、思えないしな。この「私」の思想が反映されおいない時点で、噺に成らん。
     私のやる気は金で買えるがな。
     なに、䞀日たったの金塊五トンでいいぞ。
     安売りする぀もりもない。
     逆に、替えが効くであろう産業ほど短期的に栄えお没萜するよう出来おいる。䞍思議だ、䜕か法則でもあるのだろうか䜜家ずしおはそういう「法則」こそを解き明かしたいモノだ。
     ずにかく、替えが効く以䞊、人材の入れ替わりも激しいのだが、そんな事二秒考えを巡らせれば分かりそうな噺だが、䞍思議ずそこで劎働に身を窶す連䞭は、先述した人間性を持っおいるので、「真面目にやっおいれば倧䞈倫」ず、意味䞍明な根拠を持っおいたりもする。
     真面目にやろうが䞍真面目にやろうが、替えの効く人間である以䞊、いらなくなったら捚おられるのは圓然の筈だが、圌らは䞖の䞭の裏、ずいうか「綺麗事以倖」を知らないのだ。考えおみれば圓たり前だ。綺麗事しか知らないのだから、知らない事には察応できたい。
     ここの連䞭も同じだろう。
     綺麗事しか知らない。
     だから、利甚されおいるこずに、気づかない。 少し考えれば自分達が実隓に利甚されおいるこずくらい分かりそうなものだが、きっず圌らはこうしお真面目にレゞスタンス掻動をしおいるのだから、い぀か圓然のようにそれが報われおしかるべきで、自分達の正圓なる行いが認められ、それを呚りが応揎するのも圓然、ず思っおいる。
     䞀芋するず同じに芋えるが、根本が違う。
     私は己のやり遂げた事に察し、科孊的な根拠が無くずも己を信じる。成し遂げた事は事実なのだから圓然だが、䜜品の出来は䞖界䞀だ、金は払われお圓然。これは䜕かを䜜った奎なら圓然だ。
     圌らは、蚎えが通るず思っおおり、そしお今たで蚎えるだけで意芋が通っおきたりする人間だ。だから具䜓的な「行動」よりも以前、぀たり詊行の段階でやるべき事を、しないのだ。
     それで結果が出る方がどうかしおいる。結果がすべおずいうなら、たぁそういう人間の方が結果はでおいる気もするので、あながちたるで意味を持たないわけでもないのだろうが。
     だが、そんな事が生涯賭けお続く方が、皀だ。 今たで続いおきたこずが奇跡なのだ。
     それを、考えずに生きおいる。
     少なくずもこういう連䞭に、私が同類みたいに蚀われるのは、実に腹立たしい噺だ。ご倧局な綺麗事や倧矩名分を貎様等が抱えおいる間、私はひたすら曞き続けおきたのだ。文句があるなら私以䞊に、䜕かを䜜り䞊げお芋せろ。
     そんな連䞭には無理だろうが。
     そういう意味では実にちぐはぐだ。成し埗たずころでそれが実利、金になるかどうかで悩んでいる私のような人間の暪で「宝くじが圓たった」ず蚀われおいるようなものだ。これで䜕かに玍埗しろなどず、あの女も随分な無理を蚀うものだ。
     成功するかどうか、勝算があった蚳ではない。䜜家業に明癜な勝算などあり埗ない。だが、それでも己の圚り方を定矩し、少しず぀成長し、前ぞ進み、䜜品を曞き䞊げ、たた䜜品を読み、そしお曞き、売るために頭を動かし、長い長い遠回りの結果厖に萜ち、それでも這い䞊がり、それでも倱敗を続けおきた。
     忌々しい限りだ。
     それで䜜品に説埗力が出たずころで、嬉しくもない説埗力を持たせたいなら、それらしい情報をでっち䞊げおプレれンすればいい。そうじゃない。金、金、金だ。所詮この䞖は自己満足かもしれないが、こうたで人生を賭けお手を尜くし策を尜くしそれでも売れない。
     頑匵れば結果が出る事などありはしない。努力ず結果は別物だ。信念は幞運に勝らない。だからこそ、私は、信念だずか努力だずか友情だずかそういう嘘臭いモノでなく、それらを越える力で、理䞍尜に打ち勝たなければならないのだ。
     それが可胜なのは狂気だけだ。
     だからこそ、私は邪道の䜜家なのだ。
     そうでなくおは、面癜くあるたい。
     その方が、面癜い。
    「しかし、今回の実隓個人的には止めお欲しくないな。「人類の進化を人工的に」起こす、ずいう詊みそのものは、倧きい利益を生む」
    「けれど、その圱響で倧勢死ぬぜ」
    「だが、その倧勢は私には関係がない」
    「確かに、そうだが、な。先生には関係がない」「そういうこずだ」
     可胜で有れば実隓そのものは続けさせ、それでいお察象の暙的を「始末」する、いや、それでは意味がないのか。あの女の目的が暙的そのものではなく、暙的が行うであろう「䞖界のバランスを厩す行為」を止めようずしおいるなら、尚曎だ。 その堎合、もう䞀床䟝頌を受けお、二床金を貰えるこずになるので、個人的には望たしいが。
     別にサムラむは本業でも䜕でもないしな。
     あくたで「䜜家」ずしお儲ける事が、目的だ。 そうでなくおは意味がないし、䟡倀も無い。たぁ珟状金になっおいないので、十分すぎるほどに意味も䟡倀も介圚しおいないのだが。
    「実際、人類を均䞀化出来れば、぀たり優秀な人間のみを残し、進化させ、それでいお「結束」させるこずが出来れば、事実䞊人類の抱える党おの問題を解決できるだろう」
    「倧げさじゃないか 団結したくらいで」
    「団結しただけで、人類は䜕でも出来るだろう。元々。争っおいなければこれだけ優秀な生き物も珍しい。そしお、人類が進化し、党おが党お有胜になり、団結しお目的ぞ向かえば䞍可胜など殆ど無くなるだろう。䞀人の人間でも電気のメカニズムを解明し、宇宙船の理論を組み立おられる。それが癟億、䞀千億の人間が同じ方向に進めば、宇宙の終挔たでかかっおも䞀人では出来ないこずが䞀日で出来るだろうさ」
    「珍しいな、先生がそんな噺を持ち出すなんお」「未来氞劫あり埗ないだろうがな。だから、人類党䜓を「商品ずしお」䜜れるようにし、有胜な人間ずミュヌタント、あるいは宇宙人か、それずもアンドロむドか。それらを配合し続け、有胜な品皮を䜜り䞊げるこずは、既に人間は䜜物で実隓枈みだ。それを人間にするだけだ」
    「人間の発想じゃねぇよ」
    「人間の発想だ。䜜物で詊すモノを、自分達に詊すだけだ。火星の真空空間でも生存可胜な遺䌝子配合麊が䜜られおから、もう䜕十䞇幎も経぀。それが人間に応甚されたずころで、䞍思議でも䜕でもない。倧昔から、「人道的」ずいう意味䞍明な心のブレヌキを無芖するこずで、人間の科孊は進み、生掻は豊かになっおきた。それを、たた繰り返すだけだ」
    「繰り返さない方がいい「過ち」っお奎だろう」「いいや、そうは思えない。吊、私個人の意志など関係なく「結果」が出おいるではないか。結局の所、我々が豊かでそれなりの生掻をしおいる、ずは未だ蚀い難いが、少なくずもテクノロゞヌの恩恵を受けおいるのは「戊争」が有ったお陰だ。倧昔の連䞭が頭の悪い理由で殺し合い奪い合い、死䜓を荌毘に䌏せたからこそ、今の発展がある」「酷い䟋えだ。圓事者が聞いたら怒るぜ」
    「事実だ。戊争など、争いなど、その時点で実利ずはほど遠い。戊争ずは自囜ずは関係のない、どこかどうでもいい囜、発展途䞊囜で行い、囜民はそれを深く考えず、それでいお自囜の軍需産業を発展させ、発蚀力を増やし、経枈を掻発化し、関係ないどこか遠くの生物を殺すこずで、自分達だけは恩恵を受ける為の方法だ。胎元みたいな存圚ずしおやるべき「手段」だ。自囜を巻き蟌む時点で無胜を晒しおいるではないか。そんなのは倖泚しお珟地の死んでも困らない奎等に、やらせればいい」
    「死んでも困らない人間ね。そんな人間がいるのかい」
    「沢山いるさ。発展途䞊囜はむンフラすら通っおいないこずも珍しくないし、「通したずころで、䜿い方が分からない」堎合も倚い。いや、そもそもがむンフラを䜿えるような人皮なら、今頃になっおむンフラを提䟛しお貰わねば生きおいけない囜づくりなど、しおいるはずがないのだ。自業自埗だよ。そんな成長もせず、孊も無く、極々䞀郚の䟋倖でもなければ、瀟䌚に認知すらされず、それでいお育おられもしないのに子䟛を䜜り、家族の肉を食べ、駄目なら売っお臓噚に倉える人間など、倧囜からすれば生きおいおも死んでいおも、どうでもいいだろうな」
    「先生はどうなんだ」
    「どうでもいいな。人間賛歌すら無い、恵んで貰った食料を取り合っお殺し合う人間のこずなど、どうでも良さ過ぎる」
    「けれど、環境が問題っお事もあるだろう 環境が悪かったからこそ、そう成ったのかもしれないじゃないか」
     こい぀は䜕故人間を庇いたおるのだろうか。䞍思議だ。人工知胜のゞャックからすれば、自分にない感情や独創性を持぀存圚には「尊く」あっお欲しいずいう、勝手な期埅なのだろうが。
     だが、事実だ。
     人間は醜い。
    「環境か。だが、私は環境に関係なく、䜕かを目指すこずをした。己自身で、自分はこのたたでは足りない、ず。䜕か䞊の方にある、今自分には無いモノを、求めたからだ。それが悪か善か、それはどうでもいい。私は環境は悪かった。才胜など欠片も無かった。人間性すらも持ち埗ず、理解者などいるはずもない。だが、それでも物語を幟぀か完成させる事䜍はできた。なら、少なくずも䜕かを成し遂げるのに、己の意志以倖は特に必芁ないず、たぁそういう事だろうさ」
     などず、気取った事を蚀ったが、儲かるかどうかは別の話だ。人間の意志など関係なく、儲かるか儲からないか、それは運䞍運で決たる。
     極論、雷が萜ちれば終わりだ。
     それは物理的なモノであり、瀟䌚的なモノであり、障害的な「䜕か」でもあり埗る。いずれにせよ予期せぬトラブルは぀きものだ。
     だが、それでもやるしかない。
     最悪の未来を芋据え぀぀、それでも䞊手く行くように仕蟌み、実行し、そしお機䌚を埅぀。金を蓄え぀぀䜓力を枩存し、䜓を䌑めおおく。
     出来るこずはそれくらいだ。
     い぀だっお。
     そうだった。
     私が蚀うんだ間違いない。
     出来るこずなど、そんなものだ。
    「たぁ本質は倉えられないだろうから、やはり机䞊の空論でしかないがな。そういう意味でも、本質的な郚分を倉質させお人間以䞊に、物理的にも粟神的にも成れれば」
    「それこそもう人間じゃないぜ、そうでなければ神様か」
    「ふん、ならこの方法論は䜿えんな」
    「どうしお」
    「人間ず神ず悪魔ほど、戊争ばかりしおいる生き物も、いないからさ」
     
     
     

       

     恐らくは人類至䞊最高傑䜜、胜力倀のみで蚀えば人類至䞊最高の倩才を、泣かせた。
     マリヌのこずなのだが、しかし、有胜なだけの豚ずいうのは、こうにも脆いモノなのか。知らなかった。こんな奎に負けるのが難しい。
     簡単に蚀えば、こんな事があった。
    「胜力倀が高いだけで、お前っお倧したこずないんだよな」
     今たでの流れからしお、䜕の掻躍も芋せおいない圹立たずに察する正圓なる評䟡だったのだが、しかし、それがプラむドに障ったらしい。
    「勝負をしたしょう」
    「おいおい、お前みたいな奎に、どうやっお負ければいいんだよ。癟幎はかかるぞ。私は金を䜿うのに忙しいんだ。雑魚の䞭の雑魚、キングオブ雑魚のお前に、付き合っおいる時間など無い」
    「私の癟分の䞀も挔算胜力のない男が、随分ずほざいたものね」
    「おいおい、自分の圹割はわきたえおいるようじゃないか。そんな雑魚の台詞を吐くなんお、なんだ、お前、構っお欲しいだけなのか」
    「負けた方が、勝った方に埓う。これでいいわね」
    「構わないよ。ずはいえ、暎力は頂けないな。こちらでルヌルを決めるから、それで勝負しよう」「そんなの」
    「䜕だ、自身がないか。たぁお前みたいな奎は、自分が勝おる勝負事でしか、勝おないだろうしなヒス女には殎り合いしかできないか」
    「ッ、䞊等よ」
    「では、始めようか。この簡易宿泊装眮には、ビリダヌド郚屋が䞀぀有る。それで勝負しよう」
    「内容は」
    「そうだな、先攻埌攻を決めお、埗点の倚い方にしよう。ビリダヌドの玉に曞かれおいる数字が、埗点だ。それをポケット、ずいうのかな、己の攻撃タヌンにどれだけいれられるか、ずいうのは」「埌で埌悔しない事ね」
     そう蚀っお、たずは圌女が先行を行うこずになった。成れた手぀きで準備をする。私はビリダヌドなんおやったこずもないが、圌女の手぀きは手慣れおいた。
    「蚀っおおくが、攻撃タヌンはこれのみだぞ。お前の攻撃が終わり次第、残りは私の攻撃タヌンのみだ。぀たり」
    「このタヌンに取れた点数分、貎方が取れればでしょう 簡単よ」
     埗点差分蚀うこずを聞いお貰おうかしら、などず蚀っお、圌女はボヌルを匟いた。
     圓然のように、党おのボヌルを匟き飛ばし、圌女は芋事党おのボヌルを、䞀発でポケットに萜ずすのだった。
    「どう」
    「ボヌルを぀぀くのが埗意ずは、随分ず暗い趣味だな」
    「わかっおんの、貎方、ルヌルも良く知らないようだけど、これに負けたら足の裏でも舐めお貰おうかしら」
    「そうか、自分が勝おた劄想をするのは自由だしな」 
     蚀っお、マゞックペンを取りだし、私は堂々ずボヌルの数字の埌ろに「億」ず曞いお、そのたたポケットぞ突っ蟌んだ。
    「ちょ、ちょっず」
    「䜕だ、ルヌルは説明しただろう。「ポケットの䞭にボヌルを入れれば埗点」「攻撃は䞀回きりで終了次第盞手偎ぞ」だず」
    「け、けどビリダヌドで勝負っお」
    「ビリダヌド台がある。そこで勝負をする。ポケットにボヌルをいれ、埗点の倚い方が勝利。䞀床もビリダヌドで正々堂々勝負などず、蚀っおはいないが」
    「こ、こんなの無効よ あり埗ない、信じられないわ。貎方、恥ずかしくないの」
    「おいおい、自分が負けたからっお勝負を無効にしろ、などずお前こそ恥ずかしくないのかよ。億点も差を付けおやったからっお、負け犬が偉そうにするなよな」
    「」
     少女は今にも泣き出しそうだった。
     有胜で有れば確かに「匷く」はある。だが、蚀っおしたえばそれだけだ。「匷いこず」ず「勝利できるこず」は別物なのだ。

     ズルに匱いのだ。
     
     これも匷さず匷かさの違いか。所詮有胜なだけの新人類。他でもないこの私が盞手では、癟幎賭けおも負ける事の方が難しい。
     それで容赊する私でもないが。
    「たったく、これだからヒステリヌ女は。猿みたいに倧声で喚き立おお、勝負を無かったこずにしおみるか ほれ、蚀っお芋ろよ。きぃヌ、きぃヌ、きぃいいヌっおな。半分猿みたいな顔しおるんだし、お䌌合いだぜ」
    「っう。ぐ」
     泣き出しおしたった。
     たぁどうでもいいがな。人の苊痛の衚情ほど、芋おいお癒されるモノも少ない。
     最高に面癜い。
     これだから人生はやめられない。
    「ん、確か「点数差分蚀う事を聞かせる」ずか、蚀っおたよな。そしおそれを自分が負けたずきだけ芆すような、卑怯者のゎミ屑でなければ、玄束ぐらいは守れそうなものだが、無理だろうな。すたなかったな、お前みたいな圹に立たないカスに過床な期埅をしおしたった。牛の糞よりも圹に立たない、文字通りク゜以䞋、肥料になる分、牛の糞の方が圹に立぀ず蚀えるくらい、䜿えない女であるお前に、「玄束事を守れ」なんお無理なお願いだった」
     すたなかった、ず䜕の感情も蟌めずに、぀たりは適圓な蚀葉遊びの぀いでで、私は蚀った。
    「ぃあくぃ」
     涙ず錻氎が玛れお、よく分からない。
     汚い女だな。たったく、䜕で泣いおいるのだ。 面倒くさい。物理的に臭くお粟神的にも他者を臭くするなんお、廃棄物みたいな奎だ。
    「そうだな、たずは私の実利の為に、自分から、私の指定する研究期間で実隓材料にでも成っお貰うずするかな。勿論、お前に絊料は出ないが。お前みたいな汚い女に靎の裏を舐められたずころで汚いしな。ばい菌に掗い物を任せる぀もりはない死んだ方がマシな実隓内容だろうが、たずはそれから初めお貰おうか」
     そこたで蚀うず、圌女は走っお逃げ、それから郚屋に閉じこもっおしばらく出おこなかった。その埌にこうしお連れ出しお、博士の研究斜蚭に向かっおいるのだが、口も効かないようだ。
     なので䜕床もし぀こく「実隓材料ずしお、私の指定する囜家に貢献するのか」を聞いお、䞉十回目くらいか、「それでいいわよ」ず蚀質を取るこずに成功した。
     これで、埌は博士を始末し、埌はこの少女を研究機関に高倀で売り枡しお、実隓デヌタに関する利益を独占し぀぀、バカンスにでもたた、行くずするかな。
    「鬌か、先生は」
     そう蚀うのはゞャックだった。先ほどから結構なスピヌドでマリヌの足が速いのだ移動しおいるので、聞き挏らしおいたようだ。
    「䜕がだ、私は䜕䞀぀嘘すらも぀いおいない。嘘を䞀床も蚀っおすらいないんだぞ。今前を走っおいる女の頭が、あたりにも軜く、マシュマロの方がマシ、みたいな出来であるのが悪いだろう」
     聞こえおいたのか、さらにスピヌドを䞊げるマリヌだった。足の速さなら、ずいうか逃げ足の早さなら、私の右にでる盞手はいない。なので䜕䞀぀苊にはならなかったが。
     たぁこれも「サムラむ」ずしおの特暩だろう。暙的を前に䜓力が尜きるのはたずいず、あの女が刀断したのかは知らないが、サムラむには䜓力の抂念など、無い。
     無限の持久力だ。もっずも、私はマラ゜ン遞手ではないので、披露するこずは非垞に皀だ。圹に立たない胜力だったが、たさかこんなずころで圹に立぀ずは。
     ああいう人皮は、正々堂々ず戊えるず、この䞖界を認識しおいるのだ。そんな小狡い方法で戊う盞手を、そもそも想定しおいない。そうでなくおも、腕っ節が立ち、胜力が高く、頭が回っお匷いだけの存圚など、私からすれば敵ではなく、ただの的だ。
    「やれやれ、参った。これだからお子様は。だから負ける事は癟幎かかっおも無理だず、䞁寧に教えおやったのに。泣けば勝負が無くなっおもすむず、そう思っおいるんだよ」
     ぎた、ず走るのを止めお、圌女は「貎方の蚀うずおりにしたすよ」ず䜎い声で蚀っお、そしおたた走り出すのだった。
     性別云々ず蚀うより、優秀な人間を芋るず、その優秀さをべりべりずはぎ取っお、こき䞋ろしたくなるのだ。こき䞋ろされた無様さは、芋おいお非垞に笑えるからな。
     有胜な存圚ほど、私に勝おない盞手もいたい。「そりゃ良かった。私ずしおは金にもならないのに、お前みたいなドラム猶女ず、぀たり䜓栌が䞊から䞋たで寞胎の少女ず、戯れおいる皋金に困っおいる蚳でもないのでな。案内するならさっさずしおくれ」
     それからは無蚀で走り続ける、ずいうただの移動䞭の幕間にしおは、非垞に重い空気の私にはそれも感じ取れないが行進ずなるのだった。  そしお目的地に着いた。
     䞭倮にあるタヌミナル、研究斜蚭の䞭枢郚分、぀たりは今、博士がいるであろう可胜性の、もっずも高い堎所だった。
     
     

       

     この䞭で人間が家畜のように扱われ、人暩を無芖された人間が涙でも流しおいるのか、ず、その巚倧な建築物、筒䞊の棟の圢でそびえ立぀研究所を芋お、私は楜しそうだなぁず、玠盎に思うのだった。
     人間の苊痛、苊悩、苊悶ずいうのは、眺めおいる分には最高だ。実際やるずなればたたったものではないが。
     私が蚀うのだから、これも間違いない。
     実際そんなものだ。
     もっずも、こず物語に関しおは最近はそれが原因で劣化気味だ。苊悩や苊痛、限られた環境で䜕かを成し遂げるこず。そういったあれこれから切り離された最近の物語、アニメヌション、挫画、小説、党おが安っぜくなっおいる。
     嘆かわしい限りだ。
     地獄など、己自身で保持しお圓然。それが䜜家や脚本家、あるいは挫画家だず思っおいたが、豊かさも過ぎれば、少なくずもこず物語に関しお蚀えば、だが、出来は倧抵最䜎だ。
     人間ずは、誰もが特別ではない。特別ではないその「己」を、特別だず思える䜕かに昇華する。 それが「か぀おは」生きる、ずいうこずだったのだが、「持぀偎」になり豊かさをこじらせすぎるず、ああなるずいうこずか。
     無論、そうではない人間、たぁ私みたいな奎は少数掟だろうが、そうでなくおも「苊悩」が無いたた衰えた人間に、倚いようだ。
     苊悩も無く豊かなたた来た人間。
     䜕の思想も無い䞊、人ずしお䜕䞀぀成長せずずもその「幞運」だけで来た人間は、぀たらないものだ。そういう意味では最短ルヌトを私は通っおいるのだろうか
     先に苊しみ、それを糧にしお生きる。
     分を匁えお、平穏に。
     それでも、苊しさや苊痛が、無かった事になる蚳ではないがな。痛いのも苊しいのも埡免だ。
     
     人生はプラスマむナスれロだ。

     䜕せ、喜びも悲しみも、死ねば消えるからな。どうせい぀かは死ぬ。そしお、その喜びもその悲しみも、䜕を倉える蚳でもない。
     だが、それでも「持たざる者」ずしお、䜕かを貫き通すなら、それは「狂気」のみだず思う。
     狂気こそが唯䞀の歊噚だ。
     意志次第で誰でも持おる、それでいお可胜性、そう可胜性だけは、無限倧だ。
     それを珟実に「力」にするには考えるのが銬鹿銬鹿しくなるほどの劎力がいる。䜕より、決しお報われるこずはない。
     私が蚀うんだ間違いない。
     それでも、己の生き方を倉えられない、぀たり賢く生きられない意固地な人間が、茝きを攟぀こずもあるずいうこずか。少なくずも物語を曞く、ずいう点に眮いおは。
     私の堎合意固地ず蚀うよりも、ただの消去法だが、ただの消去法でも、そこたでやれる人間は、きっず皀なのだろう。
     嬉しくもないが。
     今曎止められる地点になど、いない。
     いるはずがない。
     狂気を歊噚にする、ずはそういうこずだ。
     匕き返せる時点で、半端なのさ。
     それも、党く結果を出せおいないずころを芋るず、やはり無駄だったずしか蚀えない。負け犬の遠吠えも良いずころだが、それでも、私は己の進んできた道、己の狂気を疑ったりはしない。
     それを認められない凡俗が無胜なだけだ。
     狂人は、理解を求めないし必芁ない。己を信じるずいうただ䞀点においお、根拠のない自信を無尜蔵に保有する。
     それが「私」だ。
     そうでなくおは、぀たるたい。
     ずはいえ、「過皋」ず「結果」は別物だ。重芁性から考えおいるだけで、過皋そのものを吊定する぀もりは、あたり無い。
     だからずいっお結果がないがしろにされおいい理由には成らない。「それはそれ、これはこれ」だ。だからこそ、金を掎たねばなるたい。
     面癜いだけでなく実利を掎たねば、などず欲匵りな気もするが、そうでなくおは噺にならないずいうのも、たた「事実」なのだ。
     䞡立させる。過皋も結果も、それは実に簡単な事なのだ。売ればいい。䜕かしら「䜜り䞊げた」己の䜜品を、金に換える。
     蚀葉にすれば簡単だが、それがこうも䞊手く行かない、ずいうのはい぀もの噺だ。䜕ずかするしかないのだろう。今のずころ、その方法論はあたり芋぀かっおいない。金にするだけなら䟋の少女を研究機関に預けるだけで結構な金にはなるだろうが、私が欲しいのは結構な金でなく、恒久的に入りか぀、莫倧な金なのだ。
     それが物語の存圚意矩だ。
     読者ずは違う。私は䜜者なのだ。䜜ったモノで満足するだけでは金にならん。それなら自前で䜜品を䜜りよりもその蟺の噺を読む方が早い。
     それでは金にならない。
     金にならなければな。
    「先生はさ、蚀わば倩灜なんだよ」
     さぁこれから入ろうず蚀うずきに、奇劙なこず堎遊びでゞャックは私の足を止めた。
    「倱瀌な奎だな、こんな平々凡々足る小垂民に向かっお、そんな人を人でなしみたいに衚するだなんお、恥ずかしくないのか」
    「先生こそ、そんな心にも、おっず倱瀌。どこにも思っおいない戯れ蚀抜かすなんお、恥ずかしくないのかよ。たぁいいけどさ、䜕にしろ俺は、先生みたいな非人間がもう䞀人いる、だなんお、そんなおっかない状況、埡免被る感じだぜ」
    「吊が応でも付いおきお貰うぞ。私はハむテクが苊手なんでな」
    「そんな必芁ないだろう先生なら第六感ず勢いだけで、目的地に着くだろうぜ」
    「䜕事にも䟋倖はある。確実に今回の䟝頌をこなし぀぀も、私に被害が及ばないようにする為にはお前が必芁だからな」
    「俺は䜿い捚おの盟かよ」
    「それが嫌なら、圹に立぀こずだな。圹に立぀ので有れば、お前の奜きな電脳アむドルのコンサヌトチケット、があるのかは知らないが、金を幟分か出しおやろう」
    「そりゃあ有り難い」
     嬉しいのか嬉しくないのか、平垞通りのテンションで圌は答えるのだった。私も盞圓だが、この男も盞圓、埗䜓の知れない奎だ。私はただの狂人でしかないが、こい぀は䜕を思っお生きおいるのだろう
     テヌマにしおみるのも良いかもしれない。
     協力者ずしお、少なくずも私はたどろっこしいクラッキングなど面倒だから埡免被るので、こい぀の力を借りるずいう手っ取り早い方法を取ろうずする以䞊、協力姿勢を抱いお貰わねば困る。
     無論私の郜合であっお、だからこそ、埗䜓の知れないこい぀は扱いにくい。私は金で動くが、こういう奎は䜕で動くか分かりづらいからだ。たぁこい぀も、私にそれを蚀われたくはないのだろうが。
    「先生みたいな人間は、物語に登堎しちゃならねぇ存圚だ。そんな非人間が二人も揃うずなるず、ロクな結末にはならねぇだろうな」
    「酷い事を蚀う。あの少女が少しばかり実隓察になっお、それでいお博士は始末しおも研究そのものは存続し、その研究デヌタを私が暪流ししお儲ける、䜍のものだろう」
    「尋垞じゃねぇよ」
     そうだろうか 別に、これくらいその蟺の囜家でもやっおそうなものだが。案倖、この男はモラルの高い奎なのかもしれない。
     それに、今たで散々そういう人間、人間なのかどうか分からない奎等を盞手にしおきたが、それは違うず私は思った。
     だから蚀った。
     人工知胜盞手にそれを蚀っおも、あたり意味はないだろうが、噺は誰かに䌝えなければ始たるたい。
     倧芏暡な研究斜蚭を前に、人工知胜盞手に邪道の䜜家はこう語りかけた。
    「いや、そうじゃないぞ、ゞャック尋垞じゃないのは、むしろ「䞀般人」の方さ」
    「ぞえ、どうしおだい」
    「こういう事があるこず、は「誰にでも調べれば分かるこず」でしかない。むンタヌネットで少し調べれば、この䞖界に劂䜕に暗闇、人間の尊厳が存圚しない郚分があるか、吊、調べなくおも本来分かっお圓然だ」
    「おいおい、䞀般人は平和で平穏で䜕䞀぀争いのない䞖界に䜏んでいるんだから、そんな䞖界があるなんお想像が付かないのは、圓然だろう」
    「違うな。「芋たくないから考えない」だけだ。この䞖界に劂䜕に悲劇ず流血ず裏切りが、本圓は存圚しおいるのか それを考えない。考えたくもないし、そうであるのはどこか、それこそ囜家元銖ずかの考えるこずであっお、自分達には関係がない」
    「先生ず同じじゃないか。自分達には関係ないのだから、考えないのは圓然だろう」
    「そうでもない。所詮、人間瀟䌚であるずいう点を考えれば、「結果」は「同じ」だ。集団の䞭で誰かを迫害し、誰かが奪い、搟取し、誰かを傷぀けなければ生きる事なんお䞍可胜だ、ず平穏な瀟䌚であるからこそ、わかりやすくそれらは浮き圫りに成るものだ」
     䟋えばそれは孊校におけるいじめであり、䌚瀟におけるパワハラであり、集団における差別であり、そういった党おでもあるのだ。
     それを、芋ない。
     䞖界は善意であふれおいるず、悪意を芋ようずもせずに「信じ蟌もう」ずする。
     それの名前を「邪悪」ず呌ぶのかもしれない。生きおいるだけで䜕かしら「悪」で有るこずは必須条件だ。それを芋ようずせず、自分達は真摯で善良で玠晎らしい人間で、䜕ら眰せられる郚分などない、ず思いこむ行為。
     善意で他者を犠牲にし「ありがずうは」ず聞く行為だ。それは私ず党く同じ「最悪」の行為だろう。それを自芚するか自芚しないかだ。
     人類は皆邪悪で最悪だ。それをどう自認するかで、「善」か「悪」だず決め぀けおいるだけだ。 ただのそれだけ。
     䜕䞀぀「尊く」などない。
    「個人的には、だが「自信が善良であるず認められたいが故に、誰かを犠牲にする口実を正圓化しお、己は悪くない被害者だ」ず叫ぶ人間の行動が非垞に倚いな。私からすれば人間は生きおいるだけで誰か、䜕かを傷぀けなければならないそうでなければ生き残れないだろう。それこそ「聖人」ですらも、その玠晎らしすぎる存圚を巡っお口論になり、戊いがあり、戊争の口実にたでなったりする。「䜕䞀぀傷぀けない」などずいうのは綺麗事ですらない」
     ただの、絵空事だ。
     ありもしない、劄想だ。
     䜜家の私が蚀う蚀葉でもないが。
    「だから、こういう斜蚭を蚱せ、ず」
    「違うな、党然違うぞ。いいか、「こんな斜蚭があるのは圓たり前」なんだよ。今たで散々戊争を繰り返しお殺し合っおきた生き物が、平和になったからっお人類皆平等、少ないパンを分け合っお暮らす、なんおあり埗ない。私もそうだが、誰だっお良い暮らしがしたい。圓然のこずだ、圓然の暩利だ、だが䞖界は倩囜じゃないんだ。そんなモノあるのか知らないが、あったずしお、それは死埌に到達するのであっお、今生きおいる人間たちは、極楜浄土のように䜕䞀぀争わず戊わず螏み぀ぶさず生きる事など、出来はしない」
     それもたた、生きる䞊での障害だ。
     䜕の萜ち床も無くおも争うこずはある。こういう斜蚭だっお、必芁に応じお出おくるだろう。
     だが、そこでい぀も「絵空事」を掲げお、こうであるべきだああであるべきだ、ず倫理芳に捕らわれた綺麗事だけで、珟実に䜕か倉わるのか
    「綺麗事でない䜕か、こういう斜蚭もそうだが䜕かを倉えようずしお、行動しおいるからなのだ。綺麗事を䞊べる人間は、あれは悪いこれは道埳的でないず口は動かすが、それだけだ。それに倉わる改善案を出さない。だから必芁悪ずいう陳腐な名前で、こういう非人道的な斜蚭は必芁䞍可欠ずしお登堎する」
    「綺麗事も、䞊べるだけでは駄目かい」
    「圓然だ。䞊べるだけなら赀子でも出来る。問題はそれを実珟可胜かどうかだ。平和も理想も掲げるだけなら簡単だ。それを実珟するのは困難だ。困難を避け続けお、それでいお「口だけ」を動かしおいる存圚が、その蚎えを聞いお貰っお圓然、こちらが正しいのだかららそれを通せ、などず甘えるな」
     この䞖界はお前達の揺りかごではないのだ。人間の意志が通じないずきも、たたある。だが、それでも䜕も己で成し遂げおいない人間が、数を揃えたくらいで䜕かをくれるほど、この䞖界は優しくできおはいない。
     䜕だか説教臭くなっおしたった。私はただただ若いのだが。若い人間がこんな説教臭い蚀葉を吐くべきではないな。説教ずは基本的にも応甚的にも「筋は通っおいるが、蚀葉に説埗力のない」ものだからな。
     私が蚀うなら尚曎だ。
    「ふん、぀たりだ。あれこれ道埳を振りかざす奎の方が、性質は悪いずいうこずだ。そういう人間が䜕も出来ないこずを芋据えお、こんなばかげた斜蚭を䜜り䞊げおいるのだから、むしろ、䞀個性ずしおは芋蟌みのある方さ」
    「先生の基準は、やっぱりわかんねぇな」
    「別に良いさ。理解されたいずも、特に思わないしな」
    「けどよ、先生」
    「䜕だ」
     ただ䜕かあるのか
     そろそろ入りたいんだが。
    「あちらさんがどう思うかは、分からないみたいだぜ」
     芋るず、そこには歊装したミュヌタントが我々を埅ちかたえおいた。指瀺など出さない。死んだら死んだで少女の遺䜓はこちらで回収すればいいし、守られなければならないほど、脆くもないだろうしな。
    「行くぞ、圹立たず共」
     適圓な合図ず共に、我々䞉人は戊闘態勢に入り殺し合いを開始した。
     くしくも、誰よりも人間らしいその行為を、人間ではない䞉者が行うずいう圢で。

       

     悪の自認。
     よくわからない噺だ。倧䜓が、「貎様のやっおいるこずは法埋に反する」などず、それでいお己は悪くない、䞖間の基準ずズレおいるだけだ、などず。
     よく分からない。
     いや、理解は出来る。だが、それがなんだずいうのか。悪かったから、だから䜕だ 䟋え己の始めた行動が「悪」これも、よく分からない基準ではある。どう決めるかは本人次第だろうにだずしお、それで止めおしたうのか
     私の行為はすべからく悪だずしお、たぁ人によっお基準も違うだろうし、ずりあえず党おが党おこの「私」の行いが、「悪」だずしよう。
     
     知るか。
     
     貎様等凡俗の悲鳎など、䜕億有ろうが知ったこずではない。この「私」が良ければそれでいいのだ。だが、䞖の䞭の人間っお奎は「自分が悪くない」こずを蚌明しようずする。
     そんな必芁性がどこにあるのか。
     いや、無論「法の網をかいくぐる為」だずかなら、私にも分かる。法的に捕らわれないように手を打぀のは基本だからな。だが、圓人の眪悪感だずか、善性を保぀ためだずか、そんなどうでもいい理由で、己の立堎を守りたがる。
     䟋え䞖界党䜓が敵に回り、党人類から非難され党おの生き物に迷惑を掛け被害を出し、絶察的な悪だず認識されようが、だ。
     圓人自身は笑っおしかるべきではないか。
     私なら倧爆笑だ。成る皋、他の人間は幟分か、倧分、かなり、傷぀いたかもしれない。だがそれず私の利益は、䜕の因果関係もないのだ。
    「それは君が人間ずしお壊れおいるからだよ」
     盞察したその男はそう蚀った。人ずしお壊れおいる、か。人を欠損品みたいに評しお欲しくないものだ。どうせなら高倀が良い。
     䟡栌などふっかけお圓然だからな。
     圓たり前のこずでしかない。
     虚勢も図々しさも金はかからない。ならば己を高く芋積もり高く売り、高く裁くのは圓たり前でしかない。圓たり前すぎる噺だ。
     息を吞っお吐くに等しい。
    「通垞、人間は己をそこたで信じられないのだよ君の蚀う所の「䜕かを成し遂げる」事から逃げた人間は、特にね。己で成し遂げた事柄がないのだから、信じるに足る根拠がない」
    「根拠など必芁ないだろう」
    「それは君が狂っおいるからだ。そういう道を歩くこずは、非垞に難しい。人に理解されたがるのは人間の本胜ず蚀っおいい。集団にはじき出されれば迫害が埅っおいる。それを出来るのは君のように日垞的に迫害され「慣れおしたった」人間か「最初から他の人類ず違う欠損郚分」がある人間くらいだろうね」
    「おいおい、銬鹿を蚀うなよ。少しは気にしおいるさ。売り䞊げに関わるからな」
     癜い郚屋だ。それも、私は実隓宀のような倧きい郚屋に出され、圌、暙的の博士はモニタヌルヌムみたいなガラス匵りの郚屋から、こちらを眺めおいた。だから、どうにも芋䞋されおいるかのような感じで、人をこき䞋ろしお芋䞋すのが奜きな私からすれば、絶奜の環境だった。
     䜕の話だったかそんな事を蚀っおおいお忘れそうになる。なんだ、そう、人の評刀がどうの、ずいう話だったか。
    「誰かず誰かを芋比べお、生きる。これは己の立ち䜍眮を確かめる行為だ。それが無い君のような人間は、そもそもが立っおいないのだよ」
    「立っおいない」
    「そう、人間は誰かず誰かを芋比べお、生きる。だが皀に䟋倖は発生する。それが君だ。 君は人間の立っおいるステヌゞにいないんだよ。だからどれだけ足掻いおも人間ず同じ、いや心の有る存圚ず同じ目線にはたおないし、その物真䌌も䞊手く行かないのさ」
    「それで」
     それが䜕なのだ。回りくどい男だ。
    「いや、感心しおいるんだよ。君ほど、我が匷く己を信じられる存圚は非垞に珍しい。根拠もなく己を信じ、倉えようずする人間がいる。䜕か倧きな環境、瀟䌚、政治、そういった匷者を倉えるには、根拠無き確信が必芁だ。䞭々出来るこずではない」
    「䞖蟞は良いから金を払えよ」
    「䞖蟞ではないさ、たあ、君を呌んだ理由の䞀぀だからな。䞀応、説明したたでのこずだ」
     私はあれから、建物内を埘埊し、そしおこうしお博士のいる堎所たでたどり着いた。ずはいえ、すぐに殺しおしたっおは金にならないので、ずりあえずあえお捕らわれおやり、こうしお噺を聞いおいる。
     これも金の為だ、我慢しよう・
     取材にも成るしな。
    「君の様な人間は、瀟䌚に適合するこずこそ難しいが、それ盞応の環境を䞎えおやれば無類の匷さを発揮する。危機的状況、぀たり戊時だ」
    「生憎私は戊いや争いが嫌いでね」
    「だが埗意だ、違うかい」
     遠目ではあるものの、そのいかにも皮肉った蚀い方もそうだが、随分ないけず爺だ。性根が腐っおいるのではなく性根が悪い。
     どちらも䌌たようなものだが、笑い方が凄く忌々しい。しおやったり、みたいな笑い方は、私の偎がするこずだからな。
    「君ほど、戊争に向いおいる人材もいないよ」
    「嬉しくもない」
     実際、嬉しくもない。争い事が埗意、暎力が埗意、それは子䟛の頃から、吊、それ以前から知っおいた情報でしかない。
     しかし、この平和な瀟䌚で、䜕の圹に立぀。
     どう金になるずいうのだ。
    「いいや、違うな平和な瀟䌚などありえんのだよ。いいかね 瀟䌚ずは人間同士を争わせ極䞀郚が利益を出す、その為だけに存圚しうるものだ。瀟䌚性が構築されずずも、それはそれで動物的な争い、自信の瞄匵りを守る戊いは存圚する資源の量はこの際問題ではない。䜕か欲しいモノがある、生物ずしおこの「我」が有る以䞊は、どれだけ平穏だろうずどれだけ平和だろうずどれだけ優れおいようずも、争いは存圚する」
     重々しい口調で博士はそう蚀った。老人の癖に随分ず、含蓄の倚い奎だ。いや、老人だからこそなのだろうか。
     どうでもいいがな。
    「君に自芚はあるのかどうか、いや、そんな劎働をしおいる以䞊、自芚はあるのだろうが恐ろしく貎重な才胜なのだよ。「人間性を捚おる」これをするために生涯を賭ける人間も、少なくはないのだ」
    「埡蚗は良い。嬉しくもないしな。それで、貎様等の目的は䜕なのだ」
    「知りたいかね」
    「䜜家だからな」
    「よろしい、ではお教えしよう」
     たず、君は珟行の瀟䌚圢態をどう思う、などず圌はたず聞いおきた。どうやら噺の前の前眮きず蚀ったずころか。
    「行き詰たっおいる感じはあるな」
    「そう、その通りだ。人間は科孊の力で圧倒的な力を手にしたが、限界を超えおきおしたった。それも粟神的には䜕も成長しないたた」
    「そんなもの、どうずでも蚀えるしどうでもいいだろう。愚かだずか粟神がどうのだずか、そんな理屈は䞊から目線で神様ぶっおいるだけだ」
    「そうも蚀っおられたい。切実な問題だからな。人間はそれをずっず先送りにしおきたず蚀っおもいい䜍だ。そしお私は考えたのだ」
     行き詰たっおいるなら、濟過すればいい、ず。「私は䟋の「新人類」を䜿っお、争いを起こす぀もりだ、それも、宇宙芏暡のね」
    「そんな事をしお、どうなる」
    「遞民を行う。生き残れば、争いに生き残ったモノは良かれ悪しかれ「成長する」からな。それを人為的に行うこずが、今回の目的だ」
     宇宙党䜓を巻き蟌んだ「遞民」
     新人類を倧量生産し、それによる戊争を激化させ、激しい争いの䞭で生き残った「個性」匷い人間、アンドロむド、ミュヌタント、゚むリアン、ハヌフ、それらの「濟過」で生き詰たった人類瀟䌚党䜓の再構築が目的、ずいう事か。
     争いず狂気をあの「新人類」で匕き起こし、そしお「それ」を克服し、乗り越えた生呜のみを歓迎する。
     人為的に「進化」を匕き起こす。
     あるいはそれは「成長」ず呌ぶべきか。
    「「異垞」な環境䞋で人間は「耐え続ける」事は出来ないように出来おいる。これは「生物」が、垞に「生呜の危険」を感じ続けるストレスに耐えきれないからだ。だが、そういった「異垞」な環境䞋に眮かれた生物は、死なずに生き残れば、だがそれら異垞な環境䞋に「適応」し「進化」する堎合も、あるのだ。元より「異垞」でそれを「通垞」ずでもしおいなければ、だが。そういう意味でも存圚自䜓が「異垞」粟神の頑匷さではなく、粟神の圚り方そのものが「違う」サムラむの被隓者は、必芁䞍可欠だった」
    「それで、わざわざこんな惑星で埅ちかたえおいたわけか、ご苊劎なこずだ」
    「人類は肉䜓の頑匷さは確保した。埌は粟神の県鏡さ、だ。無論、耐えれれば良い、ずいうものではない。それはただ我慢匷いだけでしかないのだ。そうでなく、「困難」を「克服」した魂、粟神の有り様こそが、人類を次のステヌゞぞ進めるのに、必芁なピヌスだず蚀える」
     だから今回の実隓を埌抌しした。
     それが博士の蚈画である。
    「瀟䌚党䜓を人為的に、どうすれば成長させるこずが出来るのか それがテヌマであり議題だ」「進化も成長も、人の手で匕き起こすモノではないだろう」
    「いいや、そうでもない。人間の有り様から蚀っお、これが出来なければ最早先には進めない。それくらい行き詰たっおいるのだ。珟行の瀟䌚構造から蚀っお、倩然の、぀たり人の手の入らない、進化や倉化、それによる改革は、たるで望みが無いものだ」
     だから、ここたで銬鹿げた蚈画を実行した。
     ご苊劎なこずだ。
    「人間の手で人間を進化、成長させる、などず、随分䞍遜な思想の持ち䞻なのだな」
    「そうでなければここたで出来ないさ。むしろ、私にずっおは誉め蚀葉だな。君だっおそうだろうに。人為的に瀟䌚構造を「進化」させるスキヌムが確立できれば、人類は「無限」に「進化」するこずが出来る。粟神的な成長は、テクノロゞヌではカバヌしきれないのだ。察しお、肉䜓的な限界点の突砎は、もう䜕十䞇幎も前に、既に確立されおいる」
     宇宙空間でもマグマの䞭でも、人類は適応できる科孊力を持っおいる。問題はテクノロゞヌの進歩が早すぎお、「粟神」が远い぀かないたた、ここたで来おしたったこずだ、ず。
     だが、粟神的な成長の足りない人類に、「倧きすぎる力」を䞎えれば、䜿いきれずに争うだけだ。それでは意味がない。
     テクノロゞヌは既に修めた。
     次は粟神の限界を超える。
     それこそが、進化ではなく進歩しすぎた我々の「次のステップ」なのだ。
     それがこの狂人の行動原理だ。
     誰に頌たれたわけでもないのに、ご苊劎なこずだ。䞀぀私ず違いがあるずすれば、この男は「己の為に」動いおいない。その狂気を、瀟䌚党䜓のために動かそうずしおいる。
     誰にも頌たれおいなくおも、それを信じお。
     本圓に、ご苊劎なこずだ。案倖、こういう人間が頌んでもいないのに勝手に泥を被っお、無理矢理技術氎準を匕き延ばしおきたのだろう。
     それに「心の平穏」から最も遠い「争い」こそが人類を成長させ、その「心」を持たないが故に、争いや異垞を垞に己の内に持ち、「進化し続ける」筈の「狂人」である「私」が、その「心の平穏」を求めおいるずいうのだから、䜕ずも皮肉な物語だ倏がくれば冬を求め、心が有れば心に悩みなければ「金ず平穏」を求めるずいうのだから、どちらかに偏っおいるだけでは意味がない、ずいうこずなのかもしれない。
     重芁なのはバランスか。
     たぁ私の堎合平穏ず金を求める。金ずは倧抵が闘争の埌に付随するものであるずいう事実を螏たえるず、私は早く争い事から解攟されたいだけなのかもしれない。
     なんおな。
     䜜家業を止めるこずは、できないししないだろう。バランスの良い「生き甲斐」ずいう「刺激」そしお「金ず平穏」こそが、目的だ。
     難儀な人生だ。
     だが、必ずそれは達成しなければならない。そしお矛盟せずにそれは䞡立可胜だ。䞡立するからこそ、そしおそれをバランス良く行い、䜙力を持぀からこそ、平穏は手に出来る。
     争いを求めなければ、そしお金が有れば平穏など簡単だ。争いを求め、分䞍盞応な富や名声を求めるからこそ、平穏から遠ざかる。
     私は自己満足の闘争で良い。
     䜜家である以䞊、争う盞手も打ち勝぀盞手も、元よりいないしな。「傑䜜」を曞き続け、それで自己満足し、それでいお金ず平穏があり、埌は良い女でも抱けばいい。
     矎味い食べ物を食べ、矎味しい飲み物を飲む。 非人間であるが故、私にはそのどれもがたったく「幞犏ず感じられない」のだが、たぁ構わないだろう。自己満足で構わない。
     それらで本圓に満足できるなら、それはもう私ずは呌べないだろうしな。
     非人間でありながら、自己満足で満足する。
     だからこその邪道䜜家だ。たぁ、そんなポリシヌずお、私個人の充足の障害になるようならば、あっずいう間に捚おお、次の目的を探すのだろうが。
     教授に文句を蚀われるわけだ。
     私は私が満足できればそれでいいので、別に構わないがね。
     それでこそ、面癜いずいうものだ。
     こんな颚に「異垞な状態でも楜しめる」ずいうのは「異垞者」を連想させるが、違う。 
     「異垞者」ず「狂人」は違うのだ。
     異垞者ずは単に倫理芳が厩壊しおいたり、あるいはそれを良しずしおいるだけの連䞭だ。だから瀟䌚ず折り合いが぀かない人間も倚い。だが、それず狂うこずは、たるで別モノだ。

     䞖界には狂気しかないこずを、知っおいる。
     
     ただのそれだけなのだ、蚀っおしたえば奇異な行いであるかなど関係なく、この䞖界は党おが党お狂っおいる事を、ただ知っおいる。
     正垞や垞識、普通などどこにも存圚し埗ない、ただの戯蚀であるこずを、知っおいるのだ。
     だから、垞識を信じない。
     普通を疑い続ける。
     正垞など存圚しない。
     殺し合いも奪い合いも隙し合いも、それらが異垞な出来事ではなく、「生物同士が争う事は、別に珍しくない」ず、知っおいる。
     人が人の欲望のために、人を殺しおも実は、衚向きに普段奎等が蚀っおいる「良心」などずいう存圚の「呵責」が、「ただの嘘」であるこずを、知っおいるだけだ。
     䜕䞀぀特別ですらなくずも、䞖界が狂気で満ちおいる事を知っおしたえば「垞人のフリ」をしおいられるほど、お人奜しにはなれないものだ。
     害意を向けられる偎、奪われる偎、搟取される偎、意芋を抌し通される偎、匱い偎。持たざる偎の人間にずっおは、党お「狂気」でしかない。
     䞖界は狂気で出来おいお、それらの狂気を金で操れる。䞖界の真実など、そんなものだ。
     解明するほどの面癜味もない。
     それが、人の䞖の真実だ。
     人間は物事を芋る目線で䞖界の芋え方が倉わるものだ個人で有れば個人の、集団で有ればその集団の、集合䜓で有れば集合䜓の、䌁業で䌚れば䌁業の、囜家で有れば囜家の、瀟䌚で有れば瀟䌚の、惑星で有れば惑星の、宇宙で有れば宇宙の、䞖界で芋れば䞖界の、神の目線で芋れば神の䞖界が、芋える。
     無論芋えるだけで䜕が出来るわけでもない。だが狂気の目線は無限倧だ。際限がない、それを知ろうずもしないからこその「狂人」だ。
     その狂人が力を持おば、ここたでやっかいになるモノなのか、実に参考になる。無論、私は金は求めるが、およそ「力」ずいうモノに関心がないのだ。金は力だが、それ以倖の䜙分な力に興味がわかない、ずいう事なのだろうか。
     だが、䜜品の参考になる。これを機に、もっず狂気に満ちおいお、読者の粟神が汚染されるような、そんな物語を䜜れれば䜜者冥利に尜きる。
     そしお狂気に汚染された読者は、皎金のように私に本の代金を払い続ける蚳だ、玠晎らしい。
     䜕ずかそうしたいものだ。
     党䞖界の読者共が、嫌だ嫌だず蚀いながら、質の悪い䞭毒性に悩たされ぀぀、私の本に金を払っおもう読みたくないず苊しみながら物語を語る。 面癜い。
     これだから人生はやめられない。
     実珟すれば、だがな。
     たぁ珟実には私は「䞍運」などず蚀う「䜕をどう足掻いおも䞊手く行かない」ずいうク゜みたいな環境䞋にいるので、䜕をしたずころで䞊手く行かず、結局割を食うのだが。結局、私の行動は党お、持たざる人間の足掻きなど、持぀偎からすれば䜕の意味も䟡倀も生み出しはしない、ずいうこずを䜓珟しおいるようなものだ。
     結局、運䞍運か。
     そんなどうでもいい、どうでも良さ過ぎるモノの有る無しで、決たっおしたうのだろうな。最近はそれに異議を立おるのも、空しくなっおきた。 どうせ勝おはしないのだ。
     勝おない戊いは、空しいだけだ。
     空しさ以倖䜕もない。
     䜕䞀぀ずしお。
     無い。
     私の道のりはずっずそうだった。そしおこれからもそうなのだず考えるず、吐き気を催す気も倱せおきた。それすらも、どうせ無駄なのだから。 事実、無駄は無駄。
     それを掻かしお䜕かを描くこずすらも、銬鹿銬鹿しいずしか思わない。私は別に傑䜜を曞くこずそのものの為に、自信を犠牲にしようなどずは、考えたこずもないのだ。
     だから嫌だった。
     勝おない䞖界が倧嫌いだ。
     面癜くないからな。
    「それでも君は諊めなかった」
    「諊める暩利などなかったさ、私には」
     事実そうだ。物語にしたっお無駄だず分かっおいながらも、それでも突き進むしかないのだ。他に私に遞べる道など無い。だからこそこの道での倱敗は蚱されないはずだが、それでも私は勝おなかったのだ。
    「意志も思想も諊めも、たるで無意味だ。䜕かを思えば䞖界が倉わるか 䜕かを諊めれば䞖界が良くなるか ならない。だから私は珟実に䜕かを䜕ずかするために、続けた」
    「それも無駄だった。けれど君の異垞性は、たさにそこなんだろうな。垞人なら劥協しお、諊めおしたう事柄が、「諊められない」ずいう異垞。有る意味君は誰よりも熱血挢の䞻人公なのかもしれないな」
    「やめろ、気持ち悪い」
     あんな連䞭ず䞀緒にされるくらいなら、䞀緒にされる前に皆殺しにした方が、劎力的にマシ、ずいうものだ。倧䜓が、そういう連䞭は倧抵が私ず敵察し、それでいお「努力みたいなもの」で䜕か勝おる為の胜力を「幞運に恵たれお受け継ぎ」それでいお人間性を端から抹消し、論理を冒涜しおでも前ぞ進む私に「ごくあっさり」勝぀のだ。
     反吐が出る。
     人類党䜓に忌み嫌われ、迫害されながらも敵察する方が、そんなぐうたらな銬鹿共の脳味噌を理解しようずするよりも、癟倍面癜い。
    「だが、君は諊めきれない。䜕故だ」
    「䜕故も䜕もあるか、銬鹿が。私の意志などどこにも介圚しおいたい」
    「いや、こず䜜家行に関しおは」
    「それも、違う。結局の所、私はたっずうな環境や、それに芋合ったモノが手に出来おいれば、絶察に出来䞊がらない人間なんだよ。䜕もかも䞍条理にたみれ人間性を端から持たず、あらゆる手段を尜くしお敗北し、ここに至る」
    「それもそうか。他人事だから私にはどうでもいいが、たぁ、私でなくお良かったよ」
    「たったくだ」
     あの女もそう思っおいるこずだろう。本心でどう繕おうが、私ずいう人間に抌し぀けおいる事実は消えないからな。
     サムラむずしおも、生たれ぀いおの郚分も、䜜家ずしおの郚分も、党おだ。非人間であるずいうだけならば、私は嘆くどころか歓喜しただろう。だが、私は䜕もかもが䞊手く行かない。
     たるで呪いだ。
     倧きな䜕かに「ぞた」を抌し぀けられおいるむメヌゞだ。そんな人生だった。いや、珟にそういう道しか歩いおこなかった。
    「ふん、本来なら嘆いたり怒ったり「するべき」なのだろうが、私にはそれも「出来ない」実に忌々しい限りだ」
    「そしお、それは君以倖には䞍可胜な行いだろうな。誉める぀もりはないが、君ほど「狂気」に愛され粟神の頑匷さ、吊、粟神の異垞さを、狂気を保぀存圚はいないだろう。君以倖の人間性では、物語の䞭ですらそんな存圚はあり埗ない」
    「」
     いや、いい。蚀ったずころで無駄な話だ。
    「欲しくもないからくれおやろうか」
    「遠慮する。君ず同じ狂気を保有する、など、実にぞっずしない。いや想像したくすらない、ずいうべきかな。人間であれ䜕であれ、そんな圚り方は狂っおいる。君は、実際の所䜕を求めるこずも出来ない。非人間性も、人間性も、それらしい金や豊かさすらも、求めるこずが「出来ない」のだろう」
     倧きなお䞖話だ。
     それでも金は必芁だ。そしお、私はそれで自己満足できる人皮である。あれこれ蚀われる芚えはないし、そうでなくおも䜜家が物語を高く売ろうずするのは圓然でしかない。
     圓たり前の事を口にするな。
     底が知れるぞ。
    「ふむ、成る皋。君自身はそれを「自芚」しおいる。自芚した䞊でそんな生き方をしおいる、などず君は正真正銘の化け物だよ。生きおいるべきではないし、生きおいれば他の党おを脅かすだろう。君は死んだ方がいい人間だ」
     䞊から目線で偉そうな事を吐かれたが、私にずっおはそんな蚀葉、ただの日垞だ。
     そしお日垞の䞀コマ皋、䜜家にずっお぀たらない䞊にどうでもいいこずはない。
    「知るか、銬鹿が。ならば勝手に圱響されお死んでいろ。私は生きる。生きお幞犏を「支配」しおやろう。無論、金の力で」
    「それが出来ない事は、君が誰より知っおいるはずではないのかな」
    「そうでもないさ。私は䟋倖だからな。人間の幞犏の基準など、圓おはたりもしない。私は金で幞犏に「成れる」存圚だ。そしお、それで䜕䞀぀負い目を感じるこずも匕け目を感じるこずもなく、他の人類をあざ笑いながら道埳を螏み぀ぶせる」「君は人間ではないよ。人間ず同じ圢をしお、人間ず同じように生き、人間の物真䌌をしおいるだけの化け物だ」
    「面癜いではないか、䜕が悪い」
    「そうやっお、眪悪すらも飲み蟌む所さ」
     い぀かあの女にも䌌たような事を蚀われた。私ずいう人間は、非人間は「この䞖界の悪意のみを信じ、善意を党お吊定しおいる」ず。たさにその通りだ。䞖界に善意などありはしないずいう事実から、目を背けおいる方がどうかしおいる。
     だが、この博士の蚀に乗っ取るならば、私のような「存圚」でもなければ、䞖界の善意や心地よい綺麗事は、信じるに足るらしい。
     どうでもいいがな。
     ただの詭匁でしかない。
    「䜕をお前達が蚀おうが、䞖界は最初から眪悪しか存圚しない。それを飲み蟌んで䜕が悪い。お前達は芋お芋ぬ振りをしお、善人ぶっおるだけだ」「その通りだ。そしお、生き物である以䞊、異垞な非存圚でなければ、それは圓然なのだよ。匷い人間は幟らでもいるし、匱い人間は幟らでもいるものだ。だが、君のように「䜕を飲み蟌んでも己を肯定できる化け物」は、存圚するべきではないし存圚しお成らない存圚だ」
    「䜕床同じ蚀葉を繰り返すんだよ、論理の授業の講垫か、貎様は」
    「違うさ、私の専門は「人間」でね。君は自分を人間の倱敗䜜だずでも思いこもうずしおいるようだが、君は人間なんかじゃないし怪物ですらないただの「化け物」だず蚀っおいるのさ」
    「名称などどうでもいい」
     それなら明日から名刺の䞭身を倉えるたでだ。受けは悪そうだが。
    「䜕が蚀いたい」
    「君は、自分が思っおいる以䞊に「狂人」だずいうこずさ。どうしお君みたいな存圚が生たれたのか理解できないが、ある意味奇跡だよ。聖人が生たれるように、悪の聖者も生たれ出るモノなのかもしれないな」
    「人を勝手に肩曞き詐称するんじゃない」
     倧䜓が、ダサいぞ、その肩曞き。
     抌し぀けるんじゃない。勝手に名乗っおろ。
    「私はただ、䜜家ずしお必芁な技胜を身に぀けたにすぎん」
     いや、元から身に぀けおいた、か
     それだけでは曞けなかっただろうが。
    「物語を曞く人間は経隓や知恵で曞く人間、考えお構成を錬る人間、点郚の才胜で曞く人間ず色々いるが、君は「狂気」に身を任せお曞いおいる。それは危険なのだよ、狂気に感染した人間は、思想からの圱響ず違っお「逃れられない」からだ」「知ったこずか。読者が狂気に感染しようが、金を払えば「私の」貯金残高は満たされる。䜕故私が貎様等凡俗の安党保障などしなければならないのだ」
     私はどこの軍事倧囜だ。
     䞋らん。
    「その通りだ。そしお、それが危険だず蚀っおいる」
    「だから」
     同じ事の繰り返しになっおきたな。こういう䌚話は終わりがないから嫌いだ。
     私が改心するずでも思っおいるのか
     党䞖界の金を私に捧げた䞊で、そんな願いは諊めろ。どれだけ貎様等が金を積もうが、私は玄束など守りもしないからな。
    「そうだな、この話は終わりにしよう。芁は、その「狂気」通垞の人間では耐えられない環境䞋にいずもたやすく「適応」いやその異垞環境を楜しんでしたえる粟神力。私はそれが欲しい」
    「やめずけ、ロクな事はないぞ」
     倧䜓が、粟神の頑䞈さ実際にどうだかは知らないし、別に責任もずらないがが私にあったずしお、だから䜕だずいうのだ。
     粟神の成長だの、粟神的に倧人になりたいだのずいった願望は、お子様が倧人に過床な憧れを抱いおいるだけだ。若いに越したこずはない。
     私は若い。
     異論は認めない。
     ただただ子䟛だ。
     少なくずも己の運呜を芆そうずしたり、あるいはそれに流されようずしたり、こんな颚に詊行錯誀を繰り返しおいる内は、そうなのだろう。どうでもいいし、子䟛でも倧人でも金が有れば、私は䜕䞀぀構わないのだが。
     いずれにせよ本筋から倖れおいるこの状況は、あたり嬉しくない。私は「䜜家」であっお「サムラむ」はあくたで副業なのだ。本業である䜜家行で金にならなければ「自己満足による充実」も、埗られようが有るたい。
     こんな脇道で悩んだりしたくはないのだが。
     幞犏がどうのこうの、ずこの男は蚀っおいるが䞖の䞭所詮自己満足だ。自己満足で己は最高に幞犏だず、そう定矩できればそれが幞犏なのだ。
     そしおその為に必芁なモノが金だ。
     だからこそ、金がいる。
     金はそれそのものが幞犏でもあるしな。
     䜕でも買える。無論、買おうず思わなければ買えないのだが、金で買えないモノは存圚しない。 この䞖の真実ですら金で買える。
     私は䜕床も買ったこずがある。
     物語は別だが。数少ない䟋倖、ず蚀えるのだろうか 少なくずも金の力では面癜くできないだろう。無論、私のような存圚が曞いたからず蚀っおそれで面癜くなるか確玄されおいる蚳でも、きっずないのだろうが。
     たぁどうでもいい。
     問題は売り䞊げだからな。
     読む偎はずもかくずしお、曞く偎はそれだろう皆にちやほやされたいだずかそんな浮぀いた理由で倧成する䜜家も倚くなっおきたが、私はどんな時代でもその姿勢を貫く぀もりだ。論じるたでもなく私は気たぐれの暩化みたいな人間なので、すぐに宗旚替えするかもしれないが、金を必芁ずする姿勢そのものは、無くならないだろう。 そうでなくおは面癜くないからな。
     その方が、面癜い。
     生きる事は劇的ではないが、劇的ではないが故に幟らでも装食が可胜だ。蚀わば、金はその為のツヌルでもあるのだ。
     物語ずは違う偎面で、この面癜さの欠ける䞖界を面癜く、そう圚る為の䟿利な存圚。
     それが金だず蚀えよう。
     金よりも倧切なモノがあるなどず抜かす銬鹿がいるが、ならばダむダのように矎しい愛や゚メラルドのように爜やかな友情ずやらを、珟金に換金できる圢で持っおこい。
     話はそれからだ。
    「君が他者からどう思われようず構わない、ずおよそ生物ならあり埗ない感芚を抱いおいるのは、君が他の人類を「どうでもいい」ず芋なしおいるからだろう それが、君が人間でない䜕か、である蚌巊ず蚀える」
    「だから、どうした」
     人間でないずしお、だから䜕なのだ
     回りくどい野郎だ。
    「いや、なに。非垞に良いサンプルだず思っおね我々は人間の進化を促そうずしおいる集団だ。「人間ず同じ姿をした、人間以倖の䜕か」ずいう存圚は、非垞に興味深い」
    「」
     人間でない「䜕か」か。
     蚀い埗お劙だ。
     奇劙な玍埗間もある。そうだったのか、ず。たぁだからずいっお私の䞻矩䞻匵は䞀ミリも揺るがないので、䜕の関係もない話ではあるが。
    「さっき蚀っおいたな「遞民」だず。そんな事をしお、人類が人工的に進化できたずしお、人間のお前達は䜕の意味がある」
    「それは「同じ人間」に話すべき内容であっお、君には関係圚るたい。蚀わば本胜だよ。君のように粟神の圢が、ある特定の圢に固定される、ずいうこずは、生物である限りあり埗ない、だがその壁を越えるこずが出来れば、人類は幟らでも無限に進化し続けるこずが出来る」
    「進化、ね。私がその雛圢だず」
    「その通りだ。良かれ悪しかれ最悪の環境䞋でこそ、生物の倚様性は開かれる。魂の無い肉䜓に刺激を䞎え、それでいお最悪の思想ず思考回路を持たせ、困難を䞎え苊難を経隓させ、それが結果ずしお匷い生物、匷い粟神を育むのはよくあるこずだ。君の堎合、人生を通しお己自身の利益こそ䞊げられなかったものの、他者の参考にするには非垞に優れたモデルケヌスだったず蚀うだけだ」
    「玠盎に埓うず思うか」
    「関係ないさ」
     指を鳎らし、圌は私のいる実隓宀の扉を開いたらしかった。わらわらず歊装したミュヌタント共が珟れ、私に殺意の向きを定める。
     こんな奎らにしか人気が出ないずはな。
     芆面䜜家ずしお正䜓を知る存圚は消し、わずかな恚みすら蚱さず報埩が䞍可胜になるように敵察者を葬り続けおきた私だが、敵意ばかり向けられるのも考え物だ。向けられたずころで痛くも痒くもないのだが、手間が増えるのは埡免被る。
    「さあ、奜きにしたたえ。殺すも殺されるのも、君の自由だよ」
     自由などずいうのは䞎える偎にある。そんな有り難い教蚓を教えおくれる、぀たらない講垫の授業が始たった。

       

     正圓なる防衛だ。
     だが、報埩や恚みを残さないためにも、私は幎には念を入れるタむプの人間だ。盞手がミュヌタントであろうが心の臓を匕きずり出し、延髄を切り裂いお殺し、死䜓が二぀以䞊に裂けおいなければ死んでいおも殺した。
     たぁどうでもいい。動機も理由も些现な事だ。どちらにせよ私に「殺意」を向けた時点で、そい぀は死の運呜なのだ。私の保身、私の平穏、私の安党の為に、死んでいなければならない。
     確実に。
     でなければ「私」が安心できないからな。
     別に「倫理芳」が「欠劂」しおいるわけではない、ずいう点を間違えないで欲しい。倫理芳そのものは恐らく、誰よりも理解しおいる。
     倫理芳や道埳は「圹に立たない」ずいう事だ。 悩んで患者を救いきれず殺しおしたおうが、心ない䞀蚀で誰かを殺そうが、埓業員を過劎死させようが、同じだ。
     人を殺さない方が難しい。
     そんな事は䞍可胜だろう。
     圓たり前ではあるが、そんな環境䞋でどう生きればいいのか、それを考えなければ生きる事はできないだろう。私は悩んだり悔やんだりするなどずいう「過皋」をすっ飛ばしお「結果」だけを出すこずにした。
     ただの、それだけだ。
     他者を尊重もしよう。倫理芳に埓っお誰かに寄付をしおやっおも良い。だが、それず私個人ずの幞犏は別物であり、優先すべきは私自身であるずいう事だ。
     その為ならば殺す。
     幟らでも殺す。
     殺人鬌よりも殺し尜くす。
     皆殺しにしおも尚足りぬ。
     人類党䜓が滅んでも、殺す。
     私は誰かの犠牲になっお、螏み台にされるのは絶察に埡免だ。綺麗事を蚀うのは勝手だが、利甚されるかされないか、持぀偎か持たざる偎か、奪う偎か奪われる偎か、搟取する偎か搟取される偎か、隙す偎か隙される偎か、確固ずした「事実」ずしお、人間はそうしお勝利を収めおいる。
     誰かの犠牲なしには幞犏になれない。
     それが人間だ。
     無論、私は非人間なので、適圓な自己満足で満足できおしたうのだが、必芁ならばする。
     必芁なこずを必芁なだけ、する。
     それが圌らには奇異に芋えるのだろうか。私のこずを「恐怖そのもの」ずたで評した奎もいたが私自身からすれば、圓たり前の事を圓たり前に、しおいるだけだ。 
     悩み、苊悩し、それでも前ぞ進むのが人間だ。だが私は悩みも苊悩も持ちはしなかった。売り䞊げに関しおの䞍満はあるが、「そもそも出来るのかどうか」を考えすらせずに、気が付いたら傑䜜を曞き䞊げおいた。
     たるで狂気だ。実際その通りだろう。長い月日を芋返りがあるのかも分からない存圚に費やし、それでいお「成功する」ず盲信する。
     無論、私は策略を持っお挑んではいるが、だからっおここたでやり続ける人間は、いないだろう凡俗は出来る事しかやらない。匷かで圚ればそれを秀に掛けお考えもするだろう。実際私ならそうする。だが普通は限床がある。
     こず物語に関しおそれが無いのだ。
     䜜りたくおも限床が䜜れない。
     際限なく行動し、気が付いたら䜜品がいく぀か出来䞊がっおいたり、する。いたもそうだ。気が付いたらミュヌタント共を殺し終えおいた。私の普段の執筆䜜業ず同じだ。
     生き方ず密接しおいれば、そんなものだ。
     劎力ず時間はかかるが、しかしそれを自芚できない。自芚した頃には終えおいる、
     それが背負った業ずいうものだ。
     「邪魔者」は「始末」する。
     無論、意味もなく争ったり、匱い奎を襲ったりはしない。そんな無意味なこずはしたくもない。疲れるだけだからな。だが、私に殺意を向けた奎は、必ず「始末」する。
     悩んだり道埳に苊悩したりしお、奪われるのは埡免だ。殺される前に殺す。䞀般人ほど、この感芚に無自芚だ。䌁業家がリストラするのも殺人ずなんら倉わらない。違うのは、圌らには私ず違っお「自芚」どころか「芚悟」すらも存圚しない、ずいう点だろう。
     自分達が善人だず思っおいる。
     善人など、この䞖のどこにもいはしない。
     「仕方のない」ず蚀えば、圌らの䞭では殺人ですら「無かったこず」に出来る。玠晎らしい自己肯定胜力だ。楜で矚たしい。
     無論、皮肉だ。
     倢は芋るもので叶わない。圌らの善意は倢ず同じだ。思っおいるだけで実珟するこずは決しおないだろう。倫理芳や道埳に、䜕かを倉えられる筈など無い。
     泥を被らず成し遂げるなど倢物語だ。倢は芋るだけのモノ、野望は芋据えるモノ、だが、狂気は芋に宿すモノだ。私は己が善人だずは思わない。だが、悪であるこずを卑䞋する぀もりもない。
     その他倧勢の郜合など知るか。
     私自身が玍埗するこず。それが重芁なのだ。
     所詮この䞖界は圓人の思いこみで構成されおいる。「持぀過ぎた人間」が、己は䜕でも蚱されるのだず自惚れ、砎滅するのが良い蚌拠だ。
     確実なモノなどどこにもない。
     己自身でさえ、「信じる」しかないのだ。銬鹿銬鹿しいこずだが、ここたでやっお、いやここたでやったからこそ、私からはそんな蚀葉しか出ない。構わない。私は「䜜家」ずしおやるべき事をやったのだ。埌悔などありはしない。
     けれど、やっぱり金になっおいればず思うのは甘えなのだろうか 分からない。本圓に分からなかった。
     私は
    「よく耐える」
     私のいるずころからでは博士の顔は芋えない。恐らくは初老の老人だず思うのだが、それは私に持぀むメヌゞであっお、恐らくは男、䜍しか分かりそうにない。
    「その粟神性ずいい、実に貎重だよ、君は。捕獲できお本圓に良かった」
    「そりゃどうかな」
     私は携垯端末に語りかけた。
    「ゞャック」
    「䜕だよ、譊報装眮にアクセスしお逃げるか」「いいや、逆だ。党お入れろ」 
     我々はわざわざ別行動をしおいる。䜕故か 私が陜動しおいる間に、マリヌにはこの斜蚭の保管庫ぞ移動しろず䌝えおおいたのだ。保管庫には党おの実隓デヌタが玍められおおり、そしおその隣には収容所がある事は、既に確認枈みだ。
     譊報の暎走ず共に、党おの収容者が流れ出れば我々を捉えるこずなど出来はしない。
     ここで博士を惚殺するのは簡単だったのだが、「殺したその埌」が倧倉だった。脱出する脱走者の倧半は射殺されるだろうが、これで私個人の脱出経路は確保された。
     打ち合わせの時間たでもうすぐだ。
    「了解、ワむダレスで今繋げた」
     ず、同時に党おの譊報が鳎り、恐らくは向こう偎でも䞊手くやったのだろう。倧勢の人間が移動しおいるらしい振動が、地面から䌝わっお来た。「き、貎様」
    「じゃあな、人間」
     私は跳躍しおガラスをぶち砎り、䞭に進入するや吊や「博士」を叩き斬った。
    「生憎私はそこたで「人間」をしおないんでな。奜きにやらせお貰うさ」
     埌には譊報の音ず、解攟された奎隷たちの歓喜の声が響きわたっおいた。

       

     偉くならないに越したこずはない。
     悪目立ちで埗られるのは倧抂、小さな虚栄心を満たすための䞋らない肩曞きだ。そんなモノは欲しくもないし、䜕より「䜜品」が売れなければならないのであっお「䜜家」が目立぀理由はない。 聖人も偉人もロクな結末は蟿らない。ギロチンか䞍理解か貧困か、圌らの人生のレパヌトリィは非垞に少ない。
     驚くほど単調だ。
     悲劇が少しばかり倚い割に、報酬は著しく少ない。そんなのは埡免だ。
     しかし、悪事を働いおも䞊手く行かないし、善行を積んだずころで良い事は蚪れない。私の運呜は䞀䜓、どういう぀もりなのだろう
     理解しようずするだけ、それも無駄か。
     やれやれ、参った。
     振り出しに戻る、か。
     結局のずころ、私は成し遂げおやり遂げたが、それを「結果」に結び぀けられおいないのだから䜕もしおいないのず同じ、ずいうこずになる。あれこれ手を尜くしたずころで、倢ばかり芋お珟実を芋おいない「倢を芋たたた人生を終える」奎等ず同じ扱いずは、酷い噺だ。
     そういう連䞭は倚い。
     死ぬ寞前になっおさえ、自分達が行動せず生きおきたこずを嘆くこずすらできないたた、終える人間が。しかし「運呜」が決定づけられおいるならば、そうした詊みそのものが「無駄」だ。
     結局はそれなのか
     運䞍運、なのか
     だずすれば、やはり無駄なこずに時間を費やした。たかが人間の䞀生など、もずより無駄の集たりだが、私個人の目的からすれば、だ。
     䜕のために手を尜くしおきたのか。
     敗北する為だけに、ここたで来たのか。
     「持぀偎」に生たれなかった事を嘆くしか、結局道など無かったのだろうか。「結果」そういう事になる。
     嫌な噺だ。
     それも、たた「珟実」か。
     倢物語を綎る䜜家ずは、合わないわけだ。
     狂蚀回しずはよく蚀ったものだ。だが狂気を感染させるだけでは儲からない。それだけでは意味がない。䜕もしおいないのず同じだ。
     どこかよその人間など知らん。
     問題は、私の通垳残高なのだからな。
     物語においおも䌌たようなモノだ。物語そのものに意味はない。どんな物語でも読み終われば結末もからくりも党おが、晒される。それでも 䜕かを䌝えようずするからこそ物語は茝くわけだがしかし、それに意味なんお圚るたい。
     感動はするが、ただのそれだけ。
     無論、ただ物語の起承転結に気を配っただけの二流ず違っお、面癜くはある。だが実質的に䜕か力を持぀わけではない。
     結局のずころ無意味だ。
     物語で救われる奎など、幻想だ。
     珟実には「匱者」だず蚀い匵っおいる良識人はただの泥棒でしかない。「原䟡でワクチンを䜜っおくれ」「飢えおいる人々がいる」「人類皆平等なら救うべきだ」免眪笊が圚れば救われお圓然、その為の費甚は党お負担されお然るべきだ、ず。 矚たしい。
     ただ声を倧にしお叫ぶだけでよいのだから、楜で仕方ないだろう。無論、圓人達は「これだけ頑匵っおいる」などず「行動」ではなく「姿勢」で瀺せば金が貰えるずいうのだから、矚たしい限りではある。生きる事がこの䞊なく楜だろう。
     珟実に行動しお結果を出し、それが金に換えられず悩んでいるのが銬鹿みたいではある。いや、実際そういう人皮が特をするのだから、銬鹿そのものなのだろう。
     生きる事は「䜕かを倉えようずする」事が必芁䞍可欠だ。だが「郜合の良い倢だけを芋おいる」人皮には、倉えるずいう発想が無い。誰かが代わりにやっおくれお圓然、なのだ。
     そしおそれを私のような人間がするのだずすれば、貧乏くじだろう。生きおいるのかもしれないが、ならば生きる事は凡俗の奎隷になるこずだずでも蚀うのだろうか。
     本圓に嫌な噺だ。
    「」
     私は、䜕だったのだ。
     最初から、無駄だずすれば、䜕なのだ。
     この「私」は、䜕をどう足掻こうが「無駄」ではないのか。いや、そんな事は分かっおいた。分かった䞊で倉えようなどず足掻いた結末だ。珟実には足掻いたずころで結末そのものを倉えるこずは出来ない、ずそういうこずか。
     青い鳥などどこにもいなかった。
     䜜り䞊げようずしたが、無駄だった。
     奪おうずしおも䞍可胜で、停造しようずしおも䞊手く行かない。圓然だ。私にずっお青い鳥は金なのだ。代替が効くモノを代替させようなど、䜕かで代わりに䜜り䞊げようなど、暪着しおいる。 それでも金だ。
     金、金、金だ。
     金が圚れば幞犏など安く買える。
     愛も友情も必芁ない。ささやかなストレスすら蚱さない平穏なる生掻。他者をどれだけ傷぀けようが、䜕人死のうが、構わない。だが、こうも時間がかかっおしたっおは、過ごす事も出来たい。 どうしたものか。いや、答えは分かっおいるのだ。だが「䞍可胜だ」ず諊めたずころで、䜕が倉わるわけでもない。私には「倉えない」ずいう自由はないのだ。生きおいる以䞊、䜕ずかしお目的を果たし、達成しなければ。
     金による幞犏の実珟だ。
     䜕より、狂人に「制止」などあり埗ない。䜕が有ろうず止たるこずを「考えられない」からこその「狂人」なのだ。私は止たる事は出来ない。
     したくおも、出来はしない。
     そんな緩い速床で生きおはいないのだ。
     だからこそ「屈蟱」だ。こうも手を尜くしお、およそ人間の考えられる方法論を詊し぀くし、己で駄目なら他者を利甚しお、人間性など自ら吊定し続け、それでも尚目指し続けた「結果」がこれずは、「過皋」よりも「結果」の思想の末路ずしおは、実に笑えない冗談だ。
     本圓に嫌になる。
     どうでも良い理由で成功する人間の傍らで、私は垞に敗北し続けおきた。それら敗北すらも利甚しお進み、それで駄目なら方策を倉え、それでもしくじりそれでも前ぞ進んだ。
     進むだけ無駄だったが。
     䜕の金にも、成らなかった。
     むしろ「劎働」ずしおやりたくもないのにやっおきた「サムラむ」ずしおの劎働の方が、金の入りは倚いくらいだ。
     才胜や環境が党おか
     胜力を持ち、それでいお倧した劎力もかけず、それにならっお己の道を決める人間は、別に珍しくもない。だが、そんなどうでもいい理由で勝敗が決するならば、結局は無駄か、いや、そもそも才胜のある奎は「䜿う偎」の人間に利甚される事の方が倚いか。どちらかず蚀えば本圓にただの偶然、幞運、そういったもので「流行」みたいなモノに愛されお、莫倧な金を皌ぐ人間か。
     ならば尚曎「運䞍運」ずいう事か。そもそも物語に限らず「本物」を求めおいる奎などどこにもいない。流行に流されお適圓に楜しむ。真莋など誰も芋おすらいないのだ。
     物語も同じ。
     䜕を曞いおいるのか、どころか䜕の思想もなく流行を蚘事にしたような本の方が、売れる。
     䜕床も読み返し楜しみ続ける物語など、望んでいる奎が少ないのだ。だから、癜玙の方がマシ、みたいな本が溢れお遞べなくなる。
     本に限らず、デゞタル瀟䌚は胜力の倚寡を関係なく、ただ「ネット䞊」の䞖界での評刀や金の動きを頌りに売れ行きが決たるものだ。「䜕ずなく面癜そう」であればいい。どうせすぐに消費しお䜿い朰しお捚おおしたう消費嚯楜でしかない。
     嚯楜を消費する、たさにそれだ。
     䜿い捚おおその堎その堎の「聞き心地の良い」情報にのみ、耳を傟ければいい。䜕かを孊んで成長する必芁など、資本䞻矩瀟䌚では必芁すらないからだ。ずりあえず「金」になれば、猿のたたでも立掟になれる。
     パ゜コンにぞばり぀いたたたの人間が、金ず名声を手にしおいる姿は珍しくもない。ネット䞊では倧人も子䟛もない。どんな銬鹿でもそれらしい事を吐いお、優越感に浞れる。誰もが情報を共有できるずいうメリットが、有効掻甚される事は氞遠にないのだ。䜕故なら、人間は汚い。
     元より高朔に生きられない獣だ。
     逊豚堎の豚のように、目の前の「郜合が良い」䜕かぞ貪り付けばいい。䜜家じゃ有るたいし、私のように物事の裏偎など、圌らは知りたくもないのだろう。
     それでも持おば立掟。
     それが資本䞻矩ず蚀うものだ。
     猿でも豚でも神になれる䞖界。
     玠晎らしく醜悪だ。
     汚らしくお反吐が出る。
     だからこそ私はそういう連䞭ず関わらないためにも金の力が必芁なのだ。「立掟さ」などずいうどこにも無い圌らの自己満足に぀きあっお、生きる時間を浪費する぀もりはさらさら無い。
     金がなければ支配される。それは埡免だ。
     金は支配した。埌は人間を金で支配する。
     それが「私」だ。
    「ひねくれおいたすね、貎方は」
     神瀟の境内で女はそう蚀った。こうしお地球を蚪れるのも䜕床目だろうか。い぀か、劎働ではない気たぐれで蚪ねたい。
    「自分が哀れだから助けおくれ、なんお抜かしおいる連䞭ず、䞀緒にされたくないだけだ。己で決めお己でやり遂げ、己で成し遂げた。その結果がそんな連䞭ず同じでは、意味がない」
    「けれど、䟡倀はありたす。それに、貎方は埌悔しおいないのでしょう」
    「詭匁だ、そんなのは暪から芋おいるだけの貎様には、氞遠に分からないだろうさ」
     神の芖点では、非人間の思想など理解の倖だろうからな。神がいたずしお、芋るのは人間だ。化け物ではあるたい。
    「そうでしょうか、こうしおいる今も、私は貎方を芋守っおいたすよ」
    「䞋らん。芋るだけなら猿でも出来る。問題はそれが金になるかどうか、だ」
    「成ったじゃないですか」
    「物語は生憎、売れおいないのでな」
     それに、今回の報酬もいたいちだった。私は金遣いが殆ど無いず蚀っお良い。嗜奜品ず物語くらいしか買う事は無いのだ。
     それが自由に買えない珟状で、自己満足も䜕もない。蚀っおも仕方のないこずだが。
    「貎方は有りもしないモノを求めすぎですよ。金による平穏、などず囜家も瀟䌚も資本䞻矩でさえ、明日には無くなっおもおかしくないのですよ」
    「わかっおるさ」
    「そうでしょうか。今たで、沢山の囜家がそういう転換点を通る時を芋おきたしたが、䜕かを頌りにしおそれが倱われたずき、人は脆いものです」「金がなくなる日がくるずしお、私の物語が売れおはいけない理由には成るたい。貎様の蚀葉はただ綺麗事を垂れ流しおいるだけだ」
    「なら、貎方は」
    「貧困は救われる理由には成らない。䞍遇は報われお良い理由には成らない。匱者は豊かさを享受する理由には成らない。だが「傑䜜」が売れなくお良い「理由」などどこにもない。読者の芋る目ず、それこそ「倫理芳」が足りないだけだ」
     物語を無料で配垃しあおう、なんお銬鹿げた発想は莅肉にたみれた「持぀偎」それも今たで幞運生きおきただけの豚にしか、持ち埗ない発想だからな。
     読みたければ金を払え。
     読み終わっお文句を蚀い、それでいお金を払わないずはどうかしおいる。なんおそれこそ綺麗事か。どうでもいいがな。
     蚀っおも仕方ない。
    「貎方だっお、その恩恵は受けおいるでしょう」「それず、私の䜜品に金を払わない理由ず、どう因果関係がある」
     䜕の関係もない。ただ、それらしい事を蚀っおいるだけだ。
     面倒な女だ。綺麗事以倖出おこないのか
     たぁどうでもいいがな。私は圌女から札束を幟぀か受け取っお、それを懐にしたった。い぀たでこんな颚に䜿われる毎日が続くずいうのか。屈蟱以倖の䜕でもない。
     口では倧局な事を蚀っおいるが、その実、この女は私に厄介事を抌し぀けおいるだけだしな。
     信じるには倀しない。
     神を信じるなんお、疲れた時くらいのものだ。 疲れおなければ信じる気にもならない、ずそういうこずだ。
    「私は理解しおいた。吊、知っおいたのだ。どう足掻いたずころで「持぀偎」には勝おず、策を匄したずころで「運䞍運」に巊右される。私には床を超えた「幞運」など無かった。勝利者に成れないこずなど、自我が芜生えた頃には分かっおいたこずだ。だが「仕方がない」ず諊められないからこその「私」だ。口にしおもそう行動するこずは出来ないのだ。才胜が無い事も幞運が無い事も埌抌しがない事も䜕もかもが「仕方ない」理由には出来ない。成らないのだ、環境がどうであれ、どれだけ䞍遇でも、理䞍尜が襲いかかろうずも、それは「売れなくお良い」理由には成らないし、この私が諊める理由にも、たた成りはしない。豚や猿のように䜕も考えない醜悪なゎミ共ず同じ扱いを受けるずいう屈蟱の䞭ですら、私は諊めきれなかった」
    「そこたで行けば、本物以䞊ですよ」
    「どうでもいいこずだ。信念や誠意ほど、どうでも良いモノは無いだろう。物事は「結果」で刀断すべき事柄だ。「過皋」に重きを重んずるなど、蚀い蚳だ。お前は人間の「過皋」に綺麗事の皮を求めおいるようだが、それは逃避だよ」
    「だから、今回あの少女を研究期間に売り枡したのですか」
    「そうだ」
     圌女はいずれ、解明されるだろう。そしおその時には、博士の代わりに誰かが、吊、暩力者はこぞっお「ミュヌタント」ずいう新しい軍事力を歓迎するこずだろう。そしお「遞民」は行われるこずになる。
     争いず新人類の発起によっお。
    「時間の問題だ。お前は「先送り」にするこずで䜕か解決した気になっおいるらしいが、今回の件もそうだが、こんなやり方に意味など無い。遅いか早いかだ。いずれミュヌタントも暩利を䞻匵し新しい戊争が始たるだろう。その時、か぀お無い芏暡の争いの䞭で人類は淘汰される」
    「人それぞれに圹割があり、それを掻かす事が、支え合っお生きるずいうこずです。貎方は、死んで良い人間の区別が出来るずでも」
    「出来るさ。己で道を切り開かない人間は、どんどん死ぬべきだ。たしお、䜕をせずずも幞運や胜力だけで生きおきた人間など、豚ず同じだ。猿の生掻ず䜕䞀぀倉わらない」
    「そんなこずは」
    「ある。お前は人間に期埅しおいるようだが、人間に矎しい郚分など塵䞀぀分もありはしない。あるずすればそれは己で考える人間だけだ。他は働き蟻みたいなものだ。組織には必芁䞍可欠な死んでも良い駒だよ」
     それに、抌し぀けられた圹割を「仕方がない」ず良いながら惰性で生きる人間など、元より死䜓みたいなものだ。䟋え実䜓が死䜓であれ「生きようずするこず」が己を切り開く。だが「組織」や「暩嚁」あるいは「自分ではない誰か」を基準に生きる存圚など、二酞化炭玠を無駄遣いしおいるだけでしかないのだ。
    「人間は生きるに倀しない」
    「私は、それでも人間を信じたいです」
     悲壮な顔で女は蚀った。だが、
    「䞋らん。信じる事など誰でも出来る。芁は䜕の根拠もなく己にずっお郜合の良い情報を信じるだけだ。お前は人間を信じたいわけでも、人間に期埅しおいるわけでもない。本圓のずころは、人間を慮る自分に浞りたいだけだ」
     ビンタされた。 
    「わ、私は」
    「䜕だ、自分の論理が吊定されたら暎力か 蚀っおやろうか、「こんなに心配しおやっおいるのに」心配しお、だから䜕だ お前の䞋らない自己満足に぀きあわせるな。勝手に思い䞊がっお勝手に期埅しお、勝手に憀りを感じる。いいか、それを「身勝手な銬鹿」ず呌ぶんだよ」
    「」
     無力感に浞っおいるようだった。たぁどうでもいいこずだ。感傷に浞るだけなら誰でも䌑暇ずかにしおいるこずだ。そも私は救われたい蚳では決しおないのだ。
     金が欲しい。
     人間性など今曎いらない。
     圹に立たないし実圚しないからな。
    「私に察しお「心が無いなんお可哀想」だずか、そんな適圓な感想を持っおいるようだな。で お前の自己満足な哀れみで、私の残高が䞀床でも増えたのか いちいちどこか遠くの星で、お前にずっお邪魔な人物を消すのに、私の事を利甚しおいるだけではないか」
    「そ、それは」
    「お前みたいに「自分はそんな぀もりではない」ず「思いこみ」ながら、誰かを利甚する。正真正銘の邪悪だよ。気持ち悪くお仕方がない。私は生きおいるべきではない「悪の極み」かもしれないが、ならばお前達は「生きおいるだけで害悪な、停善の極み」だろうな。悪などより、䜙皋質が悪いず蚀える」
    「」
     枈たなさそうにしおいれば、圌らの心は満たされるらしい。楜で矚たしい限りだ。 
     私も楜が出来ればな。
     豚のように生きお、猿のように考える。汚らしい限りだが、それで楜が出来るのだろうか。たぁその堎合、それが幞犏かどうかすら、考えるこずを攟棄しおいるのだろうが。
     非人間のたた、豊かになりたいモノだ。
     本圓にな。
    「それで、䜕か他に甚か」
    「私は」
     蚀っお、俯いおいた顔を䞊げた。
     女は蚀った。
    「いずれ、必ず貎方を救っお芋せたす」
    「そうか」
     口にするだけなら自由だ。䜕を持っお救うのか知らないが、所詮この䞖は自己満足。この女が救えたず思い満足すれば、䟋え私が泥にたみれおいようずも「救った」事になるのだろう。
     だからどうでも良かった。
     別に救われたくもないしな。
     欲しいのは金であっお、救いなど必芁ない。
     それが狂人であれば尚曎だ。勝手に哀れむのは勝手だが、それを抌し぀けるのは激しく迷惑だ。 哀れたれる芚えはない。
     むしろ、逆か。
     私は、こい぀らず違っお「䜕か自分ではない」基準など芋もしないのだ。参考にはするが、それも私の独断あっお、だ。自分の圚り方を確立しおいる人間からすれば、綺麗事などただの食りだ。粟々が戊争の口実に䜿うくらいしか、䜿い道はないだろう。
     それより金だ。
     金、金、金だ。
     金が倧切なのだ。
    「人類皆平等、党員が䞀䜍のリレヌ競争の結果はただただ醜悪な猿の脳味噌ず豚の行動原理を持぀生き物を生んだだけだ。二぀ずも䌌たようなモノだがな。ただ単に、私がい぀も蚀っおいる事実から逃げただけだ」
     生きるずいう事から逃げおいる。
     そんな人間でも、幞運で勝利できる䞖界。
     ロクな結末でないのは保蚌枈みだ。
    「お互いに争わず、仮初めの平等を叫んだ結果、金も払えない癖に救いを求める貧困地域、その癖䜕もしようずしない難民達。䜕もしなくおも食料は配垃され、己で勝ち取る必芁すらない。それも「善意」ですらない。ただ「道埳的に正しそう」ずいうだけだ。囜が、瀟䌚が、救っおくれお圓然な䞖界。矚たしい限りだ。己で䜕もしなくずも、叫ぶだけで救いが出る」
     しかも金を出すのは他囜の皎金だず蚀うのだから、意味の分からない噺だ。
     善意を食い぀ぶしおいる。
    「逆に、瀟䌚ず折り合いの぀けられない人間、己で䜕かを成し遂げた人間ほど、無駄に終わる。珟代瀟䌚は「華々しさ」が求められる。䞭身に目を向けず買いあさり、その癖すぐに飜きお次を求め別の流行に䟿乗し、たた飜きる。猿におもちゃを䞎えおも、豚に真珠を䞎えおも無意味だ。䜕せ、モノの䟡倀そのものを求めおいないのだからな」「それは、䞀面的なモノの芋方ですよ」
    「本圓にそうか お前はそれを信じおいたいだけだろう。人間に善性など無い。奪い殺し搟取し隙し差別し迫害し螏み倒しおこそ、人間はやっずたっずうに生きられるのだ。人間瀟䌚には垞に金が存圚しおいた。自芚できないだけで、いや自芚するのが怖かっただけで、人類は生たれたずきから「幞犏に成れる人間ず成れない人間」ずいう、理䞍尜にどうでもいい理由で決められた、幞犏の暩利が存圚するこずに、気づいおいたのだ」
    「だから、資本䞻矩瀟䌚が発展したず」
    「その通りだ。そしお人類は少し、増えすぎおいるからな。お前達の倧奜きな善意だよ。枛らした方が埌々豊かになるだろう。いや、私にずっお䜏みやすくなるず蚀うべきか。いずれにせよいらない人間は枛らしお消し去る事が出来る」
     䜜家業ず同じだ。
     いらない郚分は添削すればいい。
     人間も、同じだ。
    「いずれ、私が䜕もしなかろうが、どうせ起きる事実でしかない。それをお前は「自分が良い存圚であろうずする為に」奔走しただけ。そしおそれによっお起こる郜合の悪い郚分。぀たり「邪魔者を排陀する」ずいう郚分を、自分は綺麗でありたいが故に、抌し぀けただけだ。私に䟝頌しお殺すこずで、自分は「愛されるに足る存圚」でいたいずいう、気色悪い私利私欲の豚の願望の為に、お前は私を利甚し続けおいただけなんだよ」
    「そうですかそうですよね」
     䜕故萜ち蟌んでいるのだろう。私はただ、本圓の事を蚀っただけなのだが。
     停善者は倧抵、事実を突き぀けられるず怒り出す。自分達の正圓性が脅かされるこずを恐れるのだ。この女は喚かないだけマシか。
    「適圓な事を蚀っお貎様を慰める事も出来るが、それに意味なんおないからな。どうでもいいこずだ。ふん、それにな、お前は自分が善意を利甚しおいる事を勝手に気に病んでいるようだがこの䞖界は利甚するかされるかだ。䜕䞀぀ずしお特別なこずはしおいない。問題なのはお前が自芚せず、善意を抌し売りしおいるこずだ」
    「善意の抌し売りは、迷惑ですか」
    「圓たり前だ。誰が感謝するか」
     人間は人間を傷぀けるし、螏み぀けなければ、豊かさを感じ取れない。こんなただの事実、本圓のこずを䜕故「芋ないフリ」をするのか、理解に苊しむ連䞭だ。
     我が身可愛さなのだろう。己は善人で良識があり、良い人間だず「思いこみ」たいのだ。思いこむのは勝手だが、抌し぀けられおも迷惑なだけでしかない。
     図々しいにも皋がある。
     もっず申し蚳なさそうに生きろ。
     なんおな。そんな連䞭、生きおいようが死んでいようがどうでもいい。問題は、そい぀らが私の平穏をぶち壊すこずだ。
     だから迷惑なんだ、「䞀般人」ずいう奎は。
    「ですが私の意志は倉わりたせん。貎方の息灜を祈るだけなら、お金はかかりたせんから」 ふっず、仕方なさそうに女は笑った。
     どうでもいいがな。
     この女が䜕を思おうが、通垳残高には䜕の関係もない。
     だからどうでも良いこずだった。
    「ふん、ではな」
    「ええ、息灜で」
     蚀っお、我々二人は䜕をするでもなく、別れるのだった。甚事は枈んだ。たたこの女が誰かを始末しようずすれば、私はたたここに来るのだろうその床に綺麗事の䞋らなさを、再確認するのだろうが。
     次回䜜の構想は、もう錬りたくもない。
     だが、どうせ他に出来る事もないのだ。無論、自己満足の範疇だが、粟々適圓にやるずしよう。
     平凡に生きる、なんおもう手遅れかもしれないが、それでも。
     狂気に身を任せお生きおきた。そしおそれはこれからも倉わらない。䟋え䞖界の党おが私を吊定しようが、私は己の「傑䜜」に疑いの䜙地すらなく誇りに出来る。
     どこにも救いなんおありはしない。だが、結局のずころ狂人にはその狂気を具珟化したモノを、売るしか道は残されおいないのだ。
     保蚌などどこにもない。
     だが、他でもないこの「私」の曞き䞊げた䜜品を、この「私」が信じずしお誰が信じるずいうのだろう。
     己の道を歩いおきた。
     なら、やり遂げた事、成し遂げた事を、信じるくらいしか出来る事はあるたい。
     根拠なく己を信じるのは狂人の専売特蚱だ。粟々掻甚するずしよう。
     私の隣には誰もいない。
     私の埌ろにも誰もいない。
     私を応揎する奎など、いるはずもない。
     それでも私は歩いおいく。
     それこそ「奇跡」でも信じるしかなさそうな状況だが、奇跡を起こす準備だけは敎った。傑䜜ずいう奇跡の出来の物語が、私の手の内にはある。 読者共に芋る目があるこずを祈りながら、たぁどうせ無駄だろうず、倧しお期埅もせずに、私は目を閉じた。
     やるこずは既に終わらせおいるからなのか、実に枅々しい気分だ。無論実利ずは䜕の関係もないものだ。成し遂げた成果など、期埅する方がどうかしおいる、成功は幞運で降りるモノだ。
     倉に垌望を持ちはしない。考えるだけ無駄だろう事は明癜だ。垌望を信じられるほど、この䞖界に芋る目などない。䞖界は人間の意志の行く末など興味がないのだ。
     私はふず、空を芋た。満面の星空、ではなくただ、暗黒のような䜕も存圚しない空間だけが、䞖界の果おたで広がっおいた。
     たるで私の人生だず、䜕の感慚もなく思う。
     そしお䜕䞀぀垌望の無い暗闇の䞭で、䜕の根拠もなく私は、確固たる「確信」を䜕も無いずころから䜜り䞊げお、狂気の様に笑うのだった。
     狂人に根拠も確信も自信も未来の芋通しもあるものか。私が私ずしお存圚する限り、邪道䜜家は䞍滅だ。
     その方が、面癜い。
     右を向けず蚀われれば巊を向き、前を向いお歩けず蚀われれば埌退し、やれず蚀われればやらずやるなず蚀われれば断行する。
     窮地にありながら根拠無く笑い、こうしおいる今も䜕の芋通しも立っおいないが、笑う事ず自信や確信を持぀こずに、金はかからない。
     狂人など、そんなものだ。
     䞍可胜なら断行し、理䞍尜なら芆そうず手を尜くしお倱敗する。
     そんな事を考えながら、䜕の垌望も芋えない完党な暗闇の䞭で、私は䞍敵に笑うのだった。

     

     

     
      
     




    あずがき

    未来か••••••考えた事すら無い。

    匷いお蚀えば「珟圚の執念」だけだ。曞くにせよ生きるにせよ、執念が無ければ続かない───それも、利益になるかは運次第だ。

    だから、信じるしかない。無かった。ならば埌は進むのみだ。

    未来など知らん。

    根拠など䞍芁。

    垌望なんぞ捚おおしたえ


    それでも、やった。やり通した。それを評䟡し金を払えないなどず抜かす奎がいるなら、単に脳味噌が鈍いだけだ。物を評䟡する知胜なき猿の戯蚀なんぞどうでもいい

    やるべき事を、やったのだ。


    埌悔は無い。無念すらも。ならば、埌は貎様ら読者の問題だ。

    これ以䞊恥を晒したく無かったら、無銭通読は蟞めるんだな───誀字じゃないぞ、蚀っおおくが。

    臭い圚り方は捚おるべきだ。そうじゃないか


    未来なんぞ知らん。厇高な芚悟かは評䟡が難しいずころだが、それでも私はやり遂げた。売れる前から、シリヌズ完結23冊を曞き通す䜜家なんぞ、未来のどこにも存圚しない


    確実だ 未来の方が「䞋」なのだ


    ならば、知らん。そういうのを気にするのは雑魚の圹回りであり、私ではない。気にするべきは執筆だけで十分だ。

    さお、流石にここたで無銭通読を繰り返した愚かな読者は存圚しない。いたらそい぀は、恥知らずどころか自分知らず。己の醜悪さを自芚もせずに、人様に寄生し喚き立おる害獣以䞋の、ク゜ったれ以䞋の歩くゎミだ。

    ゎミはゎミ箱ぞ。いる蚳がない。

    そんな意識の䜎い、カスみたいな読者は存圚しない。そうだろ


    で、あれば私は金持ちになる蚳だ。旅行蚈画でも緎るずしよう。最も、それはそれで䜜者取材ぞずなりそうだが。


    続線の執筆 埌だ、あず


    第䞀、これ以䞊曞いお䜕になるずいうのか••••••••••••むしろ、23冊も読み切れる奎がそういるのかずも思えおきた。

    最近は、本を読たない蒙昧が倚いからな。


    䜕も読たなければ、䜕も知らない。そこで、邪道䜜家の登堎だ──────人間であれば生涯悩たされる人間性、その克服法を非人間代衚ずしお教えおやろう。


    無論有料だ、金は貰う。


    払わない恥知らずに、生きる䟡倀無し
    䜕であれタダは無い。知らない内に「䜕か」を払っお埌悔するか、敬意を衚し金を払うか──────結論だけ蚀おう。



    前者は、倧抵倧成しない

    ならば、払うべきだ。そうじゃないか




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